JP2003000037A - 脱穀機の入口板形状 - Google Patents

脱穀機の入口板形状

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彰 大田
Noboru Nishigori
昇 錦織
Keiichi Omoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱穀機の入口板とその上方に設けられる摺動
自在のゴム板との間の隙間を無くし、脱穀時の飛散穀粒
が、上記隙間から機外に散逸してロスとならない脱穀機
の入口板を提供する。 【解決手段】 脱穀機の入口板の正面視形状を、中央部
より右側のフィードチェン側に向かう暫時立上がり面か
らこれに続く略水平の平面部を経て、該平面部の終端よ
り上記フィードチェンの搬送面に向かう立上がり面を形
成し、これらを連続状に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自脱型コンバイン
等に用いる脱穀機の入口板の形状に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、自脱型コンバイン等に用いる脱穀
機の入口板Bは、図5(a)の斜視図に示す如く、前部
の中央寄りから斜め右側後方(フィードチェン8側)に
向かう直線状の頂きPが設けられていたため、その前方
に設けられていて脱穀機入口との繋ぎをなす扱深さ調節
装置の後部に設けられたゴム板20と、上記入口板Bと
の間に図5(b)に示す如く隙間δが形成されていた。
また、上記入口板Bの最も手前側部分には、穀粒洩れ対
策として若干の上向きリブが形成されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従って、コンバインで
刈取脱穀作業を行う際、非脱穀穀稈から脱粒した穀粒や
上記脱穀機の扱室内から入口板B上に飛散してきた穀粒
等が、作業に伴う機体の振動等で入口板B上で大きく散
乱し、上記隙間δから機外に散逸してロスになるとの不
具合が発生していた。また、上記入口板Bの最も手前側
部分に設けられた上向きリブは、上記ゴム板20の円滑
な動きを妨げるとの不具合があった。本発明の目的は、
上記従来の不具合を改善する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、脱穀機の入口板であって、その
正面視形状を、少なくとも中央部より右側のフィードチ
ェン側に向かう暫時立上がり面からこれに続く略水平の
平面部を経て、該平面部の終端より上記フィードチェン
の搬送面に向かう立上がり面を形成し、これらを連続状
に構成したことを特徴とする。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下図面の例に基づいて説明する。図1は、機体の一部を
切欠したコンバインの全体側面図であって、該コンバイ
ンは通常のものと同様、1はコンバインの走行機体で、
該走行機体1の前部には前処理部2が備えられ、該前処
理部2には、前方で刈取穀稈を各条毎に分草するディバ
イダ3が備えられ、その後方の梳上げ装置4,掻込み装
置5によりその葉茎部を案内されながら株元部を挟持さ
れた状態で、下部の刈刃6で刈取られ、その後部にある
上下一対の搬送体等からなる扱深さ調節搬送体7に引き
継がれて、更に、後方上方にある脱穀装置Dに向けて搬
送される間に扱深さを調節されながら斜めに揚上され、
脱穀装置Dのフィードチェン8に株元側が挟持されて引
き継がれる。 【0006】そして、穀稈の株元側をフィードチェン8
で挟持搬送されている間に、穂側が脱穀装置D内で脱穀
処理された後、排稈は後部の藁処理部9にてカッタによ
る切断処理等を受けて、機体1後方に放出される。一
方、上記脱穀装置D内で脱穀処理された穀粒等は、下方
の選別部10にて選別処理され、穀粒は穀粒タンク(図
示せず)に収納されると共に、塵埃等は後方の排塵ファ
ン11より機外に排出される。また、上記穀粒タンク内
に収納された穀粒は、穀粒排出オーガー12で機外の運
搬車等に排出されるようになっている。ここで、14は
走行機体1の下部に設けた走行部であり、15は機台
で、各種装置はこの機台15上に搭載されているもので
あり、前処理部2はその前部に設けたシリンダ16によ
って、その上部の支点Sを中心として、鎖線位置の如く
上下に回動するものである。なお、17は運転操縦室を
なすキャビンである。 【0007】次に、18は、扱深さ調節搬送体7上の穀
稈の有無を検出するメインセンサで、これの感知によ
り、穂側に設けた扱深さセンサ19が搬送穀稈の長短を
感知し、扱深さ調節搬送体7からの継送時にフィードチ
ェン8への穀稈株元側の挟持位置を変更することによっ
て、脱穀装置Dへの扱深さ調節が行われる。20は上記
扱深さ調節搬送体7の末端に取りつけられたゴム板で、
扱深さ調節搬送体7による搬送穀稈の長短感知に基づく
上下揺動によって脱穀装置Dの穀稈供給口の外側に設け
た入口板21上を摺動しながら、穀稈の脱穀装置Dへの
引継ぎを成すものである。 【0008】図2は上記入口板21の全体斜視図、図3
は上記図2のA−A線断面図であって、入口板21は、
全体が単一の樹脂等で構成された湾曲した形状で、左側
端には立上がり部22が形成され、その正面視形状は、
中央の平面部Fから左側への立上がり面23を経て上記
立上り部22に至り、右側は暫時立上がり面23aから
これに続く略水平の平面部Faを経て、該平面部Faの
終端より上記フィードチェン8の搬送面に向かう立上が
り面23bを形成し、右側端部は脱穀装置D機体への取
付部を構成する平面部Fbに形成し、これらを連続状に
構成したものである。 【0009】そして、この入口板21の形状は図3の断
面位置のみならず、要は従来の入口板21上にあった頂
きP〔図5(a)参照〕を無くし、入口板21の折り曲
げ位置を増やしてゴム板20が上記入口板21上により
フィットして、両者間の隙間δ〔図5(b)参照〕を無
くすことにあるので、これら立上がり面や平面部の面積
比率等は断面位置により若干の増減差異があっても効果
上は殆ど差異がないものである。 【0010】ここで、図2において、24は上記入口板
21の奥側(脱穀装置Dの扱室側)と手前側(扱深さ調
節搬送体7側)との間にh分の高さで横幅全体に亘って
設けた段差部で、該段差部24の存在により、扱室内の
飛散粒が、機外に洩れようとするのを防止する効果があ
る。しかも、上記段差部24はリブの役目をも果たすの
で、入口板21の全体強度が増すとの効果もある。な
お、入口板21の周囲に複数ある25は入口板21の脱
穀装置D機体への取付孔である。 【0011】また、上記の例では入口板21を、段差部
24をも含め単一の樹脂等で形成しているが、これを手
前側(扱深さ調節搬送体7側)部分のみを一定の厚みの
ある別部材で構成し、入口板21上にボルト等の緊定具
でこれを固定して、段差部24を構成しても良いもので
あることは勿論である。更に、従来、入口板21の最も
手前側部分に若干の上向きリブがあって、その前方から
入口板21の上部に掛け渡されたゴム板20の円滑な動
きを妨げていたが、この部分の横幅全体に亘って逆に下
向きのリブを設けると、入口板21の強度が増すことに
加え、ゴム板20の動きをも円滑に出来るものである。 【0012】次に、図4について説明する。(a)は、
本願の図1を拡大した脱穀装置D入口部分の要部の側面
図であり、(b)は入口板の他例の側面図である。先ず
上記図4(a)において、脱穀装置Dの前側板27に緊
定具28にてゴム垂れ29を取付け、その先端側を上記
入口板21の段差部24と重ね合わせると、非脱穀穀稈
が搬送されない時には、入口が完全に塞がれるので、入
口板21側からの機外への穀粒の飛散が防止されるもの
で、従来の如く、段差部24がないものに比し、上記ゴ
ム垂れ29が永年の使用により若干の変形を起こして
も、この部分からの穀粒洩れを完全に防止出来るもので
ある。また、上記図4(b)において、従来、入口板2
1の下段部(奥側)は平坦面であったので、コンバイン
の走行振動や脱穀振動等で、穀粒が機外に洩れ易かった
が、当実施例の如く、下段部(奥側)を波形状30にす
ると、走行振動や脱穀振動で穀粒が扱室内に戻り、機外
に飛散するのが防止出来るものである。 【0013】本発明の脱穀機の入口板形状は、以上のよ
うな構成よりなっており、コンバインでの刈取脱穀作業
時に、扱深さ調節搬送体7で挟持されながら搬送されて
きた穀稈が、その株元部分を脱穀装置Dのフィードチェ
ン8に扱深さ調節された状態で継送される。そして、フ
ィードチェン8により挟持搬送される間に、穀稈の穂部
や葉茎部はゴム板20上を通過して、脱穀装置Dの扱室
内に入り、扱胴にて脱穀処理される。この時、搬送中の
非脱穀穀稈から脱粒した穀粒や上記脱穀機の扱室内から
入口板21上に飛散してきた穀粒等は、穀稈が連続して
脱穀装置D内部に送り込まれることにより入口部におい
て、恰も穀稈の側部は飛散粒の防御壁となり、また、穀
稈の下部は箒の役目を果たすことで、飛散粒が扱室内部
に戻されるが、ゴム板20の下面側においては、上記入
口板21とゴム板20との隙間が無くなったことによ
り、この部分から機外に散逸する穀粒が殆どなくなり、
穀粒ロスを未然に防ぐことができるものである。 【0014】しかも、本案では段差部24の存在によ
り、扱室から外部に出ようとする飛散穀粒がこの部分で
防止される効果もある。また、従来入口板21の最も手
前側部分に若干の上向きリブを設けていたが、本案にお
いては、上記隙間が無くなったことにより、上向きリブ
を下向きリブに変更して、上記ゴム板20の動きを円滑
に出来たものである。 【0015】 【発明の効果】本発明は、前記の如く、脱穀機の穀稈供
給口の外側に設けた入口板21であって、その正面視形
状を、中央部より右側のフィードチェン8側に向かう暫
時立上がり面23aからこれに続く略水平の平面部Fa
を経て、該平面部Faの終端より上記フィードチェン8
の搬送面に向かう立上がり面23bを形成し、これらを
連続状に構成したので、上記入口板21と穀稈を引き継
ぐゴム板20との隙間が無くなったことにより、この部
分から機外に散逸する穀粒が殆どなくなり、穀粒のロス
を未然に防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本願発明の機体の一部を切欠したコンバインの
全体側面図である。 【図2】同上入口板全体の斜視図である。 【図3】図2のA−A線断面図である。 【図4】(a)脱穀装置入口部分の要部の側面図であ
る。 (b)入口板の他例の側面図である。 【図5】従来例を示すもので、(a)は入口板の全体斜
視図である。(b)は上部のゴム板と下部の入口板との
関係を示す部分正面図である。 【符号の説明】 1 走行機体 7 扱深さ調節搬送体 8 フィードチェン 18 メインセンサ 19 扱深さセンサ 20 ゴム板 21 入口板 22 立上がり部 23,23a,23b 立上がり面 24 段差部 D 脱穀装置 F,Fa,Fb 平面部 S 支点 h (段差部の)高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦織 昇 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 (72)発明者 大本 啓一 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 脱穀機の穀稈供給口の外側に設けた入口
    板21であって、その正面視形状を、中央部より右側の
    フィードチェン8側に向かう暫時立上がり面23aから
    これに続く略水平の平面部Faを経て、該平面部Faの
    終端より上記フィードチェン8の搬送面に向かう立上が
    り面23bを形成し、これらを連続状に構成したことを
    特徴とする脱穀機の入口板形状。
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