JP2000131271A - 限界電流式酸素センサ - Google Patents

限界電流式酸素センサ

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JP2000131271A
JP2000131271A JP10303816A JP30381698A JP2000131271A JP 2000131271 A JP2000131271 A JP 2000131271A JP 10303816 A JP10303816 A JP 10303816A JP 30381698 A JP30381698 A JP 30381698A JP 2000131271 A JP2000131271 A JP 2000131271A
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oxygen sensor
limiting current
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current type
solid electrolyte
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Takao Nakada
孝夫 中田
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸
素センサを提供するものである。 【解決手段】 リード線(白金線)3が接合されている
一対の電極1、1′が異なる表面に形成された固体電解
質2を、上記電極のうち片側の電極1′が覆われるよう
に細孔5を有するセラミックス円板4の外周部に耐熱材
料で接着固定化し、かつ細孔5を有するセラミックス円
板4で覆われた側のリード線(白金線)3を細孔5から
引き出してなる限界電流式酸素センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質を用いた
酸素センサに係り、特にガス機器など高温の環境にその
まま装着して使用できる易構造、高耐熱性の限界電流式
酸素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】限界電流式酸素センサとしては、特開平
6−102234号公報、特開平6−82418号公
報、特開平7−113782号公報等に示されるように
様々な構造、製作方法等が知られている。
【0003】例えば、薄膜法は、特開平6−10223
4号公報、特開平7−113782号公報等に示される
ように基板上にジルコニア固体電解質膜とこのジルコニ
ア固体電解質膜に接して同一平面上で対向する一対以上
の白金電極とその表面を覆う絶縁膜とを形成し、基板又
は絶縁膜に酸素ガスの拡散を制限する材料を用いた限界
電流式酸素センサがある。
【0004】また、特開平6−82418号公報に示さ
れるように両面に白金電極を形成したジルコニア固体電
解質板の片側の電極を覆うように密封部材で内部室を形
成し、内部室の表面にはヒーター回路が形成され、また
ジルコニア固体電解質板には酸素ガスの拡散律速状態を
生じさせるための拡散孔が形成されている限界電流式酸
素センサがある。
【0005】しかしながら、ガス機器などの高温の燃焼
炎にさらされる環境内に設置して使用しようとすると、
いずれの限界電流式酸素センサも白金電極層、絶縁膜層
等の耐熱性の不足又は急激な加熱、冷却に耐えられずに
使用できないという問題点がある。また、これらの限界
電流式酸素センサは検出部に関することが記載されてい
るのみで、リード線の取出、装着等に予想される耐熱
性、耐熱衝撃性については何ら示されない。
【0006】一方、特開平7−318533号公報、特
開平8−5605号公報等に示されるように袋管状固体
電解質焼結体の両面に白金電極を形成し、その外周側白
金電極の表面に酸素ガスの拡散律速状態を生じさせるた
めの絶縁膜を形成し、固体電解質の内側に加熱ヒーター
を設置した限界電流式酸素センサがある。この形状は耐
熱性又は装着には容易な構造であるが、袋管状の広い表
面に酸素ガスの拡散律速層を形成する必要性と、耐熱衝
撃性が優れないジルコニア固体電解質が高温の先端部か
ら室温温度の装着部にまで使用されるため、やはり急激
な加熱、冷却に耐えられないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸素セン
サを提供するものである。請求項2記載の発明は、請求
項1記載の発明に加えて、量産性及び信頼性に優れる限
界電流式酸素センサを提供するものである。請求項3記
載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、拡散作用に
優れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請
求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、応
答性及びリード線の接続に優れる限界電流式酸素センサ
を提供するものである。請求項5記載の発明は、請求項
1記載の発明に加えて、製造が容易な限界電流式酸素セ
ンサを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リード線が接
合されている一対の電極が異なる表面に形成された固体
電解質を、上記電極のうち片側の電極を覆うようにして
細孔を有するセラミックス円板の外周部に耐熱材料で接
着固体化し、かつ細孔を有するセラミックス円板で覆わ
れた側のリード線を上記細孔から引き出してなる限界電
流式酸素センサに関する。
【0009】また、本発明は、固体電解質が、ジルコニ
ア固体電解質である限界電流式酸素センサに関する。ま
た、本発明は、耐熱材料が、アルミナ、ジルコニアの1
種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸塩を副成分とし
た耐熱材料である限界電流式酸素センサに関する。ま
た、本発明は、電極が、ジルコニア成分を電極材料全成
分に対して7〜40重量%含有した電極である限界電流
式酸素センサに関する。さらに、本発明は、細孔が、複
数個形成されており、そのうちの1箇所の細孔からリー
ド線を引き出してなる限界電流式酸素センサに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において固体電解質の材料
としては、酸素イオン伝導性と熱安定性がよく、例えば
安定化剤として酸化イットリウムを6〜10モル%、好
ましくは7〜9モル%添加したジルコニアを用いること
が好ましい。固体電解質の形状については特に制限はな
いが、円板状に形成することが好ましい。さらに本発明
においては、円板状の一部を切り掛け構造として組み立
ての利便性を考慮したり、円板状の片側面又は両面に凹
凸を形成して厚さを不均一にし、熱衝撃性の向上を図る
ことができる。
【0011】一方、細孔を有するセラミックス円板に用
いられる材料としては、固体電解質と同様なジルコニア
を用いることが好ましい。セラミックス円板に形成する
細孔は、直径が1.0mm以下であることが好ましく、
0.3〜0.8mmの範囲であることがさらに好ましい。
直径が小さい場合は、孔の形成が困難なうえに限界電流
値が小さく、ばらつきが大きくなり、機器のノイズと判
別し難くなる傾向がある。一方直径が大きい場合は、限
界電流値が大きくなり、作動温度が高くなる傾向があ
る。なお細孔の数は1個でも機能上問題はないが、複数
個形成してリード線の引き出し孔と酸素の拡散律速孔と
に機能を分離すれば、性能が安定し、組み立ても容易で
あるので好ましい。
【0012】細孔を有するセラミックス円板の片側の面
に固体電解質を接着固定するがこの際、固体電解質の細
孔を有するセラミックス円板に覆われる側の電極面(以
下下部電極面とする)に接着剤として用いる耐熱材料が
付着しないように細孔を有するセラミックス円板上部の
内周部分、詳しくは固体電解質の下部電極面に相対する
部分に凹部を形成し、該凹部底面とは空間をもたせて凹
部以外の外周部に固体電解質を接着すれば、電極の性能
を低下させず安定に維持できるので好ましい。また細孔
を有するセラミックス円板が平板で固体電解質の下面に
凹部を形成し、該凹部に下部電極を形成したものを用い
ても上記と同様の効果が得られる。
【0013】固体電解質を接着するのに用いられる耐熱
材料は、アルミナ、ジルコニアの1種以上を主成分と
し、無水珪酸、水ガラス等の珪酸塩又はリン酸アルミニ
ウム等のリン酸塩を副成分とした気密性に優れる耐熱性
接着剤ペーストを用いることが好ましいが、本発明にお
いては固体電解質の材料をペースト状にしたものを用い
て差し支えない。
【0014】固体電解質の表面に形成する電極は、白
金、ロジウム、パラジウム等の金属又はそれらの合金が
用いられ、電極を形成するには前記の金属又はそれらの
合金をペースト化して印刷、焼成すればよい。
【0015】本発明においては、上記の金属又はそれら
の合金にジルコニア成分を混合した材料を電極材料とし
て用い、固体電解質の焼成とペースト(電極材料)の焼
付けを同時に行えば、電極の内部抵抗が高くなるのを防
止し、低温においても応答性がよく、低抵抗の電極が得
られるので好ましい。
【0016】なおジルコニア成分は、応答性、抵抗及び
リード線との接続の関係で、電極材料全成分に対して7
〜40重量%含有することが好ましく、13〜25重量
%含有することがさらに好ましい。ジルコニア成分の組
成は、固体電解質と同様に安定化剤として酸化イットリ
ウムを使用し、該酸化イットリウムの含有量を固体電解
質と同等か又はそれより多く含有させる事が好ましく、
例えば該酸化イットリウムを6〜12モル%添加したジ
ルコニア成分を用いることが好ましく、7〜11モル%
添加したジルコニア成分を用いることがさらに好まし
い。
【0017】電極に接合するリード線は白金が使用でき
るが、使用温度が高い場合、また燃料に対する空気の混
合比率が低い環境で使用される場合は、ロジウムを添加
した白金を用いることが好ましい。リード線の線径は
0.12〜0.15mm程度であれば使用しやすいので好
ましい。なお上記のリード線を薄く板状に加工して用い
ると高温、還元状態での断線に対して耐久性が向上する
場合があるので好ましい。
【0018】電極とリード線の接合は、電気溶接又は5
50℃以上の温度で荷重を加え、リード線を塑性変形さ
せて電極と物理的に接続する加熱加圧接合法が作業が容
易であり、耐熱、耐久性及び性能の安定性の点で好まし
い。接続強度は、線径が0.12mmの白金線で50g以
上が好ましく、100g以上であることがさらに好まし
い。
【0019】固体電解質を接着するのに用いる耐熱材料
の一部が電極の表面を覆うと応答性が低下するなど電極
の作用を妨げるため、電極の表面にフェノール樹脂、ア
クリル樹脂、水分散ワックス等耐熱接着剤ペーストに溶
解しない有機材料を塗布した後、細孔を有するセラミッ
クス円板の片側面に固体電解質を接着し、その後加熱し
て電極上の有機材料を消失させれば、耐熱材料が電極の
表面に覆うことなく、耐熱材料と電極とが分離できるの
で好ましい。
【0020】限界電流式酸素センサの限界電流は燃焼雰
囲気の酸素分圧で変化するが、温度によっても影響され
る。したがって限界電流式酸素センサから得られた限界
電流に対して固体電解質の近傍に設置した熱電対の出力
を用いて温度補正することで、様々な温度に変化する燃
焼ガスの空燃比を正確に測定する事が出来る。熱電対を
用いる場合は、白金又は白金ロジウム線を用いることが
好ましく、熱電対の一方の線は電極に用いたリード線を
併用すると構造が簡単であるので好ましい。
【0021】本発明になる限界電流式酸素センサは、例
えば固体電解質の材料を成形し、得られた固体電解質の
異なる表面に一対の電極を形成した後、この2つの電極
からリード線を引き出し、また別途細孔を設けたセラミ
ックス円板を成形し、次いでセラミックス円板に設けた
細孔から下部電極に接合したリード線を引き出した後、
固体電解質と細孔を設けたセラミックス円板とを耐熱材
料で接着固定化することにより得られる。
【0022】以下、本発明の実施例の形態を図面を用い
て詳述する。図1は本発明の一実施例になる限界電流式
酸素センサの断面図、図2は図1(実施例1)の限界電
流式酸素センサに用いられる凹型セラミックス円板の断
面図、図3は図1(実施例1)の限界電流式酸素センサ
で測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフ、図4は
本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサに用
いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断面図、図5
は本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサの
断面図、図6は図5(実施例2)の限界電流式酸素セン
サで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフ及び図
7は実施例1と実施例3の限界電流式酸素センサで測定
した空気燃料比率が2.0のときの印加電圧と電流との
関係を示すグラフである。
【0023】図1、図2、図4及び図5において、一対
の白金電極1、1′がジルコニア固体電解質円板2の両
面に形成されており、この白金電極1、1′には白金線
3が接合されている。凹型セラミックス円板4には細孔
5が設けられており、この細孔5から白金電極1′に接
合した白金線3が引き出され、ジルコニア固体電解質円
板2の白金電極1′を覆うようにして、該ジルコニア固
体電解質円板2と細孔5を設けた凹型セラミックス円板
4が耐熱接着剤層6によって接着固定化されている。な
お図4及び図5において7は凹型ジルコニア固体電解質
円板及び図5において8はセラミックス円板である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお本発
明はこれらに制限されない。 実施例1 8モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固
体電解質成形材料を、直径が4.7mmで厚さが0.9mm
の円板状に成形し、大気中で1100℃で1時間仮焼成
した。この後円板状の仮焼成体の両面に白金ペースト
(田中貴金属工業(株)製、商品名TR706)を20μ
mの厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成し
て、図1に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一
対の白金電極1、1′を形成した直径が4.0mmで厚さ
が0.8mmのジルコニア固体電解質円板2を得た。
【0025】一方、上記で得たジルコニア固体電解質成
形材料を、図2に示すような形状に成形後、大気中で1
570℃で2時間焼成して、外径(寸法A)が4.0m
m、厚さ(寸法B)が1.5mm、内径(寸法C)が2.
5mmで深さ(寸法D)が0.6mmの凹部10及び中央部
に直径(寸法E)が0.6mmの細孔5を形成した凹型セ
ラミックス円板4を得た。
【0026】次にジルコニア固体電解質円板2の両面に
形成された白金電極1、1′に、650℃で1.96×
104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの白金
線(リード線)3を接合した。接合した白金線3を白金
電極1に対して直角に引っ張り接着強度を測定したとこ
ろ55gであった。
【0027】次いで上記で得た白金線付きジルコニア固
体電解質円板2の白金電極1′に接合した白金線3を凹
型セラミックス円板4に形成した細孔5から引き出した
後、該白金線付きジルコニア固体電解質円板2と凹型セ
ラミックス円板4の外周部とを耐熱性接着剤ペースト
(日産化学工業(株)製、ボンド×64)を用いて接着固
定化して耐熱接着剤層6を形成した限界電流式酸素セン
サを得た。
【0028】この後、得られた限界電流式酸素センサを
幅が10mm、長さが45mm及び厚さが0.6mmのアルミ
ナ製の板にのせて、先端を1300℃の燃焼炎中に設置
して、限界電流式酸素センサの白金線3への印加電流と
流れる電流を測定したところ、図3に示すように限界電
流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。また
3分間毎の燃焼、冷却サイクルを5千サイクル繰り返し
てもその特性に変化は見られなかった。
【0029】実施例2 実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を、外径
が4.7mm、厚さが1.8mm及び内径が3.0mmで深さ
が0.75mmの凹部を設けて円板状に成形し、大気中で
1100℃で1時間仮焼成した。この後、円板状の仮焼
成体の両面に実施例1で用いた白金ペーストを20μm
の厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成し
て、図4に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一
対の白金電極1、1′を形成した外径(寸法F)が4.
0mm、厚さ(寸法G)が1.5mm及び内径(寸法H)が
2.5mmで深さ(寸法I)が0.6mmの凹部11を形成
した凹型ジルコニア固体電解質円板7を得た。
【0030】一方、図5に示すように実施例1で得たジ
ルコニア固体電解質成形材料を、直径が4.7mmで厚さ
が0.9mmの円板を成形し、外周から1.2mmの位置に
直径が0.3mmの細孔5及び中央部に直径が0.5mmの
細孔5′を形成した後、大気中で1570℃で2時間焼
成して、直径が4.0mmで厚さが0.8mmのセラミック
ス円板8を得た。
【0031】次に凹型ジルコニア固体電解質円板7の両
面に形成された白金電極1、1′に、650℃で1.9
6×104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの
白金線(リード線)3を接合した。
【0032】次いで上記で得た白金線付き凹型ジルコニ
ア固体電解質円板7の白金電極1′に接合した白金線3
をセラミックス円板8に形成した0.3mmの細孔5から
引き出した後、該白金線付き凹型ジルコニア固体電解質
円板7と該白金線付き凹型ジルコニア固体電解質円板7
の突起部に相対するセラミックス円板8の外周部とを耐
熱性接着剤ペースト(アロン化成(株)製、商品名アロン
セラミックスD)を用いて接着固定化して耐熱接着剤層
6を形成すると共に細孔5と白金線3との隙間に上記の
耐熱性接着剤ペーストを充填して封着層9を形成して限
界電流式酸素センサを得た。
【0033】次に得られた限界電流式酸素センサを実施
例1と同様のアルミナ製の板にのせて、先端を1300
℃の燃焼炎中に設置して、限界電流式酸素センサの白金
線3への印加電圧と流れる電流を測定したところ、図6
に示すように限界電流式酸素センサ特有の限界電流特性
が測定された。また3分間毎の燃焼、冷却サイクルを5
千サイクル繰り返してもその特性に変化は見られなかっ
た。
【0034】実施例3 実施例1で用いた白金ペーストに代えて、白金粉末(徳
力化学研究所製、商品名TP−1)82重量%に実施例
1で得たジルコニア固体電解質成形材料を18重量%添
加して均一に混合し、さらにこの混合物100重量部に
対してポリビニルアルコール(PVA)を0.5重量%
含有した2ブトキシエトキシジエタノールを20重量部
添加して均一に混合して得られた白金ペーストを用いて
白金電極を形成した以外は実施例1と同様の工程を経て
限界電流式酸素センサを得た。
【0035】次に得られた限界電流式酸素センサと白金
ペースト中にジルコニア成形材料を添加しないで白金電
極を形成した実施例1で得た限界電流式酸素センサを実
施例1と同様のアルミナ製の板にのせて、先端を100
0℃の燃焼炎中に設置して、限界電流式酸素センサの白
金電極への印加電圧と流れる電流を測定したところ、図
7に示すようにジルコニア固体電解質成形材料を添加し
て白金電極を形成した限界電流式酸素センサは、ジルコ
ニア固体電解質成形材料を添加せずに白金電極を形成し
た実施例1の限界電流式酸素センサに比較し、より低い
温度で限界電流特性を示すことが明らかである。
【0036】比較例1 8モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固
体電解質材料を成形し、1570℃で1時間焼成して幅
が7mm、長さが40mm及び厚さが0.6mmのジルコニア
固体電解質板を得た。次にジルコニア固体電解質板を鏡
面研磨した後、図8の(a)及び(b)に示すように該
ジルコニア固体電解質板12の両面に一方の端部から
1.5mmの部分に、蒸着法により厚さが1.5μmで直
径が3mmの白金電極13及び白金電極13から別の端部
まで幅が0.5mmの接続リード14を形成し、さらに接
続リード14に実施例1と同様の方法で白金線3を接合
した。
【0037】この後、一方の白金電極13及び接続リー
ド14を形成した面にポリシラザランに10重量%のポ
リアクリルアミンを添加したペーストを塗布し、窒素雰
囲気中で600℃で焼付けて多孔質の絶縁膜15を形成
した限界電流式酸素センサを得た。得られた限界電流式
酸素センサについて限界電流特性を測定したところ、6
00℃では良好な限界電流特性が測定されたが、135
0℃の燃焼炎中に入れたところ、約30秒間で断線し、
機能しなくなった。そのため燃焼炎中から取り出して調
査したところ、多孔質の絶縁膜15は剥離し、電極の白
金は丸く凝集して導電性を失っていた。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、耐熱性及び熱衝
撃性に優れる限界電流式酸素センサである。請求項2記
載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、量産性及び
信頼性に優れる限界電流式酸素センサである。請求項3
記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、拡散作用
に優れる限界電流式酸素センサである。請求項4記載の
発明は、請求項1記載の発明に加えて、応答性及びリー
ド線の接続に優れる限界電流式酸素センサである。請求
項5記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、製造
が容易な限界電流式酸素センサである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる限界電流式酸素センサ
の断面図である。
【図2】図1(実施例1)の限界電流式酸素センサに用
いられる凹型ジルコニア円板の断面図である。
【図3】図1(実施例1)の限界電流式酸素センサで測
定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサに用いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断面
図である。
【図5】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサの断面図である。
【図6】図5(実施例2)の限界電流式酸素センサで測
定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図7】実施例1と実施例3の限界電流式酸素センサで
測定した空気燃料比率が2.0のときの印加電圧と電流
の関係を示すグラフである。
【図8】(a)は従来の薄膜法によって得られる限界電
流式酸素センサの平面図及び(b)はその側面図であ
る。
【符号の説明】
1、1′ 白金電極 2 ジルコニア固体電解質円板 3 白金線 4 凹型セラミックス円板 5、5′ 細孔 6 耐熱接着剤層 7 凹型ジルコニア固体電解質円板 8 セラミックス円板 9 封着層 10 凹部 11 凹部 12 ジルコニア固体電解質板 13 白金電極 14 接続リード 15 多孔質の絶縁膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リード線が接合されている一対の電極が
    異なる表面に形成された固体電解質を、上記電極のうち
    片側の電極を覆うようにして細孔を有するセラミックス
    円板の外周部に耐熱材料で接着固定化し、かつ細孔を有
    するセラミックス円板で覆われた側のリード線を上記細
    孔から引き出してなる限界電流式酸素センサ。
  2. 【請求項2】 固体電解質が、ジルコニア固体電解質で
    ある請求項1記載の限界電流式酸素センサ。
  3. 【請求項3】 耐熱材料が、アルミナ、ジルコニアの1
    種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸塩を副成分とし
    た耐熱材料である請求項1又は2記載の限界電流式酸素
    センサ。
  4. 【請求項4】 電極が、ジルコニア成分を電極材料全成
    分に対して7〜40重量%含有した電極である請求項
    1、2又は3記載の限界電流式酸素センサ。
  5. 【請求項5】 細孔が、複数個形成されており、そのう
    ちの1箇所の細孔からリード線を引き出してなる請求項
    1、2、3又は4記載の限界電流式酸素センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008008665A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Fujikura Ltd 限界電流式酸素センサ
JP2008008666A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Fujikura Ltd 限界電流式酸素センサ及びこれを用いた酸素濃度の検知測定方法
US8052862B2 (en) 2006-06-27 2011-11-08 Fujikura Ltd. Limiting current type oxygen sensor and method of sensing and measuring oxygen concentrations using the same

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