JP2003004694A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
可能とし,両者間の高い気密性と絶縁碍子及びセンサ素
子の損傷が生じ難く,高温から常温までの幅広い温度範
囲で使用可能なガスセンサを提供すること。 【解決手段】 絶縁碍子21の内側面210とセンサ素
子15の外側面150との間はガラス封止材25にて封
止され,該ガラス封止材25の熱膨張係数と絶縁碍子2
1及びセンサ素子15における熱膨張係数との差は±3
×10-6/℃以内である。
Description
焼制御等に利用されるガスセンサに関する。
縁碍子をハウジングに挿入固定し,ハウジングの先端側
に被測定ガス側カバーを,基端側に大気側カバーを設
け,絶縁碍子とハウジングとの間,センサ素子と絶縁碍
子との間が気密封止された構成を持つガスセンサが知ら
れている。この気密封止により,ガスセンサ内部を大気
側雰囲気と被測定ガス側雰囲気とに分離することができ
る。
被測定ガス側電極と基準ガスとなる大気と接する基準電
極とを有し,両者間に生じるイオン電流や電位差を基に
被測定ガス中のガス濃度を測定するよう構成されてい
る。そのため,大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気との
分離が不充分であると,正確なガス濃度の測定が難しく
なる。
溶融,冷却,固化させることにより緻密なガラス封止材
を形成し,該封止材によって,センサ素子と絶縁碍子と
の間の気密性を保持することが行われていた。
碍子はそれぞれジルコニアやアルミナより構成されてい
るが,これらのセラミック材料とガラス材料とでは熱膨
張係数が異なり,特に自動車エンジン排気系のような高
温から常温まで幅広く温度が変化するような環境に設置
した場合,各々の部材が異なる割合で膨張−収縮してし
まう。この結果,ガラス封止材とセンサ素子,絶縁碍子
との界面に漏洩経路が生じ,大気側雰囲気と被測定ガス
側雰囲気との気密性が低下してしまう。この結果,ガス
センサの測定精度が低下することがあった。
縁碍子との間に多段的にガラス封止材とタルク等の粉末
を充填して,センサ素子と絶縁碍子との間の気密性封止
を実現していた。例えば,特開平3−167461号で
は,ガラス材料とセンサ素子保持具(絶縁碍子)との熱
膨張差を規定して,高温時の気密低下を防止している。
張収縮を吸収しきれず,スペーサー層や第2のセラミッ
ク製絶縁体等の部品が多数必要であり,構造が非常に複
雑となっている。このため製造困難であり,部品コス
ト,組み立てコストが高価となる問題があった。更に,
この従来技術ではセンサ素子表面の剥離やセンサ素子の
折損を防止することが困難であった。
されたもので,絶縁碍子とセンサ素子との間をガラスで
封止可能とし,両者間の高い気密性と絶縁碍子及びセン
サ素子の損傷が生じ難く,高温から常温までの幅広い温
度範囲で使用可能なガスセンサを提供しようとするもの
である。
縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,
上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとより
なり,上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気
が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジン
グの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される
被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間
はガラス封止材にて封止され,該ガラス封止材の熱膨張
係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張
係数との差は±3×10-6/℃以内であることを特徴と
するガスセンサにある。
縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラ
ス封止材にて封止され,該ガラス封止材の熱膨張係数と
上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数と
の差は±3×10-6/℃以内とすることである。なお,
本明細書における熱膨張係数は線膨張係数である。
ンサ素子,絶縁碍子の熱膨張係数をK2とする。K1と
K2との差が−3×10-6より大きい場合,つまりK1
がK2よりも3×10-6より小さい場合,ガラス封止材
の溶融,冷却固化に伴う絶縁碍子がガラス封止材より受
ける残留応力が大きくなる。つまり,ガラス封止材が絶
縁碍子を強く押圧して,絶縁碍子の内径を広げようとす
る力を与えることになる。絶縁碍子は通常脆いセラミッ
クより構成されているため,例えばガラス封止材による
封止固定直後に絶縁碍子にクラックが生じたり,絶縁碍
子をガスセンサへと組み上げる際に絶縁碍子が破損した
りするおそれがある。また,熱衝撃によって絶縁碍子に
クラックが生じ易くなるため,例えば自動車エンジンの
排気系のように,常温〜高温まで温度が幅広く変化する
ような使用環境では使用困難となるおそれがある。
ける残留応力も大きくなるおそれもあり,この場合,セ
ンサ素子に内蔵された各種の配線構造を断線させるおそ
れがある。
大きい場合,収縮量の違いによりガラス封止材の溶融,
冷却固化に伴い,絶縁碍子とガラス封止材との間に剥離
が発生し,封止固定の気密性が低下したり,気密性の維
持が困難となるおそれがある。この場合,ガスセンサの
被測定側雰囲気と大気側雰囲気との気密が保持困難とな
り,ガスセンサの測定精度が低下してしまうおそれがあ
る。
明にかかるガスセンサではガラス封止材のみで絶縁碍子
とセンサ素子との間を封止固定しているため,別部材,
例えば粉体材料を用いたり,多段的に封止材料を充填す
る等の手間や管理項目の多い手法を利用する必要がな
く,部品コストや組み立てコストを安価とすることがで
きる。
止材の熱膨張係数との差が上述した範囲内にある。この
ため,脆いセラミックよりなる絶縁碍子にガラス封止材
による封止固定直後のクラック発生を防止でき,また,
絶縁碍子をガスセンサへと組み上げる際に加わる力等に
よる絶縁碍子破損を防止することができる。
動車エンジンの排気系のように,常温〜高温まで温度が
幅広く変化するような使用環境に好適な優れた耐久性を
得ることができる。また,センサ素子に無理な力が加わ
ることもなく,内蔵された各種の配線構造の断線等も防
止できる。更に,絶縁碍子とガラス封止材との間の剥離
も生じ難く,封止固定の際の気密性を維持することがで
きる。
素子との間をガラスで封止可能とし,両者間の高い気密
性と絶縁碍子及びセンサ素子の損傷が生じ難く,高温か
ら常温までの幅広い温度範囲で使用可能なガスセンサを
提供することができる。
て,絶縁碍子は通常アルミナより構成されており,セン
サ素子は酸素イオン導電性のジルコニアより構成された
り,またはジルコニアやアルミナを適宜積層した構成と
されることが一般的である。
く,積層板状のセンサ素子を組付けたものの他,有底円
筒状のコップ型固体電解質体よりなるセンサ素子を組付
けたものに対し適用できる。また,本発明にかかる構成
は車両用内燃機関搭載用の酸素センサ,空燃比センサの
他,特に積層型の場合はNOxセンサ,COセンサ等に
適用することができる。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 21.0±5wt%, ZnO 34.6±5wt%, SiO2 12.6±5wt%, Al2O3 4.9±3wt%, BaO 14.2±5wt%, MgO 12.7±5wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。更に請求項2
にかかる組成の範囲であれば,アルミナ製の絶縁碍子,
センサ素子と本請求項にかかるガラス封止材との濡れ性
及び流動性が非常に良好となるため,狭い部分にもガラ
ス封止材を充填することができ,一層,優れた気密封止
効果を得ることができる。
止材を形成するガラス粉末等の材料を公知の方法により
金属元素と典型元素とに分離し,これらを例えば白金坩
堝等を使用して1500℃に強熱させることにより酸化
させた場合に,請求項に記載したwt%の成分が生成さ
れることを意味している。
2O3,SiO2の組成を保持することにより,ガラス封
止材の線膨張係数とアルミナ製絶縁碍子の線膨張係数と
の差を±3.0×10-6/℃以内とすることができる。
は,ガラス封止材の結晶化が阻害され,非晶質ガラスの
特性が出やすくなるおそれがある。この場合,ガスセン
サの使用環境温度を下げる必要が生じ,高温環境下でガ
スセンサを用いることが困難となるおそれがある。一
方,ZnOが上記範囲より多い場合は,ガラス封止材の
結晶化が促進され,ガラス封止材内での非晶質ガラスの
成分量が低下する。このため,センサ素子及びアルミナ
製絶縁碍子とのガラス封止材との密着性が低下するた
め,気密性が低下するおそれがある。
O,MgOの組成を保持することにより,線膨張係数が
大きく異なる数種類析出する結晶系のうち,所望の結晶
系の組成をバランスさせることができ,線膨張係数を更
にアルミナ製絶縁碍子に近づけることができる。
は,ガラス封止材の結晶化開始温度がガラス軟化点,ガ
ラス転移点に近いため,軟化後,まもなく結晶化してし
まう。このため,一旦軟化したガラスが結晶化が直ちに
進むことにより粘度が上昇し,所望の形状にガラス封止
材を流し込む前に硬化が始まるおそれがある。従って,
センサ素子とアルミナ製絶縁碍子とのガラス封止材との
密着性が低下し,両者間の気密性が低下するおそれがあ
る。
は,ガラス封止材の結晶化が阻害されるため,非晶質ガ
ラスの特性が出やすくなり, この場合,ガスセンサの
使用環境温度を下げる必要が生じ,高温環境下でガスセ
ンサを用いることが困難となるおそれがある。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 21.0±5wt%, ZnO 32.0±5wt%, SiO2 19.0±5wt%, BaO 12.0±5wt%, MgO 17.0±5wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 26.0±3wt%, ZnO 45.0±5wt%, SiO2 14.0±3wt%, BaO 7.5±3wt%, MgO 7.5±3wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 24.0±5wt%, ZnO 57.5±8wt%, SiO2 11.0±5wt%, BaO 7.5±5wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 22.6±5wt%, ZnO 34.5±8wt%, SiO2 12.8±5wt%, BaO 11.5±5wt%, MgO 18.5±5wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。
記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で, B2O3 19.0±5wt%, ZnO 30.4±8wt%, SiO2 16.0±5wt%, Al2O3 5.0±3wt%, BaO 20.0±5wt%, CaO 9.6±5wt%であることが好ましい。
絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以
内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に
対する耐性とを両立させることができる。
の間に高い密着性を発現することが要求される。そのた
め,ガラスの流動性がフローテストで15mm以上であ
るガラス材料より封止材を構成することが好ましい。こ
のフローテストはアルミナ板にガラス材料3gをペレッ
ト状に固めたものを封止条件にて溶解させた時のガラス
の流れを示している。上記条件を満たさないガラス材料
では,封止固定しても絶縁碍子,センサ素子に対し密着
しなかったり,ガラス封止材−絶縁碍子間に構造的なク
ラックを形成するおそれがある。この場合,著しく気密
性が低下し,ガスセンサが機能しないおそれがある。
後,固化させても再加熱により軟化して形状を保つこと
ができなくなる屈服点を持たない結晶化ガラスを使用す
る場合,軟化温度と結晶化開始温度との温度差が流動性
に影響する。結晶化ガラスは軟化点近傍により流動性を
呈しはじめれば,結晶化の開始と共に流動性が大きく低
下するため,ガラスを絶縁碍子−センサ素子間の隅々ま
で行き渡らせて,確実に両者間を密着,封止するために
は,軟化温度と結晶化温度との差が大きい結晶化ガラス
材料を用いることが好ましい。
のガスセンサを自動車エンジン排気系に取付けて使用し
た際には,ガラス封止材は500〜600℃の耐熱性を
持つことが要求される。また,一般に酸化ジルコニウム
主体のセンサ素子の耐熱性は1000℃程度である。こ
のことから,上記要件のもとで使用されるガラス封止材
は800〜1000℃で封止固定が可能である必要があ
る。このようなガラス材料の結晶化開始温度は700℃
以上であるため,上述したごとき流動性確保のためには
ガラスの軟化点は結晶化開始温度と100℃以上の温度
差があることが好ましい。
ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記セン
サ素子における熱膨張係数との差は±2×10-6/℃以
内であることが好ましい。これにより,高温環境下にお
ける気密封止と熱衝撃に対する耐性とを両立すると共に
組付時の外力からの絶縁碍子への破損を防止することが
できる。
ンサ素子,絶縁碍子の熱膨張係数をK2とする。K1と
K2との差が−2×10-6より大きい場合,つまりK1
がK2よりも2×10-6小さい場合,封止後,絶縁碍子
がガラスよりも大幅に収縮するために絶縁碍子を広げる
引張応力が絶縁碍子に働き,絶縁碍子を広げる力が常に
加わることになる。このため,組付時の外力から絶縁碍
子が破損する。反対に,K1がK2よりも2×10-6大
きい場合,封止後にガラスが絶縁碍子より大きく収縮す
るため,ガラスと絶縁碍子との界面の密着性が低下し,
気密性が低下するおそれがある。
子及びセンサ素子における熱膨張係数との差は±1×1
0-6/℃以内であることが更に好ましい。これにより,
急速冷却によるクラック発生を防止することができる
(後述する表1参照)。
絶縁碍子と上記センサ素子との間は実質的にガラス封止
材のみで封止されていることが好ましい。上記「実質的
にガラス封止材のみで封止されている」という記載は,
絶縁碍子とセンサ素子とのシール性をガラス封止材のみ
で実用上問題なく保持していることを示している。ガス
センサをこのような構成とすることで,簡単な構成を有
するガスセンサを提供することができる。
図2を用いて説明する。本例は,図1に示すごとく,筒
状の絶縁碍子21と該絶縁碍子21内に封止固定された
センサ素子15と,上記絶縁碍子21が挿入配置された
筒状のハウジング10とよりなる。上記ハウジング10
の基端側には内部に大気側雰囲気142が形成された大
気側カバー12が設けてあり,上記ハウジング10の先
端側には内部に被測定ガス側雰囲気141が形成される
被測定ガス側カバー13を設けてある。上記絶縁碍子2
1の内側面210と上記センサ素子15の外側面150
との間はガラス封止材25にて封止され,該ガラス封止
材25の熱膨張係数と上記絶縁碍子21及び上記センサ
素子15における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃
以内である。
センサ1は自動車内燃機関の排気系に取付けて,内燃機
関の空燃比制御に利用されるものである。図1に示すご
とく,ガスセンサ1において,ハウジング10の先端側
には外側カバー131,内側カバー132よりなる二重
構造の被測定ガス側カバー13が設けてある。両カバー
131,132は被測定ガスが導入される被測定ガス導
入穴130が設けてあり,ここから被測定ガスが導入さ
れて,内側カバー132の内部に被測定ガス側雰囲気1
41が形成される。
カバー12が設けてある。大気側カバー12の基端側の
外周面には撥水フィルタ122を介して外側カバー12
1が設けてある。また,大気側カバー12,外側カバー
121は共に撥水フィルタ122と対面する位置に大気
導入穴120が設けてある。また,大気側カバー12は
基端側がより小径に,先端側がより大径に構成され,径
の切り替わり部分に段部129が形成されている。そし
て,ガスセンサ1の大気側カバー12内には上記大気導
入穴120と連通し,大気が導入されて大気側雰囲気1
42が形成される。
略筒状で,内側面には径方向内側に向かう二ヶ所の突出
部101,102が設けてある。基端側の突出部101
における受け面103は絶縁碍子21の外側面に設けら
れたテーパー部211を支承するよう構成されている。
なお,上記絶縁碍子21は純度98%のアルミナセラミ
ックより構成されており,熱膨張係数は室温〜550℃
において7.8×10-6/℃である。
パッキン11を介してテーパー部211が支承される。
また,上記金属パッキン11は純度99%のニッケル材
料より構成されている。そして,上記金属パッキン11
の配置された部分で,ガスセンサ1内の大気側雰囲気と
被測定ガス側雰囲気が気密的に分離される。
側絶縁碍子22が配置され,該大気側絶縁碍子22と大
気側カバー12の段部129との間には皿バネ220が
設けてある。大気側絶縁碍子22の内部には4本のリー
ド部16が配置され,センサ素子15と電気的導通が取
れるように両者は接触している。なお,センサ素子15
は積層型の酸素濃度測定用のヒータ内蔵素子で,センサ
出力取出し用の電極を2つ,内蔵されたヒータ通電用の
電極を2つ,合計4つの外部導出用の電極端子を有する
(図示略)。そして,上記4本のリード部16はこれら
の電極端子とそれぞれ導通するよう接触している。
とこれら電極から上記出力取出し用電極に延設された配
線部が設けてある,また,内蔵されたヒータの発熱体と
上記取出し用電極に延設された配線部が設けてある(図
示略)。また,上記センサ素子15は全体としてジルコ
ニアセラミックとアルミナセラミックとが適宜積層され
た構成を有し,外側面150に露出した部分の熱膨張係
数は絶縁碍子21と略同程度で室温〜550℃において
7.8×10-6/℃である。
子22の外部において,コネクタ部17を介してリード
線18と接続されている。リード線18は大気側カバー
12の基端側に設けた弾性絶縁部材23を通じてガスセ
ンサ1外部へ通じている。
通されており,センサ素子15と絶縁碍子21との間は
ガラス封止材25にて封止固定されている。また,上記
ガラス封止材25の組成は,酸化物換算で,B2O3 2
1.0wt%,ZnO 34.6wt%,Si2O 1
2.6wt%,Al2O3 4.9wt%,BaO 1
4.2wt%,MgO 12.7wt%である。熱膨張
係数は室温〜550℃において7.8×10-6/℃であ
る。
25を構成する結晶化ガラス成分は以下No.1〜5に
かかる物質を含有する。 No.1 2ZnO・SiO2 No.2 ZnO・B2O3 No.3 2MgO・B2O3 No.4 BaO・2MgO・2SiO2 No.5 BaO・Al2O3・2SiO2 これらの物質はガラス封止材全体の80%を占めてお
り,非結晶質成分は20%以下である。非結晶質成分
は,同上の金属と酸素との複合物で,成分は同定できな
いため不明である。
移点が560〜580℃,軟化点が635〜655℃,
結晶化開始温度が735〜765℃,封止温度は830
〜950℃である。また,線膨張係数は,封止条件によ
り調整可能で,室温〜550℃において7.0〜8.2
×10-6/℃である。
ス封止材25にて絶縁碍子21とセンサ素子15とが封
止固定されたセンサエレメントを準備し,絶縁碍子21
の外周面上211を大気側絶縁碍子22で押圧し,絶縁
碍子21ないしガラス封止材25にクラックが発生した
荷重を測定した。図2中の強度とはクラックが発生した
強度を(ガラス封止済/ガラス封止前)×100%で示
している。一般に熱膨張係数が,『ガラス封止材<アル
ミナ製絶縁碍子』の場合,ガラス封止後にアルミナ製の
絶縁碍子21に引張応力がかかり,アルミナ製絶縁碍子
21の強度がガラス封止前のアルミナ製絶縁碍子21の
単体と比較して低下する。
ガラス封止材の熱膨張係数の差が3×10-6/℃よりも
大きく,つまりガラス封止材の熱膨張係数が5.2×1
0-6/℃未満となった場合,強度が大きく低下してしま
うことが分かった。また,図示は略したが,ガラス封止
材の熱膨張係数が絶縁碍子及びセンサ素子の熱膨張係数
よりも大きく,またその差が3×10-6/℃よりも大き
くなった場合,絶縁碍子の強度低下は認められなかった
が,ガラス封止材と絶縁碍子及びセンサ素子との界面間
が剥離することが分かった。
封止材を設けたガスセンサについて,加熱したガラス封
止済絶縁碍子を水により急速に冷却して急速熱衝撃試験
を行なった。この結果,すべてのサンプルについてクラ
ックが絶縁碍子,ガラス封止材,センサ素子のいずれか
に発生した場合を×,また,一部のサンプルについてク
ラックが発生した場合を△,発生しなかった場合を○と
した。また,この時の急速水冷による冷却速度は100
℃/秒,150℃/秒,200℃/秒とした。同表よ
り,本発明にかかる熱膨張係数を持つガラス封止材を用
いることで,150℃/秒までの急速水冷でクラックの
生じないガスセンサが得られることが分かった。更に,
特にセンサ素子及び絶縁碍子との熱膨張係数の差が1.
0×10-6/℃以内である場合は200℃/秒までの急
速水冷に耐えるガスセンサが得られることが分かった。
はガラス封止材25で絶縁碍子21とセンサ素子15と
の間を封止固定しているため,部品コストや組み立てコ
ストを安価とすることができる。また,センサ素子15
及び絶縁碍子21とガラス封止材25の熱膨張係数との
差が上述した範囲内にあり,脆いセラミックよりなる絶
縁碍子21にガラス封止材25による封止固定直後のク
ラック発生を防止でき,また,絶縁碍子21をガスセン
サ1へと組み上げる際に加わる力等による絶縁碍子21
破損を防止することができる。
動車エンジンの排気系のように,常温〜高温まで温度が
幅広く変化するような使用環境に好適な優れた耐久性を
得ることができる。また,センサ素子15に無理な力が
加わることもなく,内蔵された各種の配線構造の断線等
も防止できる。更に,絶縁碍子21とガラス封止材25
との間の剥離も生じ難く,封止固定の際の気密性を維持
することができる。
子との間をガラスで封止可能とし,両者間の高い気密性
と絶縁碍子及びセンサ素子の損傷が生じ難く,高温から
常温までの幅広い温度範囲で使用可能なガスセンサを提
供することができる。
うな組成を酸化物換算で持ったガラスを本例のガラス封
止材として採用しても,上記とほぼ同様の結果を得るこ
とができる。
32.0wt%,SiO2 19.0wt%,BaO
12.0wt%,MgO 17.0wt%。 (b)B2O3 26.0wt%,ZnO 45.0wt
%,SiO2 14.0wt%,BaO 7.5wt
%,MgO 7.5wt%。 (c)B2O3 24.0wt%,ZnO 57.5wt
%,SiO2 11.0wt%,BaO 7.50wt
%。 (d)B2O3 22.6wt%,ZnO 34.5wt
%,SiO2 12.8wt%,BaO 11.5wt
%,MgO 18.5wt%。 (e)B2O3 19.0wt%,ZnO 30.4wt
%,SiO2 16.0wt%,Al2O3 5.0wt
%,BaO 20.0wt%,CaO 9.6wt%。
図。
強度との関係を示す説明図。
Claims (9)
- 【請求項1】 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固
定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された
筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジングの基端側
には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設
けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガ
ス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあ
るガスセンサにおいて,上記絶縁碍子の内側面と上記セ
ンサ素子の外側面との間はガラス封止材にて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記セ
ンサ素子における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃
以内であることを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項2】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 21.0±5wt%, ZnO 34.6±5wt%, SiO2 12.6±5wt%, Al2O3 4.9±3wt%, BaO 14.2±5wt%, MgO 12.7±5wt%であることを特徴とする
ガスセンサ。 - 【請求項3】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 21.0±5wt%, ZnO 32.0±5wt%, SiO2 19.0±5wt%, BaO 12.0±5wt%, MgO 17.0±5wt%であることを特徴とする
ガスセンサ。 - 【請求項4】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 26.0±3wt%, ZnO 45.0±5wt%, SiO2 14.0±3wt%, BaO 7.5±3wt%, MgO 7.5±3wt%であることを特徴とするガ
スセンサ。 - 【請求項5】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 24.0±5wt%, ZnO 57.5±8wt%, SiO2 11.0±5wt%, BaO 7.5±5wt%であることを特徴とするガ
スセンサ。 - 【請求項6】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 22.6±5wt%, ZnO 34.5±8wt%, SiO2 12.8±5wt%, BaO 11.5±5wt%, MgO 18.5±5wt%であることを特徴とする
ガスセンサ。 - 【請求項7】 請求項1において,上記ガラス封止材の
組成は,酸化物換算で, B2O3 19.0±5wt%, ZnO 30.4±8wt%, SiO2 16.0±5wt%, Al2O3 5.0±3wt%, BaO 20.0±5wt%, CaO 9.6±5wt%であることを特徴とするガ
スセンサ。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
上記ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記
センサ素子における熱膨張係数との差は±2×10-6/
℃以内であることを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
上記絶縁碍子と上記センサ素子との間は実質的にガラス
封止材のみで封止されていることを特徴とするガスセン
サ。
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