JPH11290819A - バグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設 - Google Patents

バグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設

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JPH11290819A
JPH11290819A JP10103229A JP10322998A JPH11290819A JP H11290819 A JPH11290819 A JP H11290819A JP 10103229 A JP10103229 A JP 10103229A JP 10322998 A JP10322998 A JP 10322998A JP H11290819 A JPH11290819 A JP H11290819A
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Japan
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bag filter
filter device
heat treatment
treated
exhaust gas
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JP10103229A
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English (en)
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素等を含有する廃棄物を焼却処理した場
合、有害な塩素系ガスが多量に発生し、排ガス処理のた
めにバグフィルタで使用した処理済み粉末とか残渣中に
塩素が残存してダイオキシン類が生成する惧れがある。 【解決手段】 被処理物と反応薬剤とを第1の加熱処理
炉10で加熱処理して有害な塩素成分を熱分解するのと
同時にアルカリ金属化合物からなる反応薬剤との反応で
無害な塩化物でなる残渣を生成し、無害化処理された被
処理物を第2の加熱処理炉20で減容化処理してハロゲ
ン物質を含まない炭化物もしくは灰化物を得るととも
に、排ガスは濾布を備えたバグフィルタ装置42に導入
し、該バグフィルタ装置42内にアルカリ金属化合物か
らなる反応薬剤を噴霧して排ガスの無害化処理と清浄化
処理を行い、且つバグフィルタ装置で使用した反応薬剤
を再び第1の加熱処理炉10で使用することで反応薬剤
の有効利用をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバグフィルタを備え
た廃棄物等の処理施設に関し、特にハロゲン(塩素,臭
素,ヨウ素等)を多量に含有する廃棄物などの被処理物
に、前工程でアルカリ金属化合物でなる反応薬剤を添加
して加熱処理することでハロゲン物質(特に、塩素)を
分解析出し、無害な塩化物に置換生成して有害なダイオ
キシン類の発生を防止し、次工程でこの無害化された被
処理物を前工程とは別の加熱処理炉で炭化又は灰化等の
減容化処理を行って残渣中にハロゲン物質が反応残存し
ないようにし、且つ同様な反応薬剤をバグフィルタ装置
で使用することにより排ガスを完全に無害化し、このバ
グフィルタ装置で使用した後の反応薬剤を回収して被処
理物に添加することにより、反応薬剤の使用量を削減す
るようにした廃棄物等の処理施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミなどの一般廃棄物や産業廃棄
物、シュレッダーダスト、塩化ビニルなどの廃棄物はハ
ロゲン物質(塩素、臭素、沃素、フッ素、アスタチ
ン)、特に、塩素成分を多量に含んでいるので、焼却な
どの加熱処理をした場合には、塩素系ガス(塩化水素、
塩素)が多量に発生し、発生した排ガス中、及び排ガス
処理のためにバグフィルタで使用した処理済み粉末、排
ガス中の飛灰、焼却後の残渣(処理灰)中に猛毒のダイ
オキシン類が生成して残存することが知られている。
【0003】一般にごみ焼却場等の排ガスを処理するた
めにバグフィルタが使用されている。このバグフィルタ
装置の一例として、特開平8−108026号公報に記
載のものがある。この公報には、容器内に複数個の濾布
を設け、下部のバグフィルタハウスホッパ部から反応薬
剤としての消石灰と排ガスとを導入し、消石灰を濾布に
付着させ、この濾布を通過させることで排ガスを処理す
るようになし、特に複数個の濾布に対して消石灰の付着
層を均一に形成することにより、少ない消石灰量で高い
排ガス処理性能を持つようにしたバグフィルタ装置例が
記載されている。
【0004】この装置例では、反応薬剤として消石灰を
使用しており、排ガスと接触反応した後の反応薬剤には
塩素成分とか、生成したダイオキシン類が付着している
ため、未反応の反応薬剤があっても再利用することはで
きない。従ってこれらの反応薬剤は所定の無害化処理を
行ってから埋立処分などの処理を行わなければならな
い。
【0005】又、前記焼却手段に代えて、被処理物を熱
分解(乾留)し、分解後の残渣を炭化又は灰化等により
減容化する方法も知られている。この処理方法として
は、単一の回転処理炉(ロータリーキルン)を使用して
熱分解し、排出された残渣を後ストーカで焼却し、熱分
解ガスを再燃室で燃焼させ、発生した高温ガスをボイラ
等を通した後、反応塔に導き、この反応塔で前述同様に
消石灰スラリを噴霧して排ガスと反応させるようにして
処理する方法(例えば、特開平5−33916号)があ
る。
【0006】更に、焼却による塩素系ガスの発生という
問題を解決するため、特開平9−155326号公報に
は、塩素成分を含有する被処理物を熱処理する時に、塩
素及び塩素化合物と反応しやすいアルカリ系の添加物を
適量混入し、処理灰に塩素成分を効果的に固定化し、更
にこの処理灰を水処理することで処理灰から塩素を除去
するようにした廃棄物の処理方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】焼却処理による方法
は、アルカリ物質を焼却炉内に噴霧していることから、
発生源に近い所での処理ではあるが、塩素系ガスを一旦
発生させた後に処理するものである。従って塩素系ガス
の除去効果はある程度期待できるものの、改正された法
規制による各種ガスの排出基準値を十分に満足すること
は困難である。
【0008】しかも焼却であることから反応温度は高
く、安定した反応を維持することが困難であり、アルカ
リ物質を多量に噴霧すると、未燃現象等の悪影響が生じ
る惧れがあり、法規制による各種ガスの排出基準値を焼
却だけで満足することはできない。このような排ガスを
バグフィルタ装置で清浄化処理すると、使用した反応薬
剤に多量の塩素成分とダイオキシン類が付着することに
なる。
【0009】焼却手段に代えて、被処理物を熱分解(乾
留)し、排出された残渣をストーカで焼却するとともに
発生した高温ガスを反応塔で消石灰を噴霧して排ガスと
反応させるようにして処理する方法(特開平5−339
16号)があるが、この乾留処理による方法は、被処理
物を燃焼させることなく、熱分解させることから、焼却
炉ほどの不安定要因は除去されやすい。しかし、焼却炉
と同様に熱処理炉内にアルカリ物質を噴霧したものは、
焼却処理の場合と同様の効果しか期待できない。
【0010】また、上記の各処理方法において、排ガス
が多量の塩素系ガスを含む場合には、加熱処理炉及び煙
道など施設の腐食が著しいものとなり、施設の耐久性の
低下、排ガス漏れなどを引き起こす恐れがあり、保守が
大変となる。
【0011】これらの課題を解決するために、本願の出
願人は、先に加熱処理する際にアルカリ系の添加剤を混
入することを提案している(特開平9−15532
6)。
【0012】上記の乾留処理により被処理物を熱分解し
て分解ガスを析出する処理は、単一処理炉で行われてい
る。即ち、単一の処理炉の一方の供給口から被処理物を
供給し、他方の排出口から炭化物を排出する一連の過程
で行われる。この一連の過程において、被処理物を撹拌
しながら、加熱処理(例えば、1時間、300℃〜60
0℃)することで、被処理物の乾燥 → 熱分解 → 減容
(炭化もしくは灰化)の各処理が連続して行われる。
【0013】ところで、塩素系ガスが被処理物から熱分
解して析出する温度は、200℃〜350℃程度であ
り、処理炉内に分解析出した塩素系ガスが充満しやすい
状態となる。この時点でダイオキシン類を生成する可能
性がある。
【0014】そこで本発明は、被処理物の分解処理時に
被処理物から分解析出した有害成分にアルカリ金属化合
物からなる反応薬剤とを接触反応させて、無害な塩化物
を形成することで、排ガスおよび残渣の無害化処理を行
い、この無害化された残渣を別の加熱処理炉で減容化処
理するとともに、排ガスはバグフィルタ装置に導入し
て、再度の反応薬剤との接触反応により完全な無害化処
理を行うようにした技術を提供することを目的としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、加熱処理炉において被処理物にアルカリ金属化
合物からなる反応薬剤を添加して加熱処理することによ
り、原則的に排ガスと残渣の無害化をはかることができ
ること、この排ガスを後工程でのバグフィルタ装置にお
いて同様な反応薬剤を噴霧しながら処理することによ
り、排ガス中に僅かに塩素系ガスが残存している場合で
も、この塩素系ガスと反応薬剤とがバグフィルタ装置内
で反応して無害な塩化物を生成して除去可能であるとい
う知見を得た。
【0016】被処理物の分解反応工程では、加熱処理炉
で被処理物から分解析出した有害成分にアルカリ金属化
合物からなる反応薬剤を接触反応させ、無害な塩化物を
形成することで排ガスおよび残渣の無害化処理を行い、
この無害化された残渣は減容化処理を行う。分解反応工
程と減容化処理工程は単一の加熱処理炉によっても十分
に被処理物の無害化効果が得られるが、各工程を別の加
熱処理炉で行えば効果が大きいことを見い出した。
【0017】また、バグフィルタ装置で使用した反応薬
剤中には、反応後の塩化物が含まれているが、これは無
害な塩化物であり、バグフィルタ装置を通過する排ガス
中に含まれている塩素成分は加熱処理出発時の被処理物
に含まれている塩素成分の量に比較すると極く微量であ
る。従ってバグフィルタ装置内で反応する反応薬剤も極
く僅かであり、未反応の反応薬剤がほとんどであるた
め、使用後の反応薬剤を回収して加熱前の被処理物に添
加混合して使用することにより、反応薬剤の総使用量を
削減することが可能になることを見い出した。
【0018】又、加熱処理炉は略密閉空間であり、被処
理物に付着(又は含有)している水分を除去する環境
と、その後に被処理物に含まれているダイオキシン類生
成に起因するハロゲン物質(特に塩素系ガス)を被処理
物から分解析出し、且つ反応薬剤と接触反応させる環境
と、その後の減容化処理する環境とを別の加熱処理炉で
行えば、残渣と排ガスの無害化がはかれること、特に前
工程の分解反応工程の加熱処理炉と、後工程の減容化処
理工程の加熱処理炉とを別々の処理炉で処理することに
より、単一の加熱処理炉で行う場合に比較して、分解し
た有害成分が撹拌されている被処理物に巻き込まれて残
存することがないことが判明した。
【0019】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものである。
【0020】そこで、本発明による課題解決の具体的手
段は、有害成分を含有する被処理物の加熱処理を、この
被処理物にアルカリ金属化合物からなる反応薬剤を添加
して加熱処理炉で加熱して、被処理物から塩素系ガスを
分解析出するとともに、反応薬剤と接触反応させて無害
な塩化物を生成することで排ガスの無害化と被処理物の
無害化処理を行う分解反応工程と、該分解反応工程で処
理した被処理物を加熱処理して減容化する減容化処理工
程とで行い、得られた無害な残渣を回収し、排ガスは濾
布を備えたバグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ
装置内に反応薬剤を噴霧して排ガスの無害化処理と清浄
化処理を行うようにするとともに、バグフィルタ装置で
使用した反応薬剤を回収して被処理物に添加することに
より、反応薬剤の使用量を削減するようにしたことに特
徴を有するものである。
【0021】分解反応工程において、加熱処理炉に被処
理物と反応薬剤としてのアルカリ金属化合物を添加して
250℃〜350℃に加熱すると、被処理物から分解析
出した塩素系ガス周辺に存在する反応薬剤と接触反応し
て無害な塩化物に置換生成され、排ガスの無害化がで
き、同時に有害な塩素成分を含まない被処理物となる。
【0022】分解反応工程は、被処理物をそのまま、又
は乾燥する乾燥工程を経た後、塩化物を生成する工程に
移る。水分を除去する加熱処理炉、ハロゲン物質を分解
析出して反応させて塩化物を生成する加熱処理炉および
/又は減容化処理する加熱処理炉は、少なくとも1基は
配置する必要があるが、必要に応じて複数配置してもよ
い。
【0023】減容化処理工程での加熱処理は、被処理物
が炭化する温度である350℃〜700℃もしくは灰化
する温度である1000℃以上とする。
【0024】この減容化処理工程における加熱処理炉内
には、塩素系ガス成分,ダイオキシン類は存在しないの
で、炭化した被処理物が吸着することはない。従って、
減容化された炭化物,灰類の無害化が実現でき、資源と
して再利用が可能となる。
【0025】上記加熱処理炉とバグフィルタ装置との間
に、排ガスが含有するタール分等の可燃成分を除去する
排ガス燃焼装置と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置
を備える。
【0026】加熱処理炉において被処理物に反応薬剤を
添加して加熱処理することにより、原則的に排ガスと残
渣の無害化をはかることができるが、被処理物の性質は
千差万別であるため、被処理物の形態によっては反応不
足を引き起こすケースが想定される。従って排ガスの清
浄化を行うための排ガス系にバグフィルタ装置を配備し
て、このバグフィルタ装置内に反応薬剤を噴霧すること
により、排ガス中に微量に残存する塩素系ガスと反応さ
せて排ガスの無害化処理と清浄化処理を行う。反応後の
薬剤に塩素成分が付着しても極く微量であるため、反応
薬剤を回収して被処理物に添加することにより再使用が
可能となる。
【0027】分解反応工程で添加する反応薬剤としての
アルカリ金属化合物は、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物。
【0028】(2)アリカリ金属化合物は、水酸化物、
炭酸化物の物質。
【0029】(3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム
系、カリウム系の物質。
【0030】(4)反応薬剤は、 (a)炭酸水素ナトリウム、別称、酸性炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ。
【0031】(b)炭酸ナトリウム、別称、炭酸ソー
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ。
【0032】(c)セスキ炭酸ナトリウム、別称、二炭
酸−水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリ
ウムセスキカーボネート、 (d)天然ソーダ、別称、トロナ、 (e)炭酸カリウム (f)炭酸水素カリウム (g)炭酸ナトリウムカリウム (h)水酸化ナトリウム (i)水酸化カリウム から選択した単体、又は複数種を混合して使用する。
【0033】加熱処理炉で使用する反応薬剤は、塊状、
板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸濁液の何れか、も
しくはこれらの組み合わせとし、加熱処理炉での反応薬
剤の添加量は、被処理物の含有する塩素量の2〜10
倍、もしくは被処理物の5〜30重量%とする。
【0034】バグフィルタ装置で使用するアルカリ物質
は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの組
み合わせとする。
【0035】以上の条件により、アルカリ金属化合物か
らなる反応薬剤により有害な塩素成分を含有する被処理
物を分解反応処理炉で処理すると、例えば次に示す処理
剤の場合には、次の反応式により、有害な塩化水素(H
Cl)が無害な塩化物に置換生成される。
【0036】炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)+
(HCl)→(NaCl)+(H2O)+(CO2) 炭酸水素カリウム(KHCO3)+(HCl)→(KC
l)+(H2O)+(CO2) 水酸化ナトリウム(NaOH)+(HCl)→(NaC
l)+(H2O) 水酸化カリウム(KOH)+(HCl)→(KCl)+
(H2O) となり、HClは無害な塩化ナトリウム(NaCl、K
Cl)に置換生成されて有な塩素成分の無害化が実現で
きる。
【0037】この分解反応工程は、被処理物を乾燥する
乾燥工程を経た後、塩化物を生成する工程に移るように
してもよい。この2つの工程は、同一加熱処理炉で行っ
ても良いし、また別々の加熱処理炉で行っても良い。
【0038】水分を除去する乾燥処理炉、ハロゲン物質
を分解析出して反応させる分解反応炉および/又は炭化
処理する加熱処理炉は、少なくとも1基は配置する必要
があるが、必要に応じて複数配置してもよい。
【0039】この分解反応工程と減容化処理工程で用い
る加熱処理炉を2基使用する場合、即ち、分解反応工程
を乾燥工程と塩化物生成工程に分けて処理する場合に
は、この加熱処理炉を、ダクトの一方の側面に、上下方
向もしくは平面的に平行して配置するか、ダクトを挟ん
で両側の上下方向もしくは平面的に平行して配置して設
ける。上,下ではなく平面的に配置する場合は、ダクト
内に被処理物を移送するスクリュー体又はコンベヤ等の
移送手段が必要となる。
【0040】加熱処理炉を構成する円筒体を回転自在と
するときは、該円筒体の外周に従動歯車を設けて、従動
歯車をモータで回転駆動する。また、上下に設置した加
熱処理炉の各円筒体の外周に従動歯車を設け、これら両
方の従動歯車を共通のモータで回転駆動する。
【0041】以上の処理方法により被処理物を加熱処理
すると、排ガスと減容化された炭化物もしくは灰化物の
無害化が実現でき、減容化工程での加熱処理炉内には塩
素系ガス成分、ダイオキシン類は存在しないので、炭化
した被処理物がこれらの有害な塩素成分を吸着すること
がなく、得られた炭化物は二次燃料として使用でき、ま
た、排ガスも二次燃料又は熱源として利用することがで
きる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図1は本実施形態を具現するための
廃棄物処理施設の概念図であり、図中の10は第1の加
熱処理炉、20は第2の加熱処理炉を示す。第1の加熱
処理炉10は、回転自在の円筒体11と、該円筒体11
の外周にガスダクトを形成して熱ガスの導入により円筒
体11を加熱する加熱筒12と、円筒体11の一方の端
部に設けられ、被処理物を円筒体11内に供給する供給
口13と、円筒体11の他方の端部に設けられた排出口
14とで構成され、この円筒体11は図示しない回転駆
動手段によって回転駆動される。
【0043】円筒体11の回転駆動手段は、通常の駆動
用モータと駆動歯車及び円筒体に設けられた従動歯車等
から構成される。
【0044】15は供給口13側を包囲する供給側ダク
ト、16は排出口14側を包囲する排出側ダクトであ
る。
【0045】第2の加熱処理炉20の構成は、第1の加
熱処理炉10の構成とほぼ同一であり、回転自在の円筒
体21と、該円筒体21の外周にあって熱ガスの導入に
より円筒体21を加熱する加熱筒22と、円筒体21の
一方の端部,この例では第1の加熱処10の排出口14
側に設けられ、被処理物を円筒体21内に供給する供給
口23と、円筒体21の他方の端部に設けられた排出口
24とで構成されている。
【0046】25は第2の加熱処理炉20への供給口2
3側を包囲する供給側ダクト、26は同排出口24側を
包囲する排出側ダクトである。第1の加熱処理炉10の
円筒体11と、第2の加熱処理炉20の円筒体21とは
上下方向に配設され、図2の要部断面図に示したよう
に、円筒体11(21)外周に配置された加熱筒12
(22)が固定部材28により支持固定されており、こ
の円筒体11(21)の内部には、被処理物を撹拌・移
送する複数の羽根Sが設けられ、円筒体11(21)自
体の回転によって被処理物と反応薬剤の混合物を排出口
14,24側に移送する構成となっている。
【0047】30はホッパであり、このホッパ30に被
処理物とアルカリ金属化合物からなる反応薬剤とを混合
して投入し、円筒体11の供給口13から円筒体11内
に供給可能となっている。
【0048】このホッパ30に被処理物の破砕機能と反
応薬剤の混合機能を合わせて持たせ、固形物を破砕しな
がら反応薬剤と混合してもよいし、また、予め破砕した
被処理物と反応薬剤とを混合してホッパ30に投入して
もよい。
【0049】31は燃焼装置であり、例えばLNGを燃
焼させる場合には、図外のLNGタンクから供給される
LNGを燃焼して熱ガスを発生させる。この熱ガスは第
2の加熱処理炉20の円筒体21外周に設けた加熱筒2
2内に供給されて円筒体21を加熱した後、連絡管32
を介して第1の加熱処理炉10の円筒体11の加熱筒1
2内に送り込まれ、この円筒体11を加熱した後、排出
管33を介して放出される。この熱ガスを有効利用する
ため、図外の温水器に導いて温水を得る使用形態を採る
ことができる。
【0050】36は溶解槽、37は脱水手段、37aは
脱水用のモータ、37bは脱水手段37中に配備された
多孔質の容器であり、フィルタ、ネット等で袋体に形成
したものである。38は減容化された炭化物である。
【0051】40は排ガス燃焼装置、41は冷却装置、
41aは温水利用手段、42はバグフィルタ装置、42
aはバグフィルタ装置42への反応薬剤添加手段、42
bはバグフィルタ42内に備えられた濾布、43はバグ
フィルタ装置42から回収した反応薬剤、44は煙突で
ある。従って加熱処理炉とバグフィルタ装置42との間
に、排ガスが含有するタール成分を除去するための排ガ
ス燃焼装置40と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置
41とが配備されている。
【0052】次に本実施形態に基づく一連の処理方法に
ついて説明すると、予め被処理物は破砕機により破砕し
ておき、この被処理物に反応薬剤としてアルカリ金属化
合物、例えば炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を添
加混合する。この反応薬剤は、塊状、板状、多孔質形
状、粉体状、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの
組み合わにより使用される。
【0053】被処理物としては、一般廃棄物,産業廃棄
物等の固形物や、灰類,汚泥いずれでもよく、この被処
理物に対する反応薬剤の混合割合は、被処理物の含有す
る塩素量の2〜10倍、又は被処理物の5〜30重量%
とする。被処理物に反応薬剤を混合してから破砕しても
よい。
【0054】同時に燃焼装置31でLNGを燃焼して熱
ガスを発生させ、加熱筒22及び加熱筒12に供給して
第1の加熱処理炉10と第2の加熱処理炉20の炉内を
加熱状態としてから、被処理物と反応薬剤の混合物をホ
ッパ30から供給口13を介して第1の加熱処理炉10
の円筒体11内に供給する。この円筒体11は図示しな
い回転駆動手段によって回転駆動されている。
【0055】第1の加熱処理炉10での加熱処理は、被
処理物からのハロゲン物質,特に塩素系ガスが分解析出
する温度と時間を事前に調査して被処理物の性質を把握
し、この調査結果を十分にカバーできる温度(200℃
〜350℃)と時間(30分)で処理する。尚、被処理
物から塩素系ガスを分解析出させる温度としては、25
0℃〜350℃が適当である。
【0056】尚、第1の加熱処理炉10での加熱温度と
時間は、加熱処理炉の状態(大きさ、加熱手段などの炉
に依存する条件等)、被処理物の処理量などにも関係す
るので、事前に調査などを十分に行っておく必要があ
り、またデータを取り蓄積しておく必要がある。
【0057】また、第1の加熱処理炉10での加熱は、
「燃焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」での処
理とすると、析出した有害な塩素系ガスとアルカリ金属
化合物の処理剤とを効果的に接触反応させることがで
き、有害なHClガスを無害な塩化物に置換生成するこ
とができる。
【0058】第1の加熱処理炉10内においては、HC
l成分を含む塩素系ガスが発生するが、この塩素系ガス
中のHCl成分は、添加されているアルカリ金属化合
物、例えば炭酸水素ナトリウムと反応して無害な塩化物
である塩化ナトリウム(NaCl)を生成する。これによ
って、分解ガス中のHCl成分の無害化と残渣の無害化
が同時に行える。
【0059】塩素成分の析出により無害化された被処理
物は、円筒体11内の羽根Sにより撹拌されながら移送
され、排出口14から次段の供給口23を介して第2の
加熱処理炉20の円筒体21内に送り込まれ、ここで被
処理物が炭化温度と時間(紙類は350℃程度で炭化が
始まる。)350℃〜700℃,30分程度の加熱処理
もしくは灰化する温度である1000℃以上の加熱によ
り減容化処理を行う。この減容化処理工程の第2の加熱
処理炉20内には、無害な塩化物が存在するが有害な塩
素成分は存在しないので、炭化もしくは灰化した被処理
物はこれを吸収することはない。
【0060】炭化もしくは灰化した被処理物と、反応後
の塩化ナトリウム等は排出口24を介して溶解槽36内
に排出される。この溶解槽36内で被処理物と反応後の
反応薬剤等は水に溶解し、次段の脱水手段37での多孔
質の容器37bを利用した脱水作用で固体成分と液体成
分とに分離され、液体成分は排水される。炭化物の場合
には固体成分である炭化物38が容器ごと取り出され、
そのまま又は必要に応じて乾燥処理してから二次燃料等
に利用される。
【0061】第1の加熱処理炉10と第2の加熱処理炉
20での加熱で生じた排ガス中には、基本的に有害な塩
素系ガスは含まれていないが、乾留による排ガスには被
処理物の性質によって多量のタール分等可燃成分が含ま
れている。この排ガスが含有するタール分等は排ガス燃
焼装置40により燃焼除去される。
【0062】この燃焼により高温化された排ガスはその
ままバグフィルタ装置42に送り込むことができないた
め、この排ガスが冷却装置41により約200℃以下に
冷却されてからバグフィルタ装置42に送り込まれる。
この冷却装置41による熱交換作用で得られた温水は、
温水利用手段41aに供給されて熱源としての有効利用
をはかることができる。
【0063】バグフィルタ装置42には、反応薬剤添加
手段42aから前記と同様なアルカリ金属化合物、例え
ば炭酸水素ナトリウムでなる反応薬剤が噴霧されてお
り、この反応薬剤と排ガスとの反応と、該排ガスが濾布
42bを通過することで排ガスの無害化処理と清浄化処
理が行われる。尚、バグフィルタ装置42内に噴霧する
反応薬剤は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこ
れらの組み合わせからなる。
【0064】これは加熱処理炉での被処理物への反応薬
剤添加により、基本的に残渣と排ガスの無害化をはかる
ことができるが、不完全反応等の原因によって排ガス中
に少量の塩素系ガスが残存するケースが考えられる。
【0065】このような場合であっても、バグフィルタ
装置42内で排ガスと反応薬剤とを再度の反応を行わせ
ることによって塩素系ガスの残存を完全に防止すること
ができる。無害化された排ガスは煙突44から放出され
る。
【0066】バグフィルタ装置42から回収した反応薬
剤43中に少量の塩素成分が残留していても、この成分
は出発時の被処理物に含まれている塩素成分の量に比較
すると極く微量であるため、この反応薬剤43を回収し
て加熱前の被処理物に添加混合して有効に使用すること
ができる。このような使用形態を採ることによって反応
薬剤の総使用量は大きく削減することができる。
【0067】加熱処理炉内で被処理物とアルカリ金属化
合物とを加熱処理すると、分解した塩素系ガスとアルカ
リ金属化合物とが反応して分解ガスの無害化と残渣の無
害化が同時に行うことができる理由は、次の実験調査に
よって明らかとなった。
【0068】実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時、キープ時でHClガス濃度(ppm)を測定し
た。また、600℃〜1000℃についても測定した。
ガス濃度の測定は、JIS−KO804に規定されてい
る検知管によって測定した。
【0069】表1にこの測定結果を示す。HClガス濃
度は実験10回における測定値で実施例1〜実施例5は
最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
【0070】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0071】実験は、先ず塩素成分を多量に含んでいる
ポリ塩化ビニリデンのみ4gを用いて予備実験を行っ
た。その結果を表1の比較例1に示す。
【0072】次に従来より脱塩素剤として知られている
消石灰及び炭酸カルシウムの粉末を各20g添加して実
験した。その結果を比較例2及び比較例3に示す。
【0073】次に、被処理物として、加熱した場合に多
量の塩化水素を発生するポリ塩化ビニリデンと塩化ビニ
ルを選び、これに本発明で用いたアルカリ金属化合物に
よる脱塩素剤の中から表1に示す数種の物質を選んで、
添加して実験を行った。
【0074】実施例1及び実施例2は、本発明で用いた
炭酸水素ナトリウムの粉末20gを被処理物のポリ塩化
ビニリデン4g及び塩化ビニル4gに添加した場合、実
施例3〜実施例5は、同じ被処理物のポリ塩化ビニリデ
ン4gに、本発明で用いた炭酸水素カリウム10g、水
酸化ナトリウム20g、水酸化カリウム20gを夫々添
加した場合で、各実施例において被処理物と脱塩素剤と
を混合して実験を行った。以上の結果を比較例の結果と
ともに表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】表1の実験結果から、以下のように考察さ
れる。
【0077】先ず、塩素成分を多量に含有するポリ塩化
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤添加しない
比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガス
が多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素剤
である消石灰を添加した比較例2と炭酸カルシウムを添
加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガスの
発生がかなり抑制されているものの、まだ十分であると
はいえない。
【0078】これに対して、本実験では実施例3及び実
施例5の450℃において極微量(1ppm,2pp
m)の塩化水素ガスが検出されたが、それ以外は全温度
範囲に渡り全く検出されず、極めて良好な結果が得られ
た。
【0079】また、被処理物に塩化ビニルを用いて炭酸
水素ナトリウムを添加した場合も、実施例2に示したよ
うに、何れの温度領域においても塩化水素の生成は完全
に抑制されている。
【0080】以上の実験調査により、脱塩素処理する場
合には塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成する、
アルカリ金属化合物を添加して処理することで、無害化
処理できることが確認できた。
【0081】なお、600℃以上においても同様な脱塩
素効果はあるが、設備の形態、時間、処理量などに基づ
いて決定すればよい。
【0082】アルカリ金属化合物を添加して処理する
と、塩素系ガスの無害化処理ができる理由は、次のよう
な反応による。
【0083】炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)+
(HCl)→(NaCl)+(H2O)+(CO2) 炭酸水素カリウム(KHCO3)+(HCl)→(KC
l)+(H2O)+(CO2) 水酸化ナトリウム(NaOH)+(HCl)→(NaC
l)+(HO) 水酸化カリウム(KOH)+(HCl)→(KCl)+
(H2O) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
塩化水素(HCl)が分解析出する温度(250℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のNaOH,KOHと発生したHClとの反応がスムー
ズに行える雰囲気状態となっているものと考えられる。
【0084】すなわち、反応状態は、炭酸水素ナトリウ
ムの場合 (NaHCO3)→(NaOH)+(CO2) (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) となり、NaOH、KOHとHClとが迅速に反応して
無害な塩化物(NaCl,KCl)を新たに生成するも
のである。
【0085】一方、炭酸カルシウム(CaCO3)、消
石灰(Ca(OH)2)の場合には、同様に無害な塩化
物(CaCl)を生成するもののCaとの反応がスムー
ズでないものと思われる。
【0086】上記のように生成した、NaCl,KCl
は無害な塩化物であり、上記物質以外にも、同様に、N
aCl,KClを生成するナトリウム系、カリウム系の
下記の物質があり、同様な効果が得られる。
【0087】炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
【0088】次に処理後の塩素系物質の確認を行った。
【0089】得られた残渣を分析した結果、有害な塩素
系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナト
リウム、塩化カリウムが検出された。更に残渣を10分
間撹拌して水洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩
化カリウムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭
化物中にも有害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
【0090】従って、有害な塩素成分は、残渣の一部と
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシンの原因となる塩化水素を発生することはなく、排
ガス及び残渣の無害化が実現できる。
【0091】このような、有害な塩素成分処理に使用す
る処理剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱硫剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、から選択した単体、複
数種の混合が適合することも判明した。
【0092】従って、発生する分解ガス中の有害な塩素
成分と加えた処理剤との接触反応により、有害な塩素成
分が無害な塩化ナトリウム(NaCl、KCl)に置換
生成されるので、分解ガスおよび残渣から有害な成分
(塩素系ガス)を無くすることができ、無害な分解ガス
および無害な残渣とすることができる。
【0093】この無害化された残渣(被処理物)は、第
2の加熱処理炉20で炭化処理が行われ、反応生成物の
無害な塩化物として溶解槽36に取り出される。この塩
化物は水などの溶液で洗浄することにより、効果的に除
去できる。
【0094】以上のように本発明は、加熱処理炉を最低
限1基、好ましくは2基設け、2基設けた場合には、一
方の加熱処理炉で被処理物から有害物質を分解析出し、
同時に析出したガスとアルカリ金属化合物とを反応させ
て無害化し、この無害化した被処理物を他の加熱処理炉
で炭化処理することを基本としており、加熱処理炉の数
およびその配置の仕方は設置場所の条件等により任意に
選定しても実現できる。その実施の形態を模式図によっ
て説明する。
【0095】ここで第1及び第2の加熱処理炉10,2
0を夫々分解反応手段1及び減容手段2とすると、図1
の第1の実施の形態は図3のように模式化される。即
ち、分解反応手段1および減容手段2はダクト3の一方
の側面の同一垂直線上の上下に略平行に配置され、上部
の分解反応手段1で処理した被処理物をダクト3を介し
て下部の減容手段2で減容化して排出する。なお、4は
開閉度の制御可能な開閉扉(仕切)を示している。
【0096】図4に示す第2実施形態では、分解反応手
段1と減容手段2とをダクト3を挟み両側に直線的に配
置してある。しかし、必ずしも直線的に配置する必要は
なく、平面的に見てダクトを中心に任意の角度で放射状
に配置してもよい。
【0097】図5に示す第3実施形態では、分解反応手
段1と減容手段2とをダクト3の同一側面ではあるが垂
直方向をづらして配置した場合であり、(A)は正面
図、(B)は側面図を示している。
【0098】なお、上記の各実施形態はダクト3を垂直
に立設した場合であるが、必ずしも垂直である必要はな
く、傾斜させてもよい。
【0099】図6に示す第4の実施形態では、分解反応
手段1と減容手段2とを同一平面上に設置した場合で、
この場合はダクト3内にスクリュー体又はコンベヤ等の
被処理物を移送する移送手段を設ける。
【0100】以上のように本発明は、第1の加熱処理炉
10で被処理物から有害物質を分解析出し、同時に析出
したガスとアルカリ物質とを反応させて無害化し、この
無害化した被処理物を第2の加熱処理炉20で減容化処
理するとともに、加熱で生じた排ガス中のタール分等の
可燃成分を排ガス燃焼装置40により燃焼除去し、更に
冷却装置41により冷却してからバグフィルタ装置42
に送り込み、反応薬剤と再度の反応を行うことによって
塩素系ガスの残存を完全に防止することができる。
【0101】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、被処理物
の含有する有害成分を分解析出させると同時にアルカリ
金属化合物からなる反応薬剤と反応させる分解反応と、
その後の被処理物を加熱して減容化処理するを同一もし
くは別の加熱処理炉で行い、得られた無害な残渣を炭化
物もしくは灰化物として回収するとともに、排ガスは濾
布を備えたバグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ
装置内にアルカリ金属化合物からなる反応薬剤を噴霧し
て排ガスの無害化処理と清浄化処理を行うようにしたの
で、次の効果を奏する。
【0102】(1)廃棄物等の被処理物が含有している
ハロゲン物質を分解析出させる分解反応工程で、被処理
物とアルカリ金属化合物からなる反応薬剤とを共に加熱
しているため、分解析出した塩素系ガスと反応薬剤との
接触反応が迅速且つ確実に行われ、無害な塩化物を生成
するとともに、排ガスを後工程でのバグフィルタ装置に
おいて同様な反応薬剤を噴霧しながら処理することによ
り、仮に排ガス中に僅かに塩素系ガスが残存している場
合でも、この塩素系ガスと反応薬剤とがバグフィルタ装
置内で反応して無害な塩化物を生成して除去することが
できる。
【0103】(2)バグフィルタ装置で使用した反応薬
剤には、塩素系ガスと反応した成分が含まれているが、
これは無害な塩化物であり、又、この量は加熱処理前の
被処理物に含まれている塩素系の成分に比較すると極め
て微量であるため、バグフィルタ装置から回収した反応
薬剤はほとんど未反応のものであり、この反応薬剤を加
熱前の被処理物に添加混合して再使用することにより、
反応薬剤の有効活用がはかれるとともに反応薬剤の総使
用量を削減してランニングコストを低減することができ
る。
【0104】(3)塩化物からなる残渣と排ガス中に
は、ダイオキシン類を生成する塩素系ガスが存在しない
ので、煙道その他の施設が腐食する惧れがなく、装置の
寿命を延ばすことができる。
【0105】(4)ハロゲン物質(特に塩素)を含有す
る廃棄物であっても、塩素を除去した無害な排ガスと無
害な残渣を得ることができるため、得られた残渣は減容
化処理により炭化もしくは灰化されて再利用することが
可能である。
【0106】(5)廃棄物処理を無害化処理すること
で、従来の処理では有害であった廃棄物を無害化処理で
きることから、これらの無害化した廃棄物を利用して新
たな資源を再生産することができて、21世紀の子孫に
有益な環境と技術を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の廃棄物処理設備の概念
図。
【図2】図1の円筒体の縦断面図。
【図3】本発明の第1実施形態の模式図。
【図4】本発明の第2実施形態の模式図。
【図5】本発明の第3実施形態の模式図。
【図6】本発明の第4実施形態の模式図。
【符号の説明】
10…第1の加熱処理炉 11,21…円筒体 12,22…加熱筒 13,23…供給口 14,24…排出口 15,25…供給側ダクト 16,26…排出側ダクト 28…固定部材 30…ホッパ 31…燃焼装置 32…連絡管 33…排出管 36…溶解槽 37…脱水手段 38…炭化物 40…排ガス燃焼装置 41…冷却装置 42…バグフィルタ装置 42a…反応薬剤添加手段 43…反応薬剤 44…煙突

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害成分を含有する廃棄物等の被処理物
    を加熱処理炉で処理して該被処理物を減容化し、排出し
    た排ガスをバグフィルタ装置を介して清浄化してから排
    出するバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設に
    おいて、 該処理施設は、被処理物にアルカリ金属化合物からなる
    反応薬剤を添加して加熱処理炉で加熱し、被処理物から
    塩素系ガスを分解析出するとともに反応薬剤と接触反応
    させて無害な塩化物を生成することで排ガスの無害化と
    被処理物の無害化処理を行う分解反応工程と、該分解反
    応工程で処理した被処理物を加熱処理して炭化物もしく
    は灰化物とし減容化する減容化処理工程とからなり、得
    られた無害な残渣を回収し、排ガスは濾布を備えたバグ
    フィルタ装置に導入し、該バグフィルタ装置内にアルカ
    リ金属化合物からなる反応薬剤を噴霧して排ガスの無害
    化処理と清浄化処理を行うことを特徴とするバグフィル
    タ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  2. 【請求項2】 バグフィルタ装置で使用した後のアルカ
    リ金属化合物からなる反応薬剤を回収して、加熱前の被
    処理物に添加することを特徴とする請求項1記載のバグ
    フィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  3. 【請求項3】 加熱処理炉とバグフィルタ装置との間
    に、排ガスが含有するタール分等の可燃成分を除去する
    排ガス燃焼装置と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置
    とを配備したことを特徴とする請求項1又は2項に記載
    のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸
    化物の物質であることを特徴とする請求項1又は2項に
    記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  5. 【請求項5】 水酸化物,炭酸化物は、ナトリウム系、
    カリウム系の物質であることを特徴とする請求項4記載
    のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  6. 【請求項6】 反応薬剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸
    カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウ
    ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単
    体、又は複数種の混合であることを特徴とする請求項1
    又は2項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の
    処理施設。
  7. 【請求項7】 加熱処理炉で使用する反応薬剤は、塊
    状、板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸濁液の何れ
    か、もしくはこれらの組み合わせであることを特徴とす
    る請求項1,2,4,5又は6項の何れか1項に記載の
    バグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  8. 【請求項8】 加熱処理炉で使用する反応薬剤の添加量
    は、被処理物の含有する塩素量の2〜10倍、もしくは
    被処理物の5〜30重量%としたことを特徴とする請求
    項1,2,4,5,6又は7項の何れか1項に記載のバ
    グフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  9. 【請求項9】 バグフィルタ装置で使用するアルカリ物
    質は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの
    組み合わせであることを特徴とする請求項1,2,4,
    5又は6項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備
    えた廃棄物等の処理施設。
  10. 【請求項10】 分解反応工程と減容化処理工程とを単
    一の加熱処理炉で行うことを特徴とする請求項1又は2
    項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施
    設。
  11. 【請求項11】 分解反応工程と減容化処理工程とを異
    なる加熱処理炉で行うことを特徴とする請求項1又は2
    項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施
    設。
  12. 【請求項12】 分解反応工程で用いる加熱処理炉と、
    減容化処理工程で用いる加熱処理炉とを少なくとも各1
    基設置して、両加熱処理炉をダクトを介して被処理物が
    移送可能に連通したことを特徴とする請求項1,2又は
    11項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備えた
    廃棄物等の処理施設。
  13. 【請求項13】 分解反応工程と減容化処理工程で用い
    る複数個の加熱処理炉を、ダクトの一方の側面に、上下
    方向もしくは水平方向に平行して配置したことを特徴と
    する請求項1,2,11又は12項の何れか1項に記載
    のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  14. 【請求項14】 分解反応工程と減容化処理工程で用い
    る複数個の加熱処理炉を、ダクトを挟んで両側に平行し
    て配置したことを特徴とする請求項1,2,11又は1
    2項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃
    棄物等の処理施設。
  15. 【請求項15】 分解反応工程は、被処理物の乾燥工程
    と、反応薬剤との反応による塩化物生成工程とからなる
    ことを特徴とする請求項1,2,10,11,12,1
    3,又は14項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置
    を備えた廃棄物等の処理施設。
  16. 【請求項16】 分解反応工程における被処理物の乾燥
    工程と、反応薬剤との反応による塩化物生成工程とは同
    一の加熱処理炉もしくは異なる加熱処理炉で行うことを
    特徴とする請求項15に記載のバグフィルタ装置を備え
    た廃棄物等の処理施設。
  17. 【請求項17】 分解反応工程における加熱処理温度
    は、被処理物からハロゲン物質が分解析出する温度であ
    ることを特徴とする請求項1,2,10,11,12,
    13,14,15又は16項の何れか1項に記載のバグ
    フィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  18. 【請求項18】 分解反応工程における加熱処理温度
    は、被処理物から塩素系ガスが分解析出する温度である
    250℃〜350℃であることを特徴とする請求項1,
    2,10,11,12,13,14,15,16又は1
    7項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃
    棄物等の処理施設。
  19. 【請求項19】 減容化処理工程の加熱処理は、被処理
    物が炭化もしくは灰化する温度で加熱することを特徴と
    する請求項1,2,10,11,12,13又は14項
    の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物
    等の処理施設。
  20. 【請求項20】 減容化処理工程の加熱処理温度は、被
    処理物が炭化する温度である350℃〜700℃、又は
    被処理物が灰化する温度である1000℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1,2,10,11,12,1
    3,14又は19項の何れか1項に記載のバグフィルタ
    装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  21. 【請求項21】 分解反応工程と減容化処理工程で用い
    る加熱処理炉は、円筒形で内部に被処理物の撹拌と移送
    手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,10,1
    1,12,13,14,15又は16項の何れか1項に
    記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
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