JPH10235147A - 脱塩素処理方法 - Google Patents

脱塩素処理方法

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JPH10235147A
JPH10235147A JP9038726A JP3872697A JPH10235147A JP H10235147 A JPH10235147 A JP H10235147A JP 9038726 A JP9038726 A JP 9038726A JP 3872697 A JP3872697 A JP 3872697A JP H10235147 A JPH10235147 A JP H10235147A
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JP
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dechlorinating agent
chlorine
dechlorination
substance
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JP9038726A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素成分を含む被処理物を熱的に処理する際
に発生する有害な塩素系ガス等の成分と反応して無害な
ガスとする上、残渣中にも有害成分のない塩化物を生成
するようにした脱塩素処理方法を得ることを目的とす
る。 【解決手段】 塩素成分を含有する被処理物から発生す
る有害な塩素系ガスと、加熱された低酸素雰囲気中で反
応する炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触
させることで、有害な塩素系ガスと反応して無害な塩化
物を生成させるようにした脱塩素処理方法を提供する。
脱塩素剤として、炭酸系のアルカリ物質の単体、2種類
以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択する。
具体的には炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セス
キ炭酸ナトリウム、天然ソーダから選択する。これら脱
塩素剤は、塊状、板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸
濁液の何れかの状態で有害な塩素系ガスと接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素成分を含有する
被処理物、例えば都市ゴミ等の廃棄物とか産業処理物等
を加熱処理することで発生する塩素系ガス(塩化水素ガ
ス,塩素ガス)と反応させて無害なガスと塩化物を生成
するようにした脱塩素処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時都市ゴミ等の廃棄物は年々その量が
増加し、その処理が問題となっている。これらの都市ゴ
ミは一般家庭とかオフィス等から廃棄物として排出さ
れ、可燃性のものが主となっている。これら可燃性廃棄
物の中には多種多様な化学物質、例えば塩化ビニル樹脂
を多く含んだプラスチックとかオフィスで使用される紙
の塩素系漂白剤のように多量の塩素成分を含んだ物質が
混入している。
【0003】これらの廃棄物を処理する手段として、一
般に焼却処理が多用されている。しかし塩素成分を含ん
だ被処理物を焼却すると、焼却により塩素系ガス(塩化
水素ガス,塩素ガス)が発生して環境汚染及び塩素系ガ
スによる焼却施設の劣化等の問題が発生する。このよう
な塩素系ガスの発生を抑制することを目的として、従来
から消石灰とか炭酸カルシウム等の脱塩素剤を添加して
焼却処理する方法が例えば特公平2−10341号公報
等で知られている。
【0004】又、処理炉に投入された被処理物を焼却処
理した後、必要に応じて各種排ガスの浄化処理,例えば
バグフィルタで消石灰と反応させて有害な塩素系ガスが
大気中に放散されないようにする手段も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物などの処理を焼
却処理した場合に問題となるのは、被処理物中に含まれ
る塩化物及び塩素化合物等の塩素成分であり、焼却過程
で発生した塩素系ガスは、処理炉自体を損傷せしめ、ま
た、蒸気管を腐食させたり、更にはダイオキシンを生成
するといった問題につながるものである。
【0006】このようなことから、発生した塩素系ガス
は、バグフィルタ等で消石灰等と反応させて大気中に塩
素系ガスが排出されないようにしている。
【0007】しかし、焼却処理後にガスを浄化処理する
ことで一定の効果は期待できるものの、大気への拡散は
防げても残渣中に残存したりするために完全に除去する
ことは難しいのが現状であり、ダイオキシン発生の一因
となっている。
【0008】また、処理過程において、消石灰や炭酸カ
ルシウムを添加して塩素系ガスの発生を抑制することが
一般的に行われているが、まだ十分なものではないのが
現状である。
【0009】従って、ダイオキシンの発生原因となる塩
素系ガスの除去又は塩素系ガスの発生防止の技術の早急
な確立が望まれている。
【0010】そこで本発明は、被処理物を熱的に処理す
ることで発生する有害な塩素系ガス等の成分と反応して
無害なガスとする上、残渣中にも有害成分のない塩化物
を生成し、しかも熱処理炉、排ガス処理等の各種装置等
の何れにも使用することができる脱塩素処理方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明の発明者らは、
種々実験調査の結果、塩化物および塩素化合物等の塩素
成分を多量に含む被処理物を熱的処理して発生した塩素
系ガスを脱塩素処理する場合、塩素系ガス(塩化水素ガ
ス,塩素ガス)と反応する炭酸系のアルカリ物質を添加
物として加えて処理することにより、互いに反応し、有
害な塩素系ガスが無害な塩化物に置換生成されることを
見い出した。
【0012】本発明はこの知見に基づいてなされたもの
で、添加物として炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素
剤を使用することで、加熱された低酸素雰囲気中におけ
る塩素系ガスと添加した脱塩素剤とを反応させ、無害な
塩化物を生成させることのできる脱塩素処理方法を提供
する。
【0013】本発明の脱塩素処理方法は、低酸素雰囲気
中であれば、被処理物の投入から排出(排煙,残渣の取
出し)までの一連の処理系における任意の位置で脱塩素
剤を供給することで脱塩素処理が行えるものである。
【0014】ここで低酸素雰囲気とは、酸素成分が少な
いことを意味する。つまり、加熱処理炉であれば、被処
理物を投入して、入口,出口が閉鎖された状態で内部に
大気が残存している状態は許容される。
【0015】この閉鎖は、完全密閉である必要はなく、
入口側が被処理物自身で閉鎖されていることであっても
加熱により炉内の圧力が高まっていることなどにより、
外気の侵入はほとんどないので許容される。一般的に言
えば、「乾留」に相当する。
【0016】一方、加熱処理(脱塩素剤を供給して処理
した場合、又は供給しないで処理した場合の何れかの場
合)後においては、排出までの任意の箇所の低酸素雰囲
気中の排ガス、または残渣に供給して無害化処理をする
ことができる。
【0017】なお、脱塩素剤を供給して無害化した排ガ
スは、塩素系ガス成分は残存しないので、排出のための
後処理(二次燃焼などの加熱処理等の処理)をすること
は必要に応じてできる。勿論そのまま排出してもよい。
【0018】本発明に使用される脱塩素剤としては、 (1)炭酸系のアルカリ物質の単体、2種類以上の単
体、2種類以上の単体の混合物から選択したもの。 (2)炭酸系のナトリウム物質 (3)炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸ナトリウム、天然ソーダから選択した単体、2種類以
上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。 から適宜選択して使用する。
【0019】また、脱塩素剤の形状は、塊状、板状、多
孔質形状、粉体状(粉末、顆粒又はこれらの混合)、溶
液(水溶液、その他の溶液)、懸濁液のいずれでもよ
い。使用に際しては、これらのいずれか、又はこれらを
組み合わせて使用し、更に、固体,液体又は排ガスの被
処理物に投入、混合、噴霧のいずれか、又は、これらの
組み合わせにより使用し、発生した気体と反応させる。
【0020】また、脱塩素剤の使用量は、被処理物の出
発時重量の0.05〜10重量%を好適とするも、被処
理物に塩化ビニル、塩化ビニリデン、合成樹脂、ゴム、
などのように塩素成分を多量に含有する場合は、出発時
重量の10〜70重量%を添加する。又は重量と無関係
に被処理物から発生する塩素系ガス量と当量以上添加す
る。若しくは許容される塩素系ガスの排出基準以下とな
るように添加量を選定する。
【0021】また、脱塩素剤の添加時期は、塩素成分の
熱分解温度以下の時期(最初から混入)、又は熱分解中
(加熱中に噴霧)、又は熱分解後(乾留ガス,排ガス)
のいずれか、又は組み合わせにより適宜添加する。加熱
処理温度は、塩素成分の分解温度(200℃〜300
℃)から1000℃の範囲とする。
【0022】以上の条件により被処理物中に脱塩素剤を
添加して加熱処理すると、例えば、炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3)を添加した場合には、塩化水素(HC
l)と反応して、次のようになる。 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
2O)+(CO2) このことから、NaとCO成分があれば、塩素成分は、
残渣の一部となるNaClと、水分(H2O)と気体の
CO2となり、ダイオキシンの原因の一因となる塩素系
ガスを生成することはなく、排ガスおよび残渣の無害化
が実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】加熱により塩素系ガスを発生する
塩素系物質を含有する被処理物を加熱処理する際、炭酸
系のアルカリ物質を脱塩素剤として添加する。この脱塩
素剤を添加して加熱することにより、所定温度で被処理
物に含まれている塩素成分が分解し、この分解により生
成された有害な塩素系ガスと、脱塩素剤とが反応して無
害な塩化物を生成する。
【0024】以下、実施例に基づいて本発明の脱塩素処
理方法を適用した際の被処理物の脱塩素実験結果を、比
較例の結果とともに説明する。
【0025】1.〔ポリ塩化ビニリデンを用いた脱塩素
処理〕 塩素成分を多量に含有するポリ塩化ビニリデンを被処理
物として脱塩素実験を行った。実験は表1に示したよう
に被処理物の各4gに脱塩素剤として炭酸水素ナトリウ
ム20gを添加した実施例1と、脱塩素剤を使用しない
比較例1と、脱塩素剤として消石灰20gを用いた比較
例2と、脱塩素剤として炭酸カルシウム20gを用いた
比較例3の各試料を用いて実施した。脱塩素剤として平
均粒径が100μmの粉体を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】2.〔標準的な都市ゴミを模擬した被処理
物の脱塩素処理〕 標準的な都市ゴミを模擬し、更に厳しい状況を作るため
に、模擬ゴミに前記ポリ塩化ビニリデンを加えて被処理
物を作成して脱塩素実験を行った。併せて都市ゴミに水
分を加えて同様に脱塩素実験を行った。
【0028】実験は表2に示すように模擬ゴミ20gに
ポリ塩化ビニリデン1gを加えた被処理物に脱塩素剤と
して炭酸水素ナトリウム5gを添加した実施例2と、模
擬ゴミ20gにポリ塩化ビニリデン0.5gを加えた被
処理物に炭酸水素ナトリウム2.5gを添加した実施例
3と、模擬ゴミ20gにポリ塩化ビニリデン0.1gを
加えた被処理物に炭酸水素ナトリウム0.5gを添加し
た実施例4と、模擬ゴミ20gに水分20ccを加えた
被処理物に炭酸水素ナトリウム5gを添加した実施例5
の各試料を用いて実施した。
【0029】
【表2】
【0030】上記模擬した標準的な都市ゴミとは、以下
の構成物を破砕したものである。
【0031】 20重量% ・プラスチック(PE,PP,PS,PVDC) 50重量% ・紙(ティッシュ,新聞,包装紙,箱,飲料パック) 20重量% ・布(ウエスなど) 10重量% ・厨芥 上記の実施例1〜5及び比較例1〜3の各試料をタンク
内に入れ、所定の脱塩素剤を添加してから密閉し、外気
を遮断してから加熱コイルを用いてタンクを加熱し、各
試料を表3に示す250℃,300℃,350℃,40
0℃,450℃,500℃,550℃,600℃の8段
階に分け、各温度にて5分間保持し、昇温時とキープ時
に塩化水素ガス濃度を測定した。ガス濃度の測定は、J
IS−K0804に規定されている検知管によって測定
した。
【0032】表3中に測定結果を示す。塩化水素ガス濃
度は実験10回における測定値で実施例1〜実施例5は
最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
【0033】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0034】
【表3】
【0035】以上の実験結果から、脱塩素剤としての炭
酸系のアルカリ物質が有害な塩素系ガスを無害な塩化物
に置換生成することが実験により明らかとなった。実験
は、まず、塩素成分を多量に含んでいるポリ塩化ビニリ
デンのみを用いて予備試験を行った。その結果、表3の
比較例1に示すように、熱処理により塩化水素が多量に
生成されていることがわかる。
【0036】次に、従来より脱塩素剤として知られてい
る消石灰および炭酸カルシウムを添加して実験した。そ
の結果、比較例2および比較例3に示したように、塩化
水素の生成が相当抑制されてはいるものの、まだ十分な
ものではないことがわかった。
【0037】そこで、種々検討し熟考の結果、炭酸系の
アルカリ物質に着目し、炭酸水素ナトリウムを選定して
実験を行った。その結果は表3の実施例1〜5に示すよ
うに非常に良好な結果が得られた。
【0038】その結果、何れの温度領域においても、塩
化水素の生成は完全に抑制されていることが判り、炭酸
水素ナトリウムが脱塩素剤として最も有効な物質である
ことが判った。
【0039】このことによって、被処理物から発生する
塩素系ガスを脱塩素処理する場合、塩化物と反応する、
炭酸系のアルカリ物質(特にナトリウム系)を添加物と
して加えて処理すれば、無害処理ができることを見いだ
した。
【0040】3.〔結果の考察〕 表3に示した結果から以下のように考察される。先ず塩
素成分を多量に含有するポリ塩化ビニリデンを被処理物
とした場合、脱塩素剤を添加しない比較例1では熱処理
による各温度に渡って塩化水素ガスが多量に発生してい
る。この被処理物に従来の脱塩素剤である消石灰を添加
した比較例2と、脱塩素剤として炭酸カルシウムを添加
した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガスの発
生がかなり抑制されているものの、まだ十分であるとは
いえない。
【0041】これに対して上記被処理物に脱塩素剤とし
て炭酸水素ナトリウムを添加した実施例1は全温度範囲
に渡って塩化水素ガスが検出されず、きわめて良好な結
果が得られた。更に模擬ゴミにポリ塩化ビニリデンを加
えた被処理物に対して、脱塩素剤としての炭酸水素ナト
リウムの添加量を変化させた実施例2.3.4の何れの
場合も、全温度範囲に渡って塩化水素ガスが検出されな
かった。
【0042】又、模擬ゴミに水分を加えて模擬した被処
理物に炭酸水素ナトリウムを添加した実施例5の場合に
は、温度が450℃の昇温時とキープ時、及び温度が5
00℃の昇温時に僅かな塩化水素ガスの発生が見られた
が、全般的には水分が存在してもほとんど影響を受け
ず、脱塩素剤として消石灰を用いた比較例2に較べても
非常に良好な結果が得られた。
【0043】以上の実験調査によって、塩素成分を含有
する物質を熱的処理する場合、塩素成分と反応する炭酸
系のアルカリ物質(特に、ナトリウム系)を添加物とし
て加えて処理すれば、無害処理ができることを確認でき
た。
【0044】なお、600℃以上の温度においても実験
を行い同様の効果が得られたが、高温になると設備が大
形となる等を考慮して最高温度は1000℃が好まし
い。
【0045】炭酸系のアルカリ物質、特に、ナトリウム
系物質が塩素系ガスと反応すると、排ガスおよび残渣の
無害化が実現できる理由は、次のように有害な塩素系ガ
スを無害な塩化物に置換生成されることによる。
【0046】(1)炭酸水素ナトリウムの場合 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を添加した場合に
は、塩化水素(HCl)と反応して次のようになる。 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
20)+(CO2) 水分が存在した場合 (NaHCO3)+(H2O)→(NaOH)+(H2
3) (NaOH)+(H2CO3)+(HCl)→(NaC
l)+(H2O)+(CO2) となる。
【0047】(2)炭酸ナトリウムの場合 炭酸ナトリウム(Na2CO3)を添加した場合には、塩
化水素(HCl)と反応して次のようになる。 (Na2CO3)+(2HCl)→(2NaCl)+(H
2O)+(CO2) (3)セキス炭酸ナトリウムの場合 化学式 Na2CO3・NaHCO3・2H2O で表さ
れ、前記(1),(2)と同様な反応をして、有害な塩
化水素(HCl)を無害な塩化物(NaCl)に置換生
成する。
【0048】得られた残渣を分析したところ、有害な塩
素系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナ
トリウム(NaCl)が検出された。更に該残渣を10
分間撹拌しながら水洗浄することにより、塩化ナトリウ
ムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭化物中に
も塩素系ガス成分は検出されなかった。
【0049】従って、塩素成分は、残渣の一部となる塩
化ナトリウム(NaCl)と、水分(H2O)と気体の
CO2となり、ダイオキシンの原因の一因となる塩化水
素を生成することはなく、排ガスおよび残渣の無害化が
実現できる。
【0050】このことから、脱塩素剤としては、上記と
同様の反応を示す次の物質が使用できる。 (1)炭酸系のアルカリ物質の単体、2種類以上の単
体、2種類以上の単体の混合物から選択したもの。
【0051】(2)炭酸系のナトリウム物質 (3)炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セキス炭
酸ナトリウム、天然ソーダ、から選択した単体、2種類
以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。
【0052】なお、炭酸水素ナトリウム(NaHC
3)は、別称として、 (a)酸性炭酸ナトリウム (b)重炭酸ナトリウム (c)重炭酸ソーダ と称され、更には俗称として、重曹とも称されている。
【0053】炭酸ナトリウム(Na2CO3)は、別称と
して、炭酸ソーダ、単にソーダ、と称され、更には無水
塩は、ソーダ灰、十水塩は洗濯ソーダ、結晶ソーダとも
称されている。
【0054】セキス炭酸ナトリウム(Na2CO3・Na
HCO3・2H2O)は、別称として、 (a)二炭酸一水素ナトリウム (b)三二炭酸水素ナトリウム (c)ナトリウムセスキカーボネート と称され、天然にはトロナ(天然ソーダ)として産出す
る。
【0055】一方、反応によりNaClが生成される
が、生成したNaClは無害な塩化物であり、このNa
Clは水などの溶液による洗浄処理により効果的に除去
でき、洗浄後には、再利用可能な炭化物質が残る。
【0056】従って、残渣の特性により、残渣を分離手
段等により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥し固形
化して燃料又はその他有効に活用することができる。
【0057】なお、洗浄後の処理液には、有害な物質は
ほとんど含まれていないので、そのまま河川又は海洋に
放流することができる。
【0058】次にタンクから取り出した残渣には無害な
塩化物である塩化ナトリウム(NaCl)が生成されて
いる。炭化物を取り出すためには、残渣を水槽に入れて
所定時間撹拌して塩化ナトリウムを水に溶解させる。次
にこれを遠心脱水により水分を分離して排水処理し、残
部を乾燥・固形化する。分離した排水は別途の排水処理
手段により処理する。固形化した残渣中の炭素成分は燃
料として使用し、無機物はガラスとかセメント材料とし
て再利用できる。
【0059】更に残渣の物性により、該残渣を分離手段
により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥,固形化し
て燃料又はその他有効に活用することが可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる脱塩
素処理方法を用いることにより、従来の消石灰とか炭酸
カルシウムを用いた脱塩素処理方法に較べて全温度範囲
に渡って塩素系ガスの発生がなく、残渣中にも有害成分
のない塩化物を生成して、特に都市ゴミ等の塩素成分を
多量に含む被処理物に対する脱塩素処理方法として十分
な機能を発揮することができる。
【0061】本発明にかかる脱塩素処理方法は、加熱さ
れた低酸素雰囲気中で塩素系ガスと反応して無害なガス
と塩化物を生成するものであり、加熱処理炉はもちろん
のこと、加熱処理炉から排出(排煙,残渣の取出し)ま
での一連の処理工程の任意の部署で使用することができ
る。つまり前記処理炉の外に、煙道、排ガス処理用の各
種装置とか焼却炉等の既設の各種施設にもそのまま適用
可能である。
【0062】更に被処理物に対して脱塩素剤の添加,不
添加を問わずに加熱処理した後でも、排出までの任意の
箇所の低酸素雰囲気中の排ガス、または残渣に本発明の
脱塩素処理法を適用して無害化処理をすることができ
る。
【0063】適用に際して、塩素系ガスに起因する処理
炉とか焼却炉自体の損傷及び蒸気管の腐食が防止され
て、装置及び施設の長寿命化がはかれるとともに、処理
残渣中にも人体に有害なダイオキシンが生成せず、環境
上及び残渣の処理面での安全性が向上する。
【0064】排ガスは無害なガスであるとともに可燃性
ガスでもあるので、ガスエンジンの燃料とか温水器の熱
源、暖房用等の新たな燃料として使用することができ
る。固形化した残渣中の炭素成分は燃料として使用さ
れ、無機物はガラスとかセメント材料として再利用する
ことができる。
【0065】更に水分を含有する被処理物の場合でも機
能上ほとんど影響を受けない。
【0066】また、排ガス中には有害な塩素系ガスが存
在しないので、必要に応じて排ガスの後処理手段として
二次燃焼させることができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素成分を含有する被処理物から発生す
    る有害な塩素系ガスと、加熱された低酸素雰囲気中で反
    応する炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触
    させることで、有害な塩素系ガスと反応して無害な塩化
    物を生成させることを特徴とする脱塩素処理方法。
  2. 【請求項2】 脱塩素剤として、炭酸系のアルカリ物質
    の単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の混合物
    から選択した請求項1記載の脱塩素処理方法。
  3. 【請求項3】 脱塩素剤として、炭酸系のナトリウム物
    質の単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の混合
    物から選択した請求項1記載の脱塩素処理方法。
  4. 【請求項4】 脱塩素剤として、炭酸水素ナトリウム、
    炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダか
    ら選択した単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体
    の混合物から選択した請求項1乃至請求項3の何れか1
    項に記載の脱塩素処理方法。
  5. 【請求項5】 脱塩素剤を塊状、板状、多孔質形状、粉
    体状、溶液、懸濁液の何れかの状態で有害な塩素系ガス
    と接触させるようにした請求項1乃至請求項4の何れか
    1項に記載の脱塩素処理方法。
  6. 【請求項6】 添加する脱塩素剤は、被処理物の出発時
    重量の0.05〜10重量%とした請求項1乃至請求項
    5の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  7. 【請求項7】 添加する脱塩素剤は、該被処理物が塩素
    を多量に含有する塩化ビニル,塩化ビニリデン,合成樹
    脂,ゴム等の物質である場合には、出発時重量の10〜
    70重量%とした請求項1乃至請求項5の何れか1項に
    記載の脱塩素処理方法。
  8. 【請求項8】 添加する脱塩素剤は、被処理物から発生
    する塩素成分の同じ当量以上とした請求項1乃至請求項
    5の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  9. 【請求項9】 前記脱塩素剤を、許容される排出基準に
    適合する塩素系ガスの排出量以下となるように添加する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に
    記載の脱塩素処理方法。
  10. 【請求項10】 脱塩素剤は、塩素成分の熱分解温度以
    下の時期、又は熱分解中、又は熱分解後のいずれか、又
    は組み合わせにより添加することを特徴とする請求項1
    乃至請求項5の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  11. 【請求項11】 脱塩素剤の添加は、投入,混合,噴霧
    の何れか、もしくはこれらの組み合わせにより行うこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記
    載の脱塩素処理方法。
  12. 【請求項12】 前記低酸素雰囲気中での熱処理温度範
    囲を200℃〜1000℃とした請求項1乃至請求項1
    1の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
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