JP4720403B2 - サージアブソーバ及びサージアブソーバの製造方法並びに電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents

サージアブソーバ及びサージアブソーバの製造方法並びに電子部品及び電子部品の製造方法 Download PDF

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本発明は、サージアブソーバ及びサージアブソーバの製造方法並びに電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
従来、例えばマイクロギャップを有するサージ吸収素子を用いたサージアブソーバが提案されている。このサージアブソーバは、導電性被膜で被覆した円柱状のセラミックス部材の周面に、いわゆるマイクロギャップが形成され、セラミックス部材の両端に一対のキャップ電極を有するサージ吸収素子が封止ガスと共にガラス管内に収容され、円筒状のガラス管の両端にリード線を有する封止電極が高温加熱で封止された放電型サージアブソーバである。
近年、このような放電タイプのサージアブソーバにおいても、長寿命化が進んでいる。上記サージアブソーバに適応した例としては、キャップ電極の主放電が行われる面にキャップ電極よりも放電時の揮散性が低いSnOを被覆層としたものがある。このようにすることによって、主放電時にキャップ電極の金属成分がマイクロギャップやガラス管の内壁に飛散することを抑制して長寿命化を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
また、半導体装置、圧電振動子、表面弾性波素子などをパッケージ内の搭載予定部に載置して収容することで、実用に供される電子部品が製造されている。このような電子部品において、例えばパッケージの枠体と底体とは、ロウ材を用いてロウ付けすることによって接合されている。
このような電子部品において、ロウ付け時にロウ材を溶融すると、溶融したロウ材が接合部分以外である底体の半導体装置などを搭載する搭載予定部に流れ込むことによって、形状不良が発生して半導体装置などの搭載不良などが生じることがある。
そこで、枠体の底体と対向する面に段差を設けることでロウ材溜り部を形成し、溶融によって流れ込むロウ材が接合部分以外に流れ込むことを防止した電子部品が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−106712号公報 (第5頁、第1図) 特開2000−236034号公報(図1)
しかしながら、上記従来のサージアブソーバには、以下の課題が残されている。すなわち、従来のサージアブソーバでは、例えば化学蒸着(CVD)法などの薄膜形成法によってSnO被膜が形成されているが、SnO被膜のキャップ電極に対する付着力が弱いために、主放電時のSnO被膜の剥離により、SnO被膜の特性を十分に発揮させることができないという問題がある。
また、上記従来の電子部品では、ロウ付け時に溶融したロウ材が流れ込まないように、ロウ材溜り部のように別途加工を施す必要があるという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高温領域で化学的安定性に優れ、かつ主放電が行われる電極に対する付着力の優れた酸化物層が被覆されたことにより、長寿命化したサージアブソーバ及び製造方法を提供することを目的とする。また、溶融したロウ材の流れ込みを防止する加工を別途施すことなく、ロウ付け時に溶融したロウ材が接合部分以外に流れ込むことを容易に防止するサージアブソーバ及び製造方法並びに電子部品及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサージアブソーバは、放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材と、該絶縁性部材を介して対向配置されて前記導電性被膜に接触し、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理すると酸化する一対の主放電電極部材と、内部に前記絶縁性部材を封止ガスと共に封入する絶縁性管とを備えるサージアブソーバであって、前記主放電電極部材と前記絶縁性管との間に前記ガス雰囲気中で加熱処理することで前記主放電電極部材と前記絶縁性管とを加熱接着する接着剤が介在し、前記主放電電極部材の前記接着剤との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材を、それぞれ前記導電性被膜に接触するように前記絶縁性部材を介して対向配置された一対の導電性を有すると共に酸化可能である主放電電極部材と、絶縁体である絶縁性管とによって封止ガスと共に封止する封止工程を備え、該封止工程が、前記主放電電極部材と前記絶縁性管との間に加熱接着する接着剤を介在させ、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理して前記主放電電極部材と前記絶縁性管との接着を行うと共に、前記主放電電極のうち前記接着剤との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜を形成することを特徴とする。
この発明によれば、外部から侵入したサージなどの異常電流及び異常電圧を、放電ギャップでの放電をトリガとして一対の主放電電極部材の対向する面である主放電面間で主放電を行うことによって、サージを吸収する。この際、主放電電極部材と絶縁性管との間に接着剤を介在させた状態で混合ガス雰囲気中において加熱処理することで、主放電電極部材に対して別途酸化処理を行うことなく、主放電電極部材の接着剤と非接触である部分の表面が接着と同時に酸化される。したがって、別途酸化処理を主放電電極部材に対して行う必要がない。このように、主放電電極部材の主放電面に酸化膜を形成すると、高温領域で化学的安定性に優れた主放電面とすることができる。以上より、主放電時に主放電面の電極成分が飛散して放電ギャップや絶縁性管内壁などに付着することを抑制して、長寿命化を図ることができる。
また、この酸化膜は、主放電面との付着力が優れているので、酸化膜の特性を十分に発揮することができる。そして、高温領域で化学的安定性に優れる高価な金属を主放電電極部材として使用する必要がないため、主放電電極部材に安価な金属材料を用いることができる。
また、本発明のサージアブソーバは、前記接着剤が、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材であることが好ましい。
また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、前記接着剤が、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材であることが好ましい。
この発明によれば、主放電電極部材と絶縁性管との間にロウ材を介在させた状態で混合ガス雰囲気中において加熱処理することで、主放電電極部材のロウ材との非接触部分の表面が酸化され、ロウ材に対してぬれにくくなる。これにより、主放電電極部材の外表面にロウ材が流れ込むことを防止する。したがって、形状不良や寸法バラツキを抑制することができる。
また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、前記気体が、二酸化炭素であり、前記ガス雰囲気中に5容積%以上70容積%以下の割合で混合されていることが好ましい。
この発明によれば、二酸化炭素を5容積%以上含有するガス雰囲気中で封止工程を行うことで、酸化可能な主放電電極部材の接着剤との非接触部分の表面に酸化膜を確実に形成することができる。また、二酸化炭素を70容積%以下とすることで、接着剤が酸化されることや接着部位が酸化されることによって接着剤自体の接着力や接着剤と接着部位との接着性が劣化することを防止し、接着剤による封止性を良好に維持することができる。
また、本発明のサージアブソーバの製造方法は、前記封止工程が、前記主放電電極部材と前記絶縁性管とで封止された前記気体の構成元素である酸素を、すべて前記主放電電極部材と反応させることが好ましい。
この発明によれば、気体に含まれる構成元素の酸素をすべて主放電電極部材の酸化に用いることで、放電開始電圧のバラツキを抑制することができる。すなわち、封止工程後の放電空間内に構成元素として酸素を有する気体を含有しないようにすることで、封止工程時の加熱温度などの加熱条件が一様とならない場合であっても、放電空間内のガス成分を一定にすることができる。したがって、放電開始電圧のバラツキが抑制される。
また、構成元素に酸素を含む気体が放電空間内に残存していないので、放電空間内が負圧になり、また放電開始電圧を低く設定することができる。
また、本発明の電子部品は、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱すると酸化する第1接合部材と第2接合部材との間を銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材で前記ガス雰囲気中で加熱処理することでロウ付けした電子部品であって、前記第1接合部材の前記ロウ材との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱すると酸化する第1接合部材と第2接合部材との間に、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材を介在させ、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理して前記第1接合部材と前記第2接合部材とを接着すると共に、前記第1接合部材のうち前記ロウ材との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜を形成するロウ付け工程を備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、不活性ガスと構成元素に酸素を含むガスとの混合ガス雰囲気中で加熱処理することで、酸化可能な第1接合部材が構成元素に酸素を含むガスによってロウ材と非接触である部分が酸化されて表面に酸化膜が形成される。したがって、上述と同様に第1接合部材に別途ロウ材が流れ込まないようにする加工を施すことなく、溶融したロウ材が第1接合部材の接合部分以外に流れ込むことを防止する。
本発明のサージアブソーバ及びサージアブソーバの製造方法によれば、構成元素に酸素を含有するガスを混合した気体中で封止を行うことで、主放電電極部材の接着剤との非接触部分に酸化膜が形成されるので、主放電電極部材に対して別途酸化処理を行うことなく主放電面に酸化膜を形成することができ、サージアブソーバの長寿命化を図ると共に、製造コストの削減が可能となる。
また、本発明の電子部品及び電子部品の製造方法によれば、ロウ付けと同時に酸化可能な第1接合部材のロウ材と接触していない部分の表面に酸化膜が形成されてロウ材に対するぬれ性を低下させる。これにより、溶融したロウ材が第1接合部材の接合部分以外に流れ込むことを防止する。したがって、第1及び第2接合部材のロウ付けによる寸法誤差の発生を抑制する。
以下、本発明にかかるサージアブソーバ及び製造方法の第1の実施形態を、図1を参照しながら説明する。
本実施形態によるサージアブソーバ1は、図1に示すように、いわゆるマイクロギャップを使用した放電型サージアブソーバであって、周面に中央の放電ギャップ2を介して導電性被膜3が分割形成された円柱状の円柱状セラミックス(絶縁性部材)4と、この円柱状セラミックス4の両端に対向配置され導電性被膜3に接触する一対の主放電電極部材5と、これら一対の主放電電極部材5を両端に配して、封止ガス6と共に封止する筒型セラミックス(絶縁性管)7とを備えている。
円柱状セラミックス4は、ムライト焼結体などのセラミックス材料からなり、表面に導電性被膜3として物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法の薄膜形成法によるTiN(窒化チタン)などの薄膜が形成されている。
放電ギャップ2は、レーザカット、ダイシング、エッチングなどの加工によって0.01から1.5mmの幅で1から100本形成されるが、本実施形態では、150μmのものを1本形成している。
一対の主放電電極部材5は、それぞれ平板状の端子電極部材11とキャップ電極12とによって構成されている。
端子電極部材11は、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、及びCo(コバルト)の合金であるコバール(KOVAR:登録商標)で構成されており、酸化可能となっている。また、後述するロウ付け工程を行うことによって、一対の端子電極部材11の互いに対向する面を除く外表面に厚さ0.01μmの酸化膜11Aが形成されている。そして、一対の端子電極部材11の互いに対向する面には、ロウ材(接着剤)13が塗布されている。
このロウ材13は、銀及び銅を主成分としており、図1(b)に示すように、一対の端子電極部材11とキャップ電極12との接触面に形成された間隙14を埋める充填部15と、キャップ電極12の両端でキャップ電極12の外周面を保持する保持部16とを備えている。
なお、保持部16の高さhは、キャップ電極12の高さよりも低く形成されている。これにより、キャップ電極12の互いに対向する面が主放電面12Bとなる。
キャップ電極12は、円柱状セラミックス4よりも高度が低く、塑性変形できる、例えばステンレスなどの酸化可能な金属からなり、断面ほぼU字状に形成されている。また、後述するロウ付け工程を行うことによって、一対のキャップ電極12のロウ材13と非接触となっている部分の外表面に厚さ0.01μm以上の酸化膜12Aが形成されている。
封止ガス6は、円柱状セラミックス4を内部に所望の電気特性を得るために組成などを調整されたガスであって、Ar(アルゴン)とCO(二酸化炭素)とを、それぞれ40容積%、60容積%で混合した混合ガスである。
筒型セラミックス7は、例えばAl(アルミナ)などの絶縁性セラミックス材料によって構成されており、断面長方形を有し、両端面外形が端子電極部材11の周縁部の外周寸法とほぼ一致している。
次に、以上の構成からなる本実施形態のサージアブソーバ1の製造方法について説明する。
まず、一対の端子電極部材11及びキャップ電極12を所望の形状に加工し、キャップ電極12を円柱状セラミックス4の両端に係合させる。続いて、筒型セラミックス7の両端面に、ロウ材13とのぬれ性を向上させるために、例えば、モリブデン(Mo)−タングステン(W)層とNi層とを各1層ずつ備えるメタライズ層を形成する。
続いて、封止工程について説明する。これは、一方の端子電極部材11の一面に、保持部16を形成するのに十分な量のロウ材13を塗布して端子電極部材11の中央領域上に、キャップ電極12が係合された円柱状セラミックス4を載置して端子電極部材11とキャップ電極12とを接触させる。次に、端子電極部材11の周縁部に筒型セラミックス7の端面を載置する。
さらに、筒型セラミックス7の他方の端面にロウ材13が塗布されたもう一方の端子電極部材11を載置することで仮組みの状態とする。
そして、ロウ付け工程(封止工程)を行う。これは、上述のように仮組みした状態の素子をArとCOとの混合ガス雰囲気中で加熱処理を780℃、1分で行うことで、ロウ材13が溶融し、端子電極部材11とキャップ電極12とが密着する。ここで、COの混合割合は、60容積%となっている。
このとき、溶融によりロウ材13の充填部15がキャップ電極12と端子電極部材11との間に存在する間隙14を埋める。また、ロウ材13の表面張力によって形成された保持部16が、キャップ電極12の両端部を埋め込むようにして保持する。さらに、端子電極部材11のロウ材13と接していない外表面と、キャップ電極12のロウ材13と接していない外表面とが、混合ガスのCOによって酸化され、膜厚0.01μm以上の酸化膜11A、12Aが形成される。
その後、急速に冷却することで、サージアブソーバ1が製造される。
このようにして製造したサージアブソーバ1を、例えば、図2に示すように、プリント基板などの基板B上に筒型セラミックス7の一側面である実装面7Aを基板B上に載置し、基板Bと一対の端子電極部材11の外面とをハンダSによって接着固定して使用する。
上記のサージアブソーバ1及びサージアブソーバの製造方法によれば、ロウ付け工程によって端子電極部材11及びキャップ電極12のロウ材13と接触しない部分の表面に酸化膜11A、12Aが形成されることで、主放電面12Bを高温領域で化学的安定性に優れたものとすることができる。したがって、主放電時に主放電面12Bの金属成分が飛散して放電ギャップ2や筒型セラミックス7の内壁などに付着することを抑制する。したがって、サージアブソーバ1の長寿命化を図ることができる。
また、キャップ電極12に別途酸化処理を行う必要がなくなり、サージアブソーバ1の製造コストを削減できる。さらに、COの混合割合が混合ガスの60容積%であり、5容積%以上70容積%以下の範囲で混合することによって主放電面12Bにより確実に酸化膜12Aを形成することができる。さらに、高温領域で化学的安定性に優れる高価な金属をキャップ電極12として使用する必要がないため、キャップ電極12に安価な金属材料を用いることができる。また、ロウ材13が酸化されることや接着部位が酸化されることによってロウ材13自体の接着力やロウ材13と接着部位との接着性が劣化することを防止し、封止性を良好に維持することができる。
そして、別途ロウ材の流れ込みを防止するための加工を施すことなく、端子電極部材11の外表面に溶融したロウ材が流れ込むことを防止する。したがって、サージアブソーバ1の形状不良や寸法バラツキを抑制することができる。
なお、本実施形態において、封止工程で加熱処理を780℃、1分行っているが、ArとCOとの混合比が40容量%:60容量%である場合には、1分間加熱して筒型セラミックス7と端子電極部材11とを密着させた後で加熱温度において5分以上保持することが好ましい。このようにすることで、サージアブソーバ1の放電開始電圧のバラツキを抑制できる。すなわち、封止工程において複数のサージアブソーバ1の封止を行うとき、キャップ電極12を酸化させることで、放電空間内におけるCOの含有量がそれぞれのサージアブソーバ1において減少していく。ところが、封止工程時の加熱温度にバラツキが生じている場合には、キャップ電極12表面の酸化の進行が異なることになり、封止工程後における放電空間内のCOの含有量にバラツキが生じる。ここで、加熱温度において5分以上高温状態を保持ことで、封止された混合ガス中のCOの構成元素である酸素がすべてキャップ電極12の酸化反応に用いられる。これにより、高温状態の保持後に封止ガス6としてのArのみが存在するので、加熱温度が一様でない場合であっても、各サージアブソーバ1の放電開始電圧のバラツキが抑制できる。また、COが放電空間内に残存していないので、放電空間内が負圧になり、また放電開始電圧を低く設定することができる。
次に、第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第2の実施形態における電子部品20は、例えば半導体装置21をパッケージ22に収容した構成となっている。
パッケージ22は、上面に半導体装置21を搭載する搭載予定部が設けられている底体26と、底体26の上部にロウ材27を介して接合される枠体28と、枠体28の上部に配置されて内部に半導体装置21を収容する蓋体29とによって構成されている。
底体26は、熱伝導性に優れた酸化可能な銅−タングステンからなる金属板によって構成されており、平面視矩形状を有している。そして、半導体装置21からの発熱を良好に拡散するように構成されている。また、底体26のロウ材27との非接触部分の表面には、酸化膜が形成されている。
枠体28は、アルミナなどの絶縁性セラミックス材料によって構成されており、底体26の周縁部上にロウ材27を介して配置されている。なお、枠体28の底体26と対向する下面には、ロウ材27とのぬれ性を向上させるために、例えば、モリブデン(Mo)−タングステン(W)層とNi層とを各1層ずつ備えるメタライズ層が形成されている。
蓋体29は、枠体28と同様に、アルミナなどの絶縁性セラミックス材料によって構成されており、枠体28の上面を覆うように接合されている。また、蓋体29の上面には、リードフレーム31が設けられている。このリードフレーム31は、パッケージ22に形成された図示しない溝に充填された導電性物質やパッケージ22の表面に形成された導電パターン、ボンディングワイヤなどによって半導体装置21の電極部と接続されている。
次に、以上の構成からなる電子部品20の製造方法について説明する。
まず、底体26の上部にロウ材27を介して枠体28を載置する。そして、第1の実施形態と同様に、混合ガス雰囲気中で加熱処理するロウ付け工程を行う。これにより、底体26のロウ材27との非接触部分の表面に酸化膜が形成される。これにより、底体26がロウ材27に対してぬれにくくなり、底体26に設けられた半導体装置21の搭載予定部にロウ材27が流れ込むことを防止する。
その後、底体26の搭載予定部に半導体装置21を搭載し、リードフレーム31が設けられた蓋体29を枠体28の上面に配置することでパッケージ22内に半導体装置21を気密に封止する。以上のようにして、電子部品20が製造される。
上記のようにして製造された電子部品20によっても、上述した第1の実施形態と同様に、ロウ材27が流れ込むことを防止でき、半導体装置21の搭載位置のずれなどが発生することを抑制する。
次に、本発明にかかるサージアブソーバを、実施例により具体的に説明する。
まず、ArとCOとの混合割合を95容量%:5容量%、40容量%:60容量%、30容量%:70容量%とした混合ガス雰囲気中において加熱温度を780℃とし、ロウ材による封止が行われた後の加熱時間を0分、1分、5分、10分としたサージアブソーバをそれぞれ30個ずつ製造した。そして、これらの放電開始電圧の平均値及び放電開始電圧のバラツキを測定した結果を、表1に示す。
Figure 0004720403
表1より、ArとCOとの混合割合が95容量%:5容量%である場合には封止後に1分以上、混合割合が60容量%:40容量%である場合には5分以上、混合割合が70容量%:30容量%である場合には10分以上、封止工程における加熱温度で保持することで、封止ガス中のCOがキャップ電極との酸化によって消滅してArのみが封止された状態となり、封止ガスのガス成分が一定となるので、放電開始電圧のバラツキが抑制されていることを確認した。
また、ArとCOとの混合割合を95容量%:5容量%、40容量%:60容量%、30容量%:70容量%とした混合ガス雰囲気中で封止工程を行ったサージアブソーバと、Arのみのガス雰囲気中で封止工程を行ったサージアブソーバとをそれぞれ製造した。そして、これらに対してサージ電流を繰り返しサージアブソーバに所定回数印加し、そのときのギャップ間での放電開始電圧(V)を測定した結果を図4に示す。なお、各サージアブソーバは、封止工程において封止後に加熱温度で10分保持することで、封止ガスの成分がArのみとなっている。
図4より、構成元素に酸素を含有するCOを混合した混合ガス雰囲気中でロウ付けすることで、主放電面に酸化膜が形成され、サージアブソーバの長寿命化が図れることを確認した。
また、ArとCOとの混合割合をそれぞれ40容積%、60容積%とした混合ガス雰囲気中でロウ付け工程を行ったサージアブソーバと、Arのみのガス雰囲気中でロウ付け工程を行ったサージアブソーバとを製造それぞれ20個ずつ製造し、図1に示すようにサージアブソーバのX方向の寸法をL寸法、Y方向の寸法をW寸法、Z方向の寸法をT寸法として、各寸法の平均値と、それぞれの寸法における標準偏差である寸法バラツキとを測定した。この結果を、表2に示す。
Figure 0004720403
表2より、COを混合した混合ガス雰囲気中でロウ付けを行うことで、ロウ材の流れ込みが防止され、形状不良や寸法バラツキを抑制することができることを確認した。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、放電電極に用いる導電性物質は、Ag、Ag/Pd合金、SnO、Al、Ni、Cu、Ti、TiN、TiC、Ta、W、SiC、BaAl、Nb、Si、C、Ag/Pt合金、ITO、Ruなどの導電性物質、もしくはこれらの混合物によって構成されてもよい。
また、端子電極部材は、Ag、Pt、Au、Pd、Sn、Niなどの導電性金属、もしくはこれらの混合物にガラス材料や樹脂材料などを加えたものによって構成されてもよい。
また、構成元素に酸素を含む気体は、二酸化炭素に限らず、酸素など構成元素に酸素を含むものであればよい。そして、上記実施形態では、二酸化炭素の含有割合を60容積%としているが、1容積%以上であればよく、5容積%以上70容積%以下であることが好ましい。
また、ロウ付け工程において構成元素に酸素を含む気体と混合される気体は、放電特性に応じて決定され、例えば、N、Ne、He、Xe、Kr、H、SF、CF、C、C及びこれらの混合ガスでもよい。
また、上記第1の実施形態では、ロウ材を用いて端子電極部材と筒型セラミックスとを接着しているが、ガラス材料を用いて接着してもよい。このようにしても上述と同様に、サージアブソーバの長寿命化が図れる。
そして、ロウ材は、銀及び銅を主成分とするものを用いたが、銀のみを主成分とするものを用いてもよく、銀、銅及びインジウムによって構成されたロウ材を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態におけるサージアブソーバを示すもので、(a)は軸方向断面図、(b)は端子電極部材とキャップ電極との接触部分の拡大図である。 図1のサージアブソーバを基板上に実装したときの断面図である。 本発明の第2の実施形態における電子部品を示すもので、(a)は断面図、(b)は蓋体を接合する前の平面図である。 実施例1におけるサージアブソーバの放電回数と放電開始電圧との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 サージアブソーバ
2 放電ギャップ
3 導電性被膜
4 円柱状セラミックス(絶縁性部材)
5 主放電電極部材
6 封止ガス
7 筒型セラミックス(絶縁性管)
11A、12A 酸化膜
13、27 ロウ材(接着剤)
20 電子部品
26 底体(第1接合部材)
28 枠体(第2接合部材)

Claims (8)

  1. 放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材と、該絶縁性部材を介して対向配置されて前記導電性被膜に接触し、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理すると酸化する一対の主放電電極部材と、内部に前記絶縁性部材を封止ガスと共に封入する絶縁性管とを備えるサージアブソーバであって、
    前記主放電電極部材と前記絶縁性管との間に前記ガス雰囲気中で加熱処理することで前記主放電電極部材と前記絶縁性管とを加熱接着する接着剤が介在し、前記主放電電極部材の前記接着剤との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜が形成されていることを特徴とするサージアブソーバ。
  2. 前記接着剤が、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材であることを特徴とする請求項1に記載のサージアブソーバ。
  3. 放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材を、それぞれ前記導電性被膜に接触するように前記絶縁性部材を介して対向配置された一対の導電性を有すると共に酸化可能である主放電電極部材と、絶縁体である絶縁性管とによって封止ガスと共に封止する封止工程を備え、
    該封止工程が、前記主放電電極部材と前記絶縁性管との間に加熱接着する接着剤を介在させ、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理して前記主放電電極部材と前記絶縁性管との接着を行うと共に、前記主放電電極のうち前記接着剤との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜を形成することを特徴とするサージアブソーバの製造方法。
  4. 前記接着剤が、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材であることを特徴とする請求項3に記載のサージアブソーバの製造方法。
  5. 前記気体が、二酸化炭素であり、
    前記ガス雰囲気中に5容積%以上70容積%以下の割合で混合されていることを特徴とする請求項3または4に記載のサージアブソーバの製造方法。
  6. 前記封止工程が、前記主放電電極部材と前記絶縁性管とで封止された前記気体の構成元素である酸素を、すべて前記主放電電極部材と反応させることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のサージアブソーバの製造方法。
  7. 構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱すると酸化する第1接合部材と第2接合部材との間を銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材で前記ガス雰囲気中で加熱処理することでロウ付けした電子部品であって、
    前記第1接合部材の前記ロウ材との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜が形成されていることを特徴とする電子部品。
  8. 構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱すると酸化する第1接合部材と第2接合部材との間に、銀あるいは銀及び銅を主成分とするロウ材を介在させ、構成元素に酸素を含む気体を少なくとも1容積%以上含むガス雰囲気中で加熱処理して前記第1接合部材と前記第2接合部材とを接着すると共に、前記第1接合部材のうち前記ロウ材との非接触部分に膜厚0.01μm以上の酸化膜を形成するロウ付け工程を備えることを特徴とする電子部品の製造方法。
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