JP2000109848A - ガス発電設備 - Google Patents

ガス発電設備

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JP2000109848A
JP2000109848A JP10284660A JP28466098A JP2000109848A JP 2000109848 A JP2000109848 A JP 2000109848A JP 10284660 A JP10284660 A JP 10284660A JP 28466098 A JP28466098 A JP 28466098A JP 2000109848 A JP2000109848 A JP 2000109848A
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JP
Japan
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gas
power generation
sodium
exhaust gas
fuel
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Withdrawn
Application number
JP10284660A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/12Heat utilisation in combustion or incineration of waste

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物を加熱処理し、発生した排ガスを、発
電設備の内燃機関の燃料として使用し、発電することが
行われている。廃棄物を加熱処理すると、廃棄物の含有
する有害成分が析出して排ガス中に含まれ、そのまま利
用すると公害、設備の損傷をきたし、これを無くするこ
とが課題となっている。 【解決手段】 加熱処理炉10で、被処理物と脱塩素剤
とを混合しながら加熱し、析出した排ガス中の塩化水素
と脱塩素剤とを接触反応させて塩化水素を無害な塩化物
に置換生成し排ガスと残渣の無害化を図り、この無害化
された排ガスにガス調整手段36で補助燃料を加えて発
電ユニット40の内燃機関に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種廃棄物、特
に、塩素含有プラスチックを含むような廃棄物の被処理
物を加熱処理して乾留ガス(排ガス)を得、この排ガス
を燃料としてガス内燃機関等により発電するガス発電設
備に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物、一般廃棄物などの各種廃棄
物を焼却処理し、焼却時に発生する焼却ガスを燃料ガス
として発電設備に利用し、電気エネルギーとして回収す
ることが一般に行われている。
【0003】しかし、従来の廃棄物焼却発電設備では、
廃棄物を焼却した際、廃棄物中に不純物、特に、プラス
チックや塩化ビニル等が含まれていると、焼却時に塩素
系ガスが発生して排ガス中に混入し、廃熱蒸気発生装置
に著しい腐食をもたらし、この腐食を防止するためには
蒸気温度を一般の火力発電に比較して低い温度(300
℃以下)に押える必要がある。この低温にした状態で発
電に利用すると発電効率が約10%と低いのが現状であ
る。
【0004】このことから設備の損傷を防止し、発電効
率を向上するために種々の方法が試みられている。その
一例として特開平10−47625号公報に提案されて
いる。
【0005】この公報に記載のものは、廃プラスチック
を微粉砕してこれをプラスチックガス化装置でガス化ガ
スを生成し、このガス化ガスを燃料として使用するもの
であるが、生成されたガス化ガスには塩化水素等の有害
成分が含有されているため、ガス精製装置を設けて、こ
の装置を通過させることで塩化水素等を除去し、以降の
機器、設備に対する腐食を防止し、且つ高効率の発電を
行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に開示され
ている技術によれば、ガス化装置で一旦、塩化水素等の
有害成分を含有するガス化ガスを発生させ、その後にガ
ス精製装置で有害成分を除去して使用するので、ガスの
高温化ができ、発電効率の向上は期待できる。
【0007】しかし、この装置においては、塩素系ガス
を一旦発生させた後にガスを清浄化するようにしている
ので、特別なガス精製装置が必要であり、しかも維持管
理で大変なものとなる。
【0008】また、塩素系ガスはガス化装置で発生して
いるので、ガス化装置、ガス精製装置、途中の配管にお
ける塩化水素に起因する損傷の問題は依然として課題と
して残されている。
【0009】また、上記の公報に記載のものにおいて
は、排ガスの処理には注目しているが、加熱処理した被
処理物の残渣の処理については注目されていない。塩素
系ガスは、排ガス中のみならず、その一部は残渣中に残
存し、処理の方法によっては有害なダイオキシン類を生
成する可能性があり、この残渣の処理が新たな課題とし
て発生する。
【0010】いずれにしても、上記の技術に限らず、従
来の此の種の技術は、被処理物から塩素系ガスを発生さ
せ、後工程(精製、バグフィルタ、高温燃焼、灰溶融な
どの手段)にて塩素系ガス、ダイオキシン類を除去しよ
うとするものが一般的であり、上記の課題は常に潜存し
ている。
【0011】本発明はこれらの課題を解決することを目
的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、被処理物を加
熱処理する際、被処理物と脱塩素剤とを混合して加熱す
ると、発生した排ガスに含有する塩素系ガスが無害な塩
化物に置換生成され、排ガスの無害化と残渣の無害化が
実現できることに着目し、この無害化された排ガスを利
用し、排ガスに補助燃料を追加供給して内燃機関の燃料
として供給することで発電効率を向上させるようにした
ものである。
【0013】具体的手段は、被処理物と、被処理物から
発生する塩化水素を無害な塩化物に置換生成するアルカ
リ物質、特に、アルカリ金属化合物からなる脱塩素剤と
を混合し、この混合物を加熱処理して塩化水素を含まな
い排ガスを得るガス化手段と、該ガス化手段で得られた
排ガスに補助燃料を追加供給し燃料ガスを調整するガス
調整手段と、このガス調整手段で調整されたガスを燃料
とする内燃機関発電ユニットを備えたガス発電設備とな
すものである。
【0014】上記の塩化水素を無害な塩化物に置換生成
する脱塩素剤としては、アルカリ物質、特に、アルカリ
金属化合物が好適である。このアルカリ金属化合物は、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物。
【0015】(2)アリカリ金属化合物は、水酸化物、
炭酸化物の物質。
【0016】(3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム
系、カリウム系の物質。
【0017】(4)脱塩素剤は、 (a)炭酸水素ナトリウム、別称、酸性炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ。
【0018】(b)炭酸ナトリウム、別称、炭酸ソー
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ。
【0019】(c)セスキ炭酸ナトリウム、別称、二炭
酸−水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリ
ウムセスキカーボネート、 (d)天然ソーダ、別称、トロナ、 (e)炭酸カリウム (f)炭酸水素カリウム (g)炭酸ナトリウムカリウム (h)水酸化ナトリウム (i)水酸化カリウム から選択した単体、又は複数種を混合して使用する。
【0020】また、脱塩素剤は、上記のアルカリ金属化
合物が最も好ましいが、ハロゲン物質と反応して無害な
塩類を生成する、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ルカリ土類金属化合物、に含まれる物質{アルカリ金属
(Na,Kなど)、アルカリ土類金属(Ca,Sr,B
a,Ra)、アルカリ土類金属化合物(石灰、消石灰、
炭酸カルシウム、ドロマイドなど)}等のアルカリ物質
であっても排ガスの性質などに応じて使用できる。
【0021】また、無害化した排ガスに追加供給する補
助燃料には、LNG,LPGを使用するのが好ましい。
【0022】また、被処理物を加熱処理する際、これに
添加混合する脱塩素剤の量は、処理される被処理物の5
〜30重量%、若しくは被処理物の含有する塩素量の2
〜10倍が好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図1は本発明の実施の形態の構成の
概念図で、加熱処理炉を2基設けた場合である。
【0024】図中10は第1の加熱処理炉、20は第2
の加熱処理炉を示す。
【0025】第1の加熱処理炉10は、回転自在の円筒
体11と、該円筒体11の外周にガスダクトを形成して
熱ガスの導入により円筒体11を加熱する加熱ジャケッ
ト12と、円筒体11の一方の端部に設けられ、被処理
物を円筒体11内に供給する供給口13と、円筒体11
の他方の端部に設けられた排出口14とで構成され、こ
の円筒体11は図示しない回転駆動手段によって回転駆
動される。
【0026】円筒体11の回転駆動手段は、通常の駆動
用モータと駆動歯車及び円筒体に設けられた従動歯車等
から構成される。加熱ジャケット12は固定され、円筒
体11との回転接触部には、メカニカルシールが施され
ている。
【0027】15は第1の加熱処理炉10の供給口13
側に設けられた供給側ダクトで、被処理物と脱塩素剤と
の混合物を円筒体11内に導入する。
【0028】第2の加熱処理炉20の構成は、第1の加
熱処理炉10の構成とほぼ同一であり、回転自在の円筒
体21と、該円筒体21の外周にあって熱ガスの導入に
より円筒体21を加熱する加熱ジャケット22と、円筒
体21の一方の端部,この例では第1の加熱処10の排
出口14側に設けられ、被処理物を円筒体21内に供給
する供給口23と、円筒体21の他方の端部に設けられ
た排出口24とで構成されている。
【0029】16は第1の加熱処理炉10の排出口14
側と、第2の加熱処理炉20の供給口23側を包囲し、
混合物を第1の加熱処理炉10から第2の加熱処理炉2
0へ導入する導入ダクトを示し、この導入ダクト16に
は、混合物の流量を調整する調整扉16aが設けられ、
また、必要に応じて脱塩素剤を追加するための脱塩素剤
追加手段26を設ける。この脱塩素剤の追加供給は、塩
化水素濃度測定装置Mにより、ダクト内の塩化水素濃度
を測定し、測定値に応じて、自動又は手動で供給する。
【0030】25は第2の加熱処理炉20の円筒体21
の排出口24側を包囲し、第2の加熱処理炉20で加熱
処理した被処理物(残渣)を溶解槽32内に排出する排
出側ダクトである。
【0031】第1の加熱処理炉10の円筒体11と、第
2の加熱処理炉20の円筒体21とは上下方向に配設さ
れ、図示は省略してあるが、円筒体11および21の外
周に設けられた加熱ジャケット12および22は固定部
材により支持固定されており、円筒体11,21の内部
には、被処理物と脱塩素剤の混合物を撹拌しながら移送
する複数の羽根が設けられ、円筒体11,21自体の回
転によって混合物を図の一点鎖線で示すように供給口1
3側から、排出口24側に移送する構成となっている。
【0032】また、円筒体11に回転接触するダクト1
5,16の接触部分および円筒体21に回転接触するダ
クト16,25の接触部分にはメカニカルシールが施さ
れている。
【0033】27はホッパで、このホッパ27に破砕し
たプラスチック類等の被処理物とアルカリ物質、特に、
アルカリ金属化合物からなる脱塩素剤とを混合して投入
し、円筒体11の供給口13から円筒体11内に供給可
能とする。
【0034】このホッパ27に被処理物の破砕機能と脱
塩素剤の混合機能を合わせて持たせ、固形物を破砕しな
がら脱塩素剤と混合してもよいし、また、予め破砕した
被処理物と脱塩素剤とを混合してホッパ27に投入して
もよい。
【0035】28は燃焼装置であり、例えばLNGを燃
焼させる場合には、図外のLNGタンクから供給される
LNGを燃焼して熱ガスを発生させる。この熱ガスは第
2の加熱処理炉20の円筒体21外周に設けた加熱ジャ
ケット22内に供給されて円筒体21を加熱した後、連
絡管29を介して第1の加熱処理炉10の円筒体11の
加熱ジャケット12内に送り込まれ、この円筒体11を
加熱した後、排出管31を介して残渣の乾燥手段34に
送出して、乾燥手段の熱として利用した後、連絡路38
を介してガス調整手段36に送り込まれる。
【0036】30は温度調整用の空気を供給する空気供
給手段で連絡管29に設けられ、加熱ジャケット12に
供給される熱ガスの温度を調整する。
【0037】ガス調整手段36は、補助燃料を供給する
燃料供給手段39を備え、導入ダクト16内の排ガスを
第1の加熱処理炉10の排出側と、第2の加熱処理炉2
0の供給側から導入し、また燃焼装置28から送出さ
れ、各加熱部に利用した熱ガスを集め、これら排ガスお
よび熱ガスに燃料供給手段39から補助燃料を加えて管
路37を通して発電ユニット40に供給する。このとき
ガス燃料の供給量を調整する。
【0038】33は脱水手段で、溶解槽32内の水溶液
を固・液分離し、固形物は乾燥手段34で乾燥した後、
固形物抽出部35に抽出する。
【0039】発電ユニット40は、内燃機関および発電
機を有し、ガス調整手段36で、排ガスと補助燃料との
混合ガスを、ガスタービン又はガスエンジン等のガス内
燃機関に導入し、内燃機関を運転し、発電機を駆動して
電気エネルギーを得る。
【0040】41は廃熱回収装置で、発電ユニット40
で使用した後の熱ガスを回収し、温水又は水蒸気に変換
して利用する。この廃熱回収装置41で熱ガスを有効利
用した後のガスはバグフィルタ42で清浄化して煙突4
3を介して大気中に排出する。
【0041】次に本実施の形態に基づく被処理物の加熱
処理及び加熱処理時に発生する排ガス(乾留ガス)を発
電に利用する一連の処理方法について説明すると、予め
被処理物は破砕機により破砕しておき、この被処理物に
脱塩素剤としてアルカリ金属化合物、例えば炭酸水素ナ
トリウム(NaHCO3)を添加混合する。この脱塩素
剤は、塊状、板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸濁液
の何れか、もしくはこれらの組み合わにより使用され
る。
【0042】被処理物としては、塩素含有処理物、例え
ば、プラスチック類などで、この被処理物に対する脱塩
素剤の混合割合は、被処理物の含有する塩素量の2〜1
0倍、又は被処理物の5〜30重量%とする。被処理物
の破砕は脱塩素剤を混合してから破砕してもよい。
【0043】これと平行して燃焼装置28でLNGを燃
焼して熱ガスを発生させ、加熱ジャケット22及び加熱
ジャケット12に供給して第1の加熱処理炉10と第2
の加熱処理炉20の炉内を加熱状態としてから、被処理
物と脱塩素剤の混合物をホッパ27から供給口13を介
して第1の加熱処理炉10の円筒体11内に供給する。
この円筒体11は図示しない回転駆動手段によって回転
駆動されている。
【0044】以下、第1の加熱処理炉10は、分解反応
工程により無害化された排ガスを得るガス化手段、第2
の加熱処理路20は、分解反応後の無害な残渣を減容化
する減容化手段として機能させた場合の例について説明
する。
【0045】第1の加熱処理炉10では、被処理物と脱
塩素剤との混合物を十分混合した後、加熱して、被処理
物から塩素系ガスを分解析出して脱塩素剤と反応させ、
無害な塩化物(NaCl)を生成する。
【0046】分解反応は、被処理物からの塩素系ガスが
析出する温度と時間で処理する(例えば、200℃〜3
50℃、30分)。
【0047】なお、この塩素系ガスが分解析出する温度
と時間は事前に調査して被処理物の性質を把握し、この
調査結果を十分にカバーできる温度と時間で処理する。
被処理物から塩素系ガスを分解析出させる温度として
は、250℃〜350℃が適当である。
【0048】また、第1の加熱処理炉10での加熱温度
と時間は、加熱処理炉の状態(大きさ、加熱手段などの
炉に依存する条件等)、被処理物の処理量などにも関係
するので、事前に調査などを十分に行っておく必要があ
り、またデータを取り蓄積しておく必要がある。
【0049】そして、第1の加熱処理炉10での加熱
は、「燃焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」で
の処理とすると、析出した有害な塩素系ガスとアルカリ
金属化合物の脱塩素剤とを効果的に接触反応させること
ができ、有害なHClガスを無害な塩化物に置換生成す
ることができる。
【0050】第1の加熱処理炉10内においては、HC
l成分を含む塩素系ガスが発生するが、この塩素系ガス
中のHCl成分は、添加されているアルカリ金属化合
物、例えば炭酸水素ナトリウムと反応して無害な塩化物
である塩化ナトリウム(NaCl)に置換生成される。こ
れによって、分解ガス中のHCl成分の無害化と残渣の
無害化が同時に行われる。
【0051】この有害成分を析出し、無害化した後の被
処理物(残渣)と反応後の脱塩素剤の混合物は、導入ダ
クト16を介して第2の加熱処理炉20の円筒体21の
供給口23に送り込まれ、ここで被処理物が炭化する温
度(紙類は350℃程度で炭化が始まる。)350℃以
上で加熱して炭化又は灰化処理して減容化する。
【0052】この無害化され、減容化された被処理物
(残渣)と、反応後の塩化ナトリウム等は排出側ダクト
25を介して溶解槽32内に排出される。この溶解槽3
2内で、被処理物と塩化ナトリウム等は、水に溶解し、
次段の脱水手段33で固体成分と液体成分とに分離さ
れ、液体成分は排水され、固体成分(固形物)は、固形
物抽出部35に抽出され、炭化物などは、物性に応じて
分別して再利用に供する。
【0053】一方、無害化された排ガスは、導入ダクト
16からガス調整手段36に送り込まれる。
【0054】このとき、分解反応工程において発生する
乾留ガス(排ガス)には、水分を多く含んでいる場合が
多く、また減容化工程ではほとんど無いので、ガス調整
手段36に導入する配管は別々の配管により導入するの
が望ましい。
【0055】また、分解反応工程の前処理として被処理
物から水分を取り除く乾燥工程を実施してもよい。
【0056】ガス調整手段36では、導入ダクト16か
ら導入された排ガスに、燃料供給手段39からの補助燃
料を加えて発電ユニット40内の内燃機関に燃料として
供給し、内燃機関で発電機を駆動して発電する。
【0057】燃料供給手段39から供給される補助燃料
としては、LNG(天然ガス),LPG(液化石油ガ
ス)以外の燃料でも良いが、炭酸水素成分の少ないLN
Gが好ましい。
【0058】発電ユニット40で発電に利用した後のガ
スは、まだ高温なので、この熱を発熱回収手段41で回
収し、バグフィルタの耐久温度(約200℃)以下に下
げた後、バグフィルタ42に導入して清浄化して煙突4
3から排出する。
【0059】第1の加熱処理炉10で、被処理物を加熱
処理して分解析出した塩素系ガスとアルカリ金属化合物
とが反応して分解ガスの無害化と残渣の無害化が同時に
行うことができる理由は、次の実験調査によって明らか
となった。
【0060】実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時、キープ時でHClガス濃度(ppm)を測定し
た。ガス濃度の測定は、JIS−K0804に規定され
ている検知管によって測定した。
【0061】表1にこの測定結果を示す。HClガス濃
度は実験10回における測定値で実施例1〜実施例5は
最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
【0062】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0063】実験は、先ず塩素成分を多量に含んでいる
ポリ塩化ビニリデンのみ4gを用いて予備実験を行っ
た。その結果を表1の比較例1に示す。
【0064】次に従来より脱塩素剤として知られている
消石灰及び炭酸カルシウムの粉末を各20g添加して実
験した。その結果を比較例2及び比較例3に示す。
【0065】次に、被処理物として、加熱した場合に多
量の塩化水素を発生するポリ塩化ビニリデンと塩化ビニ
ルを選び、これに本発明で用いたアルカリ金属化合物に
よる脱塩素剤の中から表1に示す数種の物質を選んで、
添加して実験を行った。
【0066】実施例1及び実施例2は、本発明で用いた
炭酸水素ナトリウムの粉末20gを被処理物のポリ塩化
ビニリデン4g及び塩化ビニル4gに添加した場合、実
施例3〜実施例5は、同じ被処理物のポリ塩化ビニリデ
ン4gに、本発明で用いた炭酸水素カリウム10g、水
酸化ナトリウム20g、水酸化カリウム20gを夫々添
加した場合で、各実施例において被処理物と脱塩素剤と
を混合して実験を行った。以上の結果を比較例の結果と
ともに表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1の実験結果から、以下のように考察さ
れる。
【0069】先ず、塩素成分を多量に含有するポリ塩化
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤添加しない
比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガス
が多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素剤
である消石灰を添加した比較例2と炭酸カルシウムを添
加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガスの
発生がかなり抑制されているものの、まだ十分であると
はいえない。
【0070】これに対して、本実験では実施例3及び実
施例5の450℃において極微量(1ppm,2pp
m)の塩化水素ガスが検出されたが、それ以外は全温度
範囲に渡り全く検出されず、極めて良好な結果が得られ
た。
【0071】また、被処理物に塩化ビニルを用いて炭酸
水素ナトリウムを添加した場合も、実施例2に示したよ
うに、何れの温度領域においても塩化水素の生成は完全
に抑制されている。
【0072】以上の実験調査により、脱塩素処理する場
合には塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成する、
アルカリ金属化合物を添加して処理することで、無害化
処理できることが確認できた。
【0073】なお、600℃以上においても同様な脱塩
素効果があるが省略した。
【0074】有害な塩素成分(塩化水素)が無害な塩化
物に置換生成される理由は、下記のように反応している
ことから明らかとなった。
【0075】炭酸水素ナトリウム (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
2O)+(CO2) 炭酸水素カリウム (KHCO3)+(HCl)→(KCl)+(H2O)+
(CO2) 水酸化ナトリウム (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 水酸化カリウム (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
塩化水素(HCl)が分解析出する温度(250℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のNaOH,KOHと発生したHClとの反応がスムー
ズに行える雰囲気状態となっているものと考えられる。
【0076】すなわち、反応状態は、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)→(NaOH)+(CO2) (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) となり、NaOH、KOHとHClとが迅速に反応して
無害な塩化物(NaCl,KCl)を新たに生成するも
のである。
【0077】一方、炭酸カルシウム(CaCO3)、消
石灰(Ca(OH)2)の場合には、同様に無害な塩化
物(CaCl)を生成するもののCaとの反応がスムー
ズでないものと思われる。
【0078】上記のように生成した、NaCl,KCl
は無害な塩化物であり、上記物質以外にも、同様に、N
aCl,KClを生成するナトリウム系、カリウム系の
下記の物質があり、同様な効果が得られる。
【0079】炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
【0080】次に処理後の塩素系物質の確認を行った。
【0081】得られた残渣を分析した結果、有害な塩素
系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナト
リウム、塩化カリウムが検出された。更に残渣を10分
間撹拌して水洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩
化カリウムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭
化物中にも有害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
【0082】従って、有害な塩素成分は、残渣の一部と
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシンの原因となる塩化水素を発生することはなく、排
ガス及び残渣の無害化が実現できる。
【0083】このような、有害な塩素成分処理に使用す
る処理剤(脱塩素剤)としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱硫剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、 から選択した単体、複数種の混合が適合することも判明
した。
【0084】従って、塩素含有の被処理物等を加熱処理
した場合に発生する有害成分(塩素系ガス等)は、添加
混合した脱塩素剤、特に、アルカリ金属化合物からなる
処理剤と接触反応して塩化ナトリウム等の無害な塩化物
(NaCl,Kcl)に置換生成されるので、分解ガス
および残渣から有害成分を無くすることができ、無害な
分解ガス(排ガス)および無害な残渣とすることができ
る。
【0085】この残渣を取り出し、水などの溶液で洗浄
することで、無害な塩化物は溶出され、また、無害な炭
化物などの再利用可能な物質が回収できる。
【0086】排ガスは、有害な塩素系ガスを含んでいな
いので安全である。
【0087】また、洗浄後の処理液は無害な塩化物を含
有するが、有害な物質はほとんど含まず、必要に応じて
廃水処理を行い、河川又は海洋に放流することができ
る。
【0088】以上のように本発明は、被処理物から発生
する分解ガス中の有害塩素系ガスは、分解反応工程で脱
塩素剤と接触して無害な塩化物に置換生成され、分解ガ
スから塩素系ガスを無くすることができ、有害成分を含
まない排ガスを発電ユニットに使用するので、特別なガ
ス精製装置は必要なく、しかも設備の各機器にガス腐食
などによる損傷を与えることがない。
【0089】更に、排ガスには塩素系ガスが含まれてい
ないので内燃機関において高温燃焼が可能となり、発電
効率を向上することができる。
【0090】また、発電に利用した後に残存するガスの
熱も、廃熱回収装置で回収して利用することにより、熱
の有効利用が可能となる。
【0091】
【発明の効果】本発明は上述したように、被処理物の含
有する有害成分を分解析出させると同時にアルカリ物質
からなる脱塩素剤と接触反応させて無害な塩化物を置換
生成することで、排ガスと残渣を無害化し、この無害化
された排ガスに補助燃料を加えて発電ユニットの内燃機
関の燃料として利用して発電するようにしたので、次の
効果を奏する。
【0092】(1)被処理物に脱塩素剤を混合して加熱
処理するので、発生した塩化水素は直ちに無害な塩化物
を生成するので、塩化水素、ダイオキシン類を含まな
い、無害な排ガスと無害な残渣をえることができる。
【0093】(2)排ガスは塩化水素を含有しないの
で、特開平10−47628号のように後工程において
ガス精製を行う必要がなく、また設備機器に損傷を与え
ることはない。
【0094】よって、補助燃料を付加して内燃機関にお
いて高温燃焼駆動することができるので発電効率を向上
することができる。
【0095】(3)残渣中には無害な塩化物が存在する
が、これは水などの溶液により簡単に除去でき、塩化物
を除去した残り残渣(炭化物など)中には、塩化水素、
ダイオキシン類は存在しないので、有効利用できる。
【0096】(4)従って、ダイオキシン類の生成はな
く、21世紀の子孫に有益な環境と技術を伝えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための処理装置
全体の構成図。
【符号の説明】
10…第1の加熱処理炉 20…第2の加熱処理炉 11,21…円筒体 12,22…加熱ジャケット 13,23…供給口 14,24…排出口 15,25…供給側ダクト 16…導入ダクト 26…脱塩素剤追加手段 27…ホッパ 28…燃焼装置 29…連絡管 30…空気供給手段 31…排出管 32…溶解槽 33…脱水手段 34…乾燥手段 35…固形物抽出部 36…ガス調整手段 37…管路 38…連絡管 39…燃料供給手段 40…発電ユニット 41…廃熱回収手段 42…バグフィルタ 43…煙突

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物と、被処理物から発生する塩化
    水素を無害な塩化物に置換生成するアルカリ物質からな
    る脱塩素剤とを混合し、この混合物を加熱処理して塩化
    水素を含まない排ガスを得るガス化手段と、該ガス化手
    段で得られた排ガスに補助燃料を追加供給し燃料ガスを
    調整するガス調整手段と、このガス調整手段で調整され
    たガスを燃料とする内燃機関発電ユニットを備えたこと
    を特徴とするガス発電設備。
  2. 【請求項2】 被処理物と、被処理物から発生する塩化
    水素を無害な塩化物に置換生成するアルカリ金属化合物
    からなる脱塩素剤とを混合し、この混合物を加熱処理し
    て塩化水素を含まない排ガスを得るガス化手段と、該ガ
    ス化手段で得られた排ガスに補助燃料を追加供給し燃料
    ガスを調整するガス調整手段と、このガス調整手段で調
    整されたガスを燃料とする内燃機関開発ユニットを備え
    たことを特徴とするガス発電設備。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸
    化物の物質であることを特徴とする請求項2記載のガス
    発電設備。
  4. 【請求項4】 水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、
    カリウム系の物質であることを特徴とする請求項3記載
    のガス発電設備。
  5. 【請求項5】 脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸
    カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウ
    ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単
    体、又は複数種の混合であることを特徴とする請求項1
    又は2記載のガス発電設備。
  6. 【請求項6】 排ガスに追加供給する補助燃料は、LP
    G又はLNGであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のガス発電設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101561277B1 (ko) * 2013-12-26 2015-10-19 주식회사 포스코 코크스 오븐 가스 내의 염화수소 제거방법
CN108246779A (zh) * 2018-03-09 2018-07-06 宁夏黑金科技有限公司 一种垃圾的循环综合利用方法

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