JP5054985B2 - 機器内のダスト監視除去方法 - Google Patents
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Description
ところが、前記燃焼塔10に於いては、溶融炉から排出される排ガスG中に水素や一酸化炭素等の可燃ガスの他に多量のダストDが含まれているため、溶融炉から排ガスダクトを通って燃焼塔10の燃焼室内に流入した排ガスG中のダストDが燃焼室の内壁面に付着し、成長したダストDによる燃焼室の閉塞やダストDの落下による下部コンベヤ(燃焼室の下方位置に配設したダスト排出用のコンベヤ)等の破損を招くと云う問題があった。特に、燃焼室の排ガスGの受入れ口10aに対向する内壁面部分や排ガスGの受入れ口10a周辺の内壁面部分にダストDが付着し易くなっている。
即ち、溶融炉を保持運転にし、燃焼塔10の燃焼室内のダストD濃度を可視光線カメラ11で撮影可能な程度まで低下させ、運転員が燃焼塔10の下部に設けた管台12やマンホール等から燃焼室内に可視光線カメラ11を挿入して可視光線カメラ11により燃焼室内を撮影し、燃焼室の内壁面に付着しているダストDが溶融炉の連続運転に支障を来たす可能性があると判断した場合には、運転員が手作業により棒等で燃焼室の内壁面に付着しているダストDを落下させたり、或いは運転員が手動で熱風温度の設定を上昇させている。
これらの問題から、可視光線カメラ11による燃焼室内の撮影回数が少なくなり、燃焼室の内壁面にダストDの急激な付着増加があってもこれを確認できない場合があった。
更に、ダストDの除去作業時には、ダストDの除去効果を確認しながらダストDの除去作業を行えず、そのためにダストDの除去作業後に再度撮影を行ってダストDの除去効果を確認しなければならないと云う問題があった。
加えて、ダストDの除去作業時には、排ガスGやダストDが吹き出し、運転員が火傷等の怪我をする虞があるうえ、マンホールからダストDが外部へ飛散すると云う問題もあった。
従来、カメラにより燃焼室内を監視したり、或いは付着したダストDを除去する技術としては、特開平6−18025号公報(特許文献1)、特開2005−155944号公報(特許文献2)、特開2000−249318号公報(特許文献3)及び特開2002−98321号公報(特許文献4)等に開示された技術が知られている。
又、特開2005−155944号公報に開示された技術は、排ガスダクトの内部を赤外線カメラにより監視して排ガスダクト内の付着物の有無を確認するようにしたものであり、排ガスダクト内の付着物を除去するものではない。
更に、特開2000−249318号公報に開示された技術は、排ガス中に含まれているダストによる燃焼炉の閉塞事故を防止できるように排ガスを燃焼させるようにしたものであり、燃焼室内を監視したり、或いは燃焼室内の内壁面に付着したダストを除去したりするものではない。
そして、特開2002−98321号公報に開示された技術は、燃焼室の内壁面に付着したダストを空気ブラスト装置により定期的に吹き飛ばして除去するようにしたものであるが、燃焼室内を監視していないためにダストの付着増加があったときにはこれを確認することが困難であり、ダストの急激な付着増加に対処することができない。又、付着したダストを空気ブラスト装置により吹き飛ばすようにしているが、燃焼室の内壁面全域に空気を吹き付け難く、一部の付着したダストが壁面に残ると云う問題がある。
又、本発明の機器内のダスト監視除去方法は、排ガスを処理する機器内を長波長型の赤外線カメラで監視するようにしているため、溶融炉に被溶融物を供給しながらでも、燃焼室内を撮影することができ、被溶融物の処理量が低下すると云うこともない。
更に、本発明の機器内のダスト監視除去方法は、機器内を連続撮影しているため、ダストの急激な付着増加にも対処することができるうえ、ダストの除去効果を確認しながらダストの除去作業を行えると共に、効果的な時期にダストの除去を行える。
加えて、本発明の機器内のダスト監視除去方法は、機器内を赤外線カメラにより連続監視し、機器内のダストの付着度合いに応じて機器内にバーナを備えた熱風炉から熱風を供給して機器内の温度をダストが溶融する温度にまで上昇させ、機器の内壁面に付着したダストを溶融滴下させて除去するようにしているため、安全且つ容易にダストの除去作業を行える。
図1は本発明の方法を実施するための溶融処理設備の燃焼塔1を示し、当該燃焼塔1は、プラズマ溶融炉等の溶融炉(図示省略)に隣接して設けられ、溶融炉から排出された排ガスGを燃焼させて排ガスG中の未燃ガスを完全燃焼させるものであり、燃焼塔1の燃焼室1cの内壁面に付着したダストDを長波長型の赤外線カメラ2により連続監視し、燃焼室1cの内壁面に付着したダストDの付着度合いに応じてダストDを溶融滴下させて除去できるようになっている。
又、燃焼塔1の周壁1aの下部には、溶融炉から排出された高温の排ガスGを燃焼室1c内に受け入れるためのガス受入れ口1dが形成されていると共に、燃焼塔1の周壁1aの上部には、燃焼室1c内の燃焼排ガスG′を排出するためのガス排出口1eが形成されている。
更に、燃焼塔1の下部には、ダスト排出口1fが形成されており、このダスト排出口1fにはダスト排出用のコンベヤ(図示省略)が接続されている。
又、燃焼塔1のガス受入れ口1dは、排ガスダクト(図示省略)を介して溶融炉内に連通状に接続されていると共に、燃焼塔1のガス排出口1eは、ガス冷却室やバグフィルター(何れも図示省略)等に接続されている。
前記熱風炉3は、円筒状の熱風炉本体3aと、熱風炉本体3aに設けたバーナ3b(オイルバーナ3b又はガスバーナ3b)と、燃焼塔1の周壁1aの下部と熱風炉本体3aとを連通状に接続する熱風ダクト3cとから成り、熱風炉本体3a内で発生した熱風G″を所定の温度にして次燃焼塔1の燃焼室1c内へ吹き込み、燃焼室1c内を所定の温度に維持するようにしたものである。
即ち、この熱風炉3に於いては、熱風ダクト3cに熱風ダクト3c内へ冷却空気Aを供給する冷却空気供給管4が分岐状に接続されており、冷却空気供給管4よりも下流側の熱風ダクト3c内の熱風G″の温度を温度検出制御器5により検出し、この検出温度に基づいて冷却空気供給管4に介設したダンパ6を制御して熱風ダクト3c内へ供給される冷却空気Aの量を制御することによって、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度を調整できるように構成されている。
具体的には、前記熱風炉3は、燃焼室1cの内壁面にダストDが付着していない場合やダストDが少ししか付着していない場合には、燃焼室1c内へ約1000℃の熱風G″を吹き込んで燃焼室1c内の温度を一定の温度に維持し、又、燃焼室1cの内壁面に運転に支障を来たす量のダストDが付着した場合には、燃焼室1c内へ約1300℃の熱風G″を吹き込んで燃焼室1cの内壁面に付着したダストDを溶融滴下させることができるように熱風G″の温度を調整している。
この長波長型の赤外線カメラ2は、燃焼塔1の天井壁1bの中央部に取り付けた長波長の赤外線を透過する窓材7の上方位置に配置されており、窓材7を通して燃焼室1c内の全域を連続撮影できるようになっている。
(2)データ処理装置8は、燃焼室1c内のダストDの付着部分を除いた開口面積S(図2(B)参照)が設定値以下になれば(燃焼室1c内のダストDの付着部分を除いた開口面積Sが溶融炉の運転に支障を来たす開口面積Sになれば)、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1300℃に上がるように温度検出制御器5に指令信号を与え、又、熱風G″の温度上昇によるダストDの溶融滴下により燃焼室1c内のダストDの付着部を除いた開口面積Sが設定値以上になれば(燃焼室1c内のダストDの付着部分を除いた開口面積Sが溶融炉の運転に支障を来たさない開口面積Sになれば)、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1000℃になるように温度検出制御器5に指令信号を与えるようになっている。
これにより、排ガスG中に含まれる未燃ガスは、燃焼室1c内に於いて十分な滞留時間と温度をもって完全燃焼される。
燃焼室1c内で完全燃焼した燃焼排ガスG′は、ガス排出口1eから排出され、後続のバグフィルターや排ガス処理装置(何れも図示省略)等を通ってクリーンなガスとなって大気中へ放出される。
(1)即ち、データ処理装置8は、燃焼室1cの内壁面に付着したダストD表面から燃焼室1c中心までの距離L(図2の(A)参照)が設定値以下になれば、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1300℃に上がるように温度検出制御器5に指令信号を与える。これにより、燃焼室1c内に約1300℃の熱風G″が吹き込まれて燃焼室1c内の温度が上昇し、燃焼室1cの内壁面に付着したダストDが溶融滴下して炉外へ排出され、成長したダストDによる燃焼室1cの閉塞や成長したダストDの落下による下部コンベヤ等の破損等の問題が皆無となる。
そして、ダストDの溶融滴下によりダストD表面から燃焼室1c中心までの距離Lが設定値以上になれば、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1000℃になるように温度検出制御器5に指令信号を与え、通常の運転に戻す。
(2)データ処理装置8は、燃焼室1c内のダストDの付着部分を除いた開口面積S(図2(B)参照)が設定値以下になれば、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1300℃に上がるように温度検出制御器5に指令信号を与える。これにより、燃焼室1c内に約1300℃の熱風G″が吹き込まれて燃焼室1c内の温度が上昇し、燃焼室1cの内壁面に付着したダストDが溶融滴下して炉外へ排出され、成長したダストDによる燃焼室1cの閉塞や成長したダストDの落下による下部コンベヤ等の破損等の問題が皆無となる。
そして、ダストDの溶融滴下により燃焼室1c内のダストDの付着部を除いた開口面積Sが設定値以上になれば、燃焼室1c内に吹き込まれる熱風G″の温度が約1000℃になるように温度検出制御器5に指令信号を与え、通常の運転に戻す。
又、この燃焼塔1に於いては、燃焼室1c内を赤外線カメラ2により連続監視し、燃焼室1c内のダストDの付着度合いに応じて燃焼室1c内に熱風炉3から所定の温度の熱風G″を供給して燃焼室1c内の温度をダストDが溶融する温度まで上昇させ、燃焼室1cの内壁面に付着したダストDを溶融滴下させて除去するようにしているため、安全且つ容易にダストDの除去作業を行える。
Claims (1)
- ダストを含む高温の排ガスを処理する機器の内壁面に付着したダストを長波長型の赤外線カメラにより連続監視し、機器内のダストの付着度合いに応じてダストを除去するようにした機器内のダスト監視除去方法に於いて、ダストを含む高温の排ガスを処理する機器が、溶融炉から排出された高温の排ガスを燃焼させる燃焼室を有する燃焼塔から成り、燃焼塔の天井壁に取り付けた長波長の赤外線を透過する窓材の上方位置に配置した波長が8μm〜13μmの長波長型の赤外線カメラで燃焼室の内壁面に付着したダストを連続撮影し、赤外線カメラからの映像信号をデータ処理装置により画像処理して燃焼室内の内壁面に付着したダスト表面から燃焼室の中心までの距離又は燃焼室内のダストの付着部分を除いた開口面積からダストの除去時期を夫々判断するようにし、ダスト表面から燃焼室中心までの距離が溶融炉の運転に支障を来たす距離又は燃焼室内のダストの付着部分を除いた開口面積が溶融炉の運転に支障を来たす開口面積になれば、燃焼室内の温度を制御する熱風炉から燃焼室内に1300℃の熱風を吹き込んで燃焼室の内壁面に付着したダストを溶融滴下させて除去し、又、ダスト表面から燃焼室中心までの距離が溶融炉の運転に支障を来たさない距離又は燃焼室内のダストの付着部分を除いた開口面積が溶融炉の運転に支障を来たさない開口面積になれば、熱風炉から燃焼室内に1000℃の熱風を吹き込んで燃焼室内の温度を一定の温度に維持するようにしたことを特徴とする機器内のダスト監視除去方法。
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