JPH1119616A - 処理灰類の脱塩素処理方法 - Google Patents

処理灰類の脱塩素処理方法

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JPH1119616A
JPH1119616A JP9173726A JP17372697A JPH1119616A JP H1119616 A JPH1119616 A JP H1119616A JP 9173726 A JP9173726 A JP 9173726A JP 17372697 A JP17372697 A JP 17372697A JP H1119616 A JPH1119616 A JP H1119616A
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treated ash
ash
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sodium
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JP9173726A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Haruhisa Ishigaki
治久 石垣
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物を焼却して発生した灰類(焼却灰、飛
灰、汚泥焼却灰等)は、ダイオキシン類などを含むこと
から、ガラス固化などの手段によって性質の安定化を行
って埋設処理しているが、埋設場所の確保が困難となっ
ている。 【解決手段】 灰類とアリカリ物質からなる脱塩素剤を
混合手段5で混合して加熱処理部1で加熱処理し、発生
した塩素系ガスと脱塩素剤とを接触反応させ、有害な塩
化水素(HCl)を無害な塩化物(NaCl、KCl)
に置換生成して無害化し、処理後の灰類の再利用を可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理済み廃棄物の
再処理に関し、特に各種廃棄物を焼却して発生した灰類
(焼却灰、飛灰、汚泥焼却灰)を再処理する脱塩素処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物の量は年々増加の
一途をたどりその量は膨大なものとなっている。これを
減容化する一つの手段として焼却処理が行われている。
この焼却処理の結果、新たに、灰類(焼却して残った焼
却灰、排気ガスと一緒に運ばれ各種集塵機で捕捉された
飛灰、各種汚泥の脱水焼却されて残った汚泥焼却灰、各
種加熱処理で残った残渣等)が発生又は生成される。
【0003】これら灰類は初期の各種廃棄物の量に比較
すれば相当な減容化ができてはいるものの、放置すると
ダイオキシン類などを含有し環境に悪影響を与えるおそ
れがあることから、ガラス固化などの手段によって性質
の安定化を行って埋設するなどの手段によって処理され
ている。
【0004】また、このガラス固化のように溶融固化処
理の他に、1200℃の以上の高温で加熱処理して脱塩
素を行うことも提唱されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的には、高温で処
理すれば、ダイオキシン類は分解することは知られてい
るが、しかし、分解しても、煙突から排出された後、冷
却過程で再合成されて新たにダイオキシン類が生成する
ことも言われている。
【0006】このような分解、再合成のメカニズムは複
雑であり、再現性も難しく、検証が困難なこともあっ
て、ダイオキシン発生の主要因である塩化水素を除去す
ることによってダイオキシン類の発生を防止することも
提唱されている。
【0007】しかし、この処理手段は、排ガス中の塩化
水素を、消石灰、炭酸カルシウム等を添加して処理する
もので、処理後の灰類の処理時には、専らガラスで溶融
固化処理をして埋設している。
【0008】しかし、灰類自体は有害な塩素成分を持っ
ており(含有・付着)、この灰類をガラス固化時の加熱
によって処理する場合に塩化水素を発生する。また、埋
設する場合、埋設場所の確保も困難な状況となってお
り、新たな処理手段の早期確立が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題を解決するための手段は、加熱された雰囲気中におい
て灰類から発生する有害な塩素系ガスとアルカリ物質か
らなる脱塩素剤とを接触させることで有害な塩素系ガス
と反応して無害な塩化物を生成させて処理灰類の脱塩素
処理をすることを特徴とする。
【0010】このように、塩素系ガスを発生する処理灰
類を脱塩素再処理するものであるから、無害化と有効資
源の抽出が可能となり、炭化物等は燃料資源として利用
できるようになる。
【0011】本発明に使用される脱塩素剤としてのアル
カリ物質は、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物。
【0012】(2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、
炭酸化物の物質。
【0013】(3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム
系、カリウム系の物質である。
【0014】(4)脱塩素剤は、 (a)炭酸水素ナトリウム、別称、酸性炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ。
【0015】(b)炭酸ナトリウム、別称、炭酸ソー
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ。
【0016】(c)セスキ炭酸ナトリウム、別称、二炭
酸一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリ
ウムセスキカーボネート、 (d)天然ソーダ、別称、トロナ (e)炭酸カリウム (f)炭酸水素カリウム (g)炭酸ナトリウムカリウム (h)水酸化ナトリウム (i)水酸化カリウム から選択した単体、又は複数種を混合して使用する。
【0017】また、処理灰類から発生する有害な塩素系
ガスと脱塩素剤との反応は、処理灰類と脱塩素剤とを混
合して加熱処理中に反応させるか、発生した塩素系ガス
と脱塩素剤とを接触させて反応させる。
【0018】この接触反応は、加熱処理炉部分での接触
に限らず、排ガスの煙道部分で接触反応させてもよい。
【0019】また、塩素系ガスと脱塩素剤とを接触させ
る雰囲気は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気
の何れかでよく、処理灰類を燃焼させることのない「蒸
焼」状態を維持できる加熱雰囲気であれば、いずれの雰
囲気でもよい。
【0020】また、脱塩素剤の形態は、塊状、板状、多
孔質状、粉体、溶液、懸濁液の何れか、又は組み合わせ
でよく、処理量、施設の状態などの条件で任意に選択す
る。
【0021】また、加熱された雰囲気は、200℃〜1
000℃とし、加熱炉の形態、処理量・処理時間などの
運転条件により決定する。
【0022】また、脱塩素処理すべき処理灰類は、焼却
灰、飛灰、汚泥焼却灰のいずれか又は混合物の何れでも
よい。
【0023】以上の条件により、塩素成分を含有する処
理灰類に、アルカリ物質からなる脱塩素剤を添加して熱
処理すると、例えば、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)+(HCl) → (NaCl)+
(H2O)+(CO2) 炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl) → (KCl)+(H
2O)+(CO2) 水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl) → (NaCl)+(H2
O) 水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl) → (KCl)+(H2O) のように塩素系ガスと反応して無害な塩化ナトリウム
(NaCl)、塩化カリウム(KCl)が生成され、有
害な塩素成分(HCl)は無くなる。
【0024】このことから、アルカリ物質を添加して処
理することで、無害化処理が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
【0026】図1は本発明の一つの実施の形態のシステ
ム構成図を示し、同図において1は加熱処理部で、該加
熱処理部1は、金属の円筒部材2と、この円筒部材2の
内部に設けられ被処理物を移送するスクリュー3と、円
筒部材2の外周に設けられた加熱コイル4からなリ、ス
クリュー3はスクリュー支持部材8に支持され、図示省
略した原動力により回転される。
【0027】5は混合手段で、被処理物である灰類と脱
塩素剤を混合し、円筒部材2内の一端側から供給する。
6は洗浄・分離手段で、円筒部材2の他端側に設けら
れ、加熱処理した残渣を取り出して洗浄し、固液分離す
る。7は排ガス取り出し部で、加熱処理時に円筒部材2
内に発生したガスを排出管7aより取り出す。7bは、
この排ガスの熱を利用するための配管で、排出管7aか
らの排ガスの一部を円筒部材2内に設けられた中空のス
クリュー支持部材8内を通して排出するようにしたもの
である。
【0028】以下、処理灰類(例えば焼却灰)を脱塩素
剤(例えば、炭酸水素ナトリウム)を使用して脱塩素処
理する場合について説明すると、これら焼却灰と炭酸水
素ナトリウムを混合手段5に投入して、両者を混合す
る。
【0029】脱塩素剤は通常は粉体を使用するが、上記
のようにその他の形態でもよい。また、添加する量は、
処理灰重量に対して、5〜30重量%を添加する。
【0030】十分に混合した後、熱処理炉等の加熱処理
部1に投入する。加熱処理部1での加熱処理は加熱コイ
ル4に通電することで行われるが、灰類からの塩化水素
が析出する温度と時間を事前に調査して、灰類固有の性
質を把握し、この事実を十分にカバーできる温度と時間
で処理する。(例えば、600℃で1時間程度)なお、
この時間と温度は、加熱炉の状態(大きさ、加熱手段な
ど炉に依存する条件)、処理量、処理時間、処理温度等
にも関係し、これらを考慮して加熱コイル4への電力供
給量およびスクリュー3の回転速度等を定める。
【0031】加熱処理部1で加熱処理された灰類の残渣
は、洗浄・分離手段6に取り出され、この洗浄・分離手
段で塩化ナトリウムを溶解した液体と、固形物とに分離
して取り出する。
【0032】一方、加熱処理中に発生したガスは、排ガ
ス取り出し部7から取り出す。このとき、その一部を配
管7bから、円筒部材2内のスクリュー支持部材8の中
空内を通して、該部材を加熱することで、排ガスの熱を
利用する。
【0033】加熱処理部1での加熱処理は、燃焼や焼却
ではなく、蒸し焼き、熱分解での処理とすることで、析
出した有害な塩素系ガスと脱塩素剤とを効果的に接触反
応させることができ、有害な塩素系ガスを無害な塩化物
に置換生成することができる。
【0034】従って、この反応環境を維持するには、一
つには、全体の環境が反応維持に必要な安定した状態と
なっていること、例えば、低酸素雰囲気の安定状態とな
っていることが必要であり、処理中に被処理物の周囲に
のみに新たに空気量が進入しないことが必要で、進入す
ると、被処理物の周囲が燃焼を開始することになり、反
応が不安定となるおそれがある。
【0035】または、未燃焼状態を維持できる条件の基
に、粉砕された被処理物内部全体に空気が行きわたるよ
うに新鮮な空気を吹き込むことでも、反応を維持できる
ことが実験の結果判明した。
【0036】以上の処理過程において発生する有害な塩
素系ガスは、脱塩素剤と反応して無害な塩化物に置換生
成され、有害な塩素系ガス(塩化水素、塩素ガス)を含
んでいないので、排ガスは多目的例えば、各種設備の燃
料(ガスエンジン、タービン)、熱交換器(暖房など)
に利用できる。
【0037】排出する場合には、必要に応じて、後処理
(二次燃焼、排ガス処理)を行って、各種大気汚染防止
基準に適合させて排出する。
【0038】処理済み残渣は、取り出された後、水など
で洗浄分離されて、無害な塩化物(例えば、塩化ナトリ
ウム)は溶液として排出される。
【0039】一方、分離後乾燥することで、固形物とし
て、有益な炭化物が取り出される。
【0040】塩素成分を含有する処理灰類から発生する
有害な塩素系ガスと加熱された雰囲気中で反応するアル
カリ物質からなる脱塩素剤とを接触反応させると有害な
塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成することは、
次の実験調査により明らかとなった。
【0041】実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時,キープ時で塩化水素ガス(HCl)濃度(pp
m)を測定した。また、600℃〜1000℃について
も測定した。
【0042】ガス濃度の測定は、JIS−K0804に
規定されている検知管によって測定した。
【0043】表1にこの測定結果を示す。塩化水素ガス
濃度は実験10回における測定値で実施例1〜実施例5
は最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
【0044】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0045】
【表1】
【0046】実験は、まず、塩素成分を多量に含んでい
る4gのポリ塩化ビニリデンのみを用いて予備試験を行
った。その結果を表1の比較例1に示す。
【0047】次に、従来より脱塩素剤として知られてい
る消石灰および炭酸カルシウムの粉末を20g添加して
実験した。その結果を比較例2および比較例3に示す。
【0048】次に、被処理物として、加熱した場合に多
量の塩化水素を発生するポリ塩化ビニリデンと塩化ビニ
ルを選び、これに本発明のアルカリ物質による脱塩素剤
の中から、表1に示す数種の物質を選んで添加して実験
を行った。
【0049】実施例1および実施例2は、本発明の炭酸
水素ナトリウムの粉末を20gを被処理物のポリ塩化ビ
ニリデン4gと塩化ビニル4gに添加した場合、実施例
3〜実施例5は、同じ被処理物のポリ塩化ビニリデン4
gに、本発明の炭酸水素カリウム10g、水酸化ナトリ
ウム20g、水酸化カリウム20gを添加した場合で、
各実施例において、被処理物と脱塩素剤とを混合して実
験を行った。その結果を表1に示す。
【0050】表1に示した実験結果から以下のように考
察される。
【0051】まず、塩素成分を多量に含有するポリ塩化
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤を添加しな
い比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガ
スが多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素
剤である消石灰を添加した比較例2と炭酸カルシウムを
添加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガス
の発生がかなり抑制されているものの、まだ十分である
とはいえない。
【0052】これに対し、本発明では、実施例4および
実施例5の450℃において極く微量(1ppm、2p
pm)の塩化水素ガスが検出されたが、それ以外は全温
度範囲にわたり全く検出されず極めて良好な結果が得ら
れた。
【0053】また、被処理物に塩化ビニルを用いて、炭
酸水素ナトリウムを添加した場合も、実施例2に示すよ
うに、何れの温度領域においても、塩化水素の生成は完
全に抑制されている。
【0054】以上の実験調査により、灰類を脱塩素処理
する場合に、塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成
するアルカリ物質(特にアルカリ金属化合物)を添加し
て処理することで、無害化処理できることが確認でき
た。
【0055】有害な塩化水素が無害な塩化物に置換生成
される理由は下記のように反応していることから明らか
となった。
【0056】(1)炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)+(HCl) → (NaCl)+
(H2O)+(CO2) (2)炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl) → (KCl)+(H
2O)+(CO2) (3)水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl) → (NaCl)+(H2
O) (4)水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl) → (KCl)+(H2O) 上記のように生成した、NaCl、KClは無害な塩化
物であり、上記物質以外にも、同様にNaCl,KCl
を生成するナトリウム系、カリウム系の下記の物質があ
り、同様な効果が得られる。
【0057】炭酸ナトリウム 炭酸カリウム 炭酸ナトリウムカリウム 炭酸ナトリウム水和物 セスキ炭酸ナトリウム 天然ソーダ 次に、得られた残渣を分析し、脱塩素処理後の塩素系物
質の確認を行った、その結果、有害な塩素系ガス成分は
検出されず、無害な塩化物である塩化ナトリウム、塩化
カリウムが検出された。更に残渣を10分間撹拌して水
洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩化カリウムは
水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭化物中にも有
害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
【0058】従って、有害な塩素成分は、残渣の一部と
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシン類の発生の原因となる塩化水素を発生することは
なく、排ガス及び残渣の無害化が実現できる。
【0059】以上のことから、灰類の処理に本発明の処
理方法を適用することで、従来のガラス化、埋設するこ
とでその処理を終わっていた灰類の処理を無害化するこ
とが可能となり、新たな利用用途の拡大を見いだすこと
が可能となった。
【0060】このような、脱塩素処理に使用する脱塩素
剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム 炭酸ナト
リウム セスキ炭酸ナトリウム 天然ソーダ 炭酸カリウム 炭酸水素カリウム 炭酸ナトリウムカリウム 水酸化ナトリウム 水酸化カリウム から選択した単体、複数種の混合が適合することも判明
した。
【0061】従って、発生した有害な塩素系ガスと加え
た脱塩素剤との接触反応により、有害な塩素系ガスが無
害な塩化物(NaCl、KCl)が生成されるものであ
る。しかもこれらの無害な塩化物は、水などの溶液によ
る洗浄処理により効果的に除去でき、しかも洗浄後には
再利用可能な炭化物などが残る。
【0062】また、洗浄処理前・後において、任意の分
離手段により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥固化
して燃料その他有効に活用することができる。
【0063】なお、洗浄後の処理液は無害な塩化物を含
有するが、有害な物質はほとんど含まれず、必要に応じ
て廃水処理を行い、河川又は海洋に放流することができ
る。
【0064】
【発明の効果】上記の実験結果により明らかなように、
灰類がもつ塩素成分から塩素系ガスを抽出して脱塩素処
理を行うので、灰類の利用および利用できる範囲が拡大
する。
【0065】従って、従来は灰類をそのままガラス固化
して資源の再利用のチャンスを失っていたが、本発明の
ように脱塩素処理することで、新たに再利用のチャンス
を得ることが可能となる。
【0066】また、埋設するにしても、従来のようにガ
ラス固化して埋設するよりも、更に減容化ができること
から、埋設スペースは従来よりも格段に小さくて済む。
【0067】また、灰類を脱塩素処理することから、大
気中に放出される塩素成分、ダイオキシン類は格段の削
減ができ、環境安全上非常に良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態におけるシステム構
成図。
【符号の説明】
1…加熱処理部 2…円筒部材 3…スクリュー 4…加熱コイル 5…混合手段 6…洗浄・分離手段 7…排ガス部 8…スクリュー支持部材。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された雰囲気中において処理灰類か
    ら発生する有害な塩素系ガスとアルカリ物質からなる脱
    塩素剤とを接触させることで有害な塩素系ガスと反応し
    て無害な塩化物を生成させることを特徴とする処理灰類
    の脱塩素処理方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ物質は、アルカリ金属化合物の
    単体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項1
    記載の処理灰類の脱塩素処理方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸
    化物の物質であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の処理灰類の脱塩素処理方法。
  4. 【請求項4】 水酸化物,炭酸化物は、ナトリウム系、
    カリウム系の物質であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載の処理灰類の脱塩素処理方
    法。
  5. 【請求項5】 脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸
    カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウ
    ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単
    体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項1記
    載の処理灰類の脱塩素処理方法。
  6. 【請求項6】 処理灰類と脱塩素剤とを混合して加熱処
    理することを特徴とする請求項1記載の処理灰類の脱塩
    素処理方法。
  7. 【請求項7】 処理灰類から発生した塩素系ガスと脱塩
    素剤とを接触反応させることを特徴とする請求項1又は
    6記載の処理灰類の脱塩素処理方法。
  8. 【請求項8】 塩素系ガスと脱塩素剤との接触雰囲気
    は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気の何れか
    であることを特徴とする請求項1又は7記載の処理灰類
    の脱塩素処理方法。
  9. 【請求項9】 脱塩素剤は、塊状、板状、多孔質状、粉
    体、溶液、懸濁液の何れか又はこれらの組み合わせであ
    ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に
    記載の処理灰類の脱塩素処理方法。
  10. 【請求項10】 加熱された雰囲気が、200℃〜10
    00℃であることを特徴とする請求項1又は8記載の処
    理灰類の脱塩素処理方法。
  11. 【請求項11】 処理灰類は、焼却灰、飛灰、汚泥焼却
    灰のいずれか、又は混合物であることを特徴とする請求
    項1又は6又は7に記載の処理灰類の脱塩素処理方法。
JP9173726A 1997-06-30 1997-06-30 処理灰類の脱塩素処理方法 Withdrawn JPH1119616A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007296412A (ja) * 2006-02-27 2007-11-15 Okutama Kogyo Co Ltd 飛灰処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007296412A (ja) * 2006-02-27 2007-11-15 Okutama Kogyo Co Ltd 飛灰処理方法

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