JPH11290817A - バグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設 - Google Patents

バグフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設

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JPH11290817A
JPH11290817A JP10103227A JP10322798A JPH11290817A JP H11290817 A JPH11290817 A JP H11290817A JP 10103227 A JP10103227 A JP 10103227A JP 10322798 A JP10322798 A JP 10322798A JP H11290817 A JPH11290817 A JP H11290817A
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JP
Japan
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bag filter
filter device
treated
exhaust gas
heat treatment
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Application number
JP10103227A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素等を含有する廃棄物を単一の回転処理炉
で加熱し炭化処理して排出する場合、分解した有害な塩
素成分が加熱処理炉内に充満し、残渣がこれを吸収する
ため、残渣の有効利用と排ガスの無害化をはかることが
できない。 【解決手段】 被処理物とアルカリ物質の反応薬剤とを
第1の加熱処理炉10で加熱処理して有害な塩素成分を
熱分解するのと同時に反応薬剤との反応で無害な塩化物
でなる残渣を生成し、無害化処理された被処理物を第2
の加熱処理炉20で減容化処理してハロゲン物質を含ま
ない炭化物を得るとともに排ガスは濾布を備えたバグフ
ィルタ装置42に導入し、該バグフィルタ装置42内に
アルカリ物質でなる反応薬剤を噴霧して排ガスの無害化
処理と清浄化処理を行い、且つバグフィルタ装置で使用
した反応薬剤を再び第1の加熱処理炉10で使用するこ
とで反応薬剤の有効利用をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバグフィルタを備え
た廃棄物等の処理施設に関し、特に被処理物にアルカリ
物質からなる反応薬剤を添加して加熱処理し、且つ同様
な反応薬剤をバグフィルタ装置で使用することにより、
ハロゲン(塩素,臭素,ヨウ素)を多量に含有する廃棄
物から無害な残渣と排ガスを得るとともに、このバグフ
ィルタ装置で使用した後の反応薬剤を回収して被処理物
に添加することにより、反応薬剤の使用量を削減するよ
うにした廃棄物等の処理施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミなどの一般廃棄物や産業廃棄
物、シュレッダーダスト、塩化ビニルなどの廃棄物はハ
ロゲン物質(塩素、臭素、沃素、フッ素、アスタチ
ン)、特に、塩素成分を多量に含んでいるので、焼却な
どの加熱処理をした場合には、塩素系ガス(塩化水素、
塩素)が多量に発生し、発生した排ガス中、及び排ガス
処理のためにバグフィルタで使用した処理済み粉末、排
ガス中の飛灰、焼却後の残渣(処理灰)中に猛毒のダイ
オキシン類が生成して残存することが知られている。
【0003】ごみ焼却場等の排ガスを処理するためにバ
グフィルタが使用されている。このバグフィルタ装置の
一例として、特開平8−108026号公報に記載のも
のがある。この公報には、容器内に複数個の濾布を設
け、下部のバグフィルタハウスホッパ部から反応薬剤と
しての消石灰と排ガスとを導入し、消石灰を濾布に付着
させ、この濾布を通過させることで排ガスを処理するよ
うになし、特に複数個の濾布に対して消石灰の付着層を
均一に形成することにより、少ない消石灰量で高い排ガ
ス処理性能を持つようにしたバグフィルタ装置例が記載
されている。
【0004】この装置例では、反応薬剤として消石灰を
使用しており、排ガスと接触反応した後の反応薬剤には
塩素成分とか、生成したダイオキシン類が付着している
ため、未反応の反応薬剤があっても再利用することはで
きない。従ってこれらの反応薬剤は所定の無害化処理を
行ってから埋立処分などの処理を行わなければならな
い。
【0005】又、前記焼却手段に代えて、被処理物を熱
分解(乾留)し、分解後の残渣を炭化又は灰化等により
減容化する方法も知られている。この処理方法として
は、単一の回転処理炉(ロータリーキルン)を使用して
熱分解し、排出された残渣を後ストーカで焼却し、熱分
解ガスを再燃室で燃焼させ、発生した高温ガスをボイラ
等を通した後、反応塔に導き、この反応塔で前述同様に
消石灰スラリを噴霧して排ガスと反応させるようにして
処理する方法(例えば、特開平5−33916号)があ
る。
【0006】更に、焼却による塩素系ガスの発生という
問題を解決するため、特開平9−155326号公報に
は、塩素成分を含有する被処理物を熱処理する時に、塩
素及び塩素化合物と反応しやすいアルカリ系の添加物を
適量混入し、処理灰に塩素成分を効果的に固定化し、更
にこの処理灰を水処理することで処理灰から塩素を除去
するようにした廃棄物の処理方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平9−155
326号は本出願人が提案した廃棄物の処理方法である
が、被処理物に含まれている塩素とか塩素化合物と反応
しやすいアルカリ系の添加物を適量混入して、焼却では
ない熱分解手段により処理する方法であることから、発
生した塩素系ガスが発生時点で反応して無害な塩化物を
生成し、残渣と排ガスの無害化が実現されるという特徴
がある。
【0008】しかし被処理物の性質は安定したものでは
なく、事前に被処理物の性質を完全に予測することは困
難である。又、被処理物にアルカリ系の物質を添加する
ことによって基本的に残渣と排ガスの無害化をはかるこ
とができるものの、不完全反応などの現象によって少量
の塩素系ガス成分が排ガス中に残存することを完全に防
止することができないという課題が残っている。
【0009】従って排ガス中に塩素系ガスが残存するこ
とを完全に防止するには、特開平8−108026号公
報に記載されているように、加熱処理後の後工程で排ガ
スを濾布を備えたバグフィルタ装置に導入して、反応薬
剤の併用により該排ガスの無害化及び清浄化を行う手段
が必要である。
【0010】更に焼却処理及び乾留処理の共通の問題点
として、被処理物が多量の塩素系ガスを含む場合には、
加熱処理炉及び煙道など施設の腐食が著しいものとな
り、施設の耐久性の低下とか排ガス漏れなどを引き起こ
す惧れがあり、保守の面からも留意する必要がある。
【0011】そこで本発明は、被処理物の分解処理時に
被処理物から分解析出した有害成分とアルカリ物質とを
接触反応させて、無害な塩化物を形成することで、排ガ
スおよび残渣の無害化処理を行い、この無害化された残
渣を別の加熱処理炉で炭化等により減容化処理するとと
もに、排ガスはバグフィルタ装置に導入して、再度のア
ルカリ物質との接触反応により完全な無害化処理を行う
ようにした技術を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、加熱処理炉において被処理物にアルカリ物質か
らなる反応薬剤を添加して加熱処理することにより、原
則的に排ガスと残渣の無害化をはかることができるこ
と、この排ガスを後工程でのバグフィルタ装置において
同様なアルカリ物質からなる反応薬剤を噴霧しながら処
理することにより、排ガス中に僅かに塩素系ガスが残存
している場合でも、この塩素系ガスと反応薬剤とがバグ
フィルタ装置内で反応して無害な塩化物を生成して除去
可能であるという知見を得た。
【0013】また、バグフィルタ装置で使用した反応薬
剤中には、反応後の塩化物が含まれているが、これは無
害な塩化物であり、バグフィルタ装置を通過する排ガス
中に含まれている塩素成分は加熱処理出発時の被処理物
に含まれている塩素成分の量に比較すると極く微量であ
る。従ってバグフィルタ装置内で反応する反応薬剤も極
く僅かであり、未反応の反応薬剤がほとんどであるた
め、使用後の反応薬剤を回収して加熱前の被処理物に添
加混合して使用することにより、反応薬剤の総使用量を
削減することが可能になることを見い出した。
【0014】更に加熱処理炉は略密閉空間であり、被処
理物に付着(又は含有)している水分を除去する環境
と、その後に被処理物に含まれているダイオキシン類生
成に起因するハロゲン物質(特に塩素系ガス)を被処理
物から分解析出し、且つアルカリ物質と接触反応させる
環境と、その後の炭化等により減容化処理する環境とを
各々別の加熱処理炉で行えば、残渣と排ガスの無害化が
はかれるという知見を得た。
【0015】特に前工程の分解反応工程の加熱処理炉
と、後工程の減容化処理工程の加熱処理炉とを別々の処
理炉で処理することにより、従来のように単一の加熱処
理炉で行う場合に比較して、分解した有害成分が撹拌さ
れている被処理物に巻き込まれて残存することがないこ
とが判明した。
【0016】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものである。
【0017】そこで、本発明による課題解決の具体的手
段は、有害成分を含有する被処理物の加熱処理を、この
被処理物にアルカリ物質からなる反応薬剤を添加して加
熱処理炉で加熱して、被処理物から塩素系ガスを分解析
出するとともに、アルカリ物質と接触反応させて無害な
塩化物を生成することで排ガスの無害化と被処理物の無
害化処理を行う分解反応工程と、該分解反応工程で処理
した被処理物を加熱処理して炭化等により減容化する減
容化処理工程とで行い、得られた無害な残渣を炭化物と
して回収し、排ガスは濾布を備えたバグフィルタ装置に
導入し、該バグフィルタ装置内にアルカリ物質からなる
反応薬剤を噴霧して排ガスの無害化処理と清浄化処理を
行うようにするとともに、バグフィルタ装置で使用した
反応薬剤を回収して被処理物に添加することにより、反
応薬剤の使用量を削減することに特徴を有するものであ
る。
【0018】分解反応工程において、加熱処理炉に被処
理物とアルカリ物質を添加して200℃〜350℃に加
熱すると、被処理物から分解析出したガスは発生と同時
に周辺に存在するアルカリ物質と接触反応して無害な塩
化物に置換生成され、排ガスの無害化ができ、同時に有
害な塩素成分を含まない被処理物となる。
【0019】減容化処理工程での加熱処理は、被処理物
が炭化する温度である350℃〜700℃とすることに
より、他の用途、例えば二次燃料として安全に使用可能
な炭化物が得られる。
【0020】分解反応工程は、被処理物をそのまま、又
は乾燥する乾燥工程を経た後、塩化物を生成する工程に
移る。水分を除去する乾燥処理炉、ハロゲン物質を分解
析出して反応させて塩化物を生成する処理炉および/又
は炭化処理する加熱処理炉は、少なくとも1基は配置す
る必要があるが、必要に応じて複数配置してもよい。
【0021】上記加熱処理炉とバグフィルタ装置との間
に、排ガスが含有するタール成分を除去する排ガス燃焼
装置と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置を備える。
【0022】分解反応工程で添加するアルカリ物質は、
ハロゲン物質と反応して無害な塩化物を生成する、アル
カリ金属(Na,Kなど)、アルカリ土類金属(Ca,
Sr,Ba,Ra)、アルカリ土類金属化合物(石灰,
消石灰,炭酸カルシウム,ドロマイドなど)に含まれる
物質の中から、少なくとも1種類を選択、又は2種以上
を混合する。
【0023】これらの加熱処理炉で使用するアルカリ物
質は、塊状、板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸濁液
の何れか、もしくはこれらの組み合わせで構成され、該
アルカリ物質の添加量は、被処理物の含有する塩素量の
2〜10倍、もしくは被処理物の5〜30重量%とす
る。
【0024】また、バグフィルタ装置で使用するアルカ
リ物質は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれ
らの組み合わせにより使用する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図1は本実施形態を具現するための
廃棄物処理施設の概念図であり、図中の10は第1の加
熱処理炉、20は第2の加熱処理炉を示す。第1の加熱
処理炉10は、回転自在の円筒体11と、該円筒体11
の外周にガスダクトを形成して熱ガスの導入により円筒
体11を加熱する加熱筒12と、円筒体11の一方の端
部に設けられ、被処理物を円筒体11内に供給する供給
口13と、円筒体11の他方の端部に設けられた排出口
14とで構成され、この円筒体11は図示しない回転駆
動手段によって回転駆動される。
【0026】円筒体11の回転駆動手段は、通常の駆動
用モータと駆動歯車及び円筒体に設けられた従動歯車等
から構成される。
【0027】15は供給口13側を包囲する供給側ダク
ト、16は排出口14側を包囲する排出側ダクトであ
る。
【0028】第2の加熱処理炉20の構成は、第1の加
熱処理炉10の構成とほぼ同一であり、回転自在の円筒
体21と、該円筒体21の外周にあって熱ガスの導入に
より円筒体21を加熱する加熱筒22と、円筒体21の
一方の端部,この例では第1の加熱処10の排出口14
側に設けられ、被処理物を円筒体21内に供給する供給
口23と、円筒体21の他方の端部に設けられた排出口
24とで構成されている。
【0029】25は第2の加熱処理炉20への供給口2
3側を包囲する供給側ダクト、26は同排出口24側を
包囲する排出側ダクトである。第1の加熱処理炉10の
円筒体11と、第2の加熱処理炉20の円筒体21とは
上下方向に配設され、図2の要部断面図に示したよう
に、円筒体11(21)外周に配置された加熱筒12
(22)が固定部材28により支持固定されており、こ
の円筒体11(21)の内部には、被処理物を撹拌・移
送する複数の羽根Sが設けられ、円筒体11(21)自
体の回転によって被処理物と反応薬剤の混合物を排出口
14,24側に移送する構成となっている。
【0030】30はホッパであり、このホッパ30に被
処理物とアルカリ物質からなる反応薬剤とを混合して投
入し、円筒体11の供給口13から円筒体11内に供給
可能となっている。
【0031】このホッパ30に被処理物の破砕機能と反
応薬剤の混合機能を合わせて持たせ、固形物を破砕しな
がら反応薬剤と混合してもよいし、また、予め破砕した
被処理物と反応薬剤とを混合してホッパ30に投入して
もよい。
【0032】31は燃焼装置であり、例えばLNGを燃
焼させる場合には、図外のLNGタンクから供給される
LNGを燃焼して熱ガスを発生させる。この熱ガスは第
2の加熱処理炉20の円筒体21外周に設けた加熱筒2
2内に供給されて円筒体21を加熱した後、連絡管32
を介して第1の加熱処理炉10の円筒体11の加熱筒1
2内に送り込まれ、この円筒体11を加熱した後、排出
管33を介して放出される。この熱ガスを有効利用する
ため、図外の温水器に導いて温水を得る使用形態を採る
ことができる。
【0033】36は溶解槽、37は脱水手段、37aは
脱水用のモータ、37bは脱水手段37中に配備された
多孔質の容器であり、フィルタ、ネット等で袋体に形成
したものである。38は減容化された炭化物である。
【0034】40は排ガス燃焼装置、41は冷却装置、
41aは温水利用手段、42はバグフィルタ装置、42
aはバグフィルタ装置42への反応薬剤添加手段、42
bはバグフィルタ42内に備えられた濾布、43はバグ
フィルタ装置42から回収した反応薬剤、44は煙突で
ある。従って加熱処理炉とバグフィルタ装置42との間
に、排ガスが含有するタール成分を除去するための排ガ
ス燃焼装置40と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置
41とが配備されている。
【0035】次に本実施形態に基づく一連の処理方法に
ついて説明すると、予め被処理物は破砕機により破砕し
ておき、この被処理物に反応薬剤としてアルカリ物質、
例えば炭酸カルシウム(CaCO3)を添加混合する。
このアルカリ物質は、塊状、板状、多孔質形状、粉体
状、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの組み合わ
により使用される。
【0036】被処理物としては、一般廃棄物,産業廃棄
物等の固形物や、灰類,汚泥いずれでもよく、この被処
理物に対するアルカリ物質の混合割合は、被処理物の含
有する塩素量の2〜10倍、又は被処理物の5〜30重
量%とする。被処理物に処理剤を混合してから破砕して
もよい。
【0037】同時に燃焼装置31でLNGを燃焼して熱
ガスを発生させ、加熱筒22及び加熱筒12に供給して
第1の加熱処理炉10と第2の加熱処理炉20の炉内を
加熱状態としてから、被処理物と反応薬剤の混合物をホ
ッパ30から供給口13を介して第1の加熱処理炉10
の円筒体11内に供給する。この円筒体11は図示しな
い回転駆動手段によって回転駆動されている。
【0038】第1の加熱処理炉10での加熱処理は、被
処理物からのハロゲン物質,特に塩素系ガスが分解析出
する温度と時間を事前に調査して被処理物の性質を把握
し、この調査結果を十分にカバーできる温度(200℃
〜350℃)と時間(30分)で処理する。尚、被処理
物から塩素系ガスを分解析出させる温度としては、25
0℃〜350℃が適当である。
【0039】尚、第1の加熱処理炉10での加熱温度と
時間は、加熱処理炉の状態(大きさ、加熱手段などの炉
に依存する条件等)、被処理物の処理量などにも関係す
るので、事前に調査などを十分に行っておく必要があ
り、またデータを取り蓄積しておく必要がある。
【0040】また、第1の加熱処理炉10での加熱は、
「燃焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」での処
理とすると、析出した有害な塩素系ガスとアルカリ物質
の処理剤とを効果的に接触反応させることができ、有害
なHClガスを無害な塩化物に置換生成することができ
る。
【0041】第1の加熱処理炉10内においては、HC
l成分を含む塩素系ガスが発生するが、この塩素系ガス
中のHCl成分は、添加されている炭酸カルシウムと反
応して無害な塩化物である塩化カルシウム(CaCl2)
を生成する。これによって、分解ガス中のHCl成分の
無害化と残渣の無害化が同時に行える。反応式は以下の
通りである。
【0042】CaCO3 → CaO + CO2 CaO + 2HCl → CaCl2 + H2O 塩素成分の析出により無害化された被処理物は、円筒体
11内の羽根Sにより撹拌されながら移送され、排出口
14から次段の供給口23を介して第2の加熱処理炉2
0の円筒体21内に送り込まれ、ここで被処理物が炭化
する温度と時間(紙類は350℃程度で炭化が始ま
る。)350℃〜700℃,30分程度の加熱処理によ
り減容化処理を行う。この減容化処理工程の第2の加熱
処理炉20内には、無害な塩化物が存在するが有害な塩
素成分は存在しないので、炭化した被処理物はこれを吸
収することはない。
【0043】炭化した被処理物と、反応後の塩化カルシ
ウム等は排出口24を介して溶解槽36内に排出され
る。この溶解槽36内で被処理物と反応後の反応薬剤等
は水に溶解し、次段の脱水手段37での多孔質の容器3
7bを利用した脱水作用で固体成分と液体成分とに分離
され、液体成分は排水されるとともに固体成分である炭
化物38は容器ごと取り出され、そのまま又は必要に応
じて乾燥処理してから二次燃料等に利用される。
【0044】第1の加熱処理炉10と第2の加熱処理炉
20での加熱で生じた排ガス中には、基本的に有害な塩
素系ガスは含まれていないが、乾留による排ガスには被
処理物の性質によって多量のタール成分が含まれてい
る。この排ガスが含有するタール成分は排ガス燃焼装置
40により燃焼除去される。
【0045】この燃焼により高温化された排ガスはその
ままバグフィルタ装置42に送り込むことができないた
め、この排ガスが冷却装置41により約200℃以下に
冷却されてからバグフィルタ装置42に送り込まれる。
この冷却装置41による熱交換作用で得られた温水は、
温水利用手段41aに供給されて熱源としての有効利用
をはかることができる。
【0046】バグフィルタ装置42には、反応薬剤添加
手段42aから前記と同様なアルカリ物質、例えば炭酸
カルシウムでなる反応薬剤が噴霧されており、この反応
薬剤と排ガスとの反応と、該排ガスが濾布42bを通過
することで排ガスの無害化処理と清浄化処理が行われ
る。尚、バグフィルタ装置42内に噴霧するアルカリ物
質は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの
組み合わせからなる。
【0047】これは加熱処理炉での被処理物へのアルカ
リ物質添加により、基本的に残渣と排ガスの無害化をは
かることができるが、不完全反応等の原因によって排ガ
ス中に少量の塩素系ガスが残存するケースが考えられ
る。
【0048】このような場合であっても、バグフィルタ
装置42内で排ガスとアルカリ物質とを再度の反応を行
わせることによって塩素系ガスの残存を完全に防止する
ことができる。無害化された排ガスは煙突44から放出
される。
【0049】バグフィルタ装置42から回収した反応薬
剤43に含まれているものは大部分がアルカリ物質であ
り、仮に排ガス中に少量の塩素系ガスが残留していて
も、この成分は出発時の被処理物に含まれている塩素成
分の量に比較すると極く微量であるため、これと反応す
る反応薬剤も極く僅かであるため、反応薬剤43を回収
して加熱前の被処理物に添加混合して有効に使用するこ
とができる。このような使用形態を採ることによって反
応薬剤の総使用量は大きく削減することができる。
【0050】以上のように本発明は、廃棄物の加熱処理
炉を少なくとも二基設け、第1の加熱処理炉10で被処
理物から有害物質を分解析出し、同時に析出したガスと
アルカリ物質とを反応させて無害化し、この無害化した
被処理物を第2の加熱処理炉20で減容化処理するとと
もに、加熱で生じた排ガス中のタール成分を排ガス燃焼
装置40により燃焼除去し、更に冷却装置41により冷
却してからバグフィルタ装置42に送り込み、アルカリ
物質でなる反応薬剤と再度の反応を行うことによって塩
素系ガスの残存を完全に防止することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、被処理物
の含有する有害成分を分解析出させると同時にアルカリ
物質と反応させる分解反応手段と、その後の被処理物を
加熱して炭化等による減容化処理する手段とを別の加熱
処理炉で行い、得られた無害な残渣を炭化物として回収
するとともに排ガスは濾布を備えたバグフィルタ装置に
導入し、該バグフィルタ装置内にアルカリ物質でなる反
応薬剤を噴霧して排ガスの無害化処理と清浄化処理を行
うようにしたので、次の効果を奏する。
【0052】(1)廃棄物等の被処理物が含有している
ハロゲン物質を分解析出させる分解反応工程で、被処理
物とアルカリ物質とを共に加熱しているため、分解析出
した塩素系ガスとアルカリ物質との接触反応が迅速且つ
確実に行われ、無害な塩化物を生成するとともに、排ガ
スを後工程でのバグフィルタ装置において同様なアルカ
リ物質からなる反応薬剤を噴霧しながら処理することに
より、仮に排ガス中に僅かに塩素系ガスが残存している
場合でも、この塩素系ガスと反応薬剤とがバグフィルタ
装置内で反応して無害な塩化物を生成して除去すること
ができる。
【0053】(2)バグフィルタ装置で使用した反応薬
剤には、塩素系ガスと反応した成分が含まれているが、
これは無害な塩化物であり、又、この量は加熱処理前の
被処理物に含まれている塩素系の成分に比較すると極め
て微量であるため、バグフィルタ装置から回収した反応
薬剤はほとんど未反応のものであり、この反応薬剤を加
熱前の被処理物に添加混合して再使用することにより、
反応薬剤の有効活用がはかれるとともに反応薬剤の総使
用量を削減してランニングコストを低減することができ
る。
【0054】(3)塩化物からなる残渣と排ガス中に
は、ダイオキシン類を生成する塩素系ガスが存在しない
ので、煙道その他の施設が腐食する惧れがなく、装置の
寿命を延ばすことができる。
【0055】(4)ハロゲン物質(特に塩素)を含有す
る廃棄物であっても、塩素を除去した無害な排ガスと無
害な残渣を得ることができるため、得られた残渣は減容
化処理により炭化物に変換されて安全な二次燃料として
有効に再利用することができる。
【0056】(5)廃棄物処理を無害化処理すること
で、従来の処理では有害であった廃棄物を無害化処理で
きることから、これらの無害化した廃棄物を利用して新
たな資源を再生産することができて、21世紀の子孫に
有益な環境と技術を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の廃棄物処理設備の概念
図。
【図2】図1の円筒体の縦断面図。
【符号の説明】
10…第1の加熱処理炉 11,21…円筒体 12,22…加熱筒 13,23…供給口 14,24…排出口 15,25…供給側ダクト 16,26…排出側ダクト 28…固定部材 30…ホッパ 31…燃焼装置 32…連絡管 33…排出管 36…溶解槽 37…脱水手段 38…炭化物 40…排ガス燃焼装置 41…冷却装置 42…バグフィルタ装置 42a…反応薬剤添加手段 43…反応薬剤 44…煙突

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害成分を含有する廃棄物等の被処理物
    を加熱処理炉で処理して該被処理物を炭化処理等により
    減容化し、排出した排ガスをバグフィルタ装置を介して
    清浄化してから排出するバグフィルタ装置を備えた廃棄
    物等の処理施設において、 該処理施設は、被処理物にアルカリ物質からなる反応薬
    剤を添加して加熱処理炉で加熱し、被処理物から塩素系
    ガスを分解析出するとともに、アルカリ物質と接触反応
    させて無害な塩化物を生成することで排ガスの無害化と
    被処理物の無害化処理を行う分解反応工程と、該分解反
    応工程で処理した被処理物を加熱処理して減容化する減
    容化処理工程とからなり、得られた無害な残渣を炭化物
    として回収し、排ガスは濾布を備えたバグフィルタ装置
    に導入し、該バグフィルタ装置内にアルカリ物質からな
    る反応薬剤を噴霧して排ガスの無害化処理と清浄化処理
    を行うことを特徴とするバグフィルタ装置を備えた廃棄
    物等の処理施設。
  2. 【請求項2】 バグフィルタ装置で使用した後の反応薬
    剤を回収して、加熱前の被処理物に添加することを特徴
    とする請求項1記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄物
    等の処理施設。
  3. 【請求項3】 加熱処理炉とバグフィルタ装置との間
    に、排ガスが含有するタール成分を除去する排ガス燃焼
    装置と、燃焼後の排ガスを冷却する冷却装置とを配備し
    たことを特徴とする請求項1又は2項に記載のバグフィ
    ルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  4. 【請求項4】 アルカリ物質は、ハロゲン物質と反応し
    て無害な塩化物を生成するアルカリ金属、アルカリ土類
    金属、アルカリ土類金属化合物に含まれる物質の中から
    少なくとも1種類を選択、又は2種類以上を混合したも
    のであることを特徴とする請求項1又は2項に記載のバ
    グフィルタ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  5. 【請求項5】 加熱処理炉で使用するアルカリ物質は、
    塊状、板状、多孔質形状、粉体状、溶液、懸濁液の何れ
    か、もしくはこれらの組み合わせであることを特徴とす
    る請求項1又は4項に記載のバグフィルタ装置を備えた
    廃棄物等の処理施設。
  6. 【請求項6】 加熱処理炉で使用するアルカリ物質の添
    加量は、被処理物の含有する塩素量の2〜10倍、もし
    くは被処理物の5〜30重量%としたことを特徴とする
    請求項1,4又は5項の何れか1項に記載のバグフィル
    タ装置を備えた廃棄物等の処理施設。
  7. 【請求項7】 バグフィルタ装置で使用するアルカリ物
    質は、粉体、溶液、懸濁液の何れか、もしくはこれらの
    組み合わせであることを特徴とする請求項1,2又は4
    項の何れか1項に記載のバグフィルタ装置を備えた廃棄
    物等の処理施設。
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