JP2006032090A - サージアブソーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】 封止工程及び主放電時に高温領域で化学的安定性に優れ、かつ主放電面に対する付着力の優れた酸化物層が被覆されたことにより、長寿命化したサージアブソーバを提供すること。
【解決手段】 放電ギャップ2を介して導電性被膜3が分割形成された円柱状セラミックス4と、対向配置されて導電性被膜3に接触する一対の主放電電極部材5と、内部に円柱状セラミックス4を封止ガス7と共に封入する筒型セラミックス8とを備え、筒型セラミックス8の内部に、ガラス部材が封入されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージアブソーバに関する。
電話機、ファクシミリ、モデム等の通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、電源線、アンテナ或いはCRT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電流(サージ電流)や異常電圧(サージ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷又は発火等による破壊を防止するために、サージアブソーバが接続されている。
従来、例えばマイクロギャップを有するサージ吸収素子を用いたサージアブソーバが提案されている。このサージアブソーバは、導電性被膜で被覆した円柱状のセラミックス部材の周面に、いわゆるマイクロギャップが形成され、セラミックス部材の両端に一対のキャップ電極を有するサージ吸収素子が封止ガスと共にガラス管内に収容され、円筒状のガラス管の両端にリード線を有する封止電極が高温加熱で封止された放電型サージアブソーバである。
近年、このような放電タイプのサージアブソーバにおいても、長寿命化が進んでいる。上記サージアブソーバに適応した例としては、ギャップ電極の主放電が行われる面にキャップ電極よりも放電時の揮散性が低いSnOを被覆層としたものがある。このようにすることによって、主放電時にキャップ電極の金属成分がマイクロギャップやガラス管の内壁に飛散することを抑制して長寿命化を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
また、機器の小型化に伴い、表面実装化が進んでいる。上記サージアブソーバに適応した例としては、面実装型(メルフ型)として、封止電極にリード線がなく、実装するときは封止電極と基板側とをハンダ付けで接続して固定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
このサージアブソーバ150は、図17に示すように、一面に中央の放電ギャップ151を介して導電性被膜152が分割形成された板状セラミックス153と、この板状セラミックス153の両端に配置された一対の封止電極155と、これら封止電極155を両端に配して板状セラミックス153を封止ガス156と共に封止する筒型セラミックス157とを備えている。
この封止電極155は、端子電極部材158と、この端子電極部材158と電気的に接続して導電性被膜152に接触する板バネ導体159とによって構成されている。
特開平10−106712号公報 (第5頁、第1図) 特開2000−268934号公報 (第1図)
しかしながら、上記従来のサージアブソーバには、以下の課題が残されている。すなわち、上記従来のサージアブソーバでは、例えば化学蒸着(CVD)法等の薄膜形成法によってSnO被膜が形成されたが、SnO被膜のキャップ電極に対する付着力が弱いために、主放電時のSnO被膜の剥離により、SnO被膜の特性を十分に発揮させることができなかった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、封止工程及び主放電時に高温領域で化学的安定性に優れ、かつ主放電面に対する付着力の優れた酸化物層が被覆されたことにより、長寿命化したサージアブソーバを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかるサージアブソーバは、放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材と、対向配置されて前記導電性被膜に接触する一対の主放電電極部材と、内部に前記絶縁性部材を封止ガスと共に封入する絶縁性管とを備えるサージアブソーバであって、前記絶縁性管の内部に、ガラス部材が封入されていることを特徴とする。
この発明によれば、外部から侵入したサージ等の異常電流及び異常電圧は、放電ギャップでの放電をトリガとし、一対の主放電電極部材の対向する面である主放電面間で主放電が行われることで吸収される。ここで、絶縁性部材を封止ガスと共に絶縁性管内に封止する封止工程や主放電時において、ガラス部材が加熱溶融する。これにより、ガラス部材が被覆剤として機能することで、主放電面が溶融したガラス部材で被覆される。また、ガラス部材が酸化剤として機能することで、主放電面を主放電面の金属成分で形成された酸化物層で被覆する。このように、主放電面がガラス部材あるいは酸化物層によって被覆されることで、主放電時に主放電面の金属成分が飛散して放電ギャップや絶縁性管の内壁などに付着することを抑制する。
さらに、主放電によって主放電面を被覆しているガラス部材あるいは酸化物層が損傷した場合であっても、加熱溶融した他の部分のガラス部材が損傷した箇所を被覆する。
以上より、主放電面の金属成分の飛散が抑制されることで、サージアブソーバの長寿命化が図れる。
また、高温領域で化学的安定性に優れる高価な金属を主放電電極部材として使用する必要がないため、主放電電極部材に安価な金属材料を用いることができる。
また、本発明にかかるサージアブソーバは、前記ガラス部材が、前記絶縁性管の内壁を被覆していることが好ましい。
この発明によれば、封止工程や主放電時において、絶縁性管の内壁を被覆しているガラス部材が加熱溶融して、主放電面を被覆する。また、ガラス部材が酸化剤として機能することで、主放電面が主放電面の金属成分で形成された酸化物層で被覆される。
また、本発明にかかるサージアブソーバは、前記一対の主放電電極部材の対向する面である主放電面に、酸化処理による酸化膜が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、高温領域で化学的安定性に優れた主放電面とすることができる。また、この酸化膜は主放電面との付着力が優れているので、酸化膜の特性を発揮することができる。
本発明のサージアブソーバによれば、封止工程や主放電時においてガラス部材が溶融して被覆剤あるいは酸化剤として機能し、主放電面がガラス部材あるいは主放電面の金属成分で形成された酸化物層によって被覆される。これにより、主放電面の金属成分が飛散することを抑制する。また、主放電面を被覆しているガラス部材あるいは酸化物層が損傷した場合であっても、他の部分のガラス部材が加熱溶融することで損傷箇所を被覆する。したがって、サージアブソーバを長寿命とすることができる。
以下、本発明にかかるサージアブソーバの第1の実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態によるサージアブソーバ1は、図1に示すように、いわゆるマイクロギャップを使用した放電型サージアブソーバであって、周面に中央の放電ギャップ2を介して導電性被膜3が分割形成された円柱状セラミックス(絶縁性部材)4と、この円柱状セラミックス4の両端に対向配置されて導電性被膜3に接触する一対の主放電電極部材5と、一対の主放電電極部材5を両端に配して、円柱状セラミックス4及び円筒状ガラス部材6を内部に所望の電気特性を得るために組成などを調整された、例えば、Ar(アルゴン)などの封止ガス7と共に封入する筒型セラミックス(絶縁性管)8とを備えている。
円柱状セラミックス4は、ムライト焼結体等のセラミックス材料からなり、表面に導電性被膜3として物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法の薄膜形成技術によるTiN(窒化チタン)などの薄膜が形成されている。
放電ギャップ2は、レーザカット、ダイシング、エッチングなどの加工によって0.01から1.5mmの幅で1から100本形成されるが、本実施形態では、150μmのものを1本形成している。
一対の主放電電極部材5は、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、及びCo(コバルト)の合金であるコバール(KOVAR:登録商標)で構成されている。
この一対の主放電電極部材5は、図2に示すように、それぞれ筒型セラミックス8の端面とロウ材9で接着される縦横比が1以下とされた長方形状の周縁部5Aと、筒型セラミックス8の内側且つ軸方向に突出すると共に円柱状セラミックス4を支持する突出支持部10とを備え、突出支持部10に囲まれて円柱状セラミックス4の端部に対向する位置には中央領域5Bが形成されている。
突出支持部10は、径方向内側面と円柱状セラミックス4の端部とを圧入又は嵌合させやすいように、径方向内側面がわずかにテーパ形状を有することが望ましい。また、突出支持部10の先端の互いに対向する面が主放電面10Aとされている。
ここで、主放電電極部材5の主放電面10Aに、大気中で500℃、30分間酸化処理を行うことにより平均膜厚0.6μmの酸化膜10Bが形成されている。
円筒状ガラス部材6は、円筒形状であって、SiO(酸化ケイ素)を含有しており、一対の主放電電極部材5の主放電面10Aの間に配置されている。なお、この円筒状ガラス部材6は、主放電電極部材5及び筒型セラミックス8によって形成された放電空間の圧力に影響を及ぼすことがないように構成されている。
筒型セラミックス8は、例えばAl(アルミナ)等の絶縁性セラミックスからなり、断面長方形を有し、両端面外形が周縁部5Aの外周寸法とほぼ一致している。
次に、以上の構成からなる本実施形態のサージアブソーバ1の製造方法について説明する。
まず、一対の主放電電極部材5を抜き打ち加工によって所望の形状に一体成形する。そして、主放電面10Aに対し、大気中で500℃、30分間酸化処理を行うことにより平均膜厚0.6μmの酸化膜10Bを形成する。
続いて、筒型セラミックス8の両端面に、ロウ材9とのぬれ性を向上させるために、例えば、Mo(モリブデン)−W(タングステン)層とNi層とを各1層ずつ備えるメタライズ層を形成する。
そして、一方の主放電電極部材5の中央領域5B上に、円柱状セラミックス4を載置して径方向内側面と円柱状セラミックス4の端面とを接触させる。また、円筒状ガラス部材6を主放電面10A上に載置する。その後、周縁部5Aと筒型セラミックス8の端面との間にロウ材9を挟んだ状態で、筒型セラミックス8を他方の主放電電極部材5の周縁部5A上に載置する。
さらに、円柱状セラミックス4の上方が中央領域5Bと対向するように主放電電極部材5を載置して径方向内側面と主放電電極部材5とを接触させる。そして、周縁部5Aと筒型セラミックス8の端面との間にロウ材9を挟んだ状態とする。
上述のように仮組した状態で十分に真空引きを行った後、封止ガス雰囲気としてロウ材9が溶融するまで加熱し、ロウ材9の溶融により円柱状セラミックス4を封止し、その後急速に冷却を行う。以上のようにして、サージアブソーバ1を製造する。
このようにして製造したサージアブソーバ1を、例えば、図3に示すように、プリント基板等の基板B上に筒型セラミックス8の一側面である実装面8Aを基板B上に載置し、基板Bと一対の主放電電極部材5の外面とをハンダSによって接着固定して使用する。
このように構成されたサージアブソーバ1によれば、封止工程や主放電時において加熱溶融した円筒状ガラス部材6が被覆剤として機能することで、主放電面10Aがガラス部材で被覆されると共に、円筒状ガラス部材6が酸化剤として機能することで、主放電面10Aが主放電面10Aの金属成分で形成された酸化物層で被覆される。これにより、主放電時に主放電面10Aの金属成分が飛散して放電ギャップ2や筒型セラミックス8の内壁などに付着することを抑制できる。また、主放電面10Aに高温領域で化学的(熱力学的)に安定した酸化膜10Bが形成されていることによっても、主放電面10Aの金属成分の飛散を抑制できる。さらに、主放電によって主放電面10Aを被覆しているガラス部材あるいは酸化膜10Bが損傷した場合であっても、加熱溶融した他の部分の円柱状ガラス部材6によって損傷した箇所が被覆される。したがって、サージアブソーバ1の長寿命化が図れる。
また、高温領域で化学的安定性に優れる高価な金属を主放電電極部材5として使用する必要がないため、本発明では主放電電極部材5に安価な金属材料を用いることができる。
次に、第2の実施形態について、図4を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態はその基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図4においては、図1と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では円筒状ガラス部材6が一対の主放電面10Aの間に配置されているが、第2の実施形態におけるサージアブソーバ20は、筒型セラミックス8の内壁がガラス被膜(ガラス部材)21によって被覆されている点である。
このように構成されたサージアブソーバ20は、上述した第1の実施形態におけるサージアブソーバ1と同様の作用、効果を有する。
次に、第3の実施形態について、図5を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態はその基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図5においては、図1と同一構成要素に同一符号をし、この説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では主放電電極部材5の突出支持部10によって円柱状セラミックス4が支持された構成であるのに対して、第3の実施形態におけるサージアブソーバ30は、主放電電極部材31が第1の実施形態における主放電電極部材5と同様の構成である端子電極部材32とキャップ電極33とを有しており、円柱状セラミックス4がキャップ電極33を介して端子電極部材32に設けられた突出支持部34に支持されている点である。
一対のキャップ電極33は、円柱状セラミックス4よりも硬度が低く、塑性変形できる、例えばステンレス等の金属からなり、外周部が端子電極部材32の突出支持部34の先端よりも軸方向内方に延びて断面略U字状に形成され、主放電面33Aとされている。
この一対のキャップ電極33の表面は、所定酸素濃度に制御された還元雰囲気で700℃、40分間酸化処理を行うことにより、酸化膜33Bが0.6μm形成されている。
次に、以上の構成からなる本実施形態のサージアブソーバ30の製造方法について説明する。
まず、一対の端子電極部材32に対し焼鈍処理を施した後、抜き打ち加工によって一体成形する。
そして、一対のキャップ電極33の表面に、所定酸素濃度に制御された還元雰囲気で700℃、40分間酸化処理を行うことにより酸化膜33Bを形成する。
その後、一対のキャップ電極33を円柱状セラミックス4の両端に係合させ、第1の実施形態と同様の方法でサージアブソーバ30を製造する。
このように構成されたサージアブソーバ30は、上述した第1の実施形態にかかるサージアブソーバ1と同様の作用、効果を有するが、円柱状セラミックス4よりも硬度の低いキャップ電極33が円柱状セラミックス4と突出支持部34との両面に密着して良好な接触面が得られる。これにより、十分なオーミックコンタクトを得ることができ、サージアブソーバ30の放電開始電圧などの電気特性が安定する。
なお、本実施形態において、上述した第2の実施形態と同様に、図6に示すように、筒型セラミックス8の内壁を被覆するガラス被膜21が設けられたサージアブソーバ40であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることができる。
次に、第4の実施形態について、図7を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図7においては、図1と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第4の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では主放電電極部材5が一体的に形成された突出支持部10を有しているのに対して、第4の実施形態におけるサージアブソーバ50では、図7(a)に示すように、主放電電極部材51が平板状となっている点である。
そして、この一対の主放電電極部材51の互いに対向する内面には、ロウ材53が塗布されている。
このロウ材53は、図7(b)に示すように、一対の主放電電極部材51と円柱状セラミックス4との接触面に形成された間隙54を埋める充填部55と、円柱状セラミックス4の両端で円柱状セラミックス4の外周面を保持する保持部56とを備えている。なお、この間隙54は、一対の主放電電極部材51と円柱状セラミックス4とに寸法精度、傷、加工時の変形などによって発生した凹凸によって形成されたものである。
保持部56は、主放電電極部材51と円柱状セラミックス4とを接触させた際に、ロウ材53が円柱状セラミックス4の外周面を覆うように盛り上がることによって形成されている。
なお、この保持部56の盛り上がり高さhは、主放電電極部材51の端面から盛り上がり最上部までの寸法であり、この最上部が主放電部となるために、所定の寿命特性によって規定されている。
次に、以上の構成からなる本実施形態のサージアブソーバ50の製造方法について説明する。
まず、主放電電極部材51の一面に保持部56を形成するのに十分な量のロウ材53を塗布し、主放電電極部材51の中央領域上に、円柱状セラミックス4を載置して主放電電極部材51と円柱状セラミックス4とを接触させる。次に、円筒状ガラス部材6を載置して、筒型セラミックス8の端面を載置する。
さらに、筒型セラミックス8のもう一方の端面にロウ材53が塗布されたもう一方の主放電電極部材51を載置することで仮組みの状態とする。
続いて、封止工程について説明する。上述のように仮組みした状態の素子を封止ガス雰囲気中で加熱処理することで、ロウ材53が溶融し、主放電電極部材51と円柱状セラミックス4とが密着する。このとき、溶融によりロウ材53の充填部55が、円柱状セラミックス4と主放電電極部材51との間に存在する間隙54を埋める。また、ロウ材53の表面張力により形成された保持部56が、円柱状セラミックス4の両端部を埋め込むようにして保持する。
その後、上述した第1の実施形態と同様に冷却工程を行ってサージアブソーバ50を製造する。
このサージアブソーバ50は、上述した第1の実施形態にかかるサージアブソーバ1と同様の作用、効果を有するが、寸法精度、傷、加工時の変形などによって主放電電極部材51と円柱状セラミックス4との接触面に形成された間隙54をロウ材53で埋めることにより、主放電電極部材51と円柱状セラミックス4との接触面積が増大する。これにより、十分なオーミックコンタクトを得ることができ、サージアブソーバ50の放電開始電圧などの電気特性が安定する。
なお、本実施形態において、上述した第2の実施形態と同様に、図8に示すように、筒型セラミックス8の内壁を被覆するガラス被膜21が設けられたサージアブソーバ60であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の作用、効果を得ることができる。
また、ロウ材53と同じ部材によって保持部56及び充填部55を形成していたが、充填部55がロウ材53とは異なる材料によって形成されていてもよく、例えば活性銀ロウのように円柱状セラミックス4と主放電電極部材51とを接着可能である導電性の接着剤であってもよい。このようにすることで、円柱状セラミックス4と主放電電極部材51とが接着し、主放電電極部材51と導電性被膜3とのより十分なオーミックコンタクトを得ることができる。したがって、サージアブソーバ50の放電開始電圧などの電気特性が安定する。
また、保持部56も充填部55と同様にロウ材53とは異なる材料で形成されてもよく、例えばロウ材53や活性銀ロウに対してぬれにくいガラス材を用いてもよい。このようにすることで、円柱状セラミックス4がより確実に主放電電極部材51の中央付近またはその周辺部に固定される。
次に、第5の実施形態について、図9を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した第4の実施形態と同様であり、上述の第4の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図9においては、図7と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第5の実施形態と第4の実施形態との異なる点は、第4の実施形態では平板状の主放電電極部材51のみによって構成されているのに対して、第5の実施形態におけるサージアブソーバ70では、図9(a)に示すように、主放電電極部材71が平板状の端子電極部材72とキャップ電極33とで構成されている点である。
ロウ材53は、図9(b)に示すように、一対の端子電極部材72とキャップ電極33との接触面に形成された間隙54を埋める充填部55と、キャップ電極33の両端でキャップ電極33の外周面を保持する保持部56とを備えている。
なお、保持部56の高さhは、キャップ電極33の高さよりも低く形成されている。これにより、キャップ電極33の互いに対向する面が、主放電面33Aとなる。
次に、以上の構成からなる本実施形態のサージアブソーバ70の製造方法について説明する。
まず、上述した第3の実施形態と同様に一対のキャップ電極33の表面に酸化膜33Bを形成し、円柱状セラミックス4の両端に係合させる。
その後、一対のキャップ電極33を円柱状セラミックス4の両端に係合させ、第4の実施形態と同様の方法でサージアブソーバ70を製造する。
このサージアブソーバ70は、上述した第4の実施形態にかかるサージアブソーバ50と同様の作用、効果を有する。
なお、本実施形態において、上述した第2の実施形態と同様に、図10に示すように、筒型セラミックス8の内壁を被覆するガラス被膜21が設けられたサージアブソーバ80であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の作用、効果を得ることができる。
また、第4の実施形態と同様に、充填部55がロウ材53とは異なる材料によって形成されていてもよく、例えば活性銀ロウのように酸化膜33Bと端子電極部材72とを接着可能である導電性の接着剤であってもよい。
さらに、保持部56も充填部55と同様にロウ材53とは異なる材料で形成されてもよく、例えばロウ材53や活性銀ロウに対してぬれにくいガラス材を用いてもよい。
次に、第6の実施形態について、図11を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図11においては、図1と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第6の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態では主放電電極部材5が一体的に形成された突出支持部10を有し、円柱状セラミックス4をこの突出支持部10に圧入または嵌合させているのに対して、第6の実施形態におけるサージアブソーバ90は、主放電電極部材91が端子電極部材72と、突出支持部材92とで構成されている点である。
突出支持部材92は、ほぼ有底円筒形状を有しており、底面92Aの中央に開口92Bが形成されている。この開口92Bの開口径は、円柱状セラミックス4よりもやや小さく形成されている。そして、円柱状セラミックス4を開口92Bに挿通して底面92Aを軸方向外方に向かって弾性的に屈曲させることで、突出支持部材92と導電性被膜3との良好なオーミックコンタクトが得られるように構成されている。
なお、この一対の突出支持部材92の表面は、上述した第1の実施形態と同様の酸化処理により酸化膜92Cが0.6μm形成されており、互いに対向する面である底面92Aが主放電面となっている。
このサージアブソーバ90は、上述した第1の実施形態におけるサージアブソーバ1と同様の作用、効果を有する。
なお、本実施形態において、上述した第2の実施形態と同様に、図12に示すように、筒型セラミックス8の内壁を被覆するガラス被膜21が設けられたサージアブソーバ100であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明にかかるサージアブソーバを、実施例により図13及び図14を参照して具体的に説明する。
上述した第3の実施形態にかかるサージアブソーバ30と、酸化膜33B及び円筒状ガラス部材6のない従来のサージアブソーバとをそれぞれ基板などに実装した際の寿命を比較した。
具体的には、実施例として図13に示すようなサージ電流を繰り返しサージアブソーバに所定回数印加して、そのときのギャップ間での放電開始電圧(V)を測定した結果を図14に示す。
従来のサージアブソーバは、サージ電流を繰り返し印加されると、主放電電極部材の金属電極の金属成分が多く飛散し、比較的短時間でマイクロギャップにおいて、それら金属成分が堆積するために、ギャップ間の放電開始電圧が低下して寿命に至る。一方、本発明にかかるサージアブソーバ30は、円筒状ガラス部材6が封止工程で加熱溶融することで主放電面33Aがガラス部材で被覆される。また、ガラス部材が酸化剤として機能することで、主放電面が主放電面の金属成分で形成された酸化物層で被覆される。さらに、主放電によって主放電面33Aを被覆しているガラス部材あるいは酸化膜33Bが損傷した場合であっても、加熱溶融した他の部分の円筒状ガラス部材6によって損傷した箇所が被覆される。このため、主放電時のキャップ電極33の金属成分の飛散が抑制されるので、放電ギャップ2における金属成分の堆積があまりない。これにより、ギャップ間の放電開始電圧が安定し、サージアブソーバの長寿命化が図れる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図15に示すように、一対の板バネ導体159の互いに対向する面である主放電面159Aに上述した第1の実施形態と同様の酸化処理によって酸化膜159Bを形成し、この一対の主放電面159Aの間に板状ガラス部材111を配置したサージアブソーバ120であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の作用、効果を有する。
また、図16に示すように、筒型セラミックス157の内壁を被覆するガラス被膜21が設けられたサージアブソーバ130であってもよい。このような構成であっても、上述と同様の作用、効果を有する。
また、導電性被膜は、Ag(銀)、Ag(銀)/Pd(パラジウム)合金、SnO(酸化スズ)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、SiC(炭化シリコン)、BaAl(バリウム・アルミナ)、C(炭素)、Ag(銀)/Pt(白金)合金、TiO(酸化チタン)、TiC(炭化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)などでもよい。
また、主放電電極部材は、CuやNi系の合金でもよい。
また、円筒状ガラス部材は、筒型セラミックスの内部に存在していれば、板状ガラス部材や他の形状であってもよく、また、SiOを含有するものに限らず、結晶相のガラスを含有する部材であってもよい。
また、筒型セラミックス両端面のメタライズ層は、Ag(銀)、Cu(銅)、Au(金)でもよく、また、メタライズ層を用いず活性金属ロウ材だけで封止してもよい。
また、封止ガスは、所望の電気特性を得るために組成等を調整され、例えば、大気(空気)でもよく、Ar(アルゴン)、N(窒素)、Ne(ネオン)、He(ヘリウム)、Xe(キセノン)、H(水素)、SF、CF、C、C、CO(二酸化炭素)等、及びこれらの混合ガスでもよい。
本発明の第1の実施形態におけるサージアブソーバを示す断面図である。 図1における主放電電極部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線矢視断面図である。 図1のサージアブソーバを基板上に実装したときの断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるサージアブソーバを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるサージアブソーバを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態におけるサージアブソーバを示すもので、(a)は断面図、(b)は主放電電極部材と円柱状セラミックスとの接触部分の拡大図である。 本発明の第4の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示すもので、(a)は断面図、(b)は主放電電極部材と円柱状セラミックスとの接触部分の拡大図である。 本発明の第5の実施形態におけるサージアブソーバを示すもので、(a)は断面図、(b)は端子電極部材とキャップ電極との接触部分の拡大図である。 本発明の第5の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示すもので、(a)は断面図、(b)は端子電極部材とキャップ電極との接触部分の拡大図である。 本発明にかかる第5の実施形態におけるサージアブソーバを示す断面図である。 本発明にかかる第5の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示す断面図である。 本発明にかかる実施例におけるサージ電流の時間と電流値との関係を示すグラフである。 本発明にかかる実施例におけるサージアブソーバの放電回数と放電開始電圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示す断面図である。 同じく、本発明の実施形態以外の、本発明を適用可能なサージアブソーバを示す断面図である。 従来のサージアブソーバを示す断面図である。
符号の説明
1、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、130 サージアブソーバ
2、151 放電ギャップ
3、152 導電性被膜
4 円柱状セラミックス(絶縁性部材)
5、31、51、71、91、155 主放電電極部材
5A 周縁部
6 円筒状ガラス部材
7、156 封止ガス
8、157 筒型セラミックス(絶縁性管)
10A、33A、159A 主放電面
10B、33B、92C、159B 酸化膜
21 ガラス被膜(ガラス部材)
92A 底面(主放電面)
111 板状ガラス部材
153 板状セラミックス(絶縁性部材)
155 封止電極(主放電電極部材)

Claims (3)

  1. 放電ギャップを介して導電性被膜が分割形成された絶縁性部材と、対向配置されて前記導電性被膜に接触する一対の主放電電極部材と、内部に前記絶縁性部材を封止ガスと共に封入する絶縁性管とを備えるサージアブソーバであって、
    前記絶縁性管の内部に、ガラス部材が封入されていることを特徴とするサージアブソーバ。
  2. 前記ガラス部材が、前記絶縁性管の内壁を被覆していることを特徴とする請求項1に記載のサージアブソーバ。
  3. 前記一対の主放電電極部材の対向する面である主放電面に、酸化処理による酸化膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサージアブソーバ。
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