JP3287298B2 - ダイオキシン類の分解方法 - Google Patents
ダイオキシン類の分解方法Info
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Description
解方法に係り、特に、ごみ焼却炉等の各種焼却炉から排
出される飛灰及び焼却灰(以下、これらを併せて「焼却
灰」と称する。)中に含まれるポリ塩化−p−ジベンゾ
ダイオキシン類(PCDD)やポリ塩化ジベンゾフラン
類(PCDF)(以下、これらを併せて「ダイオキシン
類」と称す。)等の有機塩素化合物を効率的に分解する
方法に関する。
中に、フェノール、ベンゼン、アセチレン等の有機化合
物、クロロフェノール、クロロベンゼン等の塩素化芳香
族化合物や塩素化アルキル化合物等のダイオキシン類前
駆体が発生する。これらのダイオキシン類前駆体は、飛
灰が共存するとその触媒作用でダイオキシン類となって
焼却灰中に存在する。
の処理方法としては次のような方法が提案されている。
還元性雰囲気下、320〜400℃で1〜2時間(例え
ば、320℃では2時間、340℃では1〜1.5時
間)保持する(ハーゲンマイヤープロセス“ORGAN
OHALOGEN COMPOUNDS Vo.27
(1996)”147〜152頁)。 ダイオキシン類含有飛灰をダイオキシン生成抑制剤
の存在下300〜500℃で熱処理する(特開平4−2
41880号公報)。ダイオキシンは従来から300℃
未満では熱分解しないと言われており、この方法は、基
本的に前記定説通り300℃以上の加熱によってダイオ
キシンを分解するものであり、加熱処理中にダイオキシ
ン前駆体からダイオキシンの生成を抑制するために、ダ
イオキシン分解温度帯域でダイオキシン生成抑制剤を飛
灰に添加している。具体的には、生成抑制剤としてのピ
リジン蒸気存在下、飛灰を400℃で2時間加熱してい
る。
処理温度が高く、処理時間も長いため、必要とされる加
熱エネルギーが多く、処理コストが高くつくという欠点
がある。特に、上記の方法では窒素ガス等の還元性雰
囲気で処理する必要があり、そのための手間とコストが
嵩む。
法ではダイオキシン類は分解しないと考えられていた低
温域でも、短時間でダイオキシン類を分解除去すること
ができ、かつ、酸素存在下でも実施可能なダイオキシン
類の分解方法を提供することを目的とする。
オキシン類の分解方法は、ダイオキシン類又はダイオキ
シン類含有物質と、ガス状のアミン化合物とを100℃
以上300℃未満の条件下で接触させることを特徴とす
る。
方法は、ダイオキシン類又はダイオキシン類含有物質に
液状もしくはガス状のアミン化合物を添加した後、10
0℃以上300℃未満の条件下で前記アミン化合物をガ
ス状で接触させることを特徴とする。
オンとアミン化合物中のアミノ基(窒素原子)とが反応
することにより、通常ではダイオキシン類が分解しない
とされていた300℃未満の低温において、ダイオキシ
ン類の脱塩素反応が迅速に進行し、ダイオキシン類を低
温かつ短時間で分解除去することが可能となる。
低温下でダイオキシン類を分解するという作用効果は従
来知られていなかった。
に説明する。
灰等のダイオキシン類含有物質と、ガス状のアミン化合
物とを100℃以上300℃未満の条件で接触させる。
種焼却炉から排出される排ガス中に含まれているダイオ
キシン類を対象とする。ダイオキシン類含有物質は、ダ
イオキシン類を吸着した焼却灰やダイオキシン類を吸着
処理するために添加された粉末活性炭、ダイオキシン類
で汚染された土壌等が例示される。
ミン、トリエタノールアミン、メタノールアミン等が挙
げられるが、これらのうち、特に低温でガス化が可能な
点からモノエタノールアミンが好適である。
は、焼却灰等の被処理物に対して有効成分純分として
0.1〜10重量%、特に1〜5重量%とするのが好ま
しい。
状、水溶液状のいずれであっても良いが、本発明の温度
条件下で被処理物と接触する際には、ガス状態であるこ
とが必要である。
霧したり、予め焼却灰等と混練した場合、100〜30
0℃未満で液状アミン化合物が蒸発してガス状に変化す
るような蒸気圧を有するアミン化合物を選択する必要が
ある。この温度条件下で、液状のアミン化合物は、本発
明の効果を発揮しないので、注意を要する。
場合には、前段で液状アミン化合物を加熱して気化させ
たものを送気することにより添加することができる。
キシン類含有物を集塵器で捕捉する設備のある系におい
ては、集塵器手前または集塵器中にガス状又は液状アミ
ン化合物を噴霧等により添加すればよい。この場合、通
常、腐食対策のため、電気集塵器では、集塵器入口温度
が200〜230℃、濾過式集塵器では140〜200
℃程度で運転されているので、この温度でガス状態を維
持できるアミン化合物を選択する必要がある。
焼却灰と混練することにより添加する場合には、混練
後、この混練物を当該温度域に加熱することによりアミ
ン化合物をガス化する。この場合、液状アミン化合物の
濃度は1〜40重量%好ましくは5〜20重量%程度で
あることが、必要量のアミン化合物を添加した上で十分
な混練性、作業性が得られることから望ましい。
で生成するとされており、前述の通り300℃以下では
分解しない。ところが、本発明においては、焼却灰等の
被処理物にガス状アミン化合物を接触させる際の処理温
度は100℃以上300℃未満でよく、この最低温度は
アミン化合物の気化しやすさによって決定される。即
ち、モノエタノールアミンでは100℃以上、トリエタ
ノールアミンでは200℃以上とするのが好ましい。加
熱温度が300℃以上であっても温度を高くしたことに
よる分解率の向上効果は望めず、加熱コストが嵩んで工
業的に不利である。加熱温度は特に150℃以上300
℃未満とするのが好ましい。
分解率が向上するが、過度に長くても処理コスト面で不
利である。本発明の方法では、一般的には5〜30分程
度の加熱で十分な分解率を得ることができる。
とすることなく酸素存在下、即ち、大気中もしくは排ガ
ス中で実施可能であり、雰囲気調整のための設備や作業
は不要である。
場合、キレート剤又はリン酸等の重金属固定化剤を併用
して、ダイオキシン類の分解と共に、飛灰中の重金属の
固定化処理を同時に行っても良い。
のダイオキシン類の吸着除去剤として焼却炉の煙道に吹
き込まれた粉末活性炭を含むものであっても良い。
は、そのまま、或いは更に前述の重金属固定化処理等を
施した後、埋立等により処分される。
より具体的に説明する。
量%トリエタノールアミン水溶液を、飛灰に対するトリ
エタノールアミンの割合が5重量%となるように添加し
てよく練り混ぜた後、表1に示す温度で10分間加熱し
た。
度を測定し、結果を表1に示した。
し、表1に示す温度で加熱したこと以外は実施例1と同
様にして処理を行い、得られた処理物のダイオキシン類
濃度を測定し結果を表1に示した。
類の分解率を、実施例1〜4の結果と、各々、同一温度
にてトリエタノールアミン無添加で処理を行った比較例
3〜6の結果とから、次式により算出し、結果を表1に
併記した。
ノールアミンを添加した場合には、例えば、250℃で
10分加熱するのみで、99%以上のダイオキシン類を
分解除去することができ、本発明によれば、より低温で
ダイオキシン類を分解除去できることがわかる。
エタノールアミンを添加しても、ガス化しない200℃
未満の温度では効果を発揮しない。
却炉から排出された飛灰3gを詰め、さらにその上に表
2に示す各種液状アミン化合物を150mg付着させた
ガラスビーズ(ただし、比較例7では、アミン化合物付
着なし)をのせ、ガラスビーズ側から空気を15mL/
分で通気しながら常温(30℃)、100℃、150
℃、180℃、200℃、220℃、250℃、290
℃の各温度で20分間加熱した。その後、得られた処理
物のダイオキシン類濃度を測定し、結果を表2に示し
た。なお、実施例5,6の結果及び比較例7の結果か
ら、次式によりダイオキシン類の残存率を算出し、結果
を表2に併記した。
用いない比較例7では、飛灰を加熱するとダイオキシン
類残存率が増加しており、この温度帯ではダイオキシン
を生成するのみで分解は起こらないことがわかる。一
方、飛灰に各種のアミン化合物を接触させた実施例5,
6では、ダイオキシンが効果的に分解されており、分解
温度の下限はアミン化合物の種類により異なることがわ
かる。即ち、モノエタノールアミンは150℃で90%
以上、100℃でも80%以上の分解率を示すが、トリ
エタノールアミンでは200℃が下限温度となる。
ン類の分解方法によれば、ダイオキシン類を、通常では
分解が起こらない低温域で、短時間に分解除去すること
ができるため、処理に必要なエネルギーコストの低減、
処理効率の向上が可能となり、処理コストを大幅に低減
することができる。しかも、本発明の方法は、処理雰囲
気を還元性雰囲気とすることなく大気中又は排ガス中に
て実施することができるため、処理設備が簡便で、容易
に実施できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ダイオキシン類又はダイオキシン類含有
物質と、ガス状のアミン化合物とを100℃以上300
℃未満の条件下で接触させることを特徴とするダイオキ
シン類の分解方法。 - 【請求項2】 ダイオキシン類又はダイオキシン類含有
物質に液状もしくはガス状のアミン化合物を添加した
後、100℃以上300℃未満の条件下で前記アミン化
合物をガス状で接触させることを特徴とするダイオキシ
ン類の分解方法。
Priority Applications (1)
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JP02978998A JP3287298B2 (ja) | 1997-01-30 | 1998-02-12 | ダイオキシン類の分解方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-16567 | 1997-01-30 | ||
JP1656797 | 1997-01-30 | ||
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09321357 Division | 1997-01-30 | 1997-11-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10272440A JPH10272440A (ja) | 1998-10-13 |
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Family Applications (1)
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JP02978998A Expired - Lifetime JP3287298B2 (ja) | 1997-01-30 | 1998-02-12 | ダイオキシン類の分解方法 |
Country Status (1)
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JP3374132B2 (ja) * | 2001-01-23 | 2003-02-04 | イオンケミカルインダストリー株式会社 | ダイオキシン類無害化除去剤およびその使用方法 |
-
1998
- 1998-02-12 JP JP02978998A patent/JP3287298B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH10272440A (ja) | 1998-10-13 |
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