JP2908932B2 - 電子部品収納用パッケージ - Google Patents

電子部品収納用パッケージ

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    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品を収納する電
子部品収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子部品収納用パッケージは、一
般に、電子部品が載置されるためのアルミナセラミック
ス等の電気絶縁材料からなる基体と、同じくアルミナセ
ラミックス等の電気絶縁材料からなり、電気絶縁基体と
ともにパッケージ本体を形成する蓋体と、パッケージ本
体から外方に延びる多数のリード端子とを備えている。
絶縁基体に固定された電子部品は、その電極がリード端
子の一端にボンディングワイヤを介して接続される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近の電子部品におい
ては、高密度化、高集積化が急激に進み電極数が増大し
ており、これを収納するパッケージの外部リード端子も
数が増大している。このため、外部リード端子はその線
幅が極めて細くなり、インダクタンスが20nH程度と
大きくなってきている。したがって、外部リード端子を
介して電源電圧、接地電圧を電子部品に供給する場合、
信号のオン、オフ時に外部リード端子の高インダクタン
スに起因してノイズが発生し、これによって電子部品に
誤動作を招くという問題がある。
【0004】本発明の目的は、外部リード端子のインダ
クタンスを減らし、電子部品の誤動作を減らすことにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子部品収
納用パッケージは、絶縁基体と、絶縁蓋体と、複数のリ
ード端子と、厚膜アルミニウム質メタライズ層とを備え
ている。絶縁基体は、電子部品が載置されるものであ
り、窒化アルミニウム質焼結体で構成されている。前記
絶縁蓋体は、絶縁基体上に固定され、絶縁基体とともに
電子部品を収納するパッケージ本体を形成している。前
記複数のリード端子は、パッケージ本体の外部の延びて
いる。前記厚膜アルミニウム質メタライズ層は、絶縁基
体上に形成されており、複数のリード端子の一部が接続
されていてかつ電子部品のボンディングワイヤが接続可
能である。
【0006】
【作用】本発明に係る電子部品収納用パッケージでは、
絶縁基体上に形成されたメタライズ層に複数のリード端
子の一部が接続されている。ここで、メタライズ層は絶
縁基体上に形成されているので、その面積を十分広く確
保することができる。このため、このメタライズ層に接
続されるリード端子のインダクタンスを低減できる。し
たがって、電源用あるいは接地用のリード端子をメタラ
イズ層に接続すれば、信号オン、オフ時の電源ノイズを
低減でき、電子部品の誤動作を抑えることができる。
【0007】
【実施例】図1に、本発明の一実施例が採用された半導
体素子収納用パッケージ1を示す。半導体素子収納用パ
ッケージ1は、主に、基体2と、蓋体3と、複数の外部
リード端子8とから構成されている。基体2及び蓋体3
は、概ね四角形の板状の部材であり、電気絶縁材料であ
る窒化アルミニウム質焼結体から構成されている。基体
2及び蓋体3は、窒化アルミニウム質焼結体から構成さ
れているために、熱伝導率が150W/m・K以上であ
る。また、基体2及び蓋体3の厚みは、0.3〜0.5
mmである。
【0008】基体2の上面2aの外周の全面部分には、
図2に示すように、厚膜アルミニウム質メタライズから
なるメタライズ層4が形成されている。メタライズ層4
の膜厚は、5〜500μmの範囲が好ましく、10〜2
00μmの範囲であればより好ましい。なお、メタライ
ズ層4が厚膜アルミニウムではなく、物理蒸着、スパッ
タリング等で形成された薄膜アルミニウムであれば、次
のような欠点がある。すなわち、メタライズ層が薄くな
ると、リード端子8aとの接合強度が低くなり、電気抵
抗が高くなる。薄膜アルミニウムで膜厚を厚くしていく
と、メタライズの内部の歪みが大きくなり、基体との密
着強度が低下する。
【0009】また、材料としてのアルミニウムは、窒化
アルミニウムからなる基体2と濡れ性が良いため接合強
度が高いし、また安価である。しかし、銀−パラジウ
ム、銅等の厚膜は、厚膜中のガラスフリットと窒化アル
ミニウム質焼結体との接合強度が低くなる。さらに、銀
−パラジウムは高価であり、銅は封止ガラスを溶融させ
る際に酸化してしまう。
【0010】上面2aの中央部分のメタライズ層4が形
成されていない部分に、樹脂、ガラス、半導体等の接着
剤を介して半導体素子5が固着されている。基体2と蓋
体3は、メタライズ層4上に固着された枠状の第1ガラ
ス層6と、蓋体3側に固着された枠状の第2ガラス層7
とより固定されてパッケージ本体を構成している。第1
ガラス層6及び第2ガラス層7は互いに融合した状態で
硬化しており、パッケージ1内部を気密に封止してい
る。なお、第1ガラス層6は、メタライズ層4上にすべ
てに形成されておらず、一部のメタライズ層4はパッケ
ージ1内で露出している。
【0011】第1ガラス層6と第2ガラス層7との間に
は、たとえばコバール等の導電性材料からなる複数の外
部リード端子8が固着されている。各外部リード端子8
は、パッケージ1の内部から外方に延びており、パッケ
ージ内において、半導体素子5のボンディングワイヤ9
により半導体素子5の各電極に接続されている。ここで
は、接地用の外部リード端子8aが少なくとも1本、好
ましくは2本以上(全端子数に対して1〜50%)がパ
ッケージ1内部で下方に屈曲し、メタライズ層4に接合
している。接地用外部リード端子8aに対応するボンデ
ィングワイヤ9aは、メタライズ層4に接合している。
これにより、接地用外部リード端子8aのインダクタン
スは小さくなる。
【0012】次に、上述した半導体素子収納用パッケー
ジ1の製造方法を説明する。まず、粉末状の材料からプ
レス成型及び焼成により基体2及び蓋体3を形成する。
その後、基体2の上面2aの中央部に接着剤層を形成す
る。この接着剤層は、低融点ガラスのペーストを複数回
印刷し、一度溶融させて内部のバインダーを飛散させて
形成する。基体2上にメタライズ層4を形成するには、
アルミニウム質粉末を主体とするペースト(チタン、ジ
ルコニウム等の活性金属を配合したもの)を基体2上に
スクリーン印刷で塗布した後に焼成して焼き付ける方法
と、溶融アルミニウム質金属を溶射して形成する方法と
がある。このメタライズ層形成時に、窒化アルミニウム
からなる基体2の表面が、高温下で酸化雰囲気中で加熱
形成されたアルミナ酸化膜を有していると、メタライズ
層4の密着性が向上する。
【0013】続いて、スクリーン印刷法またはプリフォ
ームガラスを用いて、第1ガラス層6になるガラス層を
メタライズ層4上に固着する。次に、外部リード端子
8,8aを第1ガラス層6上に仮止めする。この際に
は、加熱によって第1ガラス層6を僅かに溶融させ、そ
の中に外部リード端子8,8aを埋め込む。外部リード
端子の材料としては、窒化アルミニウムと熱膨張係数を
合わせるために、コバール合金、42合金等を用いる。
外部リード端子8aは、超音波、電気溶接、レーザ加熱
等の方法により、直接メタライズ層4に接合する。ま
た、ろう材により接合してもよい。
【0014】この後、基体2の上面2aの中央部に被着
された接着剤層上に半導体素子5を載置し、再度接着剤
層を溶融させて半導体素子5を基体2に対して固定す
る。続いて、ボンディングワイヤ9,9aを用いて半導
体素子5の電極と各外部リード端子8とを接続する。こ
こで、接地用の電極に接続されたボンディングワイヤ9
aは、メタライズ層4に接合する。
【0015】次に、第2ガラス層7が固着された蓋体3
を基体2の上方から被せる。この状態から、加熱により
第1ガラス層6及び第2ガラス層7を一体溶融させ、両
者間を接合することによってパッケージ1内部を気密封
止する。次に、製造後の動作について説明する。外部リ
ード端子からパッケージ1内部の半導体素子5に電源電
圧及び信号が供給される。ここでは、接地用外部リード
端子8aがメタライズ層4に接続されているためにイン
ダクタンスが小さくなり、電源投入時及び遮断時の電気
的ノイズが低減する。このため、半導体素子に誤動作が
生じにくい。
【0016】ここでは、基体2は窒化アルミニウム質焼
結体からなるため、半導体素子5に発生する熱を効率良
く外部に伝達することが可能である。また、窒化アルミ
ニウム質焼結体は、強度がJIS3点曲げ法で40〜6
0kg/mm2 と高いために、基体2及び蓋体3の厚み
は極めて薄いものとなり(外寸28mm角で0.3〜
0.5mm)、パッケージ1の薄型化及び軽量化が達成
されている。また、薄型化しても十分な強度を維持して
いる。
【0017】なお、図1及び図2に示された前記実施例
において、208本の外部リード端子を有し、28mm
角のフラットパッケージに本発明の一実施例を採用する
と、外部リード端子の自己インダクタンスは5nH以下
となった。一般に、メタライズ層4を有しないパッケー
ジにおいては、外部リード端子の自己インダクタンス
は、少なくとも10nH以上である。
【0018】〔実験例〕 1) 28mm角の窒化アルミニウムからなる基体の表
面外周部に純度99%のアルミニウムをプラズマ溶射
し、130μmの厚みのメタライズ層を形成した。ここ
では、窒化アルミニウム基体上にアルミナ層が先に形成
されていたか否かによって、メタライズ層のピール強度
(コバール合金からなる外部リード端子を超音波圧接に
より接合した後のメタライズ層の強度)が異なった。す
なわち、表面に1.2μmのアルミナ層を有する基体に
おいては、メタライズ層のピール強度が12〜20kg
/mm2 であり、アルミナ層のない場合には10〜20
kg/mm2 であった。
【0019】このように、窒化アルミニウム基体上にア
ルミナ層が形成されていると、メタライズ層のピール強
度が向上し良い結果が得られる。 2) 前記実験例と同様な基体上に、3wt%シリコン
を含有するアルミニウムをプラズマ溶射により50μm
の厚みに形成した。表面にアルミナ層を有する場合に
は、メタライズ層のピール強度は7〜20kg/mm2
であり、アルミナ層がない場合にはピール強度が8〜1
9kg/mm2 であった。 3) 97wt%のアルミニウムと3wt%のチタンの
混合パウダーペーストを前記実施例と同様の窒化アルミ
ニウム基体上にスクリーン印刷した後に、真空中で11
50℃の温度で20分間加熱した。その結果、窒化アル
ミニウム基体上に18μmの厚みのアルミニウム質メタ
ライズ膜が形成された。この膜のピール強度は、窒化ア
ルミニウム基体上にアルミナ層があった場合には8〜2
5kg/mm2 であり、アルミナ層がなかった場合には
8〜21kg/mm2 であった。
【0020】前記実験例1〜3では、コバール合金から
なる外部リード端子をスポット溶接した後も、メタライ
ズ層のピール強度は低下しなかった。実験例1〜3で得
られた窒化アルミニウム基体に、封止ガラス層を固着
し、その上に多数の外部リード端子を固着した。ここで
は、外部リード端子の数は208本であり、そのうち1
2本がメタライズ層にスポット溶着された。メタライズ
層に接合された外部リード端子の自己インダクタンス
は、2.3〜3.2nHであり、従来のパッケージの電
源(グランド)系リード端子の自己インダクタンス1
0.2〜14.9nHに比べて、大幅に低減された。
【0021】〔他の実施例〕 (a) 前記実施例においては、接地用の外部リード端
子をパッケージ1内でメタライズ層4と接合したが、図
3に示すように外部に露出したメタライズ層4と接合さ
せてもよい。この場合には、第1ガラス層6を形成する
際に、メタライズ層4の一部が外部に露出するように配
置する。 (b) 前記実施例では、メタライズ層4を基体2の上
面2aの外周部に広い面積で形成しており、複数の接地
用外部リード端子8a及び接地用ボンディングワイヤ9
aが接合されている。ここで、電源用のリード端子8の
インダクタンスを減らすためには、接地用のメタライズ
層4以外に、これと絶縁して電源用のメタライズ層を形
成する必要がある。この場合は、電源用の外部リード端
子8及び接地用の外部リード端子8aのインダクタンス
が減少し、半導体素子5の誤動作をより少なくすること
ができる。 (c) 前記実施例では、本発明を平板な絶縁基体を用
いるパッケージに採用したが、中央に設けられた凹部内
に半導体素子を収納する絶縁基体が用いられるパッケー
ジに採用してもよい。 (d) 前記実施例は、半導体素子収納用パッケージで
あったが、他の電子部品を収納するパッケージにも本発
明を用いることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る電子部品収納用パッケージ
では、複数のリード端子の一部が形成されていてかつ電
子部品のボンディングワイヤが接続可能なメタライズ層
が、絶縁基体上に形成されている。このメタライズ層
に、電源用または接地用のリード端子を接続することに
より、リード端子のインダクタンスが減少し、電子部品
に誤動作が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体素子収納用パッ
ケージの縦断面図。
【図2】基体及びメタライズ層の上面図。
【図3】別の実施例による図1に相当する図。
【符号の説明】
1 半導体素子収納用パッケージ 2 基体 3 蓋体 4 メタライズ層 5 半導体素子 2a 上面 8,8a 外部リード端子 9,9a ボンディングワイヤ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品が載置される絶縁基体と、前記絶
    縁基体上に固定され、前記絶縁基体とともに前記電子部
    品を収納するパッケージ本体を形成する絶縁蓋体と、前
    記パッケージ本体の外部に延びる複数のリード端子から
    なる電子部品収納用パッケージであって、 前記絶縁基体を窒化アルミニウム質焼結体で構成すると
    ともに、該絶縁基体上に前記複数のリード端子の一部が
    接続されていてかつ前記電子部品のボンディングワイヤ
    が接続可能な厚膜アルミニウム質メタライズ層を備えて
    いることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
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