JP2003003369A - 柔軟基剤及び柔軟仕上剤 - Google Patents

柔軟基剤及び柔軟仕上剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性阻害の発生を十分に防止しつつ各種繊
維素材に対して優れた柔軟性を付与し、かつ水への希釈
性が良好で作業性に優れ、高濃度であっても液状の柔軟
基剤並びにそれを含有する柔軟仕上剤を提供すること。 【解決手段】 (A)一般式[1]で表される化合物又
はその有機酸塩、(B)一般式[2]で表される化合物
又はその有機酸塩、及び、(C)一般式[3]で表され
る化合物又はその有機酸塩を、(A):(B):(C)
=50〜90:8〜30:2〜20の重量比で含有し、
かつ、飽和炭化水素基と不飽和炭化水素基との総重量比
が0:100〜50:50であることを特徴とする柔軟
基剤。 【化1】 (式中、Z1〜Z4はヒドロキシル基又は下記式[4]: −NHCOR5 [4] で表される基を表し、R1〜R5は炭素数11〜23の飽
和又は不飽和炭化水素基を表し、a〜hは2又は3であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柔軟基剤及び柔軟仕
上剤に関し、より詳しくは、アマイド系化合物を主成分
とする柔軟基剤及び柔軟仕上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維製品の柔軟仕上剤とし
て、アマイド型柔軟基剤、第四級アンモニウム塩型柔軟
基剤を主成分とするカチオン系;アニオン界面活性剤
(例えば、スルホコハク酸モノアルキルエステル、スル
ホコハク酸ジアルキルエステルなど)を主成分とするア
ニオン系;多価アルコール(例えば、グリセリン、ソル
ビタンなど)の脂肪酸エステルを主成分とする非イオン
系の柔軟仕上剤が多く知られている。
【0003】一般にアニオン系、非イオン系の柔軟仕上
剤は、天然繊維に対しては比較的優れた柔軟性を示す
が、合成繊維に対してはあまり効果がないのが実状であ
る。一方、カチオン系の柔軟仕上剤は、特開平6−22886
5号公報、特開平11−81137号公報、特開平11−350348号
公報などに記載されており、天然繊維、合成繊維を問わ
ずほとんど全ての繊維素材に優れた柔軟性を付与するた
め広く使用されているが、このような従来のカチオン系
柔軟仕上剤は繊維製品の吸水性を低下させる傾向があ
り、肌着などの吸水性が要望される分野の柔軟仕上剤と
しては未だ十分なものではない。
【0004】また、液状の柔軟仕上剤は一般に、上記の
ような柔軟基剤を10〜20重量%含有する乳化物とし
て供給されているが、最近では、製造時及び輸送時のコ
ストダウン、消費者の使用性などの観点から、柔軟基剤
の含有量の高い高濃度型の柔軟仕上剤の要望が高まって
いる。しかし、上記従来のカチオン系柔軟基剤を用いた
高濃度型の柔軟仕上剤は、柔軟基剤の濃度が高いために
高粘度状あるいは固形状となり易い傾向があり、その取
り扱い性、水への希釈性などの作業性が著しく低下する
場合があるという問題を有している。
【0005】したがって、各種繊維素材に対して優れた
柔軟性を付与するだけでなく、従来より使用されている
カチオン系柔軟基剤に比べて吸水性阻害が少なく、かつ
水への希釈性が良好で作業性に優れ、高濃度であっても
液状の柔軟基剤並びにそれを含有する柔軟仕上剤の開発
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、吸水性阻
害の発生を十分に防止しつつ各種繊維素材に対して優れ
た柔軟性を付与し、かつ水への希釈性が良好で作業性に
優れ、高濃度であっても液状の柔軟基剤並びにそれを含
有する柔軟仕上剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、高級脂肪酸とアミ
ンから得られるアマイド系化合物として直鎖タイプのア
マイド系化合物と環状タイプのアマイド系化合物と縮合
タイプのアマイド系化合物とをそれぞれ特定の割合で配
合し、しかもその中の不飽和炭化水素基の比率を特定の
割合以上とすることにより、各種繊維素材に対して優れ
た柔軟性を付与しかつ吸水性阻害の発生を十分に防止で
きる柔軟基剤が得られ、さらに、その柔軟基剤を含有す
る柔軟仕上剤は高濃度でも液状でかつ水への希釈性など
の作業性に優れることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0008】すなわち、本発明の柔軟基剤は、(A)下
記一般式[1]で表される化合物及びその有機酸塩から
なる群から選択される少なくとも1種の第1のアマイド
系化合物、(B)下記一般式[2]で表される化合物及
びその有機酸塩からなる群から選択される少なくとも1
種の第2のアマイド系化合物、及び、(C)下記一般式
[3]で表される化合物及びその有機酸塩からなる群か
ら選択される少なくとも1種の第3のアマイド系化合物
を、(A):(B):(C)=50〜90:8〜30:
2〜20の重量比で含有し、かつ、前記第1〜第3のア
マイド系化合物中の飽和炭化水素基と不飽和炭化水素基
との総重量比が0:100〜50:50であることを特
徴とするものである。
【0009】
【化2】 (式中、Z1、Z2、Z3、Z4は同一でも異なっていても
よく、それぞれヒドロキシル基又は下記式[4]:
【0010】 −NHCOR5 [4] で表される基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は同一
でも異なっていてもよく、それぞれヒドロキシル基を有
していてもよい炭素数11〜23の飽和又は不飽和炭化
水素基を表し、a、b、c、d、e、f、g、hは同一
でも異なっていてもよく、それぞれ2又は3である。)
【0011】また、本発明の柔軟仕上剤は、上記本発明
の柔軟基剤を10〜90重量%含有することを特徴とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の柔軟基剤について
説明する。本発明の柔軟基剤は、高級脂肪酸とアミンか
ら得られるアマイド系化合物として以下の3タイプのも
の: (A)下記一般式[1]で表される化合物及びその有機
酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の第1の
アマイド系化合物(環状タイプのアマイド系化合物); (B)下記一般式[2]で表される化合物及びその有機
酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の第2の
アマイド系化合物(縮合タイプのアマイド系化合物);
及び (C)下記一般式[3]で表される化合物及びその有機
酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の第3の
アマイド系化合物(直鎖タイプのアマイド系化合物);
を含有するものである。
【0013】
【化3】 そして、上記一般式[1]、[2]及び[3]におい
て、Z1、Z2、Z3、Z4は同一でも異なっていてもよ
く、それぞれヒドロキシル基又は下記式[4]:
【0014】 −NHCOR5 [4] で表される基を表す。また、上記一般式[1]、
[2]、[3]及び[4]において、R1、R2、R3
4、R5は同一でも異なっていてもよく、それぞれヒド
ロキシル基を有していてもよい炭素数11〜23の飽和
又は不飽和炭化水素基を表す。炭化水素基の炭素数が1
1未満では柔軟性が低く不十分となり、他方、23を超
えると柔軟仕上剤の液状化が困難となり、水への希釈性
が著しく低下するおそれがある。係る飽和又は不飽和炭
化水素基としては、炭素数が15〜21のものが好まし
く、それらの炭化水素鎖は直鎖状であっても分岐鎖状で
あってもよい。
【0015】また、上記一般式[1]、[2]及び
[3]において、a、b、c、d、e、f、g、hは同
一でも異なっていてもよく、それぞれ2又は3であり、
全てが2であることが特に好ましい。これらの値が2未
満では、一般式[1]で表される環状タイプのアマイド
系化合物が得られ難く、他方、3を超えると柔軟仕上剤
の液状化が困難となり、水への希釈性が低下するおそれ
がある。
【0016】本発明においては、前記一般式[1]、
[2]、[3]で表される化合物の有機酸塩を使用する
と、得られる柔軟基剤の希釈性がより向上する傾向にあ
るので好ましい。このような有機酸としては特に限定は
ないが、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、パラト
ルエンスルホン酸、グリコール酸、クエン酸、マレイン
酸などが挙げられ、ギ酸、酢酸、乳酸がより好ましく、
酢酸が特に好ましい。
【0017】本発明の柔軟基剤は、前記の(A)成分で
ある第1のアマイド系化合物(環状タイプのアマイド系
化合物)、(B)成分である第2のアマイド系化合物
(縮合タイプのアマイド系化合物)、(C)成分である
第3のアマイド系化合物(直鎖タイプのアマイド系化合
物)を、(A):(B):(C)の重量比が50〜9
0:8〜30:2〜20となる範囲で含有する。(A)
成分の重量比率が50未満では柔軟仕上剤の液状化が困
難であり、他方、90を超えると柔軟性が低下し繊維製
品の風合が悪くなるだけでなく、白度の低下も懸念され
る。また、(B)成分の重量比率が8未満では繊維製品
の白度の低下や色相変化が大きくなり、他方、30を超
えると水への希釈性が低下する。さらに、(C)成分の
重量比率が2未満では、水への希釈性が低下するおそれ
があり、他方、20を超えると繊維製品の白度の低下や
色相変化が大きくなる。
【0018】さらに、本発明の柔軟基剤においては、前
記第1〜第3のアマイド系化合物中の飽和炭化水素基と
不飽和炭化水素基との総重量比が0:100〜50:5
0であり、0:100〜30:70であることが好まし
く、0:100〜10:90であることがより好まし
い。ここで、前記第1〜第3のアマイド系化合物中の飽
和炭化水素基及び不飽和炭化水素基とは、一般式
[1]、[2]及び[3]においてR1、R2、R3及び
4で表される基、並びに一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1、Z2、Z3及びZ4が下記式[4]:
【0019】 −NHCOR5 [4] で表される基の場合はそのR5で表される基をいう。上
記飽和炭化水素基の重量比率が50を超えると、柔軟仕
上剤の液状化が困難となり水への希釈性が低下するだけ
でなく、吸水性阻害が増大する。
【0020】このように、本発明の柔軟基剤において
は、特定の高級脂肪酸とアミンから得られるアマイド系
化合物として直鎖タイプのアマイド系化合物と環状タイ
プのアマイド系化合物と縮合タイプのアマイド系化合物
とが併せて使用され、それぞれの重量比{(A):
(B):(C)}が特定の割合となるように配合され、
かつその中の不飽和炭化水素基の比率を特定の割合以上
となっており、それによって各種繊維素材に対して優れ
た柔軟性を付与しかつ吸水性阻害の発生を十分に防止で
き、さらに高濃度でも液状でかつ水への希釈性などの作
業性に優れるという特性を有するものである。
【0021】次に、本発明の柔軟基剤の製造方法につい
て述べる。
【0022】上記一般式[1]、[2]及び[3]で表
される化合物は、いずれも、高級脂肪酸とアミンとから
従来公知の方法により製造することができる。本発明に
おいて用いられる高級脂肪酸は、炭素数12〜24の飽
和又は不飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリ
ン酸、ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニ
ン酸などの飽和脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレ
イン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノ
ール酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸が挙げられ、これ
らの中でも炭素数16〜22のものがより好ましい。こ
れらの高級脂肪酸は1種を単独で用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0023】また、本発明において用いられるアミンと
しては、例えば、ジエチレントリアミン、ジ(3−アミ
ノプロピル)アミン、N−(3−アミノプロピル)エチ
レンジアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミンなどが挙げられ、ジエチレントリアミンが特に好適
である。これらのアミンは1種を単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0024】上記一般式[3]で表される化合物は、例
えば、前記の高級脂肪酸とアミンとを、温度140〜1
90℃(好ましくは150〜170℃)で1〜6時間ア
マイド化反応させることにより、80〜95%の収率で
得ることができる。なお、温度と反応時間によっては、
副生成物として一般式[1]で表される化合物が生じ
る。また、アマイド化反応させる際におけるアミンと高
級脂肪酸との比率は、アミノ基1当量に対してカルボキ
シル基が0.9〜1.1当量となるようにすることが好
ましい。
【0025】また、上記一般式[1]で表される化合物
は、例えば、前記の高級脂肪酸とアミンとを、上記と同
様にアマイド化反応させた後、さらに、180〜260
℃(好ましくは220〜250℃)で1〜5時間、環状
化反応させることにより得ることができる。アマイド化
反応及び環状化反応の進行度合いは、全アミン価、第三
級アミン価の測定により追跡することができる。なお、
副生成物として、一般式[3]で表される化合物が生じ
る。
【0026】さらに、上記一般式[2]で表される化合
物は、例えば、前記の高級脂肪酸とアミンとを、140
〜190℃(好ましくは150〜170℃)で1〜6時
間アマイド化反応させた後、さらに、尿素により縮合反
応させることにより得ることができる。係る縮合反応
は、好ましくは150〜200℃、より好ましくは16
0〜180℃で、30分〜5時間反応を進行させること
が好ましい。尿素の使用量は、アマイド化反応により得
られる一般式[3]で表される化合物1モルに対し、
0.1〜0.5モルが適当である。
【0027】本発明においては、上記一般式[1]、
[2]及び[3]で表される化合物をそれぞれ上記の製
造方法により合成し、配合して柔軟基剤を得ることがで
きる。そして、本発明の柔軟基剤においては、上記一般
式[1]、[2]及び[3]で表される化合物の製造後
又は配合後に、前記の有機酸を用いて中和することが好
ましい。このように一般式[1]、[2]及び[3]で
表される化合物を中和する際における有機酸の添加量に
特に制限はないが、得られる柔軟仕上剤のpHが中和点
より酸性側となるようにすることが好ましい。なお、有
機酸を過剰に加えても、得られる柔軟基剤の性能を阻害
するものではない。
【0028】また、本発明においては、製造工程の簡略
化、製造コストの低減を目的として、前述の高級脂肪酸
とアミンとを先ず前記のようにアマイド化反応させ、続
いて環状化反応させ、さらに尿素により縮合反応させる
という連続した三段階の反応により、上記一般式
[1]、[2]及び[3]で表される化合物を含有する
柔軟基剤を得ることもできる。
【0029】次に、本発明の柔軟仕上剤について説明す
る。本発明の柔軟仕上剤は、上記本発明の柔軟基剤を含
有するものであり、液状のまま前記柔軟基剤の含有量を
低濃度から高濃度まで任意に調節することができるが、
前記柔軟基剤を10〜90重量%含有することが好まし
い。柔軟基剤の含有量が10重量%未満では製造時及び
輸送時のコストが上昇し、また消費者の使用性が低下す
る傾向にあり、他方、90重量%を超えると高粘度状あ
るいは固形状となり易く、水への希釈性が低下する傾向
にある。
【0030】本発明の柔軟仕上剤に使用される溶媒とし
ては、炭素数12〜18の高級アルコールのアルキレン
オキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステルなどの各種非イオン活性剤;エチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール;
エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール
類、水、及びこれらの混合物が好適である。
【0031】本発明の柔軟仕上剤には、上記の溶媒以外
に、従来より柔軟仕上剤に使用されている公知の成分
を、本発明に係る効果が損なわれない範囲で配合するこ
とができる。このような成分としては、例えば、グリセ
リン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ポリエチレ
ングリコール、ポリアルキレングリコールなどの多価ア
ルコールの脂肪酸エステル;アニオン界面活性剤(例え
ば、スルホコハク酸モノアルキルエステル、スルホコハ
ク酸ジアルキルエステルなど);第四級アンモニウム塩
(アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキ
ルトリメチルアンモニウムメチルスルホン酸など);炭
素数12〜18の高級アルキルアミン又は高級脂肪酸の
アルキレンオキサイド付加物などの非イオン系界面活性
剤(例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルア
ミン);アミノ変性シリコーン、ジメチル変性シリコー
ン、エポキシ変性シリコーンなどのシリコーン系化合
物;塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの水溶性無機
塩;パラフィン系炭化水素、セルロース系誘導体、酸化
防止剤などが挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により
何ら限定されるものではない。
【0033】実施例1〜5及び比較例1〜7 先ず、以下の実施例1〜5及び比較例1〜7に示す柔軟
基剤及びそれを用いた柔軟仕上剤を調製し、得られた柔
軟仕上剤を用いて以下に示す(1)水への希釈性評価、
並びに(2)柔軟処理布の評価(風合、吸水性、白度、
色相変化)を実施した。なお、実施例1〜5及び比較例
1〜4で得られた柔軟基剤における(A)成分:(B)
成分:(C)成分の重量比は、全アミン価及び第三級ア
ミン価に基づいて算出した。また、実施例1〜5及び比
較例1〜4において得られた柔軟基剤及び柔軟仕上剤の
組成などを表1及び表2に示す。なお、表1及び表2
中、柔軟基剤の「飽和:不飽和」の欄には飽和炭化水素
基と不飽和炭化水素基との総重量比を示す。
【0034】(実施例1)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸564gを仕込み、100℃に昇温した後、ジエチ
レントリアミン103gを加えた。得られた混合物を1
60℃まで昇温した後、1時間脱水反応(アマイド化反
応)させ、次いで240〜250℃に昇温した後、2時
間イミダゾリン化反応(環状化反応)させた。反応終了
後、その反応溶液を120℃まで降温して尿素30gを
加え、170〜180℃に昇温した後、3時間縮合反応
させた。続いて、この反応溶液を90℃以下に冷却した
後、約90gの酢酸で中和し、粘液状の柔軟基剤を72
0g得た。
【0035】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)、a〜hが2
である第1〜第3のアマイド系化合物の酢酸塩であっ
た。そして、この柔軟基剤における(A):(B):
(C)の重量比は80:15:5であり、飽和炭化水素
基と不飽和炭化水素基との総重量比は0:100であっ
た。
【0036】次いで、この柔軟基剤80gを、5gのジ
エチレングリコール、10gのソフタノール120
((株)日本触媒、炭素数12〜14のアルコールのエ
チレンオキサイド12モル付加物)及び5gの水と共に
均一になるまで混合して柔軟仕上剤を得たところ、その
柔軟仕上剤は粘液状のものであった。
【0037】(実施例2)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸508g及びステアリン酸57gを仕込み、100
℃に昇温した後、ジエチレントリアミン103gを加え
た。得られた混合物を160℃まで昇温した後、1時間
脱水反応させ、次いで240〜250℃に昇温した後、
2時間イミダゾリン化反応させた。反応終了後、その反
応溶液を120℃まで降温して尿素30gを加え、17
0〜180℃に昇温した後、3時間縮合反応させた。続
いて、この反応溶液を90℃以下に冷却した後、約90
gの酢酸にて中和し、粘液状の柔軟基剤を約721g得
た。
【0038】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)又はステアリ
ン酸残基(ヘプタデシル基)、a〜hが2である第1〜
第3のアマイド系化合物の酢酸塩であった。そして、こ
の柔軟基剤における(A):(B):(C)の重量比は
80:15:5であり、飽和炭化水素基と不飽和炭化水
素基との総重量比は10:90であった。
【0039】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0040】(実施例3)1L四ツ口フラスコにリノー
ル酸560gを仕込み、100℃に昇温した後、ジエチ
レントリアミン103gを加えた。得られた混合物を1
60℃まで昇温した後、1時間脱水反応させ、次いで2
40〜250℃に昇温した後、2時間イミダゾリン化反
応させた。反応終了後、その反応溶液を120℃まで降
温して尿素30gを加え、170〜180℃に昇温した
後、3時間縮合反応させた。続いて、この反応溶液を9
0℃以下に冷却した後、約90gの酢酸で中和し、粘液
状の柔軟基剤を716g得た。
【0041】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
リノール酸残基(8,11−ヘプタデカジエニル基)、
a〜hが2である第1〜第3のアマイド系化合物の酢酸
塩であった。そして、この柔軟基剤における(A):
(B):(C)の重量比は80:15:5であり、飽和
炭化水素基と不飽和炭化水素基との総重量比は0:10
0であった。
【0042】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0043】(実施例4)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸282g及びエルカ酸338gを仕込み、100℃
に昇温した後、ジエチレントリアミン103gを加え
た。得られた混合物を160℃まで昇温した後、1時間
脱水反応させ、次いで240〜250℃に昇温した後、
2時間イミダゾリン化反応させた。反応終了後、その反
応溶液を120℃まで降温して尿素30gを加え、17
0〜180℃に昇温した後、3時間縮合反応させた。続
いて、この反応溶液を90℃以下に冷却した後、約10
0gの酢酸で中和し、室温でペースト状の柔軟基剤を7
86g得た。
【0044】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)又はエルカ酸
残基(12−ヘンエイコセニル基)、a〜hが2である
第1〜第3のアマイド系化合物の酢酸塩であった。そし
て、この柔軟基剤における(A):(B):(C)の重
量比は80:15:5であり、飽和炭化水素基と不飽和
炭化水素基との総重量比は0:100であった。
【0045】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0046】(実施例5)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸338g及びラウリン酸171gを仕込み、100
℃に昇温した後、ジエチレントリアミン103gを加え
た。得られた混合物を160℃まで昇温した後、1時間
脱水反応させ、次いで240〜250℃に昇温した後、
2時間イミダゾリン化反応させた。反応終了後、その反
応溶液を120℃まで降温して尿素30gを加え、17
0〜180℃に昇温した後、3時間縮合反応させた。続
いて、この反応溶液を90℃以下に冷却した後、約10
0gの酢酸で中和し、室温で軟固体状の柔軟基剤を78
6g得た。
【0047】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)又はラウリン
酸残基(ウンデシル基)、a〜hが2である第1〜第3
のアマイド系化合物の酢酸塩であった。そして、この柔
軟基剤における(A):(B):(C)の重量比は8
0:15:5であり、飽和炭化水素基と不飽和炭化水素
基との総重量比は32:68であった。
【0048】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0049】(比較例1)1L四ツ口フラスコにステア
リン酸568gを仕込み、100℃に昇温した後、ジエ
チレントリアミン103gを加えた。得られた混合物を
160℃まで昇温した後、1時間脱水反応させ、次いで
240〜250℃に昇温した後、2時間イミダゾリン化
反応させた。反応終了後、その反応溶液を120℃まで
降温して尿素30gを加え、170〜180℃に昇温し
た後、3時間縮合反応させた。続いて、この反応溶液を
90℃以下に冷却した後、約90gの酢酸で中和し、柔
軟基剤を724g得た。この柔軟基剤は70〜80℃で
粘液状であり、室温では固体状となった。
【0050】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
ステアリン酸残基(ヘプタデシル基)、a〜hが2であ
る第1〜第3のアマイド系化合物の酢酸塩であった。そ
して、この柔軟基剤における(A):(B):(C)の
重量比は80:15:5であり、飽和炭化水素基と不飽
和炭化水素基との総重量比は100:0であった。
【0051】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤はペースト状のものであった。
【0052】(比較例2)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸564gを仕込み、100℃に昇温した後、ジエチ
レントリアミン103gを加えた。得られた混合物を1
60℃に昇温した後、1時間脱水反応させ、次いで24
0〜250℃に昇温した後、2時間イミダゾリン化反応
させた。反応終了後、その反応溶液を90℃以下に冷却
した後、約90重量部の酢酸で中和し、粘液状の柔軟基
剤を707g得た。
【0053】得られた柔軟基剤における(A)及び
(C)成分はそれぞれ、一般式[1]及び[3]におけ
るZ1、Z4が−NHCOR5、R1、R4、R5がオレイン
酸残基(8−ヘプタデセニル基)、a、b、g、hが2
である第1及び第3のアマイド系化合物の酢酸塩であっ
た。そして、この柔軟基剤における(A):(B):
(C)の重量比は80:0:20であり、飽和炭化水素
基と不飽和炭化水素基との総重量比は0:100であっ
た。
【0054】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0055】(比較例3)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸564gを仕込み、100℃に昇温した後、ジエチ
レントリアミン103gを加えた。得られた混合物を1
60℃に昇温した後、1時間脱水反応させ、次いで19
0〜200℃に昇温した後、2時間イミダゾリン化反応
させた。反応終了後、その反応溶液を120℃まで降温
して尿素30gを加え、170〜180℃に昇温した
後、3時間縮合反応させた。続いて、この反応溶液を9
0℃以下に冷却した後、約90gの酢酸で中和し、粘液
状の柔軟基剤を729g得た。
【0056】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)、a〜hが2
である第1〜第3のアマイド系化合物の酢酸塩であっ
た。そして、この柔軟基剤における(A):(B):
(C)の重量比は30:65:5であり、飽和炭化水素
基と不飽和炭化水素基との総重量比は0:100であっ
た。
【0057】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤は粘液状のものであった。
【0058】(比較例4)1L四ツ口フラスコにオレイ
ン酸227g及びステアリン酸338gを仕込み、10
0℃に昇温した後、ジエチレントリアミン103gを加
えた。得られた混合物を160℃に昇温した後、1時間
脱水反応させ、次いで240〜250℃に昇温した後、
2時間イミダゾリン化反応させた。反応終了後、その反
応溶液を120℃まで降温して尿素30gを加え、17
0〜180℃に昇温した後、3時間縮合反応させた。続
いて、この反応溶液を90℃以下に冷却した後、約90
gの酢酸で中和し、柔軟基剤を721g得た。この柔軟
基剤は70〜80℃では粘液状であり、室温で軟固体状
となった。
【0059】得られた柔軟基剤における(A)、(B)
及び(C)成分はそれぞれ、一般式[1]、[2]及び
[3]におけるZ1〜Z4が−NHCOR5、R1〜R5
オレイン酸残基(8−ヘプタデセニル基)又はステアリ
ン酸残基(ヘプタデシル基)、a〜hが2である第1〜
第3のアマイド系化合物の酢酸塩であった。そして、こ
の柔軟基剤における(A):(B):(C)の重量比は
80:15:5であり、飽和炭化水素基と不飽和炭化水
素基との総重量比は60:40であった。
【0060】次いで、この柔軟基剤を用いた以外は実施
例1と同様にして柔軟仕上剤を得たところ、その柔軟仕
上剤はペースト状のものであった。
【0061】(比較例5〜7)従来より使用されている
サンフレークAE−3(日華化学(株)製、固体状のア
マイド系柔軟基剤)、サンソフロンK−2(日華化学
(株)製、アマイド系柔軟仕上剤、不揮発分18重量%
の分散液)、サンソフロンFD−304(日華化学
(株)製、アマイド系柔軟仕上剤、不揮発分16重量%
の分散液)をそれぞれ比較例5〜7の柔軟仕上剤として
用いた。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】(1)水への希釈性評価 常温の水、40℃の湯、及び70℃の湯に対し、実施例
1〜5及び比較例1〜5で得られた柔軟仕上剤をそれぞ
れ、1重量%、5重量%、10重量%となるように添加
し、撹拌速度約60rpmで撹拌しながら、水への希釈
性を目視にて下記の3段階に評価した。得られた結果を
表3に示す。 ◎:5分以内に乳化分散する、 ○:5〜10分で乳化分散する、 △:10〜30分で乳化分散する、 ×:30分経過しても乳化分散しない。
【0065】
【表3】
【0066】表3に示した結果から明らかなように、実
施例1〜5の柔軟仕上剤はいずれも、常温の水、40℃
の湯、及び70℃の湯に対して水への希釈性が良好であ
って、容易に乳化分散させることができるものであっ
た。したがって、本発明の柔軟仕上剤は、広い温度範囲
において水への希釈性に優れ、作業性が良好であること
が確認された。
【0067】また、本発明の柔軟仕上剤の水への希釈性
は、柔軟基剤中の飽和炭化水素基と不飽和炭化水素基と
の総重量比、及び、(A)成分:(B)成分:(C)成
分の重量比に大きく影響されることが確認された。
【0068】(2)柔軟処理布の評価供試布の準備 供試布1;綿ニット天竺(蛍光処理済み)をそのまま柔
軟処理に用いた。
【0069】供試布2;綿ニット(綿100%)を、反
応染料(Diamira Turq. Blue B、
三菱化成(株))4%o.w.f.、浴比1:20の染
色浴中で、60℃で30分間染色した後、水洗し、次い
で95℃で20分間湯洗し、さらに水洗した。水洗後、
ネオフィックスR−800(日華化学(株)、フィック
ス剤)2%o.w.f.、浴比1:20の浴中で、50
℃で20分間フィックス処理した後水洗し、次いで脱水
及び乾燥により得られた布を柔軟処理に用いた。
【0070】柔軟処理 上記の供試布1及び2を、それぞれ、柔軟処理浴に40
℃で10分間浸漬した後、遠心脱水機にてピックアップ
100%となるよう脱水し、105℃で5分間乾燥さ
せ、柔軟処理布1及び2を得た。
【0071】なお、柔軟処理浴は、実施例1〜5及び比
較例1〜7で得られた柔軟仕上剤をそれぞれ0.5%
o.w.f.(比較例6、7の柔軟仕上剤の場合は5%
o.w.f.)とし、浴比は1:20とした。得られた
柔軟処理布1及び2について、以下のようにして風合、
吸水性、白度及び色相変化を評価した。得られた結果を
表4に示す。なお、表4において、ブランクの欄には供
試布1及び2の値を示す。
【0072】(2−1)風合 触感により柔軟処理布1及び2の風合を以下の5段階に
評価した。数値が小さいほど粗硬であり、数値が大きく
なるほど柔軟性が良好である。
【0073】1:強つきがある(粗硬)、 2:やや強つきがある、 3:やや柔軟である(中庸)、 4:かなり柔軟である、 5:非常にソフトな感触があり、柔軟性に優れる。
【0074】(2−2)吸水性 JIS L 1907(滴下法)に準じ、柔軟処理布1
及び2に水滴を1滴滴下し、水滴が完全に消失するまで
の時間(秒)を測定した。
【0075】(2−3)白度 積分球形光束計スペクトロフォトメーター(CM−37
00d、ミノルタ製)を使用し、柔軟処理布1の白度を
測定した。
【0076】(2−4)色相変化 積分球形光束計スペクトロフォトメーター(CM−37
00d、ミノルタ製)を使用し、柔軟処理布2の色相変
化(ΔE値)を測定した。
【0077】
【表4】
【0078】表4に示した結果から明らかなように、比
較例2の柔軟仕上剤は水への希釈性は良好であるもの
の、実施例1〜5の柔軟仕上剤と比較して白度の低下が
大きく、繊維製品の黄変の問題が生じることが確認され
た。
【0079】また、実施例1〜5の柔軟仕上剤は、繊維
に良好な柔軟性を付与するだけでなく、従来のアマイド
系柔軟基剤を含有するカチオン系柔軟仕上剤(比較例5
〜7)に比べ、吸水性阻害が少ないことが確認された。
【0080】さらに、柔軟処理布2、すなわち、染色後
にフィックス処理させた供試布2を柔軟処理した場合で
も、実施例1〜5の柔軟仕上剤を用いた場合は吸水性が
優れており、撥水傾向にあるフィックス処理に対しても
積極的に吸水性を付与する効果を有することが確認され
た。このことは、本発明の柔軟基剤自身も液状であるこ
と、柔軟基剤中の不飽和炭化水素基の重量比率が高いこ
とから、従来の固体状柔軟基剤に比べて柔軟基剤自身の
水への親和性が高いことによるものと推察される。
【0081】したがって、本発明の柔軟基剤及び柔軟仕
上剤においては、柔軟性、吸水性、作業性(水への希釈
性など)の観点から、(A)成分:(B)成分:(C)
成分の重量比が50〜90:8〜30:2〜20で、か
つ、飽和炭化水素基と不飽和炭化水素基との総重量比が
0:100〜50:50となる範囲で前記第1〜第3の
アマイド系化合物を含有することが重要であることが確
認された。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の柔軟基剤
は、柔軟性に優れるだけでなく、従来のアマイド系柔軟
基剤では得られなかった吸水性を示し、天然繊維、合成
繊維などの繊維の種類を問わず各種繊維素材に幅広く利
用することができる。また、本発明の柔軟基剤は、水へ
の溶解性に優れ、高濃度であっても液状を保持するため
作業性に優れ、さらに輸送時などにおけるコスト的にも
有利なものである。
【0083】したがって、本発明によれば、吸水性阻害
の発生を十分に防止しつつ各種繊維素材に対して優れた
柔軟性を付与し、かつ水への希釈性が良好で作業性に優
れ、高濃度であっても液状の柔軟基剤、並びにそれを含
有する柔軟仕上剤を提供することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式[1]で表される化合
    物及びその有機酸塩からなる群から選択される少なくと
    も1種の第1のアマイド系化合物、(B)下記一般式
    [2]で表される化合物及びその有機酸塩からなる群か
    ら選択される少なくとも1種の第2のアマイド系化合
    物、及び、(C)下記一般式[3]で表される化合物及
    びその有機酸塩からなる群から選択される少なくとも1
    種の第3のアマイド系化合物を、(A):(B):
    (C)=50〜90:8〜30:2〜20の重量比で含
    有し、かつ、前記第1〜第3のアマイド系化合物中の飽
    和炭化水素基と不飽和炭化水素基との総重量比が0:1
    00〜50:50であることを特徴とする柔軟基剤。 【化1】 (式中、Z1、Z2、Z3、Z4は同一でも異なっていても
    よく、それぞれヒドロキシル基又は下記式[4]: −NHCOR5 [4] で表される基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は同一
    でも異なっていてもよく、それぞれヒドロキシル基を有
    していてもよい炭素数11〜23の飽和又は不飽和炭化
    水素基を表し、a、b、c、d、e、f、g、hは同一
    でも異なっていてもよく、それぞれ2又は3である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の柔軟基剤を10〜90重
    量%含有することを特徴とする柔軟仕上剤。
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