JP2000146904A - 限界電流式酸素センサ - Google Patents

限界電流式酸素センサ

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JP2000146904A
JP2000146904A JP10305309A JP30530998A JP2000146904A JP 2000146904 A JP2000146904 A JP 2000146904A JP 10305309 A JP10305309 A JP 10305309A JP 30530998 A JP30530998 A JP 30530998A JP 2000146904 A JP2000146904 A JP 2000146904A
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Japan
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ceramic
solid electrolyte
oxygen sensor
type oxygen
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English (en)
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Takao Nakada
孝夫 中田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸
素センサを提供するものである。 【解決手段】 リード線(白金線)3が接合されている
一対の電極1、1′が異なる表面に形成された固体電解
質2を、セラミックス筒状体端部内側の筒状側壁又はセ
ラミックス柱状体端部に形成した凹部5内壁に通気性を
有するように耐熱材料で接着固定化し、リード線(白金
線)3はセラミックス筒状体又はセラミックス柱状体の
一方の端部からセラミックス筒状体内又はセラミックス
柱状体凹部内の上記固体電解質2より内側を封じ外部に
引き出してなる限界電流式酸素センサ或いは上記構成限
界電流式酸素センサに加えて固体電解質の下面に細孔を
有するセラミックス板状体を配し、かつ固体電解質と細
孔を有するセラミックス板状体との接触面を密閉するよ
うにした限界電流式酸素センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質を用いた
酸素センサに係り、特にガス機器など高温の環境にその
まま装着して使用できる易構造、高耐熱性の限界電流式
酸素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】限界電流式酸素センサとしては、特開平
6−102234号公報、特開平6−82418号公
報、特開平7−113782号公報等に示されるように
様々な構造、製作方法等が知られている。
【0003】例えば、薄膜法は、特開平6−10223
4号公報、特開平7−113782号公報等に示される
ように基板上にジルコニア固体電解質膜とこのジルコニ
ア固体電解質膜に接して同一平面上で対向する一対以上
の白金電極とその表面を覆う絶縁膜とを形成し、基板又
は絶縁膜に酸素ガスの拡散を制限する材料を用いた限界
電流式酸素センサがある。
【0004】また、特開平6−82418号公報に示さ
れるように両面に白金電極を形成したジルコニア固体電
解質板の片側の電極を覆うように密封部材で内部室を形
成し、内部室の表面にはヒーター回路が形成され、また
ジルコニア固体電解質板には酸素ガスの拡散律速状態を
生じさせるための拡散孔が形成されている限界電流式酸
素センサがある。
【0005】しかしながら、ガス機器などの高温の燃焼
炎にさらされる環境内に設置して使用すると、いずれの
限界電流式酸素センサも白金電極層、絶縁膜層等の耐熱
性の不足又は急激な加熱、冷却に耐えられずに使用でき
ないという問題点がある。また、これらの限界電流式酸
素センサは検出部に関することが記載されているのみ
で、リード線の取出、装着等に予想される耐熱性、耐熱
衝撃性については何ら示されない。
【0006】一方、特開平7−318533号公報、特
開平8−5605号公報等に示されるように袋管状固体
電解質焼結体の両面に白金電極を形成し、その外周側白
金電極の表面に酸素ガスの拡散律速状態を生じさせるた
めの絶縁膜を形成し、固体電解質の内側に加熱ヒーター
を設置した限界電流式酸素センサがある。この形状は耐
熱性又は装着には容易な構造であるが、袋管状の広い表
面に酸素ガスの拡散律速層を形成する必要性と、耐熱衝
撃性が優れないジルコニア固体電解質が高温の先端部か
ら室温温度の装着部にまで使用されるため、やはり急激
な加熱、冷却に耐えられないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2記載の
発明は、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界電流式酸素
センサを提供するものである。請求項3記載の発明は、
請求項1記載の発明に加えて、一定した限界電流が得ら
れる限界電流式酸素センサを提供するものである。請求
項4記載の発明は、耐熱性及び耐熱衝撃性に優れる限界
電流式酸素センサを提供するものである。請求項5記載
の発明は、請求項1及び4記載の発明に加えて、拡散作
用に優れる限界電流式酸素センサを提供するものであ
る。請求項6記載の発明は、請求項1及び4記載の発明
に加えて、量産性及び信頼性に優れる限界電流式酸素セ
ンサを提供するものである。請求項7記載の発明は、請
求項1及び4記載の発明に加えて、応答性及びリード線
の接続に優れる限界電流式酸素センサを提供するもので
ある。請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明に加
えて、応答性に優れる限界電流式酸素センサを提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リード線が接
合されている一対の電極が異なる表面に形成された固体
電解質を、セラミックス筒状体端部内側の筒状側壁又は
セラミックス柱状体端部に形成した凹部内壁に通気性を
有するように耐熱材料で接着固定化し、リード線はセラ
ミックス筒状体又はセラミックス柱状体の一方の端部か
らセラミックス筒状体内又はセラミックス柱状体凹部内
の上記固体電解質より内側を封じ外部に引き出してなる
限界電流式酸素センサに関する。また、本発明は、耐熱
材料が通気性を有する耐熱材料である限界電流式酸素セ
ンサに関する。また、本発明は、固体電解質とセラミッ
クス筒状体端部内側又はセラミックス柱状体端部に形成
した凹部内壁との接着部分の通気率が80である限界電
流式酸素センサに関する。
【0009】また、本発明は、リード線が接合されてい
る一対の電極が異なる表面に形成された固体電解質を、
上記電極のうち片側の電極を覆うようにして細孔を有す
るセラミックス板状体の外周部に耐熱材料で密閉し、か
つ固体電解質及び細孔を有するセラミックス板状体を、
セラミックス筒状体端部内側の筒状側壁又はセラミック
ス柱状体端部に形成した凹部内壁に耐熱材料で接着固定
化し、リード線はセラミックス筒状体又はセラミックス
柱状体の一方の端部からセラミックス筒状体内又はセラ
ミックス柱状体凹部内の上記固体電解質より内側を封じ
外部に引き出してなる限界電流式酸素センサに関する。
【0010】また、本発明は、耐熱材料が、アルミナ、
ジルコニアの1種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸
塩を副成分とした耐熱材料である限界電流式酸素センサ
に関する。また、本発明は、固体電解質が、ジルコニア
固体電解質である限界電流式酸素センサに関する。ま
た、本発明は、電極が、ジルコニア成分を電極材料全成
分に対して7〜40重量%含有した電極である限界電流
式酸素センサに関する。さらに、本発明は、細孔が、複
数個形成されており、そのうちの1箇所の細孔からリー
ド線を引き出してなる限界電流式酸素センサに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において固体電解質の材料
としては、酸素イオン伝導性と熱安定性がよく、例えば
安定化剤として酸化イットリウムを6〜10モル%、好
ましくは7〜9モル%添加したジルコニアを用いること
が好ましい。固体電解質の形状については特に制限はな
いが、円板状に形成することが好ましい。さらに本発明
においては、円板状の一部を切り掛け構造としてリード
線を通し易くしたり、円板状の上下面のいずれか又は両
面に凹凸を形成して厚さを不均一にし、熱衝撃性の向上
を図ることができる。
【0012】一方、セラミックス筒状体又はセラミック
ス柱状体は、耐熱性、熱衝撃特性に優れるジルコニア固
体電解質又はジルコニア固体電解質と熱膨張率が近い材
料、例えばアルミナ、ジルコニア強化アルミナ、ステア
タイト等が挙げられ、このうち価格が安価であるアルミ
ナを用いることが好ましい。セラミックス筒状体の形状
は、特に制限はないが普通に円筒状のものを使用するこ
とが好ましいが、図12に示すように一方の端部近辺を
固体電解質が収納できるだけの空間19を残して空洞部
分を部分的に遮蔽して凹部5を形成し、また遮蔽した部
分(以下凹部底面とする)にリード線を外部に引き出す
ための貫通孔20を残して、円筒状に形成してなるもの
が好ましい。またセラミックス柱状体の形状についても
特に制限はないが、一方の端部に固体電解質が収納でき
るだけの凹部を形成し、かつリード線を引き出すための
貫通孔の部分のみを残して円柱状に形成してなるものが
好ましい。
【0013】なおセラミックス筒状体端部内側又はセラ
ミックス柱状体端部の凹部の形状は、収納する固体電解
質が円板状の場合、その内径は該固体電解質とリード線
の直径、細孔を有するセラミックス板状体を用いる場合
は、細孔を有するセラミックス板状体とリード線の直径
及び固体電解質とリード線の直径の合計より0.1〜
0.5mm、好ましくは0.1〜0.2mm大きな円形状と
すれば、性能上及び作製の容易さから好ましい。一方、
リード線を引き出すための貫通孔の数及び形成する位置
については特に制限はないが、例えば固体電解質の一対
の電極に接続したリード線を別々に外部に引き出すため
異なる位置に2つの貫通孔を形成してもよく、また2本
のリード線を同じ貫通孔から外部に引き出すためセラミ
ックス筒状体又はセラミックス柱状体の中央部に1つの
貫通孔を形成してもよい。セラミックス筒状体又はセラ
ミックス柱状体の長さは、固体電解質の検出部が測定に
適した位置になるように適宜設定する。
【0014】セラミックス筒状体端部内側の筒状側壁又
はセラミックス柱状体端部の凹部内壁に固体電解質を接
着固定するがこの際、固体電解質の下部電極面に接着剤
として用いる耐熱材料が付着しないようにセラミックス
筒状体端部内側の凹部底面又はセラミックス柱状体端部
の凹部底面とは空間をもたせてセラミックス筒状体端部
内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部の凹部内壁
に固体電解質を接着するか或は固体電解質の下面に細孔
を有するセラミックス板状体を配し、該細孔を有するセ
ラミックス板状体上部の内周部分に固体電解質の下部電
極の直径より大きな径の凹部を形成し、この凹部底面と
は空間をもたせるようにしてセラミックス筒状体端部内
側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部の凹部内壁に
固体電解質を接着すれば、電極の性能を低下させず安定
に維持できるので好ましい。また細孔を有するセラミッ
クス板状体が平板で固体電解質の下面に凹部を形成し、
その凹部内に下部電極を形成したものを用いても上記と
同様の効果が得られる。
【0015】固体電解質を接着するのに用いられる耐熱
材料は、通気性を有し、酸素ガスの拡散律速状態を生じ
させるため拡散作用を有する材料で、例えばアルミナ、
ジルコニアの1種以上を主成分とし、無水珪酸、水ガラ
ス等の珪酸塩又はリン酸アルミニウム等のリン酸塩を副
成分とした耐熱性接着剤ペースト又はアルミナ、ジルコ
ニア等の粉末をペースト状にしたものを用いることが好
ましい。
【0016】細孔を有するセラミックス板状体を用いな
い場合の固体電解質とセラミックス筒状体端部内側の筒
状側壁又はセラミックス柱状端部の凹部内壁との接着部
分の通気率は、限界電流との関係で80ml/cm・s・atm以
下が好ましく、5〜20ml/cm・s・atmの範囲であれば、
限界電流値がノイズと容易に判別できる数mA〜数十m
Aのものが得られるのでさらに好ましい。なお細孔を有
するセラミックス板状体を用いない場合の接着は、固体
電解質の外周とセラミックス筒状体端部内側の筒状側壁
又はセラミックス柱状端部の凹部内壁との間は上記の通
気率になる程度の厚さで隙間が生じないように接着する
ことが好ましい。
【0017】通気率は、通気性を有する耐熱材料で固体
電解質をセラミックス筒状体端部内側の筒状側壁又はセ
ラミックス柱状体端部の凹部内壁に接着固定化し、該セ
ラミックス筒状体端部内側の凹部底面又はセラミックス
柱状体端部の凹部底面から下端は気密封着していない状
態として、セラミックス筒状体又はセラミックス柱状体
に貫通孔の下方から水2mの圧力を加えた空気を印加
し、耐熱材料で接着した部分から単位時間に流出する空
気量を測定することで算出することができる。なお通気
率は1100℃を越えると変化するので、接着部分の温
度が1100℃を越えないようにセンサの設定位置を調
整又は選択することが好ましい。
【0018】セラミックス筒状体に普通の筒状体を用い
た場合は、一方の端部はリード線を引き出すようにして
封じなければならない。またセラミックス柱状体を用い
た場合は、リード線を引き出した貫通孔の隙間を封じな
ければならない。封じるのに用いられる材料は、固体電
解質を接着する耐熱材料より気密性に優れる材料、例え
ば無水珪酸、水ガラス、リン酸アルミニウム等の含有量
を固体電解質を接着する耐熱材料に含まれる含有量より
多く含有させた材料を用いることが好ましい。封じる手
段としては特に制限はないが、例えば上記の材料をセラ
ミックス筒状体内部又はセラミックス柱状体内部の貫通
孔とリード線との隙間に注射器などを用いて封じること
が好ましい。
【0019】また本発明において細孔を有するセラミッ
クス板状体を用いる場合は、固体電解質と細孔を有する
セラミックス板状体との接触面は密閉する必要があり、
密閉しない場合は、この部分から通気漏れが生じ細孔に
より通気量を調整することができない。密閉する材料と
しては上記と同様の貫通孔の隙間を封じる材料を用いる
ことが好ましい。封じる手段についても特に制限はない
が、例えば上記の材料を固体電解質又は細孔を有するセ
ラミックス板状体のいずれか一方又は両方に塗布した
後、両者を重ね合わせ接着固定化して密閉することが好
ましい。
【0020】固体電解質の表面に形成する電極は、白
金、ロジウム、パラジウム等の金属又はそれらの合金が
用いられ、電極を形成するには前記の金属又はそれらの
合金をペースト化して印刷、焼成すればよい。
【0021】本発明においては、必要に応じ上記の金属
又はそれらの合金にジルコニア成分を混合した材料を電
極材料として用い、固体電解質の焼成とペースト(電極
材料)の焼付けを同時に行えば、電極の内部抵抗が高く
なるのを防止し、低温においても応答性がよく、低抵抗
の電極が得られるので好ましい。
【0022】なおジルコニア成分は、応答性、抵抗及び
リード線との接続の関係で、電極材料全成分に対して7
〜40重量%含有することが好ましく、13〜25重量
%含有することがさらに好ましい。ジルコニア成分の組
成は、固体電解質と同様に安定化剤として酸化イットリ
ウムを使用し、該酸化イットリウムの含有量を固体電解
質と同等か又はそれより多く含有させる事が好ましく、
例えば該酸化イットリウムを6〜12モル%添加したジ
ルコニア成分を用いることが好ましく、7〜11モル%
添加したジルコニア成分を用いることがさらに好まし
い。
【0023】電極に接合するリード線は白金が使用でき
るが、使用温度が高い場合、また燃料に対する空気の混
合比率が低い環境で使用される場合は、ロジウムを添加
した白金を用いることが好ましい。リード線の線径は
0.12〜0.15mm程度であれば使用しやすいので好
ましい。なお上記のリード線を薄く板状に加工して用い
ると高温、還元状態での断線に対して耐久性が向上する
場合があるので好ましい。電極とリード線の接合は、電
気溶接又は550℃以上の温度で荷重を加え、リード線
を塑性変形させて電極と物理的に接続する加熱加圧接合
法が耐熱、耐久性及び性能の安定性の点で好ましい。
【0024】固体電解質を接着するのに用いる耐熱材料
の一部が電極の表面を覆うと応答性が低下するなど電極
の作用を妨げるため、電極の表面にフェノール樹脂、ア
クリル樹脂、水分散ワックス等耐熱接着剤ペーストに溶
解しない有機材料を塗布した後、セラミックス筒状体端
部内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部の凹部内
壁に固体電解質を接着するか又は固体電解質と細孔を有
するセラミックス板状体を密閉し、さらにセラミックス
筒状体端部内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部
の凹部内壁に固体電解質を接着し、その後加熱して電極
上の有機材料を消失させれば、耐熱材料が電極の表面を
覆うことなく、耐熱材料と電極とが分離できるので好ま
しい。
【0025】細孔を有するセラミックス板状体に用いら
れる材料としては、固体電解質と同様なジルコニアを用
いることが好ましい。細孔を有するセラミックス板状体
の形状については特に制限はないが、円板状に形成する
ことが好ましい。細孔を有するセラミックス板状体を用
いる場合、固体電解質とセラミックス筒状体端部内側の
筒状側壁又はセラミックス柱状体端部の凹部側壁とは全
面に接着する必要はなく部分的に接着してもよい。即ち
この部分は接着して固定できればよく通気量を制御する
ものではない。従って接着に用いる耐熱材料は通気性を
有しない耐熱材料を用いても差し支えない。通気量は細
孔の大きさを調整して制御することができる。細孔を有
するセラミックス板状体は、上記のように通気量を制御
すると共に固体電解質の脱落防止の効果を奏する。なお
細孔を有するセラミックス板状体は、必要に応じてセラ
ミックス筒状体端部内側の凹部底面又はセラミックス柱
状体端部の凹部底面に接着固定化される。
【0026】セラミックス板状体に形成する細孔は、直
径が1.0mm以下であることが好ましく、0.3〜0.
8mmの範囲であることがさらに好ましい。直径が小さい
場合は、孔の形成が困難なうえに限界電流値が小さく、
ばらつきが大きくなり、機器のノイズと判別し難くなる
傾向がある。一方直径が大きい場合は、限界電流値が大
きくなり、作動温度が高くなる傾向がある。なお細孔の
数は1個でも機能上問題はないが、複数個形成してリー
ド線の引き出し孔と酸素ガスの拡散律速孔とに機能を分
離すれば、性能が安定し、組み立ても容易であるので好
ましい。もし細孔を複数個形成してリード線の引き出し
孔と酸素ガスの拡散律速孔とに機能を分離する場合は、
リード線の引き出し孔からリード線を引き出した後は孔
の隙間を封じなければならない。
【0027】限界電流式酸素センサの限界電流は燃焼雰
囲気の酸素分圧で変化するが、温度によっても影響され
る。従って限界電流式酸素センサから得られた限界電流
に対して固体電解質の近傍に設置した熱電対の出力を用
いて温度補正することで、様々な温度に変化する燃焼ガ
スの空燃比を正確に測定する事が出来る。熱電対を用い
る場合は、白金又は白金ロジウム線を用いることが好ま
しく、熱電対の一方の線は電極に用いたリード線を併用
すると構造が簡単であるので好ましい。
【0028】本発明になる限界電流式酸素センサは、例
えば固体電解質の材料を成形し、得られた固体電解質の
異なる表面に一対の電極を形成した後、この2つの電極
からリード線を引き出し、さらに別途セラミックス筒状
体又はセラミックス柱状体を成形し、このセラミックス
筒状体端部内側又はセラミックス柱状体端部に凹部を形
成し、この凹部に前記の固体電解質を収納し、さらにそ
の上部に固体電解質を収納し、セラミックス筒状体端部
内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部の凹部内壁
に該固体電解質を通気性を有するように耐熱材料で接着
固定化し、一方、セラミックス筒状体端部内側の凹部底
面又はセラミックス柱状体端部の凹部底面から下端に貫
通孔を形成し、この貫通孔から前記のリード線を引き出
し、貫通孔とリード線との隙間を封じることにより得ら
れる。
【0029】本発明においては上記の他に、固体電解質
の材料を成形し、得られた固体電解質の異なる表面に一
対の電極を形成した後、この2つの電極からリード線を
引き出し、また別途細孔を設けたセラミックス板状体を
成形すると共に別途セラミックス筒状体又はセラミック
ス柱状体を成形し、このセラミックス筒状体端部内側又
はセラミックス柱状体端部に凹部を形成し、次いでセラ
ミックス板状体に設けた細孔から下部電極に接合したリ
ード線を引き出した後、固体電解質と細孔を設けたセラ
ミックス板状体との接触面を密閉し、前記凹部にセラミ
ックス板状体及び該セラミックス板状体に密閉された固
体電解質を収納し、必要に応じてセラミックス筒状体の
下面の一部を該セラミックス筒状体端部内側の凹部底面
又はセラミックス柱状体端部の凹部底面に耐熱材料で接
着固定化し、この後セラミックス筒状体端部内側の筒状
側壁又はセラミックス柱状端部の凹部内壁に該固体電解
質及び細孔を設けたセラミックス板状体を耐熱材料で接
着固定化し、一方、セラミックス筒状体端部内側の凹部
底面又はセラミックス柱状体端部の凹部底面から下端に
貫通孔を形成し、この貫通孔から前記のリード線を引き
出し、貫通孔とリード線との隙間を封じることにより得
られる。
【0030】以下、本発明の実施例の形態を図面を用い
て詳述する。図1は本発明の一実施例になる限界電流式
酸素センサの断面図、図2は図1(実施例1)の限界電
流式酸素センサで測定した空気と燃料の比率を変えた場
合の印加電圧と電流の関係を示すグラフ、図3は本発明
の他の一実施例になる限界電流式酸素センサの断面図、
図4は図3(実施例2)の限界電流式酸素センサで測定
した空気と燃料の比率を変えた場合の印加電圧と電流の
関係を示すグラフ、図5は本発明の他の一実施例になる
限界電流式酸素センサの断面図、図6は図5(実施例
3)の限界電流式酸素センサに用いられる凹型ジルコニ
ア円板の断面図、図7は図5(実施例3)の限界電流式
酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラ
フ、図8は本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素
センサに用いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断
面図、図9は図8に示す凹型ジルコニア固体電解質円板
を用いた本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサの断面図、図10は図9(実施例4)の限界電流式
酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラ
フ及び図11は実施例5で得られた限界電流式酸素セン
サと白金ペースト中にジルコニア成形材料を添加しない
以外は実施例5と同様の工程を経て得られた限界電流式
酸素センサで測定した印加電圧と電流の関係を示すグラ
フである。
【0031】図1及び図3において一対の白金電極1、
1′がジルコニア固体電解質円板2の両面に形成されて
おり、この白金電極1、1′には白金線(リード線)3
が接合されている。セラミックス円柱4の端部には凹部
5が形成されている。該セラミックス円柱4の上端には
ジルコニア固体電解質円板2がセラミックス円柱4の端
部の凹部内壁に接着・拡散層6によって接着固定化され
ている。セラミックス円柱4のそれより内側は、白金線
3をセラミックス円柱4の他端から引き出すための貫通
孔7を残して円柱状になっている。貫通孔7と白金線3
との隙間には封着層8が設けられている。なお図3にお
いては貫通孔9が中央に設けられ、この貫通孔9に熱電
対10を挿入すると共に、該貫通孔9から白金線3を引
き出し、貫通孔9と白金線3及び熱電対10の隙間には
封着層8が設けられている。
【0032】また図5、図6、図8及び図9において一
対の白金電極1、1′がジルコニア固体電解質円板2の
両面に形成されており、この白金電極1、1′には白金
線3が接合されている。凹型ジルコニア円板11には細
孔12が設けられており、この細孔12から電極1′に
接合した白金線3が引き出され、該ジルコニア固体電解
質円板2と凹型ジルコニア円板11との接触面には密閉
層15が、またセラミックス円柱4には凹部5が形成さ
れている。該セラミックス円柱4の上端には凹型ジルコ
ニア円板11及び該凹型ジルコニア円板11に密閉され
たジルコニア固体電解質円板2が収納され、凹型ジルコ
ニア円板11の下面の一部が接着・拡散層13によって
接着固定化され、さらにジルコニア固体電解質円板2が
セラミックス円柱4の端部の凹部内壁と凹型ジルコニア
円板11の上部側面に接着・拡散層6によって接着固定
化されている。セラミックス円柱4のそれより内側は、
白金線3をセラミックス円柱4の他端から引き出すため
の貫通孔7を残して円柱状になっている。貫通孔7と白
金線3との隙間には封着層8が設けられている。なお図
8及び図9において16は凹型ジルコニア固体電解質円
板、17はジルコニア円板及び18は凹部である。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお本発
明はこれらに制限されない。 実施例1 8モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固
体電解質成形材料を、直径が4.5mmで厚さが0.9mm
の円板状に成形し、この円板状の成形体の両面に白金ペ
ースト(田中貴金属工業(株)製、商品名TR706)を
20μmの厚さに塗布して大気中で1570℃で1時間
焼成して、図1に示すように異なる表面に直径が3.0
mmの一対の白金電極1、1′を形成した直径が4.0mm
で厚さが0.8mmのジルコニア固体電解質円板2を得
た。
【0034】次にジルコニア固体電解質円板2の両面に
形成された白金電極1、1′に、650℃で1.96×
104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの白金
線(リード線)3を接合した。接合した白金線3を白金
電極に対して直角に引っ張り接着強度を測定したところ
55gであった。
【0035】上記で得た白金線付きジルコニア固体電解
質円板2を、外径が6mmで長さが60mmのアルミナ製の
セラミックス円柱4の端部に形成した直径が4.5mmで
深さが2.3mmの凹部5に収納し、かつ白金線付きジル
コニア固体電解質円板2が凹部5の底面に接触しないよ
うにして凹部5の側面に、通気性を有する耐熱性接着剤
ペースト(アロン化成(株)製、商品名アロンセラミック
スD)を用いて接着し、接着・拡散層6を形成した。
【0036】一方、セラミックス円柱4の端部に形成し
た凹部5の底面から下端に形成した直径が1.4mmの2
つの貫通孔7から外部にそれぞれ白金線3を引き出し、
各々の貫通孔7と白金線3との隙間に封着材料(日産化
学工業(株)製、商品名ボンドX95)を充填して封着層
8を設けた通気率が3ml/m・s・atm以下の限界電流式酸素
センサを得た。
【0037】次に得られた限界電流式酸素センサのセラ
ミックス円柱4の下端を給湯器の熱交胴部銅板(図示せ
ず)に取り付け、先端を1400℃の燃焼炎中に設置
し、空気と燃料の比率を変えて、白金線3への印加電圧
と流れる電流を測定したところ、図2に示すように限界
電流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。な
お図2においてλは空気と燃料の比率、即ち空気過剰率
を示す。以下の実施例においても同じである。また3分
間毎の燃焼、冷却サイクルを1万サイクル繰り返しても
その特性に変化は見られなかった。
【0038】実施例2 図3に示すように、実施例1で得た白金線付きジルコニ
ア固体電解質円板2を、実施例1と同様の方法でセラミ
ックス円柱4の端部に形成した凹部5の側面に接着して
接着・核酸層6を形成した。一方、セラミックス円柱4
の端部に形成した凹部5の底面から下端に形成した直径
が3mmの貫通孔9からアルミナ製の保護管で覆った白金
線3を引き出すと共に白金のR型熱電対10を測温部が
ジルコニア固体電解質円板2に形成した白金電極1′に
接するようにして装着した後、貫通孔9、白金線3を覆
った保護管、保護管の両端及び熱電対10の隙間に実施
例1で用いた封着材料を充填して封着層8を設けた限界
電流式酸素センサを得た。
【0039】次に得られた限界電流式酸素センサのセラ
ミックス円柱4の下端を給湯器の熱交胴部銅板(図示せ
ず)に取り付け、先端を1400℃の燃焼炎中に設置
し、空気と燃料の比率を変えて、白金線3への印加電圧
と流れる電流を測定したところ、図4に示すように限界
電流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。ま
た熱電対の出力からの温度は1010℃と計測された。
さらに位置を変えて異なる温度での限界電流を測定した
結果においても、限界電流の温度係数が算出できた。な
お実施例2で得られた限界電流式酸素センサにおいても
3分間毎の燃焼、冷却サイクルを1万サイクル繰り返し
てもその特性に変化は見られなかった。
【0040】実施例3 実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を、直径
が4.7mmで厚さが0.9mmの円板状に成形し、大気中
で1100℃で1時間仮焼成した。この後円板状の仮焼
成体の両面に実施例1で用いた白金ペーストを20μm
の厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成し
て、図5に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一
対の白金電極1、1′を形成した直径が4.0mmで厚さ
が0.8mmのジルコニア固体電解質円板2を得た。
【0041】一方、実施例1で得たジルコニア固体電解
質成形材料を、図6に示すような形状に成形後、大気中
で1570℃で2時間焼成して、外径(寸法A)が4.
0mm、厚さ(寸法B)が1.5mm、内径(寸法C)が
2.5mmで深さ(寸法D)が0.6mmの凹部14及び外
周から1.2mmの位置に直径(寸法E)が0.6mmの細
孔12を形成した凹型ジルコニア円板11を得た。
【0042】次にジルコニア固体電解質円板2の両面に
形成された白金電極1、1′に、650℃で1.96×
104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mmの白金
線(リード線)3を接合した。
【0043】次いで上記で得た白金線付きジルコニア固
体電解質円板2の一方の白金線3を凹型ジルコニア円板
11に形成した細孔12から引き出した後、白金線付き
ジルコニア固体電解質円板2と凹型ジルコニア円板11
との接触面を実施例1で用いた封着材料を用いて密閉し
た。その後凹型ジルコニア円板11及び該凹型ジルコニ
ア円板11に密閉した白金線付きジルコニア固体電解質
円板2を外径が6.0mmで長さが6.0mmのアルミナ製
のセラミックス円柱4の端部に形成した直径が4.2mm
で深さが4.2mmの凹部5に収納し、凹型ジルコニア円
板11の下面の一部を実施例1で用いた耐熱性接着剤ペ
ーストを用いて凹部5の底面に接着固定化して接着・拡
散層13を形成すると共に、セラミックス円柱4の凹部
5の内壁と凹型ジルコニア円板11の上部側面に実施例
1で用いた耐熱性接着剤ペーストを用いて接着固定化し
て接着・拡散層6を形成した。
【0044】この後、セラミックス円柱4の端部に形成
した凹部5の底面から下端に形成した直径が0.4mmの
2つの貫通孔7から外部にそれぞれ白金線3を引き出
し、各々の貫通孔7と白金線3との隙間に実施例1で用
いた封着材料を充填して封着層8を設けた限界電流式酸
素センサを得た。
【0045】次に得られた限界電流式酸素センサのセラ
ミックス円柱4の先端を1300℃の燃焼炎中に設置し
て、限界電流式酸素センサの白金線3への印加電圧と流
れる電流を測定したところ、図7に示すように限界電流
式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。また3
分間毎の燃焼、冷却サイクルを1万サイクル繰り返して
もその特性に変化は見られなかった。
【0046】実施例4 実施例1で得たジルコニア固体電解質成形材料を、外径
が4.7mm、厚さが1.8mm及び内径が3.0mmで深さ
が0.75mmの凹部を設けて円板状に成形し、大気中で
1100℃で1時間仮焼成した。この後、円板状の仮焼
成体の両面に実施例1で用いた白金ペーストを20μm
の厚さに塗布して大気中で1570℃で2時間焼成し
て、図8に示すように異なる表面に直径が3.0mmの一
対の白金電極1、1′を形成した外径(寸法F)が4.
0mm、厚さ(寸法G)が1.5mm及び内径(寸法H)が
2.5mmで深さ(寸法I)が0.6mmの凹部18を形成
した凹型ジルコニア固体電解質円板16を得た。
【0047】一方、図9に示すように実施例1で得たジ
ルコニア固体電解質成形材料を、直径が4.7mmで厚さ
が0.9mmの円板を成形し、外周から1.2mmの位置に
直径が0.3mmの細孔12及び中央部に直径が0.5mm
の細孔12′を形成した後、大気中で1570℃で2時
間焼成して、直径が4.0mmで厚さが0.8mmのジルコ
ニア円板17を得た。
【0048】次に凹型ジルコニア固体電解質円板16の
両面に形成された白金電極1、1′に、650℃で1.
96×104Paの条件で加熱加圧して直径が0.12mm
の白金線(リード線)3を接合した。
【0049】次いで上記で得た白金線付き凹型ジルコニ
ア固体電解質円板16の一方の白金線3をジルコニア円
板17に形成した0.3mmの細孔12から引き出し、細
孔12と白金線3との隙間に実施例1で用いた封着材料
を充填して封着した後、白金線付き凹型ジルコニア固体
電解質円板16とジルコニア円板17との接触面を実施
例1で用いた封着材料を用いて密閉した。その後ジルコ
ニア円板17及び該ジルコニア円板17に密閉された白
金線付き凹型ジルコニア固体電解質円板16を外径が
6.0mmで長さが6.0mmのアルミナ製のセラミックス
円柱4の端部に形成した直径が4.2mmで深さが4.2
mmの凹部5に収納し、ジルコニア円板17の下面の一部
を実施例1で用いた耐熱性接着剤ペーストを用いて凹部
5の底面に接着固定化して接着・拡散層13を形成する
と共に、セラミックス円柱4の凹部5の内壁とジルコニ
ア円板17の上部側面に実施例1で用いた耐熱性接着剤
ペーストを用いて接着固定化して接着・拡散層6を形成
した。
【0050】この後、セラミックス円柱4の端部に形成
した凹部5の底面から下端に形成した直径が0.4mmの
2つの貫通孔7から外部にそれぞれ白金線3を引き出
し、各々の貫通孔7と白金線3との隙間に実施例1で用
いた封着材料を充填して封着層8を設けた限界電流式酸
素センサを得た。
【0051】次に得られた限界電流式酸素センサのセラ
ミックス円柱4の先端を1300℃の燃焼炎中に設置し
て、限界電流式酸素センサの白金線3への印加電圧と流
れる電流を測定したところ、図10に示すように限界電
流式酸素センサ特有の限界電流特性が測定された。また
3分間毎の燃焼、冷却サイクルを1万サイクル繰り返し
てもその特性に変化は見られなかった。
【0052】実施例5 実施例3で用いた白金ペーストに代えて、白金粉末(徳
力化学研究所製、商品名TP−1)82重量%に実施例
1で得たジルコニア固体電解質成形材料を18重量%添
加して均一に混合し、さらにこの混合物100重量部に
対してポリビニルアルコール(PVA)を0.5重量%
含有した2ブトキシエトキシジエタノールを20重量部
添加して均一に混合して得られた白金ペーストを用いて
白金電極を形成した以外は実施例1と同様の工程を経て
限界電流式酸素センサを得た。
【0053】次に得られた限界電流式酸素センサと白金
ペースト中にジルコニア成形材料を添加しないで白金電
極を形成した実施例3で得た限界電流式酸素センサのセ
ラミックス円柱の先端を1000℃の燃焼炎中に設置し
て、限界電流式酸素センサの白金電極への印加電圧と流
れる電流を測定したところ、図11に示すようにジルコ
ニア固体電解質成形材料を添加して白金電極を形成した
限界電流式酸素センサは、ジルコニア固体電解質成形材
料を添加せずに白金電極を形成した実施例3の限界電流
式酸素センサに比較し、より低い温度で限界電流特性を
示すことが明らかであった。
【0054】比較例1 8モル%の酸化イットリウムで安定化したジルコニア固
体電解質成形材料を成形し、1570℃で1時間焼成し
て幅が7mm、長さが40mm及び厚さが0.6mmのジルコ
ニア固体電解質板を得た。次にジルコニア固体電解質板
を鏡面研磨した後、図13の(a)及び(b)に示すよ
うに該ジルコニア固体電解質板21の両面に一方の端部
から1.5mmの部分に、蒸着法により厚さが1.5μm
で直径が3mmの白金電極22及び白金電極22から別の
端部まで幅が0.5mmの接続リード23を形成し、さら
に接続リード23に実施例1と同様の方法で白金線3を
接合した。
【0055】この後、一方の白金電極22及び接続リー
ド23を形成した面にポリシラザランに10重量%のポ
リアクリルアミンを添加したペーストを塗布し、窒素雰
囲気中で600℃で焼付けて多孔質の絶縁膜24を形成
した限界電流式酸素センサを得た。得られた限界電流式
酸素センサについて限界電流特性を測定したところ、6
00℃では良好な限界電流特性が測定されたが、135
0℃の燃焼炎中に入れたところ、約30秒間で断線し、
機能しなくなった。そのため燃焼炎中から取り出して調
査したところ、多孔質の絶縁膜24は剥離し、電極の白
金は丸く凝集して導電性を失っていた。
【0056】
【発明の効果】請求項1及び2記載の発明は、耐熱性及
び熱衝撃性に優れる限界電流式酸素センサである。請求
項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、一定
した限界電流が得られる限界電流式酸素センサである。
請求項4記載の発明は、耐熱性及び熱衝撃性に優れる限
界電流式酸素センサである。請求項5記載の発明は、請
求項1及び4記載の発明に加えて、拡散作用に優れる限
界電流式酸素センサである。請求項6記載の発明は、請
求項1及び4記載の発明に加えて、量産性及び信頼性に
優れる限界電流式酸素センサである。請求項7記載の発
明は、請求項1及び4記載の発明に加えて、応答性及び
リード線の接続に優れる限界電流式酸素センサである。
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明に加えて、
応答性に優れる限界電流式酸素センサである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる限界電流式酸素センサ
の断面図である。
【図2】図1(実施例1)の限界電流式酸素センサで測
定した空気と燃料の比率を変えた場合の印加電圧と電流
の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサの断面図である。
【図4】図3(実施例2)の限界電流式酸素センサで測
定した空気と燃料の比率を変えた場合の印加電圧と電流
の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサの断面図である。
【図6】図5(実施例3)の限界電流式酸素センサに用
いられる凹型ジルコニア円板の断面図である。
【図7】図5(実施例3)の限界電流式酸素センサで測
定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素セ
ンサに用いられる凹型ジルコニア固体電解質円板の断面
図である。
【図9】図8に示す凹型ジルコニア固体電解質円板を用
いた本発明の他の一実施例になる限界電流式酸素センサ
の断面図である。
【図10】図9(実施例4)の限界電流式酸素センサで
測定した印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図11】実施例5で得られた限界電流式酸素センサと
白金ペースト中にジルコニア成分を添加しない実施例1
の限界電流式酸素センサで測定した印加電圧と電流の関
係を示すグラフである。
【図12】本発明の限界電流式酸素センサを説明するた
めの断面図である。
【図13】(a)は従来の薄膜法によって得られる限界
電流式酸素センサの平面図及び(b)はその側面図であ
る。
【符号の説明】
1、1′ 白金電極 2 ジルコニア固体電解質円板 3 白金線 4 セラミックス円柱 5 凹部 6 接着・拡散層 7 貫通孔 8 封着層 9 貫通孔 10 熱電対 11 凹型ジルコニア円板 12、12′ 細孔 13 接着・拡散層 14 凹部 15 密閉層 16 凹型ジルコニア固体電解質円板 17 ジルコニア円板 18 凹部 19 空間 20 貫通孔 21 ジルコニア固体電解質板 22 白金電極 23 接続リード 24 多孔質の絶縁膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リード線が接合されている一対の電極が
    異なる表面に形成された固体電解質を、セラミックス筒
    状体端部内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部に
    形成した凹部内壁に通気性を有するように耐熱材料で接
    着固定化し、リード線はセラミックス筒状体又はセラミ
    ックス柱状体の一方の端部からセラミックス筒状体内又
    はセラミックス柱状体凹部内の上記固体電解質より内側
    を封じ外部に引き出してなる限界電流式酸素センサ。
  2. 【請求項2】 耐熱材料が通気性を有する耐熱材料であ
    る請求項1記載の限界電流式酸素センサ。
  3. 【請求項3】 固体電解質とセラミックス筒状体端部内
    側又はセラミックス柱状体端部に形成した凹部内壁との
    接着部分の通気率が80ml/cm・s・atm以下である請求項
    1又は2記載の限界電流式酸素センサ。
  4. 【請求項4】 リード線が接合されている一対の電極が
    異なる表面に形成された固体電解質を、上記電極のうち
    片側の電極を覆うようにして細孔を有するセラミックス
    板状体の外周部に耐熱材料で密閉し、かつ固体電解質及
    び細孔を有するセラミックス板状体を、セラミックス筒
    状体端部内側の筒状側壁又はセラミックス柱状体端部に
    形成した凹部内壁に耐熱材料で接着固定化し、リード線
    はセラミックス筒状体又はセラミックス柱状体の一方の
    端部からセラミックス筒状体内又はセラミックス柱状体
    凹部内の上記固体電解質より内側を封じ外部に引き出し
    てなる限界電流式酸素センサ。
  5. 【請求項5】 耐熱材料が、アルミナ、ジルコニアの1
    種以上を主成分とし、珪酸塩又はリン酸塩を副成分とし
    た耐熱材料である請求項1、2、3又は4記載の限界電
    流式酸素センサ。
  6. 【請求項6】 固体電解質が、ジルコニア固体電解質で
    ある請求項1、2、3、4又は5記載の限界電流式酸素
    センサ。
  7. 【請求項7】 電極が、ジルコニア成分を電極材料全成
    分に対して7〜40重量%含有した電極である請求項
    1、2、3、4、5又は6記載の限界電流式酸素セン
    サ。
  8. 【請求項8】 細孔が、複数個形成されており、そのう
    ちの1箇所の細孔からリード線を引き出してなる請求項
    4、5、6又は7記載の限界電流式酸素センサ。
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