JP4665348B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,内燃機関の排気系に設置して燃焼制御等に利用されるガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
センサ素子を絶縁碍子に挿通した後,該絶縁碍子をハウジングに挿入固定し,ハウジングの先端側に被測定ガス側カバーを,基端側に大気側カバーを設け,絶縁碍子とハウジングとの間,センサ素子と絶縁碍子との間が気密封止された構成を持つガスセンサが知られている。
この気密封止により,ガスセンサ内部を大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気とに分離することができる。
【0003】
ところでセンサ素子は被測定ガスに接する被測定ガス側電極と基準ガスとなる大気と接する基準電極とを有し,両者間に生じるイオン電流や電位差を基に被測定ガス中のガス濃度を測定するよう構成されている。そのため,大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気との分離が不充分であると,正確なガス濃度の測定が難しくなる。
【0004】
そこで,ガラス粉末材料を充填し,これを溶融,冷却,固化させることにより緻密なガラス封止材を形成し,該封止材によって,センサ素子と絶縁碍子との間の気密性を保持することが行われていた。
【0005】
【解決しようとする課題】
ところで,センサ素子と絶縁碍子はそれぞれジルコニアやアルミナより構成されているが,これらのセラミック材料とガラス材料とでは熱膨張係数が異なり,特に自動車エンジン排気系のような高温から常温まで幅広く温度が変化するような環境に設置した場合,各々の部材が異なる割合で膨張−収縮してしまう。
この結果,ガラス封止材とセンサ素子,絶縁碍子との界面に漏洩経路が生じ,大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気との気密性が低下してしまう。
この結果,ガスセンサの測定精度が低下することがあった。
【0006】
このため,従来技術では,センサ素子と絶縁碍子との間に多段的にガラス封止材とタルク等の粉末を充填して,センサ素子と絶縁碍子との間の気密性封止を実現していた。
例えば,特開平3−167461号では,ガラス材料とセンサ素子保持具(絶縁碍子)との熱膨張差を規定して,高温時の気密低下を防止している。
【0007】
しかし,この従来技術ではガラスのみで膨張収縮を吸収しきれず,スペーサー層や第2のセラミック製絶縁体等の部品が多数必要であり,構造が非常に複雑となっている。このため製造困難であり,部品コスト,組み立てコストが高価となる問題があった。
更に,この従来技術ではセンサ素子表面の剥離やセンサ素子の折損を防止することが困難であった。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,絶縁碍子とセンサ素子との間をガラスで封止可能とし,両者間の高い気密性と絶縁碍子及びセンサ素子の損傷が生じ難く,高温から常温までの幅広い温度範囲で使用可能なガスセンサを提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 21.0±5wt%,
ZnO 34.6±5wt%,
SiO 2 12.6±5wt%,
Al 2 O 3 4.9±3wt%,
BaO 14.2±5wt%,
MgO 12.7±5wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,上記絶縁碍子は上記ハウジングによってかしめ固定された状態にはないこと,絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,上記従来技術に示したようにセンサ素子と絶縁碍子との間の気密封止に当って,タルク等の粉末とガラス封止材とを多段的に充填する構造は採用していないこと,該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃以内とすること及び上記ガラス封止材の組成を特定の範囲としていることである。なお,本明細書における熱膨張係数は線膨張係数である。
【0011】
ここにガラス封止材を熱膨張係数K1,センサ素子,絶縁碍子の熱膨張係数をK2とする。
K1とK2との差が−3×10-6より大きい場合,つまりK1がK2よりも3×10-6より小さい場合,ガラス封止材の溶融,冷却固化に伴う絶縁碍子がガラス封止材より受ける残留応力が大きくなる。つまり,ガラス封止材が絶縁碍子を強く押圧して,絶縁碍子の内径を広げようとする力を与えることになる。
絶縁碍子は通常脆いセラミックより構成されているため,例えばガラス封止材による封止固定直後に絶縁碍子にクラックが生じたり,絶縁碍子をガスセンサへと組み上げる際に絶縁碍子が破損したりするおそれがある。
また,熱衝撃によって絶縁碍子にクラックが生じ易くなるため,例えば自動車エンジンの排気系のように,常温〜高温まで温度が幅広く変化するような使用環境では使用困難となるおそれがある。
【0012】
さらに,ガラス封止材からセンサ素子が受ける残留応力も大きくなるおそれもあり,この場合,センサ素子に内蔵された各種の配線構造を断線させるおそれがある。
【0013】
反対に,K1がK2よりも3×10-6より大きい場合,収縮量の違いによりガラス封止材の溶融,冷却固化に伴い,絶縁碍子とガラス封止材との間に剥離が発生し,封止固定の気密性が低下したり,気密性の維持が困難となるおそれがある。この場合,ガスセンサの被測定側雰囲気と大気側雰囲気との気密が保持困難となり,ガスセンサの測定精度が低下してしまうおそれがある。
【0014】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明にかかるガスセンサでは,上記のようにタルク等の粉末とガラス封止材とを多段的に充填するのではなく,ガラス封止材のみで絶縁碍子とセンサ素子との間を封止固定している。そのため,別部材,例えば粉体材料を用いたり,多段的に封止材料を充填する等の手間や管理項目の多い手法を利用する必要がなく,部品コストや組み立てコストを安価とすることができる。
【0015】
また,センサ素子及び絶縁碍子とガラス封止材の熱膨張係数との差が上述した範囲内にある。
このため,脆いセラミックよりなる絶縁碍子にガラス封止材による封止固定直後のクラック発生を防止でき,また,絶縁碍子をガスセンサへと組み上げる際に加わる力等による絶縁碍子破損を防止することができる。
【0016】
更に,熱衝撃にも強くなるため,例えば自動車エンジンの排気系のように,常温〜高温まで温度が幅広く変化するような使用環境に好適な優れた耐久性を得ることができる。
また,センサ素子に無理な力が加わることもなく,内蔵された各種の配線構造の断線等も防止できる。
更に,絶縁碍子とガラス封止材との間の剥離も生じ難く,封止固定の際の気密性を維持することができる。
【0017】
以上,本発明によれば,絶縁碍子とセンサ素子との間をガラスで封止可能とし,両者間の高い気密性と絶縁碍子及びセンサ素子の損傷が生じ難く,高温から常温までの幅広い温度範囲で使用可能なガスセンサを提供することができる。
【0018】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,絶縁碍子は通常アルミナより構成されており,センサ素子は酸素イオン導電性のジルコニアより構成されたり,またはジルコニアやアルミナを適宜積層した構成とされることが一般的である。
【0019】
また,本発明は,後述する図1に示すごとく,積層板状のセンサ素子を組付けたものの他,有底円筒状のコップ型固体電解質体よりなるセンサ素子を組付けたものに対し適用できる。
また,本発明にかかる構成は車両用内燃機関搭載用の酸素センサ,空燃比センサの他,特に積層型の場合はNOxセンサ,COセンサ等に適用することができる。
【0020】
そして,請求項1の発明において,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B2O3 21.0±5wt%,
ZnO 34.6±5wt%,
SiO2 12.6±5wt%,
Al2O3 4.9±3wt%,
BaO 14.2±5wt%,
MgO 12.7±5wt%である。
【0021】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
更に請求項1にかかる組成の範囲であれば,アルミナ製の絶縁碍子,センサ素子と本請求項にかかるガラス封止材との濡れ性及び流動性が非常に良好となるため,狭い部分にもガラス封止材を充填することができ,一層,優れた気密封止効果を得ることができる。
【0022】
上記酸化物換算による組成とは,ガラス封止材を形成するガラス粉末等の材料を公知の方法により金属元素と典型元素とに分離し,これらを例えば白金坩堝等を使用して1500℃に強熱させることにより酸化させた場合に,請求項に記載したwt%の成分が生成されることを意味している。
【0023】
また,上記範囲内で,B2O3,SiO2の組成を保持することにより,ガラス封止材の線膨張係数とアルミナ製絶縁碍子の線膨張係数との差を±3.0×10-6/℃以内とすることができる。
【0024】
また,ZnOが上記範囲未満である場合は,ガラス封止材の結晶化が阻害され,非晶質ガラスの特性が出やすくなるおそれがある。
この場合,ガスセンサの使用環境温度を下げる必要が生じ,高温環境下でガスセンサを用いることが困難となるおそれがある。
一方,ZnOが上記範囲より多い場合は,ガラス封止材の結晶化が促進され,ガラス封止材内での非晶質ガラスの成分量が低下する。このため,センサ素子及びアルミナ製絶縁碍子とのガラス封止材との密着性が低下するため,気密性が低下するおそれがある。
【0025】
また,上記範囲内で,BaO,MgOの組成を保持することにより,線膨張係数が大きく異なる数種類析出する結晶系のうち,所望の結晶系の組成をバランスさせることができ,線膨張係数を更にアルミナ製絶縁碍子に近づけることができる。
【0026】
また,Al2O3が上記範囲未満である場合は,ガラス封止材の結晶化開始温度がガラス軟化点,ガラス転移点に近いため,軟化後,まもなく結晶化してしまう。このため,一旦軟化したガラスが結晶化が直ちに進むことにより粘度が上昇し,所望の形状にガラス封止材を流し込む前に硬化が始まるおそれがある。
従って,センサ素子とアルミナ製絶縁碍子とのガラス封止材との密着性が低下し,両者間の気密性が低下するおそれがある。
【0027】
また,Al2O3が上記範囲より多い場合は,ガラス封止材の結晶化が阻害されるため,非晶質ガラスの特性が出やすくなり, この場合,ガスセンサの使用環境温度を下げる必要が生じ,高温環境下でガスセンサを用いることが困難となるおそれがある。
【0028】
次に,請求項2に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 21.0±5wt%,
ZnO 32.0±5wt%,
SiO 2 19.0±5wt%,
BaO 12.0±5wt%,
MgO 17.0±5wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0029】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
【0030】
次に,請求項3に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 26.0±3wt%,
ZnO 45.0±5wt%,
SiO 2 14.0±3wt%,
BaO 7.5±3wt%,
MgO 7.5±3wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0031】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
【0032】
次に,請求項4に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 24.0±5wt%,
ZnO 57.5±8wt%,
SiO 2 11.0±5wt%,
BaO 7.5±5wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0033】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
【0034】
次に,請求項5に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 22.6±5wt%,
ZnO 34.5±8wt%,
SiO 2 12.8±5wt%,
BaO 11.5±5wt%,
MgO 18.5±5wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0035】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
【0036】
次に,請求項6に記載の発明は,筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 19.0±5wt%,
ZnO 30.4±8wt%,
SiO 2 16.0±5wt%,
Al 2 O 3 5.0±3wt%,
BaO 20.0±5wt%,
CaO 9.6±5wt%であることを特徴とするガスセンサにある。
【0037】
これにより,ガラス封止材とアルミナ製の絶縁碍子との熱膨張係数の差は±3.0×10-6/℃以内となり,高温環境下における気密封止性能と熱衝撃に対する耐性とを両立させることができる。
【0038】
ガラス封止材にはセンサ素子や絶縁碍子との間に高い密着性を発現することが要求される。
そのため,ガラスの流動性がフローテストで15mm以上であるガラス材料より封止材を構成することが好ましい。
このフローテストはアルミナ板にガラス材料3gをペレット状に固めたものを封止条件にて溶解させた時のガラスの流れを示している。
上記条件を満たさないガラス材料では,封止固定しても絶縁碍子,センサ素子に対し密着しなかったり,ガラス封止材−絶縁碍子間に構造的なクラックを形成するおそれがある。この場合,著しく気密性が低下し,ガスセンサが機能しないおそれがある。
【0039】
特に,通常の結晶化ガラスのように封止後,固化させても再加熱により軟化して形状を保つことができなくなる屈服点を持たない結晶化ガラスを使用する場合,軟化温度と結晶化開始温度との温度差が流動性に影響する。
結晶化ガラスは軟化点近傍により流動性を呈しはじめれば,結晶化の開始と共に流動性が大きく低下するため,ガラスを絶縁碍子−センサ素子間の隅々まで行き渡らせて,確実に両者間を密着,封止するためには,軟化温度と結晶化温度との差が大きい結晶化ガラス材料を用いることが好ましい。
【0040】
例えば,実施形態例に記載したような構成のガスセンサを自動車エンジン排気系に取付けて使用した際には,ガラス封止材は500〜600℃の耐熱性を持つことが要求される。また,一般に酸化ジルコニウム主体のセンサ素子の耐熱性は1000℃程度である。
このことから,上記要件のもとで使用されるガラス封止材は800〜1000℃で封止固定が可能である必要がある。
このようなガラス材料の結晶化開始温度は700℃以上であるため,上述したごとき流動性確保のためにはガラスの軟化点は結晶化開始温度と100℃以上の温度差があることが好ましい。
【0041】
なお,上記ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±2×10-6/℃以内であることが好ましい。
これにより,高温環境下における気密封止と熱衝撃に対する耐性とを両立すると共に組付時の外力からの絶縁碍子への破損を防止することができる。
【0042】
ここにガラス封止材を熱膨張係数K1,センサ素子,絶縁碍子の熱膨張係数をK2とする。K1とK2との差が−2×10-6より大きい場合,つまりK1がK2よりも2×10-6小さい場合,封止後,絶縁碍子がガラスよりも大幅に収縮するために絶縁碍子を広げる引張応力が絶縁碍子に働き,絶縁碍子を広げる力が常に加わることになる。このため,組付時の外力から絶縁碍子が破損する。
反対に,K1がK2よりも2×10-6大きい場合,封止後にガラスが絶縁碍子より大きく収縮するため,ガラスと絶縁碍子との界面の密着性が低下し,気密性が低下するおそれがある。
【0043】
また,ガラス封止材の熱膨張係数と絶縁碍子及びセンサ素子における熱膨張係数との差は±1×10-6/℃以内であることが更に好ましい。
これにより,急速冷却によるクラック発生を防止することができる(後述する表1参照)。
【0044】
次に,上記絶縁碍子と上記センサ素子との間は実質的にガラス封止材のみで封止されている。
上記「実質的にガラス封止材のみで封止されている」という記載は,絶縁碍子とセンサ素子とのシール性をガラス封止材のみで実用上問題なく保持していることを示している。
ガスセンサをこのような構成とすることで,簡単な構成を有するガスセンサを提供することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本発明の実施形態例にかかるガスセンサにつき,図1,図2を用いて説明する。
本例は,図1に示すごとく,筒状の絶縁碍子21と該絶縁碍子21内に封止固定されたセンサ素子15と,上記絶縁碍子21が挿入配置された筒状のハウジング10とよりなる。
上記ハウジング10の基端側には内部に大気側雰囲気142が形成された大気側カバー12が設けてあり,上記ハウジング10の先端側には内部に被測定ガス側雰囲気141が形成される被測定ガス側カバー13を設けてある。
上記絶縁碍子21の内側面210と上記センサ素子15の外側面150との間はガラス封止材25にて封止され,該ガラス封止材25の熱膨張係数と上記絶縁碍子21及び上記センサ素子15における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃以内である。
【0046】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は自動車内燃機関の排気系に取付けて,内燃機関の空燃比制御に利用されるものである。
図1に示すごとく,ガスセンサ1において,ハウジング10の先端側には外側カバー131,内側カバー132よりなる二重構造の被測定ガス側カバー13が設けてある。両カバー131,132は被測定ガスが導入される被測定ガス導入穴130が設けてあり,ここから被測定ガスが導入されて,内側カバー132の内部に被測定ガス側雰囲気141が形成される。
【0047】
また,ハウジング10の基端側には大気側カバー12が設けてある。大気側カバー12の基端側の外周面には撥水フィルタ122を介して外側カバー121が設けてある。また,大気側カバー12,外側カバー121は共に撥水フィルタ122と対面する位置に大気導入穴120が設けてある。
また,大気側カバー12は基端側がより小径に,先端側がより大径に構成され,径の切り替わり部分に段部129が形成されている。
そして,ガスセンサ1の大気側カバー12内には上記大気導入穴120と連通し,大気が導入されて大気側雰囲気142が形成される。
【0048】
図1に示すごとく,上記ハウジング10は略筒状で,内側面には径方向内側に向かう二ヶ所の突出部101,102が設けてある。
基端側の突出部101における受け面103は絶縁碍子21の外側面に設けられたテーパー部211を支承するよう構成されている。
なお,上記絶縁碍子21は純度98%のアルミナセラミックより構成されており,熱膨張係数は室温〜550℃において7.8×10-6/℃である。
【0049】
上記受け面103においては,環状の金属パッキン11を介してテーパー部211が支承される。また,上記金属パッキン11は純度99%のニッケル材料より構成されている。
そして,上記金属パッキン11の配置された部分で,ガスセンサ1内の大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気が気密的に分離される。
【0050】
上記絶縁碍子21の基端側の端面には大気側絶縁碍子22が配置され,該大気側絶縁碍子22と大気側カバー12の段部129との間には皿バネ220が設けてある。
大気側絶縁碍子22の内部には4本のリード部16が配置され,センサ素子15と電気的導通が取れるように両者は接触している。
なお,センサ素子15は積層型の酸素濃度測定用のヒータ内蔵素子で,センサ出力取出し用の電極を2つ,内蔵されたヒータ通電用の電極を2つ,合計4つの外部導出用の電極端子を有する(図示略)。
そして,上記4本のリード部16はこれらの電極端子とそれぞれ導通するよう接触している。
【0051】
また,センサ素子15の内部は一対の電極とこれら電極から上記出力取出し用電極に延設された配線部が設けてある,また,内蔵されたヒータの発熱体と上記取出し用電極に延設された配線部が設けてある(図示略)。
また,上記センサ素子15は全体としてジルコニアセラミックとアルミナセラミックとが適宜積層された構成を有し,外側面150に露出した部分の熱膨張係数は絶縁碍子21と略同程度で室温〜550℃において7.8×10-6/℃である。
【0052】
上記リード部16の基端側は大気側絶縁碍子22の外部において,コネクタ部17を介してリード線18と接続されている。リード線18は大気側カバー12の基端側に設けた弾性絶縁部材23を通じてガスセンサ1外部へ通じている。
【0053】
上記絶縁碍子21にはセンサ素子15が挿通されており,センサ素子15と絶縁碍子21との間はガラス封止材25のみにて封止固定されている。
即ち,図1からも知られるように,センサ素子15と絶縁碍子21との間には,上記従来例で示したような,タルク等の粉末とガラス封止材とを多段的に充填する構造は採用していない。
また,上記ガラス封止材25の組成は,酸化物換算で,B2O3 21.0wt%,ZnO 34.6wt%,Si2O 12.6wt%,Al2O3 4.9wt%,BaO 14.2wt%,MgO 12.7wt%である。熱膨張係数は室温〜550℃において7.8×10-6/℃である。
【0054】
これを詳細に説明すると,本ガラス封止材25を構成する結晶化ガラス成分は以下No.1〜5にかかる物質を含有する。
No.1 2ZnO・SiO2
No.2 ZnO・B2O3
No.3 2MgO・B2O3
No.4 BaO・2MgO・2SiO2
No.5 BaO・Al2O3・2SiO2
これらの物質はガラス封止材全体の80%を占めており,非結晶質成分は20%以下である。非結晶質成分は,同上の金属と酸素との複合物で,成分は同定できないため不明である。
【0055】
また,本ガラス封止材の特性は,ガラス転移点が560〜580℃,軟化点が635〜655℃,結晶化開始温度が735〜765℃,封止温度は830〜950℃である。また,線膨張係数は,封止条件により調整可能で,室温〜550℃において7.0〜8.2×10-6/℃である。
【0056】
次に,熱膨張係数の異なる複数種類のガラス封止材25にて絶縁碍子21とセンサ素子15とが封止固定されたセンサエレメントを準備し,絶縁碍子21の外周面上211を大気側絶縁碍子22で押圧し,絶縁碍子21ないしガラス封止材25にクラックが発生した荷重を測定した。
図2中の強度とはクラックが発生した強度を(ガラス封止済/ガラス封止前)×100%で示している。一般に熱膨張係数が,『ガラス封止材<アルミナ製絶縁碍子』の場合,ガラス封止後にアルミナ製の絶縁碍子21に引張応力がかかり,アルミナ製絶縁碍子21の強度がガラス封止前のアルミナ製絶縁碍子21の単体と比較して低下する。
【0057】
同図によれば,絶縁碍子及びセンサ素子とガラス封止材の熱膨張係数の差が3×10-6/℃よりも大きく,つまりガラス封止材の熱膨張係数が5.2×10-6/℃未満となった場合,強度が大きく低下してしまうことが分かった。
また,図示は略したが,ガラス封止材の熱膨張係数が絶縁碍子及びセンサ素子の熱膨張係数よりも大きく,またその差が3×10-6/℃よりも大きくなった場合,絶縁碍子の強度低下は認められなかったが,ガラス封止材と絶縁碍子及びセンサ素子との界面間が剥離することが分かった。
【0058】
また,表1に示す熱膨張係数を持つガラス封止材を設けたガスセンサについて,加熱したガラス封止済絶縁碍子を水により急速に冷却して急速熱衝撃試験を行なった。この結果,すべてのサンプルについてクラックが絶縁碍子,ガラス封止材,センサ素子のいずれかに発生した場合を×,また,一部のサンプルについてクラックが発生した場合を△,発生しなかった場合を○とした。また,この時の急速水冷による冷却速度は100℃/秒,150℃/秒,200℃/秒とした。
同表より,本発明にかかる熱膨張係数を持つガラス封止材を用いることで,150℃/秒までの急速水冷でクラックの生じないガスセンサが得られることが分かった。
更に,特にセンサ素子及び絶縁碍子との熱膨張係数の差が1.0×10-6/℃以内である場合は200℃/秒までの急速水冷に耐えるガスセンサが得られることが分かった。
【0059】
本例の作用効果について説明する。
本例ではガラス封止材25で絶縁碍子21とセンサ素子15との間を封止固定しているため,部品コストや組み立てコストを安価とすることができる。
また,センサ素子15及び絶縁碍子21とガラス封止材25の熱膨張係数との差が上述した範囲内にあり,脆いセラミックよりなる絶縁碍子21にガラス封止材25による封止固定直後のクラック発生を防止でき,また,絶縁碍子21をガスセンサ1へと組み上げる際に加わる力等による絶縁碍子21破損を防止することができる。
【0060】
更に,熱衝撃にも強くなるため,例えば自動車エンジンの排気系のように,常温〜高温まで温度が幅広く変化するような使用環境に好適な優れた耐久性を得ることができる。また,センサ素子15に無理な力が加わることもなく,内蔵された各種の配線構造の断線等も防止できる。
更に,絶縁碍子21とガラス封止材25との間の剥離も生じ難く,封止固定の際の気密性を維持することができる。
【0061】
以上,本例によれば,絶縁碍子とセンサ素子との間をガラスで封止可能とし,両者間の高い気密性と絶縁碍子及びセンサ素子の損傷が生じ難く,高温から常温までの幅広い温度範囲で使用可能なガスセンサを提供することができる。
【0062】
また,以下に列記する(a)〜(f)のような組成を酸化物換算で持ったガラスを本例のガラス封止材として採用しても,上記とほぼ同様の結果を得ることができる。
【0063】
(a)B2O3 21.0wt%,ZnO 32.0wt%,SiO2 19.0wt%,BaO 12.0wt%,MgO 17.0wt%。
(b)B2O3 26.0wt%,ZnO 45.0wt%,SiO2 14.0wt%,BaO 7.5wt%,MgO 7.5wt%。
(c)B2O3 24.0wt%,ZnO 57.5wt%,SiO2 11.0wt%,BaO 7.50wt%。
(d)B2O3 22.6wt%,ZnO 34.5wt%,SiO2 12.8wt%,BaO 11.5wt%,MgO 18.5wt%。
(e)B2O3 19.0wt%,ZnO 30.4wt%,SiO2 16.0wt%,Al2O3 5.0wt%,BaO 20.0wt%,CaO 9.6wt%。
【0064】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,ガスセンサの縦断面説明図。
【図2】実施形態例における,熱膨張係数と絶縁碍子の強度との関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
10...ハウジング,
12...大気側カバー,
13...被測定ガス側カバー,
141...被測定ガス側雰囲気,
142...大気側雰囲気,
15...センサ素子,
21...絶縁碍子,
25...ガラス封止材,
Claims (6)
- 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10-6/℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 21.0±5wt%,
ZnO 34.6±5wt%,
SiO 2 12.6±5wt%,
Al 2 O 3 4.9±3wt%,
BaO 14.2±5wt%,
MgO 12.7±5wt%であることを特徴とするガスセンサ。 - 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 21.0±5wt%,
ZnO 32.0±5wt%,
SiO 2 19.0±5wt%,
BaO 12.0±5wt%,
MgO 17.0±5wt%であることを特徴とするガスセンサ。 - 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 26.0±3wt%,
ZnO 45.0±5wt%,
SiO 2 14.0±3wt%,
BaO 7.5±3wt%,
MgO 7.5±3wt%であることを特徴とするガスセンサ。 - 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 24.0±5wt%,
ZnO 57.5±8wt%,
SiO 2 11.0±5wt%,
BaO 7.5±5wt%であることを特徴とするガスセンサ。 - 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 22.6±5wt%,
ZnO 34.5±8wt%,
SiO 2 12.8±5wt%,
BaO 11.5±5wt%,
MgO 18.5±5wt%であることを特徴とするガスセンサ。 - 筒状の絶縁碍子と該絶縁碍子内に封止固定されたセンサ素子と,上記絶縁碍子が挿入配置された筒状のハウジングとよりなり,
上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーを設けてあるガスセンサにおいて,
上記絶縁碍子は,上記筒状のハウジングによってかしめ固定されておらず,
上記絶縁碍子の内側面と上記センサ素子の外側面との間はガラス封止材のみにて封止され,
該ガラス封止材の熱膨張係数と上記絶縁碍子及び上記センサ素子における熱膨張係数との差は±3×10 -6 /℃以内であり,
かつ,上記ガラス封止材の組成は,酸化物換算で,
B 2 O 3 19.0±5wt%,
ZnO 30.4±8wt%,
SiO 2 16.0±5wt%,
Al 2 O 3 5.0±3wt%,
BaO 20.0±5wt%,
CaO 9.6±5wt%であることを特徴とするガスセンサ。
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