JPH1119617A - 固形化処理済み物の脱塩素処理方法 - Google Patents

固形化処理済み物の脱塩素処理方法

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JPH1119617A
JPH1119617A JP9173727A JP17372797A JPH1119617A JP H1119617 A JPH1119617 A JP H1119617A JP 9173727 A JP9173727 A JP 9173727A JP 17372797 A JP17372797 A JP 17372797A JP H1119617 A JPH1119617 A JP H1119617A
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JP
Japan
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dechlorination
dechlorinating agent
sodium
rdf
solidified material
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Application number
JP9173727A
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English (en)
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性の廃棄物を単に焼却処理せずに、一旦
固形化して固形化燃料にし、これを燃料として再利用す
ることが行われているが、固形化燃料を燃焼させた際、
塩素系ガスが発生して、ダイオキシン発生の原因とな
る。 【解決手段】 固形化処理済み物とアルカリ物質からな
る脱塩素剤を破砕・混合手段5で混合して加熱処理部1
で加熱処理し、発生した塩素系ガスと脱塩素剤とを接触
反応させ、有害な塩化水素(HCl)を無害な塩化物
(NaCl,KCl)に置換生成して排ガスと残渣の両
方の無害化を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理済み廃棄物の
再処理に関し、特に各種廃棄物の減容化、燃料化のため
に一般的に行われているRDF(固形化燃料)等やコン
ポストの固形化処理済み物を再度処理する脱塩素処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ等の被処理物は年々その量が増
加し、その処理が問題となっている。都市ゴミは一般的
に、一般家庭とかオフィス等から処理物として排出さ
れ、可燃性のものが主となっている。最近では、この可
燃性の処理物を単に焼却処理するのではなく、資源とし
て有効に利用することが考えられ、一旦処理物を固形化
してRDF(固形化燃料)にし、これを焼却炉に廃棄物
と共に投入して燃料として再利用することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被処理物中に
は、近年多種多様な化学物質、例えば、塩化ビニル樹脂
を多く含んだプラスチック類や、オフィスで使用される
紙を塩素漂白剤のように、多量の塩素を含んだ物質が混
入しているため、事前に被処理物を分別して塩素成分の
発生の少ない処理物のみを選別したり、塩素除去手段
(消石灰、カルシウム等の添加)を施してRDF化する
ことが行われているが十分ではないのが現状である。
【0004】従って、RDFを燃焼させた際、塩素系ガ
スが発生し、ダイオキシン発生の原因となり、そのまま
大気に放出することは環境上好ましくない。
【0005】一方、平成9年1月の厚生省のガイドライ
ンによれば、複数のRDF化施設にてRDF化を推進
し、これらを大型の連続運転焼却施設に集積して集中焼
却処理する方針が示されているが、連続運転焼却炉はダ
イオキシン防止には寄与する施設であることから、従来
よりは改善されるものの必ずしも十分なものとは言えな
い。
【0006】そこで、本発明の目的は、このRDF等の
固形化処理済み物を有効に脱塩素処理を行う処理方法を
提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題を解決するための手段は、加熱された雰囲気中におい
て固形化処理済み物から発生する有害な塩素系ガスとア
ルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触させ、有害な塩素
系ガスと反応して無害な塩化物を生成させることで固形
化処理済み物の脱塩素処理を行うものである。
【0008】このように、塩素系ガスを発生する固形化
処理済み物を直接燃料として使用するのではなく、脱塩
素処理して再処理するものであるから、一層の減容化と
残渣の炭化物を新たな無害な燃料として利用できるよう
になる。
【0009】本発明に使用される脱塩素剤としてのアル
カリ物質には、次のものがある。
【0010】(1)アルカリ金属化合物の単体、複数の
混合物、対象物質として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム水
和物。
【0011】(2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、
炭酸化物の物質。
【0012】(3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム
系、カリウム系の物質。
【0013】(4)脱塩素剤は、 (a)炭酸水素ナトリウム。別称、酸性炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ。
【0014】(b)炭酸ナトリウム。別称、炭酸ソー
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ。
【0015】(c)セスキ炭酸ナトリウム。別称、二炭
酸一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリ
ウムセスキカーボネート。
【0016】(d)天然ソーダ。別称、トロナ。
【0017】(e)炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム から選択した単体、又は複数種の混合物として使用す
る。
【0018】また、固形化処理済み物質と脱塩素剤との
接触効果を高めるため、固形化処理済み物と脱塩素剤と
を混合して加熱処理する。
【0019】この加熱処理は、破砕した固形化処理済み
物と脱塩素剤とを混合して加熱する。このように、破砕
することで表面積を増し、塩素系ガスが析出し易くな
り、且つ脱塩素剤との混合を十分なものにして、脱塩素
剤との接触効果を高める。
【0020】また、固形化処理済み物から発生した塩素
系ガスと脱塩素剤とを接触反応させる。この接触反応の
部位は、加熱処理部での接触に限らず、排ガスの煙道部
分でもよい。
【0021】また、塩素系ガスと脱塩素剤との接触させ
る雰囲気は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気
の何れかでよく、処理灰類を燃焼させることのない「蒸
し焼」状態を維持できる加熱雰囲気であれば、いずれの
雰囲気でもよい。
【0022】また、脱塩素剤の形態は、塊状、板状、多
孔質状、粉体、溶液、懸濁液の何れか、又は組み合わせ
でよく、処理量、施設の状態などの条件で任意に決定す
る。
【0023】また、加熱された雰囲気は、200℃〜1
000℃とし、加熱炉の形態、処理量、処理時間などの
運転条件により決定する。
【0024】また、脱塩素処理すべき固形化処理済み物
は、一般的なものとしては、固形化燃料(RDF)、コ
ンポストが該当する。
【0025】固形化燃料(RDF)とは、可燃できるよ
うに処理したものを言い、広義には、 (a)厨芥類(肉類、魚頭・骨、卵殻、野菜、果実等の
食物の残り物) (b)プラスチック類(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、等) (c)紙類(ティッシュペーパ、新聞紙、広告紙、袋
類、箱類、飲料パック、等) (d)その他可燃物(布などの繊維類、木片、ゴム、皮
皮、等) の混合物を言う。
【0026】狭義には、(b),(c),(d)を言
う。
【0027】コンポストとは、もっぱら(a)を言う。
【0028】しかし、最近では、燃焼などの目的のため
にプラスチック類、ゴム類といった特定物質を中心に固
形化処理したものも含まれるようになっている。
【0029】以上の条件により、塩素成分を含有する固
形化処理済み物にアルカリ物質からなる脱塩素剤を添加
して熱処理すると、例えば、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
20)+(CO2) 炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl)→(KCl)+(H20)+
(CO2) 水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H20) 水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H20) のように塩素系ガスと反応して無害な塩化ナトリウム
(NaCl)、塩化カリウム(KCl)が生成され、有
害な塩素成分(HCl)は無くなる。
【0030】このことから、アルカリ物質を添加して処
理することで、無害化処理が実現できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
【0032】図1は、本発明の一つの実施の形態のシス
テム構成図を示し、同図において、1は加熱処理部で、
該加熱処理部1は、金属の円筒部材2と、この円筒部材
2の内部に設けられ被処理物を移送するスクリュー3
と、円筒部材2の外周に設けられた加熱コイル4からな
り、スクリュー3はスクリュー支持部材8に支持され、
図示省略した原動力により回転される。
【0033】5は、破砕・混合手段で、被処理物である
固形化処理済み物と脱塩素剤とを破砕混合し、円筒部材
2内の一端側から供給する。6は洗浄・分離手段で、円
筒部材2の他端側に設けられ、加熱処理した残渣を取り
出して洗浄し、固液分離する。7は排ガス取り出し部
で、加熱処理時に円筒部材2内に発生したガスを排出管
7aより取り出す。7bは、この排ガスの熱を利用する
ための配管で、排出管7aからの排ガスの一部を円筒部
材2内に設けられた中空のスクリュー支持部材8内を通
して排出するようにしたものである。
【0034】以下、固形化処理済み物、例えばRDFの
脱塩素処理について説明すると、破砕・混合手段5にR
DFと脱塩素剤、例えば炭酸水素ナトリウム(NaHC
3)を投入して混合する。このときRDFは、形の大
きさにより、そのまま、又は事前に破砕しておいたもの
を使用する。
【0035】脱塩素剤は、通常は粉体を使用するが、上
記のようにその他の形態でもよい。また、添加する量
は、RDFの重量に対して5〜30重量%の脱塩素剤を
添加する。
【0036】十分に混合した後、熱処理炉等の加熱処理
部1に投入する。加熱処理部1での加熱処理は加熱コイ
ル4に通電することによって行い、固形化処理済み物
(RDF)が炭火するまで十分に加熱処理する。(例え
ば、600℃で1時間程度)なお、この時間と温度は、
加熱炉の状態(大きさ、加熱手段など炉に依存する条
件)、処理量、処理時間、処理温度などにも関係し、こ
れらを考慮して加熱コイル4への電力供給量およびスク
リュー3の回転速度等を定める。
【0037】加熱処理部1で加熱処理されたRDFは、
洗浄・分離手段6に取り出され、この洗浄・分離手段で
塩化ナトリウムを溶解した液体と固形物とに分離して取
り出す。一方、加熱処理中に発生したガスは、排ガス取
り出し部7から取り出す。このとき、その一部を配管7
bから、円筒部材2内のスクリュー支持部材8の中空内
を通して、該部材を加熱することで、排ガスの熱を再利
用する。
【0038】加熱処理部1での加熱処理は、燃焼や焼却
ではなく、蒸し焼き、熱分解での処理とすることで、析
出した有害な塩素系ガスと脱塩素剤とを効果的に接触反
応させることができ、有害な塩素系ガスを無害な塩化物
に置換生成することができる。
【0039】従って、この反応環境を維持するには、一
つには、全体の環境が反応維持に必要な安定した状態と
なっていること、例えば、低酸素雰囲気の安定状態とな
っていることが必要であり、処理中に被処理物の周囲に
のみ新たに空気量が進入しないことが必要で、進入する
と被処理物の周囲が燃焼を開始することになり、反応が
不安定となるおそれがある。
【0040】または、未燃焼状態を維持できる条件の基
に、粉砕された被処理物内部全体に空気が行きわたるよ
うに新鮮な空気を吹き込むことでも、反応を維持できる
ことが実験の結果判明した。
【0041】以上の処理過程において発生する有害な塩
素系ガスは、脱塩素剤と反応して無害な塩化物に置換生
成され、有害な塩素系ガス(塩化水素、塩素ガス)を含
んでいないので、排ガスは多目的、例えば、各種設備の
燃料(ガスエンジン、タービン)、熱交換器(暖房な
ど)に利用できる。
【0042】排出する場合には、必要に応じて、後処理
(二次燃焼、排ガス処理)を行って、各種大気汚染防止
基準に適合させて排出する。
【0043】処理済み残渣は、取り出された後、水など
で洗浄分離されて、無害な塩化物(例えば、塩化ナトリ
ウム)は溶液として排出される。
【0044】一方、分離後乾燥することで、固形物とし
て、有益な炭化物が取り出される。
【0045】塩素成分を含有する固形化処理済み物から
発生する有害な塩素系ガスと加熱された雰囲気中で反応
するアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触反応させる
と有害な塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成する
ことは、次の実験調査により明らかとなった。
【0046】実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器にRDF
の試料を入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600
℃まで50℃間隔で各温度にて5分間保持し、昇温時、
キープ時で排気管を開けて塩化水素ガス(HCl)濃度
(ppm)を測定した。また、600℃〜1000℃に
ついても測定した。
【0047】ガス濃度の測定は、JIS−K0804に
規定されている検知管によって測定した。
【0048】表1にこの測定結果を示す。塩化水素ガス
濃度は実験10回における測定値で実施例1および2は
最高値、比較例1および2は最低値を示す。
【0049】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0050】実験は、まず、比較例として脱塩素剤を添
加しないRDF40gの試料を作り、破砕したものを比
較例1、破砕しない塊状のものを比較例2とした。
【0051】次に、破砕したRDF40gに本発明の脱
塩素剤である炭酸水素ナトリウム10gを添加した試料
を作り、これを実施例1とし、同様に、塊状のRDF4
0gに炭酸水素ナトリウムを添加した試料を実施例2と
して実験を行った。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】この表1に示す実験結果から、次のように
考察される。
【0054】(1)脱塩素剤を使用しないRDFのみの
場合は、 (a)塊状の場合は、比較例2に示すように、350℃
〜450℃あたりで、塩化水素が相当量発生しているこ
とがわかる。
【0055】(b)破砕した場合には、比較例1に示す
ように、比較例2と同じ温度域で塩化水素が発生してい
るが、比較例2より発生量は少ないものの、依然として
相当量発生していることがわかる。
【0056】(2)RDFと脱塩素剤の場合には、 (a)塊状の場合は、実施例2に示すように、350℃
〜450℃あたりで、塩化水素が僅かに発生している。
【0057】(b)破砕した場合には、塩化水素の発生
がみられないことがわかった。
【0058】上記の実験において炭酸水素ナトリウムが
脱塩素剤として非常に効果があることが判明したので、
同様の無害な塩化物を生成する物質を求めて実験を行っ
た。
【0059】この実験も、前記と同じ要領で行った。
【0060】実験は、まず、塩素成分を多量に含んでい
るポリ塩化ビニリデンのみ4gを用いて予備試験を行っ
た。その結果を表2の比較例1に示す。
【0061】次に、従来より脱塩素剤として知られてい
る消石灰および炭酸カルシウムの粉末を各20g添加し
て実験した。その結果を比較例2および比較例3に示
す。
【0062】次に、被処理物として、加熱した場合に多
量の塩化水素を発生するポリ塩化ビニリデンと塩化ビニ
ルを選び、これに本発明のアルカリ物質による脱塩素剤
の中から、表2に示す数種の物質を選んで、添加して実
験を行った。
【0063】実施例1および実施例2は、本発明の炭酸
水素ナトリウムの粉末20gを被処理物のポリ塩化ビニ
リデン4gおよび塩化ビニル4gに添加した場合、実施
例3〜実施例5は、同じ被処理物のポリ塩化ビニリデン
4gに、本発明の炭酸水素カリウム10g、水酸化ナト
リウム20g、水酸化カリウム20gを夫々添加した場
合で、各実施例において被処理物と脱塩素剤とを混合し
て実験を行った。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2に示した実験結果から以下のように考
察される。
【0066】まず、塩素成分を多量に含有するポリ塩化
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤を添加しな
い比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガ
スが多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素
剤である消石灰を添加した比較例2と炭酸カルシウムを
添加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガス
の発生がかなり抑制されているものの、まだ十分である
とはいえない。
【0067】これに対し、本発明では、実施例4および
実施例5の450℃において極く微量(1ppm、2p
pm)の塩化水素ガスが検出されたが、それ以外は全温
度範囲にわたり全く検出されず極めて良好な結果が得ら
れた。
【0068】また、被処理物に塩化ビニルを用いて、炭
酸水素ナトリウムを添加した場合も、実施例2に示すよ
うに、何れの温度領域においても、塩化水素の生成は完
全に抑制されている。
【0069】以上の実験調査により、RDFのような固
形化処理済み物を脱塩素処理する場合には、塩素系ガス
と反応して無害な塩化物を生成するアルカリ物質(特に
アルカリ金属化合物)を添加して処理することで、無害
化処理できることが確認できた。
【0070】有害な塩化水素が無害な塩化物に置換生成
される理由は下記のように反応していることから明らか
となった。
【0071】(1)炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
20)+(CO2) (2)炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl)→(KCl)+(H20)+
(CO2) (3)水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H20) (4)水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H20) 上記のように生成した、NaCl、KClは無害な塩化
物であり、上記物質以外にも、同様にNaCl、KCl
を生成するナトリウム系、カリウム系の下記の物質があ
り、同様な効果が得られる。
【0072】炭酸ナトリウム 炭酸カリウム 炭酸ナトリウムカリウム 炭酸ナトリウム水和物 セスキ炭酸ナトリウム 天然ソーダ 次に、得られた残渣を分析し、脱塩素処理後の塩素系物
質の確認を行った結果、有害な塩素系ガス成分は検出さ
れず、無害な塩化物である塩化ナトリウム、塩化カリウ
ムが検出された。更に残渣を10分間撹拌して水洗浄す
ることにより、塩化ナトリウム、塩化カリウムは水に溶
解し、炭化物が残存するが、この炭化物中にも有害な塩
素系ガス成分は検出されなかった。
【0073】従って、有害な塩素成分は、残渣の一部と
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシン類の発生の原因となる塩化水素を発生することは
なく、排ガス及び残渣の無害化が実現できる。
【0074】以上のことから、RDFなどの固形化処理
した処理物をそのまま燃料として再利用するのではな
く、脱塩素処理して無害化を行った上で利用するのが良
いことが判明した。
【0075】このような、脱塩素処理に使用する脱塩素
剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単体、複数
種の混合が適合することも判明した。
【0076】従って、発生した有害な塩素系ガスと加え
た脱塩素剤との接触反応により、有害な塩素系ガスが無
害な塩化物(NaCl、KCl)が生成されるものであ
る。しかもこれらの無害な塩化物は、水などの溶液によ
る洗浄処理により効果的に除去でき、しかも洗浄後には
再利用可能な炭化物などが残る。
【0077】また、洗浄処理前・後において、任意の分
離手段により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥固化
して燃料その他有効に活用することができる。
【0078】なお、洗浄後の処理液は無害な塩化物を含
有するが、有害な物質はほとんど含まれず、必要に応じ
て廃水処理を行い、河川又は海洋に放流することができ
る。
【0079】
【発明の効果】以上の実験結果から明らかとなったよう
に、固形化処理されたRDFのような固形化処理済み物
をそのまま加熱処理すると塩化水素が発生することがわ
かり、これを燃料として使用するとダイオキシン発生の
要因となることが判明した。
【0080】本発明は、固形化処理済み物をそのまま燃
料として使用するのではなく、本発明の脱塩素剤を使用
して脱塩素処理を行い、有害な塩素系ガスを無害な塩化
物に置換することで、排ガスと残渣の両方の無害化を実
現することができた。この結果、ダイオキシン発生を効
果的に防止できるという優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態におけるシステム構
成図。
【符号の説明】
1…加熱処理部 2…円筒部材 3…スクリュー 4…加熱コイル 5…破砕・混合手段 6…洗浄・分離手段 7…排ガス部 8…スクリュー支持部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された雰囲気中において固形化処理
    済み物から発生する有害な塩素系ガスとアルカリ物質か
    らなる脱塩素剤とを接触させることで有害な塩素系ガス
    と反応して無害な塩化物を生成させることを特徴とする
    固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ物質は、アルカリ金属化合物の
    単体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項1
    記載の固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸
    化物の物質であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  4. 【請求項4】 水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、
    カリウム系の物質であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載の固形化処理済み物の脱塩素
    処理方法。
  5. 【請求項5】 脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸
    カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウ
    ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単
    体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項1記
    載の固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  6. 【請求項6】 固形化処理済み物と脱塩素剤とを混合し
    て加熱処理することを特徴とする請求項1記載の固形化
    処理済み物の脱塩素処理方法。
  7. 【請求項7】 破砕した固形化処理済み物と脱塩素剤と
    を混合して加熱処理することを特徴とする請求項1又は
    6記載の固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  8. 【請求項8】 固形化処理済み物から発生した塩素系ガ
    スと脱塩素剤とを接触反応させることを特徴とする請求
    項1又は6又は7に記載の固形化処理済み物の脱塩素処
    理方法。
  9. 【請求項9】 塩素系ガスと脱塩素剤との接触雰囲気
    は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気の何れか
    であることを特徴とする請求項1又は8記載の固形化処
    理済み物の脱塩素処理方法。
  10. 【請求項10】 脱塩素剤は、塊状、板状、多孔質状、
    粉体、溶液、懸濁液の何れか又はこれらの組み合わせで
    あることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項
    に記載の固形化処理済み物の脱塩素処理方法。
  11. 【請求項11】 加熱された雰囲気は、200℃〜10
    00℃であることを特徴とする請求項1又は9記載の固
    形化処理済み物の脱塩素処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106111668A (zh) * 2016-06-29 2016-11-16 厦门中环碧海环保科技有限公司 一种农村生活垃圾分布处理资源化发电工艺
CN109022095A (zh) * 2018-07-23 2018-12-18 重庆理工大学 Rdf燃料生产设备及rdf燃料制备方法

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