JP2545401Y2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

半導体素子収納用パッケージ

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JP2545401Y2
JP2545401Y2 JP2727891U JP2727891U JP2545401Y2 JP 2545401 Y2 JP2545401 Y2 JP 2545401Y2 JP 2727891 U JP2727891 U JP 2727891U JP 2727891 U JP2727891 U JP 2727891U JP 2545401 Y2 JP2545401 Y2 JP 2545401Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は半導体素子を収容するた
め半導体素子収納用パッケージの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、半導体素子、特に半導
体集積回路素子を収容するためのパッケージは図2に示
すように、アルミナセラミックス等の電気絶縁材料から
成り、中央部に半導体素子を収容する空所を形成するた
めの凹部を有し、上面に封止用の低融点ガラス層12が被
着された絶縁基体11と、同じくアルミナセラミックス等
の電気絶縁材料から成り、中央部に半導体素子を収容す
る空所を形成するための凹部を有し、下面に封止用の低
融点ガラス層14が被着させた蓋体13と、内部に収容する
半導体素子15を外部の電気回路に電気的に接続するため
の外部リード端子16とから構成されており、絶縁基体11
の上面に外部リード端子16を載置させるととも予め被着
させておいた封止用の低融点ガラス層12を溶融させるこ
とによって外部リード端子16を絶縁基体11に仮止めし、
次に前記絶縁基体11の凹部に半導体素子15を取着すると
ともに該半導体素子15の各電極(入出力電極)をボンデ
ィングワイヤ17を介して外部リード端子16に接続し、し
かる後、絶縁基体11と蓋体13とをその相対向する各々の
主面に被着させておいた封止用の低融点ガラス層12、14
を溶融一体化させ、絶縁基体11と蓋体13とから成る容器
を気密に封止することによって製品としての半導体装置
となる。
【0003】尚、前記絶縁基体11の上面及び蓋体13の下
面に被着させた封止用の低融点ガラス層12、14は、該低
融点ガラス層12、14を絶縁基体11及び蓋体13に強固に接
着させるためその熱膨張係数がアルミナセラミックス等
の熱膨張係数に合わしたガラス、例えば酸化鉛(PbO)70.
0 重量%、酸化ホウ素(B2 O 3 )8.6重量%、酸化チタン
(TiO2 )7.8重量%、酸化ジコニウム(ZrO2 )6.7重量%を
含むガラスが使用されている。
【0004】しかしながら、近時、ICカード等、情報
処理装置は薄型化が急激に進み、該情報処理装置に搭載
される半導体装置もその厚みを薄くしたものが要求され
るようになり、同時に半導体装置を構成する半導体素子
収納用パッケージもその蓋体の厚みを0.2mm 程度として
パッケージ全体の厚みを薄型化することが要求されるよ
うになってきた。
【0005】そこで上述した従来の半導体素子収納用パ
ッケージの蓋体厚みを0.2mm 程度とし、パッケージ全体
の厚みを薄くした場合、パッケージの蓋体は通常、アル
ミナセラミックス等の電気絶縁材料より成り、該アルミ
ナセラミックスは脆弱で機械的強度が弱いことから蓋体
の厚みを薄くすると蓋体の機械的強度が大幅に低下して
しまい、その結果、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部
に半導体素子を気密に封止し、半導体装置となした後、
蓋体に外力が印加されると該外力によって蓋体が容易に
破損し、容器内部の気密封止が破れて内部に収容する半
導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させる
ことができなくなるという欠点を有していた。
【0006】また上記欠点を解消するために蓋体を機械
的強度に優れ、且つ熱膨張係数が絶縁基体及び封止用の
低融点ガラス層と近似するコバール金属や42アロイで
形成することが考えられる。
【0007】しかしながら、コバール金属や42アロイ
は絶縁基体を構成するアルミナセラミックスや封止用の
低融点ガラスと熱膨張係数が近似するものの若干の差を
有しており( コバール金属や42アロイ: 4.4 〜5.0 ×
10-6/ ℃、アルミナセラミックスおよび封止用の低融点
ガラス:6.5〜7.5 ×10 -6 / ℃) 、該コバール金属や4
2アロイ等を広面積の蓋体に使用した場合、前記熱膨張
係数の差が無視できなくなり、封止用の低融点ガラス層
を溶融させ絶縁基体と蓋体とから成る容器を気密に封止
する際、封止用の低融点ガラスを溶融させる熱が蓋体と
絶縁基体及び封止用低融点ガラス層の両者に印加される
と両者の熱膨張係数の相違に起因した熱応力によって封
止用低融点ガラス層にクラックや割れが発生したり、封
止用低融点ガラス層と蓋体との間に剥離が発生したり
し、その結果、容器の気密封止が破れ、内部に収容する
半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させ
ることができないという欠点を誘発してしまう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案はアルミナセラミ
ックス製基体と鉄合金製蓋体との間に半導体素子及び該
半導体素子の各電極がボンディングワイヤにより接続さ
れた外部リード端子とを挟持し、封止用ガラスのガラス
溶着によって内部に半導体素子を気密に封止する半導体
素子収納用パッケージにおいて、前記封止用ガラスが酸
化鉛35.0乃至55.0重量%、酸化ホウ素4.0 乃至10.0重量
%、酸化ケイ素1.0 乃至4.0 重量%に、フィラーとして
のウイレマイトを19.0乃至22.0重量%、或いはジルコン
を25.0乃至34.0重量%含有させたガラスから成ることを
特徴とするものである。
【0009】
【実施例】次に本考案を添付図面に基づき詳細に説明す
る。
【0010】図1は本考案の半導体素子収納用パッケー
ジの一実施例を示す断面図であり、1 は基体、2 は蓋体
である。この基体1 と蓋体2 とで半導体素子3 を収容す
るための容器が構成される。
【0011】前記基体1 はアルミナセラミックスから成
り、その上面中央部に半導体素子3を収容するための凹
部1aが設けてあり、該凹部1a底面には半導体素子3 がガ
ラス、樹脂、ロウ材等の接着材を介して取着固定され
る。
【0012】前記アルミナセラミックスから成る基体1
は例えば、酸化アルミニウム(Al2O 3 ) 、シリカ(SiO
2 ) 、マグネシア(MgO) 、カルシア(CaO) 等の原料粉末
を図1 に示す基体1 の形状に対応したプレス型内に充填
させるとともに一定圧力を印加して成形し、しかる後、
成形品を約15000 ℃の温度で焼成することによって製作
される。
【0013】また前記基体1 の上面にはコバール金属(F
e-Ni-Co 合金) や42アロイ(Fe-Ni合金) 等の金属から成
る外部リード端子4 の一端が封止用の低融点ガラス5 を
介して仮止めされており、該外部リード端子4 はコバー
ル金属等のインゴット(塊)を従来周知の圧延加工法及
び打ち抜き加工法を採用し所定の板状に形成することに
よって製作される。
【0014】前記外部リード端子4は内部に収容する半
導体素子3を外部電気回路に接続する作用を為し、その
一端には半導体素子3の各電極がボンディングワイヤ6
を介して接続され、外部リード端子4 を外部電気回路に
接続することによって半導体素子3 は外部電気回路と電
気的に接続されることとなる。
【0015】尚、前記外部リード端子4はその表面にニ
ッケル、金等から成る良導電性で、且つ耐蝕性に優れた
金属をメッキにより1.0 乃至20.0μm 厚みに層着させて
おくと外部リード端子4 の酸化腐食を有効に防止すると
ともに外部リード端子4 とボンディングワイヤ6 、外部
電気回路との電気的接続を良好となすことができる。そ
のため外部リード端子4 はその表面にニッケル、金等を
メッキにより1.0 乃至20.0μm の厚みに層着させておく
ことが好ましい。
【0016】また前記外部リード端子4 が仮止めされた
基体1 にはその上面に蓋体2 が、該蓋体2 の下面に被着
させた封止用の低融点ガラス7 と基体1 の上面に被着さ
せた封止用の低融点ガラス5 とを溶融一体化させること
よって接合され、これによって基体1 と蓋体2 とから成
る容器内部に半導体素子3 が気密に封止される。
【0017】前記蓋体2 はコバール金属(Fe-Ni-Co合
金) や42アロイ(Fe-Ni 合金) 等の鉄合金から成り、
該コバール金属等のインゴット( 塊) を従来周知の金属
圧延加工法及び打ち抜き加工法を採用し、所定の板状に
成形することによって製作される。
【0018】前記蓋体2 を構成する鉄合金はアルミナセ
ラミックス等の脆性材料ではないためその厚みを0.2mm
程度としても外力印加によって破損することはない。従
って、蓋体2 の厚みを0.2mm 程度としパッケージの全体
厚みを薄型化しても容器内部の気密封止を維持すること
ができ容器内部に収容する半導体素子3 を長期間にわた
り正常、且つ安定に作動させることが可能となる。
【0019】尚、前記蓋体2 はその表面を高融点ガラス
2aで被覆しておくと、該高融点ガラス2aは導電性である
蓋体2 の電気的絶縁を図り、蓋体2 に半導体素子3 の電
極を外部リード端子4 に接続するボンディングワイヤ6
が接触し、半導体素子3 の電極間に短絡を生じたり、半
導体素子3 に外部から不要な電気が流れ、半導体素子3
の特性に変化が生じるのを有効に防止することができ
る。従って、半導体素子3 を信頼性高く安定に作動させ
るためには蓋体2 の表面を高融点ガラス2aで被覆してお
くことが好ましい。この場合、高融点ガラス2aとして
は、例えば酸化鉛(PbO) 40.0乃至60.0重量%、酸化ケイ
素(SiO 2)20.0 乃至40.0重量%、酸化ホウ素(B2 O 3 )
5.0乃至10.0重量%を含むガラス、或いは酸化ケイ素(Si
O 2)40.0 乃至60.0重量%、酸化バリウム(BaO)20.0 乃
至35.0重量%、酸化カルシウム(CaO) 5.0 乃至15.0重量
%を含むガラスが蓋体2 の熱膨張係数に近似した熱膨張
係数を有し、蓋体2 に強固に被覆させることが可能とな
るため好適に使用され、これらのガラスは融点が600 乃
至900 ℃と高いことから基体1 と蓋体2 とを封止用の低
融点ガラス5 、7 を加熱溶融させて接合させる際、封止
用低融点ガラス5 、7 を加熱溶融させるための熱が印加
されたとしても溶融することはなく、蓋体2 の電気的絶
縁を維持することが可能となる。
【0020】また前記基体1 の上面に被着させた封止用
の低融点ガラス5 及び蓋体2 の下面に被着させた封止用
の低融点ガラス7 はそれぞれ酸化鉛35.0乃至55.0重量
%、酸化ホウ素4.0 乃至10.0重量%、酸化ケイ素1.0 乃
至4.0 重量%に、フィラーとしてのウイレマイトを19.0
乃至22.0重量%、或いはジルコンを25.0乃至34.0重量%
含有させたガラスから成り、両者を加熱溶融させ一体化
させることによって基体1 と蓋体2 とから成る容器内部
に半導体素子3 を気密に封止する。
【0021】前記封止用の低融点ガラス5 、7 はその熱
膨張係数が5.5 〜6.0 ×10-6/ ℃であり、基体1を構成
するアルミナセラミックスの熱膨張係数(6.5〜7.5 ×10
-6/℃) と蓋体2 を構成するコバール金属や42アロイ等
の鉄合金の熱膨張係数(4.1〜5.5 ×10-6/ ℃) の中間の
値であり、そのため基体1 と蓋体2 とを封止用低融点ガ
ラス5 、7 を溶融一体化させることによって接合させ、
基体1 と蓋体2 とから成る容器内部に半導体素子3 を気
密に封止する際、蓋体2 と溶融一体化した封止用低融点
ガラス5 、7 の間及び溶融一体化した封止用低融点ガラ
ス5 、7 と基体1 との間には大きな熱応力が発生するこ
とは無く、その結果、封止用低融点ガラス5 、7 に前記
熱応力によってクラックや割れ等が発生したり、蓋体2
が封止用低融点ガラス5 、7 より剥離したりすることは
ない。
【0022】尚、前記封止用の低融点ガラス5 、7 は酸
化鉛の量が35.0重量%未満であるとガラスの熱膨張係数
が小さくなって基体1 の熱膨張と合わなくなり、また5
5.0重量%を越えるとガラスの結晶化が進んで容器の気
密封止が困難となるとともに耐薬品性が劣化して容器の
気密封止の信頼性が大きく低下するため酸化鉛は35.0乃
至55.0重量%の範囲に限定される。
【0023】また酸化ケイ素が1.0 重量%未満であると
ガラスの結晶化が進んで容器の気密封止が困難となり、
また4.0 重量%を越えるとガラスの熱膨張係数が小さく
なって基体1 の熱膨張係数と合わなくなるため酸化ケイ
素は1.0 乃至4.0 重量%の範囲に限定される。
【0024】また酸化ホウ素が4.0 重量%未満であると
ガラスの熱膨張係数が大きくなって蓋体の熱膨張と合わ
なくなり、また10.0重量%を越えるとガラスの耐薬品性
が劣化して容器の気密封止の信頼性が大きく低下するた
め酸化ホウ素は4.0 乃至10.0重量%の範囲に限定され
る。
【0025】またフィラーとしてのウイレマイトが19.0
重量%未満、或いはジルコンが25.0重量%未満であると
ガラスの熱膨張係数が小さくなって基体1 の熱膨張と合
わなくなり、またウイレマイトが22.0重量%を越え、或
いはジルコンが34.0重量%を越えるとガラスの熱膨張係
数が大きくなって蓋体2 の熱膨張と合わなくなるためウ
イレマイトは19.0乃至22.0重量%に、またジルコンは2
5.0乃至34.0重量%の範囲に限定される。
【0026】かくして本考案の半導体素子収納用パッケ
ージによれば、基体1 の凹部1a底面に半導体素子3 を接
着材を介して取着固定するとともに該半導体素子3 の各
電極をボンディングワイヤ6 により外部リード端子4 に
接続させ、しかる後、基体1と蓋体2 とをその各々の相
対向する主面に予め被着させておいた封止用の低融点ガ
ラス5 、7 を加熱溶融させ、接合させることによって、
基体1 と蓋体2 とから成る容器内部に半導体素子3 を気
密に封止し、これによって製品としての半導体装置が完
成する。
【0027】
【考案の効果】本考案の半導体素子収納用パッケージに
よれば、基体をアルミナセラミックスで、蓋体を鉄合金
で形成するとともに封止用の低融点ガラスをその熱膨張
係数が基体と蓋体の熱膨張係数の中間にある酸化鉛35.0
乃至55.0重量%、酸化ホウ素4.0 乃至10.0重量%、酸化
ケイ素1.0 乃至4.0 重量%に、フィラーとしてのウイレ
マイトを19.0乃至22.0重量%、或いはジルコンを25.0乃
至34.0重量%含有させたガラスで形成したことから基体
と蓋体とを封止用低融点ガラスで接合させ、基体と蓋体
とから成る容器内部に半導体素子を気密に封止する際、
蓋体と封止用低融点ガラスの間および封止用低融点ガラ
スと基体の間に発生する熱応力は極めて小さなものとな
り、その結果、封止用低融点ガラスに前記熱応力によっ
てクラックや割れ等が発生したり、蓋体が封止用低融点
ガラスより剥離したりすることは一切なく、常にパッケ
ージの気密封止を完全となし、内部に収容する半導体素
子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させることが
可能となる。
【0028】また蓋体の厚みを薄くすることが可能なこ
とからパッケージの全体厚みも薄型化でき、近時の薄型
化が進む情報処理装置に搭載される半導体装置への適用
も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の半導体素子収納用パッケージの一実施
例を示す断面図である。
【図2】従来の半導体素子収納用パッケージの一実施例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・基体 2・・・・蓋体 2a・・・高融点ガラス 3・・・・半導体素子 4・・・・外部リード端子 5,7・・封止用の低融点ガラス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−152242(JP,A) 特開 昭59−154044(JP,A) 特開 昭55−42277(JP,A) 特開 昭56−116648(JP,A) 特開 昭55−51735(JP,A) 特開 昭56−114364(JP,A) 特開 昭62−191442(JP,A) 特開 昭55−7563(JP,A) 特開 昭50−73915(JP,A) 実開 昭53−130974(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナセラミックス製基体と鉄合金製蓋
    体との間に半導体素子及び該半導体素子の各電極がボン
    ディングワイヤにより接続された外部リード端子とを挟
    持し、封止用ガラスのガラス溶着によって内部に半導体
    素子を気密に封止する半導体素子収納用パッケージにお
    いて、前記封止用ガラスが酸化鉛35.0乃至55.0重量%、
    酸化ホウ素4.0 乃至10.0重量%、酸化ケイ素1.0 乃至4.
    0 重量%に、フィラーとしてのウイレマイトを19.0乃至
    22.0重量%、或いはジルコンを25.0乃至34.0重量%含有
    させたガラスから成ることを特徴とする半導体素子収納
    用パッケージ。
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