JP2007301422A - アスベスト廃棄物の処理方法及び設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスベストの飛散、系外への排出を防止して安全性の高いアスベスト廃棄物の処理方法及び設備を提供する。
【解決手段】アスベスト廃棄物51を処理炉1にて溶融若しくは焼成した後、該処理炉1で発生した熱処理残渣(スラグ)54から未分解のアスベストを検出し、該未分解アスベストが検出された場合には熱処理残渣54若しくは回収した未分解アスベストを前記処理炉1に返送するようにし、未分解アスベストの検出では、熱処理残渣54に付着する未分解アスベストを顕微鏡検査により検出、若しくは傾斜面を有する分離器に導入して振動を加えることによりスラグ中の未分解アスベストを分離して検出する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、アスベスト廃棄物を溶融若しくは焼成により処理する技術に関し、特にアスベストの飛散を防止でき、また系外へ有害なアスベストが排出されることがなく安全性の高い処理を可能としたアスベスト廃棄物の処理方法及び設備に関する。
アスベスト(石綿)は天然の繊維性鉱物で、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの優れた特性を有しており、従来は建築物の保護材や種々の保温材などとして広範囲で使用されていたが、現在は発ガン性等の人体の健康に対する影響が指摘され、アスベストの使用、生産は規制されている。そこで、近年は大量に使用されてきたアスベスト材の廃棄処理が問題となっている。
アスベストは非常に微細な繊維であり、飛散したアスベストの粉塵を人が吸引すると疾病を引き起こす惧れがあるため、現在アスベスト廃棄物は特別管理産業廃棄物に指定され、アスベスト廃棄物の処理に際しては、所要の措置を講じる必要がある。また、過去に一般廃棄物、通常の産業廃棄物として埋め立てられたアスベスト廃棄物も存在し、これについても無害化処理することが望まれている。
従来の代表的なアスベスト廃棄物の処理方法としては、特別管理産業廃棄物としてセメント固化若しくは密閉梱包した後に最終処分場に埋め立てる方法、溶融或いは焼成により分解無害化する方法が挙げられる。最終処分場に埋め立てる場合には埋立地の枯渇化、管理体制による費用増大等の問題から埋立処理には限界がある。一方、溶融或いは焼成による中間処理を行い、分解無害化されたアスベスト廃棄物は、通常の産業廃棄物として取り扱うことができるようになる。
一般的に溶融処理は、アスベスト廃棄物を1500℃以上の炉内で溶融した後固化するもので、これによりセメント固化する場合に比べて極めて容積を小さくすることができる。
特許文献1(特開平10−337547号公報)に記載されるように、アスベスト廃棄物は処理設備への搬送中に飛散しないように二重のプラスチック袋に詰めて搬送され、処理設備ではアスベスト廃棄物を袋ごと溶融炉に投入し、溶融処理する。溶融固化後に、スラグは最終処分場に埋立られる。
また、溶融処理の一つとして特許文献2(特開平4−180879号公報)には、アスベスト廃棄物と、ケイ酸カルシウム廃材を混合し溶融する方法が開示されている。この方法では、溶融炉のアスベスト廃棄物投入口にシャッタを設けてアスベスト廃棄物の袋が破けてアスベストが飛散することを防止している。
さらに、特許文献3(特開平7−171536号公報)には、密閉型電気溶融炉にてアスベスト廃棄物を溶融する装置が開示されている。この装置は、アスベスト廃棄物を投入する投入シュートを炉内のスラグ湯面まで延設して、アスベストの飛散を防止する構成となっている。また、溶融炉排ガスから煤塵を捕集する集塵装置を備えた構成となっている。
さらにまた、特許文献4(特開平8−61643号公報)には、アスベスト等の繊維系廃棄物を溶融する方法が開示されている。これは電気抵抗炉で廃棄物を溶融する方法であり、投入ホッパにて廃棄物を破砕し、電極近傍に廃棄物が層厚に堆積するように投入する構成となっている。
特開平10−337547号公報 特開平4−180879号公報 特開平7−171536号公報 特開平8−61643号公報
このように、アスベスト廃棄物を溶融処理する方法は各種提案されているが、特許文献1では溶融固化したスラグはそのまま埋立廃棄されており、未溶融のアスベストがスラグに混入されている場合にはアスベストが系外へ排出される惧れがあり、安全性が危惧される。また、未分解アスベストの混入の惧れのある熱分解残渣は安全性に問題があり、再利用することは困難であった。さらに、溶融炉から排出される排ガス中にも未溶融のアスベストが残存する可能性があり、有害なアスベストが大気に放出される惧れもあった。
特許文献2では、溶融炉のアスベスト廃棄物投入口にシャッタを設けているが、この機構では密閉性が不十分でありアスベストの飛散を確実に防止することは困難である。さらにまた、特許文献2及び4では溶融後の熱処理残渣や排ガス処理系におけるアスベストの飛散に対する対策がなされていない。
特許文献4では、投入シュートをスラグ湯面まで延設することによりアスベストの飛散を防止する構成を提案しているが、炉内の熱、ガス、煤塵等により投入シュートが破損、損耗しやすく、耐久性に問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、アスベストの飛散、系外への排出を防止して安全性を確保することができるアスベスト廃棄物の処理方法及び設備を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、アスベスト廃棄物を処理炉にて溶融若しくは焼成した後、該処理炉で発生した熱処理残渣から未分解のアスベストを検出し、該未分解アスベストが検出された場合には前記熱処理残渣若しくは回収した未分解アスベストを前記処理炉に返送することを特徴とする。
本発明によれば、処理炉から万が一未分解のアスベストが排出された場合であっても、これを確実に捕集し、さらにこの未分解アスベストを処理炉で再処理することによって有害な未分解アスベストが系外へ排出されることを防止し、且つ安全性の高い熱処理残渣として有効利用することが可能となる。
尚、アスベストの分解とは、アスベストの多くはクリソタイル(3MgO・2SiO・2HO)であり、加熱すると約700℃で脱水、変態し、約900℃で無害なフォレストライト(2MgO・SiO)になることが知られており、通常の分解の他に、この脱水・変態により無害化されることを含む。また、加熱によりアスベストをガラス化又はアスベスト以外の結晶構造を有する物質に変質させて無害化することなども含む。即ち、未分解アスベストとは、加熱が不十分で完全に無害化されていないアスベストをいう。
また、前記未分解アスベストの検出にて、前記熱処理残渣に付着する未分解アスベストを顕微鏡検査により検出し、該未分解アスベストが検出された場合には前記熱処理残渣を返送するようにしたことを特徴とする。
これにより、簡単に且つ確実に未分解アスベストを検出することができ、スラグや焼成物等の熱処理残渣の安全性が確保される。
また、前記処理炉にて溶融を行う場合であって、前記未分解アスベストの検出にて、前記処理炉で発生した溶融スラグを冷却して得られたスラグを、傾斜面を有する分離器に導入して振動を加えることによりスラグ中の未分解アスベストを分離して検出し、該未分解アスベストが検出された場合には分離した未分解アスベストを返送するようにしたことを特徴とする。
これは、傾斜面に載置したスラグに振動を加えることにより、粒状のスラグと繊維状の未分解アスベストを分離する方法を用いて未分解アスベストを分離、検出するものであり、これにより未分解アスベストのみを検出することができ、未分解アスベストの回収量を測定できるため該未分解アスベストの排出量から溶融状態を把握でき、また回収された未分解アスベストのみを返送することができる。勿論、熱処理残渣ごと処理炉へ返送するようにしてもよい。
さらに、前記熱処理残渣からアスベストを検出する作業空間が密閉されており、該作業空間のガス中のアスベスト濃度を検出して該検出したアスベスト濃度が基準値を超えている場合に前記熱処理残渣を返送するようにしたことを特徴とする。
これは、密閉された作業空間内のガス中アスベスト濃度を検出することによりアスベストの有無を検出する構成であり、これにより作業員がアスベスト飛散可能性のある作業空間にて作業を行う必要がなく、作業員への安全性が確保される。
また、アスベスト廃棄物を処理炉にて溶融若しくは焼成した後、該処理炉で発生した排ガス中の飛灰を集塵し、該飛灰集塵後の排ガスをHEPAフィルタを備えた高性能除塵装置を通過させて未分解アスベストを回収し、該回収した未分解アスベストを前記処理炉に返送することを特徴とする。
これは、排ガスに伴われて未分解アスベストが放散することを防止する方法であり、飛灰の集塵後に排ガスを高性能除塵装置に通過させることにより、飛灰より径の小さい微細な未分解アスベストを確実に回収することができ、有害な未分解アスベストの外部への放散を防止することができる。
さらに、前記処理炉で発生した排ガスを二次燃焼させる二次燃焼室を備え、該二次燃焼室より後流側で前記排ガス中のCO濃度を計測し、該CO濃度に基づいて前記二次燃焼室への空気供給量を制御することを特徴とする。
建設廃材には可燃分とアスベストが混在しているためアスベスト廃棄物を熱処理すると可燃ガスが発生し易く、またアスベスト廃棄物は性状不安定でガス成分の変動が大きいため、本発明のごとく二次燃焼室に供給する空気量を排ガスのCO濃度に基づき制御することにより、アスベスト廃棄物の熱処理により発生する可燃ガスの変動を吸収することができる。
さらにまた、前記アスベスト廃棄物を前記処理炉に投入する前に、灰若しくはガラスカレットを投入して該処理炉を昇温し、炉内温度が規定温度以上となったら前記アスベスト廃棄物を投入することを特徴とする。
このように、処理炉の運転開始時にはアスベスト廃棄物を投入せずに灰若しくはガラスカレットのみを炉内に投入して昇温することにより、低温時に未溶融のアスベストが炉外へ排出されることを防ぐ。さらに好適には、休炉前においても、アスベスト廃棄物の投入を停止し、灰若しくはガラスカレットのみを処理するようにし、炉内温度が低下した際にも未分解のアスベストが炉外へ排出されることを防止するとよい。
また、アスベスト廃棄物を溶融若しくは焼成する処理炉と、該処理炉から排出される熱処理残渣から未分解アスベストを検出するアスベスト検出手段と、該アスベスト検出手段により未分解アスベストが検出された場合に前記熱処理残渣若しくは回収された未分解アスベストを前記処理炉に返送する返送ラインとを備えたことを特徴とする。
また、前記アスベスト検出手段が、顕微鏡検査により前記熱処理残渣に付着する未分解アスベストを検出する手段であることを特徴とする。
また、前記アスベスト検出手段が、傾斜面に載置されたスラグに振動を加えることによりスラグ中の未分解アスベストを分離して検出する分離器からなることを特徴とする。
さらに、前記アスベスト検出手段が、密閉された作業空間内に設けられ該作業空間のガス中のアスベスト濃度を検出する手段であり、該検出したアスベスト濃度が基準値を超えている場合に前記熱処理残渣を前記処理炉へ返送することを特徴とする。
また、アスベスト廃棄物を溶融若しくは焼成する処理炉と、該処理炉の後段に設けられ該処理炉で発生した排ガスを二次燃焼させる二次燃焼室と、該二次燃焼した排ガスから飛灰を集塵する集塵装置と、該集塵装置を経た排ガスから未分解アスベストを回収するHEPAフィルタを備えた高性能除塵装置と、該高性能除塵装置にて回収された未分解アスベストを前記処理炉に返送する返送ラインと、を備えたことを特徴とする。
さらに、前記二次燃焼室より後流側で前記排ガス中のCO濃度を計測する手段を設け、該計測されたCO濃度に基づいて前記二次燃焼室への空気供給量を制御することを特徴とする。
また、前記処理炉のアスベスト廃棄物投入手段が、前記アスベスト廃棄物を受け入れるホッパ部と、該ホッパ部の下方に連結され水平方向に炉内まで延設された押し込み通路と、該押し込み通路内に設置されアスベスト廃棄物を炉内に押送するプッシャと、を備え、前記ホッパ部が上下一対の2重ダンパを有するとともに、前記プッシャは、最も炉内側に移動したときに該プッシャの先端が炉壁位置より所定間隔だけ存した炉外側に位置するようにしたことを特徴とする。
さらに、前記ホッパ部は投入経路の途中から複数経路に分岐され、分岐位置には投入されたアスベスト廃棄物を夫々の経路に振り分ける振分手段が設けらていることを特徴とする。
本発明によれば、プッシャがアスベスト廃棄物を押し込んだ際に、プッシャより炉内側の押し込み通路上には一若しくは数個のアスベスト廃棄物が残存する。残存したアスベスト廃棄物の袋は炉内からの熱により破袋するため熱処理が円滑に行われる。また、プッシャ先端側に常にアスベスト廃棄物が存在するようになり、プッシャ先端を炉内の熱から保護し、耐久性を維持することができる。さらに、ホッパ部を複数経路に分岐することにより、複数のアスベスト廃棄物を同時に炉内に投入することができ、密度の低いアスベスト廃棄物であっても処理量を確保することができる。
さらにまた、前記処理炉が溶融炉であって、該処理炉から排出される溶融スラグを水砕する水槽と、該水槽内の水砕水を循環させる循環経路とを備え、該循環経路上にHEPAフィルタを設けて前記水砕水から未分解アスベストを除去することを特徴とする。
これにより、水砕水中にアスベストが浮遊した場合でもこれを捕集し、水砕水を清浄に保つことができるため、水砕スラグに付着して排出されることを防止できる。
以上記載のごとく本発明によれば、処理炉から排出する熱分解残渣若しくは排ガスに伴い未分解のアスベストが外部へ排出することを防ぐことができ、安全性の高い処理方法、設備を提供することができる。
処理炉から排出される熱分解残渣に関しては、該熱分解残渣に含まれる未分解アスベストを検出するようにし、未分解アスベストが検出された場合には、熱分解残渣ごと若しくは未分解アスベストを処理炉に返送して再溶融することにより、有害な未分解アスベストが系外へ排出されることを防止し、且つ安全性の高い熱処理残渣として有効利用することが可能となる。
処理炉から排出される排ガスに関しては、該排ガス中に含まれる未分解アスベストをHEPAフィルタを備えた高性能除塵フィルタにて捕集することにより、有害な未分解アスベストが大気中へ放散することを防止する。
また、排ガス中のCO濃度を計測し、該CO濃度に基づいて二次燃焼室への空気供給量を制御することにより、アスベスト廃棄物の熱処理により発生する可燃ガスの変動を吸収することができる。
さらに、処理炉の運転開始時にはアスベスト廃棄物を投入せずに灰若しくはガラスカレットのみを炉内に投入して昇温することにより、低温時に未溶融のアスベストが炉外へ排出されることを防ぐ。
さらにまた、溶融炉の水砕水を循環させてHEPAフィルタにより未分解アスベストを除去する構成により、水砕水中にアスベストが浮遊した場合でもこれを捕集し、水砕水を清浄に保つことができるため、水砕スラグに付着して排出されることを防止できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る処理装置の全体構成図、図2は本発明の実施例に係る処理装置における溶融炉の側断面図、図3は図2に示した溶融炉のX−X線断面図、図4は図1の溶融炉におけるアスベスト廃棄物の投入手段を示す側断面図、図5は本発明の実施例に係るアスベスト廃棄物の搬入を説明する図である。
本実施例では、処理炉1としてプラズマ溶融炉1を例に挙げて説明するがこれに限定されるものではなく、プラズマ溶融炉又は電気抵抗炉等の電気式溶融炉、バーナ炉に代表される表面溶融炉等の燃焼式溶融炉などの各種溶融炉、或いは炭化炉又は熱分解ガス化炉等の各種焼成炉などが用いられる。アスベスト廃棄物51は、少なくともアスベストを含む廃棄物であり、例えば建築廃材、保温材或いは断熱材等の各種工業製品などが挙げられ、また、埋立処分場の安全確保及び延命化のために、既に埋立処分場に埋められたアスベスト廃棄物を掘起して処理するようにしてもよい。
図1に本実施例のアスベスト廃棄物の溶融処理設備の全体構成図を示す。アスベスト廃棄物51はプラズマ溶融炉1にて溶融処理される。このとき、必要に応じて灰50若しくはガラスカレットと混合して溶融処理するようにしてもよい。灰50は、焼却炉の炉底から回収された主灰、及び各種燃焼設備の集塵装置等から回収された飛灰を含む。
アスベスト廃棄物51は、プラズマ溶融炉1に投入される前に飛散防止処理することが好ましい。プラズマ溶融炉1の前段に飛散防止処理を施すアスベスト前処理室(不図示)を設ける。該アスベスト前処理室は、アスベストの飛散を防止するためにHEPAフィルタ等の高性能フィルタで覆われた密閉構造とする。アスベスト前処理室で行われる飛散防止処理としては、ウォータージェットの噴霧、水ガラス処理、ペレット化処理等が挙げられる。尚、水ガラス処理は、珪酸ナトリウムを水に溶かして加熱することで得られる高粘性の水ガラスを飛散防止材としてアスベスト廃棄物51に添加する処理である。アスベスト前処理室からプラズマ溶融炉1のアスベスト廃棄物投入手段までは密閉コンベアとすることが好ましい。
アスベスト廃棄物51は、プラズマ溶融炉1にて溶融処理される。このとき、炉内はアスベストが溶融する温度として予め設定された規定温度以上、好適には1500℃以上に維持される。
プラズマ溶融炉1から排出された溶融スラグ52は出滓口8より排出されては水槽31内に流下する。高温の溶融スラグ52は、水槽31内に貯留された水砕水によって急冷されることにより、粒上の塊である水砕スラグ54となる。水砕スラグ54は、水砕コンベア32により移送され排出される。
水槽31内の水砕水は、一部を抜き出して水中用HEPAフィルタ33により濾過してアスベストを除去することが好ましい。アスベストを除去した水砕水は水槽31に戻し、循環させる。これにより、水砕水中にアスベストが浮遊した場合でもこれを捕集し、水砕水を清浄に保つことができるため、水砕スラグ54に付着して排出されることを防止できる。
尚、溶融スラグ52の冷却方法は冷却方式に限定されるものではなく、例えば空冷方式、水冷方式、水冷・空冷併用方式も可能である。空冷方式は、未溶融のアスベストがスラグに混入して排出された場合であっても、スラグを水に浸漬する場合に比べて浮遊する惧れが少なく、コンベアのモールド内で時間をかけて冷却されるためその際に残留アスベストが完全溶融すると考えられ、好ましい方式である。
水砕スラグ54は、HEPAフィルタ34等を用いた作業室34内にて後処理される。作業室34の構成は、作業空間の全てを高性能フィルタで囲繞してもよいし、空調手段のみに高性能フィルタを設置した密閉空間としてもよい。作業室34内は負圧に維持され、空調手段により清浄空気が供給され、排気はHEPAフィルタ等の高性能フィルタを介して微細なゴミ、塵埃等を除去された後に排気される。尚、HEPAフィルタ(High Efficiency ParticulateAir Filter)とは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種であり、空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる公知のフィルタである。HEPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタと規定されている。
作業室34内では、水砕スラグ54を定期的に顕微鏡で検査し、付着アスベストが存在するかを確認する。また、作業室34内のガス中のアスベスト濃度を検出し、管理するようにしてもよい。即ち、作業室34内のアスベスト濃度が基準値を超えた場合に、水砕スラグ54をプラズマ溶融炉1に返送して再溶融する。これにより、水砕スラグとともに外部へアスベストが排出されることを防ぐ。ここでアスベストが存在する場合には、水砕スラグを溶融炉1内へ返送して再溶融するとよい。これにより、スラグの安全性を確保し、スラグを有効利用することが可能となる。
また、水砕スラグ54に含まれるアスベストの検出方法として、針状スラグと同じ手法で検出するようにしてもよい。即ち、水砕スラグ54を乾燥させ、必要に応じて分離用篩にかけて繊維状のアスベストを全く含まない粒子状スラグ画分と、アスベストを含む画分とに分離する。次いで、アスベストを含むスラグを傾斜面を備えた分離用容器に載置し、振動を加える。このとき、傾斜面は0°より大きく、45°以下とし、好適には10°以下とする。振動を加えることにより、アスベストを多く含むアスベストリッチ画分と粒子状スラグリッチ画分とに分離する。そして、この分離用容器による分離動作を複数回繰り返すことにより、アスベストとスラグとを分離することが可能となる。これにより、アスベストを分離して、回収された量を計測することができる。
一方、プラズマ溶融炉1にて発生した排ガスは出滓口8から排出される。排ガスは灰投入手段15から最も離れた出滓口8から排出される構成であるため、炉内の未溶融のアスベストが排ガスに伴われて飛散することを防止できる。
出滓口8には、バーナ9が設けられている。該燃焼バーナ9は、出滓口8が温度低下し、溶融スラグ51が固化して付着することを防ぐために、出滓口8近傍を高温に維持する。また、このバーナ9は、出滓口8から排出される排ガス中のCO燃焼用としても機能し、これによりアスベスト廃棄物51の溶融により発生し易いCOによる爆発を防止する。また、出滓口8には、排ガス中の可燃分の燃焼を促進するための空気供給口22が設けられている。
出滓口8から排出された排ガスは、該出滓口8に連結された二次燃焼室21を経て排ガス処理設備に送給される。排ガス処理設備は、減温塔25と、バグフィルタ26と、HEPAフィルタ27と、湿式洗煙塔28と、煙突29とから構成される。
二次燃焼室21は、プラズマ溶融炉1で発生した排ガスを二次燃焼させる装置であり、排ガス中のダイオキシン類の分解、CO燃焼等を行う。二次燃焼室21には、一又は複数段に亘って空気供給口24が備えられており、ここから空気が供給される。また、二次燃焼室にはバーナ23が設けられており、このバーナ23により二次燃焼室21内の温度を調整するようになっている。また、バーナ23は二次燃焼室21の下方で且つ水槽23の上方に設けることが好ましく、これにより二次燃焼室21へ向かう排ガス流れが水槽23側へ流出することを防止する。
さらに、本実施例は可燃ガスを発生し易いアスベスト廃棄物51を溶融する構成であるため、排ガスが高温となり易い。従って、この可燃分の変動に追随して燃焼を制御するように、空気供給口22からの空気の供給量を調整すようになっている。可燃分の変動の検出には、排ガスラインの後段側における排ガスのCO濃度を計測するCO計測手段30を設け、CO計測手段30により検出されたCO濃度に基づいて出滓口8若しくは二次燃焼室21の空気供給口22若しくは24から導入する空気供給量を制御する。本実施例では、一例として高性能除塵装置27の後段にて排ガスのCO濃度を計測し、出滓口8の空気供給口22への空気供給量を調整するようにしている。
これにより、アスベスト廃棄物51の溶融により発生する可燃ガスの変動を空気供給口22若しくは24にて調整することができる。
さらにまた、可燃分の多い排ガスを燃焼させる二次燃焼室21は高温化し易いため、二次燃焼室21をボイラ構造とすることが好ましい。ボイラ構造とすることより冷却を強化して、二次燃焼室21の耐久性を維持する。
二次燃焼室21を通過した排ガスは減温塔25にて冷却水の噴霧により冷却され、バグフィルタ26に送給され、該バグフィルタ26にて排ガス中の煤塵を捕集して除去する。さらに本実施例では、バグフィルタ26にて除去しきれないアスベストが残存する場合に備えて、バグフィルタ26の後段に、HEPAフィルタ等の高性能フィルタを備えた高性能除塵装置27を設けている。該除塵装置27では、HEPAフィルタにより、バグフィルタ26で捕集しきれなかった微細な繊維を完全に除去することができる。
高性能除塵装置27を経た排ガスは湿式洗煙塔28に導入され、洗浄水により排ガス中に残存するダイオキシン類、酸性成分等を除去した後、煙突29より大気放出、或いは他の排ガス処理設備へ送給される。
このような排ガス処理設備では、アスベストの飛散可能性のある箇所は局所的に外部と隔離し、HEPAフィルタ等の高性能フィルタ35で囲繞して密閉し、無人化することが好ましい。これにより、処理施設に万が一アスベストが飛散した場合においても、外部への放散を確実に防止し、安全性の高い設備とすることができる。
また、これらの処理設備にて発生した消耗品、例えばバグフィルタ26のフィルタユニット、HEPAフィルタ、耐火物、或いは作業服等は、使用後にプラズマ溶融炉1にて溶融処理することが好ましい。このように、処理設備内で発生したアスベスト廃棄物は設備内で溶融するとよい。
次に、図2を参照してアスベスト廃棄物の処理炉であるプラズマ溶融炉1の構成につき説明する。プラズマ溶融炉1は、炉本体4の炉蓋から主電極5が垂下され、これに対向して炉底から炉底電極6が挿設されている。プラズマ式灰溶融炉1では、これらの電極間に直流電流を通流して炉内にプラズマアーク7を発生させる。炉内に投入された被溶融物は、プラズマアーク熱及び電極間を流れる電流のジュール熱により溶融し、溶融スラグ11として炉底に溜まる。また溶融スラグ11の下部には比重差により溶融メタル12が形成される。さらに、一般的なプラズマ溶融炉1では、溶融スラグ11表面の少なくとも一部に、灰の未溶融層10が形成される。溶融後は、適宜溶融スラグ11をオーバーフローさせ出滓口8より流出させる。このオーバーフロー式では突出物がないため炉体の長寿命化が図れるという利点がある。
溶融炉1の炉本体4の内側は耐火材3で形成され、その外表面は鉄皮2で被覆されている。耐火材3は不定形耐火物若しくは耐火レンガ等が用いられるが、耐火物の浸食や腐食ガスの浸透を考慮すると何れの場合も耐火材肉厚が200mm以上であることが好ましい。また、鉄皮2の材質としては、ハステロイ等の耐熱性合金が好ましい。このように、炉体の耐熱性、耐久性を高くすることにより、長寿命化を図り、メンテナンスの回数を低減し、アスベストが残存する可能性のある炉内へ作業員が入る回数を少なくするとよい。
また、プラズマ式溶融炉1では、円滑で適正な運転を行なうために各種計測器(不図示)を具備し、これにより取得した計測値に基づいて運転及び炉内監視を行なっている。例えば、炉蓋に設けられた計測用開口に設置されたスラグ温度計13や炉壁から溶融スラグ11に挿入された熱電対などが挙げられる。図示されるスラグ温度計13としては、測定対象(スラグ液面)から放出される放射エネルギ量を非接触で検出して該放射エネルギ量から測定対象の温度を求める周知のサーモグラフィが用いられ、好適には異なる波長を有する2種類以上の赤外光の強度比からスラグ液面温度を推定する2色放射温度計とするとよい。2色放射温度計を用いると、炉内の煤塵による影響を最小限に抑えることができる。スラグ温度計13にて測定された温度に基づき、溶融炉の運転を制御して炉内温度を規定温度以上、好ましくは1500℃以上に維持する。このように、炉内温度をアスベストが溶融する規定温度以上に維持することでアスベスト廃棄物51の完全溶融を図る。
本実施例では、アスベスト廃棄物51を灰50とともに溶融処理するようにしてもよく、これにより、被溶融物の融点が低下し、アスベスト廃棄物51を単独で溶融処理する場合に比べて低い温度でアスベスト廃棄物51を完全溶融することができる。
アスベストの無機主成分はSiO、CaO、MgO、Fe、Alなどで、その塩基度は0.3程度と低い。アスベスト廃棄物51を単独で処理する場合にはガラスカレットなどの塩基度調整剤が必要となる可能性がある。これに対して、灰50の成分はアスベストの成分と似ており、灰50と混合処理すれば塩基度が偏って融点が上昇したり、粘性が上昇することはなく、低い温度でアスベスト廃棄物51を完全溶融することができ、またガラスカレット等の塩基度調整剤を供給する必要もなく、廃棄物である灰50とアスベスト廃棄物51を同時に処理できる。
特に、アスベスト廃棄物51に飛灰を混合して溶融するとよく、飛灰はCa成分が多いため融点がより低くなり好ましい。また、アスベストはSiO割合が多く塩基度が低いため、Ca成分が多く粘性の低い飛灰と混合し、粘性を低下させると運転し易いと考えられる。
尚、アスベスト廃棄物51は、種類によっては炭素が多いもの(10wt%程度)があるが、その場合には前処理で燃焼処理を行うか、或いはアスベスト廃棄物51の混合比率を低下するとよい。
図3はプラズマ溶融炉1のX−X線断面図を示す。本実施例では一例としてアスベスト廃棄物51を灰50とともに混合溶融する場合につき説明する。
灰投入手段15は、出滓口8に対向する側の炉体側壁に設けられる。灰投入手段15はスクリューフィーダとし、灰を定量供給することが好ましい。溶融炉1の炉内は負圧であるため、灰の安定供給が可能となるとともに、炉内のアスベストが外部へ飛散することを防止できる。また、出滓口8を撮像する赤外カメラ18を設け、溶融スラグの出滓状況を確認する。
アスベスト廃棄物投入手段16は、主電極5を中心として灰投入手段から左右に90°以内に位置する炉体側壁に設けられることが好ましい。アスベスト廃棄物は揮発分があるため灰よりも溶け易い。また灰よりも少量とするため灰よりは出滓口側に設置できる。また、アスベスト廃棄物投入手段16を灰投入手段15から左右に90°以内に設置することにより、アスベスト廃棄物51が投入されて出滓口8から排出されるまでの滞留時間を確保することができ、アスベストの完全溶融を図る。また、アスベスト廃棄物投入手段16は、炉底に溜まった溶融スラグ層11より上方にアスベスト廃棄物投入部が開口するように設けられ、溶融スラグ層11の表面に形成される灰50の未溶融層10上にアスベスト廃棄物51が落下するように構成される。これにより急に温度が上昇して爆発することを防ぐことができる。
さらに、アスベスト廃棄物投入手段16から投入されたアスベスト廃棄物51が未溶融層10内に落下する位置を視野範囲とする赤外カメラ19を設けることが好ましい。赤外カメラ19でアスベスト廃棄物51の溶融状態を監視することにより、アスベスト廃棄物51が未溶融で排出されることを防止する。赤外カメラ19にて得られた画像上には、白色状の未溶融層10が表示され、その上方から投入される黒色状のアスベスト廃棄物51が確認できる。このように、未溶融層10上からアスベスト廃棄物51を投入することが好ましく、これによりアスベスト廃棄物51の溶融する状態が簡単に把握でき、円滑な溶融炉の運転が可能となる。このとき、赤外カメラ19にてアスベスト廃棄物51の落下位置とともにプラズマアーク7を視野範囲に入れることが好ましく、これによりアスベスト廃棄物51の落下位置の位置確認が確実に行えるとともに、プラズマアーク7の状態を把握することができる。
プラズマ溶融炉1における処理フローの一例として、まず溶融炉の運転が開始したら灰若しくはガラスカレットを投入して炉内温度を昇温する。炉内のスラグ温度を計測し、該スラグ温度が規定温度以上となったらアスベスト廃棄物51を投入し、適宜投入される灰若しくはガラスカレットとともに溶融処理する。休炉前には、アスベスト廃棄物51の投入を停止し、灰若しくはガラスカレットのみを投入して溶融処理する。
このように、立ち上げ時は灰若しくはガラスカレットを溶融しながら炉が安定した後にアスベスト廃棄物を投入してアスベストを確実に溶融処理し、休炉前は休炉後に点検することを考慮してアスベストが残留しないように、同様に灰若しくはガラスカレットのみを投入、溶融処理するようにする。
また、溶融炉1の運転において、炉内の温度が予め設定された規定温度以下となったらアスベスト廃棄物51の投入を停止する制御回路を具備したインターロック手段を備えることが好ましい。この場合、炉内温度が規定温度以上に上昇した場合には再度アスベスト廃棄物51の投入を開始するようにしてもよい。
図4に、図1に示したプラズマ溶融炉1が具備するアスベスト廃棄物の投入手段16の具体的構成の一例を示す。投入手段16は、紙面手前側から紙面奥手側へ向かう方向に設置されたコンベア43を備えるアスベスト廃棄物の搬送通路60にその上部が連結され、コンベア43によりアスベスト廃棄物51が袋ごと投入手段16に導かれる。投入手段16は、その下方が図中左右に分岐した2の筒63、64からなる投入ホッパ61と、該投入ホッパ61の分岐位置に設置され、左右に回動できる自動シャッタを備えた振分手段62と、各筒63、64の下部に設けられた2重ダンパ65、66と、各筒63、64の下端に連結された略水平方向に炉内まで延設する押し込み通路57と、該押し込み通路57内に配置されアスベスト廃棄物51を炉内へ押送するプッシャ68と、から構成される。尚、本実施例では2経路に分岐するホッパ61を示したが、これに限定されるものではなく、複数の筒を備えて複数経路に振り分ける構成としてもよい。
振分手段62は、搬送通路60から送られて投入ホッパ61上部から自由落下したアスベスト廃棄物51を左右の筒63、64に振り分ける。
二重ダンパ65、66は、夫々同時開放を禁止した一対の可動ダンパからなる。可動ダンパは筒63、64の夫々上下方向に設けられ、不図示の駆動装置によってスライド式に開閉作動するようになっており、順次開閉することにより落下してきたアスベスト廃棄物51を下方へ送りだす構成となっている。また、二重ダンパ65、66では、アスベスト廃棄物51を1個ずつ送りだす構成とすることが好ましい。これは、二重ダンパ65、66にセンサを設けて、一個のアスベスト廃棄物51がダンパ上に載置されたことを検出し、ダンパを起動させるように管理する。センサとしては、例えば距離センサ、タッチセンサ、重量センサ等が挙げられる。このように、アスベスト廃棄物51を一個ずつ逐次送り出す構成とすることによって、投入ホッパ61若しくは押し込み通路67が閉塞することを防止するとともに、アスベスト廃棄物51の袋が破れてアスベストが飛散することを防止する。また、押し込み通路67内は負圧とし、且つNパージすることが好ましい。このようにNパージすることにより、アスベストの飛散防止及び炉内への空気の漏れ込みを防止することができる。
二重ダンパ65、66を介してアスベスト廃棄物51は押し込み通路57上に落下し、プッシャ68によって袋ごと炉内へ押し込まれる。プッシャ68は、炉内へ向けて略水平方向に出退動作を繰り返し、逐次アスベスト廃棄物51を袋ごと炉内へ押送するようになっている。本実施例では、プッシャ68が最も炉内側に位置するときに、該プッシャ68の先端は炉体4の炉内面より間隙を存して外側に位置するようにする。これにより、プッシャ68がアスベスト廃棄物51を押し込んだ際に、プッシャ68より炉内側の押し込み通路57上には一若しくは数個のアスベスト廃棄物51が残存する。残存したアスベスト廃棄物51の袋は炉内からの熱により破袋し、次にプッシャ68により押し込まれたときに内容物のみが炉内へ投入され、溶融が円滑に行われる。また、プッシャ先端側に常にアスベスト廃棄物51が存在するようにすることにより、プッシャ68の先端を炉内の熱から保護し、耐久性を維持することができる。
このような投入手段の構成とすることで、アスベストの飛散を防止でき、安全性の高い処理設備を提供できる。また、複数のアスベスト廃棄物51を同時に投入することで、密度の低いアスベストを含有する廃棄物であっても処理量を確保することができる。尚、アスベスト投入手段16は、一または複数設けることができる。
図5にプラズマ溶融炉1へのアスベスト廃棄物の搬入方法を示す。アスベスト廃棄物51は、回収時には耐水性材料で二重梱包されて密閉袋詰めされており、この袋はフレキシブルコンテナバッグ(以下、フレコンバッグという)55等に複数個収容された状態で運搬車40に積載され、処理設備に搬送される。
処理設備の搬入場では、フレコンバッグ55運搬車40からクレーン41により密閉された作業室44内に移送され、さらにフレコンバッグ55内の袋詰めアスベスト廃棄物51は、作業室44内の無人クレーン42の遠隔グローブにより一個ずつ搬送コンベア43上に載置される。作業室44はアスベストが外部へ放散することを防止するために、HEPAフィルタ等の高性能フィルタで覆われた作業室44とする。搬送コンベア43は、ゴム製とすることが好ましく、これにより袋が破れることを防ぎ、アスベストの飛散を防止する。
本発明の実施例に係る処理装置の全体構成図である。 本発明の実施例に係る処理装置における溶融炉の側断面図である。 図2の溶融炉のX−X線断面図である。 図1の溶融炉におけるアスベスト廃棄物の投入手段を示す側断面図である。 本発明の実施例に係るアスベスト廃棄物の搬入を説明する図である。
符号の説明
1 溶融炉
8 出滓口
10 未溶融層
11 溶融スラグ層
12 溶融メタル層
13 スラグ温度計
15 灰投入口
16 アスベスト廃棄物投入口
18、19 カメラ
21 二次燃焼室
27、33、36 HEPAフィルタ
30 CO計測器
34、35、44 作業室
50 灰
51 アスベスト廃棄物
52 溶融スラグ
62 振分手段
65、66 二重ダンパ
68 プッシャ

Claims (16)

  1. アスベスト廃棄物を処理炉にて溶融若しくは焼成した後、該処理炉で発生した熱処理残渣から未分解のアスベストを検出し、該未分解アスベストが検出された場合には前記熱処理残渣若しくは回収した未分解アスベストを前記処理炉に返送することを特徴とするアスベスト廃棄物の処理方法。
  2. 前記未分解アスベストの検出にて、前記熱処理残渣に付着する未分解アスベストを顕微鏡検査により検出し、該未分解アスベストが検出された場合には前記熱処理残渣を返送するようにしたことを特徴とする請求項1記載のアスベスト廃棄物の処理方法。
  3. 前記処理炉にて溶融を行う場合であって、前記未分解アスベストの検出にて、前記処理炉で発生した溶融スラグを冷却して得られたスラグを、傾斜面を有する分離器に導入して振動を加えることによりスラグ中の未分解アスベストを分離して検出し、該未分解アスベストが検出された場合には分離した未分解アスベストを返送するようにしたことを特徴とする請求項1記載のアスベスト廃棄物の処理方法。
  4. 前記熱処理残渣から未分解アスベストを検出する作業空間が密閉されており、該作業空間のガス中のアスベスト濃度を検出して該検出したアスベスト濃度が基準値を超えている場合に前記熱処理残渣を返送するようにしたことを特徴とする請求項1記載のアスベスト廃棄物の処理方法。
  5. アスベスト廃棄物を処理炉にて溶融若しくは焼成した後、該処理炉で発生した排ガス中の飛灰を集塵し、該飛灰集塵後の排ガスをHEPAフィルタを備えた高性能除塵装置を通過させて未分解アスベストを回収し、該回収した未分解アスベストを前記処理炉に返送することを特徴とするアスベスト廃棄物の処理方法。
  6. 前記処理炉で発生した排ガスを二次燃焼させる二次燃焼室を備え、該二次燃焼室より後流側で前記排ガス中のCO濃度を計測し、該CO濃度に基づいて前記二次燃焼室への空気供給量を制御することを特徴とする請求項1若しくは5記載のアスベスト廃棄物の処理方法。
  7. 前記アスベスト廃棄物を前記処理炉に投入する前に、灰若しくはガラスカレットを投入して該処理炉を昇温し、炉内温度が規定温度以上となったら前記アスベスト廃棄物を投入することを特徴とする請求項1若しくは5記載のアスベスト廃棄物の処理方法。
  8. アスベスト廃棄物を溶融若しくは焼成する処理炉と、該処理炉から排出される熱処理残渣から未分解アスベストを検出するアスベスト検出手段と、該アスベスト検出手段により未分解アスベストが検出された場合に前記熱処理残渣若しくは回収された未分解アスベストを前記処理炉に返送する返送ラインとを備えたことを特徴とするアスベスト廃棄物の処理設備。
  9. 前記アスベスト検出手段が、顕微鏡検査により前記熱処理残渣に付着する未分解アスベストを検出する手段であることを特徴とする請求項8記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  10. 前記アスベスト検出手段が、傾斜面に載置されたスラグに振動を加えることによりスラグ中の未分解アスベストを分離して検出する分離器からなることを特徴とする請求項8記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  11. 前記アスベスト検出手段が、密閉された作業空間内に設けられ該作業空間のガス中のアスベスト濃度を検出する手段であり、該検出したアスベスト濃度が基準値を超えている場合に前記熱処理残渣を前記処理炉へ返送することを特徴とする請求項8記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  12. アスベスト廃棄物を溶融若しくは焼成する処理炉と、該処理炉の後段に設けられ該処理炉で発生した排ガスを二次燃焼させる二次燃焼室と、該二次燃焼した排ガスから飛灰を集塵する集塵装置と、該集塵装置を経た排ガスから未分解アスベストを回収するHEPAフィルタを備えた高性能除塵装置と、該高性能除塵装置にて回収された未分解アスベストを前記処理炉に返送する返送ラインと、を備えたことを特徴とするアスベスト廃棄物の処理設備。
  13. 前記二次燃焼室より後流側で前記排ガス中のCO濃度を計測する手段を設け、該計測されたCO濃度に基づいて前記二次燃焼室への空気供給量を制御することを特徴とする請求項12記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  14. 前記処理炉のアスベスト廃棄物投入手段が、前記アスベスト廃棄物を受け入れるホッパ部と、該ホッパ部の下方に連結され水平方向に炉内まで延設された押し込み通路と、該押し込み通路内に設置されアスベスト廃棄物を炉内に押送するプッシャと、を備え、前記ホッパ部が上下一対の2重ダンパを有するとともに、前記プッシャは、最も炉内側に移動したときに該プッシャの先端が炉壁位置より所定間隔だけ存した炉外側に位置するようにしたことを特徴とする請求項8若しくは12記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  15. 前記ホッパ部は投入経路の途中から複数経路に分岐され、分岐位置には投入されたアスベスト廃棄物を夫々の経路に振り分ける振分手段が設けらていることを特徴とする請求項14記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
  16. 前記処理炉が溶融炉であって、該処理炉から排出される溶融スラグを水砕する水槽と、該水槽内の水砕水を循環させる循環経路とを備え、該循環経路上にHEPAフィルタを設けて前記水砕水から未分解アスベストを除去することを特徴とする請求項8若しくは12記載のアスベスト廃棄物の処理設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008068192A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Nippon Steel Engineering Co Ltd アスベスト廃棄物処理装置及び方法
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