JPH10277363A - 弗化炭素類の分解方法および分解用反応剤 - Google Patents

弗化炭素類の分解方法および分解用反応剤

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JPH10277363A
JPH10277363A JP9103973A JP10397397A JPH10277363A JP H10277363 A JPH10277363 A JP H10277363A JP 9103973 A JP9103973 A JP 9103973A JP 10397397 A JP10397397 A JP 10397397A JP H10277363 A JPH10277363 A JP H10277363A
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gas
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Kazumasa Tezuka
和正 手塚
Kazuto Ito
和人 伊藤
Hitoshi Atobe
仁志 跡辺
Toraichi Kaneko
虎一 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に有害な弗化炭素類を簡単な処法で効率
良く分解し無害化する。 【解決手段】 炭素,アルカリ土類金属の一種または二
種以上およびアルカリ金属の一種または二種以上を含有
する固形状の反応剤と気体状の弗化炭素類を200℃以
上で接触させ,該弗化炭素類中のハロゲン成分を該反応
剤に固定することからなる弗化炭素類の分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弗化炭素類の分解方
法および分解用反応剤に関する。本明細書において“弗
化炭素類”とは,炭素とフッ素を必須の構成成分とした
容易に気体化できる弗化炭素類であって,C(炭素)と
F(フッ素)だけからなる化合物はもとより,Fの一部
が水素または他のハロゲン元素(代表的には塩素)で置
きかえられた化合物も含むものと定義する。なお,容易
に気化できるとは,常温常圧で気体状のもの,および常
温では液体状であるが他の不活性ガスが同伴すると0.
01容積%以上のその蒸気が含まれる混合ガスを生成す
るものを意味する。
【0002】
【従来の技術】このような弗化炭素類は,熱的にも安定
であるので熱媒体,溶媒,洗浄剤等に広く利用されてき
たが,そのうち特に塩素を含む弗化炭素類は大気中に放
出されると分解されないまま成層圏に達してオゾン層を
破壊するので,世界的に社会問題化し,その使用を全廃
するという国際決議がなされている。
【0003】また,塩素を含まない弗化炭素類も種々開
発されているが,地球温暖化への影響が懸念されてお
り,使用後には分解することが好ましいとされている。
【0004】したがって,冒頭に定義した“弗化炭素
類”は無害物質に分解されることが必要であり,従来よ
りこれらを分解する技術として,燃焼分解法,プラズマ
分解法,超臨界水分解法,反応剤分解法,触媒分解法等
が提案されている。このうち,反応剤を用いた分解法は
取扱い易く経済的であり,また弗化炭素類発生源のオン
サイトで分解処理できるので,他の方法にはない利点が
ある。
【0005】反応剤を用いた弗化炭素類の分解法として
は,例えば特開平6−293501や特開平7−242
55号公報のようにマグネトロン(マイクロ波)を利用
した方法,また特開平8−187302号公報において
弗化炭素類を非酸化性雰囲気中で炭素質固体材料とアル
カリ土類金属化合物からなる反応剤に接触させる方法を
本願と同一出願人らは提案し,さらに同一出願人らは特
願平8−194134号明細書においてパーフルオロカ
ーボンまたはハイドロフルオロカーボンを酸化性雰囲気
下で炭素質固体材料とアルカリ土類金属化合物からなる
反応剤に300℃以上の温度で接触させる方法を提案し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先に提案した炭素質固
体材料とアルカリ土類金属化合物からなる反応剤を用い
る弗化炭素類の分解法によれば,例えば半導体製造設備
から発生する使用済弗化炭素類をその発生源でオンサイ
トに分解処理可能であるが,分解を完全にするには比較
的高い反応温度を必要とする。例えばC26 は800
℃でほぼ100%分解することができる。したがって8
00℃以上の反応温度が維持できる設備に構成すること
が望ましい。
【0007】より低い反応温度で完全に弗化炭素類が分
解できるならば,加熱装置が小型化するので設備自体を
小型化できると共に,昇温・降温時間が短くなって稼働
率が向上し,操作も容易となる。また設備の腐食や熱的
損傷等に対するメインテナンスも軽減する。したがっ
て,本発明の課題は,反応温度が低くても効率良く分解
できるように,先に提案した弗化炭素類の分解法を改善
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先に提案し
た炭素質材料とアルカリ土類金属からなる反応剤による
弗化炭素類の分解挙動について研究を重ねてきたが,ア
ルカリ金属例えばカリウムを該反応剤に含有させると低
い反応温度で十分に弗化炭素類を分解できることを知っ
た。
【0009】したがって本発明によれば,炭素,アルカ
リ土類金属の一種または二種以上およびアルカリ金属の
一種または二種以上を含有する固形状の反応剤と気体状
の弗化炭素類を200℃以上で接触させ,該弗化炭素類
中のハロゲン成分を該反応剤に固定することからなる弗
化炭素類の分解方法を提供する。ここで,ハロゲン成分
を反応剤に固定するとは,弗化炭素類の分解結果とし
て,弗化炭素類の構成成分のうちのハロゲン元素が反応
剤の構成成分のアルカリ土類金属(一部アルカリ金属の
場合もある)のハロゲン化物として反応剤中に固形物と
して固定されることを言う。
【0010】また本発明によれば,アルカリ土類金属,
単体状炭素およびアルカリ金属を含有した固形物からな
り,それらの含有割合が,アルカリ土類金属を1.0と
したときの原子比で,単体状炭素が0.25〜4.0,ア
ルカリ金属が0.01〜0.3である弗化炭素類の分解用
反応剤を提供する。この分解用反応剤中のアルカリ土類
金属,単体状炭素およびアルカリ金属の合計含有量は好
ましくは50重量%以上である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に従う弗化炭素類の分解法
は,炭素,アルカリ土類金属の一種または二種以上およ
びアルカリ金属の一種または二種以上を含有する固形状
の反応剤を分解固定剤として使用する点に特徴がある。
この分解用反応剤を構成する各成分について先ず説明す
る。
【0012】反応剤中の炭素は,アルカリ土類金属と併
存することにより弗化炭素類の分解に寄与する。また,
弗化炭素類の分解反応にさいし気相中に酸素が共存する
場合には一酸化炭素を生成する。反応剤中の単体状炭素
の含有量は分解反応の進行につれて変動することはある
が,少なくとも分解反応初期にはアルカリ土類金属を
1.0としたときの原子比で0.25以上含有することが
好ましく,この比が0.25未満では,弗化炭素類の分
解が十分に進行しない。反応の進行につれても,反応剤
中に残存する単体状炭素量は該比が0.25以上である
ことが望ましい。しかし,反応剤中の単体状炭素が該比
が4.0より大きくなるように含有されていると,これ
に伴ってアルカリ土類金属量が低下して分解反応が十分
に行われなくなる。したがって,反応剤中の単体状炭素
量はアルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で0.
25〜4.0の範囲であるのがよく,好ましくは0.5〜
3.0の範囲,さらに好ましくは1.0〜2.0の範囲で
あるのがよい。そして,この反応剤中の単体状炭素量は
分解反応初期から反応途中も維持されることが望まし
い。ここで,単体状炭素とは単体状で存在する固体炭素
であり,特定の化合物中の炭素は単体状炭素ではないも
のとする。特定化合物中の炭素としては例えば炭酸塩中
の炭素がある。以下,特に断らない限り,反応剤中の炭
素と言えば単体状で配合されている炭素を意味する。
【0013】反応剤中の単体状炭素はチャー炭,活性
炭,カーボンブラックまたはコークス粉の形態で配合す
ることができる。また炭素繊維や黒鉛,更には無機炭素
質が主成分として含まれているものであってもよい。反
応剤が造粒品の場合には,これらの炭素質の粉体を他の
原料(アルカリ土類金属化合物およびアルカリ金属化合
物)と共に造粒すればよい。また,焼成品からなる反応
剤を得る場合には,これら炭素質の粉体原料を他の原料
(アルカリ土類金属化合物,或いはアルカリ金属土類金
属化合物とアルカリ金属化合物)に配合して焼成するこ
とができる。
【0014】反応剤中のアルカリ土類金属は,単体状炭
素と共存することにより弗化炭素類を分解する作用を果
たし,例えばアルカリ土類金属をカルシウムとし,分解
に供する弗化炭素をC26 とした場合には,3CaO
+C26 →3CaF2+CO2+COのように反応し,
弗化炭素中のフッ素をCaF2の形で固定する役割を果
たす。このようにアルカリ土類金属は本発明の反応剤の
基本成分である。このため,本明細書ではアルカリ土類
金属の含有量を基準として単体状炭素量とアルカリ金属
量の相対割合を規定しており,したがって,反応剤中の
実際のアルカリ土類金属量は,単体状炭素とアルカリ金
属の含有量との関係で決まる。その相対量が少な過ぎる
と反応の経過につれて,分解反応に寄与するアルカリ土
類金属の炭素量に対する相対比が低下し,高い分解率を
得ることができなくなる。しかし,逆にアルカリ土類金
属の相対量が多すぎると,炭素との相対比が高くなりす
ぎて,やはり高い分解率を得ることができなくなる。
【0015】アルカリ土類金属としては,Be,Mg,
Ca,Sr,Ba,Raであればよく,これらの酸化
物,水酸化物または炭酸塩等の塩類として反応剤中に含
有させることができる。これらアルカリ土類金属のうち
好ましいものはCaとMgである。本発明者らは各種の
アルカリ土類金属について試験したが,CaまたはMg
が弗化炭素類の分解反応効率が高いことがわかった。ま
た,これらはその原料および分解反応生成物に毒性がな
いので取り扱いやすい。その原料としては,Caまたは
Mgの酸化物,水酸化物または炭酸塩などの酸素を含ん
だ形態の方が安定で取り扱いやすく,これらの原料の具
体例としては,生石灰,消石灰,大理石,炭酸マグネシ
ウム,ドロマイト等があり,特に酸化物の形で反応剤中
に含有されるのが好ましい。
【0016】このようにCaまたはMgを酸素含有化合
物の形態で反応剤中に含有させる場合には,弗化炭素類
の分解反応において,この酸素含有化合物中の酸素がC
と反応したり,弗化炭素類中のフッ素と置き変わった
り,または気相中の酸素が反応剤中のCと反応したりす
るときに,反応剤がより活性になることがその原因であ
ろうと推察されるが,酸素含有化合物の形態でCaまた
はMgが反応剤中に存在すると一層有利に弗化炭素類を
分解することができる。
【0017】前記の単体状炭素およびアルカリ土類金属
に加えてアルカリ金属が反応剤中に共存すると,共存し
ない場合に比べて分解温度を低下させても,高い分解率
で弗化炭素類を分解することができるようになる。アル
カリ金属としては,Li,Na,K,Rb,Csなどが
あるが,Kが顕著に分解温度を低下させることができる
ことが判明している。反応剤中のアルカリ金属量として
は,アルカリ土類金属を1.0としたときの原子比で0.
01〜0.3の範囲であればよく,この比が0.3より多
くなるように含有しても,その効果は飽和すること,ま
た単体状炭素およびアルカリ土類金属の含有量が相対的
に低下することから,好ましいことではない。またこの
比が0.01未満では,分解温度を低下させる効果が見
られない。好ましいアルカリ金属量はこの比が0.02
〜0.2の範囲,さらに好ましくは0.03〜0.1の範
囲である。
【0018】アルカリ金属としてKを反応剤中に含有さ
せるには水酸化物,炭酸塩,リン酸塩,アルミン酸塩,
硝酸塩または硫酸塩等の化合物の形態で配合すればよ
く,これら化合物を単独で或いは複合して,粉状のもの
はそのまま,塊状のものは100μm以下に粉砕して配
合すればよい。また,これら化合物の水溶液で添加する
こともできる。このように,反応剤中に適量のK成分が
存在すると,低い分解温度でも十分な弗化炭素類が分解
する理由については必ずしも明確ではないが,この場合
には,分解に供する弗化炭素類の気体中に酸素が含まれ
ていなくても(無酸素雰囲気下でも),低い温度で十分
な分解が進行することから,反応剤の活性が高まるので
あろうと推察される。
【0019】これら単体状炭素,アルカリ土類金属およ
びアルカリ金属の反応剤中の合計量は50重量%以上で
あることが望ましい。この合計量が50重量%未満でも
弗化炭素類の分解は可能であるが,効率よく分解するに
は50重量%以上であるのがよい。残余の成分として
は,アルカリ土類金属およびアルカリ金属が化合物とし
て配合されている場合の当該化合物中の成分や化合物が
あり,この残余の成分の殆んどが酸素であるのが好まし
いが,水分,CO2 その他原料から同伴する不純物を含
むこともできる。
【0020】以上のように,本発明の弗化炭素類の反応
剤は,単体状炭素,アルカリ土類金属およびアルカリ金
属を必須の成分として含有する固形物である。この固形
状反応剤は分解に供する弗化炭素類ガスとの接触機会を
高める上では,粒状であるのが好ましい。粒状品とする
には,前記した各原料の粉体を混合し,適量の水と共
に,或いは,場合によっては適切なバインダーを加えて
造粒し,次いで乾燥して水分を蒸発させるという工程で
造粒品とすればよい。
【0021】最も好ましい粒状品は焼成された粒状物で
ある。すなわち,粉状炭素質原料,粉状アルカリ土類金
属化合物および粉状アルカリ金属化合物の混合粉体を焼
成してなる焼成品,或いは粉状炭素質原料と粉状アルカ
リ土類金属化合物の混合粉体を焼成してなる焼成品にア
ルカリ金属化合物の溶液を被着または含浸させ,揮発分
(溶媒液)を乾燥除去してなる焼成品である。この焼成
品を得るための出発材料とししての各原料は,先に記述
した炭素質原料,アルカリ土類金属化合物およびアルカ
リ金属化合物を使用すればよい。
【0022】代表的な焼成品としては,炭素質粉体と消
石灰とカリウム化合物を含む混練物を,炭素が残存しな
がら消石灰の逆消化反応が進行するに十分な条件で焼成
したもの,或いは炭素質粉体と炭酸カルシウムとカリウ
ム化合物を含む混練物を,炭素が残存しながら炭酸カル
シウムの分解反応が進行するに十分な条件で焼成したも
のがある。そのさい,混練物中に配合するカリウム化合
物は粉状でも水溶液状であってもよい。
【0023】該混練物はいずれも粒径が100μm以下
の原料が均一に混ざり合った造粒物であるのがよく,こ
の造粒物の作製にあたっては,配合原料を秤量し,混練
にあたっては適量の水を添加する。この水の添加をアル
カリ金属含有の水溶液で置き換えることができる。混練
機としては,混合・造粒が同時に行えるものが便宜であ
るが,混合と造粒を分けて行うものであってもよい。例
えば,ヘンシェルミキサーや縦型ミキサーを用いると混
合と造粒を同時に行うことができるが,原料の混合をヘ
ンシェルミキサーやV型混合機で行い,次いで造粒を皿
型造粒機やドラムペレタイザーで行ってもよい。
【0024】混練・造粒にさいしては水または該水溶液
の他に適量のバインダーを配合することもできる。バイ
ンダーとしてはポリビニールアルコール(PVA)のよ
うな有機バインダーが使用できる。また,アルミ酸化物
系や珪素酸化物系の無機バインダーも使用できるが,得
られる当該分解用反応剤の性能に影響を与えないような
量とする必要がある。
【0025】この混練・造粒物の焼成は,水分や揮発性
成分が除去され適度な強度を有する焼成品が得られるよ
うな条件で行うのが良いが,配合原料中の炭素の酸化消
耗を防止するうえでは不活性雰囲気下で加熱処理するの
が好ましく,不活性雰囲気下であれば高温での処理が可
能となり,高強度の焼成品が得られる。焼結に使用する
設備としてはロータリーキルン等の連続式のものが使用
できるが,固定式の炉で行うこともできる。
【0026】本発明に従う分解用反応剤は含有水分量が
少ないもの,また分解反応中に水分が発生しないものが
特に好ましく,不活性雰囲気中で800℃に加熱したと
きの水分放出量が15重量%以下であるものが好まし
い。
【0027】次に前記の反応剤を用いて弗化炭素類を分
解処理する方法および装置について説明する。
【0028】本発明に従う弗化炭素類の分解処理は,前
記反応剤を装填した反応容器に被処理ガスである弗化炭
素類含有ガスを通気することによって行うことができ
る。そのさい,反応剤の温度ひいては反応温度を200
℃以上に維持すると共に,反応雰囲気としては非酸化性
雰囲気或いは弱酸化性雰囲気で行うことができる。制御
する反応温度並びに反応雰囲気は弗化炭素類の種類に応
じて適切に選択する。例えば,パーフルオロカーボン
(PFC),ハイドロフルオロカーボン(HFC),ハ
イドロクロロフルオロカーボン(HCFC),クロロフ
ルオロカーボン(CFC)では,それぞれ十分に分解で
きる最低分解温度が異なり,本発明者の試験によれば,
一般にこの記述した順番に最低分解温度が低くなる。ま
た,アルカリ金属を含有する本発明の反応剤では,アル
カリ金属を含有しないものに比べて反応剤の活性が高ま
ることがその理由であると考えられるが,被処理ガス中
に酸素が含有するか否かに係わらず全般に分解効率が良
くなる。したがって,反応雰囲気としては非酸化性雰囲
気であっても十分に目的が達成できる場合もあるが,場
合によっては,弱酸化性雰囲気例えば0.01〜25vol.
%の酸素を被処理ガス中に含有する雰囲気で処理すれば
一層有利に分解できる。なお,被処理ガス中の弗化炭素
類の濃度は特に限定されるものではなく,後記の実施例
に示すように弗化炭素類100%でも分解できるが,不
活性ガス更には酸素含有ガスで希釈されていてもよい。
このように,分解に供する弗化炭素類の種類,被処理ガ
ス中の弗化炭素類の濃度,被処理ガス中の酸素含有ガス
濃度,SV(空塔速度),LV(線速度),他のガスと
の混合状態,更には本発明反応剤の成分比や形態に応じ
て,好ましい分解温度が設定されることになる。例え
ば,SVが小さければより低い温度でも所望の分解率が
得られる。したがって,本発明に従う弗化炭素類の分解
処理は,このような処理条件を適切に選定することによ
り,弗素と炭素とからなるパーフルオロカーボン,また
は弗素,水素および炭素からなるハイドロフルオロカー
ボンを対象として効率よく実施できるし,また,弗素,
炭素および弗素以外のハロゲンからなるハロゲン化フル
オロカーボン,または弗素,水素,弗素以外のハロゲン
および炭素からなるハロゲン化ハイドロフルオロカーボ
ンを対象としても効率よく実施できる。
【0029】この分解処理は,前記反応剤を装填した反
応容器と,この反応容器内に通ずるように設けられた被
処理ガス導入口と,該反応容器内から反応後のガスを排
出するように設けられたガス排出口と,該反応容器を収
容する炉と,この炉内の雰囲気温度を200℃以上に高
めるための熱源と,前記の被処理ガス導入口と弗化炭素
含有ガス源とを接続する管路と,所望により,前記のガ
ス排出口に連通するように配管接続された排ガス酸化器
と,を備えた弗化炭素類の分解装置によって行うことが
できる。
【0030】図1は,本発明法を実施する装置の一例を
示したものである。図中の1は金属製の反応容器(管)
であり,この中に前記の反応剤からなる反応剤2が装填
される。図例のものは管状の反応容器1を縦型にしたも
のであり,反応剤2は容器内に固定した通気性床3の上
に装填されている。反応容器1の金属管としてはステン
レス鋼またはニッケル基合金からなる管を使用すること
ができる。
【0031】反応容器1は加熱炉4内に設置される。図
示の加熱炉4は,通電により発熱する発熱体を用いた電
気ヒータ5を熱源としたもので,この電気ヒータ5によ
って炉内雰囲気6の温度が所要の温度に昇温し,この炉
内の熱が金属製反応容器壁を介して反応剤2に伝達され
る。炉内雰囲気6の温度を所要の温度に高めることがで
きるものであれば,熱源としては電気ヒータに限られる
ものではない。例えば燃焼排ガスなどの高温ガスを熱源
とすることもできる。
【0032】このようにして加熱炉4内に設置される反
応容器1には被処理ガス導入口7が設けられ,この被処
理ガス導入口7は弗化炭素類を収容する容器8に配管接
続される。容器8は必要に応じて加熱手段9により間接
加熱できるようにしておき,この加熱により容器8内の
弗化炭素類のガス圧を高める。また,容器8からのガス
放出管10には流量調整弁11を介装する。図1の実施
例では,容器8に加えて,酸素ガスボンベ12と窒素ガ
スボンベ13を別置きし,これらから,酸素ガスと窒素
ガスをそれぞれ流量調整弁14,15を介装したガス放
出管16,17を経ていったんガスヘッダー18に導く
と共にこのヘッダー18に弗化炭素類を導くことによ
り,弗化炭素ガスにキャリヤとしての窒素ガスを混合す
ると共に必要に応じて酸素ガスを添加できるようにし
て,ヘッダー18で混合された被処理ガスをガス供給管
19を経て反応容器1の被処理ガス導入口7に送り込む
ようにしてある。
【0033】なおこの例に限らず,弗化炭素,窒素およ
び酸素を予め混合してなる混合ガスを一つの容器内に準
備し,この混合ガスを直接的に被処理ガス導入口7に送
り込むようにしてもよいし,弗化炭素容器8に窒素ガス
を送り込み,この窒素ガスによって弗化炭素を容器から
強制的に送り出し,その放出管路に酸素ガスを添加する
ようにしてもよい。いずれにしても,必要に応じて酸素
ガス導入管を容器8自身または容器8から被処理ガス導
入7に至るまでの配管に接続するようにするのがよい。
【0034】他方,反応容器1のガス排出口20には排
ガス管路21が接続され,この排ガス管路21はハロゲ
ン吸収ビン22に接続され,このビン22にガス放出管
23が取付けられている。また,排ガス管路21にはサ
ンプリング管24が取付けられ,このサンプリング管2
4でサンブリングされた排ガスはガス分析器25に送ら
れる。
【0035】図2は,反応容器1から出る排ガスの排ガ
ス管路21に,排ガス酸化装置26を接続した例を示し
たものである。排ガス酸化装置26はこの中を通過する
排ガスの実質的全量が触媒層27を通過するようにした
ものであり,触媒層27にはCOからCO2への酸化反
応を促進する酸化触媒が装填してある。この触媒として
は,白金,パラジウム等のような貴金属触媒を耐熱性の
担体に担持させたものや,ホプカライト触媒が使用でき
る。また,この排ガス酸化装置26に入る前の排ガスに
酸素を添加するための酸素導入管28が接続してあり,
この酸素導入管28の流量調節弁29によって,酸素源
30からの排ガスへの酸素添加量を調節する。なお,こ
の酸素を導入する位置よりも上流側の排ガス管路21に
窒素ガス34を導入する管路35を設け,この管路35
から窒素ガス34を排ガス中に混合することにより排ガ
ス中のCO濃度を低くしてから酸素を導入するようにす
ると,排ガス中のCO濃度が高くなった場合にも,酸素
導入位置でCOがCO2に燃焼するような現象を抑制す
ることができる。排ガスに添加する酸素源30として空
気を用いることもできる。排ガス酸化装置26を通過し
た排ガスは,図1と同様の経路でハロゲン吸収ビン22
に送られるが,その一部をサンプリングするサンプリン
グ管24が取付けられている。
【0036】図1および図2の装置において,反応容器
1内の反応剤2には加熱炉4内の雰囲気温度が容器壁を
通じて伝達されるが,反応による熱収支と,導入ガスと
排出ガスによって出入する熱容量の収支によって温度が
変化するが,図示のように,反応剤2のほぼ中心に挿入
された温度センサー(熱電対)31によって,反応帯域
の温度を温度測定器32で検出し,この温度が所定の温
度に維持されるように,熱源5からの供給熱量を制御す
る。また,加熱炉4内の炉内雰囲気6の温度も温度セン
サー33によって検出しその検出値に基づいて加熱炉自
体の温度制御も適宜行う。
【0037】このようにして,被処理ガス中の弗化炭素
類はほぼ完全に(100%近い分解率で)分解し,分解
したフッ素は反応剤中のアルカリ土類金属と反応してフ
ッ化アルカリ土類金属となり,排ガス中にはこれらの弗
化炭素類およびフッ素は実質上残存しなくなる。また,
排ガス酸化装置26によって排ガス中のCOの全てをC
2に酸化させることができる。
【0038】図3は,半導体製造工程で使用された使用
済弗化炭素類を本発明によって分解処理する場合の例を
示したものである。半導体製造工程から出る使用済弗化
炭素類37は一般に管路38を経てルーチンな処理工程
36に送られている。本発明の適用にさいし,この弗化
炭素供給管38を反応容器1の被処理ガス導入口7に接
続する。図示の例では,該供給管38から三方弁39を
介して分岐管40を取付け,この分岐管40を被処理ガ
ス導入口7に接続したものである。そして,この分岐管
40に窒素ガス供給管41を連結し,窒素ガス源42か
ら窒素ガスを分岐管40内に流量可変に圧送できるよう
にしてある。これにより,三方弁39を切り換えたさい
に,分岐管40の側に原料ガスが流れ難くても,窒素ガ
ス源42から必要量の窒素ガスを送気することにより,
原料ガスを被処理ガス導入口7に向けてを実質的に同一
流量で搬送することができる。
【0039】図4と図5は,反応容器1の内部に加熱源
を設置して,容器の内部から反応剤2に熱を伝達するよ
うにした本発明例を示したものである。両図において,
44は反応容器1を取り巻く耐熱性の炉材,7は容器へ
の被処理ガス導入口,20は容器からのガス排出口であ
る。
【0040】図4の場合には,反応剤2の充填層の内部
に,通電により発熱する発熱体43を配置したものであ
り,発熱体43は耐食耐熱性のカバーで被覆してある。
本例によると,反応剤2の充填層内部から熱が伝達され
るので,反応剤を所望の温度まで高めるための昇温速度
を高めることができまた熱損失も少なくなる。
【0041】図5の場合には,反応容器1の内部を,反
応剤2の充填層と加熱層に分け,容器1内に導入された
被処理ガスは加熱層を経てから反応剤充填層に流れるよ
うにしたものである。加熱層では,通電により発熱する
発熱体46を容器蓋45に取付けてある。被処理ガスは
加熱層を通過するさいに熱を付与されると共に反応剤2
にも熱が伝達される。本例では,容器内に電気ヒーター
を入れたので,熱の利用効率が高くなると共に発熱体4
6が反応剤や反応後のガスに接触しないので劣化が少な
いという利点がある。
【0042】図6は,加熱源をもつ反応容器1に導入す
る前の被処理ガスと,反応容器2から出た排ガスとを熱
交換するための熱交換器48を配置した本発明例を示し
たものである。この熱交換器48を配置することによ
り,排ガスが有する顕熱を被処理ガスに付与することに
より,熱の回収が図られるので,加熱源の熱消費を低く
することができる。
【0043】上に説明した本発明装置の場合,装填した
反応剤が消耗し尽きると,分解反応は終了する。この反
応終点は排ガス中に弗化炭素類若しくはその他のフッ素
化合物が検出され始めた時点をもって知ることができ
る。反応が終了すれば,装置の稼働を停止し,新たに反
応剤を装填して反応を開始するというバッチ方式で,同
一装置で順次弗化炭素類の分解を行うことができる。こ
のバッチ方式を連続化するために,複数の同様の装置を
並設し,一方の装置が稼働している間に他の装置の反応
剤の入れ換えを行ない,一方の装置が停止したときに他
方の装置にガス流路を切り替えるという複塔切替方式を
採用こともできる。また,反応容器内への反応剤の連続
または断続供給と,使用済反応剤の反応容器内からの連
続または断続排出ができるようにしたものを使用すれ
ば,同一装置で長時間連続稼働ができる。
【0044】
【実施例】
〔実施例1〕図1に示したものと同じ原理の装置を使用
して本発明法を実施した。すなわち通電により発熱する
発熱体(カンタル合金を使用)を装着した管状炉(電気
容量0.4KW)の軸中心に沿って,内径16mm,長
さ30mmのインコネル600からなる反応管を貫通さ
せ,この反応管内の炉中心部に,弗化炭素類分解用の反
応剤35gを装填した。
【0045】この反応剤は,原料としてチャー炭,消石
灰および水酸化カリウムを用いて作製した粒状物であ
り,次のようにして作製した。
【0046】粒度250μm以下のチャー炭,粒度25
0μm以下の消石灰,および水酸化カリウムの配合比を
変えてヘンシエルミキサーで混合し,水を添加して造粒
したあと,110℃で4時間の乾燥処理し,窒素雰囲気
中で800℃で8時間の熱処理を行って脱水焼成し,得
られた焼成品を整粒して粒径が10mm以下の平均粒径
約3mmのペレットを得た。
【0047】原料のチャー炭は,固定炭素78%,揮発
分9%,灰分3%,水分10%のものを使用し,原料の
消石灰はJIS R9001の規格品を使用し,水酸化
カリウムは一級試薬を使用した。製造されたペレットを
分析したところ,この反応剤ペレットは単体状炭素
(C)と酸化カルシウム(CaO)が主成分であり,若
干のカリウムを含有している。表1にこれら反応剤ペレ
ット中のC,Ca,Kの原子比と,これら成分の,全体
に対する合計重量%を併記した。
【0048】分解に供する弗化炭素としてパーフルオロ
エタン(C26)を使用し,図1に示したように,この
パーフルオロエタンに酸素ガスを添加し,窒素ガスをキ
ャリヤとして前記の反応管に導入した。そのさい,この
被処理ガスの流量は0.17リットル/分の一定とし
た。どの例でも,被処理ガス中の弗化炭素の量は5vol.
%の一定とした。いずれの例でも被処理ガスの導入にさ
いしては,発熱体への通電を開始し,反応剤の中心部の
温度が700℃となったことを確かめた上で行なった。
反応の間は,反応剤の中心部(反応剤の嵩のうち最も高
温となる部位)に挿入した熱電対で計測される温度が7
00℃が維持されるように管状炉の通電量を制御した。
反応のあいだ維持したこの温度のことを以後に「反応剤
最高温度」と呼ぶ。
【0049】反応管から排出される排ガスの一部は図1
に示したようにサンプリングしてガス分析器に導き,残
部は苛性ソーダ溶液を入れたフッ素吸収ビンを通じたあ
と系外に排出した。排ガスの分析は,被処理ガスの弗化
炭素類,その他のフッ素化合物,O2, N2, CO2,
COについて行った。弗化炭素類,O2, N2, CO2
COについてはガスクロマトグラフイを使用し,その他
のフッ素化合物についてはイオンクロマトグラフイを用
いた。
【0050】各試験(No.1〜8)の反応条件と反応結
果を表1に示した。表1において,SVは被処理ガスの
空塔速度(Hr-1), LVは被処理ガスの線速度 (m/mi
n)であり,反応結果の欄に示した30分後の分解率およ
び弗化炭素の分解量は,次のようにして求めた。
【0051】〔30分後の分解率%〕反応開始から30
分経過した時点の排ガスサンプルから,排ガス中に残存
している弗化炭素量を測定し,被処理ガス中の弗化炭素
に対する排ガス中の弗化炭素の100分率をもって表し
た。
【0052】〔弗化炭素の分解量(g)〕反応終点まで
に分解した弗化炭素の量である。反応終点は分解率が9
5%に低下した時点とした。実際には,30分毎の排ガ
ス分析値から,30分毎の分解率を求め,各30分間に
流入した弗化炭素量にそのときの分解率を掛けた値をそ
の30分間の分解量とし,反応開始から分解率が95%
に低下する時点までの分解量の積算値を反応剤1cc当
りに換算し,反応剤1cc当たりの弗化炭素の分解量
(g/cc)とした。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から,いずれの試験No.のもの
も反応温度が700℃でC26 が分解しているが,反
応剤中のK濃度が高くなるに従って30分後の分解率は
高くなることがわかる。すなわち, Caに対するKの原
子比が0.04〜0.10ではいずれも約100%分解し
ており,該比が0.06のときに分解量が最大となって
いる。試験No.1〜3に見られるように,Caに対する
Kの原子比が0.04未満でも分解反応が起きている
が,この反応温度700℃では分解率が低くなってい
る。他方,あまりK濃度が高くなると,試験No.5に見
られるように反応効率は低下するようになる。本例にお
いては,試験No.6,7,8の比較から,K濃度がCa
/Cの原子比で1/0.06付近が最も効率がよいこと
がわかる。
【0055】〔実施例2〕反応剤の製造において,水酸
化カリウムに代えて別のカリウム化合物をKの配合原料
として使用した以外は,実施例1と同様にして反応剤を
製造し,実施例1と同様にしてC26 の分解に供し
た。その結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】表2に見られるように,K源として炭酸
塩,アルミン酸塩,リン酸塩,硫酸塩,硝酸塩のいずれ
を使用しても700℃でほぼ100%近い分解率が得ら
れた。これらに比べると,KClの場合には分解効率が
低下している。
【0058】〔実施例3〕実施例1と同様にして反応剤
にKを配合したものと,Kを配合しなかった以外は実施
例1と同様にして製造した反応剤を用いて,実施例1と
同様にC26 の分解に供した。また,被処理ガス中に
酸素が存在する場合と,しない場合の影響も調べた。そ
の結果を表3に示した。
【0059】
【表3】
【0060】表3に見られるように,Kを添加した反応
剤を用いると,分解温度が低下すること,また,被処理
ガス中に酸素が存在しなくても十分に分解できること,
さらに,酸素濃度が20vol.%になると分解効率が多少
悪くなることが分かる。
【0061】〔実施例4〕実施例1と同様にして製造し
た反応剤を用いて,分解に供する弗化炭素類の種類を代
えて,また被処理ガス中の酸素濃度を変えて,実施例1
と同様に分解処理を行った。その結果を表4に示した。
【0062】
【表4】
【0063】表4の結果から,いずれの弗化炭素類も完
全に分解できたことがわかる。とくに塩素系の弗化ガス
では350℃でもほぼ100%の分解ができる。被処理
ガス中に酸素が存在する場合と,しない場合を比較する
と,反応成績には大差は現れていない。
【0064】〔実施例5〕消石灰Ca(OH)2の代わ
りに,Mg(OH)2を配合した以外は実施例1と同様
にして反応剤ペレットを作製し,CF4を被処理ガスと
して実施例1と同様に分解処理を行った。その結果を表
5に示した。
【0065】
【表5】
【0066】表5に見られるように,反応剤中のアルカ
リ土類金属としてMgを使用した場合にもCF4は分解
するが,Caよりは分解効率は低い結果となった。
【0067】〔実施例6〕被処理ガス中の弗化炭素の濃
度を100%とした以外は実施例1と同様にしてC2
6 またはCF4 の分解を行った。その結果を表6に示し
た。
【0068】
【表6】
【0069】表6の結果から,弗化炭素類を希釈しない
で100%濃度で分解しても,同様に良好に分解できる
ことがわかる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると弗
化炭素類が比較的低温で且つ簡単な処法で効率的に分解
することができ,分解したフッ素も無害物として固定で
きる。すなわち,本発明の弗化炭素類の分解法は簡易な
分解装置で実施でき,処理操作が簡易で,分解効率も高
く,しかも, 分解生成物がCaF2,MgF2,CaCl2,
MgCl2 等の弗化物や塩化物となり,有害な物質が含
まれず,弗化物はセメント原料として使用可能であるの
で後処理が容易であり,また反応剤の廉価性の点でも,
これまでのものにはない効果を奏し,とくに,半導体製
造工程で発生する使用済弗化炭素類の分解に多大の貢献
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する装置の一例を示した機器配
置系統図である。
【図2】本発明法を実施する装置の排ガス経路部の他の
例を示した機器配置系統図である。
【図3】本発明法を実施する被処理ガス導入部の他の例
を示した機器配置系統図である。
【図4】本発明法に従い反応剤を反応容器内から加熱す
る例を示す反応容器部の略断面図である。
【図5】本発明法に従い反応剤を反応容器内から加熱す
る他の例を示す反応容器部の略断面図である。
【図6】本発明の実施にさいし,反応容器に入る前の被
処理ガスと反応容器を出た排ガスを熱交換する例を示す
図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 反応剤 3 通気性床 4 加熱炉 5 電気ヒーター 6 加熱炉の炉内雰囲気 7 被処理ガス導入口 8 弗化炭素源 12 酸素ガス源 13,34,42 窒素ガス源 19 40 被処理ガス導入管路 20 ガス排出口 21 排ガス管路 26 排ガス酸化器 27 酸化触媒 43,46 通電により発熱する発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手塚 和正 岡山県岡山市築港栄町7番地 同和鉄粉工 業株式会社内 (72)発明者 伊藤 和人 岡山県岡山市築港栄町7番地 同和鉄粉工 業株式会社内 (72)発明者 跡辺 仁志 神奈川県川崎市川崎区扇町5─1 昭和電 工株式会社川崎工場内 (72)発明者 金子 虎一 神奈川県川崎市川崎区扇町5─1 昭和電 工株式会社川崎工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素,アルカリ土類金属の一種または二
    種以上およびアルカリ金属の一種または二種以上を含有
    する固形状の反応剤と気体状の弗化炭素類を200℃以
    上で接触させ,該弗化炭素類中のハロゲン成分を該反応
    剤に固定することからなる弗化炭素類の分解方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属,単体状炭素およびア
    ルカリ金属を含有した固形物からなり,それらの含有割
    合が,アルカリ土類金属を1.0としたときの原子比
    で,単体状炭素が0.25〜4.0,アルカリ金属が0.
    01〜0.3である弗化炭素類の分解用反応剤。
  3. 【請求項3】 アルカリ土類金属,単体状炭素およびア
    ルカリ金属の合計含有量が50重量%以上である請求項
    2に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  4. 【請求項4】 アルカリ土類金属はカルシウムまたはマ
    グネシウムであり,該固形物中にその酸化物,水酸化物
    または炭酸塩の形態で配合される請求項2または3に記
    載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属はカリウムであり,該固形
    物中に水酸化物,炭酸塩,リン酸塩,アルミン酸塩,硝
    酸塩または硫酸塩の形態で配合される請求項2,3また
    は4に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  6. 【請求項6】 単体状炭素は,チャー炭,活性炭,カー
    ボンブラックまたはコークス粉の形態で配合される請求
    項2,3,4または5に記載の弗化炭素類の分解用反応
    剤。
  7. 【請求項7】 固形物は,焼成品である請求項2,3,
    4,5または6に記載の弗化炭素類の分解用反応剤。
  8. 【請求項8】 不活性雰囲気中800℃で加熱したとき
    の水分放出量が15重量%以下である請求項2,3,
    4,5,6または7に記載の弗化炭素類の分解用反応
    剤。
  9. 【請求項9】 弗化炭素類は,弗素と炭素とからなるパ
    ーフルオロカーボン,または弗素,水素および炭素から
    なるハイドロフルオロカーボンである請求項1に記載の
    分解方法。
  10. 【請求項10】 弗化炭素類は,弗素,炭素および弗素
    以外のハロゲンからなるハロゲン化フルオロカーボン,
    または弗素,水素,弗素以外のハロゲンおよび炭素から
    なるハロゲン化ハイドロフルオロカーボンである請求項
    1に記載の分解方法。
  11. 【請求項11】 固体状の反応剤と接触させる気体状の
    弗化炭素類は,当該気体中に0.01〜25vol.%の酸
    素を含有する請求項1または9に記載の分解法。
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