JPH11114535A - 処理灰の溶融処理方法及び装置 - Google Patents
処理灰の溶融処理方法及び装置Info
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- JPH11114535A JPH11114535A JP9286312A JP28631297A JPH11114535A JP H11114535 A JPH11114535 A JP H11114535A JP 9286312 A JP9286312 A JP 9286312A JP 28631297 A JP28631297 A JP 28631297A JP H11114535 A JPH11114535 A JP H11114535A
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Abstract
の溶融、温度を高くする等の手段を取らないと、処理灰
を確実に安定して溶融することは難しい。確実な溶融が
できないと、安定したガラス化が行えないことにつなが
り、しかも下部排出口からの取り出しが不安定となり、
有効利用が困難となる。また、ガラス化に適用する処理
灰は、脱塩素処理してないため、加熱溶融時に処理灰か
ら塩素系ガスが発生し、ダイオキシン発生の原因とな
る。 【解決手段】 SiO2,CaO,Al2O3の成分を含
有する処理灰を連続的に溶融し、排出した後、ガラス化
する溶融処理方法で、脱塩素処理した処理灰を第1溶融
炉10にて溶解し、次いで第2溶融炉20にて再加熱し
流動性を高めて冷却固化手段30で冷却固化してガラス
化し、これを粉体化処理手段40で粉体化して有効利用
を図る。
Description
方法及び装置に関し、特に、一般都市廃棄物、下水汚泥
等廃棄物を処理した際に発生する焼却灰、飛灰、処理灰
を脱塩素処理し、この処理灰を環境維持と最終廃棄量の
低減のために溶融してガラス固化することによって廃棄
物の体積を低減するとともに加熱溶融時に処理灰から塩
素系ガスを発生させないための方法及び装置に関する。
分されているが、近年埋立地の確保の困難性が増大して
おり、一旦焼却して廃棄処分することが多くなってい
る。
1/10)はできるものの焼却灰が発生し、灰の埋立地
処分用地の確保すら逼迫した状況となっている。しか
も、灰の埋立処分において灰の飛散、含有量金属類の溶
出による環境汚染、未燃焼物による悪臭等環境に及ぼす
悪影響が重要な課題となっている。
化することで、一層の減容化と重金属類の溶出防止を図
ることが、例えば特開平7−155728号などで知ら
れている。
ている溶融炉は、概略、図3に示す構成となっている。
図で、同図において51は炉本体を示し、この炉本体5
1は、全体として半密閉状で内側に漏斗状の耐火材5
2、その外側に黒鉛製円筒53、更にその外側に誘導加
熱コイル54を巻装して、該誘導加熱コイル54をセラ
ミックス製断熱材55で包み、誘導加熱コイル54には
冷却水56が流通して誘導加熱コイル54を冷却する構
成となっている。
58を有し、この焼却灰投入孔58からコンベア59で
運搬されてきた焼却灰60を投入する。61は排気孔を
示す。
で溶融された焼却灰はこの排出口から流下し、冷却用容
器63内に投入され、冷却水64内で冷却固化される。
は図示を省略した焼却炉で焼却処理された廃棄物の焼却
灰で、この焼却灰60には、あらかじめSaO,SiO
2,Al2O3などの成分が混入されていて、この焼却灰
が炉本体51内で加熱され融体となって炉本体内部の下
部に移動し、炉本体下部の溶融焼却灰排出口52から冷
却用容器63内に流下してガラス固化するようにしてい
る。
理装置によると、溶融炉が一段であることから、長時間
の溶融、温度を高くする等の手段を取らないと、処理灰
を確実、且つ安定して溶融することは困難となる。
たガラス化が行えないことにつながり、しかも下部排出
口からの取り出しが不安定となる原因となる。
とか、長時間加熱するとか、炉長を大きくする等の手段
が必要となり、処理コストの増加を惹起し好ましいもの
ではない。
は、脱塩素処理が行われておらず、加熱溶融時に処理灰
から塩素系ガスが発生しダイオキシン発生の原因となる
等の課題があった。
上記課題を解決するもので、処理コストの増加を招くこ
となく確実、且つ安定して処理灰のガラス化、および加
熱溶融時の処理灰から塩素系ガスを発生させないように
した処理方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
の手段は、SiO2,CaO,Al2O3の成分を含む処
理灰を連続的に溶融し、これを排出した後ガラス化する
処理灰の溶融処理方法において、溶融する処理灰は、脱
塩素処理して塩素成分を除去した処理灰を使用する。
された雰囲気中において処理灰から発生する有害な塩素
系ガスとアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触させる
ことで有害な塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成
させて有害な塩素成分を除去するようにする。
理灰の何れか又はこれらの混合灰で塩素成分を除去した
処理灰、または、廃棄物を処理する場合に脱塩素剤を加
えて処理することで、脱塩素処理した処理灰である。
カリ物質は、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物。
炭酸化物の物質。
系、カリウム系の物質である。
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ。
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ。
酸一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリ
ウムセスキカーボネート、 (d)天然ソーダ、別称、トロナ (e)炭酸カリウム (f)炭酸水素カリウム (g)炭酸ナトリウムカリウム (h)水酸化ナトリウム (i)水酸化カリウム から選択した単体、又は複数種を混合して使用する。
ガスと脱塩素剤との反応は、処理灰類と脱塩素剤とを混
合して加熱処理中に反応させる。
る雰囲気は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気
の何れかでよく、処理灰類を燃焼させることのない「蒸
焼」状態を維持できる加熱雰囲気であれば、いずれの雰
囲気でもよい。
孔質状、粉体、溶液、懸濁液の何れか、又は組み合わせ
でよく、処理量、施設の状態などの条件で任意に選択す
る。
理灰類に、アルカリ物質からなる脱塩素剤を添加して熱
処理すると、例えば、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)+(HCl) → (NaCl)+
(H2O)+(CO2) 炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl) → (KCl)+(H
2O)+(CO2) 水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl) → (NaCl)+(H2
O) 水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl) → (KCl)+(H2O) のように塩素系ガスと反応して無害な塩化ナトリウム
(NaCl)、塩化カリウム(KCl)が生成され、有
害な塩素成分(HCl)は無くなる。
てガラス化する。
の方法として、被処理物に含まれる塩素成分と反応しや
すいアルカリ系の物質を、被処理物と適量混合して加熱
処理して無害な塩化物を生成し、この処理灰を水洗浄し
て処理灰から無害な塩化物を除去することで脱塩素処理
し、これをガラス固化手段で溶融し、ガラス化する。
l2O3の成分を含有する処理灰を連続的に第1溶融炉で
溶融し、この第1溶融炉で溶融した溶融スラグを次いで
第2溶融炉で再加熱し、再加熱した後に第2溶融炉から
排出して冷却固化しガラス化し、更に必要に応じてこれ
を粉体化処理する。
除かれているので、これを溶融炉で加熱処理しても、塩
素系ガスは発生しない。
熱することで、小形の加熱炉にて確実に溶融でき、且つ
最終の取出口での溶融スラグの流動性を高めることがで
き、安定して溶融スラグを流下させることができる。
者より後者を高くする。第2溶融炉の加熱温度を高くす
ることで溶融スラグの流動性が一層確保される。
O,Al2O3の成分を含有するものであれば、焼却灰、
飛灰、汚泥処理灰の何れか又は混合物で良く、また出発
時の処理灰の組成がガラス化に適さない場合は、ガラス
化に適する不足成分を添加して成分調整をする。
を除去した処理灰を連続的に加熱溶融して排出する第1
溶融炉と、該第1溶融炉で排出した溶融スラグを再加熱
する第2溶融炉と、この第2溶融炉で再加熱した溶融ス
ラグを冷却固化してガラス化する冷却固化手段と、この
ガラス化したガラス化物を粉体化する粉体化処理手段と
で構成する。
却灰、飛灰、汚泥処理灰等)のいずれか、又はこれらの
混合物の被処理物を、脱塩素処理し、この脱塩素処理し
た処理灰をガラス固化することに特徴を有する。
形態のシステム構成図、図2はガラス固化処理手段のシ
ステム構成図を示し、これらの図によって本発明の実施
の形態を説明する。
理部1は、金属の円筒部材2と、この円筒部材2の内部
に設けられ被処理物を移送するスクリュー3と、円筒部
材2の外周に設けられた加熱コイル4からなリ、スクリ
ュー3はスクリュー支持部材3Sに支持され、図示省略
した原動力により回転される。
残渣又は灰類と脱塩素剤を混合し、円筒部材2内の一端
側から供給する。6は洗浄・分離手段で、円筒部材2の
他端側に設けられ、加熱処理した処理灰(残渣)を取り
出して溶液で洗浄し、脱塩素剤の溶解物と固形化物とを
分離する。7は排ガス取り出し部で、加熱処理時に円筒
部材2内に発生したガスを排出管7aより取り出す。7
bは、この排ガスの熱を利用するための配管で、排出管
7aからの排ガスの一部を円筒部材2内に設けられた中
空のスクリュー支持部材3S内を通して排出するように
したものである。
(処理灰)を取り出して乾燥する乾燥手段、9は乾燥手
段8で乾燥され塩素成分が除去された処理灰を示してい
る。
に示すガラス固化手段に供給される。
1溶融炉10、第2溶融炉20、冷却固化手段30およ
び粉体化処理手段40から構成される。
転ドラム11の内部に設けられ処理灰を撹拌しながら移
動させる羽根12,回転ドラム11の外周に、複数に分
割して設けた加熱コイル13,回転ドラム11を回転駆
動させる回転駆動手段14から成る。回転ドラム11は
図示を省略したローラ等で回転自在に支持されている。
した13a,13b,13cより成り、回転ドラムとは
若干のギャップをもって図示省略の固定手段により固定
されている。また、回転駆動手段14は、モータ15,
ギヤ16から成り回転ドラム11を回転駆動する。
転ドラム11内に供給するホッパ17が設けられ、他端
側には排出口18と、該排出口18から処理灰を第2溶
融炉20に導く導出部19が設けられている。なお、図
中のSはシールを示している。
1の外周に設けられた加熱コイル22、最終取出口とな
る排出部23および排出部23に設けた開閉扉24から
成り、第1溶融炉10で溶融した処理灰(溶融スラグ)
が投入され、再加熱する。炉体21は耐熱特性を有し、
且つ電気伝導度に富む材料、例えばカーボンから成り、
加熱コイルにより誘導加熱される。この加熱コイル22
は内部には冷却水を通す水路が形成されている。
却容器31と、この冷却溶器31内に出し入れ可能に収
容される金網容器32とから成り、第2溶融炉20の導
出部23の下部に位置させ、第2溶融炉20で処理した
溶融スラグを冷却水33に流下させ、急冷却固化してガ
ラス化する。
送手段34に複数個用意し、処理灰をガラス化したスラ
グ(ガラス化物)を次に移動し、金網容器32のみを吊
り上げ手段35で吊り上げて次の粉体化処理手段40に
移送する。
と、粉体加工部42と、出口側コンベア43および粉体
収納容器44からなり、吊り上げ手段35で移送されて
きたガラス化物を入口側コンベア41で受け、粉体加工
部42で粉体化処理して粉体収納容器44に投入する。
処理物として例えば灰類の中の焼却灰を、また脱塩素剤
としてアルカリ物質の中の炭酸水素ナトリウムを使用し
て脱塩素処理する場合について説明すると、これら焼却
灰と炭酸水素ナトリウムを混合手段5に投入して、両者
を混合する。
のようにその他の形態でもよい。また、添加する量は、
処理灰重量に対して、5〜30重量%を添加する。
部1に投入する。加熱処理部1での加熱処理は加熱コイ
ル4に通電することで行われるが、焼却灰からの塩化水
素が析出する温度と時間を事前に調査して、焼却灰固有
の性質を把握し、この事実を十分にカバーできる温度と
時間で処理する。(例えば、600℃で1時間程度)な
お、この時間と温度は、加熱炉の状態(大きさ、加熱手
段など炉に依存する条件)、処理量、処理時間、処理温
度等にも関係し、これらを考慮して加熱コイル4への電
力供給量およびスクリュー3の回転速度等を定める。
素系ガスが発生するが、発生した塩素系ガスは脱塩素剤
と接触反応し、無害な塩化物に置換生成される。
は、 (NaHCO3)+(HCl) → (NaCl)+
(H2O)+(CO2) となり、無害な塩化ナトリウム(NaCl)が生成さ
れ、有害な塩素成分(HCl)は無くなる。
渣は、洗浄・分離手段6に取り出され、この洗浄・分離
手段で塩化ナトリウムを溶解した液体と、固形物とに分
離して取り出し、固形物を乾燥手段8で乾燥し、塩素成
分を除去した処理灰9を得る。
ス取り出し部7から取り出す。このとき、その一部を配
管7bから、円筒部材2内のスクリュー支持部材3Sの
中空内を通して、該部材を加熱することで、排ガスの熱
を利用する。
ではなく、蒸し焼き、熱分解での処理とすることで、析
出した有害な塩素系ガスと脱塩素剤とを効果的に接触反
応させることができ、有害な塩素系ガスを無害な塩化物
に置換生成することができる。
つには、全体の環境が反応維持に必要な安定した状態と
なっていること、例えば、低酸素雰囲気の安定状態とな
っていることが必要であり、処理中に被処理物の周囲に
のみに新たに空気量が進入しないことが必要で、進入す
ると、被処理物の周囲が燃焼を開始することになり、反
応が不安定となるおそれがある。
に、粉砕された被処理物内部全体に空気が行きわたるよ
うに新鮮な空気を吹き込むことでも、反応を維持できる
ことが実験の結果判明した。
分離手段6に取り出され、ここで水などで洗浄分離され
て、無害な塩化物(例えば、塩化ナトリウム)は溶液と
して排出される。
され塩素成分を除去した処理灰9が得られる。
た処理灰9は図示省略のコンベア等で搬送されてきて図
2のホッパ17から第1溶融炉10内に投入される。こ
の第1溶融炉10は、例えばキルン炉からなり、連続的
に加熱溶融する。加熱手段は、誘導加熱により、複数段
備えた加熱コイル13a,13b,13cで加熱する
が、同一温度条件ではなく、例えば加熱コイル13aで
1000℃、13bで1200℃、13cで1400℃
と順次温度を上げて加熱する。
溶融して第2溶融炉20に投入する。第2溶融炉20で
は、所定量流下後、第1溶融炉10の温度より高い14
50℃〜1500℃で加熱する。この第2溶融炉20の
大きさは、第1溶融炉ですでに減容化されているので、
第1溶融炉10の1/5程度の小形のものでよい。
間再加熱して溶融スラグの流動性を高め、排出部23の
開閉扉24を開いて、溶融スラグをスムーズに冷却容器
31内に流下させる。冷却容器31内にはあらかじめ冷
却水33を充満しておき、金網容器32を内在させてお
くので、流下した溶融スラグは、冷却容器31内におい
て急冷水砕されてガラス化スラグ(ガラス化物)とな
る。溶融スラグを所定量流下した後、開閉扉24を閉
じ、輸送手段34で冷却容器31を図の右側に移動し、
そこで、吊り上げ手段35で金網容器32を吊り上げ、
ガラス化物のみを次の処理工程の粉体化処理手段40に
移送する。冷却容器31が移動されたとき、次の冷却水
を充満した冷却容器が排出部23の真下に配置され、同
様の工程を繰り返す。
2は、入口側コンベア41の上にきたとき、底蓋32C
を開けてガラス化物をコンベア上に排出し、コンベア4
1で粉体加工部42に運ばれ、該粉体加工部42に投入
され、ここで砕かれて粉体化される。粉体化されたガラ
ス化物4Pは、粉体収納容器44に収納されて出口側コ
ンベア43で運び出される。
処理灰類から発生する有害な塩素系ガスと加熱された雰
囲気中で反応するアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接
触反応させると有害な塩素系ガスと反応して無害な塩化
物を生成することは、次の実験調査により明らかとなっ
た。
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時,キープ時で塩化水素ガス(HCl)濃度(pp
m)を測定した。また、600℃〜1000℃について
も測定した。
規定されている検知管によって測定した。
濃度は実験10回における測定値で実施例1〜実施例5
は最高値、比較例1〜比較例3は最低値を示す。
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
る4gのポリ塩化ビニリデンのみを用いて予備試験を行
った。その結果を表1の比較例1に示す。
る消石灰および炭酸カルシウムの粉末を20g添加して
実験した。その結果を比較例2および比較例3に示す。
量の塩化水素を発生するポリ塩化ビニリデンと塩化ビニ
ルを選び、これに本発明のアルカリ物質による脱塩素剤
の中から、表1に示す数種の物質を選んで添加して実験
を行った。
水素ナトリウムの粉末を20gを被処理物のポリ塩化ビ
ニリデン4gと塩化ビニル4gに添加した場合、実施例
3〜実施例5は、同じ被処理物のポリ塩化ビニリデン4
gに、本発明の炭酸水素カリウム10g、水酸化ナトリ
ウム20g、水酸化カリウム20gを添加した場合で、
各実施例において、被処理物と脱塩素剤とを混合して実
験を行った。その結果を表1の実施例1〜5に示す。
察される。
ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤を添加しな
い比較例1では熱処理による各温度に渡って塩化水素ガ
スが多量に発生している。この被処理物に従来の脱塩素
剤である消石灰を添加した比較例2と炭酸カルシウムを
添加した比較例3では、比較例1と較べて塩化水素ガス
の発生がかなり抑制されているものの、まだ十分である
とはいえない。
実施例5の450℃において極く微量(1ppm、2p
pm)の塩化水素ガスが検出されたが、それ以外は全温
度範囲にわたり全く検出されず極めて良好な結果が得ら
れた。
酸水素ナトリウムを添加した場合も、実施例2に示すよ
うに、何れの温度領域においても、塩化水素の生成は完
全に抑制されている。
する場合に、塩素系ガスと反応して無害な塩化物を生成
するアルカリ物質(特にアルカリ金属化合物)を添加し
て処理することで、無害化処理できることが確認でき
た。
される理由は下記のように反応していることから明らか
となった。
(H2O)+(CO2) (2)炭酸水素カリウムの場合 (KHCO3)+(HCl) → (KCl)+(H
2O)+(CO2) (3)水酸化ナトリウムの場合 (NaOH)+(HCl) → (NaCl)+(H2
O) (4)水酸化カリウムの場合 (KOH)+(HCl) → (KCl)+(H2O) 上記のように生成した、NaCl、KClは無害な塩化
物であり、上記物質以外にも、同様にNaCl,KCl
を生成するナトリウム系、カリウム系の下記の物質があ
り、同様な効果が得られる。
質の確認を行った、その結果、有害な塩素系ガス成分は
検出されず、無害な塩化物である塩化ナトリウム、塩化
カリウムが検出された。更に残渣を10分間撹拌して水
洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩化カリウムは
水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭化物中にも有
害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシン類の発生の原因となる塩化水素を発生することは
なく、排ガス及び残渣の無害化が実現できる。
理方法を適用することで、従来のガラス化、埋設するこ
とでその処理を終わっていた灰類の処理を無害化するこ
とが可能となり、新たな利用用途の拡大を見いだすこと
が可能となった。
剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム系の物質 (4)脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム 炭酸ナトリウム セスキ炭酸ナトリウム 天然ソーダ 炭酸カリウム 炭酸水素カリウム 炭酸ナトリウムカリウム 水酸化ナトリウム 水酸化カリウム から選択した単体、複数種の混合が適合することも判明
した。
た脱塩素剤との接触反応により、有害な塩素系ガスが無
害な塩化物(NaCl、KCl)が生成されるものであ
る。しかもこれらの無害な塩化物は、水などの溶液によ
る洗浄処理により効果的に除去でき、しかも洗浄後には
再利用可能な炭化物などが残る。
離手段により各物質に分離し、分離後の物質を乾燥固化
して燃料その他有効に活用することができる。
有するが、有害な物質はほとんど含まれず、必要に応じ
て廃水処理を行い、河川又は海洋に放流することができ
る。
度について実験を行った。
に示す12種類の試料を作った。
入し、1000℃まで急速加熱し、1400℃まで漸次
加熱して所定時間保持して試料を完全に溶融する。
℃)に加熱しておく。
扉(図示省略)を開き、溶融スラグを第2溶融炉20に
流下する。
溶融炉20の炉温度を1400℃に保持する。そして、
この第2溶融炉で所定時間(約15分)再加熱して溶融
スラグの流動性を保ち、最終の取出口の開閉扉23を開
いて溶融スラグを冷却容器31の冷却水の中に投下し、
急速水冷却する。そして、このときガラス化凝固するか
否かを調べた。
×はガラス化しなかったものを表している。
0,11はガラス化したが、試料7,8,9,12はガ
ラス化しなかった。
分組成領域図で、この処理灰成分組成領域図に示すもの
であればガラス化できることが判明した。
処理灰を第1溶融炉にて溶融し、次いで第1溶融炉で溶
融した溶融スラグを更に第2溶融炉で再加熱してこれを
ガラス化し、更にガラス化物を粉体化するようにしたの
で、次の効果を生ずる。
且つ取出口での流動性を高めることができ、安定して溶
融スラグを流下させることができる。
溶融炉の温度を高くしているので、流動性は一層確保で
き、安定した水砕が行える。
形成することにより、安定した加熱が行える誘導加熱手
段を用いることができ、安定した溶融スラグ化と確実な
流動性を確保できる。
を発生することがない。
として利用でき、例えば、コンクリートのような接着媒
体により成形し、路盤材、建築材として有効利用でき
る。
ム構成図。
ム構成図。
Claims (13)
- 【請求項1】 SiO2,CaO,Al2O3の成分を含
む処理灰を連続的に溶融し、これを排出した後にガラス
化する処理灰の溶融処理方法において、前記溶融する処
理灰は、脱塩素処理済みのものであることを特徴とする
処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項2】 溶融する処理灰の脱塩素処理は、加熱さ
れた雰囲気中において処理灰から発生する有害な塩素系
ガスとアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触反応させ
て有害な塩素系ガスを無害な塩化物に置換生成させるこ
とで有害な塩素成分を除去したものであることを特徴と
する請求項1記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項3】 溶融する処理灰は、焼却灰、飛灰、汚泥
処理灰の何れか又はこれらの混合灰で塩素成分を除去し
た処理灰であることを特徴とする請求項1記載の処理灰
の溶融処理方法。 - 【請求項4】 溶融する脱塩素処理済の処理灰は、加熱
された雰囲気中において廃棄物から発生する有害な塩素
系ガスとアルカリ物質からなる脱塩素剤とを接触反応さ
せて有害な塩素系ガスを無害な塩化物に置換生成させる
ことで有害な塩素成分を除去したものであることを特徴
とする請求項1記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項5】 アルカリ物質は、アルカリ金属化合物の
単体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項2
又は4記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項6】 アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸
化物の物質であることを特徴とする請求項5記載の処理
灰の溶融処理方法。 - 【請求項7】 水酸化物,炭酸化物は、ナトリウム系、
カリウム系の物質であることを特徴とする請求項6記載
の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項8】 脱塩素剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択した単
体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項1又
は2又は4に記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項9】 塩素系ガスと脱塩素剤との接触雰囲気
は、熱分解雰囲気、乾留雰囲気、低酸素雰囲気の何れか
であることを特徴とする請求項1又は2又は4に記載の
処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項10】 脱塩素剤は、塊状、板状、多孔質状、
粉体、溶液、懸濁液の何れか又はこれらの組み合わせで
あることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項
に記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項11】 脱塩素処理済みの処理灰を第1溶融炉
にて溶融し、次いで第2溶融炉にて再加熱した後に排出
し、これを冷却固化してガラス化することを特徴とする
請求項1記載の処理灰の溶融処理方法。 - 【請求項12】 処理灰を連続的に加熱溶融して排出す
る第1溶融炉と、該第1溶融炉で排出した溶融スラグを
再加熱する第2溶融炉と、この第2溶融炉で再加熱した
溶融スラグを冷却固化してガラス化する冷却固化手段と
を備えたことを特徴とする処理灰の溶融処理装置。 - 【請求項13】 処理灰を連続的に加熱溶融して排出す
る第1溶融炉と、該第1溶融炉で排出した溶融スラグを
再加熱する第2溶融炉と、この第2溶融炉で再加熱した
溶融スラグを冷却固化してガラス化する冷却固化手段
と、このガラス化したガラス化物を粉体化する粉体化処
理手段とを備えたことを特徴とする処理灰の溶融処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9286312A JPH11114535A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 処理灰の溶融処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9286312A JPH11114535A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 処理灰の溶融処理方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11114535A true JPH11114535A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17702760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9286312A Pending JPH11114535A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | 処理灰の溶融処理方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11114535A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CZ298294B6 (cs) * | 2005-01-07 | 2007-08-15 | Vysoká škola chemicko - technologická | Způsob modifikace tokových vlastností vodnýchsuspenzí elektrárenských popílků |
JP2007296412A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-11-15 | Okutama Kogyo Co Ltd | 飛灰処理方法 |
CN108500026A (zh) * | 2017-02-24 | 2018-09-07 | 永续发展股份有限公司 | 利用周波及电浆的废弃物玻璃化处理方法及设备 |
CN111112290A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-08 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种氯代烃废物脱氯方法 |
-
1997
- 1997-10-20 JP JP9286312A patent/JPH11114535A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CZ298294B6 (cs) * | 2005-01-07 | 2007-08-15 | Vysoká škola chemicko - technologická | Způsob modifikace tokových vlastností vodnýchsuspenzí elektrárenských popílků |
JP2007296412A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-11-15 | Okutama Kogyo Co Ltd | 飛灰処理方法 |
CN108500026A (zh) * | 2017-02-24 | 2018-09-07 | 永续发展股份有限公司 | 利用周波及电浆的废弃物玻璃化处理方法及设备 |
CN111112290A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-08 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种氯代烃废物脱氯方法 |
CN111112290B (zh) * | 2019-12-20 | 2021-06-04 | 浙江巨化技术中心有限公司 | 一种氯代烃废物脱氯方法 |
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