JPH119938A - 脱塩素処理方法 - Google Patents

脱塩素処理方法

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JPH119938A
JPH119938A JP9160911A JP16091197A JPH119938A JP H119938 A JPH119938 A JP H119938A JP 9160911 A JP9160911 A JP 9160911A JP 16091197 A JP16091197 A JP 16091197A JP H119938 A JPH119938 A JP H119938A
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JP
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chlorine
dechlorinating agent
dechlorination
potassium
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Application number
JP9160911A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素成分を含む被処理物を熱的に処理する際
に発生する有害な塩素系ガス等の成分と反応して無害な
ガスとする上、残渣中にも有害成分のない塩化物を生成
するようにした脱塩素処理方法を得ることを目的とす
る。 【解決手段】 加熱された低酸素雰囲気中で塩素成分を
含有する被処理物から発生する有害な塩素系ガスと反応
する炭酸系のカリウム物質からなる脱塩素剤とを接触さ
せることで、塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成
させるようにした脱塩素処理方法を提供する。脱塩素剤
として、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムから選択した
単体、2種類以上の単体混合物から選択して用いる。こ
れら脱塩素剤は、塊状、板状、多孔質形状、粉体状、溶
液、懸濁液の何れかの状態で有害な塩素系ガスと接触さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素成分を含有する
被処理物、例えば都市ゴミ等の廃棄物とか産業処理物等
を加熱処理することで発生する塩素系ガス(塩化水素ガ
ス,塩素ガス)と反応して無害なガスと塩化物を生成す
るようにした脱塩素処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時都市ゴミ等の廃棄物は年々その量が
増加し、その処理が問題となっている。これらの都市ゴ
ミは一般家庭とかオフィス等から廃棄物として排出さ
れ、可燃性のものが主となっている。これら可燃性廃棄
物の中には多種多様な化学物質、例えば塩化ビニル樹脂
を多く含んだプラスチックとかオフィスで使用される紙
の塩素系漂白剤のように多量の塩素成分を含んだ物質が
混入している。
【0003】これらの廃棄物を処理する手段として、一
般に焼却処理法が多用されている。しかし塩素成分を含
んだ被処理物を焼却すると、焼却により有害な塩素系ガ
ス(塩化水素ガス,塩素ガス)が発生して環境汚染及び
塩素系ガスによる焼却施設の劣化等の問題が発生する。
このような塩素系ガスの発生を抑制することを目的とし
て、従来から消石灰とか炭酸カルシウム等の脱塩素剤を
添加して焼却処理する方法が例えば特公平2−1034
1号公報等で知られている。
【0004】又、処理炉に投入された被処理物を焼却処
理した後、必要に応じて各種排ガスの浄化処理,例えば
バグフィルタで消石灰と反応させて有害な塩素系ガスが
大気中に放散されないようにする手段も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物などの処理を焼
却処理した場合に問題となるのは、被処理物中に含まれ
る塩化物及び塩素化合物等の塩素成分の処理であり、焼
却過程で発生した塩素系ガスは、処理炉自体を損傷せし
め、また、蒸気管を腐食させたり、更にはダイオキシン
を生成するといった問題につながるものである。
【0006】このようなことから、発生した塩素系ガス
は、バグフィルタ等で消石灰等と反応させて大気中に塩
素系ガスが排出されないようにしている。
【0007】しかし、焼却処理後にガスを浄化処理する
ことで一定の効果は期待できるものの、大気中への拡散
防げても残渣中に残存したりするために完全に除去する
ことは難しいのが現状であり、ダイオキシン発生の一因
となっている。
【0008】また、処理過程において、消石灰や炭酸カ
ルシウムを添加して塩素系ガスの発生を抑制することが
一般的に行われているが、まだ十分なものではないのが
現状である。
【0009】従って、ダイオキシンの発生原因となる塩
素系ガスの除去又は塩素系ガスの発生防止の技術の早急
な確立が望まれている。
【0010】そこで本発明は、被処理物を熱的に処理す
ることで発生する有害な塩素系ガス等の成分と反応して
無害なガスとする上、残渣中にも有害成分のない塩化物
を生成し、しかも熱処理炉、排ガス処理等の各種装置等
の何れにも使用することができる脱塩素処理方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明の発明者らは、
種々実験調査の結果、塩化物および塩素化合物等の塩素
成分を多量に含む被処理物を熱的処理して発生した塩素
系ガスを脱塩素処理する場合、塩素系ガス(塩化水素ガ
ス,塩素ガス)と反応する炭酸系のカリウム物質を添加
物として加えて処理することにより、互いに反応し、有
害な塩素系ガスが無害な塩化物に置換生成されることを
見い出した。
【0012】本発明はこの知見に基づいてなされたもの
で、添加物として炭酸系のカリウム物質からなる脱塩素
剤を使用することで、加熱された低酸素雰囲気中におけ
る塩素系ガスと添加した脱塩素剤とを反応させ、無害な
塩化物を生成させることのできる脱塩素処理方法を提供
する。
【0013】本発明の処理方法は、低酸素雰囲気中であ
れば、被処理物の投入から排出(排煙,残渣の取出し)
までの一連の処理系における任意の位置で脱塩素剤を供
給することで脱塩素処理が行えるものである。
【0014】ここで低酸素雰囲気とは、酸素成分が少な
いことを意味する。つまり、加熱処理炉であれば、被処
理物を投入して、入口,出口が閉鎖された状態で内部に
大気が残存している状態は許容される。
【0015】この閉鎖は、完全密閉である必要はなく、
入口側が被処理物自身で閉鎖されていることであっても
加熱により炉内の圧力が高まっていることなどにより、
外気の侵入はほとんどないので許容される。一般的に言
えば、「乾留」に相当する。
【0016】一方、加熱処理(脱塩素剤を供給して処理
した場合、又は供給しないで処理した場合の何れかの場
合)後においては、排出までの任意の箇所の低酸素雰囲
気中の排ガス、または残渣に供給して無害化処理をする
ことができる。
【0017】なお、本実施例で用いた脱塩素剤を供給し
て無害化した排ガスは、塩素系ガス成分は残存しないの
で、排出のための後処理(二次燃焼などの加熱処理等の
処理)をすることは必要に応じてできる。勿論そのまま
排出してもよい。
【0018】本発明に使用される脱塩素剤としては、 (1)炭酸系のカリウム物質の単体、2種類以上の単体
の混合物から選択したもの。
【0019】(2)炭酸カリウム、炭酸水素カリウムか
ら選択した単体、2種類以上の単体の混合物から選択し
たもの。
【0020】から適宜選択して使用する。
【0021】また、脱塩素剤の形状は、塊状、板状、多
孔質形状、粉体状(粉末、顆粒又はこれらの混合)、溶
液(水溶液,その他溶液)、懸濁液のいずれでもよい。
使用に際しては、これらのいずれか、又はこれらを組み
合わせて使用し、更に、固体又は液体又は排ガスの被処
理物に投入、混合、噴霧のいずれか、又は、これらの組
み合わせにより使用し、発生した気体と反応させる。
【0022】また、脱塩素剤の使用量は、被処理物の出
発時重量の0.05〜10重量%を好適とするも、被処
理物に塩化ビニル、塩化ビニリデン、合成樹脂、ゴム、
などのように塩素成分を多量に含有する場合は、出発時
重量の10〜70重量%を添加する。又は重量と無関係
に被処理物から発生する塩素系ガス量と当量以上添加す
る。若しくは許容される塩素系ガスの排出基準以下とな
るように添加量を選定する。
【0023】脱塩素剤の添加時期は、塩素成分の熱分解
温度以下の時期(最初から混入)、熱分解中(加熱中に
噴霧)、熱分解後(乾留ガス,排ガス)のいずれか、又
は組み合わせにより適宜添加する。加熱処理温度は、塩
素成分の分解温度(200℃〜300℃)から1000
℃の範囲とする。
【0024】以上の条件により被処理物中に脱塩素剤を
添加して加熱処理すると、例えば、炭酸水素カリウム
(KHCO3)を添加した場合には、塩化水素(HC
l)と反応して、次のようになる。
【0025】(KHCO3)+(HCl)→(KCl)
+(H2O)+(CO2) このように塩化水素は炭酸水素カリウムと反応して、残
渣の一部となる塩化カリウム(KCl)と、水分(H2
O)と炭酸ガス(CO2)になり、ダイオキシンの原因
の一因となる塩素系ガスを生成することはなく、排ガス
および残渣の無害化が実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】加熱により塩素系ガスを発生する
塩素系化物質を含有する被処理物を加熱処理する際、炭
酸系のカリウム物質を脱塩素剤として添加する。この脱
塩素剤を添加して加熱することにより、所定温度で被処
理物に含まれている塩素成分が分解し、この分解により
生成された有害な塩素系ガスと、脱塩素剤とが反応して
無害な塩化物を生成する。
【0027】以下、実施例に基づいて本発明の脱塩素処
理方法を適用した際の被処理物の脱塩素実験結果を、比
較例の結果とともに説明する。
【0028】1.〔脱塩素処理実験〕 塩素成分を多量に含有するポリ塩化ビニリデンと標準ゴ
ミを被処理物として脱塩素実験を行った。
【0029】実験は表1に示したように、被処理物とし
てのポリ塩化ビニリデン4gに脱塩素剤として粉砕した
炭酸水素カリウム10gを添加した試料を実施例1と
し、標準ゴミ40gに脱塩素剤として粉砕した炭素水素
カリウム10gを添加した試料を実施例2とした。比較
例1、比較例2と比較例3は同じ被処理物のポリ塩化ビ
ニリデン4gに脱塩素剤を添加しない試料、従来の脱塩
素剤である消石灰20gを添加した試料、炭酸カルシウ
ムを添加した試料とした。脱塩素剤として平均粒径が1
00μmの粉体を用いた。
【0030】なお、標準ゴミは、次のような標準的都市
ゴミを模擬して作り、これを粉砕したものを用いた。
【0031】 ・標準ゴミ 20重量% ・プラスチック(PE,PP,PS,PVDC) 50重量% ・紙(テッシュ、新聞、包装紙、箱、飲料パック) 20重量% ・布(ウエスなど) 10重量% ・厨芥
【0032】
【表1】
【0033】上記の実施例1,2及び比較例1〜3の各
試料を排気管付きのタンク内に入れ、外気を遮断してか
ら加熱コイルによりタンクを加熱し、各試料を表1に示
す250℃,300℃,350℃,400℃,450
℃,500℃,550℃,600℃,600℃〜100
0℃の9段階に分け、各温度にて5分間保持し、昇温時
とキープ時に排気管を開けて塩化水素ガス濃度を測定し
た。ガス濃度の測定は、JIS−K0804に規定され
ている検知管によって測定した。
【0034】表1中に測定結果を示す。塩化水素ガス濃
度は実験10回における測定値で実施例1,2では最高
値、比較例1〜3は最低値を示す。
【0035】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0036】以上の実験結果から、脱塩素剤としての炭
酸系のカリウム物質が有害な塩素系ガスを無害な塩化物
に置換生成することが実験により明らかとなった。ま
ず、塩素成分を多量に含んでいるポリ塩化ビニリデンの
場合、表1の比較例1に示すように、熱処理により塩化
水素が多量に生成されていることがわかる。
【0037】次に、従来より脱塩素剤として知られてい
る消石灰及び炭酸カルシウムを添加した場合、比較例
2,3に示したように、塩化水素の生成が相当抑制され
てはいるものの、まだ十分なものではないことがわかっ
た。
【0038】そこで、種々検討し熟考の結果、炭酸系の
カリウム物質に着目し、炭酸水素カリウムを選定して実
験を行った。その結果は表1の実施例1,2に示すよう
に、ほぼ何れの温度領域においても、塩化水素の生成は
見られず炭酸水素カリウムが脱塩素剤として有効な物質
であることが判った。
【0039】このことによって、被処理物から発生する
塩素系ガス脱塩素処理する場合、塩化物と反応する炭酸
系のカリウム物質を添加物として加えて処理すれば、無
害処理ができることを見いだした。
【0040】2.〔結果の考察〕 表1に示した結果から以下のように考察される。先ず比
較例1のように塩素成分を多量に含有するポリ塩化ビニ
リデンを被処理物とし、脱塩素剤を添加しないで熱処理
を行うと、各温度に渡って塩化水素ガスが多量に発生し
ている。そこでこの被処理物に従来の脱塩素剤である消
石灰及び炭酸カルシウムを添加して熱処理した比較例
2,3は、比較例1と較べて塩化水素ガスの発生がかな
り抑制されているものの、まだ十分であるとはいえな
い。
【0041】これに対して被処理物としてのポリ塩化ビ
ニリデン4gに脱塩素剤として炭酸水素カリウム10g
を添加した実施例1と、標準ゴミ40gに脱塩素剤とし
て炭酸水素カリウム10gを添加した実施例2の場合に
は、実施例2における温度が350℃及び400℃の昇
温時と、5分キープ時に僅かな塩化水素ガスの発生が見
られたが、全温度範囲に渡って塩化水素ガスが検出され
ず、きわめて良好な結果が得られた。
【0042】炭酸水素カリウム(KHCO3)の場合に
は、塩化水素(HCl)が分解析出する温度(250℃
以上)以下の温度で分解してCO3が分離し、次のよう
に残りのKHと発生するHClとの反応がスムーズに行
える雰囲気状態となっている。
【0043】 KH+CO3+HCl → KCl+H2O+CO2 従って、分解したHClとKHとが迅速に反応して無害
な塩化物(KCl)を新たに生成する。
【0044】一方、炭酸カルシウム(CaCO3)、消
石灰(Ca(OH)2)の場合には、同様に無害な塩化
物(CaCl)を生成するもののカリウム系に比較して
反応がスムーズでないものと思わせれる。
【0045】以上の実験調査によって、塩素成分を含有
する物質を熱的に処理する場合、塩素成分と反応する炭
酸系のカリウムを添加物として加えて処理すれば、無害
処理ができることを確認できた。
【0046】なお、600℃以上の温度においても実験
を行い同様の効果が得られたが、高温になると設備が大
形となる等を考慮して最高温度は1000℃が好まし
い。
【0047】炭酸系のカリウム物質が塩素系ガスと反応
すると、排ガスおよび残渣の無害化が実現できる理由
は、次のように有害な塩素系ガスを無害な塩化物に置換
生成されることによる。
【0048】ここで炭酸水素カリウム(KHCO3)を
脱塩素剤として用いて被処理物中に添加した場合の反応
は、前記したように炭酸水素カリウムが塩化水素(HC
l)との間で以下の反応式が進行する。
【0049】(KHCO3) + (HCl) → (KC
l) +( H2O)+(CO2) このように炭酸水素カリウムは塩化水素と反応して無害
な塩化カリウムと水と炭酸ガスを生成する。
【0050】炭酸カリウム(K2CO3)を用いた場合の
反応式は、 (K2CO3)+(2HCl) → (2KCl) +(H2
O)+(CO2) として炭酸カリウムは塩化水素と反応して無害な塩化カ
リウムと水と炭酸ガスになる。
【0051】得られた残渣を分析したところ、有害な塩
素系ガスが検出されず、無害な塩化物である塩化カリウ
ム(KCl)が検出された。更に該残渣を10分間撹拌
しながら水洗浄することにより塩化カリウムはともに水
中に溶解し、炭化物が残存したが、この炭化物中にも塩
素系ガス成分は検出されなかった。
【0052】従って該脱塩素剤中に塩素成分と反応して
無害な塩化物を生成する炭酸系のカリウム物質が存在す
れば塩化カリウムとして残渣の一部となり、ダイオキシ
ンの発生原因の1つである塩化水素が生成することがな
く、これらの残渣と排ガスの無害化をはかることができ
る。
【0053】このことから、脱塩素剤としては、上記と
同様の反応を示す次の物質が使用できる。
【0054】(1)炭酸系のカリウム物質の単体、2種
類以上の単体の混合物から選択したもの。
【0055】(2)炭酸カリウム、炭酸水素カリウムか
ら選択した単体、2種類以上の単体の混合物から選択し
たもの。
【0056】一方、反応によりKClが生成されるが、
生成したKClは無害な塩化物であり、水などの溶液に
よる洗浄処理により効果的に除去でき、洗浄後には、再
利用可能な炭化物質が残る。
【0057】なお、洗浄後の処理液には、有害な物質は
ほとんど含まれていないので、そのまま河川又は海洋に
放流することができる。
【0058】次にタンクから取り出した残渣には無害な
塩化物である塩化カリウム(KCl)が生成されている
ので、残渣を水槽に入れて所定時間撹拌して水に溶解さ
せ、次にこれを遠心脱水により水分を分離して排水処理
し、残部を乾燥・固形化する。分離した排水は別途の排
水処理手段により処理する。固形化した残渣中の炭素成
分は燃料として使用し、無機物はガラスとかセメント材
料として再利用できる。
【0059】従って残渣の物性により、該残渣を分離手
段により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥,固形化
して燃料又はその他有効に活用することが可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる脱塩
素処理方法を用いることにより、従来の消石灰とか炭酸
カルシウムを用いた脱塩素方法に較べて全温度範囲に渡
って塩素系ガスの発生がなく、残渣中にも有害成分のな
い塩化物を生成して、特に都市ゴミ等の水分と塩素成分
を多量に含む被処理物に対する脱塩素方法として十分な
機能を発揮することができる。
【0061】本発明にかかる脱塩素処理方法は、加熱さ
れた低酸素雰囲気中で塩素系ガスと反応して無害なガス
と塩化物を生成するものであり、加熱処理炉は勿論のこ
と、加熱処理炉から排出(排煙,残渣の取出し)までの
一連の処理工程の任意の部署で使用することができる。
つまり前記処理炉の外に、煙道、排ガス処理用の各種装
置とか焼却炉等の既設の各種施設にもそのまま適用可能
である。
【0062】また、被処理物に対して脱塩素剤の添加,
不添加を問わずに加熱処理した後でも、排出までの任意
の箇所の低酸素雰囲気中の排ガス、または残渣に本発明
の脱塩素処理法を適用して無害化処理をすることができ
る。
【0063】適用に際して、塩素系ガスに起因する処理
炉とか焼却炉自体の損傷及び蒸気管の腐食が防止され
て、装置及び施設の長寿命化がはかれるとともに、処理
残渣中にも人体に有害なダイオキシンが生成せず、環境
上及び残渣の処理面での安全性が向上する。
【0064】排ガスは塩素系ガスを含まない無害なガス
であるとともに可燃性ガスでもあるので、ガスエンジン
の燃料とか温水器の熱源、暖房用等の新たな燃料として
使用することができる。固形化した残渣中の炭素成分は
燃料として使用され、無機物はガラスとかセメント材料
として再利用することができる。
【0065】更に水分を含有する被処理物の場合でも機
能上ほとんど影響を受けない。
【0066】又、排ガス中には有害な塩素系ガスが存在
しないので、必要に応じて排ガスの後処理手段として二
次燃焼させることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された低酸素雰囲気中で塩素成分を
    含有する被処理物から発生する有害な塩素系ガスと反応
    する炭酸系のカリウム物質からなる脱塩素剤とを接触さ
    せることで、塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成
    させることを特徴とする脱塩素処理方法。
  2. 【請求項2】 脱塩素剤として、炭酸系のカリウム物質
    の単体、2種類以上の単体混合物から選択した請求項1
    記載の脱塩素処理方法。
  3. 【請求項3】 脱塩素剤として、炭酸カリウム、炭酸水
    素カリウムから選択した単体、2種類以上の単体混合物
    から選択した請求項1又は請求項2に記載の脱塩素処理
    方法。
  4. 【請求項4】 脱塩素剤を塊状、板状、多孔質形状、粉
    体状、溶液、懸濁液の何れかの状態で有害な塩素系ガス
    と接触させるようにした請求項1乃至請求項3の何れか
    1項に記載の脱塩素処理方法。
  5. 【請求項5】 添加する脱塩素剤は、被処理物の出発時
    重量の0.05〜10重量%とした請求項1乃至請求項
    4の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  6. 【請求項6】 添加する脱塩素剤は、該被処理物が塩素
    を多量に含有する塩化ビニル,塩化ビニリデン,合成樹
    脂,ゴム等の物質である場合には、出発時重量の10〜
    70重量%とした請求項1乃至請求項4の何れか1項に
    記載の脱塩素処理方法。
  7. 【請求項7】 添加する脱塩素剤は、被処理物から発生
    する塩素成分の同じ当量以上とした請求項1乃至請求項
    6の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  8. 【請求項8】 前記脱塩素剤を、許容される排出基準に
    適合する塩素系ガスの排出量以下となるように添加する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に
    記載の脱塩素処理方法。
  9. 【請求項9】 脱塩素剤は、塩素成分の熱分解温度以下
    の時期、又は熱分解中、又は熱分解後のいずれか、又は
    組み合わせにより添加することを特徴とする請求項1乃
    至請求項7の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
  10. 【請求項10】 脱塩素剤の添加は、投入,混合,噴霧
    の何れか、もしくはこれらの組み合わせにより行うこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載
    の脱塩素処理方法。
  11. 【請求項11】 前記低酸素雰囲気中での熱処理温度範
    囲を200℃〜1000℃とした請求項1乃至請求項1
    0の何れか1項に記載の脱塩素処理方法。
JP9160911A 1997-02-24 1997-06-18 脱塩素処理方法 Pending JPH119938A (ja)

Priority Applications (12)

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