JPH10235149A - 塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法 - Google Patents
塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法Info
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- JPH10235149A JPH10235149A JP9038729A JP3872997A JPH10235149A JP H10235149 A JPH10235149 A JP H10235149A JP 9038729 A JP9038729 A JP 9038729A JP 3872997 A JP3872997 A JP 3872997A JP H10235149 A JPH10235149 A JP H10235149A
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Abstract
理時により有害な塩素系ガスが発生し、そのままでは再
利用することも、放出することもできない。 【解決手段】 塩化ビニル系物質を加熱処理する際、炭
酸系のアルカリ物質からなる脱塩素剤を添加する。加熱
処理時に発生する有害な塩素系ガスと、脱塩素剤とが反
応し、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を
添加した場合には、塩化水素(HCl)と反応して次の
ようになる。 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
2O)+(CO2) NaとCO成分があれば、塩素成分は、残渣の一部とな
るNaClと、水分(H2O)と気体のCO2となり、ダ
イオキシンの原因の一因である塩素系ガスを生成するこ
とはなく、排ガスおよび残渣の無害化が実現でき、再利
用が可能となる。
Description
ガスを多量に発生する塩化ビニル,塩化ビニリデン,合
成樹脂,ゴム等の有機物からなる被処理物(廃棄物,処
理物等)を加熱処理する際、発生する有害な塩素系ガス
を無害化し、且つ無害な塩化物を生成させる塩化ビニル
系物質の脱塩素処理方法に関する。
水素ガス,塩素ガス)を多量に生成する塩化ビニル,塩
化ビニリデン,合成樹脂,ゴム等の有機物からなる被処
理物を焼却炉等により焼却処理することは一般に行われ
ている。この焼却する際、塩素系ガスが発生するので、
塩素系ガスの発生を抑制することを目的として、消石
灰,炭酸カルシウム等の脱塩素物質を添加することが行
われている。
た後、更に必要に応じて各種の排ガス除去処理(二次燃
焼、バグフィルタ等)がなされて、有害な塩素系ガスが
大気中に放出されることを防止するようにしている。
341号,特公平4−68532号公報等で開示されて
いる。
却処理した場合に問題となるのは、被処理物中に含まれ
る塩素成分の処理であり、燃焼過程でガス化した塩素系
ガスは、焼却炉自体を損傷せしめ、また、蒸気管を腐食
させたり、更にはダイオキシンを生成するといった問題
につながるものである。
は、バグフィルタ等で消石灰等と反応させて大気中に塩
素系ガスが排出されないようにしている。
ことで一定の効果は期待できるものの、大気への拡散は
防げても、残渣中に残存したりするために完全に除去す
ることは難しいのが現状であり、ダイオキシン発生の一
因となっている。
ルシウムを添加して塩素系ガスの発生を抑制することが
一般的に行われているが、まだ十分なものではないのが
現状である。
素系ガスの除去又は塩素系ガスの発生防止の技術の早急
な確立が望まれている。
種々実験調査の結果、塩素成分を多量に含む被処理物を
熱的処理して発生したガスを脱塩素処理する場合、塩素
系ガス(塩化水素ガス,塩素ガス)と反応する炭酸系の
アルカリ物質を脱塩素剤として加えて処理することによ
り、互いに反応し、有害な塩素系ガスが無害な塩化物に
置換生成されることを見い出した。
で、添加物として炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素
剤を使用し、加熱された低酸素雰囲気中における塩素系
ガスと添加した脱塩素剤とを反応させ、無害な塩化物を
生成させることができる塩化ビニル系物質の脱塩素処理
を行うことを特徴とするものである。
中であれば、被処理物の投入から排出(排煙,残渣の取
り出し)までの一連の処理系における任意の位置で脱塩
素剤を供給することで脱塩素剤処理が行えるものであ
る。つまり、前記処理炉の外に、煙道,排ガス処理用の
各種装置とか焼却炉等の既設の各種施設にもそのまま適
用可能である。
ないことを意味する。
投入して、入口,出口が閉鎖された状態で内部に大気が
残存している状態は許容される。
入口側が被処理物自身で閉鎖されていることであっても
加熱により炉内の圧力が高まっていることなどにより、
外気の侵入はほとんどないので許容される。一般的に言
えば、「乾留」に相当する。
して処理した場合、又は供給しないで処理した場合の何
れかの場合)後においては、排出までの任意の箇所の低
酸素雰囲気中の排ガス、または残渣に供給して無害化処
理をすることができる。
した排ガスは、塩素系ガス成分は残存しないので、排出
のための後処理(二次燃焼などの加熱処理等の処理)を
することは必要に応じてできる。勿論そのまま排出して
もよい。
体、2種類以上の単体の混合物から選択したもの。
酸ナトリウム、天然ソーダから選択した単体、2種類以
上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。
孔質形状、粉体状(粉末、顆粒又はこれらの混合),溶
液(水溶液,その他溶液),懸濁液のいずれでもよい。
使用に際しては、これらのいずれか、又はこれらを組み
合わせて使用し、更に、固体又は液体、又は排ガスの被
処理物に投入、混合、噴霧のいずれか、又は、これらの
組み合わせにより使用し、発生した気体と反応させる。
発時重量の10〜70重量%を添加する。また重量と無
関係に被処理物から発生する塩素系ガス量と同じ当量以
上添加する。若しくは許容される塩素系ガス量の排出基
準以下となるように添加量を選定する。
熱分解温度以下の時期(最初から混入)、熱分解中(加
熱中に噴霧)、熱分解後(乾留ガス,排ガス)のいずれ
か、又は組み合わせにより適宜添加する。加熱処理温度
は、塩素成分の分解温度(200℃〜300℃)から1
000℃の範囲とする。
添加して加熱処理すると、例えば、炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3)を添加した場合には、塩化水素(HC
l)と反応して、次のようになる。
l)+(H2O)+(CO2) このことから、NaとCO成分があれば、塩素成分は、
残渣の一部となるNaClと、水分(H2O)と気体の
CO2となり、ダイオキシンの原因の一因となる塩素系
ガスを生成することはなく、排ガスおよび残渣の無害化
が実現できる。
塩化ビニル系物質を加熱処理する際、炭酸系のアルカリ
物質を脱塩素剤として添加する。この脱塩素剤を添加し
て加熱することにより、所定温度で被処理物に含まれて
いる塩素成分が分解し、この分解により生成された有害
な塩素系ガスと、脱塩素剤とが反応して無害な塩化物を
生成する。
な塩素系ガスを無害な塩化物に置換生成されることは、
次の実験調査により明らかとなった。
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、昇温時,キープ時
で塩化水素ガス(HCl)濃度(ppm)を測定した。
規定されている検知管によって測定した。
濃度は実験10回における測定値で実施例1および2は
最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
るポリ塩化ビニリデンのみを用いて予備試験を行った。
その結果を表1の比較例1に示す。
る炭酸カルシウムおよび消石灰の粉末を添加して実験し
た。その結果を比較例2および比較例3に示す。
脱塩素剤の中の炭酸水素ナトリウムを選定して実験を行
った。その結果を実施例2に示す。
炭酸水素ナトリウムの粉末を添加して実験を行った。そ
の結果を実施例1に示す。
察される。
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤を添加しな
い比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガ
スが多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素
剤である炭酸カルシウムを添加した比較例2と、消石灰
を添加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガ
スの発生がかなり抑制されているものの、まだ十分であ
るとはいえない。
て炭酸水素ナトリウムを添加した実施例2は全温度範囲
に渡って塩化水素ガスが検出されず、きわめて良好な結
果が得られた。
酸水素ナトリウムを添加した場合も、実施例1に示すよ
うに何れの温度領域においても、塩化水素の生成は完全
に抑制されている。
的処理にて脱塩素処理する場合、塩素系ガスと反応す
る、炭酸系のアルカリ物質(特にナトリウム系)を添加
物として加えて処理すれば、無害処理ができることを見
いだした。
する塩化ビニル系物質を熱的処理する場合、塩素系ガス
と反応する炭酸系のアルカリ物質(特に、ナトリウム
系)を添加物として加えて処理すれば、無害化処理がで
きることを確認できた。
を行い同様の効果が得られたが、高温になると設備が大
形となる等を考慮して最高温度は1000℃が好まし
い。
系物質が塩素系ガスと反応すると、排ガスおよび残渣の
無害化が実現できる理由は、次のように有害な塩素系ガ
スを無害な塩化物に置換生成されることによる。
は、塩化水(HCl)と反応して次のようになる。
l)+(H20)+(CO2) 水分が存在した場合 (NaHCO3)+(H2O)→(NaOH)+(H2C
O3) (NaOH)+(H2CO3)+(HCl)→(NaC
l)+(H2O)+(CO2) となる。
化水素(HCl)と反応して次のようになる。
Cl)+(H2O)+(CO2) (3)セキス炭酸ナトリウムの場合 化学式 Na2CO3・NaHCO3・2H2O で表さ
れ、前記(1),(2)と同様な反応をして、有害な塩
化水素(HCl)を無害な塩化物(NaCl)に置換生
成する。
素系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナ
トリウム(NaCl)が検出された。更に該残渣を10
分間撹拌しながら水洗浄することにより、塩化ナトリウ
ムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭化物中に
も塩素系ガス成分は検出されなかった。
化ナトリウム(NaCl)と、水分(H2O)と気体の
CO2となり、ダイオキシンの原因の一因となる塩化水
素を生成することはなく、排ガスおよび残渣の無害化が
実現できる。
同様の反応を示す次の物質が使用できる。
類以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択した
もの。
酸ナトリウム、天然ソーダ、から選択した単体、2種類
以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。
O3)は、別称として、 (a)酸性炭酸ナトリウム (b)重炭酸ナトリウム (c)重炭酸ソーダ と称され、更には俗称として、重曹とも称されている。
して、炭酸ソーダ、単にソーダ、と称され、更には無水
塩はソーダ灰、十水塩は洗濯ソーダ、結晶ソーダとも称
されている。
HCO3・2H2O)は、別称として、 (a)二炭酸一水素ナトリウム (b)三二炭酸水素ナトリウム (c)ナトリウムセスキカーボネート と称され、天然にはトロナ(天然ソーダ)として産出す
る。
が、生成したNaClは無害な塩化物であり、このNa
Clは水などの溶液による洗浄処理により効果的に除去
でき、洗浄後には、再利用可能な炭化物質が残る。
段等により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥し固形
化して燃料又はその他有効に活用することができる。
ほとんど含まれていないので、そのまま河川又は海洋に
放流することができる。
系ガスを発生する塩化ビニル系物質を加熱処理する際、
炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素剤を添加して処理
し、塩素成分の分解温度以上の温度で分解した塩素系ガ
スと脱塩素剤とが反応して有害な塩素系ガスを無害な塩
化物に置換生成させるようにしたので、次の効果を奏す
る。
排ガスを得ることができ、大気中にそのまま放出しても
大気汚染防止法にも適合し、ダイオキシンの発生も生じ
ない。
そのままガスエンジンの燃料、温水器の熱源、熱ガスと
して暖房などの各種の用途に再利用ができる。
く、そのまま適用でき、更に、既設の設備に使用されて
いる従来の消石灰による脱塩素剤に比べて効率良く、し
かも少量の使用で脱塩素化が実現できる。
l)が生成して存在するが、この無害な塩化物は容易に
水等の溶液にて洗浄除去できる。
含有していないので、そのまま河川、海洋に放出でき
る。
手段をとることは任意である。
として有効再利用ができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 加熱により有害な塩素系ガスを多量に発
生する塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法において、 前記有害な塩素系ガスと、添加した炭酸系のアルカリ物
質からなる脱塩素剤と加熱された低酸素雰囲気中で反応
させ、有害な塩素系ガスを無害な塩化物に置換生成する
ようにしたことを特徴とする塩化ビニル系物質の脱塩素
処理方法。 - 【請求項2】 脱塩素剤は、炭酸系のアルカリ物質の単
体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の混合物から
選択することを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系
物質の脱塩素処理方法。 - 【請求項3】 脱塩素剤は、炭酸系のナトリウム物質で
あることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系物質
の脱塩素処理方法。 - 【請求項4】 脱塩素剤は、塩酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、から
選択した単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の
混合物から選択することを特徴とする請求項1記載の塩
化ビニル系物質の脱塩素処理方法。 - 【請求項5】 脱塩素剤は、塊状、板状、多孔質形状、
粉体状,溶液,懸濁液の何れかで形成したことを特徴と
する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の塩化ビニ
ル系物質の脱塩素処理方法。 - 【請求項6】 添加する脱塩素剤は、被処理物の出発時
重量の10〜70重量%であることを特徴とする請求項
1ないし5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系物質の
脱塩素処理方法。 - 【請求項7】 添加する脱塩素剤は、処理される被処理
物が発生する塩素系ガス量と同じ当量以上添加すること
を特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系物質の脱塩
素処理方法。 - 【請求項8】 脱塩素剤は、塩化ビニル系物質が含有す
る塩素成分の熱分解温度以下の時期、又は熱分解中、又
は熱分解後のいずれか、又は組み合わせにより添加する
ことを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系物質の脱
塩素処理方法。 - 【請求項9】 添加する塩素剤は、許容される排出基準
に適合する塩素系ガスの排出量以下となる,ように添加
することを特徴とする請求項1又は7又は8記載の塩化
ビニル系物質の脱塩素処理方法。 - 【請求項10】 脱塩素剤の使用は、投入,混合,噴霧
の何れか、又はこれら組み合わせであることを特徴とす
る請求項1ないし9のいずれか1項に記載の塩化ビニル
系物質の脱塩素処理方法。 - 【請求項11】 塩素成分を熱分解する手段は、乾留で
あることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系物質
の脱塩素処理方法。 - 【請求項12】 低酸素雰囲気中での加熱処理温度範囲
は200℃〜1000℃としたことを特徴とする請求項
1又は9に記載の塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9038729A JPH10235149A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法 |
DE69809310T DE69809310T2 (de) | 1997-02-24 | 1998-02-18 | Verfahren und System zur Entfernung von Schadstoffen |
AT98102829T ATE227598T1 (de) | 1997-02-24 | 1998-02-18 | Verfahren und system zur entfernung von schadstoffen |
ES98102829T ES2186931T3 (es) | 1997-02-24 | 1998-02-18 | Procedimiento y sistema de eliminacion de los compuestos nocivos. |
DK98102829T DK0860183T3 (da) | 1997-02-24 | 1998-02-18 | Fremgangsmåde og system til fjernelse af skadelige stoffer |
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NO19980758A NO316905B1 (no) | 1997-02-24 | 1998-02-23 | Fremgangsmate og system for fjerning av skadelige bestanddeler som klor og/eller svovel |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP9038729A JPH10235149A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10235149A true JPH10235149A (ja) | 1998-09-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9038729A Pending JPH10235149A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩化ビニル系物質の脱塩素処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH10235149A (ja) |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP9038729A patent/JPH10235149A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A521 | Written amendment |
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A521 | Written amendment |
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