JP2000275210A - 燃焼ガス成分センサおよびその製造方法 - Google Patents

燃焼ガス成分センサおよびその製造方法

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JP2000275210A
JP2000275210A JP11079797A JP7979799A JP2000275210A JP 2000275210 A JP2000275210 A JP 2000275210A JP 11079797 A JP11079797 A JP 11079797A JP 7979799 A JP7979799 A JP 7979799A JP 2000275210 A JP2000275210 A JP 2000275210A
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heater
glass
solid electrolyte
green sheet
detection electrode
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JP11079797A
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English (en)
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Sadayasu Ueno
定寧 上野
Shiro Ouchi
四郎 大内
Masayuki Sato
雅之 佐藤
Takehiro Matsumoto
健宏 松本
Takashi Kosai
高士 小才
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伝導加熱によって始動時間を短縮すると共に、
加熱温度を低温度で済むようにして断線などの不具合の
発生を抑え、ヒータの配設位置に許容度を持たせて高速
始動を容易に行うことのできるようにする。 【解決手段】予め焼成した袋管状ジルコニア固体電解質
体に白金電極とヒータを一体形成する材料・工程とし
て、アルミナをセラミックスの主剤,アルミナ,シルカ
などのガラス成分を焼結助剤とするガラス・セラミック
スのグリーンシートで、白金の検出電極上に被覆するこ
とによりガスの電極への拡散を抑制する層と、白金の箔
状ヒータの上下面を電気絶縁する層と、必要に応じて、
電極のリード部を固体電解質体から電気絶縁する層と、
ヒータ表面を断熱保護する層とを同心円状に積層し、焼
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼ガス成分センサ
およびその製造方法,使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼ガス成分センサ、すなわち空燃比セ
ンサについては多数の公知例が知られている。
【0003】特開平7−120429 号公報には、一対の電極
を有する固体電解質体を備え、前記一対の電極の内、一
方の電極の表面及び側面を、被測定ガス中の酸素に対し
て限定された拡散抵抗を有するガス拡散抵抗層によって
被覆した構成の空燃比検出装置において、前記ガス拡散
抵抗層は、前記一方の電極の表面に形成されているとと
もに、該電極の側面から所定距離隔てた前記固体電解質
の一部の表面までに渡って形成されており、前記ガス拡
散抵抗層の側面を除く表面にガス遮蔽部が形成されてお
り、前記ガス拡散抵抗層の前記側面と前記一方の電極の
前記側面との間の前記所定距離に対応する領域が、ガス
中の酸素に対して限定された拡散抵抗作用を発揮し、前
記ガス遮蔽部の存在によって、被測定ガスが前記ガス拡
散抵抗部の前記側面から該ガス拡散抵抗層の内部を通過
して前記一方の電極に到達するようにした空燃比検出装
置が記載されている。
【0004】また、特開平6−27080号公報には、酸素イ
オン伝導性固体電解質板の面に一対の多孔質電極a,b
を有する第1の素子と、酸素イオン伝導性固体電解質板
の面に一対の多孔質電極c,dを有する第2の素子と、
上記第1の素子の多孔質電極b及び上記第2の素子の多
孔質電極cの両者と接し、ガス拡散制限部を介して被測
定ガス雰囲気と連通する測定ガス室と、上記第1の素子
の多孔質電極aに接し、上記第1の素子の通電により上
記測定ガス室内の酸素が汲み込まれる内部基準酸素源
と、該内部基準酸素源と上記被測定ガス雰囲気とを連通
し、上記内部基準酸素源の基準酸素のオーバーフロー分
を被測定ガス雰囲気中に排出させる高拡散抵抗部と、を
備えた空燃比センサにおいて、上記高拡散抵抗部を、上
記内部基準酸素源から、上記各電極a〜dが外部の検出
回路と接続される当該空燃比センサの端末側に延ばして
形成し、上記内部基準酸素源の基準酸素のオーバーフロ
ー分を当該空燃比センサの端末側から被測定ガス雰囲気
排中に排出するよう構成してなる空燃比センサが記載さ
れている。
【0005】前者の積層板形の場合は、板形に積層され
たヒータとヒータにより加熱される拡散抑制部材を有す
る板状の濃淡電池は、いずれも、高温において個々の積
層材料の熱膨張の差により、平板の上下面,中央部と周
辺部とでそれぞれランダムに変形しようとするストレス
が発生する。これは、最初に加熱される焼成段階では反
り返りや部分的な割れや積層された層間の剥がれとな
り、繰り返し加熱される使用段階では、個々の材料の膨
張差によるセラミックスや動体の割れとなって現れる。
従って、その対応策として、ヒータ部と濃淡電池部とは
空隙を持たして配置することが実際に行われており、濃
淡電池の基準ガスとして大気導入室は設けず、検出ガス
中の酸素をポンピングして基準として使うようにしてい
る。つまり、従来の積層板形は生産効率はよいが、基準
ガスのポンピングや熱ストレスに対する余裕が少なく、
始動時間や基準ガスの安定性などに課題が残る。
【0006】後者の袋管形の場合は、濃淡電池をまず固
体電解質体として袋管状に焼成するために、最初の焼成
時とその後の使用時における熱的・機械的な変形は少な
くその強度も十分得られる。しかしその後に濃淡電池と
拡散抑制部材を白金の無電解めっきや拡散抑制膜のプラ
ズマ溶融工程などにより段階的に構築し、さらにヒータ
を別体で棒状に形成して組み付けなければならないた
め、板形が同時焼成で積層できるのに比較すると、生産
工程が多岐にわたる。また、ヒータ組み付け構造にも輻
射加熱であるために始動時間短縮の余地が残されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のセンサにあって
は次のような問題点を有していた。
【0008】1)ヒータで内側から輻射加熱,始動時間
t短縮のために温度1200℃とし、白金系発熱体を使
用しているが、t=20sで頭打ちとなるとともに、ヒ
ータを高温に加熱せざるを得ないため、ヒータの部分過
熱による断線などの不具合が発生する。
【0009】2)拡散抑制層をプラズマ溶射による多孔
質層を形成すると、検出電極の真上で検出しなければな
らないため、ヒータを積層して伝導加熱による高速始動
が容易にはできない。
【0010】3)固体電解質シートの表面に電極層を設
け、電極の表面を含めて多孔質なガス透過性セラミック
スシートを前記固体電解質シートの表面に積層し、かつ
該ガス透過性セラミックスシートの表面に緻密質なガス
遮蔽性セラミックスシートを積層し、該積層体を焼成に
より固体電解質に設けた電極の表面も含めて該固体電解
質の表面に、表面がガスに対して透過性を有しないガス
拡散抵抗層を形成する方法によれば、製造方法が簡便に
なるという有利さがあるが、一度に焼成して形成するた
めに固体電触質の反りによる他の積層との間の密着性を
欠くおそれがある。
【0011】従って、一体被覆による伝導伝熱方式では
なく、輻射伝熱となっていた。
【0012】また、袋管ジルコニアはフランジ部を有し
大気と排気を分離してガス封止している。そのため袋管
ジルコニアが大型になるとともに、そのフランジ部を気
密封止するために粉体を加圧充填しなければならず、そ
の結果粉体が環境温度により部分的に焼結収納しガス漏
れなどの不具合が発生することがある。
【0013】本発明はかかる点に鑑み、伝導加熱によっ
て始動時間tを短縮すると共に、加熱温度を低温度で済
むようにして断線などの不具合の発生を抑え、ヒータの
配設位置に許容度を持たせて高速始動を容易に行うこと
のできる燃焼ガス成分センサおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0014】また、本発明は、最適な使用方法を提供す
る。
【0015】また、本発明は、袋管ジルコニアを採用し
たときに、袋管ジルコニアを小型化するとともに、その
フランジ部の気密封止を容易に行うことの出来る構造を
提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジルコニア固
体電解質体を予め焼成して焼き固めて形状を安定化させ
て使用することに1つの特徴を有する。このようなジル
コニア固体電解質体を使用し、拡散抑制などの機構部
材,ヒータ,リード部の電気絶縁部材をグリーンシート
技術の採用によって積層構成する。例えば、従来採用さ
れて来たプラズマ溶射による多孔質膜を検出電極上に形
成して、その気孔率による拡散抑制量の管理をグリーン
シート積層による拡散開口部の面積管理にする。また、
ヒータは濃淡電池を輻射ではなく、伝導で加熱できるよ
うにする。これは、予め焼成されたジルコニア固体電解
質体の採用により形成の安定化した基盤が提供され、グ
リーンシート積層とあいまって可能とされる。特に袋管
形のセンサに当該構成を採用するとグリーンシートによ
る焼き締めを利用することができるためにより一層伝導
効果がある。白金ヒータの発熱体を従来の厚膜抵抗体の
印刷・焼成工法から、線の成形・箔化されたガラス・セ
ラミックスのグリーンシート積層・低温焼成法の採用に
より加工性と耐久性を向上させる。
【0017】本発明は、ヒータと検出ガスの拡散抑制部
材を有する袋管状ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガ
ス成分センサにおいて、予め燃成した袋管状ジルコニア
固体電解質体に白金電極とヒータを一体形成する材料・
工程として、アルミナをセラミックスの主剤,アルミ
ナ,シリカなどのガラス成分を焼結助剤とするガラス・
セラミックスのグリーンシートで、白金の検出電極上に
被覆することによりガスの電極への拡散を抑制する層
と、白金の箔状ヒータの上下面を電気絶縁する層と、必
要に応じて、電極のリード部を固体電解質体から電気絶
縁する層と、ヒータ表面を断熱保護する層とを同心円状
にまたは板状に積層し、焼成したことを特徴とする酸素
濃淡電池とその検出電極にガス拡散抑制部材を被覆せし
めた燃焼ガス成分センサを提供する。
【0018】ヒータの発熱体の高温部が、拡散抑制部材
を有する濃淡電池部のほぼ中央を加熱するように配置
し、積層し、焼成する。
【0019】袋管状ジルコニア濃淡電池の検出電極のリ
ード部と固体電解質体との間に、アルミナをセラミック
スの主剤とし、アルミナ,シリカなどのガラス成分が2
0−60wt%焼結助剤として配合されたガラス・セラ
ミックスのグリーンシートを、電気的絶縁材として積層
し、焼成する。
【0020】袋管状ジルコニア濃淡電池の検出電極部へ
の検出ガスの拡散を抑制するために、アルミナをセラミ
ックスの主剤とし、アルミナ,シリカなどの非晶質ガラ
スの焼結助剤を20−60wt%配合したガラス・セラ
ミックスのグリーンシートで検出電極表面を被覆し、そ
の周辺は検出ガスの拡散を所要のレベルに抑制するよう
にその一部を検出ガス域に開口させ、その他の部分を上
記ガラス・セラミックスと主剤を同じくするペーストま
たは上記材の可塑剤を必要に応じて介在させて、積層
し、焼成する。ヒータ発熱体部は、ジグザグ状に成形し
た白金線を箔状化した発熱部と、その端末によりその断
面積の大きい白金線を箔状化したリード部とを溶接する
構造とし、その上下をアルミナをセラミックスの主剤と
し、アルミナ,シリカなどをガラスの焼結助剤を20−
60wt%配合したガラス・セラミックスのグリーンシ
ートで積層して、検出ガスの拡散抑制部材を有する袋管
状ジルコニア濃淡電池の表面に巻き付け積層し、焼成す
る。
【0021】予め焼成した袋管状ジルコニアに、検出電
極リード部の絶縁層,拡散抑制層,ヒータ上下の絶縁層
として、アルミナをセラミックスの主剤とし、アルミ
ナ,シリカなどの焼焼助剤を20−60wt%配合した
グリーンシートを積層状に巻き付けて、ジルコニア固体
電解質体の熱膨張曲線の高温側ヒステリシスの開始温度
(950℃)以下で焼成する。
【0022】箔状ヒータ上下の絶縁用グリーンシート
と、検出電極リードと固体電解質体との間の絶縁用グリ
ーンシートは、それぞれ必要に応じて、グリーンシート
面に縦横にほぼ等間隔に切り込みまたは、薄肉溝を入
れ、焼成収縮時の割れの位置を特定するように積層し、
焼成する。
【0023】ジルコニア固体電解質体と検出電極のリー
圭部と固体電解質体との間に、アルミナをセラミックス
の主剤とし、アルミナ,シリカなどをガラスの焼結助剤
を20−60wt%配合したガラス・セラミックスのグ
リーンシートを積層し、焼成したリード絶縁層とは、そ
れぞれ表面を所要量ずつ、異なる濃度のフッ化水素酸で
エッチングすることにより、それぞれ所要の面粗さを得
る。
【0024】検出電極を被覆し、封止する拡散抑制層の
対向面のうち、検出電極に対面する領域と、検出ガスを
検出電極部まで導入する所定寸法の導入路とを除いたそ
の他の領域に、拡散抑制層に用いたガラス・セラミック
スグリーンシートと同類の主剤からなるペーストまたは
可塑剤を介在させて拡散抑制層を積層し、焼成して、検
出ガスの抑制された拡散量を所要のレベルに管理する。
【0025】箔状ヒータ上下両面の絶縁層に、アルミナ
をセラミックスの主剤とし、アルミナ,シリカなどのガ
ラスの焼結助剤を20−60wt%配合したガラス・セ
ラミックスのグリーンシートを用い、検出ガスの拡散抑
制部材を有する袋管状ジルコニア濃淡電池の表面に巻き
付け積層し、焼成する。
【0026】ヒータと拡散抑制部材を有する濃淡電池の
引き出しリードとその端子部を、鉄・ニッケル・クロム
などからなる耐熱金属のフランジ付き胴体内に収納し、
この材料と熱膨張係数を近似させたガラス・セラミック
スで封止する。
【0027】袋管状ジルコニアは、粉末をスラリ化し
て、インジェクション成形するか、または押出し成形し
た管の端末をさらに閉じた半球状に成形し、焼成する。
【0028】絶縁被覆されたヒータの表面をさらに断熱
保護する層として、アルミナをセラミックスの主剤と
し、アルミナ,シリカなどのガラス成分を20−60w
t%配合したガラス・セラミックスのグリーンシートで
被覆するように積層し、焼成する。
【0029】濃淡電池の無電解めっきによる白金電極の
リード引き出し部と、耐熱合金リードに予め電気溶接さ
れた白金片とは、互いに当接して、この白金同志は白金
ろうをバーナで溶融して互いに電気的に接続する。
【0030】袋管状ジルコニア固体電解質体の円筒状端
面をばね性で挟持するように形成した耐熱合金リードで
電気信号を引き出す。
【0031】標準的な酸素濃度を有する大気にセンサ検
出部を曝したとき、自立的に大気に曝されたことを認識
し、濃淡電池に流れる酸素イオン電流Ipの所定の値か
らのばらつき誤差と劣化などによる経時誤差を、予め保
存された初期値と比較して補正する係数を、その都度E
EPROMなどの電子デバイスに書換え保存しながらガ
ス成分信号を校正する。
【0032】袋管状固体電解質体に重ねて巻き付けるよ
うに積層したリード絶縁,拡散抑制層,ヒータ絶縁層,
ヒータ保護層などに用いるグリーンシートは、各層の突
き合わせ部を重ねず、間隙を設けて巻き付けるととも
に、その界面と突き合わせ間隙に、上記グリーンシート
の可塑剤またはグリーンシートと同類の材料のスラリー
またはペーストを、塗布し、積層し、焼成する。
【0033】アルミナを主剤とし、アルミナ,シリカな
どのガラス成分を焼結助剤として配合し、その熱膨張係
数をジルコニア固体電解質体と近似するように材料を選
択したガラス・セラミックスの拡散抑制層を、固体電解
質体上に積層し、検出ガスの拡散導入通路を残した周辺
と必要に応じて拡散抑制層の反対側の表面を、非晶質ガ
ラスで塗布し、固体電解質体に焼き付けて封止接着する
とともに、必要に応じて前記拡散抑制層のガラス・セラ
ミックスをも非晶質とする。
【0034】ガラスの焼結助剤として、SiOを主
剤として用いるとともに、ガラス材料として、少なくと
も、Al,Na ,B,BaO,Ca
O,MgOの中から1種以上の材料を組み合わせた、非
晶質のガラスペーストまたはガラス・セラミックスペー
ストと、非晶質のガラス焼結助剤とアルミナをセラミッ
クスの主剤とするグリーンシートとを用いる。
【0035】検出ガスを検出電極部まで導入する所定寸
法の導入路にBN,Alなどのセラミックス粉を
溶媒,バインダでペースト化して塗布し、導入路部の壁
を形成する拡散抑制層と固体電解質体の界面にセラミッ
クス粒子が集積した通気性を有する領域を形成する。
【0036】平均粒子径2−30μmのセラミックス粉
を可塑剤,バインダなどでペースト化して所定寸法の導
入路に塗布して、拡散抑制層で積層し、焼成する。
【0037】白金に対し触媒反応を劣化させる可能性の
ある鉛,亜鉛,砒素,アンチモン,ビスマス,錫など重
金属酸化物を0.5wt% 以上含有しないガラス・セラ
ミックスグリーンシートまたは、ガラスペーストの材料
として使用する。
【0038】さらに、本発明は、ヒータと検出ガスの拡
散抑制部を有するジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガ
ス成分センサの使用方法において、セラミックスを主剤
とし、ガラス成分を焼結助剤とするガラス・セラミック
スのグリーンシートが焼成されて検出電極およびヒータ
を被覆してジルコニア固体電解質体に配設された燃焼ガ
ス成分センサについて、ヒータを前記焼成温度(950
℃)以下で発熱させ、発熱を直接熱伝導によってセンサ
全体に伝熱させながら使用する燃焼ガス成分センサの使
用方法を提供する。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例にかかる自
動車用燃焼ガス成分センサにつき説明する。
【0040】図1は、燃焼ガス成分センサの全体構成を
示す。図において、燃焼ガス成分センサは、ZrO
からなる袋管状のジルコニア固体電解質体10
と、被測定ガスに晒される側に配置された検出電極15
と、その検出電極リード部7と、基準ガス19に晒され
る側に配置された基準電極14と、その基準電極の基準
電極リード部8と、検出電極15上に設けられたガスの
拡散層16と他の拡散層21とジルコニア固体電解質体
10の周囲に設けたヒータである発熱体(以下「ヒータ
17」という。)と、そのヒータのヒータリード部13
とからなる。このように、燃焼ガス成分センサは、ヒー
タ17と検出ガス20の拡散抑制層(部)18を有するジ
ルコニア濃淡電池とからなる。
【0041】燃焼ガス成分センサは、更に後述するよう
にして形成されるガスの拡散抑制層18を有する。
【0042】検出電極リード部7,基準電極リード部
8,基準電極14,検出電極15はPt(白金)無電解
めっきにより構成される。そして、ヒータ17は、Pt
箔により構成される。
【0043】袋管状のジルコニア固体電解質体10は、
予め焼成されて焼き固められて形状の安定化が図られ
る。
【0044】この予め焼成したジルコニア固体電解質体
10の両面のそれぞれに検出電極15と基準電極14が
配設される。また、この予め焼成したジルコニア固体電
解質体10の両面のそれぞれに検出電極リード部7,基
準電極リード部8が配設される。
【0045】検出電極15上にアルミナをセラミックス
の主剤,アルミナ,シリカなどのガラス成分を焼結助剤
とするガラス・セラミックス(Al,B
SiO)の第1のグリーンシートを積層する。該第1
のグリーノート上および検出電極リード部7上にアルミ
ナをセラミックスの主剤,アルミナ,シリカなどのガラ
ス成分を焼結助剤とするガラス・セラミックスの第2の
グリーンシートを積層する。ヒータ17とヒータリード
部13の両面にそれぞれ同様な組成の第3および第4の
グリーンシートを積層する。第2のグリーンシートと第
3のグリーンシートとは互いに接触状態とする。検出電
極15の先端側で、ジルコニア固体電解質体10上には
第1のグリーンシートと同組成の第5のグリーンシート
が積層され、第1のグリーンシートと接触する。このよ
うにして、燃焼ガス成分センサ積層体が構成され、焼成
される。
【0046】ヒータと検出ガスの拡散抑制部材を有する
袋管状ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分セン
サにおいて、予め焼成した袋管状ジルコニア固体電解質
体に白金電極とヒータを一体形成する材料・工程とし
て、アルミナを主剤,シリカなどのガラス成分を焼結助
剤とするガラス・セラミックスのグリーンシートで、
1)白金の検出電極上に被覆することによりガスの電極
への拡散を抑制する層と、2)白金の箔状ヒータの上下
面を電気絶縁する層と、必要に応じて、3)電極のリー
ドを固体電解質体から電気絶縁する層と、4)ヒータ表
面を断熱被覆する層とを、同心円状に一体積層し、焼成
する。このように一体積層し、焼成することによって、
図において、第1のグリーンシートおよび第5のグリー
ンシートにより拡散層16,21が形成される。更に第
2のグリーンシートによってリード絶縁層9が、第3お
よび第4グリーンシートによって下側のヒータ絶縁層1
2および上側のヒータ絶縁層11(Al,B
,SiO)が形成される。第2のグリーンシートの
一部によって拡散抑制層18が形成される。
【0047】このような工程によって構成される燃焼ガ
ス成分センサの構造において注目されるべき点は、予め
焼成されたジルコニア固体電解質体10上に検出電極1
5および基準電極14が配設され、上述した各グリーン
シートが積層され、焼成されることであり、この焼成の
時には、ジルコニア固体電解質10は反りなどの変形を
最早来たさないということである。従って、各グリーン
シートが焼成されたときに検出電極15,ヒータ17、
更には検出電極リード部7,ヒータリード部13がジル
コニア固体電解質体10の変形に影響されることなく、
グリーンシートによって一体被覆される。これによっ
て、熱伝導が効果的になされ得る。
【0048】更に注目されるべき点は、袋管状の燃焼ガ
ス成分センサ積層体を採用した場合には、各グリーンシ
ートの焼成によって焼き締りが円周方向,半径方向に生
じ、ヒータ17によって発熱した熱はより以上にセンサ
全体に熱伝導されるということである。
【0049】検出電極15および検出電極リード部7を
一体被覆するリード絶縁層9および下側のヒータ絶縁層
12は、ガス遮蔽をも果す。上側のヒータ絶縁層11の
上には、ヒータを断熱保護する層が設けられる。
【0050】拡散抑制層18がガス中の酸素に対して限
定された拡散抵抗作用を発揮し、ガス遮蔽部の存在によ
って、検出ガス20が前記ガス拡散層16,21の側面
から図に示すように入り、拡散層16,21の内部を通
過して検出電極15に到達することになる。
【0051】第2,第3および第4のグリーンシートは
ガラス・セラミックスを組成とするが、緻密質に調合
し、第1および第5のグリーンシートは多孔質なガス透
過性となるように調合する。
【0052】グリーンシートの組成について説明する。
【0053】900℃で焼結する非晶質のグリーンシー
トの組成の例を示す。セラミックス材としてアルミナ:
55wt%に対して、ガラス・セラミックスの焼結助剤
の組成をSiO:20wt%,Al:15w
t%,B:10wt%のように配合すると、90
0℃,3.0hr で焼成した場合、焼成収縮率が19%
のものが得られる。
【0054】上記の例と同様に、セラミックス材として
アルミナ:55wt%に対して、焼結助剤の組成をSi
:20wt%,Al:15wt%,PbO:
10wt%のように配合すると、900℃,0.5hr
で焼成した場合、焼成収縮率が14%の結晶性のグリー
ンシートが得られる。
【0055】いずれも、本発明の実施例に示したセンシ
ング素子の積層セラミックスとして適用することができ
る。
【0056】以上説明したように、燃焼ガス成分センサ
の袋管状素子は、図1に示すように、化学の試験管状の
ジルコニア固体電解質体10の管状平行部の内外壁面に
白金の無電解めっきで基準電極14,検出電極15を形
成し、検出電極15は、引き出しリード部7を有し、こ
の部分は触媒反応による酸素イオン化電流が発生しない
ように、アルミナのリード絶縁層9を介在するととも
に、電極表面には、検出ガスの拡散を抑制するための拡
散抑制層18を被覆する。さらに、素子のガス成分検出
部を加熱するためのその上下面に絶縁層11,12を被
覆したヒータ17を巻き付けている。
【0057】実際の寸法例としては、積層体の厚さにつ
いては、固体電解質体10:0.3mm,検出電極,基準
電極15,14:0.002mm,ヒータ17:0.1mm,
リード絶縁層9・拡散抑制層18・ヒータ絶縁層11,
12:0.1mm ,袋管固体電解質体10のサイズについ
ては、直径:5mm,長さ:25mmである。
【0058】図2は、図1の積層された管状平行部の各
層を展開して斜視図として示したものである。ここで、
ヒータ17の上下の絶縁層11,12は、ヒータ形状を
透視で見えるように、枠のみを示した。固体電解質体以
外のセラミックスは、ガラス・セラミックスのグリーン
シートを、可塑剤またはガラスペーストを接着剤として
用いて接着し、積層するが、これら接着剤の図示は省略
した。
【0059】一体で同時焼成し、プラズマ溶射を積層焼
成法に替えることにより、生産効率が向上するととも
に、ヒータを直接濃淡電池の上に重畳することにより、
始動時間の高速化が実現する。
【0060】ヒータの発熱体の高温部が、拡散抑制部材
を有する濃淡電池部の中央を過熱するように積層し、焼
成する。
【0061】ヒータの発熱中心と濃淡電池と拡散抑制部
からなる検出部の中心とを一致させて重畳させることに
より、加熱効率は最も高くなる。従来の袋管形の場合、
拡散抑制が多孔質膜の表面全体で行われるため、互いの
中心を一致させて積層することができない。積層板形の
場合、焼成時の反りの挙動が一定でないため積層すると
電極リードが断線したり、クラックが発生する可能性が
あり、実際には互いに分離した形で使われている。予め
焼成した袋管は加熱による変形がなく、直接ヒータと接
触させて積層できる。
【0062】袋管状ジルコニア濃淡電池の検出電極のリ
ード部と固体電解質体との間に、アルミナを主剤とし、
シリカなどのガラス成分が10−50wt%焼結助剤と
して配合されたガラス・セラミックスのグリーンシート
を、電気的絶縁材として積層し、焼成する。
【0063】このリードの絶縁層がないと、検出電極と
同じ材料からなるリード部が固体電解質体と接触する高
温域では、リードが電極として機能してしまい、酸素イ
オン電流が流れるため、この電流分が排気成分信号の誤
差となる。
【0064】袋管状ジルコニア濃淡電池の検出電極部へ
の検出ガスの拡散を抑制するために、アルミナを主剤と
し、シリカなどの焼結助剤を5−25wt%配合したグ
リーンシートで検出電極表面を被覆するとともに、その
周辺は検出ガスの拡散を所要のレベルに抑制するよう
に、周辺の一部を検出ガス域に開口させ、その他の周辺
部分をガラス・セラミックスで接着し、焼成により封止
する。
【0065】従来、袋管形の場合、拡散抑制部材として
プラズマ溶射による多孔質膜を検出電極に被覆し、その
気孔率を管理して所要の酸素イオン電流感度を得てい
た。しかし、多孔質膜形成の生産効率を向上し、拡散抑
制部材と濃淡電池の真上にヒータを重ねてこれを直接伝
導加熱し、始動時間を短縮するために、検出ガス導入口
を限定して占有面積を減らすことが必要となってきた。
そこで、その一手段として、検出電極表面をセラミック
スで被覆し、検出ガス導入口をこのセラミックスシート
の端面の一部に限定することにより、上下の課題を解決
することができる。
【0066】ヒータ発熱体部は、ジグザグに成形した白
金線を箔状化した発熱部と、その端末により太い白金線
を箔状化したリード部を溶接する構造とし、その上下を
ガラス・セラミックスで積層して、アルミナを主剤と
し、シリカなどの焼結助剤を10−50wt%配合した
グリーンシートで積層し、検出ガスの拡散抑制部材を有
する袋管状ジルコニア濃淡電池の表面に巻き付け積層
し、焼成する。
【0067】従来、積層板形・袋管形いずれの場合も、
発熱体は、白金や酸化タングステンを主剤とする厚膜抵
抗体をグリーンシート上に印刷し、所要の形状に成形し
て、高温で焼成する工程であった。しかし、焼成された
発熱体は本来の金属の結晶組織にまでメタライズするこ
とはなく、微粒子の焼結体であり、加熱により局所スト
レスでクラックが生じたり、局所的な加熱により溶融・
断線などの可能性があった。これを解消し、しかも比較
的低温でヒータとして焼成できるようにするために、ヒ
ータ発熱体は高温焼成しなくともよい白金箔とし、ヒー
タ上下を絶縁支持するセラミックスは、低温焼成可能な
ガラス・セラミックスとした。
【0068】これにより、積層されたセラミックスの過
熱サイクルによる微少変位などのストレスが加わったと
きにメタルとしての延展性があり、クラックや局部過熱
による断線の可能性もない。
【0069】予め焼成した袋管状ジルコニアに、検出電
極リードの絶縁層,拡散抑制層,ヒータ上下の絶縁層と
して、アルミナを主剤とし、シリカなどの焼結助剤を1
0−50wt%配合したグリーンシートを積層状に巻き
付けて、ジルコニア固体電解質体の熱膨張曲線の高温側
ヒステリシスの開始温度(950℃)以下で焼成する。
【0070】ガラス・セラミックスは、焼結助剤の種類
と配合比を選ぶことによって、固体電解質体としてのジ
ルコニアの高温側のヒステリシス開始温度(950℃)
以下に、その焼成温度(例えば、900℃)を設定する
ことができる。これによって、袋管状の固体電解質体の
ジルコニアと、その上に巻き付けて積層するアルミナを
主剤とするガラス・セラミックスとを、焼成温度以下の
繰り返し加熱サイクルに供試した場合に、センサ内に生
ずるストレスによる電気的,機械的な不具合が発生しな
いように核材料の熱膨張差を設定できる。
【0071】箔状ヒータ上下の絶縁用グリーンシート
と、検出電極リードと固体電解質体との間のガラス・ア
ルミナからなる絶縁用グリーンシートは、それぞれ必要
に応じて、グリーンシート面に縦横にほぼ等間隔に切り
込みまたは、薄肉溝を入れ、積層し、焼成する。
【0072】これにより、グリーンシートを焼成する過
程で、可塑剤・溶剤・バインダなどが気化分離して体積
が収縮しようとするとき、切り込み部分が必要に応じて
拡張して収縮による変形を分担し、ランダムに割れや切
れが生ずることを防止する。
【0073】ジルコニア固体電解質体と検出電極のリー
ド部と固体電解質体との間に、アルミナを主剤とし、シ
リカなどの焼結助剤を10−50wt%配合したグリー
ンシートを積層し、焼成したリード絶縁層とは、それぞ
れ、その表面を所要量ずつ、異なる濃度のフッ化水素酸
でエッチングすることにより、それぞれ所要の面粗さを
得る。
【0074】具体的には、ジルコニア固体電解質体は、
イットリアで部分安定化され、焼結助剤としてアルミ
ナ,シリカなどが、例えば、3%配合されている。この
焼結助剤の表面に分布した分を、濃度20%の弗化水素
酸の水溶液で15分間選択エッチングして粗面化する。
さらに、この後工程で、ガラス・アルミナのリード絶縁
層をジルコニアの上に形成するが、こちらも白金の無電
解めっきによる薄膜をリードとして形成することが必要
であるために、弗化水素酸によるエッチングが必要であ
る。しかし、ガラス成分の配合率はジルコニアより高く
40%前後であるため、エッチング条件は、例えば、
2.5% で3分間のように弱めることによってジルコニ
アと同等の粗面化処理をする。この後、検出電極とその
引き出しリードとは、それぞれ所要のアンカー効果を得
ることができるように、同時に、白金の無電解めっき処
理をする。つまり、濃度の異なるエッチング液に異なる
時間,温度で処理することによって、ほぼ、同等の粗面
化ができるようにし、電極とリードの着膜強度を所要の
レベルに管理する。
【0075】拡散抑制層の4辺を検出電極に対面する領
域を除いてガラス・セラミックスのペーストで塗布して
包囲するとともに、検出ガスへの開口部として所定幅の
導入路を残し、その他の領域にペースト状ガラス・セラ
ミックスを塗布したリード絶縁層を検出電極上に積層
し、焼成して、検出ガスの抑制された拡散量を所要のレ
ベルに管理する。
【0076】これにより、所定の出力特性の関数に比較
して±30%以内の誤差範囲に入るように検出ガスの抑
制された拡散量を管理することができれば、その後処理
としては、個々のセンサの出力特性関数が所定の出力特
性の関数と比較して補正係数を求めて、電子デバイスに
メモリし、その後に計測した信号は、この補正係数で補
正して出力する。メモリした補正係数は、検出ガスが、
例えば、大気のような既知の出力値になったときに、更
新することにより、経時変化の校正も可能となる。
【0077】白金箔のジグザグ状発熱体とやや断面積の
太い白金箔状線とを溶接したヒータに関し、その上下両
面を、アルミナを主剤とし、シリカなどの焼結助剤を1
0−50wt%配合したガラス・セラミックスのグリー
ンシートで積層し、検出ガスの拡散抑制部材を有する袋
管状ジルコニア濃淡電池の表面に巻き付け、焼成する。
【0078】ガラス・セラミックスで、例えば、900
℃前後で低温焼結ができるので、拡散抑制部材と濃淡電
池を熱ストレスで損傷することなく、ジルコニアの高温
側ヒステリシス開始温度より低い繰り加し加熱サイクル
が加わったときでも、残留ストレスで電気的,機械的に
損傷を受けることもない。検出ガスを検出電極部まで導
入する所定寸法の導入路にBN,Alなどのセラ
ミックス粉を溶媒,バインダでペースト化して塗布し、
導入路部の壁を形成する拡散抑制層と固体電解質体の界
面にセラミックス粒子が集積した通気性を有する領域を
形成する。
【0079】これによって、通気性が確保される。
【0080】平均粒子径2−30μmのセラミックス粉
を可塑剤,バインダなどでペースト化して所定寸法の導
入路に塗布して、拡散抑制層で積層し、焼成する。
【0081】白金に対し触媒反応を劣化させる可能性の
ある鉛,亜鉛,砒素,アンチモン,ビスマス,錫など重
金属酸化物を0.5wt% 以上含有しないガラス・セラ
ミックスグリーンシートまたは、ガラスペーストの材料
として使用する。
【0082】ガラス・セラミックスのグリーンシート
は、アルミナをセラミックスの主剤とし、シリカ,マグ
ネシア,酸化ホウ素,カルシアなどのガラス性焼結助剤
と混練することにより、低い温度で焼成を可能とし、9
00℃前後で焼成できるメリットがあるとともに、粉末
流動性や作業性に優れ、強度と耐熱性も有している。
【0083】ガラス・セラミックスの粉末とセラミック
スとしてアルミナを用い、バインダ(ブチルメタクリレ
ート),溶剤(トルエン),可塑剤(ジブチルフタレー
ト)を加え十分に混練した後、ドクタブレード法で所要
の厚さのグリーンシートに成形する。
【0084】グリーンシートは温度50−100℃,圧
力50−100kg・cmで加圧・圧着することにより
一体化もできる。
【0085】焼成は大気中で行い、温度プロファイルは
台形状とし、脱バインダ工程は400℃で30分、焼成工
程は900℃で20分を保持し、その前後の温度変化
は、上昇は5℃/分、降下は20℃/分とする。
【0086】板形の固体電解質体を用いたセンサの従来
より公知の技術としては、固体電解質体もグリーンシー
ト化して板状に成形し、拡散抑制層,ヒータとともに積
層し、同時に焼成することによって、生産性をよくして
いる。この場合、基準ガスを検出ガスと固体電解質体を
介して隣接するような構造は、割れや変形を招くので採
用できず、多少不安定となるが、基準ガスは検出ガス中
の酸素をポンピングして作らざるをえない。ヒータも拡
散抑制部材を有する濃淡電池に接着して直接伝導加熱す
ると、焼成時の収縮や加熱するヒータの熱衝撃による割
れやジルコニアとアルミナの熱膨張差による剥がれや変
形の原因となるため、センサの始動時間は多少長くなる
が、分離して近接配置して使うのが一般的となってい
る。
【0087】一方、袋管形の固体電解質体を用いた従来
技術の場合は、濃淡電池の検出電極の上に拡散抑制層を
形成する方法としては、セラミックスとしてマグネシア
スピネルの粉末を用い、プラズマ溶射により吹き付ける
のが通常である。また、ヒータは、発熱体に白金の厚膜
抵抗体を用い、アルミナのグリーンシートで細い円筒状
に成形し、焼成して、袋管の中に挿入して加熱するのが
一般的である。
【0088】つまり、予め焼成された袋管状のイットリ
アで部分安定化されたジルコニアの濃淡電池に、アルミ
ナ系のグリーンシートを巻き付けて、焼成することによ
り拡散抑制層を形成しようとすると、まず、アルミナ焼
成時の収縮で、アルミナに割れが入りPt無電解めっき
の着膜性をよくするために、電極が形成されるジルコニ
ア固体電解質体表面と電極からのリードが形成されるア
ルミナ絶縁層表面は、それぞれフッ化水素酸によるアル
ミナ,シリカなどのガラス成分の選択的エッチングによ
る除去とその結果得られる粗面化処理を行う。
【0089】図3は、ヒータ17の絶縁層11,12に
切り込まれた焼成収縮割れ防止用スリット31,32の
例(A),(B)を示す。
【0090】図4は、袋管形のジルコニア固体電解質体
の内外面とこの外面に積層されたリード絶縁層外面を粗
面化するためのふっ酸によるエッチング工程を示す。図
に示すように容器100に予め焼成したジルコニア固体
電解質体10を収納し、ここにふっ酸32を入れ、リー
ド絶縁層9の外面を粗面化する。尚、図4は後述する図
5の実施例に対応する。
【0091】図5は、他の実施例を示すが、基本的には
図1と同じである。図において、袋管形のジルコニア固
体電解質体10に検出電極15、他の拡散層21および
リード絶縁層9を積層し、検出電極15の上に拡散抑制
層18が、そしてリード絶縁層9の上に検出電極リード
部7が積層され、その上に拡散抑制層18を有する酸素
濃淡電池とヒータ17との界面に充填され、熱伝導をよ
くする接着層23が積層され、下側のヒータ絶縁層1
2,ヒータ17,上側のヒータ絶縁層11が積層され、
その上にヒータ17の保護層22が積層される。拡散抑
制層18,拡散層21、リード絶縁層9,ヒータ絶縁層
11,12は前述した実施例と同様にグリーンシートを
焼成して作られる。
【0092】次に封止部について説明する。
【0093】図1において、封止部は、封止フランジ
2,Pt線からなるロッド4および封止ガラス3からな
る。
【0094】検出電極端子1Aは、点溶接6によって中
間部材24が取り付けられ、検出電極リード部7はろう
付け5によって中間部材24に接続される。これらの構
成はロッド4の袋部に収納される。同様にして基準電極
14は基準電極端子1Bに、ヒータ17はヒータ端子1
C,1Dに接続される。基準電極端子1B,ヒータ端子
1C,1D、検出電極端子1A、封止フランジ2はN
i,Cr/16,Fe/7から構成される。封止ガラス
はAl,B,SiOから構成される。
封止ガラス3は封止フランジ2とロッド4との間に配設
され、焼成により固められ、封止を行う。
【0095】図6は、燃焼ガス成分センサの組立図であ
る。図7はそのA−A断面を示し、図8はB−B断面を
示す。これらの図においてリード線31は、それぞれリ
ード圧着加締めスリーブ37を介して検出電極端子1
A,基準電極端子1B,ヒータ端子1C,1Dに接続さ
れる。大気導入管35は同様にして大気導入用ダクト3
9(図1)に接続される。リード線31は、防水チュー
ブ32に収納され、リード線支持体34によって支持さ
れる。防水チューブ32はリード部防止加締部36を介
してリード部保護カバー33に一体化される。リード部
保護カバー33は、リード部保護カバー溶接部38を介
して素子部組固定リング39に一体化される。この素子
部組固定リング39は検体40に取り付けられる。
【0096】センサ端子部は排気流通カバー42によっ
てカバーされる。この排気流通カバー42には排気流通
口41および排気流出口43が設けられる。
【0097】図6のセンサ組立図は、濃淡電池に拡散抑
制層とヒータを積層し、リード線を出してガラス封止フ
ランジに組み込んだ図1のセンシング素子を栓体40に
組み込み、コネクタ(図示省略)を付けたセンサとして
の最終組立を行うことを示す図である。
【0098】このセンサは、エンジン制御装置に接続し
て、そこに内蔵されているセンサとヒータの駆動回路に
よって、排気中の酸素と未燃成分を極性の異なる酸素イ
オン電流に変換されるとともに、その信号の自己校正,
リニアライズなどを必要に応じて行うことができる機能
を有する。
【0099】ヒータの2端子と電極の2端子は、いずれ
も耐熱材からなる引き出しリード1A,1B,1C,1
Dに、白金線を加工したロッド4を白金ろう付け5と点
溶接6により電気的に接続され引き出される。4本の端
子とセンシング素子は、耐熱材からなる封止フランジ2
内に熱膨張係数が近似した封止ガラス3を充填すること
によりハーメチック封止される。この構成により、4本
の端子の電気的導通とセンシング素子と栓体間の気密封
止が、高温環境下において長期間耐えることができる。
【0100】ヒータと濃淡電池の引き出しリードとその
端子部を、鉄・ニッケル・クロムなどからなる耐熱金属
のフランジ付き胴体内に収納し、この材料と熱膨張係数
を近似させたガラス・セラミックスで封止する技術的手
段に関するものである。
【0101】これにより、高温雰囲気下において端子部
の気密封着と耐熱性が得られるとともに、熱処理条件
は、仮焼成温度が650−800℃の空気雰囲気,本焼
成温度が850−950℃の窒素雰囲気であり、いずれ
も温度保持時間が15分前後で、比較的低温で端子材を
傷めない温度範囲での処理が可能である。
【0102】大気導入管35からセンシング素子の基準
電極側に基準酸素を供給する。フッ素ゴムやシリコンゴ
ムからなるリード線支持体34は、4本のリード線を通
し、加締部36で防水性を確保する。この防水性は、チ
ューブ32でコネクタ部手前まで保持される。栓体とセ
ンシング素子のフランジ部は素子部組固定リング39を
圧入して排気を封止する。センシング素子には、排気の
導入と排出を兼ねた複数の出入口41と排気流速が高く
負圧になる部分に設けた排出口43で検出ガスの入れ替
えを行う。
【0103】大気側の気密封止は、耐熱フランジのハー
メチックシールからなる構造としている。
【0104】図9に固体電解質体の熱膨張特性を示し、
これに適合すべき積層セラミックスについて述べる。イ
ットリアで部分安定化されたジルコニア固体電解質の焼
結体は、温度上昇過程では900−1050℃におい
て、温度降下過程では400−600℃において、それ
ぞれ結晶組織が変化し、再び戻るために、熱膨張曲線が
この間は平坦となりヒステリシス現象を示す。
【0105】これに対し、リード絶縁層としてガラス配
合比率の高いアルミナはヒステリシスがない。そこで、
予め焼成した袋管状ジルコニア固体電解質体にアルミナ
のリード絶縁層をグリーンシートで巻き付けて焼成する
とき、焼成温度は前記ヒステリシス域に入らないように
900℃以下とすることが必要である。ヒステリシス領
域に入ると、温度の上昇または降下過程において膨張差
による応力でシード絶縁層に過負荷が加わり割れる可能
性があるからである。
【0106】電気絶縁層と耐熱サイクル性を有するセラ
ミックスの焼成温度を、ジルコニア固体電解質体のヒス
テリシス温度900℃以下とするために、ガラス・セラ
ミックスを使うことが必要であることと、セラミックス
としては、Alを主剤とし、焼結助剤としてのガ
ラスの配合比を高めに10−50vol% に設定するとと
もに、配合するガラスの主な材料をSiO,Mg
O,B,BaOの中から選ぶことにより、白金電
極の触媒反応を安定に維持するようにする。
【0107】例えば、900℃で焼成する場合、ジルコ
ニア固体電解質体は、膨張係数7.5・10−12/℃の
直線上を往復するのに対し、ガラス配合比を高めた低温
焼成アルミナは、6.1・10−12/℃となり、この
膨張差では割れないことと、その後繰り返し850℃ま
で内蔵ヒータで加熱してセンサを作動させてもリード絶
縁層と固体電解質体は割れないことが確認されている。
【0108】次の燃焼ガス成分センサの製造工程につい
て説明する。
【0109】図10において、固体電解質粉,安定化
剤,焼結助剤からなる材料を混合粉砕S1する。次に袋
管の加圧成形S2を行い、次いで部分安定化焼成を行っ
てジルコニア固体電解質体を形成する。
【0110】固体電解質体は、イットリアで部分安定化
されたジルコニアの結晶で薄肉の袋管状に加圧成形す
る。このとき検出部を研削せずに所要の厚さになるよう
に焼成収縮を見込んで成形する。結晶組織を部分安定化
状態に焼成することにより、作動温度範囲内での温度サ
イクルと熱衝撃によって部分破壊しないようにしてい
る。その分、結晶粒界に集まった不純物により濃淡電池
の電極間抵抗が増えるが、この値がセンサを駆動させる
ことができるバッテリ電圧以内に収めるように抵抗と結
晶粒サイズのバランスをとる。
【0111】白金無電解めっき剤によって無電解めっき
S4を行い、白金電極を形成する。ピーズスペーサ,グ
リーンシート,接着剤を使用して巻付け積層S5を行
い、多孔質部材からなる拡散層、および拡散抑制層が形
成できるようにする。
【0112】袋管形ジルコニア固体電解質体10の内外
面には白金電極からなる検出電極14,基準電極15と
そのリード検出電極リード部7,基準電極リード部8を
無電解めっきにより薄膜状に形成し、高温環境下でメタ
ライズと多孔質化処理を行う。検出電極リード部には、
触媒反応力をなくすためにリード絶縁層9を被覆する。
この層9は7と固体電解質体10との間に配置しても同
じ効果が得られる。
【0113】検出電極上と検出ガスの導入路には、それ
ぞれ拡散層16と拡散を抑制する拡散抑制層18を形成
する。
【0114】白金線をジグザグ成形加工S6によってヒ
ータを形成し、この上下にグリーンシートを巻付け積層
S7を行う。
【0115】このようにして燃焼ガス成分センサ積層体
を構成し、セラミックス焼成S8を行う。ジルコニア固
体電解質体は予め焼成し焼き固めてあるためにこの焼成
S8によってもジルコニア固体電解質には反りが生じな
いため、形状の安定したセラミックス焼成S8を行うこ
とができる。
【0116】検出電極端子,基準電極端子,ヒータ端子
と白金からなるロッドとその間を白金ろうによって端子
溶接S9を行う。10V,3Aでヒータ点灯点検S10
を行い、NGでなければ大気電流計測S11を20±1
0mAで行い、NGでなければ温度制御点検S12を5
秒間,14V,20Ωで行う。これがNGでなければ封
止フランジに封止ガラスを入れ、フランジ溶着S13を
行い、燃焼ガス成分センサを構成する。その後、Rich,
Stoich,Leanの3点特性計測を行う。
【0117】以上のように、袋管状ジルコニアの生産工
程に関し、粉末をスラリ化して、インジェクション成形
するか、または押出し成形した管の端末をさらに閉じた
半球状に成形し、焼成する。
【0118】これにより、従来袋管状の成形工程として
採用されてきたラバープレス後の外形研削,インジェク
ション加圧成形をなくすことができる。
【0119】絶縁被覆されたヒータの表面をさらに断熱
被覆する層として、アルミナを主剤とし、シリカなどの
ガラス成分を5−25wt%配合したガラス・セラミッ
クスのグリーンシートを積層し、焼成する。
【0120】これにより、ヒータの外側の絶縁層表面に
できた切り込みによる凹部に、検出ガス中の未燃焼粒子
などが固着し検出特性に影響を与えることに対する保護
対策が可能となり、さらに、熱的・機械的な保護効果が
ある。
【0121】濃淡電池の無電解めっきによる白金電極の
リード引き出し部と、耐熱合金リードに予め電気溶接さ
れた白金片とを、互いに当接して、この白金材料同志を
白金ろうをバーナで溶融して互いに電気的に接続する。
【0122】これにより、高温環境に強く、所要の機械
的強度も得られるリード引き出し構造が実現する。
【0123】袋管状ジルコニア固体電解質体の円筒状端
面に引き出された白金薄膜の端子面を、ばね性を有する
フォーク状端子で圧接挟持するように形成した耐熱合金
リードで仮固定する。
【0124】このリードの仮固定により電気信号を接続
する技術により、作業性が向上するとともに、所要の接
続信頼性が実現できる。
【0125】標準的な酸素濃度を有する大気にセンサを
曝したとき、自律的に大気に曝されたことを認識し、濃
淡電池に流れる酸素イオン電流Ipの所定の値からのば
らつき誤差と劣化などによる経時誤差を、予め保存され
た初期値と比較して補正する係数を、その都度EEPROMな
どの電子デバイスに書き替えて保存しながらガス成分の
関数を校正する。
【0126】これにより、予め設定した出力関数が、大
気中の酸素濃度と酸素イオン電流ゼロの2点を通過する
という原則に従うとすると、終生、所要の精度を維持で
きる。
【0127】袋管状固体電解質体に重ねて巻き付けるよ
うに積層したグリーンシートは、同じ層の突き合わせ部
を重ねず、間隙を設けて積層するとともに、その界面と
突き合わせ間隙に、グリーンシートに使わけている可塑
剤またはシート化する前のグリーンシートと同じ材料の
スラリーまたはペーストを、塗布して積層し、焼成す
る。
【0128】これにより、グリーンシートと同じ材料の
接着剤を用いて、互いに封止すべきグリーンシート層間
を焼結するために、異種材料でとかく問題になる熱膨張
係数の差によるストレスにより破壊することなく気密を
維持できる特徴がある。
【0129】アルミナを主剤とし、シリカなどのガラス
成分を焼結助剤として配合し、その熱膨張係数をジルコ
ニア固体電解質体と近似するように材料を選択したガラ
ス・セラミックスの拡散抑制層を、固体電解質体上に積
層し、検出ガスの拡散導入通路を残した周辺と必要に応
じて拡散抑制層の反対側の表面を、非晶質ガラスで塗布
し、固体電解質体に焼き付けて封止接着するとともに、
必要に応じて前記拡散抑制層のガラス・セラミックスを
も非晶質とするものである。
【0130】これにより、非晶質ガラスの接着剤とセラ
ミックス層を用いて、互いに封止すべき層間の熱膨張係
数の差を破壊することなく吸収し気密を維持できる。
【0131】非晶質のガラス材料として、少なくとも、
NaO,B,SiO,BaO,CaO,Al
の中から1種以上の材料を組み合わせた、粉末ガ
ラスまたはグリーンシートを用いる。実用可能な具体例
を挙げると、粉末ガラスはSiO,BaO,Ca
O、グリーンシートは、Alを主剤として、Si
,CaO,BaOの合計が45%の組み合わせが
挙げられる。
【0132】これにより、イットリアで部分安定化した
ジルコニアを固体電解質体として用いた場合、それとの
接着が可能な非晶質ガラスのグリーンシートまたは接着
剤に要求される仕様、すなわち、熱膨張係数75×10
−7/℃,焼成温度900℃,軟化温度700℃をほぼ
満足できる。
【0133】次に積層板形燃焼ガス成分センサに本件発
明を適用した実施例を図11から図16を使用して使用
する。基本的には前述した実施例と同じであるので、説
明を簡略化する。
【0134】図11から図13は、基準ガスとして大気
を検出部まで導入した場合の実施例を示す。
【0135】図に示すように、酸素イオン伝導性の固体
電解質体110と、検出ガスに晒される側の表面に配置
された検出電極115と、大気に晒される側の表面に配
置された基準電極114と、検出電極115のリード部
107と、基準電極リード部108と、検出電極115
上に設けられたガスの拡散層116と、固体電解質体1
10の周囲に設けたヒータ117と、そのヒータのヒー
タリード部113と、リード絶縁層109と、拡散層1
16上に設けた拡散抑制層18と他の拡散層121とか
ら燃焼ガス成分センサは構成される。
【0136】これらの層は、板状に積層される。これら
の積層を形成されるために使用する。グリーンシートは
前述した実施例と同一に構成される。また、固体電解質
110も前述した実施例と同様に予め焼成されて焼き固め
られて形状の安定化が図られ、燃焼ガス成分センサ積層
体を燃焼した時に安定した性能を示す。
【0137】図14から図16に示す他の実施例による
基準ガス形成法は、検出ガス中の酸素をオーバフローさ
せながらポンピングして、これを保集しておく方式であ
る。すなわち、検出ガスの一部を電極204の小電極で
イオン化して電極206の対向電極へ流し、ここでガス
化して保集しておき、圧力が高すぎたらその分をオーバ
フローさせ、ほぼ一定のガス圧を保持する。排気成分の
検出は電極204の拡散抑制機能を有する大電極207
とこれに対向する大電極で検出する。
【0138】
【発明の効果】本発明の効果は、従来の積層板形と袋管
形の問題点を解消し、特徴を融合した新しい構想のセン
サを提案するもので、下記のように箇条書きすることが
できる。
【0139】1)拡散抑制などの機構部材,ヒータやリ
ードの電気絶縁部材を予め焼成したジルコニア固体電解
質体の採用を前提として、グリーンシート技術を採用し
ているので、生産効率が向上する。例えば、プラズマ溶
射による多孔質膜を検出電極上に形成して、その気孔率
による拡散抑制量の管理をグリーンシート積層による拡
散開口部の面積管理にすることにより工程数・作業時間
・設備投資額・材料歩留をいずれも低減する効果が得ら
れる。
【0140】2)ヒータは濃淡電池を輻射ではなく伝導
で加熱できるようになり、加熱効率が上がり、始動時間
を排気規制に対応できるレベルまで早くするとともに、
過渡期には、オーバシュートで過熱せずに所定の温度に
到達させることができる。
【0141】3)白金ヒータの発熱体を従来の厚膜抵抗
体の印刷・焼成工法から、線の成形・箔化・ガラス・セ
ラミックスのグリーンシート積層・低温焼成により加工
性と耐久性を向上させることができる。これらにより、
従来、一長一短を有していた積層板形と袋管形の長所を
集め、性能と生産効率を両立できる排気成分センサを提
供できるようになる。
【0142】また、本発明によれば、大気と排気とを構
造簡単にして確実に分離することのできる封止構造を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示す断面図。
【図2】図1の構成の図式的展開図。
【図3】焼成収縮割れ防止用スリットの例を示す平面
図。
【図4】ジルコニア固体電解質体の外面,リード絶縁層
外面を粗面化するためのふっ酸によるエッチング工程
図。
【図5】他の実施例の全体構成を示す断面図。
【図6】組立構造図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】図6のB−B断面図。
【図9】ジルコニア固体電解質体のヒステリシスを有す
る熱膨張曲線の実測値と代表値との関係図。
【図10】製造フローチャート図。
【図11】他の実施例の全体構成を示す図。
【図12】図11のA−A断面図。
【図13】図11のB−B断面図。
【図14】他の実施例の全体構成を示す図。
【図15】図14のC−C断面図。
【図16】図14のD−D断面図。
【符号の説明】
1A…検出電極端子、1B…基準電極端子、1C,1D
…ヒータ端子、2…封止フランジ、3…封止ガラス、4
…ロッド、5…ろう付け、6…点溶接、7…検出電極リ
ード部、8…基準電極リード部、9…リード絶縁層、1
0…ジルコニア固体電解質体、11,12…ヒータ絶縁
層、13…ヒータリード部、14…基準電極、15…検
出電極、16…拡散層、17…ヒータ、18…拡散抑制
層、19…基準ガス、20…検出ガス、21…他の拡散
層、22…保護層、23…接着層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 四郎 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 佐藤 雅之 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 松本 健宏 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 小才 高士 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 2G004 BB01 BJ02 BM01 BM07

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有するジ
    ルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサにおい
    て、 予め焼成されて焼き固められたジルコニア固体電解質体
    と、 該予め焼成されたジルコニア固体電解質体に配設される
    検出電極と、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記検出電極
    に積層され、焼成されて前記検出電極を被覆し、および
    セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記ヒータに
    積層され、焼成されて、前記ヒータを被覆し、該ヒータ
    を電気絶縁する絶縁層とからなることを特徴とする燃焼
    ガス成分センサ。
  2. 【請求項2】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有するジ
    ルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサにおい
    て、 予め焼成されて焼き固められたジルコニア固体電解質体
    と、 該予め焼成されたジルコニア固体電解質体の表面に配設
    される検出電極と、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記検出電極
    に積層され、焼成されて前記検出電極を被覆し、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記ヒータに
    積層され、焼成されて前記ヒータの上下面を被覆し、該
    ヒータを電気絶縁する絶縁層と、およびセラミックスを
    主剤とし、ガスラ成分を焼結助剤とするガラス・セラミ
    ックスのグリーンシートが前記検出電極のリード部に積
    層され、焼成されて該リード部を被覆し、ジルコニア固
    体電解質体から電気絶縁する絶縁層とからなることを特
    徴とする燃焼ガス成分センサ。
  3. 【請求項3】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有する袋
    管状ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサ
    において、 予め焼成されて焼き固められたジルコニア固体電解質体
    と、 該予め焼成されたジルコニア固体電解質体の表面に配設
    される検出電極と、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記検出電極
    に円心円状に積層され、焼成されて前記検出電極を焼き
    締め被覆し、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記ヒータに
    円心円状に積層され、焼成されて前記ヒータを焼き締め
    被覆し、該ヒータを電気絶縁する絶縁層とを含んで構成
    したことを特徴とする燃焼ガス成分センサ。
  4. 【請求項4】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有する板
    状積層ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分セン
    サにおいて、 予め焼成されて焼き固められたジルコニア固体電解質体
    と、 該予め焼成されたジルコニア固体電解質体の表面に配設
    される検出電極と、 セラミックスを主剤とし、アルミナ,シリカなどのガラ
    ス成分を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリー
    ンシートが前記検出電極に板状に積層され、焼成されて
    前記検出電極を一体被覆して形成した検出ガスの検出電
    極への拡散を抑制する前記拡散抑制部と、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが前記ヒータに
    板状に積層され、焼成されて前記ヒータを一体被覆し、
    該ヒータを電気絶縁する絶縁層とを含んで構成すること
    を特徴とする燃焼ガス成分センサ。
  5. 【請求項5】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有するジ
    ルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサにおい
    て、 予め焼成されて焼き固められたジルコニア固体電解質体
    と、 該予め焼成されたジルコニア固体電解質体に配設される
    検出電極と、 該検出電極上に、セラミックスを主剤とし、ガラス成分
    を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリーンシー
    トが焼成されて形成され、かつその一部が前記予め焼成
    されたジルコニア固体電解質体上に積層一体化された前
    記拡散抑制部と、 前記ジルコニア固体電解質体周囲に設けられたヒータ
    と、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが焼成されて前
    記拡散抑制部の側面を除く表面と前記ヒータとを被覆絶
    縁して形成されたガス遮蔽部とから構成され、 燃焼ガスが前記拡散抑制部の側面から該拡散抑制部に流
    入し、該拡散抑制部の内部を通過して検出電極に到達す
    ることを特徴とする燃焼ガス成分センサ。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記ガス遮蔽部は、セラミックスを主剤とし、ガラス成
    分を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリーンシ
    ートが焼成されて前記検出電極のリード部を被覆絶縁す
    るリード絶縁層を有することを特徴とする燃焼ガス成分
    センサ。
  7. 【請求項7】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有するジ
    ルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサの製造
    方法において、 ジルコニア固体電解質体を予め燃成して焼き固めるステ
    ップと、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートを予め燃成され
    たジルコニア固体電解質体に配設される検出電極に積層
    して、そして前記ヒータに積層配設することによって燃
    焼ガス成分センサ積層体を構成するステップと、および
    該燃焼ガス成分センサ積層体を焼成して、前記クリーン
    シートによって検出電極およびヒータを被覆するステッ
    プとを含んで構成したことを特徴とする燃焼ガス成分セ
    ンサの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記検出電極のリード部にセラミックスを主剤とし、ガ
    ラス成分を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリ
    ーンシートを積層して前記燃焼ガス成分センサ積層体を
    構成し、 該燃焼ガラス成分センサ積層体を焼成して前記クリーン
    シートによって前記リード部を被覆することを特徴とす
    る燃焼ガス成分センサの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8において、 当該グリーンシートを構成する焼結助剤は20−60w
    t%配合したことを特徴とする燃焼ガス成分センサの製
    造方法。
  10. 【請求項10】請求項7から9のいずれかにおいて、 グリーンシートは、ジルコニア固体電解質体の熱膨張曲
    線の高温側ヒステリシスの開始温度(950℃)以下で
    燃成することを特徴とする燃焼ガス成分センサの製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項7から10のいずれかにおいて、 グリーンシートには、グリーンシート面に縦横にほぼ等
    間隔に切り込み、または薄肉溝を入れて焼成したことを
    特徴とする燃焼ガス成分センサの製造方法。
  12. 【請求項12】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有する
    袋管状ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分セン
    サの製造方法において、 ジルコニア固体電解質体を予め焼成して焼き固め、 セラミックスを主剤とし、アルミナ,シリカなどのガラ
    ス成分を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリー
    ンシートをジルコニア固体電解質体に巻き付けて焼成し
    てジルコニア固体電解質体に配設された検出電極を焼き
    締め被覆し、以って前記拡散抑制部を形成し、 セラミックスを主剤とし、アルミナ,シリカなどのガラ
    ス成分を焼結助剤とするガラス・セラミックスのグリー
    ンシートを前記ヒータの表面に巻き付けて焼成して前記
    ヒータを焼き締め被覆し、以って該ヒータを電気絶縁し
    たことを特徴とする燃焼ガス成分センサの製造方法。
  13. 【請求項13】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有する
    ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサの使
    用方法において、 セラミックスを主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とする
    ガラス・セラミックスのグリーンシートが焼成されて検
    出電極およびヒータを被覆してジルコニア固体電解質体
    に配設された燃焼ガス成分センサについて、ヒータを前
    記焼成温度(950℃)以下で発熱させ、発熱を直接熱伝導
    によってセンサ全体に伝熱させながら使用することを特
    徴とする燃焼ガス成分センサの使用方法。
  14. 【請求項14】ヒータと検出ガスの拡散抑制部を有する
    ジルコニア濃淡電池とからなる燃焼ガス成分センサにお
    いて、 予め焼成されたジルコニア固体電解質体と、 該ジルコニア固体電解質体に配設される検出電極と、 該ジルコニア固体電解質体周囲に配設される前記ヒータ
    と、 該ジルコニア固体電解質体の一部と、検出電極のリード
    部と、 該リード部に接続される検出電極端子部とを収納する耐
    熱金属製のフランジ付きの胴体と、およびセラミックス
    を主剤とし、ガラス成分を焼結助剤とするガラス・セラ
    ミックス材が前記胴体内で焼成,収納された封止部とを
    含んで構成されたことを特徴とする燃焼ガス成分セン
    サ。
  15. 【請求項15】請求項14において、 前記ガラス成分は、20−60wt%配合されたことを
    特徴とする燃焼ガス成分センサ。
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Cited By (4)

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JP2006170716A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Toyota Motor Corp ガスセンサの出力制御方法および出力制御システム
JPWO2015056673A1 (ja) * 2013-10-15 2017-03-09 日本電気硝子株式会社 排気ガスセンサー及び排気ガスセンサーの製造方法
CN115616062A (zh) * 2022-08-24 2023-01-17 有研科技集团有限公司 一种氮氧传感器扩散障的制备方法

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