JPH07127841A - 溶融炉の排ガス処理方法 - Google Patents

溶融炉の排ガス処理方法

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JPH07127841A
JPH07127841A JP5299158A JP29915893A JPH07127841A JP H07127841 A JPH07127841 A JP H07127841A JP 5299158 A JP5299158 A JP 5299158A JP 29915893 A JP29915893 A JP 29915893A JP H07127841 A JPH07127841 A JP H07127841A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、溶融炉からの排ガスをバグフィ
ルタに導入する前に瞬時に冷却して排ガス中のガス状飛
灰が溶融状態での時間を短縮し、飛灰を固体化して排ガ
スダクト等への付着を防止し且つ排ガスの希釈によって
バグフィルタへの悪影響を排除した溶融炉の排ガス処理
方法を提供する。 【構成】 焼却灰を溶融炉4で溶融処理するプラズマ溶
融炉1において、溶融炉4から発生した排ガスを冷却空
気で5倍から50倍に希釈してバグフィルタ14へ導入
するようにしたので、排ガス中に含まれる飛灰の主成分
であるNaCl等の塩類の混合物は、溶融状態を瞬時に
通過して一気に気体から固体になるので、排ガスダクト
12やガス冷却器10の内壁面に飛灰が付着し難くな
り、排ガスの希釈によってバグフィルタへの悪影響を排
除できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、都市ごみ、下水汚
泥、或いはその他の廃棄物を焼却炉で焼却することによ
って発生する焼却灰を溶融処理する溶融炉に適用される
排ガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、都市ごみ、下水汚泥、或いはそ
の他の廃棄物を焼却炉で焼却することによって発生する
焼却灰は、多くの場合、埋立処理されているのが現状で
ある。しかし、埋立地の確保が年々困難になっているた
め、埋め立てられる焼却灰の容積を小さくする方法、即
ち、減容化処理が要望されている。また、焼却灰を処理
することなくそのままの状態で埋立地に埋め立てた場合
には、焼却灰自体に種々の重金属等の有害物質が含まれ
ているため、焼却灰から有害物質が雨水、地下水等に溶
出したり、或いは、焼却灰中の未燃有機物質が腐敗し、
これらの現象が二次公害を引き起こす原因になってい
る。そこで、焼却炉から排出される焼却灰の無公害化処
理が要望されている。
【0003】このような状況の下で、従来から焼却灰の
溶融処理装置として種々のものが開発されている。その
うちの一つとして、例えば、プラズマトーチを利用した
溶融炉が開発されている(特公平4−63516号公報
参照)。このプラズマ溶融装置の構造について、図5を
参照して説明する。
【0004】このプラズマ溶融炉1は、焼却灰、特に土
砂、陶器、金属等の高融点物質を多量に含む都市ごみ焼
却灰をプラズマアーク炉4において溶融処理するもので
あり、主として、プラズマアーク炉4、該プラズマアー
ク炉4に設けたプラズマトーチ5にプラズマを発生させ
るプラズマシステムから構成されている。
【0005】図5に示すように、プラズマアーク炉4に
は、炉体29の上部となる水冷式の炉蓋30が設けられ
ている。この炉体29は、カーボン、マグネシア、アル
ミナ等の耐火材で構築されている。炉体29の傾動によ
って炉体29に溜まっている残留溶融スラグが放出可能
になる。更に、炉蓋30には、トーチ昇降装置31、焼
却灰の投入シュート7、及び排ガスが排ガスダクトへ案
内される排ガス出口カバー32が取り付けられている。
プラズマトーチ5は、トーチ昇降装置31によって炉蓋
30に設置可能に設けられている。炉体29の炉底部に
はプラズマトーチ5の対極33となる黒鉛電極が埋め込
まれていて、プラズマトーチ5に内蔵された電極(+
極)と炉体29の炉底部に設けた黒鉛電極である対極3
3(−極)との間にプラズマアークを発生させる。
【0006】焼却炉で発生した焼却灰B或いは集塵器で
捕集した焼却灰Bは、一旦灰コンテナに回収され、その
後、該灰コンテナからプッシャ式灰供給装置3の灰ホッ
パ2へ投入される。灰ホッパ2に投入された焼却灰B
は、灰供給装置3によってシュート7を通じて連続的或
いは間欠的にプラズマアーク炉4へ投入される。そし
て、該プラズマアークの高い熱エネルギーによって、酸
化物、高溶融物質等を含んだ焼却灰Bは溶融状態の溶融
スラグ34となり、炉体29のスラグ排出口8より連続
的或いは間欠的に流出し、スラグSとして外部へ取り出
される。一方、焼却灰Bが溶融することによって発生し
た排ガス(燃焼ガス)は、排ガス出口9から排ガスダク
トを通って排ガス処理装置へ送り込まれ、清浄化された
後に煙突から大気中へ放出される。
【0007】ところで、焼却灰Bの溶融時に発生する排
ガスの濃度は、焼却灰Bの種類によって異なるが、概ね
プラズマアーク炉4の排ガス出口9における窒素酸化物
(NOX )の濃度は10000〜20000ppm、塩
化水素(HCl)の濃度は1000〜10000ppm
であり、国の規制値(NOX は250ppm以下、HC
lは430ppm以下)を大きく超えることから、この
排ガスを大気中に放出する際には、排ガス中に含まれる
NOX 及びHClの濃度が国の規制値以下となるように
清浄化処理を行った上で、放出するようにしなければな
らない。
【0008】プラズマ溶融装置1から排出された排ガス
を処理する手段として、バグフィルタがある。バグフィ
ルタにおいては、一般に排ガス中の有害物質は二つの段
階を経て除去される。第一段階として、排ガスがバグフ
ィルタに導入される前の段階で、煙道内に消石灰を噴霧
して排ガス中に含まれる塩化水素や硫黄酸化物等の酸性
成分を中和する。次に、第二段階として、中和した後の
反応生成物(CaCl2 、CaSO4 )をバグフィルタ
内に装備した濾布表面で捕捉する。しかしながら、バグ
フィルタは一般にHClなどの有害物質は除去すること
ができるが、NOX を除去することはできない。
【0009】従来、プラズマ溶融装置1から排出された
NOX を処理する排ガス処理方法として、例えば、特開
平2−192591号公報に開示されたものがある。こ
の排ガス処理方法は、炉内に還元性物質を供給すると共
に、炉内が均一に昇熱されるまでは炉内の排ガスを炉内
に環流して還元性物質と反応させ、COを生成させて、
NOX の低減を図るというものである。しかしながら、
この排ガス処理方法によれば、可燃性で且つ毒性の強い
COが発生するので、炉内での爆発や人体に対する中毒
の虞がある。また、COを無害化するためには、二次燃
焼炉を付設するなどしてCOをCO2 に変化させる必要
がある。
【0010】これに対して、上記のような問題を生じる
ことなく、NOX を処理することのできる別の排ガス処
理方法として、例えば、脱硝装置を使用した排ガス処理
方法がある。即ち、脱硝装置はアンモニア(NH3 )を
還元剤として使用するものであり、排ガス中に含まれる
NOX を選択的に無害な窒素(N2 )と水蒸気(H
2O)とに分解するものである。
【0011】ところで、プラズマ溶融装置から排出され
た排ガスは、非常に高温(1500℃)であるから、そ
のままバグフィルタに送り込むと、バグフィルタを破壊
してしまうことになる。バグフィルタの濾布は高温に耐
えられるといっても250℃が限度であるから、バグフ
ィルタの保護のため、排ガスは冷却した上でバグフィル
タに導入する必要がある。そこで、従来、排ガスの冷却
方式として、例えば、特開平3−186191号公報に
開示されたようなものが開発されている。即ち、この冷
却方式は、図6に示すように、水冷式の熱交換器35を
使用して排ガスを冷却するものである。図6の上側の図
は熱交換器35を示し、下側の図は温度変化を示してい
る。ここで、T及びT’は排ガスの温度を示し、t及び
t’は冷却水の温度を示している。排ガスは排ガス入口
24から熱交換器35内部を通り排ガス出口26から排
出される。一方、冷却水は、水入口36から水冷ジャケ
ット37内に入り、水出口38から排出される。このよ
うに構成された熱交換器35は、プラズマアーク炉とバ
グフィルタを結ぶ排ガスダクトの途中に設置され、この
熱交換器35によって、排ガスは間接冷却により100
0℃以下に冷却される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
6の冷却方式によれば、バグフィルタに導入される時の
排ガス温度がバグフィルタの耐熱温度である250℃以
下になるように、熱交換器によって瞬時に排ガスの温度
を低下させることは困難である。また、プラズマアーク
炉から排出される飛灰の主成分は、NaCl、KCl、
Na2 SO4 、K2 SO4 等の塩類の混合物であり、融
点は600℃、沸点は約1200℃であり、プラズマア
ーク炉内の温度は前記の通り1500℃であるから、飛
灰はガス状である。従って、プラズマアーク炉から排出
された排ガスは、排ガスダクト内を通過してバグフィル
タに至るまでの間に、飛灰の融点の温度を必ず通過する
ことになるため、飛灰が熱交換器や排ガスダクトの管壁
面に融着し、排ガスダクトを閉塞したり、腐食したりす
るという問題が発生する。
【0013】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決し、溶融炉から排出された排ガスをバグフィルタに
送り込むのに先立って大量の冷却空気を吹き込んで瞬時
に冷却すると共に希釈し、排ガス中に含まれている物
質、いわゆる飛灰が溶融状態になる時間を与えることな
く、瞬時にガスを固体化して、溶融物の排ガスダクト等
への付着を防止し、しかも排ガスを希釈することによっ
てバグフィルタへの悪影響を排除した溶融炉の排ガス処
理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、都市ごみ、下水汚泥、或いはその他の廃棄物を焼
却炉で焼却することによって発生した焼却灰を溶融処理
する溶融炉の排ガス処理方法において、前記溶融炉から
排気された排ガスを冷却空気を吹き込んで5倍から50
倍に希釈した後、希釈された排ガスをバグフィルタに送
り込んで浄化したことを特徴とする溶融炉の排ガス処理
方法に関する。
【0015】この溶融炉の排ガス処理方法は、前記希釈
された排ガスをサイクロンに通して粒状物を排除した
後、前記バグフィルタに送り込んで浄化するものであ
る。
【0016】この溶融炉の排ガス処理方法は、前記バグ
フィルタで処理した排ガスは更に脱硝装置で処理するも
のである。即ち、前記バグフィルタから排出された排ガ
スは、更に脱硝装置で排ガス処理する。脱硝用触媒を有
する特殊なバグフィルタを使用する場合には、脱硝装置
で排ガス処理する必要はない。
【0017】また、この溶融炉の排ガス処理方法は、冷
却空気で希釈した後の排ガスの温度は約500℃以下で
ある。即ち、冷却空気で5倍〜50倍に希釈した後の排
ガス温度は、飛灰の主成分である塩類の混合物の融点が
約600℃であることから、500℃以下とすることが
好ましいが、バグフィルタの耐熱性を考慮すれば、25
0℃以下とすることがより好ましい。
【0018】また、こ溶融炉の排ガス処理方法は、冷却
空気で希釈した後の窒素酸化物の濃度は約5000pp
m以下である。即ち、前記冷却空気で希釈した後の窒素
酸化物の濃度は5000ppm以下、好ましくは200
0ppmとなるようにする。また、前記冷却空気で希釈
した後の塩化水素の濃度は500ppm以下、好ましく
は200ppm以下となるようにする。
【0019】
【作用】この発明による溶融炉の排ガス処理方法は、上
記のように構成されているので、次のように作用する。
即ち、この溶融炉の排ガス処理方法は、溶融炉から排出
された排ガスに冷却空気を多量に混合し、排出ガスを5
倍から50倍に希釈することにより、排ガスは瞬時に冷
却されると共に希釈される。この結果、排ガス中に含ま
れる粒状物の主成分であるNaCl等の塩類の混合物
は、溶融状態を瞬時に通過して一気に気体から固体にな
るので、排ガスダクト等の内壁面に飛灰が付着し難くな
る。
【0020】また、冷却空気で希釈された排ガスは、サ
イクロンを経てバグフィルタに導入してもよいし、或い
は直接バグフィルタに導入してもよい。サイクロンを設
置した場合には、固体化した粒状物がサイクロンの底部
に堆積するので、その分だけバグフィルタの負担が軽減
される。
【0021】溶融炉の排ガス出口におけるHClの濃度
は1000〜10000ppmであり、これを直接脱塩
化処理しても3000ppm程度までしか除去できず、
国の規制値である430ppmを達成することはできな
い。しかし、排ガスを冷却空気を用い、標準状態で5倍
から50倍に希釈することにより、溶融炉の排ガス出口
におけるHCl濃度を500ppm以下にすることがで
きる。このため、バグフィルタで脱塩化水素処理した後
のHCl濃度は100ppm以下に低減し、規制値を十
分達成することができる。
【0022】また、溶融炉の排ガス出口におけるNOX
の濃度は10000〜20000ppmであり、これを
直接脱硝処理しても1000ppm程度までしか除去で
きず、規制値である250ppmを達成することはでき
ない。しかし、排ガスを冷却空気で5倍から50倍に希
釈することにより、溶融炉の排ガス出口におけるNOX
濃度を5000ppm以下にすることができる。このた
め、脱硝機能付きのバグフィルタ又は脱硝装置で脱硝処
理した後のNOX 濃度は50ppm以下に低減し、国の
規制値を十分達成することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明による
溶融炉の排ガス処理方法の実施例について説明する。図
1はこの発明によるプラズマ溶融炉の排ガス処理方法の
一実施例を示す概略図であって、排ガス処理システム全
体を示している。図2は図1における符号Aの領域の拡
大図である。この発明による溶融炉は、この実施例では
プラズマ溶融炉について説明しているけれども、サイク
ロン炉、電気炉等の溶融炉に適用できるものである。
【0024】プラズマ溶融炉1は、灰ホッパ2、灰供給
装置3、プラズマアーク炉4、プラズマトーチ5、スラ
グ生成装置6等から構成されている。プラズマアーク炉
4には、焼却灰の投入シュート7、スラグ排出口8、排
ガス出口9が形成されている。プラズマ溶融炉1の構造
は、図5において説明したものと基本的には同一である
から、説明を省略する。
【0025】プラズマアーク炉4の排ガス出口9にはガ
ス冷却器10が連結されている。ガス冷却器10には、
冷却空気を供給するための冷却空気供給管11、及び冷
却空気で希釈された排ガスをバグフィルタ14へ導く排
ガスダクト12が連結されている。なお、図2によれ
ば、排ガス出口9と冷却空気供給管11が対向して配置
されているように見えるが、両者はずらして配置されて
いる。ガス冷却器10には混合室13が形成されてお
り、この混合室13において、冷却空気供給管11を通
って供給された冷却空気とプラズマアーク炉4から排出
された排ガスが混合される。冷却空気によって希釈され
た排ガスは排ガスダクト12を通ってバグフィルタ14
へ送られる。
【0026】排ガスダクト12には、必要によりバグフ
ィルタ14の入口付近に温度センサー15が設けられて
おり、バグフィルタ14へ供給される排ガスの温度が測
定される。一方、冷却空気供給管11にも温度センサー
16が設けられており、ガス冷却器10へ供給される冷
却空気の温度が測定される。また、冷却空気供給管11
にはバルブ17が設けられており、測定された温度に基
づいて自動的にバルブ17の開度が調節され、冷却空気
の供給量が調節できるようになっている。即ち、温度セ
ンサー15で測定した温度が250℃以下になるように
冷却空気の供給量が調節される。その際、排ガスの希釈
倍率は約5倍から50倍の範囲に設定される。
【0027】バグフィルタ14は、排ガスからHCl等
の酸性成分の有害物質を除去するものであり、バグフィ
ルタ14に排ガスが導入される直前で、排ガス中に消石
灰[(Ca(OH)2 ]が噴霧される。即ち、消石灰貯
槽18に貯留された消石灰は、消石灰フィーダ19によ
って押し出され、消石灰ブロワ20によって排ガスダク
ト12内へ噴霧される。これにより、排ガス中に含まれ
ているHCl等の酸性成分が中和され、中和した後の反
応生成物(CaCl2 等)がバグフィルタ内に装備した
濾布表面で捕捉される。このようにして、排ガス中のH
Clが除去される。
【0028】バグフィルタ14から排出された排ガス
は、続いて脱硝装置21に導入される。排ガスが脱硝装
置21に導入される直前に、アンモニアガス供給装置2
4よりアンモニアガス(NH3 )が噴霧される。脱硝装
置21においては、排ガスは脱硝用触媒に接触し、NO
X 濃度が低減する。
【0029】このようにして、プラズマアーク炉4から
排出された排ガスは、バグフィルタ14及び脱硝装置2
1において清浄化され、誘引送風機22で誘引されて、
煙突23から大気中へ放出される。
【0030】図3は、ガス冷却器10における排ガスの
温度変化を表した図で、上側の図はガス冷却器10を示
し、下側の図は温度変化を示している。ここで、T及び
T’は排ガスの温度を示している。排ガスはガス冷却器
10の排ガス入口24から混合室13に入り、一方、冷
却空気は冷却空気入口25から混合室13に入り、混合
室13で排ガスが冷却空気で希釈されて排ガス出口26
から排出される。図3を見るとわかるように、排ガスの
温度は、冷却空気で希釈されて、瞬時にTからT’に低
下する。熱交換器35を使用した従来のもの(図6参
照)と比較して、温度低下が急激に行われることが理解
できるであろう。従って、排ガス中に含まれる飛灰は、
ガス状態から溶融状態を瞬時に通過して一気に固体粒子
状に変化することになり、ガス冷却器10の混合室13
内壁や排ガスダクト12の内壁に、NaCl、KCl、
Na2 SO4 、K2 SO4 等の塩類の混合物が付着し難
い。
【0031】次に、最大プラズマ出力1500kw、処
理能力1.5t/hを持つプラズマ溶融炉1を用いて都
市ごみ焼却灰の溶融処理を行った例について、図1を参
照しながら説明する。都市ごみ焼却灰は、灰供給装置3
により連続的に或いは間欠的にプラズマアーク炉4に投
入される。投入された都市ごみ焼却灰は、プラズマトー
チ5と対極との間に形成されたプラズマアークの熱エネ
ルギーによって溶融する。溶融した焼却灰は、プラズマ
アーク炉4から溢れ出して、スラグ生成装置6に排出さ
れる。一方、排ガスはガス冷却器10内で、希釈倍率5
倍から20倍の冷却空気によって瞬時に冷却された後、
バグフィルタ14でHClが除去されると共に除塵さ
れ、さらに脱硝装置21によりNOX が除去され、煙突
から大気中に排出される。
【0032】このプラズマ溶融炉1を用いて、プラズマ
出力1000kw、処理量1t/hで焼却灰を溶融処理
したところ、プラズマアーク炉4の出口における排ガス
温度は1500℃、HCl濃度は10000ppm、N
X 濃度は20000ppmであった。この排ガスを空
気希釈することなく、水冷式の熱交換器35を用いて2
00℃に冷却し、通ガスしたところ、約1週間後に熱交
換器35の内壁が閉塞し、運転不能になった。また、冷
却後のHCl濃度及びNOX 濃度は変化せず、それぞれ
10000ppmと20000ppmであった。HCl
を除去するために消石灰を50kg/Hr、アンモニア
を1.5Nm3 /Hr添加して排ガス処理した結果、処
理後のHCl濃度は3000ppm、同じくNOX の濃
度は1200ppmであり、国の規準値を大きく上回っ
ていた。一方、排ガスを冷却空気によって瞬時に標準状
態で10倍量に希釈し、排ガス温度を200℃、HCl
濃度を1000ppm、NOX 濃度を2000ppmと
した。この場合は、1年以上運転しても、ガス冷却器1
0や排ガスダクト12の閉塞トラブルは発生せず、ま
た、前記の場合と同様に、消石灰を50kg/Hr、ア
ンモニアを1.5Nm3 /Hr添加して排ガス処理した
結果、HCl濃度は100ppm、NOX 濃度は5pp
mまで低減することができた。
【0033】次に、この発明による別の実施例について
図4を参照しながら説明する。図4は排ガス処理システ
ム全体を示す概略図であって、図1に示した実施例の排
ガス処理システムにおいて、バグフィルタ14の上流側
にサイクロン27を付設したものである。従って、この
実施例と上記実施例との違いは、サイクロン27がある
が否かの違いだけであるから、サイクロン27以外の説
明は省略する。
【0034】サイクロン27は、ガス冷却器10と消石
灰供給部との間に配置され、排ガスダクト12の途中に
設けられており、底部にロータリーバルブ28を有して
いる。排ガスの温度はガス冷却器10で瞬時に低下し
て、排ガス中に含まれていたガス状の飛灰が瞬時に固体
粒子状になるので、サイクロン27を設けたことによ
り、サイクロン27の底部に粒子状の固体が堆積する。
サイクロン27の底部に溜まった固体は、ロータリーバ
ルブ28を開くことによって取り出すことができる。こ
のこの実施例の利点は、サイクロン27を付設したこと
により、バグフィルタ14の負担を軽くすることができ
る点にある。
【0035】なお、この実施例のように、サイクロン2
7を排ガスダクトの途中に付設する代わりに、図2では
図示を省略したが、ガス冷却器10の混合室13の下部
にサイクロンを設け、固体粒子状になった飛灰を取り出
すようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】この発明による溶融炉の排ガス処理方法
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を有する。即ち、この溶融炉の排ガス処理方法は、溶融
炉から排出される排ガスに冷却空気を多量に混合し、5
倍から50倍に排ガスを希釈して冷却することにより、
排ガス中に含まれる飛灰の主成分であるNaCl等の塩
類の混合物は、溶融状態を瞬時に通過して一気に気体か
ら固体に変化するため、飛灰の主成分である塩類が排ガ
スダクトやガス冷却器の内壁面に付着し難い。従って、
排ガスダストやガス冷却器の管壁が塩類で閉塞したり、
腐食したりするのを防止することができ、運転を停止し
て掃除をする必要もなく、長期にわたって溶融システム
を運転することができる。
【0037】また、排ガスを冷却空気で5倍から50倍
に希釈することにより、溶融炉の排ガス出口におけるN
X 濃度が低減し、脱硝効率が向上すると共に、溶融炉
の排ガス出口におけるHCl濃度が低減し、脱塩化水素
効率が向上する。更に、バグフィルタ及び脱硝装置は、
低濃度の排ガスを処理することになり、両者の負担が軽
減される。
【0038】また、バグフィルタの上流側にサイクロン
を設置すれば、固体化された飛灰がサイクロンに蓄積さ
れるので、バグフィルタで捕捉する飛灰の量が減少する
ことになり、バグフィルタの負担を更に軽減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による溶融炉の排ガス処理方法の一実
施例を示し、排ガス処理システム全体を示す概略図であ
る。
【図2】図1の符号Aにおける領域の拡大図である。
【図3】溶融炉におけるガス冷却器の概略図、及び該ガ
ス冷却器を使用した場合の温度変化を示す説明図であ
る。
【図4】この発明による溶融炉の排ガス処理方法の別の
実施例を示し、排ガス処理システム全体を示す概略図で
ある。
【図5】溶融炉の断面図である。
【図6】従来の水冷式熱交換器の概略図、及び該熱交換
器を使用した場合の温度変化を示す図である。
【符号の説明】
1 プラズマ溶融炉 2 灰ホッパ 4 プラズマアーク炉 5 プラズマトーチ 8 スラグ排出口 9 排ガス出口 10 ガス冷却器 11 冷却空気供給管 12 排ガスダクト 13 混合室 14 バグフィルタ 18 消石灰貯槽 19 消石灰フィーダ 20 消石灰ブロワ 21 脱硝装置 22 誘引送風機 27 サイクロン 28 ロータリーバルブ
フロントページの続き (72)発明者 川瀬 利博 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イン フィルコ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ごみ、下水汚泥、或いはその他の廃
    棄物を焼却炉で焼却することによって発生した焼却灰を
    溶融処理する溶融炉の排ガス処理方法において、前記溶
    融炉から排気された排ガスを冷却空気を吹き込んで5倍
    から50倍に希釈した後、希釈された排ガスをバグフィ
    ルタに送り込んで浄化したことを特徴とする溶融炉の排
    ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記希釈された排ガスをサイクロンに通
    して粒状物を排除した後、前記バグフィルタに送り込ん
    で浄化することを特徴とする請求項1に記載の溶融炉の
    排ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記バグフィルタで排ガス処理した排ガ
    スは更に脱硝装置で処理することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の溶融炉の排ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 冷却空気で希釈した後の排ガスの温度は
    約500℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の溶融炉の排ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 冷却空気で希釈した後の窒素酸化物の濃
    度は約5000ppm以下であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の溶融炉の排ガス処理方
    法。
  6. 【請求項6】 冷却空気で希釈した後の塩化水素の濃度
    は約500ppm以下であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の溶融炉の排ガス処理方法。
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