JP3592886B2 - 弗化炭素類の分解方法および分解用反応剤 - Google Patents

弗化炭素類の分解方法および分解用反応剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弗化炭素類の分解方法および分解用反応剤に関する。本明細書において“弗化炭素類”とは,炭素とフッ素を必須の構成成分とした容易に気体化できる弗化炭素類であって,C(炭素)とF(フッ素)だけからなる化合物はもとより,Fの一部が水素または他のハロゲン元素(代表的には塩素)で置きかえられた化合物も含むものと定義する。なお,容易に気化できるとは,常温常圧で気体状のもの,および常温では液体状であるが他の不活性ガスが同伴すると0.01容積%以上のその蒸気が含まれる混合ガスを生成するものを意味する。
【0002】
【従来の技術】
このような弗化炭素類は,熱的にも安定であるので熱媒体,溶媒,洗浄剤等に広く利用されてきたが,そのうち特に塩素を含む弗化炭素類は大気中に放出されると分解されないまま成層圏に達してオゾン層を破壊するので,世界的に社会問題化し,その使用を全廃するという国際決議がなされている。
【0003】
また,塩素を含まない弗化炭素類も種々開発されているが,地球温暖化への影響が懸念されており,使用後には分解することが好ましいとされている。
【0004】
したがって,冒頭に定義した“弗化炭素類”は無害物質に分解されることが必要であり,従来よりこれらを分解する技術として,燃焼分解法,プラズマ分解法,超臨界水分解法,反応剤分解法,触媒分解法等が提案されている。このうち,反応剤を用いた分解法は取扱い易く経済的であり,また弗化炭素類発生源のオンサイトで分解処理できるので,他の方法にはない利点がある。
【0005】
反応剤を用いた弗化炭素類の分解法としては,例えば特開平6−293501や特開平7−24255号公報のようにマグネトロン(マイクロ波)を利用した方法,また特開平8−187302号公報において弗化炭素類を非酸化性雰囲気中で炭素質固体材料とアルカリ土類金属化合物からなる反応剤に接触させる方法を本願と同一出願人らは提案し,さらに同一出願人らは特願平8−194134号明細書においてパーフルオロカーボンまたはハイドロフルオロカーボンを酸化性雰囲気下で炭素質固体材料とアルカリ土類金属化合物からなる反応剤に300℃以上の温度で接触させる方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先に提案した炭素質固体材料とアルカリ土類金属化合物からなる反応剤を用いる弗化炭素類の分解法によれば,例えば半導体製造設備から発生する使用済弗化炭素類をその発生源でオンサイトに分解処理可能であるが,分解を完全にするには比較的高い反応温度を必要とする。例えばCは800℃でほぼ100%分解することができる。したがって800℃以上の反応温度が維持できる設備に構成することが望ましい。
【0007】
より低い反応温度で完全に弗化炭素類が分解できるならば,加熱装置が小型化するので設備自体を小型化できると共に,昇温・降温時間が短くなって稼働率が向上し,操作も容易となる。また設備の腐食や熱的損傷等に対するメインテナンスも軽減する。したがって,本発明の課題は,反応温度が低くても効率良く分解できるように,先に提案した弗化炭素類の分解法を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは先に提案した炭素質材料とアルカリ土類金属からなる反応剤による弗化炭素類の分解挙動について研究を重ねてきたが,アルカリ金属例えばカリウムを該反応剤に含有させると低い反応温度で十分に弗化炭素類を分解できることを知った。
【0009】
したがって本発明によれば,炭素,アルカリ土類金属の一種または二種以上およびアルカリ金属の一種または二種以上を含有する固形状の反応剤と気体状の弗化炭素類を200℃以上で接触させ,該弗化炭素類中のハロゲン成分を該反応剤に固定することからなる弗化炭素類の分解方法を提供する。ここで,ハロゲン成分を反応剤に固定するとは,弗化炭素類の分解結果として,弗化炭素類の構成成分のうちのハロゲン元素が反応剤の構成成分のアルカリ土類金属(一部アルカリ金属の場合もある)のハロゲン化物として反応剤中に固形物として固定されることを言う。
【0010】
また本発明によれば,アルカリ土類金属,単体状炭素およびアルカリ金属を含有した固形物からなり,それらの含有割合が,アルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で,単体状炭素が0.25〜4.0,アルカリ金属が0.01〜0.3である弗化炭素類の分解用反応剤を提供する。この分解用反応剤中のアルカリ土類金属,単体状炭素およびアルカリ金属の合計含有量は好ましくは50重量%以上である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に従う弗化炭素類の分解法は,炭素,アルカリ土類金属の一種または二種以上およびアルカリ金属の一種または二種以上を含有する固形状の反応剤を分解固定剤として使用する点に特徴がある。この分解用反応剤を構成する各成分について先ず説明する。
【0012】
反応剤中の炭素は,アルカリ土類金属と併存することにより弗化炭素類の分解に寄与する。また,弗化炭素類の分解反応にさいし気相中に酸素が共存する場合には一酸化炭素を生成する。反応剤中の単体状炭素の含有量は分解反応の進行につれて変動することはあるが,少なくとも分解反応初期にはアルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で0.25以上含有することが好ましく,この比が0.25未満では,弗化炭素類の分解が十分に進行しない。反応の進行につれても,反応剤中に残存する単体状炭素量は該比が0.25以上であることが望ましい。しかし,反応剤中の単体状炭素が該比が4.0より大きくなるように含有されていると,これに伴ってアルカリ土類金属量が低下して分解反応が十分に行われなくなる。したがって,反応剤中の単体状炭素量はアルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で0.25〜4.0の範囲であるのがよく,好ましくは0.5〜3.0の範囲,さらに好ましくは1.0〜2.0の範囲であるのがよい。そして,この反応剤中の単体状炭素量は分解反応初期から反応途中も維持されることが望ましい。ここで,単体状炭素とは単体状で存在する固体炭素であり,特定の化合物中の炭素は単体状炭素ではないものとする。特定化合物中の炭素としては例えば炭酸塩中の炭素がある。以下,特に断らない限り,反応剤中の炭素と言えば単体状で配合されている炭素を意味する。
【0013】
反応剤中の単体状炭素はチャー炭,活性炭,カーボンブラックまたはコークス粉の形態で配合することができる。また炭素繊維や黒鉛,更には無機炭素質が主成分として含まれているものであってもよい。反応剤が造粒品の場合には,これらの炭素質の粉体を他の原料(アルカリ土類金属化合物およびアルカリ金属化合物)と共に造粒すればよい。また,焼成品からなる反応剤を得る場合には,これら炭素質の粉体原料を他の原料(アルカリ土類金属化合物,或いはアルカリ金属土類金属化合物とアルカリ金属化合物)に配合して焼成することができる。
【0014】
反応剤中のアルカリ土類金属は,単体状炭素と共存することにより弗化炭素類を分解する作用を果たし,例えばアルカリ土類金属をカルシウムとし,分解に供する弗化炭素をCとした場合には,
3CaO+C→3CaF+CO+CO
のように反応し,弗化炭素中のフッ素をCaFの形で固定する役割を果たす。このようにアルカリ土類金属は本発明の反応剤の基本成分である。このため,本明細書ではアルカリ土類金属の含有量を基準として単体状炭素量とアルカリ金属量の相対割合を規定しており,したがって,反応剤中の実際のアルカリ土類金属量は,単体状炭素とアルカリ金属の含有量との関係で決まる。その相対量が少な過ぎると反応の経過につれて,分解反応に寄与するアルカリ土類金属の炭素量に対する相対比が低下し,高い分解率を得ることができなくなる。しかし,逆にアルカリ土類金属の相対量が多すぎると,炭素との相対比が高くなりすぎて,やはり高い分解率を得ることができなくなる。
【0015】
アルカリ土類金属としては,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Raであればよく,これらの酸化物,水酸化物または炭酸塩等の塩類として反応剤中に含有させることができる。これらアルカリ土類金属のうち好ましいものはCaとMgである。本発明者らは各種のアルカリ土類金属について試験したが,CaまたはMgが弗化炭素類の分解反応効率が高いことがわかった。また,これらはその原料および分解反応生成物に毒性がないので取り扱いやすい。その原料としては,CaまたはMgの酸化物,水酸化物または炭酸塩などの酸素を含んだ形態の方が安定で取り扱いやすく,これらの原料の具体例としては,生石灰,消石灰,大理石,炭酸マグネシウム,ドロマイト等があり,特に酸化物の形で反応剤中に含有されるのが好ましい。
【0016】
このようにCaまたはMgを酸素含有化合物の形態で反応剤中に含有させる場合には,弗化炭素類の分解反応において,この酸素含有化合物中の酸素がCと反応したり,弗化炭素類中のフッ素と置き変わったり,または気相中の酸素が反応剤中のCと反応したりするときに,反応剤がより活性になることがその原因であろうと推察されるが,酸素含有化合物の形態でCaまたはMgが反応剤中に存在すると一層有利に弗化炭素類を分解することができる。
【0017】
前記の単体状炭素およびアルカリ土類金属に加えてアルカリ金属が反応剤中に共存すると,共存しない場合に比べて分解温度を低下させても,高い分解率で弗化炭素類を分解することができるようになる。アルカリ金属としては,Li,Na,K,Rb,Csなどがあるが,Kが顕著に分解温度を低下させることができることが判明している。反応剤中のアルカリ金属量としては,アルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で0.01〜0.3の範囲であればよく,この比が0.3より多くなるように含有しても,その効果は飽和すること,また単体状炭素およびアルカリ土類金属の含有量が相対的に低下することから,好ましいことではない。またこの比が0.01未満では,分解温度を低下させる効果が見られない。好ましいアルカリ金属量はこの比が0.02〜0.2の範囲,さらに好ましくは0.03〜0.1の範囲である。
【0018】
アルカリ金属としてKを反応剤中に含有させるには水酸化物,炭酸塩,リン酸塩,アルミン酸塩,硝酸塩または硫酸塩等の化合物の形態で配合すればよく,これら化合物を単独で或いは複合して,粉状のものはそのまま,塊状のものは100μm以下に粉砕して配合すればよい。また,これら化合物の水溶液で添加することもできる。このように,反応剤中に適量のK成分が存在すると,低い分解温度でも十分な弗化炭素類が分解する理由については必ずしも明確ではないが,この場合には,分解に供する弗化炭素類の気体中に酸素が含まれていなくても(無酸素雰囲気下でも),低い温度で十分な分解が進行することから,反応剤の活性が高まるのであろうと推察される。
【0019】
これら単体状炭素,アルカリ土類金属およびアルカリ金属の反応剤中の合計量は50重量%以上であることが望ましい。この合計量が50重量%未満でも弗化炭素類の分解は可能であるが,効率よく分解するには50重量%以上であるのがよい。残余の成分としては,アルカリ土類金属およびアルカリ金属が化合物として配合されている場合の当該化合物中の成分や化合物があり,この残余の成分の殆んどが酸素であるのが好ましいが,水分,COその他原料から同伴する不純物を含むこともできる。
【0020】
以上のように,本発明の弗化炭素類の反応剤は,単体状炭素,アルカリ土類金属およびアルカリ金属を必須の成分として含有する固形物である。この固形状反応剤は分解に供する弗化炭素類ガスとの接触機会を高める上では,粒状であるのが好ましい。粒状品とするには,前記した各原料の粉体を混合し,適量の水と共に,或いは,場合によっては適切なバインダーを加えて造粒し,次いで乾燥して水分を蒸発させるという工程で造粒品とすればよい。
【0021】
最も好ましい粒状品は焼成された粒状物である。すなわち,粉状炭素質原料,粉状アルカリ土類金属化合物および粉状アルカリ金属化合物の混合粉体を焼成してなる焼成品,或いは粉状炭素質原料と粉状アルカリ土類金属化合物の混合粉体を焼成してなる焼成品にアルカリ金属化合物の溶液を被着または含浸させ,揮発分(溶媒液)を乾燥除去してなる焼成品である。この焼成品を得るための出発材料とししての各原料は,先に記述した炭素質原料,アルカリ土類金属化合物およびアルカリ金属化合物を使用すればよい。
【0022】
代表的な焼成品としては,炭素質粉体と消石灰とカリウム化合物を含む混練物を,炭素が残存しながら消石灰の逆消化反応が進行するに十分な条件で焼成したもの,或いは炭素質粉体と炭酸カルシウムとカリウム化合物を含む混練物を,炭素が残存しながら炭酸カルシウムの分解反応が進行するに十分な条件で焼成したものがある。そのさい,混練物中に配合するカリウム化合物は粉状でも水溶液状であってもよい。
【0023】
該混練物はいずれも粒径が100μm以下の原料が均一に混ざり合った造粒物であるのがよく,この造粒物の作製にあたっては,配合原料を秤量し,混練にあたっては適量の水を添加する。この水の添加をアルカリ金属含有の水溶液で置き換えることができる。混練機としては,混合・造粒が同時に行えるものが便宜であるが,混合と造粒を分けて行うものであってもよい。例えば,ヘンシェルミキサーや縦型ミキサーを用いると混合と造粒を同時に行うことができるが,原料の混合をヘンシェルミキサーやV型混合機で行い,次いで造粒を皿型造粒機やドラムペレタイザーで行ってもよい。
【0024】
混練・造粒にさいしては水または該水溶液の他に適量のバインダーを配合することもできる。バインダーとしてはポリビニールアルコール(PVA)のような有機バインダーが使用できる。また,アルミ酸化物系や珪素酸化物系の無機バインダーも使用できるが,得られる当該分解用反応剤の性能に影響を与えないような量とする必要がある。
【0025】
この混練・造粒物の焼成は,水分や揮発性成分が除去され適度な強度を有する焼成品が得られるような条件で行うのが良いが,配合原料中の炭素の酸化消耗を防止するうえでは不活性雰囲気下で加熱処理するのが好ましく,不活性雰囲気下であれば高温での処理が可能となり,高強度の焼成品が得られる。焼結に使用する設備としてはロータリーキルン等の連続式のものが使用できるが,固定式の炉で行うこともできる。
【0026】
本発明に従う分解用反応剤は含有水分量が少ないもの,また分解反応中に水分が発生しないものが特に好ましく,不活性雰囲気中で800℃に加熱したときの水分放出量が15重量%以下であるものが好ましい。
【0027】
次に前記の反応剤を用いて弗化炭素類を分解処理する方法および装置について説明する。
【0028】
本発明に従う弗化炭素類の分解処理は,前記反応剤を装填した反応容器に被処理ガスである弗化炭素類含有ガスを通気することによって行うことができる。そのさい,反応剤の温度ひいては反応温度を200℃以上に維持すると共に,反応雰囲気としては非酸化性雰囲気或いは弱酸化性雰囲気で行うことができる。制御する反応温度並びに反応雰囲気は弗化炭素類の種類に応じて適切に選択する。例えば,パーフルオロカーボン(PFC),ハイドロフルオロカーボン(HFC),ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC),クロロフルオロカーボン(CFC)では,それぞれ十分に分解できる最低分解温度が異なり,本発明者の試験によれば,一般にこの記述した順番に最低分解温度が低くなる。また,アルカリ金属を含有する本発明の反応剤では,アルカリ金属を含有しないものに比べて反応剤の活性が高まることがその理由であると考えられるが,被処理ガス中に酸素が含有するか否かに係わらず全般に分解効率が良くなる。したがって,反応雰囲気としては非酸化性雰囲気であっても十分に目的が達成できる場合もあるが,場合によっては,弱酸化性雰囲気例えば0.01〜25vol.%の酸素を被処理ガス中に含有する雰囲気で処理すれば一層有利に分解できる。なお,被処理ガス中の弗化炭素類の濃度は特に限定されるものではなく,後記の実施例に示すように弗化炭素類100%でも分解できるが,不活性ガス更には酸素含有ガスで希釈されていてもよい。このように,分解に供する弗化炭素類の種類,被処理ガス中の弗化炭素類の濃度,被処理ガス中の酸素含有ガス濃度,SV(空塔速度),LV(線速度),他のガスとの混合状態,更には本発明反応剤の成分比や形態に応じて,好ましい分解温度が設定されることになる。例えば,SVが小さければより低い温度でも所望の分解率が得られる。
したがって,本発明に従う弗化炭素類の分解処理は,このような処理条件を適切に選定することにより,弗素と炭素とからなるパーフルオロカーボン,または弗素,水素および炭素からなるハイドロフルオロカーボンを対象として効率よく実施できるし,また,弗素,炭素および弗素以外のハロゲンからなるハロゲン化フルオロカーボン,または弗素,水素,弗素以外のハロゲンおよび炭素からなるハロゲン化ハイドロフルオロカーボンを対象としても効率よく実施できる。
【0029】
この分解処理は,前記反応剤を装填した反応容器と,この反応容器内に通ずるように設けられた被処理ガス導入口と,該反応容器内から反応後のガスを排出するように設けられたガス排出口と,該反応容器を収容する炉と,この炉内の雰囲気温度を200℃以上に高めるための熱源と,前記の被処理ガス導入口と弗化炭素含有ガス源とを接続する管路と,所望により,前記のガス排出口に連通するように配管接続された排ガス酸化器と,を備えた弗化炭素類の分解装置によって行うことができる。
【0030】
図1は,本発明法を実施する装置の一例を示したものである。図中の1は金属製の反応容器(管)であり,この中に前記の反応剤からなる反応剤2が装填される。図例のものは管状の反応容器1を縦型にしたものであり,反応剤2は容器内に固定した通気性床3の上に装填されている。反応容器1の金属管としてはステンレス鋼またはニッケル基合金からなる管を使用することができる。
【0031】
反応容器1は加熱炉4内に設置される。図示の加熱炉4は,通電により発熱する発熱体を用いた電気ヒータ5を熱源としたもので,この電気ヒータ5によって炉内雰囲気6の温度が所要の温度に昇温し,この炉内の熱が金属製反応容器壁を介して反応剤2に伝達される。炉内雰囲気6の温度を所要の温度に高めることができるものであれば,熱源としては電気ヒータに限られるものではない。例えば燃焼排ガスなどの高温ガスを熱源とすることもできる。
【0032】
このようにして加熱炉4内に設置される反応容器1には被処理ガス導入口7が設けられ,この被処理ガス導入口7は弗化炭素類を収容する容器8に配管接続される。容器8は必要に応じて加熱手段9により間接加熱できるようにしておき,この加熱により容器8内の弗化炭素類のガス圧を高める。また,容器8からのガス放出管10には流量調整弁11を介装する。図1の実施例では,容器8に加えて,酸素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ13を別置きし,これらから,酸素ガスと窒素ガスをそれぞれ流量調整弁14,15を介装したガス放出管16,17を経ていったんガスヘッダー18に導くと共にこのヘッダー18に弗化炭素類を導くことにより,弗化炭素ガスにキャリヤとしての窒素ガスを混合すると共に必要に応じて酸素ガスを添加できるようにして,ヘッダー18で混合された被処理ガスをガス供給管19を経て反応容器1の被処理ガス導入口7に送り込むようにしてある。
【0033】
なおこの例に限らず,弗化炭素,窒素および酸素を予め混合してなる混合ガスを一つの容器内に準備し,この混合ガスを直接的に被処理ガス導入口7に送り込むようにしてもよいし,弗化炭素容器8に窒素ガスを送り込み,この窒素ガスによって弗化炭素を容器から強制的に送り出し,その放出管路に酸素ガスを添加するようにしてもよい。いずれにしても,必要に応じて酸素ガス導入管を容器8自身または容器8から被処理ガス導入7に至るまでの配管に接続するようにするのがよい。
【0034】
他方,反応容器1のガス排出口20には排ガス管路21が接続され,この排ガス管路21はハロゲン吸収ビン22に接続され,このビン22にガス放出管23が取付けられている。また,排ガス管路21にはサンプリング管24が取付けられ,このサンプリング管24でサンブリングされた排ガスはガス分析器25に送られる。
【0035】
図2は,反応容器1から出る排ガスの排ガス管路21に,排ガス酸化装置26を接続した例を示したものである。排ガス酸化装置26はこの中を通過する排ガスの実質的全量が触媒層27を通過するようにしたものであり,触媒層27にはCOからCOへの酸化反応を促進する酸化触媒が装填してある。この触媒としては,白金,パラジウム等のような貴金属触媒を耐熱性の担体に担持させたものや,ホプカライト触媒が使用できる。また,この排ガス酸化装置26に入る前の排ガスに酸素を添加するための酸素導入管28が接続してあり,この酸素導入管28の流量調節弁29によって,酸素源30からの排ガスへの酸素添加量を調節する。なお,この酸素を導入する位置よりも上流側の排ガス管路21に窒素ガス34を導入する管路35を設け,この管路35から窒素ガス34を排ガス中に混合することにより排ガス中のCO濃度を低くしてから酸素を導入するようにすると,排ガス中のCO濃度が高くなった場合にも,酸素導入位置でCOがCOに燃焼するような現象を抑制することができる。排ガスに添加する酸素源30として空気を用いることもできる。排ガス酸化装置26を通過した排ガスは,図1と同様の経路でハロゲン吸収ビン22に送られるが,その一部をサンプリングするサンプリング管24が取付けられている。
【0036】
図1および図2の装置において,反応容器1内の反応剤2には加熱炉4内の雰囲気温度が容器壁を通じて伝達されるが,反応による熱収支と,導入ガスと排出ガスによって出入する熱容量の収支によって温度が変化するが,図示のように,反応剤2のほぼ中心に挿入された温度センサー(熱電対)31によって,反応帯域の温度を温度測定器32で検出し,この温度が所定の温度に維持されるように,熱源5からの供給熱量を制御する。また,加熱炉4内の炉内雰囲気6の温度も温度センサー33によって検出しその検出値に基づいて加熱炉自体の温度制御も適宜行う。
【0037】
このようにして,被処理ガス中の弗化炭素類はほぼ完全に(100%近い分解率で)分解し,分解したフッ素は反応剤中のアルカリ土類金属と反応してフッ化アルカリ土類金属となり,排ガス中にはこれらの弗化炭素類およびフッ素は実質上残存しなくなる。また,排ガス酸化装置26によって排ガス中のCOの全てをCOに酸化させることができる。
【0038】
図3は,半導体製造工程で使用された使用済弗化炭素類を本発明によって分解処理する場合の例を示したものである。半導体製造工程から出る使用済弗化炭素類37は一般に管路38を経てルーチンな処理工程36に送られている。本発明の適用にさいし,この弗化炭素供給管38を反応容器1の被処理ガス導入口7に接続する。図示の例では,該供給管38から三方弁39を介して分岐管40を取付け,この分岐管40を被処理ガス導入口7に接続したものである。そして,この分岐管40に窒素ガス供給管41を連結し,窒素ガス源42から窒素ガスを分岐管40内に流量可変に圧送できるようにしてある。これにより,三方弁39を切り換えたさいに,分岐管40の側に原料ガスが流れ難くても,窒素ガス源42から必要量の窒素ガスを送気することにより,原料ガスを被処理ガス導入口7に向けてを実質的に同一流量で搬送することができる。
【0039】
図4と図5は,反応容器1の内部に加熱源を設置して,容器の内部から反応剤2に熱を伝達するようにした本発明例を示したものである。両図において,44は反応容器1を取り巻く耐熱性の炉材,7は容器への被処理ガス導入口,20は容器からのガス排出口である。
【0040】
図4の場合には,反応剤2の充填層の内部に,通電により発熱する発熱体43を配置したものであり,発熱体43は耐食耐熱性のカバーで被覆してある。本例によると,反応剤2の充填層内部から熱が伝達されるので,反応剤を所望の温度まで高めるための昇温速度を高めることができまた熱損失も少なくなる。
【0041】
図5の場合には,反応容器1の内部を,反応剤2の充填層と加熱層に分け,容器1内に導入された被処理ガスは加熱層を経てから反応剤充填層に流れるようにしたものである。加熱層では,通電により発熱する発熱体46を容器蓋45に取付けてある。被処理ガスは加熱層を通過するさいに熱を付与されると共に反応剤2にも熱が伝達される。本例では,容器内に電気ヒーターを入れたので,熱の利用効率が高くなると共に発熱体46が反応剤や反応後のガスに接触しないので劣化が少ないという利点がある。
【0042】
図6は,加熱源をもつ反応容器1に導入する前の被処理ガスと,反応容器2から出た排ガスとを熱交換するための熱交換器48を配置した本発明例を示したものである。この熱交換器48を配置することにより,排ガスが有する顕熱を被処理ガスに付与することにより,熱の回収が図られるので,加熱源の熱消費を低くすることができる。
【0043】
上に説明した本発明装置の場合,装填した反応剤が消耗し尽きると,分解反応は終了する。この反応終点は排ガス中に弗化炭素類若しくはその他のフッ素化合物が検出され始めた時点をもって知ることができる。反応が終了すれば,装置の稼働を停止し,新たに反応剤を装填して反応を開始するというバッチ方式で,同一装置で順次弗化炭素類の分解を行うことができる。このバッチ方式を連続化するために,複数の同様の装置を並設し,一方の装置が稼働している間に他の装置の反応剤の入れ換えを行ない,一方の装置が停止したときに他方の装置にガス流路を切り替えるという複塔切替方式を採用こともできる。また,反応容器内への反応剤の連続または断続供給と,使用済反応剤の反応容器内からの連続または断続排出ができるようにしたものを使用すれば,同一装置で長時間連続稼働ができる。
【0044】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に示したものと同じ原理の装置を使用して本発明法を実施した。すなわち通電により発熱する発熱体(カンタル合金を使用)を装着した管状炉(電気容量0.4KW)の軸中心に沿って,内径16mm,長さ30mmのインコネル600からなる反応管を貫通させ,この反応管内の炉中心部に,弗化炭素類分解用の反応剤35gを装填した。
【0045】
この反応剤は,原料としてチャー炭,消石灰および水酸化カリウムを用いて作製した粒状物であり,次のようにして作製した。
【0046】
粒度250μm以下のチャー炭,粒度250μm以下の消石灰,および水酸化カリウムの配合比を変えてヘンシエルミキサーで混合し,水を添加して造粒したあと,110℃で4時間の乾燥処理し,窒素雰囲気中で800℃で8時間の熱処理を行って脱水焼成し,得られた焼成品を整粒して粒径が10mm以下の平均粒径約3mmのペレットを得た。
【0047】
原料のチャー炭は,固定炭素78%,揮発分9%,灰分3%,水分10%のものを使用し,原料の消石灰はJIS R9001の規格品を使用し,水酸化カリウムは一級試薬を使用した。製造されたペレットを分析したところ,この反応剤ペレットは単体状炭素(C)と酸化カルシウム(CaO)が主成分であり,若干のカリウムを含有している。表1にこれら反応剤ペレット中のC,Ca,Kの原子比と,これら成分の,全体に対する合計重量%を併記した。
【0048】
分解に供する弗化炭素としてパーフルオロエタン(C)を使用し,図1に示したように,このパーフルオロエタンに酸素ガスを添加し,窒素ガスをキャリヤとして前記の反応管に導入した。そのさい,この被処理ガスの流量は0.17リットル/分の一定とした。どの例でも,被処理ガス中の弗化炭素の量は5vol.%の一定とした。いずれの例でも被処理ガスの導入にさいしては,発熱体への通電を開始し,反応剤の中心部の温度が700℃となったことを確かめた上で行なった。反応の間は,反応剤の中心部(反応剤の嵩のうち最も高温となる部位)に挿入した熱電対で計測される温度が700℃が維持されるように管状炉の通電量を制御した。反応のあいだ維持したこの温度のことを以後に「反応剤最高温度」と呼ぶ。
【0049】
反応管から排出される排ガスの一部は図1に示したようにサンプリングしてガス分析器に導き,残部は苛性ソーダ溶液を入れたフッ素吸収ビンを通じたあと系外に排出した。排ガスの分析は,被処理ガスの弗化炭素類,その他のフッ素化合物,O, N, CO, COについて行った。弗化炭素類,O, N, CO,COについてはガスクロマトグラフイを使用し,その他のフッ素化合物についてはイオンクロマトグラフイを用いた。
【0050】
各試験(No.1〜8)の反応条件と反応結果を表1に示した。表1において,SVは被処理ガスの空塔速度(Hr−1), LVは被処理ガスの線速度 (m/min)であり,反応結果の欄に示した30分後の分解率および弗化炭素の分解量は,次のようにして求めた。
【0051】
〔30分後の分解率%〕
反応開始から30分経過した時点の排ガスサンプルから,排ガス中に残存している弗化炭素量を測定し,被処理ガス中の弗化炭素に対する排ガス中の弗化炭素の100分率をもって表した。
【0052】
〔弗化炭素の分解量(g)〕
反応終点までに分解した弗化炭素の量である。反応終点は分解率が95%に低下した時点とした。実際には,30分毎の排ガス分析値から,30分毎の分解率を求め,各30分間に流入した弗化炭素量にそのときの分解率を掛けた値をその30分間の分解量とし,反応開始から分解率が95%に低下する時点までの分解量の積算値を反応剤1cc当りに換算し,反応剤1cc当たりの弗化炭素の分解量(g/cc)とした。
【0053】
【表1】
Figure 0003592886
【0054】
表1の結果から,いずれの試験No.のものも反応温度が700℃でCが分解しているが,反応剤中のK濃度が高くなるに従って30分後の分解率は高くなることがわかる。すなわち, Caに対するKの原子比が0.04〜0.10ではいずれも約100%分解しており,該比が0.06のときに分解量が最大となっている。試験No.1〜3に見られるように,Caに対するKの原子比が0.04未満でも分解反応が起きているが,この反応温度700℃では分解率が低くなっている。他方,あまりK濃度が高くなると,試験No.5に見られるように反応効率は低下するようになる。本例においては,試験No.6,7,8の比較から,K濃度がCa/Cの原子比で1/0.06付近が最も効率がよいことがわかる。
【0055】
〔実施例2〕
反応剤の製造において,水酸化カリウムに代えて別のカリウム化合物をKの配合原料として使用した以外は,実施例1と同様にして反応剤を製造し,実施例1と同様にしてCの分解に供した。その結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
Figure 0003592886
【0057】
表2に見られるように,K源として炭酸塩,アルミン酸塩,リン酸塩,硫酸塩,硝酸塩のいずれを使用しても700℃でほぼ100%近い分解率が得られた。これらに比べると,KClの場合には分解効率が低下している。
【0058】
〔実施例3〕
実施例1と同様にして反応剤にKを配合したものと,Kを配合しなかった以外は実施例1と同様にして製造した反応剤を用いて,実施例1と同様にCの分解に供した。また,被処理ガス中に酸素が存在する場合と,しない場合の影響も調べた。その結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
Figure 0003592886
【0060】
表3に見られるように,Kを添加した反応剤を用いると,分解温度が低下すること,また,被処理ガス中に酸素が存在しなくても十分に分解できること,さらに,酸素濃度が20vol.%になると分解効率が多少悪くなることが分かる。
【0061】
〔実施例4〕
実施例1と同様にして製造した反応剤を用いて,分解に供する弗化炭素類の種類を代えて,また被処理ガス中の酸素濃度を変えて,実施例1と同様に分解処理を行った。その結果を表4に示した。
【0062】
【表4】
Figure 0003592886
【0063】
表4の結果から,いずれの弗化炭素類も完全に分解できたことがわかる。とくに塩素系の弗化ガスでは350℃でもほぼ100%の分解ができる。被処理ガス中に酸素が存在する場合と,しない場合を比較すると,反応成績には大差は現れていない。
【0064】
〔実施例5〕
消石灰Ca(OH)の代わりに,Mg(OH)を配合した以外は実施例1
と同様にして反応剤ペレットを作製し,CFを被処理ガスとして実施例1と同様に分解処理を行った。その結果を表5に示した。
【0065】
【表5】
Figure 0003592886
【0066】
表5に見られるように,反応剤中のアルカリ土類金属としてMgを使用した場合にもCFは分解するが,Caよりは分解効率は低い結果となった。
【0067】
〔実施例6〕
被処理ガス中の弗化炭素の濃度を100%とした以外は実施例1と同様にしてCまたはCFの分解を行った。その結果を表6に示した。
【0068】
【表6】
Figure 0003592886
【0069】
表6の結果から,弗化炭素類を希釈しないで100%濃度で分解しても,同様に良好に分解できることがわかる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると弗化炭素類が比較的低温で且つ簡単な処法で効率的に分解することができ,分解したフッ素も無害物として固定できる。すなわち,本発明の弗化炭素類の分解法は簡易な分解装置で実施でき,処理操作が簡易で,分解効率も高く,しかも分解生成物がCaF2,MgF2,CaCl2,MgCl等の弗化物や塩化物となり,有害な物質が含まれず,弗化物はセメント原料として使用可能であるので後処理が容易であり,また反応剤の廉価性の点でも,これまでのものにはない効果を奏し,とくに,半導体製造工程で発生する使用済弗化炭素類の分解に多大の貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する装置の一例を示した機器配置系統図である。
【図2】本発明法を実施する装置の排ガス経路部の他の例を示した機器配置系統図である。
【図3】本発明法を実施する被処理ガス導入部の他の例を示した機器配置系統図である。
【図4】本発明法に従い反応剤を反応容器内から加熱する例を示す反応容器部の略断面図である。
【図5】本発明法に従い反応剤を反応容器内から加熱する他の例を示す反応容器部の略断面図である。
【図6】本発明の実施にさいし,反応容器に入る前の被処理ガスと反応容器を出た排ガスを熱交換する例を示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器
2 反応剤
3 通気性床
4 加熱炉
5 電気ヒーター
6 加熱炉の炉内雰囲気
7 被処理ガス導入口
8 弗化炭素源
12 酸素ガス源
13,34,42 窒素ガス源
19 40 被処理ガス導入管路
20 ガス排出口
21 排ガス管路
26 排ガス酸化器
27 酸化触媒
43,46 通電により発熱する発熱体

Claims (11)

  1. 炭素,アルカリ土類金属の一種または二種以上およびアルカリ金属の一種または二種以上を含有する固形状の反応剤と気体状の弗化炭素類を200℃以上で接触させ,該弗化炭素類中のハロゲン成分を該反応剤に固定することからなる弗化炭素類の分解方法。
  2. アルカリ土類金属,単体状炭素およびアルカリ金属を含有した固形物からなり,それらの含有割合が,アルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で,単体状炭素が0.25〜4.0,アルカリ金属が0.01〜0.3である弗化炭素類の分解用反応剤。
  3. アルカリ土類金属,単体状炭素およびアルカリ金属の合計含有量が50重量%以上である請求項2に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  4. アルカリ土類金属はカルシウムまたはマグネシウムであり,該固形物中にその酸化物,水酸化物または炭酸塩の形態で配合される請求項2または3に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  5. アルカリ金属はカリウムであり,該固形物中に水酸化物,炭酸塩,リン酸塩,アルミン酸塩,硝酸塩または硫酸塩の形態で配合される請求項2,3または4に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  6. 単体状炭素は,チャー炭,活性炭,カーボンブラックまたはコークス粉の形態で配合される請求項2,3,4または5に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  7. 固形物は,焼成品である請求項2,3,4,5または6に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  8. 不活性雰囲気中800℃で加熱したときの水分放出量が15重量%以下である請求項2,3,4,5,6または7に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  9. 弗化炭素類は,弗素と炭素とからなるパーフルオロカーボン,または弗素,水素および炭素からなるハイドロフルオロカーボンである請求項1に記載の分解方法。
  10. 弗化炭素類は,弗素,炭素および弗素以外のハロゲンからなるハロゲン化フルオロカーボン,または弗素,水素,弗素以外のハロゲンおよび炭素からなるハロゲン化ハイドロフルオロカーボンである請求項1に記載の分解方法。
  11. 固体状の反応剤と接触させる気体状の弗化炭素類は,当該気体中に0.01〜25vol.%の酸素を含有する請求項1または9に記載の分解法。
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