JP3734963B2 - 混合溶融塩による有機塩素化合物等の無害化処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコン、冷蔵庫、電源用トランス、半導体産業等から排出されるクロロフルオロカーボン類や、クロロベンゼン類をはじめとする有機塩素化合物等の無害化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用・業務用のエアコンや、冷蔵庫に使用されていた特定フロンの大気中への放出によりオゾン層の破壊、地球の温暖化など地球規模の環境破壊が問題となっている。これを受けて特定フロンをはじめとする有機塩素化合物等の製造、使用が厳しく規制され、既に製造されたこれら化合物についても分解処理による無害化が急務となっている。
【0003】
特定フロンをはじめとする有機塩素化合物類は化学的にも熱的にもきわめて安定な物質であるとともに、分解過程においてダイオキシンをはじめとする有害な物質を生成するため、分解には困難を要するとされている。
【0004】
難分解性であるフロンの無害化処理技術については、これまでに種々の方法が提案されており、たとえば、セメントキルン法やロータリーキルン法等の高温分解法、助燃剤や都市ゴミと一緒に焼却する燃焼分解法、金属酸化物を触媒として分解する接触分解法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の分解処理方法によった場合は、いずれもフッ化水素や塩化水素などの強酸に分解し、アルカリに吸収させるというプロセスを経るために焼却炉などの処理設備の腐食問題や、ダイオキシン類などの有害な副生成物の発生が危惧される。また、処理に伴い二酸化炭素をはじめとする気体を大量に排出し、有害物質を同時に排出するので優れた方法であるとは云い難い。
【0006】
クロロベンゼン類、クロロビフェニル類においては、ベンゼン環を有するために不完全な処理によって毒性の非常に高いダイオキシン類や、クロロビフェニル類の同族体を生成することが知られている。また、ジクロロジエチルサルファイドをはじめとする硫黄を含有する有機塩素化合物類においても、悪臭を放つものや、毒性のあるものが多く、分解過程において有害物質の生成が問題視されている。
【0007】
特に、焼却による分解処理では、高温を必要とする上、未分解の化合物が焼却灰に含まれるなど問題が多い。さらに、アルカリ触媒による化学的な分解や、微生物による分解処理も試みられているが、安全性や処理に要する時間、処理能力など改善しなければならない点が多い。
【0008】
このような状況において、本発明者らはクロロフルオロカーボン類やクロロベンゼン類をはじめとする有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類を経済的に有利に、しかも完全無排気で、安全な無機塩類と水に分解し得る新規な処理方法を確立すべく鋭意研究を重ねた。その結果、処理対象の有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類を、混合溶融塩中に、飽和水蒸気とともに導入して接触反応させることにより、分解過程でフッ化水素や塩化水素などの強酸を生成せず、且つその他の有害な分解生成物も発生せずに無害な無機塩類と水とに分解処理できることを見出し本発明を完成するに到った。
【0009】
したがって、本発明はフロンをはじめとするクロロフルオロカーボン類や、クロロベンゼン類等の有機塩素化合物ないし硫黄を含有する有機化合物類を、安全且つ確実に無害化処理でき、しかも処理の過程でダイオキシン類などの有害な副生成物を生成することがない有機塩素化合物等の無害化処理方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、処理対象の有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類を、不活性雰囲気もしくは還元性雰囲気中において、水酸化ナトリウムをはじめとするアルカリ金属水酸化物をす主成分とする混合溶融塩と、水蒸気とともに接触反応させることにより、二酸化炭素、有機化合物をはじめとする気体や、有害物質を排出することなく完全な無排気で無害な無機塩類と水に分解処理することを特徴とした混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法である。
【0011】
請求項2に係る発明は、有機塩素化合物類が、CFC11やCFC12をはじめとするクロロフルオロカーボン類、トリクロロエチレンや四塩化炭素をはじめとする揮発性有機塩素化合物、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロビフェニル類をはじめとするベンゼン環を有する有機塩素化合物、ジクロロジエチルサルファイトをはじめとする硫黄を含有する有機塩素化合物である請求項1記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法である。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、硫黄を含有する有機化合物類が、ジメチルサルファイド、ジエチルサルファイドをはじめとする有機化合物である請求項1記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法である。
【0013】
さらに、請求項4に係る発明は、混合溶融塩が、金属塩を添加した水酸化ナトリウムをはじめとするアルカリ金属水酸化物を主成分とする混合溶融塩である請求項1ないし3記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法である。
【0014】
本発明処理方法は、クロロフルオロカーボン類、クロロベンゼン類や硫黄を含有する有機塩素化合物類を密閉容器内で、混合溶融塩と直接反応させて分解しようとするものである。このことにより、高温分解処理や、燃焼分解処理などのようにフッ化水素・塩化水素などの強酸に分解した後、吸収・除去する方法とは異なり、直接これらの化合物を混合溶融塩と反応させるため、分解過程でフッ化水素や、塩化水素などの強酸が生成しない上に、その他の有害な分解生成物も発生しない。
【0015】
混合溶融塩中に導入したクロロフルオロベンゼン類や、クロロベンゼン類は、すべて混合溶融塩と反応し、無害な無機塩類と水に分解される。また、本発明分解処理方法は不活性雰囲気もしくは還元性雰囲気中で分解を行うため、ダイオキシン類の生成を伴わず、二酸化炭素も混合溶融塩に捕捉されるため、完全な無排気による処理が可能である。
【0016】
本発明が処理対象とする有機塩素化合物類の中には、CFC11や、CFC12をはじめとするクロロフルオロカーボン類(フロン)、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素をはじめとするクロロメタン類、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタンをはじめとするクロロエタン類、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンをはじめとするクロロエチレン類などの揮発性有機塩素化合物、あるいはクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロビフェニル類をはじめとするベンゼン環を有する有機塩素化合物、さらに、ジクロロジエチルサルファイドをはじめとする硫黄を含有する有機塩素化合物が含まれる。
【0017】
本発明方法はこれら処理対象を、不活性雰囲気もしくは還元性雰囲気下で、飽和水蒸気とともに、水酸化ナトリウムを主成分とする混合溶融塩中に導入して接触反応させ、二酸化炭素や、有機化合物をはじめとする気体や有害物質を排出することなく完全無排気で分解処理する方法を要旨とする。
【0018】
本発明において主に用いる溶融塩は、水酸化ナトリウムを主成分とする混合溶融塩であり350℃程度で融解する。この混合溶融塩を密閉容器内で500〜700℃に加熱し、有機塩素化合物類を水蒸気とともに導入すると、有機塩素化合物は次式にしたがい分解する。
【0019】
難分解性のCFC12(フロン12)の場合、
CCl2 2 +6NaOH→2NaCl+2NaF+Na2 CO3 +3H2
となり、分解後は塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸ナトリウムの混合塩となる。混合溶融塩に、金属塩を添加した水酸化ナトリウム混合溶融塩を用いることにより、難分解性のCFC類は著しく分解され、分解後は塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび金属塩の混合塩となる。
【0020】
分解に伴って発生する水は適切な冷却装置(凝縮器)を用いることによって完全に除去できるので、結果として完全無排気型の分解処理が行えるものである。他の有機塩素化合物等についても、同様に反応し無害な無機塩類と水に分解される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明における有機塩素化合物などの分解を行う水酸化ナトリウムや、水酸化カリウムをはじめとするアルカリ金属水酸化物を主成分とする混合溶融塩であるが、最も好ましい主成分である水酸化ナトリウムの形態は加熱溶解して用いるものであるため、粉体であるとペレット状であるとを問わない。また、純度97%程度の工業用であっても分解率に影響を与えることがないので、CFC類を安価に処理することが可能である。分解処理に用いる塩類は、500℃以上に加熱溶解するため、水分は極力含まれていない方が望ましい。なお、水酸化ナトリウムよりは多少割高であるが、水酸化カリウムを主体とした混合溶融塩であっても本発明に適用できることは云うまでもない。
【0022】
本発明における分解処理は、有害物質を排出することなく完全な無排気で有機塩素化合物類を分解することを特徴としている。
図1は本発明方法の実施に用いて好適な分解処理装置の一例を示す概略図であり、図中1は混合溶融塩と処理対象の有機塩素化合物類を反応させるための反応容器、2は当該反応容器1内の気体を循環させるためのダイヤフラムポンプである。3は分解に伴って発生する水蒸気を除去するための凝縮器、4は溶融塩の温度測定のための熱電対、5は溶融塩の予熱装置、6Aは予熱装置5をなす電気加熱方式による電気炉である。また、6Bは反応容器1の外周部を覆うように付設した電気加熱方式による電気炉である。
【0023】
7は循環路8の管路中に付設した圧力調整・気化装置、9は処理対象である有機塩素化合物などの導入管路13中に付設した予熱・気化装置、10は水蒸気の導入路、11は使用済み溶融塩の排出路、12は反応容器1に接続された各管路中に付設した各気体などの流量を調整するためのバルブである。
【0024】
たとえば、CFC類(フロンガス)を反応容器1内へ連続的に導入するには、気化性の高いフロンであれば減圧弁を使用して流量を調整する。また、常温で液体であるようなフロンの場合には、液体のまま予熱・気化装置9へ導入して気化させ、その際の膨張圧力を利用してフロンガスを連続的に送り込むようにする。
【0025】
分解処理を行うにあたり、酸素などが装置内に混入することによる予期せぬ副生成物の発生を避けるため、装置内の気体は窒素のような不活性ガスもしくは水素のような還元性ガスに置換しておくことが望ましい。あらかじめ大気圧程度に充填した不活性ガスをダイヤフラムポンプ2で圧縮し、この圧損を利用してCFC類を循環させる。副生成物や、未反応のCFC類もこの方法により幾度となく溶融塩と反応し、やがては完全に分解する。
【0026】
本発明方法によって完全に溶融塩と反応させることができるのは、CFC類とともに水蒸気を導入することによって溶融塩との反応が完全に行われることによる。反応容器1内への水蒸気の注入は、液体のまま溶融塩中に注入すると、急激な圧力上昇を伴うため、十分に予熱し、完全な蒸気として注入する必要がある。
【0027】
水蒸気の導入方法については、分解を目的とする有機塩素化合物などとともに導入しても、個別に導入するようにしてもよい。混合溶融塩と接触する際に、有機塩素化合物などと水蒸気が十分に混合されていれば速やかに分解する。
なお、本装置は循環気体として窒素などの不活性ガスを用いCFC類を循環させながら分解するものであるため、不活性ガスなどの充填は処理の過程において最初だけでよい。
【0028】
混合溶融塩のうち主成分をなす水酸化ナトリウムは、分解処理が進行するにつれ消費される。このため、連続的にCFC類を分解処理するには、反応容器1内の溶融塩を連続的に入れ替える必要がある。無排気による処理を実現するためには、混合塩をあらかじめ溶解させておき、処理量に応じて連続的に反応容器1内へ注入すればよい。溶融塩の排出は、循環気体が漏れることのないように反応容器1の底部などから、たとえばロータリーバルブなどを用いて排出することにより無排気による処理が可能となる。
【0029】
有機塩素化合物の種類によっては、金属塩を溶融塩に添加することにより分解率が著しく向上する。特に、水蒸気の導入と併用することにより著しい効果が得られる。鉄をはじめとする金属粉体、金属酸化物、金属塩は、CFC類、クロロベンゼン類の分解に触媒として効果的に働くことが知られている。
しかしながら、分解過程において塩素やフッ素が大量に発生するため、腐食により劣化を受けるなど問題も多い。
【0030】
本発明による混合溶融塩にこれらの金属塩を添加した場合、強アルカリの溶融塩を用いるため、活性の高い触媒が容易に得られるだけでなく、強酸性ガスが一切発生しないため腐食による劣化などの問題点を解消することができる。
これらの金属塩の添加は、四塩化炭素、クロロベンゼン類の分解処理に効果的である。また、ここで用いる金属塩は、鉄、ニッケル、クロムの金属粉体もしくはその酸化物、塩化物などの塩でよい。
【0031】
次に、本発明の実施例を、比較例と併せて説明する。
〔実施例〕CFC類(CFC11、CFC12、CFC114)の場合、CFC類70gに対し、水酸化ナトリウムを主成分とする無機塩を200g、クロロベンゼン類については、クロロベンゼン1gに対し、水酸化ナトリウムを主成分とする無機塩200gを反応容器にとり、窒素で気体を置換した後、600℃に加熱溶解させた。これらの有機塩素化合物は、あらかじめ予熱して完全に気化させた後、水蒸気と混合して溶融塩中に圧力一定のもと導入した。反応容器内の気体はFID(水素炎イオン化検出器)付ガスクロマトグラフで分析した。
【0032】
〔比較例〕CFC類(CFC11、CFC12、CFC114)の場合、CFC類70gに対し、水酸化ナトリウムを主成分とする無機塩を200g、クロロベンゼン類については、クロロベンゼン1gに対し、水酸化ナトリウムを主成分とする無機塩200gを反応容器にとり、窒素で気体を置換した後、600℃に加熱溶解させた。これらの有機塩素化合物は、あらかじめ予熱して完全に気化させた後、溶融塩中に圧力一定のもと導入した。この比較例では、水蒸気の添加を行わなかった。なお、反応容器内の気体はFID(水素炎イオン化検出器)付ガスクロマトグラフで分析した。
【0033】
上記した実施例および比較例の結果をまとめて次表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003734963
【0035】
表1によって明らかなとおり、分解処理を行う際に水蒸気を添加しない比較例の場合は、いずれの化合物についても十分な分解率は得られなかった。特に、CFC12の分解率は3.3%と極く僅かで、他のCFC類への転化率も大きいことが確認される。また、クロロベンゼン類は、その大部分がベンゼンへ転化する脱塩素化反応が起こり、完全な分解は起こらない。
【0036】
これに対し、CFC類やクロロベンゼン類を水蒸気とともに混合溶融塩中に導入した実施例の場合、これらの化合物は速やかに分解し、反応容器内の気体をFID(水素炎イオン化検出器)付ガスクロマトグラフで分析した結果、CFC類の濃度は検出限界以下となった。クロロベンゼン類についても、分解率は56.6%程度であるが、ベンゼンへの転化率が大幅に減少し、本発明によって完全に無害化できることを示している。
【0037】
また、混合溶融塩にあらかじめ鉄金属粉体ならびに鉄酸化物を混入した塩中に、クロロベンゼン類を水蒸気とともに導入すると分解率は著しく向上して94.7%となり、本発明によってクロロベンゼン類も十分に分解できることが明らかとなった。
【0038】
同様の方法で、硫黄を含有する有機化合物であるジメチルサルファイドを処理した結果、分解率97.7%、他の有機塩素化合物への転化率も検出限界以下となり、含有硫黄有機化合物の分解処理にも適用できることが確認された。特に、含有硫黄有機化合物に塩素原子が含まれる化合物については、分解に強アルカリ性の溶融塩を用いているため、速やかに分解される。
【0039】
分解に伴って発生した凝縮水は、ヘキサンで抽出して同様にガスクロマトグラフで分析した結果、CFC類、その他の有機塩素化合物の濃度は検出限界以下となり、本発明によって完全な無排気で分解処理できることが確認された。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明分解処理方法によれば、産業廃棄物などに含まれるフロンをはじめとするクロロフルオロカーボン類や、クロロベンゼン類などの有機塩素化合物ないし硫黄を含有する有機化合物類を確実に無害化処理することができる。
特に、本発明の場合、完全な無排気で分解処理を行うため有害な生成物を一切環境中へ排出しないとともに、強アルカリの溶融塩を用いているために、有害な酸性ガスも一切排出しないので処理設備が腐食するなどの問題点も解消することができる。また、近年問題となっているダイオキシンなど有害な難分解性有機塩素化合物などの分解処理への応用も可能であるなど種々の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いて好適な分解処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:反応容器 2:ダイヤフラムポンプ
3:凝縮器 4:熱電対
5:予熱装置 6A:電気炉
6B:電気炉 7:圧力調整・気化装置
8:循環路 9:予熱・気化装置
10:水蒸気導入路 11:溶融塩の排出路
12:バルブ 13:導入管路

Claims (4)

  1. 処理対象の有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類を、不活性雰囲気もしくは還元性雰囲気中において、水酸化ナトリウムをはじめとするアルカリ金属水酸化物をす主成分とする混合溶融塩と、水蒸気とともに接触反応させることにより、二酸化炭素、有機化合物をはじめとする気体や、有害物質を排出することなく完全な無排気で無害な無機塩類と水に分解処理することを特徴とした混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法。
  2. 有機塩素化合物類が、CFC11やCFC12をはじめとするクロロフルオロカーボン類、トリクロロエチレンや四塩化炭素をはじめとする揮発性有機塩素化合物、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロビフェニル類をはじめとするベンゼン環を有する有機塩素化合物、ジクロロジエチルサルファイトをはじめとする硫黄を含有する有機塩素化合物である請求項1記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法。
  3. 硫黄を含有する有機化合物類が、ジメチルサルファイド、ジエチルサルファイドをはじめとする有機化合物である請求項1記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法。
  4. 混合溶融塩が、金属塩を添加した水酸化ナトリウムをはじめとするアルカリ金属水酸化物を主成分とする混合溶融塩である請求項1ないし3記載の混合溶融塩による有機塩素化合物類ないし硫黄を含有する有機化合物類の無害化処理方法。
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