JPH10263361A - 流動層ボイラ - Google Patents

流動層ボイラ

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JPH10263361A
JPH10263361A JP9070968A JP7096897A JPH10263361A JP H10263361 A JPH10263361 A JP H10263361A JP 9070968 A JP9070968 A JP 9070968A JP 7096897 A JP7096897 A JP 7096897A JP H10263361 A JPH10263361 A JP H10263361A
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gas
chlorine
dechlorinating agent
fluidized
bed boiler
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JP9070968A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素成分を含む燃料をボイラで燃焼すること
で、燃焼ガス中に有害な塩素系ガスが発生する。従来か
ら発生した塩素系ガスを除去する手段が行われている
が、十分ではなく環境上の問題点がある。 【解決手段】 塩素成分を含む燃料2をボイラ1で燃焼
させた際の該ボイラ1とサイクロン5との間の低酸素雰
囲気中に、塩素系ガスと反応する炭酸系のアルカリ物質
からなる脱塩素剤を加えて反応させ、塩素系ガスと脱塩
素剤の反応により有害な塩素系ガスを無害なガスと塩化
物に置換生成させるようにした流動層ボイラの構成を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素成分を含有する
燃料を燃焼させて得られた高温の燃焼ガスを熱交換器に
通して熱交換を行い、サイクロンにより排ガスと残渣に
分離する流動層ボイラにおいて、ボイラとサイクロン間
の有害な塩素系ガスを含む低酸素雰囲気の燃焼ガスに含
まれる塩素系ガス(塩化水素ガス,塩素ガス)と反応し
て、無害なガスと塩化物を生成するようにした流動層ボ
イラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている流動層ボイラの一
例を図3に示す概念図に基づいて説明すると、ボイラ1
内に燃料2を粉体状にして注入し、空気供給口3から適
量の空気を供給して燃料2を燃焼させ、得られた高温の
燃焼ガス(燃え殻とガス成分の混合物)を排気管4を介
してサイクロン5に導き、このサイクロン5でガス成分
と燃え殻とに分離する。
【0003】ガス成分はサイクロン5の上部から高温の
燃焼ガス6として放出し、図示していない熱交換器を用
いて熱交換を行った後、バグフィルタ等の除塵装置とか
排ガス処理装置を経て無害化してから大気中に放散す
る。
【0004】サイクロン5で分離された燃え殻は灰貯留
槽7に投下して蓄積するので、これらの燃え殻は灰貯留
槽7の下部排出口8から残渣として定期的に排出する。
この流動層ボイラは、粒状の燃料を空気流によって流動
状態にすることにより、低層温運転(750℃〜850
℃程度)が可能であり、窒素酸化物(NOX)の発生が
少なく、低品位炭の燃料でも使用可能になるという特徴
がある。
【0005】一方、前記燃料2として高塩素含有物質で
あるポリ塩化ビニル系のプラスチックを破砕したものと
か、カーシュレッダーなどを用いてボイラ1内で燃焼さ
せると、これらの燃料から高濃度の塩素系ガス(塩化水
素ガス,塩素ガス)が発生する。この塩素系ガスは金属
材料に対する腐食性が強いため、ボイラ1下流側の排気
管4とかサイクロン5、更には図外の熱交換器、除塵装
置及び排ガス処理装置などの内面を腐食してしまう事態
が発生する。
【0006】従って予めこれら排気管4とかサイクロン
5などの各種機器の内面を耐腐食性材料でライニングす
るとか、当初から高価な耐腐食性金属を選定してこれら
の各種機器を製作する必要がある。
【0007】上記に対処する手段の1つとして、例えば
特開平8−281065号公報には、ボイラ1の出口と
サイクロン5との間に熱交換器を配設して、この熱交換
器の下流側で排ガス中に生石灰等のカルシウム系の脱塩
素剤を投入することにより、排ガス中に含まれている有
害な塩素系ガスを無害なガスと塩化物に変換するように
した流動層ボイラの構成が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記の流動層ボイラで
塩素含有物質を燃料として用いて燃焼処理した場合に問
題となるのは、燃焼時に発生する高濃度の塩素系ガスの
処理である。
【0009】従来から発生した塩素系ガスをバグフィル
タ等で消石灰等と反応させて大気中に塩素系ガスが排出
されないようにしたり、還元剤を用いて無害化する方法
が採られている。
【0010】又、前記特開平8−281065号公報に
記載されているように、生石灰等のカルシウム系の脱塩
素剤を熱交換器からの排ガス中に投入することによって
排ガス中に含まれている有害な塩素系ガスと反応して無
害なガスと塩化物を分離し、この塩化物を残渣として取
り出すことが可能となる。
【0011】しかし本発明者らの実験によると、炭酸カ
ルシウム等のカルシウム系の脱塩素剤の場合には、従来
に比較してある程度の効果は期待できるものの、十分で
はないことが判明した。
【0012】従って流動層ボイラから発生する塩素系ガ
スの除去又は塩素系ガスの発生防止の技術の早急な確立
が望まれている。
【0013】そこで本発明は、塩素を含有する物質を流
動層ボイラの燃料として用いて燃焼処理することで発生
する有害な塩素系ガス等の成分と反応して、無害なガス
と塩化物を生成することで塩素系ガスを除去するように
した流動層ボイラを提供することを目的とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明の発明者らは、
種々実験調査の結果、塩素成分を多量に含む燃料をボイ
ラで燃焼させてからサイクロンに通して排ガスと残渣に
分離するようにした流動層ボイラにおける該ボイラとサ
イクロンとの間の低酸素雰囲気中に、有害な塩素系ガス
(塩化水素ガス,塩素ガス)と反応する炭酸系のアルカ
リ物質を脱塩素剤として加えて反応させることにより、
有害な塩素系ガスが無害な塩化物に置換生成されること
を見い出した。
【0015】即ち、ボイラから排出された塩素系ガスを
含む高温の燃焼ガスを排気管から熱交換器に導いて熱交
換を実施した後、この熱交換器から排出路を介してサイ
クロンに導く工程中の低酸素雰囲気の任意の箇所で、脱
塩素剤として炭酸系のアルカリ物質,例えば炭酸水素ナ
トリウムの粉末又は溶液又は懸濁液を排出路中に噴霧等
により添加する。
【0016】これによって塩素系ガスと脱塩素剤とが反
応して無害化された排ガスと反応生成物(塩化ナトリウ
ム)が生成される。
【0017】なお、脱塩素剤を供給して無害化した排ガ
ス中には塩素系ガス成分は残存しないので、サイクロン
から排出するための後処理(二次燃焼などの加熱処理等
の処理)をすることは必要に応じてできる。勿論そのま
ま排出してもよい。
【0018】本発明に使用される脱塩素剤としては、 (1)炭酸系のアルカリ物質の単体、2種類以上の単
体、2種類以上の単体の混合物から選択したもの。 (2)炭酸系のナトリウム物質 (3)炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸ナトリウム、天然ソーダから選択した単体、2種類以
上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。から適宜選択して使用する。
【0019】また、脱塩素剤の形状は、粉体状(粉末、
顆粒又はこれらの混合)、溶液(水溶液、その他の溶
液)、懸濁液もしくは多孔質形状のいずれでもよい。使
用に際しては、これらのいずれか、又はこれらを組み合
わせて使用する。
【0020】また、脱塩素剤の使用量は、ボイラから発
生する塩素系ガス量と当量以上添加する。若しくは許容
される塩素系ガスの排出基準以下となるように添加量を
選定する。
【0021】以上の条件によりボイラから発生する塩素
系ガスと脱塩素剤とを反応させると、例えば、炭酸水素
ナトリウム(NaHCO3)を添加した場合には、塩化
水素(HCl)と反応して、次のようになる。 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
2O)+(CO2) このことから、NaとCO成分があれば、塩素成分は、
残渣の一部となるNaClと、水分(H2O)と気体の
CO2となり、塩素系ガスを除去することができて、排
ガスの無害化が実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面中の図1により本発明
の実施の形態を説明する。尚、図3に示した従来の流動
層ボイラの構成部分と同一の構成部分には同一の符号を
付して表示してある。
【0023】図1中の1はボイラ、2は燃料、3は空気
供給口、4は排気管、9は熱交換器、10は排出路、5
はサイクロン、7は灰貯留槽、11は脱塩素剤が充填さ
れたタンクである。
【0024】このボイラ1内に燃料2として塩素含有物
質、例えば廃棄物によるポリ塩化ビニル系のプラスチッ
クを破砕したものとか、カーシュレッダーから取り出さ
れた燃料を投入して空気供給口3から所定の空気を供給
することによって燃焼を行う。そしてボイラ1の頂部か
ら排出された高温の燃焼ガスを排気管4から熱交換器9
に導き、熱水を得る等の所望の熱交換作業が行われる。
【0025】上記の熱交換器9から排出される燃焼ガス
中には有害な塩素系ガスが含まれている。この熱交換さ
れた低酸素雰囲気の燃焼ガスは、燃え殻とともに排出路
10を通過してサイクロン5内に送り込まれようとす
る。
【0026】本実施例では、タンク11内に充填されて
いる脱塩素剤としての炭酸系のアルカリ物質、図示例の
場合には炭酸水素ナトリウムの粉末又は溶液又は懸濁液
を、排出路10の中途部において管体12を利用して燃
焼ガス中に噴霧する。
【0027】この炭酸水素ナトリウムの脱塩素作用によ
って塩素系ガスを含む燃焼ガスの脱塩素処理が行われ
る。
【0028】燃焼ガスはサイクロン5内でガス成分と灰
分とに分離され、ガス成分はサイクロン5の上部から無
害な排ガス20として放出されるとともにサイクロン5
で分離された灰分は灰貯留槽7に投下して蓄積される。
これらの灰分は、灰貯留槽7の下部排出口8から無害な
残渣として定期的に排出する。
【0029】図1の実施例では、排出路10の中途部で
タンク11内に充填されている脱塩素剤としての炭酸系
のアルカリ物質の粉末又は溶液又は懸濁液を低酸素雰囲
気の燃焼ガス中に添加したが、脱塩素剤の添加位置は排
出路10に限定されるものではなく、ボイラ1の出口か
らサイクロン5に至る低酸素雰囲気中のいずれの箇所で
燃焼ガス中に添加してもよい。
【0030】図2は上記の実施の形態の変形例を示す要
部断面図であり、この例では図1における燃焼ガスの排
出路10内に、脱塩素剤を収納可能なスポット10aを
設けて、このスポット10a内に多孔質形状に構成した
脱塩素剤13を収納する。尚、このスポット10aに開
閉機構を設けて、脱塩素剤13を定期的に交換するよう
に構成することがよい。
【0031】この変形例によれば、排出路10を通過す
る燃焼ガスが脱塩素剤13の多孔質部分を通過する際
に、上記例と同様に脱塩素作用によって塩素系ガスを含
む燃焼ガスの脱塩素処理が行われる。
【0032】上記したように、脱塩素剤としての炭酸水
素ナトリウムの形状は、粉末,溶液,懸濁液として燃焼
ガスの排出路10中に噴霧するか、もしくは脱塩素剤を
多孔質形状に構成して、排出路10内に脱塩素剤を収納
して使用することができる。
【0033】また、図1に示した燃焼ガス中への脱塩素
剤の噴霧処理と、図2に示した排出路10内に多孔質形
状の脱塩素剤13を収納する方法とを組み合わせて用い
ることもできる。
【0034】本発明によれば、塩素系ガスを発生する塩
素成分を含有する燃料2を燃焼させ、有害な塩素系ガス
を含む燃焼ガスが発生した場合、その燃焼ガス中に炭酸
系のアルカリ物質を脱塩素剤として添加することによ
り、所定温度で燃焼ガス中に含まれている塩素成分が分
解し、この分解により有害な塩素系ガスと脱塩素剤とが
反応して無害な塩化物が生成される。このことにより、
サイクロン5から発生する排ガス20から有害な塩素系
ガスが除去される。
【0035】燃焼ガス中の有害な塩素系ガスが脱塩素剤
と反応して無害な塩化物に置換生成される理由は次の実
験調査によって明らかになった。
【0036】実験は先ず塩素成分を多量に含有する塩化
ビニルとポリ塩化ビニリデンとを燃料用の試料とし、表
1に示したように塩化ビニル4gに脱塩素剤として炭酸
水素ナトリウム20gを添加した実施例1と、ポリ塩化
ビニリデン4gに脱塩素剤として炭酸水素ナトリウム2
0gを添加した実施例2と、ポリ塩化ビニリデン4gに
脱塩素剤を使用しない比較例1と、ポリ塩化ビニリデン
4gに従来脱塩素剤として使用されている炭酸カルシウ
ム20gを添加した比較例2と、ポリ塩化ビニリデン4
gに脱塩素剤として消石灰20gを添加した比較例3の
各試料を用いて実施した。脱塩素剤として平均粒径が1
00μmの粉体を用いた。
【0037】
【表1】
【0038】上記の実施例1〜2及び比較例1〜3の各
試料を排気管付きの密閉容器に入れ、所定の脱塩素剤を
添加してから外気を遮断して電気炉を用いて密閉容器を
加熱し、各試料を表1に示す250℃,300℃,35
0℃,400℃,450℃,500℃,550℃,60
0℃の8段階に分け、各温度にて5分間保持し、昇温時
とキープ時に塩化水素ガス濃度を測定した。ガス濃度の
測定は、JIS−K0804に規定されている検知管に
よって測定した。
【0039】表1中に測定結果を示す。塩化水素ガス濃
度は実験10回における測定値で実施例1〜2は最高
値、比較例1〜3は最低値を示す。
【0040】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0041】表1に示した結果から以下のように考察さ
れる。先ず塩素成分を多量に含有するポリ塩化ビニリデ
ンを試料とした場合、脱塩素剤を添加しない比較例1で
は熱処理による各温度に渡って塩化水素ガスが多量に発
生している。この試料に脱塩素剤として従来の脱塩素剤
である炭酸カルシウムと消石灰を添加した比較例2,3
は、比較例1と較べて塩化水素ガスの発生がかなり抑制
されているものの、まだ十分であるとはいえない。
【0042】これに対して試料としての塩化ビニルとポ
リ塩化ビニリデンに脱塩素剤として炭酸水素ナトリウム
を添加した本発明の実施例1と実施例2は、全温度範囲
に渡って塩化水素ガスが検出されず、きわめて良好な結
果が得られた。
【0043】以上の実験調査によって、塩素成分を含有
する燃料をボイラで燃焼処理する場合、燃焼ガス中に塩
素成分と反応する炭酸系のアルカリ物質(特に、ナトリ
ウム系)を脱塩素剤として加えて処理すれば塩化水素ガ
スが生成されず、無害な排ガスと塩化物のみが生成され
ることを確認できた。
【0044】なお、600℃以上1000℃以下の温度
においても実験を行い、同様の効果が得られた。
【0045】表1において、塩素成分を多量に含有する
試料から発生する燃焼ガス中に炭酸系のアルカリ物質、
特にナトリウム系物質を反応させると、排ガスおよび残
渣の無害化が実現できる理由は、次のように有害な塩素
系ガスを無害な塩化物に置換生成されることによる。
【0046】(1)炭酸水素ナトリウムの場合 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を添加した場合に
は、塩化水素(HCl)と反応して次のようになる。 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
20)+(CO2) 水分が存在した場合 (NaHCO3)+(H2O)→(NaOH)+(H2
3) (NaOH)+(H2CO3)+(HCl)→(NaC
l)+(H2O)+(CO2) となる。
【0047】(2)炭酸ナトリウムの場合 炭酸ナトリウム(Na2CO3)を添加した場合には、塩
化水素(HCl)と反応して次のようになる。 (Na2CO3)+(2HCl)→(2NaCl)+(H
2O)+(CO2) (3)セスキ炭酸ナトリウムの場合 化学式 Na2CO3・NaHCO3・2H2O で表さ
れ、前記(1),(2)と同様な反応をして、有害な塩
化水素(HCl)を無害な塩化物(NaCl)に置換生
成する。
【0048】図1における灰貯留槽7に蓄積された残渣
を分析したところ、有害な塩素系ガス成分は検出され
ず、無害な塩化物である塩化ナトリウム(NaCl)が
検出された。更に該残渣を10分間撹拌しながら水洗浄
することにより、塩化ナトリウムは水に溶解し、炭化物
が残存するが、この炭化物中にも塩素系ガス成分は検出
されなかった。
【0049】従って、塩素成分は、残渣の一部となる塩
化ナトリウム(NaCl)と、水分(H2O)と気体の
CO2となり、塩素系ガスを生成することはなく、排ガ
スおよび残渣の無害化が実現できる。
【0050】このことから、脱塩素剤としては、上記と
同様の反応を示す次の物質が使用できる。
【0051】(1)炭酸系のアルカリ物質の単体、2種
類以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択した
もの。
【0052】(2)炭酸系のナトリウム物質 (3)炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸ナトリウム、天然ソーダ、から選択した単体、2種類
以上の単体、2種類以上の単体の混合物から選択したも
の。
【0053】なお、炭酸水素ナトリウム(NaHC
3)は、別称として、 (a)酸性炭酸ナトリウム (b)重炭酸ナトリウム (c)重炭酸ソーダ と称され、更には俗称として、重曹とも称されている。
【0054】炭酸ナトリウム(Na2CO3)は、別称と
して、炭酸ソーダ、単にソーダ、と称され、更には無水
塩は、ソーダ灰、十水塩は洗濯ソーダ、結晶ソーダとも
称されている。
【0055】セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・Na
HCO3・2H2O)は、別称として、 (a)二炭酸一水素ナトリウム (b)三二炭酸水素ナトリウム (c)ナトリウムセスキカーボネート と称され、天然にはトロナ(天然ソーダ)として産出す
る。
【0056】一方、反応により塩化ナトリウム(NaC
l)が生成されるが、生成した塩化ナトリウムは無害な
塩化物であり、水などの溶液による洗浄処理により効果
的に除去でき、洗浄後には、再利用可能な炭化物質が残
る。なお、洗浄後の処理液には、有害な物質はほとんど
含まれていないので、そのまま河川又は海洋に放流する
ことができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる流動
層ボイラは、塩素成分を含む燃料を燃焼させることによ
って得られる高温の燃焼ガス中に、塩素系ガスと反応す
る炭酸系のアルカリ物質からなる脱塩素剤を加えて反応
させることにより、塩素系ガスと脱塩素剤の反応により
有害な塩素系ガスを無害なガスと塩化物に置換生成して
無害化するようにしたので、次の効果を奏する。
【0058】(1)流動層ボイラのサイクロンから有害
な塩素系ガスを含まない無害な排ガスが発生させること
ができて、大気中にそのまま放出しても大気汚染防止法
にも適合する。更に塩素系ガスが除去されているので、
ダイオキシン類の生成が防止されて環境上の安全性が向
上する。
【0059】(2)従来の流動層ボイラに使用されてい
る消石灰による脱塩素剤を使用した場合に較べて効率が
良く、しかも少量の脱塩素剤の使用で脱塩素化による無
害化が達成される。
【0060】(3)金属材料に対する腐食性が強い塩素
系ガスが発生しないので、ボイラ以降のサイクロンとか
熱交換器、除塵装置及び排ガス処理装置などの内面に耐
腐食性材料のライニングを施したり、当初から耐腐食性
金属を用いる必要がなくなり、流動層ボイラ製作時のコ
ストが低廉化されるとともに耐久性が向上する。
【0061】(4)脱塩素剤添加による生成物には有害
な塩化物は存在せず、無害な塩化物(NaCl)が存在
するが、この無害な塩化物は容易に水等の溶液にて洗浄
除去してそのまま河川、海洋に放出できる。もちろん、
他の有害物質を除去するための手段をとることは任意で
ある。
【0062】(5)脱塩処理したガスは無害であるから
そのままガスエンジンの燃料、温水器の熱源、熱ガスと
して暖房などの各種の用途に再利用ができる。
【0063】(6)サイクロンからの排ガス中には有害
な塩素系ガスが存在しないので、必要に応じて排ガスの
後処理手段として二次燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理を流動層ボイラに適用した例を示
す概念図。
【図2】図1の実施の変形例を示す要部断面図。
【図3】従来の流動層ボイラの一例を示す概念図。 1…ボイラ 2…燃料 3…空気供給口 4…排気管 5…サイクロン 7…灰貯留槽 9…熱交換器 10…排出路 11…(炭酸系のアルカリ物質の)タンク 13…脱塩素剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素成分を含む燃料をボイラで燃焼させ
    ることによって得られる高温の燃焼ガスをサイクロンに
    通して排ガスと残渣に分離するようにした流動層ボイラ
    において、 ボイラとサイクロンとの間の低酸素雰囲気中に、炭酸系
    のアルカリ物質からなる脱塩素剤を添加し、燃焼ガス中
    の有害な塩素系ガスと反応させて無害なガスと塩化物に
    置換生成させることを特徴とする流動層ボイラ。
  2. 【請求項2】 脱塩素剤として、炭酸系のアルカリ物質
    の単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の混合物
    から選択した請求項1に記載の流動層ボイラ。
  3. 【請求項3】 脱塩素剤として、炭酸系のナトリウム物
    質の単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体の混合
    物から選択した請求項1に記載の流動層ボイラ。
  4. 【請求項4】 脱塩素剤として、炭酸水素ナトリウム、
    炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダか
    ら選択した単体、2種類以上の単体、2種類以上の単体
    の混合物から選択した請求項1乃至請求項3の何れか1
    項に記載の流動層ボイラ。
  5. 【請求項5】 脱塩素剤を、粉体状、溶液、懸濁液又は
    多孔質形状の何れかの状態、もしくはこれらを組み合わ
    せて有害な塩素系ガスと接触させるようにした請求項1
    乃至請求項4の何れか1項に記載の流動層ボイラ。
  6. 【請求項6】 添加する脱塩素剤は、被処理物から発生
    する塩素成分と同じ当量以上とした請求項1乃至請求項
    5の何れか1項に記載の流動層ボイラ。
  7. 【請求項7】 前記脱塩素剤を、許容される排出基準に
    適合する塩素系ガスの排出量以下となるように添加する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に
    記載の流動層ボイラ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000354735A (ja) * 1999-06-15 2000-12-26 Kurita Water Ind Ltd ダイオキシン類の生成防止剤及び生成防止方法
JP2002361040A (ja) * 2001-06-12 2002-12-17 Takuma Co Ltd 排ガス処理の制御方法とその制御機構

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000354735A (ja) * 1999-06-15 2000-12-26 Kurita Water Ind Ltd ダイオキシン類の生成防止剤及び生成防止方法
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