JP2007307548A - アスベスト廃棄物の溶融処理方法及び設備 - Google Patents

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範明 仙波
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Abstract

【課題】溶融炉内を極めて高温にすることなくアスベスト廃棄物を完全溶融でき、且つ性状不安定なアスベスト廃棄物であっても安定した運転を可能とし、さらにはアスベストの外部への飛散、排出を防止して安全性を確保することができるアスベスト廃棄物の溶融処理方法及び設備を提供する。
【解決手段】溶融炉1にてアスベスト廃棄物51と灰50を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、溶融炉1内の溶融スラグ層表面に灰を主体とする未溶融層10が形成され、該未溶融層上にアスベスト廃棄物51が落下するように該アスベスト廃棄物を投入し、炉内に適宜投入される灰とともに該アスベスト廃棄物を溶融処理する構成とし、好適には溶融炉1内に灰50を投入して炉内温度を上昇させ、スラグ温度計により検出されたスラグ温度が規定温度以上となった後にアスベスト廃棄物51を投入し、アスベスト廃棄物51を灰50とともに溶融処理するようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、アスベスト廃棄物を安全に且つ完全に溶融処理することができるアスベスト廃棄物の溶融処理方法及び設備に関する。
アスベスト(石綿)は天然の繊維性鉱物で、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの優れた特性を有しており、従来は建築物の保護材や種々の保温材などとして広範囲で使用されていたが、現在は発ガン性等の人体の健康に対する影響が指摘され、アスベストの使用、生産は規制されている。そこで、近年は大量に使用されてきたアスベスト材の廃棄処理が問題となっている。
アスベストは非常に微細な繊維であり、飛散したアスベストの粉塵を人が吸引すると疾病を引き起こす惧れがあるため、現在アスベスト廃棄物は特別管理産業廃棄物に指定され、アスベスト廃棄物の処理に際しては、所要の措置を講じる必要がある。また、過去に一般廃棄物、通常の産業廃棄物として埋め立てられたアスベスト廃棄物も存在し、これについても無害化処理することが望まれている。
従来の代表的なアスベスト廃棄物の処理方法としては、特別管理産業廃棄物としてセメント固化若しくは密閉梱包した後に最終処分場に埋め立てる方法、溶融或いは焼成により分解無害化する方法が挙げられる。最終処分場に埋め立てる場合には埋立地の枯渇化、管理体制による費用増大等の問題から埋立処理には限界がある。一方、溶融或いは焼成による中間処理を行い、分解無害化されたアスベスト廃棄物は、通常の産業廃棄物として取り扱うことができるようになる。
一般的に溶融処理は、アスベスト廃棄物を1500℃以上の炉内で溶融した後固化するもので、これによりセメント固化する場合に比べて極めて容積を小さくすることができる。溶融処理の一つとして、特許文献1(特開平4−180879号公報)では、アスベスト廃棄物と、ケイ酸カルシウム廃材を混合し溶融する方法が開示されている。しかし、ケイ酸カルシウム廃材は配管用保温材や建築物の壁材等から回収されるが、アスベスト廃棄物に比べて回収量が少なく、大量のアスベストを処理することはできない。また、特許文献1には、溶融炉のアスベスト廃棄物投入口にシャッタを設けているが、この機構では密閉性が不十分でありアスベストの飛散を確実に防止することは困難である。さらにまた、溶融後や排ガス処理系におけるアスベストの飛散に対する対策がなされていない。
特許文献2(特開平7−171536号公報)には、密閉型電気溶融炉にてアスベスト廃棄物を溶融する装置が開示されている。この装置は、アスベスト廃棄物を投入する投入シュートを炉内のスラグ湯面まで延設して、アスベストの飛散を防止する構成となっている。また、溶融炉排ガスから煤塵を捕集する集塵装置を備えた構成となっている。
特許文献3(特開平8−61643号公報)には、アスベスト等の繊維系廃棄物を溶融する方法が開示されている。これは電気抵抗炉で廃棄物を溶融する方法であり、投入ホッパにて廃棄物を破砕し、電極近傍に廃棄物が層厚に堆積するように投入する構成となっている。
特開平4−180879号公報 特開平7−171536号公報 特開平8−61643号公報
このように、アスベスト廃棄物を溶融処理する方法は各種提案されているが、上記したように特許文献1の方法においては、ケイ酸カルシウム廃材はアスベスト廃棄物に比べて回収量が少なく、大量のアスベストを処理することはできず、またアスベスト廃棄物の飛散を防止する対策が何らなされていない。
特許文献2及び3は、アスベスト廃棄物のみを溶融処理する構成であるが、アスベストは溶流点が高いため炉内温度を高く維持する必要があり、溶融炉の耐久性が低下し、また未溶融のアスベストが排出される惧れがある。さらに、アスベスト廃棄物には可燃物、金属類、大径物などが含まれ性状が不安定であるため、アスベスト廃棄物のみを処理する場合には運転条件が大きく変動し、安定した運転が困難であるという問題もある。
さらにまた、溶融炉の運転に際して重要な因子となる溶流点の問題として、以下の問題がある。一般に、被処理物の溶流点(又は溶融点)はその塩基度(CaO/SiO)に依存する。例えば、図15に示されるように、主灰の溶流点は塩基度が高いほど上昇し、また低すぎても上昇することがわかっている。ここで図16にアスベストの成分表と、スレート材等のアスベスト廃棄物の成分表を示す。同図に示されるように、アスベスト廃棄物はクリソタイル等の複数の物質からなり酸性から塩基性まで幅広く存在する。従って溶流点も一定ではないため溶融処理の安定運転が容易ではないという問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、溶融炉内を大幅に高温にすることなくアスベスト廃棄物を完全溶融でき、且つ性状不安定なアスベスト廃棄物であっても安定した運転を可能とし、さらにはアスベストの外部への飛散、排出を防止して安全性を確保することができるアスベスト廃棄物の溶融処理方法及び設備を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
前記溶融炉内の溶融スラグ層表面に灰を主体とする未溶融層が形成され、該未溶融層上にアスベスト廃棄物が落下するように該アスベスト廃棄物を投入し、炉内に適宜投入される灰とともに該アスベスト廃棄物を溶融処理することを特徴とする。
本実施例のごとく、アスベスト廃棄物を灰とともに溶融処理することにより、被溶融物の溶流点が低下し、アスベスト廃棄物を単独で溶融処理する場合に比べて低い温度で完全溶融することができる。また、灰の性状は安定しているため、これと混合して溶融することにより運転の安定化が図れる。
アスベストの無機主成分は、図16に示したようにSiO、CaO、MgO、Fe、Alなどであり、アスベスト廃棄物の塩基度は一定ではなくバラつきがある。従ってアスベスト廃棄物を単独で処理する場合にはガラスカレットなどの塩基度調整剤を添加して塩基度を一定に調整する必要がある。これに対して、灰の成分はアスベストの成分と似ているがその塩基度は比較的一定であり、よってアスベスト廃棄物を灰と混合処理することにより塩基度が偏って溶流点が変動したり、粘性が上昇することはない。また、一般に灰の溶流点はアスベスト廃棄物より低いため、灰と混合することでアスベスト廃棄物を低い温度で完全溶融することができる。
このように本発明によれば、ガラスカレット等の塩基度調整剤を供給することなく、廃棄物である灰とアスベスト廃棄物を同時に処理できるという効果を有する。尚、アスベストの多くはクリソタイル(3MgO・2SiO・2HO)であり、溶融炉にて加熱すると約700℃で脱水、変態し、約900℃で無害なフォレストライト(2MgO・SiO)になることが知られている。従って、アスベストは加熱されることにより脱水・変態、或いは分解により無害化される。また一般的に溶融処理においては、アスベストは加熱によりガラス化又はアスベスト以外の結晶構造を有する物質に変質されて無害化される。
また本発明では、灰の未溶融層上にアスベスト廃棄物を投入する構成とすることにより、アスベスト廃棄物の投入状況、溶融状態を容易に把握することができ、円滑な溶融炉の運転が可能となる。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
前記アスベスト廃棄物の塩基度に基づいて、前記灰の混合率を調整することを特徴とする。
このとき、前記灰の混合率は、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物総重量の40〜99%であることが好ましい。また、アスベスト廃棄物と灰の塩基度が、0.7〜1.5となるように混合率を設定することが好ましい。
このように、アスベスト廃棄物の塩基度を測定し、低い溶流点を示す塩基度となるように混合率を調整することにより、溶融炉の溶融温度を低く設定することができるとともに、一定温度で安定して溶融処理を行うことが可能となる。
尚、灰の塩基度には大きな変動は少ないが、混合率を設定する際に灰の塩基度も測定し、この灰の塩基度を目安に混合率を好適な値に設定することが好ましい。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
前記溶融炉内にて溶融処理されるアスベスト廃棄物と灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記溶融炉における溶融処理量若しくは溶融温度を制御するようにしたことを特徴とする。
本発明者らの実験により、アスベスト廃棄物と灰の混合物の塩基度及び混合率は、夫々が溶融処理速度に関係することがわかった。従って、混合物の塩基度若しくは混合率の少なくとも何れか一方に基づいて、溶融処理量を制御することにより未溶融のアスベスト廃棄物が排出されることなく、且つ効率的な運転が可能となるものである。さらに、この混合物の塩基度及び混合率は、上記したように溶流点を決定する要素である。従って、これらに基づいて溶融温度を制御することにより、上記と同様に未溶融物の排出を防ぎ効率的な運転が可能となる。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
前記溶融炉内に灰を投入して炉内温度を上昇させる昇温工程と、前記溶融炉内のスラグ温度が規定温度以上となった後にアスベスト廃棄物を投入する工程と、前記溶融炉内に適宜投入される灰とともに前記アスベスト廃棄物を溶融処理する工程と、を備えたことを特徴とする。
このように、溶融炉の運転開始時にはアスベスト廃棄物を投入せずに灰のみを炉内に投入して昇温、溶融することにより、低温時に未溶融のアスベストが炉外へ排出されることを防げる。さらに好適には、休炉前においても、アスベスト廃棄物の投入を停止し、灰のみを溶融処理するか、若しくはガラスカレットを投入して溶融処理し、炉内温度が低下した際にも未溶融のアスベストが炉外へ排出されることを防止するとよい。
さらに、前記アスベスト廃棄物は、前記灰とは別の投入ラインにより前記溶融炉内に投入されることを特徴とする。このように、アスベスト廃棄物と灰の投入ラインを別に設けることにより伝熱面積を確保し、灰及びアスベスト廃棄物を効率よく溶融処理することを可能とする。
さらにまた、前記アスベスト廃棄物は、飛散防止処理からなる前処理が施された後に前記灰と混合され、該灰とアスベスト廃棄物の混合物が前記溶融炉内に投入されることを特徴とする。このように、アスベスト廃棄物と灰を同一の投入ラインから投入する構成とすることにより、投入操作を簡素化し、且つアスベスト廃棄物には飛散防止処理を施しているため安全性も確保される。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
前記溶融炉は、前記灰を投入する灰投入手段と、前記溶融炉内の溶融スラグ層表面に灰を主体とする未溶融層が形成され、該未溶融層上に落下するように前記アスベスト廃棄物を投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備えたことを特徴とする。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
前記溶融炉内に灰を投入する灰投入手段と、該溶融炉内のスラグ温度を検出する温度検出手段と、該検出されたスラグ温度が規定温度以上である場合に、溶融スラグ層表面に形成された灰を主体とする未溶融層上からアスベスト廃棄物を投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備えたことを特徴とする。
さらに、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
前記溶融炉は、前記アスベスト廃棄物の塩基度を測定する塩基度測定手段を備えるとともに、前記塩基度測定手段にて測定された塩基度に基づいて、灰投入量を制御しながら該灰を炉内に投入する灰投入手段と、アスベスト廃棄物投入量を制御しながら該アスベスト廃棄物を炉内に投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備え、
前記アスベスト廃棄物の塩基度に基づいて、溶融処理されるアスベスト廃棄物と灰の混合率を調整するようにしたことを特徴とする。
さらにまた、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
前記溶融炉は、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、灰投入量を制御しながら該灰を炉内に投入する灰投入手段と、アスベスト廃棄物投入量を制御しながら該アスベスト廃棄物を炉内に投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備え、
前記混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて溶融処理速度を調整するようにしたことを特徴とする。
また、溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
前記溶融炉は、炉内のスラグ温度を検出する温度検出手段と、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記スラグ温度を制御する温度制御手段と、を備え、
前記混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて溶融温度を調整するようにしたことを特徴とする。
さらに、前記溶融炉の炉壁に溶融スラグの出滓口が設けられ、
前記灰投入手段が前記出滓口に対向する側の炉壁に設けられるとともに、該灰投入手段から炉壁に沿って±90°以内の位置に前記アスベスト廃棄物投入手段が設けられたことを特徴とする。
このように、アスベスト廃棄物投入手段を灰投入手段から離間した位置に別個に設けることにより、伝熱面積を確保し、灰及びアスベスト廃棄物を効率よく溶融処理することを可能とする。また、アスベスト廃棄物投入手段を灰投入手段から左右に90°以内に設置することにより、アスベスト廃棄物が投入されて出滓口から排出されるまでの滞留時間を確保することができ、アスベストの完全溶融を図ることができる。
また、前記アスベスト廃棄物投入手段は、前記アスベスト廃棄物を受け入れるホッパ部と、該ホッパ部の下方に連結され水平方向に炉内まで延設された押し込み通路と、該押し込み通路内に設置されアスベスト廃棄物を炉内に押送するプッシャと、を備え、前記ホッパ部が上下一対の2重ダンパを有することを特徴とする。
このように、ホッパ部に同時開放を禁止した2重ダンパを設けることにより、アスベスト廃棄物の投入時にアスベストが飛散することを防げる。
また、前記プッシャは、最も炉内側に移動したときに該プッシャの先端が炉壁位置より所定間隔だけ存した炉外側に位置するようにしたことを特徴とする。
これにより、プッシャがアスベスト廃棄物を押し込んだ際に、プッシャより炉内側の押し込み通路上には一若しくは数個のアスベスト廃棄物が残存する。残存したアスベスト廃棄物の袋は炉内からの熱により破袋するため溶融が円滑に行われる。また、プッシャ先端側に常にアスベスト廃棄物が存在するようになり、プッシャ先端を炉内の熱から保護し、耐久性を維持することができる。
さらに、前記ホッパ部は投入経路の途中から複数経路に分岐され、分岐位置には投入されたアスベスト廃棄物を夫々の経路に振り分ける振分手段が設けらていることを特徴とする。これにより、複数のアスベスト廃棄物を同時に炉内に投入することができる。アスベスト廃棄物は灰に比べて密度が小さいため、複数同時投入することにより処理量を確保することができる。
また、前記アスベスト廃棄物投入手段が不活性ガスで充填されていることを特徴とする。
さらに、前記灰の投入手段と前記アスベスト廃棄物の投入手段が同一であり、
前記アスベスト廃棄物に飛散防止処理を施す前処理手段を備え、該飛散防止処理後のアスベスト廃棄物を前記灰とともに前記投入手段より前記溶融炉内に投入する構成としたことを特徴とする。
さらにまた、前記溶融炉内への前記アスベスト廃棄物の落下位置近傍を撮像する赤外カメラを備えることをが好ましい。これにより、アスベスト廃棄物の溶融状態が容易に監視できる。
以上記載のごとく本発明によれば、アスベスト廃棄物を灰とともに溶融処理することにより被溶融物の溶融温度を一定に保つことができるとともに、アスベスト廃棄物を単独で溶融処理する場合に比べて低い温度でアスベストを完全溶融することができる。またこのとき、灰の未溶融層上にアスベスト廃棄物を投入する構成とすることにより、アスベスト廃棄物の投入状況、溶融状態を容易に把握することができ、円滑な溶融炉の運転が可能となる。
また、アスベスト廃棄物の塩基度を測定し、低い溶流点を示す塩基度となるように混合率を調整することにより、溶融炉の溶融温度を低くすることができるとともに、一定温度で安定して溶融処理することが可能となる。
さらに、混合物の塩基度若しくは混合率の少なくとも何れか一方に基づいて、溶融処理量若しくは溶融温度を制御することにより、未溶融のアスベスト廃棄物が排出されることなく、且つ効率的な運転が可能となる。
また、灰とアスベスト廃棄物の投入手段を別に設けることにより、伝熱面積を確保し、灰及びアスベスト廃棄物を効率よく溶融処理することを可能とする。
また、アスベスト廃棄物投入手段を2重ダンパ構造としたり、或いは不活性ガスを充填することにより、投入時におけるアスベストの飛散を防止し、安全性の高い処理方法、設備とすることができる。また、アスベスト廃棄物投入手段のプッシャを炉内より手前で停止する構成とすることにより、アスベスト廃棄物の円滑な溶融及びプッシャの耐久性向上を図ることができる。
さらに、アスベスト廃棄物と灰を同時に炉内に供給することにより投入操作を簡素化でき、またアスベスト廃棄物には予め飛散防止処理を施すことにより安全性も確保される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る処理装置の全体構成図、図2は本発明の実施例に係る処理装置における溶融炉の側断面図、図3は図2の溶融炉において灰投入手段とアスベスト廃棄物投入手段を別に設けた場合のX−X線断面図、図4は図3の溶融炉におけるアスベスト含有廃棄物の投入手段を示す側断面図、図5は図2の溶融炉において灰とアスベスト廃棄物を投入する一の投入手段を設けた場合のX−X線断面図、図6は本発明の実施例に係るアスベスト廃棄物の搬入を説明する図、図7は本発明の実施例に係るアスベスト廃棄物の溶融処理を示すフロー図、図8は本発明の実施例2に係る処理装置の平断面図、図9は本発明の実施例2に係るアスベスト廃棄物の溶融処理を示すフロー図である。
本実施例1の主要構成は、図2に示すように、アスベスト廃棄物51を灰50とともに溶融炉1にて溶融処理する構成となっている。本実施例1では、溶融炉としてプラズマ溶融炉1を例に挙げているが溶融炉の種類は限定されるものではなく、例えば、電気抵抗炉等の電気式溶融炉、バーナ炉に代表される表面溶融炉等の燃焼式溶融炉などが用いられる。アスベスト廃棄物51は、少なくともアスベストを含む廃棄物であり、例えばスレート材等の建築廃材、保温材或いは断熱材等の各種工業製品などが挙げられ、また、埋立処分場の安全確保及び延命化のために、既に埋立処分場に埋められたアスベスト廃棄物を掘起して処理するようにしてもよい。灰50は、焼却炉の炉底から回収された主灰、及び各種燃焼設備の集塵装置等から回収された飛灰を含む。
プラズマ溶融炉1は、炉本体4の炉蓋から主電極5が垂下され、これに対向して炉底から炉底電極6が挿設されている。プラズマ式灰溶融炉1では、これらの電極間に直流電流を通流して炉内にプラズマアーク7を発生させる。炉内に投入された被溶融物は、プラズマアーク熱及び電極間を流れる電流のジュール熱により溶融し、溶融スラグ11として炉底に溜まる。また溶融スラグ11の下部には比重差により溶融メタル12が形成される。さらに、一般的なプラズマ溶融炉1では、溶融スラグ11表面の少なくとも一部に、灰の未溶融層10が形成される。溶融後は、適宜溶融スラグ11をオーバーフローさせ出滓口8より流出させる。このオーバーフロー式では突出物がないため炉体の長寿命化が図れるという利点がある。
溶融炉1の炉本体4の内側は耐火材3で形成され、その外表面は鉄皮2で被覆されている。耐火材3は不定形耐火物若しくは耐火レンガ等が用いられるが、耐火物の浸食や腐食ガスの浸透を考慮すると何れの場合も耐火材肉厚が200mm以上であることが好ましい。また、鉄皮2の材質としては、ハステロイ等の耐熱性合金が好ましい。このように、炉体の耐熱性、耐久性を高くすることにより、長寿命化を図り、メンテナンスの回数を低減し、アスベストが残存する可能性のある炉内へ作業員が入る回数を少なくするとよい。
また、プラズマ式溶融炉1では、円滑で適正な運転を行なうために各種計測器(不図示)を具備し、これにより取得した計測値に基づいて運転及び炉内監視を行なっている。例えば、炉蓋に設けられた計測用開口に設置されたスラグ温度計13や炉壁から溶融スラグ11に挿入された熱電対などが挙げられる。図示されるスラグ温度計13としては、測定対象(スラグ液面)から放出される放射エネルギ量を非接触で検出して該放射エネルギ量から測定対象の温度を求める周知のサーモグラフィが用いられ、好適には異なる波長を有する2種類以上の赤外光の強度比からスラグ液面温度を推定する2波長放射温度計とするとよい。2波長放射温度計を用いると、炉内の煤塵による影響を最小限に抑えることができる。スラグ温度計13にて測定された温度に基づき、溶融炉の運転を制御して炉内温度を規定温度以上、好ましくは1500℃以上に維持する。このように、炉内温度をアスベストが溶融する規定温度以上に維持することでアスベスト廃棄物51の完全溶融を図る。尚、本発明者らの実証試験によれば、灰溶融炉にて従来用いられていたスラグ温度測定用の2波長放射温度計により、アスベスト廃棄物と灰の混合物が溶融したスラグ温度も正確に測定できることが判った。
本実施例1では、アスベスト廃棄物51を灰50とともに溶融処理することを基本構成としており、これにより被溶融物の溶流点が低下し、アスベスト廃棄物51を単独で溶融処理する場合に比べて低い温度でアスベスト廃棄物51を完全溶融することができる。
アスベストの無機主成分はSiO、CaO、MgO、Fe、Alなどで、その塩基度は0.3程度と低いものが多く、またその塩基度は一定でない。アスベスト廃棄物51を単独で処理する場合にはガラスカレットなどの塩基度調整剤が必要となる可能性がある。これに対して、灰50の成分はアスベストの成分と似ており、灰50と混合処理すれば塩基度が偏って融点が上昇したり、粘性が上昇したりすることはなく、低い温度で安定してアスベスト廃棄物51を完全溶融することができ、またガラスカレット等の塩基度調整剤を供給する必要もなく、廃棄物である灰50とアスベスト廃棄物51を同時に処理できる。
特に、アスベスト廃棄物51に混合する灰50は、主灰であることが好ましい。主灰は塩基度が低いため、これをアスベスト廃棄物51に混合することで塩基度を下げ、混合物の溶流点を低下させることができ、溶融温度を低くすることができる。
また、Caを主成分とするアスベスト廃棄物51は、発明者らの実験によれば1600℃でも溶融されず、非常に高い温度でないと溶融しないことがわかった。従って、Caを主成分とするアスベスト廃棄物51の場合は、灰50の混合率を高く設定することが好ましい。
尚、アスベスト廃棄物51は、種類によっては炭素が多いもの(10wt%程度)があるが、その場合には前処理で燃焼処理を行うか、或いはアスベスト廃棄物51の混合率を低下させるとよい。
図3は図2のプラズマ溶融炉1の一例であり、灰投入手段15とアスベスト廃棄物投入手段16を別に設けた場合のプラズマ溶融炉1のX−X線断面図を示す。灰投入手段15は、出滓口8に対向する側の炉体側壁に設けられる。灰投入手段15はスクリューフィーダとし、灰を定量供給することが好ましい。溶融炉1の炉内は負圧であるため、灰の安定供給が可能となるとともに、炉内のアスベストが外部へ飛散することを防止できる。また、出滓口8を撮像する赤外カメラ18を設け、溶融スラグの出滓状況を確認する。
アスベスト廃棄物投入手段16は、主電極5を中心として灰投入手段から左右に90°以内に位置する炉体側壁に設けられることが好ましい。アスベスト廃棄物は揮発分があるため灰よりも溶け易い。また灰よりも少量とするため灰よりは出滓口側に設置できる。また、アスベスト廃棄物投入手段16を灰投入手段15から左右に90°以内に設置することにより、アスベスト廃棄物51が投入されて出滓口8から排出されるまでの滞留時間を確保することができ、アスベストの完全溶融を図る。また、アスベスト廃棄物投入手段16は、炉底に溜まった溶融スラグ層11より上方にアスベスト廃棄物投入部が開口するように設けられ、溶融スラグ層11の表面に形成される灰50の未溶融層10上にアスベスト廃棄物51が落下するように構成される。これにより急に温度が上昇して爆発することを防ぐことができる。
さらに、アスベスト廃棄物投入手段16から投入されたアスベスト廃棄物51が未溶融層10内に落下する位置を視野範囲とする赤外カメラ19を設けることが好ましい。赤外カメラ19でアスベスト廃棄物51の溶融状態を監視することにより、アスベスト廃棄物51が未溶融で排出されることを防止する。赤外カメラ19にて得られた画像上には、白色状の未溶融層10が表示され、その上方から投入される黒色状のアスベスト廃棄物51が確認できる。このように、未溶融層10上からアスベスト廃棄物51を投入することにより、アスベスト廃棄物51の溶融する状態が簡単に把握でき、円滑な溶融炉の運転が可能となる。このとき、赤外カメラ19にてアスベスト廃棄物51の落下位置とともにプラズマアーク7を視野範囲に入れることが好ましく、これによりアスベスト廃棄物51の落下位置の位置確認が確実に行えるとともに、プラズマアーク7の状態を把握することができる。
図4に図3に示したアスベスト廃棄物投入手段16の具体的構成の一例を示す。投入手段16は、紙面手前側から紙面奥手側へ向かう方向に設置されたコンベア43を備えるアスベスト廃棄物の搬送通路60にその上部が連結され、コンベア43によりアスベスト廃棄物51が袋ごと投入手段16に導かれる。投入手段16は、その下方が図中左右に分岐した2の筒63、64からなる投入ホッパ61と、該投入ホッパ61の分岐位置に設置され、左右に回動できる自動シャッタを備えた振分手段62と、各筒63、64の下部に設けられた2重ダンパ65、66と、各筒63、64の下端に連結された略水平方向に炉内まで延設する押し込み通路57と、該押し込み通路57内に配置されアスベスト廃棄物51を炉内へ押送するプッシャ68と、から構成される。尚、本実施例では2経路に分岐するホッパ61を示したが、これに限定されるものではなく、複数の筒を備えて複数経路に振り分ける構成としてもよい。
振分手段62は、搬送通路60から送られて投入ホッパ61上部から自由落下したアスベスト廃棄物51を左右の筒63、64に振り分ける。
二重ダンパ65、66は、夫々同時開放を禁止した一対の可動ダンパからなる。可動ダンパは筒63、64の夫々上下方向に設けられ、不図示の駆動装置によってスライド式に開閉作動するようになっており、順次開閉することにより落下してきたアスベスト廃棄物51を下方へ送りだす構成となっている。また、二重ダンパ65、66では、アスベスト廃棄物51を1個ずつ送りだす構成とすることが好ましい。これは、二重ダンパ65、66にセンサを設けて、一個のアスベスト廃棄物51がダンパ上に載置されたことを検出し、ダンパを起動させるように管理する。センサとしては、例えば距離センサ、タッチセンサ、重量センサ等が挙げられる。このように、アスベスト廃棄物51を一個ずつ逐次送り出す構成とすることによって、投入ホッパ61若しくは押し込み通路67が閉塞することを防止するとともに、アスベスト廃棄物51の袋が破れてアスベストが飛散することを防止する。また、押し込み通路67内は負圧とし、且つNパージすることが好ましい。このようにNパージすることにより、アスベストの飛散防止及び炉内への空気の漏れ込みを防止することができる。
二重ダンパ65、66を介してアスベスト廃棄物51は押し込み通路57上に落下し、プッシャ68によって袋ごと炉内へ押し込まれる。プッシャ68は、炉内へ向けて略水平方向に出退動作を繰り返し、逐次アスベスト廃棄物51を袋ごと炉内へ押送するようになっている。本実施例では、プッシャ68が最も炉内側に位置するときに、該プッシャ68の先端は炉体4の炉内面より間隙を存して外側に位置するようにする。これにより、プッシャ68がアスベスト廃棄物51を押し込んだ際に、プッシャ68より炉内側の押し込み通路57上には一若しくは数個のアスベスト廃棄物51が残存する。残存したアスベスト廃棄物51の袋は炉内からの熱により破袋し、次にプッシャ68により押し込まれたときに内容物のみが炉内へ投入され、溶融が円滑に行われる。また、プッシャ先端側に常にアスベスト廃棄物51が存在するようにすることにより、プッシャ68の先端を炉内の熱から保護し、耐久性を維持することができる。
このような投入手段の構成とすることで、アスベストの飛散を防止でき、安全性の高い処理設備を提供できる。また、複数のアスベスト廃棄物51を同時に投入することで、密度の低いアスベストを含有する廃棄物であっても処理量を確保することができる。尚、アスベスト投入手段16は、一または複数設けることができる。
また、プラズマ溶融炉1の別の構成として、図5に灰とアスベスト廃棄物を投入する一の投入手段を設けた場合のX−X線断面図を示す。炉体4の側壁には出滓口8が設けられ、該出滓口8の略対向する炉体4の側壁には灰・アスベスト廃棄物投入手段15’が設けられる。該灰・アスベスト廃棄物投入手段15’からは、灰50若しくは灰50と前処理済みのアスベスト廃棄物51の混合物、或いはアスベスト廃棄物51が炉内に投入される。アスベスト廃棄物51は、灰・アスベスト廃棄物投入手段15’に搬送される前にアスベスト前処理室20に供給され、前処理を施される。
アスベスト前処理室20は、アスベストの飛散を防止するためにHEPAフィルタ等の高性能フィルタから構成される作業室20にて閉鎖された構造とする。ここでは、アスベスト廃棄物51に対してアスベスト飛散防止処理を施す。この飛散防止処理としては、ウォータージェットの噴霧、水ガラス処理、ペレット化処理等が挙げられる。尚、水ガラス処理は、珪酸ナトリウムを水に溶かして加熱することで得られる高粘性の水ガラスを飛散防止材としてアスベスト廃棄物51に添加する処理である。
アスベスト前処理室20から灰・アスベスト廃棄物投入手段15’までは密閉コンベアとすることが好ましい。
このように、アスベスト廃棄物51に対して前処理を施すことにより、灰50の投入手段とアスベスト廃棄物51の投入手段を一元化することができる。また、既存の灰溶融炉を用いることも可能となる。
図6にプラズマ溶融炉1へのアスベスト廃棄物の搬入方法を示す。アスベスト廃棄物51は、回収時には耐水性材料で二重梱包されて密閉袋詰めされており、この袋はフレキシブルコンテナバッグ(以下、フレコンバッグという)55等に複数個収容された状態で運搬車40に積載され、処理設備に搬送される。
処理設備の搬入場では、フレコンバッグ55運搬車40からクレーン41により密閉された作業室44内に移送され、さらにフレコンバッグ55内の袋詰めアスベスト廃棄物51は、作業室44内の無人クレーン42の遠隔グローブにより一個ずつ搬送コンベア43上に載置される。作業室44はアスベストが外部へ放散することを防止するために、HEPAフィルタ等の高性能フィルタで覆われた作業室44とする。搬送コンベア43は、ゴム製とすることが好ましく、これにより袋が破れることを防ぎ、アスベストの飛散を防止する。
図5のアスベスト前処理室20及び図6の作業室44のように、アスベスト飛散可能性のある部位は局所的に隔離、密閉し、無人化された作業室とする。作業室44は、作業空間の全てを高性能フィルタで囲繞してもよいし、空調手段のみに高性能フィルタを設置した密閉空間としてもよい。作業室44内は負圧に維持され、空調手段により清浄空気が供給され、排気はHEPAフィルタ等の高性能フィルタを介して微細なゴミ、塵埃等を除去された後に排気される。尚、HEPAフィルタ(High Efficiency ParticulateAir Filter)とは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種であり、空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる公知のフィルタである。HEPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタと規定されている。
図7にプラズマ溶融炉1における処理フローを示す。まず溶融炉1の運転が開始したら(S1)、灰50を炉内に投入し、主電極5と炉底電極6間に電力を供給してプラズマアーク7を生成し、プラズマアーク熱及び電極間を流れる電流のジュール熱により炉内を昇温するとともに灰51を溶融する。このとき、灰50とともに、若しくは灰50に代えてガラスカレットを投入してもよい。
溶融した灰51はスラグ層11及びメタル層12として炉底に溜まる。灰51の溶融時には、スラグ温度計13によりスラグ温度、好適には出滓口8付近のスラグ温度を計測する(S3)。そして、計測されたスラグ温度が規定温度以上であるか否かを判定し(S4)、該スラグ温度が規定温度以上となったらアスベスト廃棄物51を灰の未溶融層10の上方から投入する(S5)。炉内に投入されたアスベスト廃棄物51は、灰50と混合されて溶融される(S6)。尚、本実施例において、アスベスト廃棄物51の投入量は、灰50の投入量より少ないことが好ましい。溶融処理の際に、灰50は連続的若しくは間欠的に適宜投入されるものとする。
このようにして運転を行い、溶融炉停止(S7)の指示がなされたらアスベスト廃棄物51の投入を停止し、灰50若しくはガラスカレットを炉内に投入しながら溶融処理を行い(S9)、全て溶融処理が終了した後に電極への電力の供給を停止して溶融炉を停止する(S10)。
休炉前は休炉後に点検することを考慮して、アスベストが残留しないようにする。立ち上げ時は安定するまで待ってからアスベストを確実に溶融する。
また、溶融炉1の運転において、炉内の温度が予め設定された規定温度以下となったらアスベスト廃棄物51の投入を停止する制御回路を具備したインターロック手段を備えることが好ましい。この場合、炉内温度が規定温度以上に上昇した場合には再度アスベスト廃棄物51の投入を開始するようにしてもよい。
図1に本実施例のアスベスト廃棄物の溶融処理設備の全体構成図を示す。図2乃至図5に示したように、アスベスト廃棄物51はプラズマ溶融炉1で灰50と混合して溶融処理された後に、溶融スラグ52は出滓口8より排出されては水槽31内に流下する。高温の溶融スラグ52は、水槽31内に貯留された水砕水によって急冷されることにより、粒上の塊である水砕スラグ54となる。水砕スラグ54は、水砕コンベア32により移送され排出される。
水槽31内の水砕水は、一部を抜き出して水中用HEPAフィルタ33により濾過してアスベストを除去することが好ましい。アスベストを除去した水砕水は水槽31に戻し、循環させる。これにより、水砕水中にアスベストが浮遊した場合でもこれを捕集し、水砕水を清浄に保つことができるため、水砕スラグ54に付着して排出されることを防止できる。
尚、溶融スラグ52の冷却方法は冷却方式に限定されるものではなく、例えば空冷方式、水冷方式、水冷・空冷併用方式も可能である。空冷方式は、未溶融のアスベストがスラグに混入して排出された場合であっても、スラグを水に浸漬する場合に比べて浮遊する惧れが少なく、コンベアのモールド内で時間をかけて冷却されるためその際に残留アスベストが完全溶融すると考えられ、好ましい方式である。
水砕スラグ54は、HEPAフィルタ34等を用いた作業室34内にて後処理される。作業室34の構成は、上記した図6の作業室44と同様である。
作業室34内では、水砕スラグ54を定期的に顕微鏡で検査し、付着アスベストが存在するかを確認する。また、作業室34内のガス中のアスベスト濃度を検出し、管理するようにしてもよい。即ち、作業室34内のアスベスト濃度が基準値を超えた場合に、水砕スラグ54をプラズマ溶融炉1に返送して再溶融する。これにより、水砕スラグとともに外部へアスベストが排出されることを防ぐ。ここでアスベストが存在する場合には、水砕スラグを溶融炉1内へ返送して再溶融するとよい。これにより、スラグの安全性を確保し、スラグを有効利用することが可能となる。
また、水砕スラグ54に含まれるアスベストの検出方法として、針状スラグと同じ手法で検出するようにしてもよい。即ち、水砕スラグ54を乾燥させ、必要に応じて分離用篩にかけて繊維状のアスベストを全く含まない粒子状スラグ画分と、アスベストを含む画分とに分離する。次いで、アスベストを含むスラグを傾斜面を備えた分離用容器に載置し、振動を加える。このとき、傾斜面は0°より大きく、45°以下とし、好適には10°以下とする。振動を加えることにより、アスベストを多く含むアスベストリッチ画分と粒子状スラグリッチ画分とに分離する。そして、この分離用容器による分離動作を複数回繰り返すことにより、アスベストとスラグとを分離することが可能となる。これにより、アスベストを分離して、回収された量を計測することができる。
一方、プラズマ溶融炉1にて発生した排ガスは出滓口8から排出される。排ガスは灰投入手段15から最も離れた出滓口8から排出される構成であるため、炉内の未溶融のアスベストが排ガスに伴われて飛散することを防止できる。
出滓口8には、バーナ9が設けられている。該燃焼バーナ9は、出滓口8が温度低下し、溶融スラグ51が固化して付着することを防ぐために、出滓口8近傍を高温に維持する。また、このバーナ9は、出滓口8から排出される排ガス中のCO燃焼用としても機能し、これによりアスベスト廃棄物51の溶融により発生し易いCOによる爆発を防止する。また、出滓口8には、排ガス中の可燃分の燃焼を促進するための空気供給口22が設けられている。
出滓口8から排出された排ガスは、該出滓口8に連結された二次燃焼室21を経て排ガス処理設備に送給される。排ガス処理設備は、減温塔25と、バグフィルタ26と、HEPAフィルタ27と、湿式洗煙塔28と、煙突29とから構成される。
二次燃焼室21は、プラズマ溶融炉1で発生した排ガスを二次燃焼させる装置であり、排ガス中のダイオキシン類の分解、CO燃焼等を行う。二次燃焼室21には、一又は複数段に亘って空気供給口24が備えられており、ここから空気が供給される。また、二次燃焼室にはバーナ23が設けられており、このバーナ23により二次燃焼室21内の温度を調整するようになっている。また、バーナ23は二次燃焼室21の下方で且つ水槽23の上方に設けることが好ましく、これにより二次燃焼室21へ向かう排ガス流れが水槽23側へ流出することを防止する。
さらに、建設廃材等には可燃分とアスベストが混在しているためアスベスト廃棄物は可燃ガスを発生し易く、本実施例ではアスベスト廃棄物51を溶融すると可燃ガスにより排ガスが高温となり易い。従って、この可燃分の変動に追随して燃焼を制御するように、空気供給口22からの空気の供給量を調整すようになっている。可燃分の変動の検出には、排ガスラインの後段側における排ガスのCO濃度を計測するCO計測手段30を設け、CO計測手段30により検出されたCO濃度に基づいて出滓口8若しくは二次燃焼室21の空気供給口22若しくは24から導入する空気供給量を制御する。本実施例では、一例として高性能除塵装置27の後段にて排ガスのCO濃度を計測し、出滓口8の空気供給口22への空気供給量を調整するようにしている。
これにより、アスベスト廃棄物51の溶融により発生する可燃ガスの変動を空気供給口22若しくは24にて調整することができる。
さらにまた、可燃分の多い排ガスを燃焼させる二次燃焼室21は高温化し易いため、二次燃焼室21をボイラ構造とすることが好ましい。ボイラ構造とすることより冷却を強化して、二次燃焼室21の耐久性を維持する。
二次燃焼室21を通過した排ガスは減温塔25にて冷却水の噴霧により冷却され、バグフィルタ26に送給され、該バグフィルタ26にて排ガス中の煤塵を捕集して除去する。さらに本実施例では、バグフィルタ26にて除去しきれないアスベストが残存する場合に備えて、バグフィルタ26の後段に、高性能フィルタを備えた高性能除塵装置27を設けている。該除塵装置27では、HEPAフィルタ等の高性能フィルタにより、バグフィルタ26で捕集しきれなかった微細な繊維を完全に除去することができる。
高性能除塵装置27を経た排ガスは湿式洗煙塔28に導入され、洗浄水により排ガス中に残存するダイオキシン類、酸性成分等を除去した後、煙突29より大気放出、或いは他の排ガス処理設備へ送給される。
このような排ガス処理設備では、アスベストの飛散可能性のある箇所は局所的に外部と隔離し、HEPAフィルタ等の高性能フィルタ35で囲繞することが好ましい。これにより、処理施設に万が一アスベストが飛散した場合においても、外部への放散を確実に防止し、安全性の高い設備とすることができる。
また、これらの処理設備にて発生した消耗品、例えばバグフィルタ26のフィルタユニット、HEPAフィルタ、耐火物、或いは作業服等は、使用後にプラズマ溶融炉1にて溶融処理することが好ましい。このように、処理設備内で発生したアスベスト廃棄物は設備内で溶融するとよい。
次に、図8及び図9を参照して、実施例2に係るアスベスト廃棄物処理装置につき説明する。尚、本実施例2において、上記した実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2は、プラズマ溶融炉1の前段に、アスベスト廃棄物51、灰50、若しくはアスベスト廃棄物と灰の混合物の塩基度を測定する塩基度測定装置37を備える。該塩基度測定装置37は、例えば蛍光X線装置やICP発光分析装置等が用いられる。ここで測定された塩基度は投入量制御装置38に入力される。
投入量制御装置38は、炉内へのアスベスト廃棄物投入量と灰投入量を制御するための制御信号を出力する装置である。夫々の投入量は、塩基度測定装置37から入力された塩基度に基づいて設定される。ここで、アスベスト廃棄物の投入量制御は、アスベスト廃棄物投入手段16が具備するプッシャ68の押込み速度を制御して行う。また灰の投入量制御は、灰を供給するスクリューフィーダの供給用モータを制御することにより行う。
また、本実施例2は、図5に示したように予めアスベスト廃棄物51と灰50を混合する場合にも用いることができる。その場合、灰・アスベスト廃棄物投入手段15’のコンベア速度若しくは押込み速度により灰とアスベスト廃棄物の混合物の投入量制御を行う。
アスベスト廃棄物51と灰50の混合率は、少なくともアスベスト廃棄物の塩基度に基づいて設定され、この混合率と溶融処理量から夫々の投入量が設定される。このとき、灰50の混合率は、アスベスト廃棄物と灰の混合物総重量の40〜99%であることが好ましい。また、アスベスト廃棄物と灰の塩基度が、0.7〜1.5となるように混合率を調整することが好ましい。
さらに、本実施例2では、溶融炉10内にて溶融処理されるアスベスト廃棄物51と灰50の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、溶融炉10における溶融処理量若しくは溶融温度を制御するようにしてもよい。
即ち、塩基度測定装置37により混合物の塩基度を直接測定するか、又は夫々の塩基度から混合物の塩基度を算出するなどして得られた塩基度に基づいて、溶融炉10の溶融処理量若しくは溶融温度を制御する。
前記溶融処理量は、アスベスト廃棄物51、灰50の夫々の投入量制御により調整できる。また、溶融温度は、供給電力、混合物の投入量等により調整できる。
図9を参照して、本実施例2に係る溶融処理フローの一例につき説明する。
まず、灰50及びアスベスト廃棄物51の少なくとも一部を採取し(S11)、塩基度測定装置37により夫々の塩基度を測定する(S12)。測定した塩基度は投入量制御手段38に入力され、該投入量制御手段38により、塩基度に基づいた好適な灰50とアスベスト廃棄物51の混合率が設定され、さらに夫々の投入量が設定される(S13)。
そして、投入量制御手段38からの制御信号に基づいて、灰50及びアスベスト廃棄物51の投入量が制御されながら夫々が炉内に投入される(S14)。その後、所定の混合率となった混合物は溶融炉10内で混合溶融される(S15)。
本実施例2のように、アスベスト廃棄物51の塩基度を測定し、低い溶流点を示す所定の塩基度となるように混合率を調整することにより、溶融炉10の溶融温度を低くすることができ、また一定温度で安定して溶融処理することが可能となる。
また、混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、溶融処理量を制御することにより、未溶融のアスベスト廃棄物が排出されることなく、効率的な運転が可能となる。さらに、この混合物の塩基度及び混合率は、上記したように溶流点を決定する要素である。従って、これらに基づいて溶融温度を制御することにより、上記と同様に未溶融物の排出を防ぎ効率的な運転が可能となる。
ここで、実施例2について実証試験及び溶融平衡計算により検証した結果を図10乃至図14に示す。
図10はアスベストスレート材と主灰を混合したときの塩基度とスラグ化率の関係を示すグラフ、図11はアスベストスレート材と、飛灰を30%含有した主灰を混合したときの塩基度とスラグ化率の関係を示すグラフである。これらのグラフは何れも平衡計算により算出したものであり、スラグ化率は溶融温度を1500℃とした場合の値である。
アスベストスレート材の成分等は、SiO:18.08、Al:3.23、CaO:45.35、MgO:6.23、塩基度(CaO/SiO):2.51、1500℃のスラグ化率:0.33である。
主灰の成分等は、SiO:35.84、Al:16.77、CaO:29.02、MgO:3.92、塩基度(CaO/SiO):0.81、1500℃のスラグ化率:0.84である。
飛灰含有主灰の成分等は、SiO:35.92、Al:12.12、CaO:25.692、MgO:2.69、塩基度(CaO/SiO):0.72、1500℃のスラグ化率:0.84である。
上記した値を用いて平衡計算を行った結果、図10に示されるように、主灰混合率が高くなるほど塩基度は低くなり、これに伴いスラグ化率が上昇する。しかし、主灰混合率が100%に近い範囲で僅かに低下している。溶融炉の運転に最低限必要なスラグ化率は約0.8であり、図10からスラグ化率が0.8以上となる塩基度は0.8〜1.5で、主灰混合率は40%以上であることがわかる。従って、主灰を混合する場合、40%以上の混合率が好ましいことになる。
また、図11においても上記した図10と同様に、飛灰含有主灰の混合率が高くなるほど塩基度は低くなり、これに伴いスラグ化率が上昇する。さらに飛灰含有主灰の混合率が100%に近い範囲で僅かに低下する。スラグ化率が0.8以上となる塩基度は0.7〜1.45であり、飛灰含有主灰の混合率は40%以上であることが好ましい。
従って、これらの結果より、好ましい溶融状態を得るためには灰の混合率を40%以上とする必要がある。また、本実施例はアスベスト廃棄物の処理を目的としているため、処理効率の観点から灰混合率の上限は99%とし、好適には80%とするとよい。
図12は、アスベストスレート材と主灰の混合物の溶融速度を示すグラフである。スレート材に主灰を30%混合して溶融処理し、生成したスラグ層にスレート材を投入したときの溶融速度と、スレート材に主灰を50%混合して溶融処理し、生成したスラグ層にスレート材を投入したときの溶融速度と、比較例としてスレート材に主灰を50%混合して溶融処理し、生成したスラグ層に主灰を投入したときの溶融速度を示す。
最も溶融速度が速かったのは主灰を投入した場合(比較例)であり、これは上記したように塩基度が低いため溶流点が低いことが要因の一つとして挙げられる。
アスベストスレート材は、何れも溶融速度が主灰よりも遅いが、スラグ層における主灰の混合率が高い方が溶融速度が速い。即ち、灰の混合率によりアスベスト廃棄物の溶融速度が変化することがわかる。
また、何れの場合も溶融温度が高い方が溶融速度が速い。しかしながら、溶融温度は炉の耐久性、電力コスト等に影響を及ぼすことから溶融炉に応じて運転範囲はある程度決まっている。
従って、所定の温度範囲にてアスベスト廃棄物を完全溶融するためには、最適な溶融速度に設定する必要がある。溶融速度は、上記したように塩基度、混合率に応じて異なるため、これらに基づいて最適な溶融速度、即ち最適な溶融処理量を設定することが好ましい。
図13に、一例として溶融温度1550℃のときの塩基度に対する溶融処理量の関係を示し、図14に、溶融温度1550℃のときの灰混合率に対する溶融処理量の関係を示す。
図13に示されるように、混合物の塩基度が高い場合には、溶融速度が遅いため溶融処理量を小さく設定することで最適な運転条件とすることが可能である。また、図14に示されるように、灰混合率が低い場合には、溶融速度が遅いため溶融処理量を小さく設定することで最適な運転条件とすることが可能である。
このように、混合物の塩基度若しくは混合率に基づいて溶融処理量を設定することにより、アスベスト廃棄物が未溶融物で排出されることを防止し安定運転が可能となるとともに、効率的な溶融処理が可能となる。
本発明の実施例1に係る処理装置の全体構成図である。 本発明の実施例1に係る処理装置における溶融炉の側断面図である。 図2の溶融炉において灰投入手段とアスベスト廃棄物投入手段を別に設けた場合のX−X線断面図である。 図3の溶融炉におけるアスベスト含有廃棄物の投入手段を示す側断面図である。 図2の溶融炉において灰とアスベスト廃棄物を投入する一の投入手段を設けた場合のX−X線断面図である。 本発明の実施例1に係るアスベスト廃棄物の搬入を説明する図である。 本発明の実施例1に係るアスベスト廃棄物の溶融処理を示すフロー図である。 本発明の実施例2に係る処理装置の平断面図である。 本発明の実施例2に係るアスベスト廃棄物の溶融処理を示すフロー図である。 アスベストスレート材と主灰を混合したときの塩基度とスラグ化率の関係を示すグラフである。 アスベストスレート材と飛灰含有主灰を混合したときの塩基度とスラグ化率の関係を示すグラフである。 アスベストスレート材と主灰の混合物の溶融速度を示すグラフである。 塩基度に対する溶融処理量の関係を示すグラフである。 灰混合率に対する溶融処理量の関係を示すグラフである。 主灰における塩基度と溶流点の関係を示すグラフである。 アスベスト廃棄物の成分表である。
符号の説明
1 プラズマ溶融炉
8 出滓口
10 未溶融層
11 溶融スラグ層
12 溶融メタル層
13 スラグ温度計
15 灰投入手段
15’ 灰・アスベスト廃棄物投入手段
16 アスベスト廃棄物投入手段
18、19 カメラ
20 アスベスト前処理室
21 二次燃焼室
27、33、36 HEPAフィルタ
30 CO計測器
34、35、44 作業室
37 塩基度測定装置
38 投入量制御装置
50 灰
51 アスベスト廃棄物
52 溶融スラグ
62 振分手段
65、66 二重ダンパ
68 プッシャ

Claims (18)

  1. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
    前記溶融炉内の溶融スラグ層表面に灰を主体とする未溶融層が形成され、該未溶融層上にアスベスト廃棄物が落下するように該アスベスト廃棄物を投入し、炉内に適宜投入される灰とともに該アスベスト廃棄物を溶融処理することを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  2. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
    前記アスベスト廃棄物の塩基度に基づいて、前記灰の混合率を調整することを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  3. 前記灰の混合率は、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物総重量の40〜99%であることを特徴とする請求項2記載のアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  4. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
    前記溶融炉内にて溶融処理されるアスベスト廃棄物と灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記溶融炉における溶融処理量若しくは溶融温度を制御するようにしたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  5. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理方法であって、
    前記溶融炉内に灰を投入して炉内温度を上昇させる昇温工程と、前記溶融炉内のスラグ温度が規定温度以上となった後にアスベスト廃棄物を投入する工程と、前記溶融炉内に適宜投入される灰とともに前記アスベスト廃棄物を溶融処理する工程と、を備えたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  6. 前記アスベスト廃棄物は、前記灰とは別の投入ラインより前記溶融炉内に投入されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  7. 前記アスベスト廃棄物は、飛散防止処理からなる前処理が施された後に前記灰と混合され、該灰とアスベスト廃棄物の混合物が前記溶融炉内に投入されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のアスベスト廃棄物の溶融処理方法。
  8. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
    前記溶融炉は、前記灰を投入する灰投入手段と、前記溶融炉内の溶融スラグ層表面に灰を主体とする未溶融層が形成され、該未溶融層上に落下するように前記アスベスト廃棄物を投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備えたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  9. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
    前記溶融炉内に灰を投入する灰投入手段と、該溶融炉内のスラグ温度を検出する温度検出手段と、該検出されたスラグ温度が規定温度以上である場合に、溶融スラグ層表面に形成された灰を主体とする未溶融層上からアスベスト廃棄物を投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備えたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  10. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
    前記溶融炉は、前記アスベスト廃棄物の塩基度を測定する塩基度測定手段を備えるとともに、前記塩基度測定手段にて測定された塩基度に基づいて、灰投入量を制御しながら該灰を炉内に投入する灰投入手段と、アスベスト廃棄物投入量を制御しながら該アスベスト廃棄物を炉内に投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備え、
    前記アスベスト廃棄物の塩基度に基づいて、溶融処理されるアスベスト廃棄物と灰の混合率を調整するようにしたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  11. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
    前記溶融炉は、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、灰投入量を制御しながら該灰を炉内に投入する灰投入手段と、アスベスト廃棄物投入量を制御しながら該アスベスト廃棄物を炉内に投入するアスベスト廃棄物投入手段とを備え、
    前記混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて溶融処理速度を調整するようにしたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  12. 溶融炉にてアスベスト廃棄物と灰を混合溶融するアスベスト廃棄物の溶融処理設備であって、
    前記溶融炉は、炉内のスラグ温度を検出する温度検出手段と、前記アスベスト廃棄物と前記灰の混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記スラグ温度を制御する温度制御手段と、を備え、
    前記混合物の塩基度若しくは混合率のうち少なくとも何れか一方に基づいて溶融温度を調整するようにしたことを特徴とするアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  13. 前記溶融炉の炉壁に溶融スラグの出滓口が設けられ、
    前記灰投入手段が前記出滓口に対向する側の炉壁に設けられるとともに、該灰投入手段から炉壁に沿って±90°以内の位置に前記アスベスト廃棄物投入手段が設けられたことを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  14. 前記アスベスト廃棄物投入手段は、前記アスベスト廃棄物を受け入れるホッパ部と、該ホッパ部の下方に連結され水平方向に炉内まで延設された押し込み通路と、該押し込み通路内に設置されアスベスト廃棄物を炉内に押送するプッシャと、を備え、前記ホッパ部が上下一対の2重ダンパを有することを特徴とする請求項8乃至13の何れかに記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  15. 前記プッシャは、最も炉内側に移動したときに該プッシャの先端が炉壁位置より所定間隔だけ存した炉外側に位置するようにしたことを特徴とする請求項14記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  16. 前記ホッパ部は投入経路の途中から複数経路に分岐され、分岐位置には投入されたアスベスト廃棄物を夫々の経路に振り分ける振分手段が設けらていることを特徴とする請求項14記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  17. 前記アスベスト廃棄物投入手段が不活性ガスで充填されていることを特徴とする請求項14記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
  18. 前記灰投入手段と前記アスベスト廃棄物投入手段が同一であり、
    前記アスベスト廃棄物に飛散防止処理を施す前処理手段を備え、該飛散防止処理後のアスベスト廃棄物を前記灰とともに前記投入手段より前記溶融炉内に投入する構成としたことを特徴とする請求項8乃至12の何れかに記載のアスベスト廃棄物の溶融処理設備。
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