JP2002534407A - キラルアミノ酸の新規な製造方法 - Google Patents

キラルアミノ酸の新規な製造方法

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    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(II)のラセミヒダントインを鏡像異性体分割剤に接触させる段階から成ることを特徴とする式(I)のキラルアミノ酸の新規な製造方法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明はラセミヒダントインからキラルアミノ酸を製造する新規な方法、及び
、このようなキラルアミノ酸をキラル有機化合物の合成中間体として使用する用
途に関する。
【0002】 (従来の技術) キラルアミノ酸の製造方法に関しては、主として液体クロマトグラフィーによ
るラセミ混合物の分割、アルカロイドによる分割、または酵素処理による分割な
どに基づく多くの方法が、例えば未公開のフランス特許出願第9806339号
のような文献に記載されている。
【0003】 これらの種々の分割方法は、工業化が難しく比較的コストが高いという欠点を
有している。使用されている方法は確かに経費が高い。
【0004】 キラルアミノ酸の工業的製造方法(工業的方法とは、実験室製造以外のすべて
の製造方法を意味する)では、鏡像異性体選択的合成、即ち、所望の単一鏡像異
性体だけが高い鏡像異性体純度で得られるような合成が必要である。
【0005】 ヒダントインからアミノ酸を製造する方法は例えば日本特許JP602246
61及びJP62103049に記載されている。しかしながらこれらの方法で
はラセミアミノ酸が得られる。
【0006】 逆に、欧州特許EP−A−739978は、ラセミヒダントインから光学的に
純粋なアミノ酸を製造する方法を提案している。
【0007】 この種の方法には、酵素反応を使用するという欠点、及び、複数の段階を含む
という欠点がある。これらの欠点の直接的な結果として、工業的方法が複雑化し
、また、得られる生成物の収率及び製造コストにも影響が及ぶ。
【0008】 本発明の目的は、ラセミヒダントインからキラルアミノ酸を製造するための上
述のような欠点が除去された方法を提供することである。
【0009】 本発明の1つの目的は、ラセミヒダントインから実質的に鏡像異性的に純粋な
アミノ酸を製造する方法を提供することである。
【0010】 本発明の別の目的は、中間体であるキラルヒダントインの単離を要せずに単一
段階(“ワンポット反応”)でラセミヒダントインから実質的に鏡像異性的に純
粋なアミノ酸を製造する方法を提供することである。
【0011】 本発明の別の目的は、ラセミヒダントインから鏡像異性的に実質的に純粋なア
ミノ酸を高い収率で製造する方法を提供することである。
【0012】 本発明の付加的な目的は、ラセミヒダントインから実質的に鏡像異性的に純粋
なアミノ酸を製造するための容易に工業化可能で廉価な方法を提供することであ
る。
【0013】 これらのすべての目的は以下に記載の本発明方法によって全面的または部分的
に達成され得ることがここに知見された。
【0014】 (発明の概要) 本発明は、式(I):
【0015】
【化4】 のキラルアミノ酸の新規な製造方法であって、式(II):
【0016】
【化5】 のラセミヒダントインを鏡像異性体分割剤に接触させることを特徴とする方法か
ら成る。
【0017】 式(I)及び式(II)の化合物中、 R及びRは、互いに異なる基を表し、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキルまたはハロアルキ
ル基、 −2−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルコキシアルキル、アル
キルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル
、アルケニルまたはアルキニル基、 −3−7個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のジアルキルアミノアルキル
またはシクロアルキル基、 −Rから選択された1−3個の基で任意に置換されたアリール、即ち、フェ
ニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル
、キノリニル、イソキノリニルまたはメチレンジオキシフェニル基、及び、 −アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキルまたは
アリールスルホニルアルキル{ここに、アリール及びアルキルなる用語は前記の
定義と同義である}、 から選択されるか、あるいは、 −RとRとは、それらが結合した環の炭素と共に5−7原子の炭素環また
は複素環を形成し、これらの環はRから選択された1−3個の基で任意に置換
されたフェニルに融合してもよく、 Rは、 −ハロゲン原子、 −1−6個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアル
コキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオまたはアルキルスルホニル基、 −3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルケニ
ルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ基、 −ニトロまたはシアノ基、 −1−6個の炭素原子を含むアルキルもしくはアシル基または2−6個の炭素
原子を含むアルコキシカルボニル基で任意にモノ置換またはジ置換されたアミノ
基、及び、 −Rから選択された同じまたは異なる1−3個の基で任意に置換されたフェ
ニル、フェノキシまたはピリジルオキシ基、 から選択された基を表し、 Rは、 −フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されたハロゲン原子、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルコキシまたはアルキル
チオ基、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のハロアルコキシまたはハロ
アルキルチオ基、 −ニトリル基、及び、 −ニトロ基、 から選択された基を表す。
【0018】 このようにして得られたキラルアミノ酸は治療医学または農業の分野で特に有
用なキラル有効物質を製造するために合成中間体として使用し得る。例えば、こ
れらのキラルアミノ酸は、欧州特許EP−A−0629616に記載された2−
イミダゾリン−5−オン及び2−イミダゾリン−5−チオンのようなある種の殺
真菌剤を製造するために中間体として使用され得る。
【0019】 本発明は式(I):
【0020】
【化6】 のキラルアミノ酸の新規製造方法に関し、上記式中、 ・RとRは異なり、 −炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝鎖アルキル又はハロアルキル基、 −炭素原子数2〜6の直鎖又は分枝鎖アルコキシアルキル、アルキルチオアル
キル、アルキルスルホニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル、アルケニル
又はアルキニル基、 −炭素原子数3〜7の直鎖又は分枝鎖ジアルキルアミノアルキル又はシクロア
ルキル基、 −場合によりRから選択される1〜3個の基で置換されたアリール基、即ち
フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフ
リル、キノリニル、イソキノリニル又はメチレンジオキシフェニル基、及び −アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル又はア
リールスルホニルアルキル基(アリール及びアルキルなる用語は上記定義による
)から選択されるか、あるいは −RとRはそれらが環上で結合している炭素と一緒になって炭素原子数5
〜7の炭素環又は複素環を形成してもよく、前記環は場合によりRから選択さ
れる1〜3個の基で置換されたフェニルと融合してもよく、 ・Rは −ハロゲン原子、 −炭素原子数1〜6のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ
、アルキルチオ、ハロアルキルチオ又はアルキルスルホニル基、 −炭素原子数3〜6のシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルケニルオキ
シ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ基、 −ニトロ又はシアノ基、 −場合により炭素原子数1〜6のアルキルもしくはアシル基又は炭素原子数2
〜6のアルコキシカルボニル基でモノ又はジ置換されたアミノ基、及び −場合によりRから選択される同一又は異なる1〜3個の基で置換されたフ
ェニル、フェノキシ又はピリジルオキシ基から選択される基を表し、 ・Rは −フッ素、塩素、臭素及びヨードから選択されるハロゲン原子、 −炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝鎖アルキル基、 −炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝鎖アルコキシ又はアルキルチオ基、 −炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝鎖ハロアルコキシ又はハロアルキルチオ基
、 −ニトリル基、並びに −ニトロ基から選択される基を表す。
【0021】 本発明の好ましい態様によると、式(I)のキラルアミノ酸は、 −Rが場合により1〜3個の上記R基で置換されたアリール基を表し、 −Rが炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝鎖アルキル又はハロアルキル基を表
すものである。
【0022】 本発明の特に好ましい態様によると、式(I)のアミノ酸は、 −Rが場合により1個の上記R基で置換されたフェニル基を表し、 −Rがメチル、エチル、直鎖又は分枝鎖プロピル、直鎖又は分枝鎖ブチル、
直鎖又は分枝鎖ペンチル及び直鎖又は分枝鎖ヘキシルから選択されるアルキル基
を表すものである。
【0023】 式(I)において不斉炭素に付した星印(*)はアミノ酸がキラルであること
、即ちアミノ酸がS又はR配置であることを意味する。
【0024】 本発明の方法はキラルアミノ酸を得ることができる。「キラルアミノ酸」とは
、S配置であるかR配置であるかを問わずに実質的に純粋なエナンチオマーを意
味する。
【0025】 「実質的に純粋」なる用語は、エナンチオマーのエナンチオマー過剰率が80
%以上、特に90%以上であることを意味する。本発明の方法の操作条件によっ
てはエナンチオマー過剰率が100%になることもあり、即ち、この場合には得
られるエナンチオマーは純粋であり、他方のエナンチオマー形態は検出されない
【0026】 「エナンチオマー過剰率」とは、非所望エナンチオマーに対する所望エナンチ
オマーの過剰の割合を意味する。
【0027】 この割合は下式のいずれかにより計算される。
【0028】 %e.e.(S)={([S]−[R])/([R]+[S])}×100 %e.e.(R)={([R]−[S])/([R]+[S])}×100 式中、 −%s.s(S)はS異性体のエナンチオマー過剰率を表し、 −%e.e.(R)はR異性体のエナンチオマー過剰率を表し、 −[S]はS異性体濃度を表し、 −[R]はR異性体濃度を表す。
【0029】 本発明の方法はエナンチオマー分割剤と式(II):
【0030】
【化7】 (式中、R及びRは上記と同義である)のラセミヒダントインを接触させる
ことを特徴とする。
【0031】 「ラセミヒダントイン」とは、実質的に非光学活性であり、即ち一方のエナン
チオマーが他方よりも実質的に多量にならない式(II)のヒダントインを意味
する。
【0032】 従って、本発明の方法は、 −(a)上記式(II)のラセミヒダントインを塩基性媒体に可溶化し、 −(b)エナンチオマー分割剤を加え、 −(c)反応媒体から分割剤を分離し、 −(d)反応媒体を塩基性媒体中で加水分解し、所望キラルアミノ酸の塩基性
塩を遊離させることからなり、工程(a)及び(b)は同時に実施してもよいし
、連続して実施してもよい。
【0033】 上記工程(a)〜(d)の各々は有機合成分野の当業者に公知の技術により実
施される。これらの工程については以下に詳述するが、当業者は本発明の目的か
ら離れずに各工程に変更及び/又は改良を加えることができる。従って、このよ
うな変更及び/又は改良も本発明に含まれる。
【0034】 全工程(a)〜(d)を1段階(「ワンポット反応」)即ち各工程後に得られ
る中間体を分離せずに同一反応装置で実施すると有利である。
【0035】 従って、本発明の方法を1段階で実施すると、方法を工業規模で実施する場合
に特に有利である。
【0036】 本発明の方法の第1工程は適宜選択した溶媒中で上記式(II)のラセミヒダ
ントインと分割剤と塩基を撹拌下に混合する。反応体を完全に可溶化させるよう
に反応媒体を場合により加熱してもよい。
【0037】 得られた沈殿を分離し、塩基性水溶液と混合する。
【0038】 こうして得られた溶液を処理し、分割剤を分離する。この分離は当業者に公知
の任意方法により実施することができ、好ましくは減圧下に蒸留により分離する
と特に有利である。同様に処理し、濾液に含まれている分割剤を分離する。
【0039】 従って、分割剤を実質的に定量的に分離及び回収し、他の処理を加えずに別の
キラルアミノ酸製造サイクルで直接再使用することができる。
【0040】 分割剤の除去後、ヒダントイン塩溶液を加水分解する。この工程は反応媒体を
単に加熱することにより実施すると有利である。
【0041】 最後に、媒体の中和後に常法により所望キラルアミノ酸を回収する。
【0042】 本発明の方法で使用する分割剤は不斉合成分野の当業者に公知の任意分割剤を
使用することができる。この分割剤は予定反応に適した任意型であり、この化合
物の光学活性を表す右旋性又は左旋性なる用語で一般に定義される明確な既知配
置のキラル(又は不斉)化合物である。この分割剤は例えばキラル分割剤から選
択することができ、例えばキラルアミン(例えばキニン、シンコニジン、デヒド
ロアビエチルアミン、エフェドリン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロ
パンジオール、α−メチルベンジルアミン、α−(1−ナフチル)−エチルアミ
ン又は2−フェニルグリシノール)と、キラル酸(例えば酒石酸、ジベンゾイル
酒石酸、リンゴ酸、樟脳スルホン酸、マンデル酸又はフェンシフォス)が挙げら
れる。本発明の特に好ましい態様によると、本発明の方法に使用するキラル分割
剤は製造したいアミノ酸が夫々右旋性であるか左旋性であるかに従って、右旋性
α−メチルベンジルアミン(+)−α−MBA又は左旋性α−メチルベンジルア
ミン(−)−α−MBAである。この分割剤の使用については例えば特許WO−
A−92/08702又はG.Coquerelらの文献,Chirality
,4,(1992),400−403に記載されている。
【0043】 驚くべきことに、本発明のキラルアミノ酸製造方法はラセミヒダントインと分
割剤の接触時に反応媒体に塩基を導入することにより、ラセミヒダントイン量に
対して1倍等量まで(例えば0.2〜1倍等量)の分割剤を使用して実施するこ
とができる。
【0044】 この塩基は有機塩基でも無機塩基でもよい。本発明の方法に好適な無機塩基と
しては水酸化物を挙げることができ、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属の水
酸化物、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用する。本発明の方法
に使用可能な有機塩基としてはアミン類、好ましくは第3級アミン類、例えばト
リエチルアミンを挙げることができる。
【0045】 本発明の方法に使用する塩基は出発時に存在するラセミヒダントイン量に対し
て0.2〜0.8倍等量を反応媒体に存在させる。
【0046】 本願に記載する方法に好適な塩基としては、アルカリ又はアルカリ土類金属の
水酸化物を挙げることができ、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましい
。使用する塩基は水酸化ナトリウムが特に好ましい。塩基の使用量は出発時のラ
セミヒダントイン量に対して塩基0.1〜0.9倍等量、好ましくは0.4〜0
.6、例えば0.5倍等量とする。
【0047】 本発明の方法の1態様によると、式(II)のラセミヒダントインを溶解する
。この溶解は有機もしくは無機溶媒、有機もしくは無機溶媒の混合物、又は有機
溶媒と無機溶媒の混合物中で実施される。有機溶媒とは、アルコール類やケトン
類(例えばメタノール、エタノール又はジメチルケトン)等のプロトン性又は非
プロトン性極性溶媒を優先的に意味する。無機溶媒とは、例えば水等の極性溶媒
を同様に優先的に意味する。
【0048】 本発明の方法の実施にあたっては、ヒダントインの溶媒として水を選択するこ
とが好ましく、水/補助溶媒系が更に好ましく、前記補助溶媒はメタノール、エ
タノール又はアセトンから選択すると有利である。
【0049】 この溶媒の各成分の割合即ち水/補助溶媒は、反応媒体中に5〜30重量%の
ヒダントイン濃度が得られるように選択する。
【0050】 このためには、補助溶媒の種類に従って90/10〜30/70の水/補助溶
媒量比を選択する。
【0051】 例えば、70/30比の水とエタノールの混合物から構成される溶媒を使用す
ることができる。
【0052】 ラセミヒダントインの溶媒の種類は特に重要であり、実際に溶媒和能が高いと
反応媒体中のヒダントイン濃度が高くなり、従って排液量が著しく減る。この点
は工業的方法の場合に特に重要である。
【0053】 反応媒体を加熱し、ヒダントインの溶解を助長してもよい。例えば、反応媒体
を40℃〜80℃、例えば50℃〜60℃の温度に加熱することができる。
【0054】 ラセミヒダントインを溶解させ、分割剤を反応媒体に加え、場合により最も溶
けにくい化合物を沈殿させるような温度まで全体を冷却した後に、得られた沈殿
を分離する。
【0055】 この沈殿の水溶液に過剰の塩基を同様に水溶液状で加える。使用する塩基は無
機塩基であり、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化アンモニウ
ムである。加える過剰の塩基は出発時のラセミヒダントインの量に対して1〜1
0倍等量とする。
【0056】 最後に、塩基性反応媒体から直接エナンチオマー分割剤を分離し、その後、本
発明の方法に再使用することができる。この分離は当業者に公知の任意方法によ
り実施する。本発明の特に好ましい態様によると、この分離は蒸留により実施す
る。
【0057】 こうして反応媒体は分割剤を全く含まないキラルヒダントインの塩基性塩の溶
液を含み、前記塩は分離せず、対応するキラルアミノ酸の塩に直接変換する。こ
の場合の加水分解も文献公知の任意方法により実施することができる。例えば、
選択する温度に応じて数分〜20時間以上の反応時間で50℃〜250℃、好ま
しくは100℃〜200℃の温度に単に加熱して加水分解する。
【0058】 最後に、例えば中和、洗浄、再結晶、蒸留、乾燥等の当分野で使用されている
慣用技術により反応媒体から所望キラルアミノ酸を分離する。当業者に公知の操
作条件でこれらの技術の1種以上を同時又は連続して実施することができ、当業
者は各場合に適した適切な反応体と反応条件を選択することができる。
【0059】 本発明の方法により得られる上記式(I)のキラルアミノ酸は特に医療又は農
業で有用なキラル活性成分の製造で合成中間体として利用すると特に有利である
【0060】 例えば、式(I)のキラルアミノ酸は特許EP−A−0629616に記載さ
れている式(A):
【0061】
【化8】 の所定の殺カビ剤性2−イミダゾリン−5−オン及び2−イミダゾリン−5−チ
オンの製造で中間体として使用することができ、上記式中、R及びRは式(
I)のアミノ酸について上記に定義した通りであり、 ・Wは酸素原子、硫黄原子又はS=O基を表し、 ・Mは酸素原子、硫黄原子又は場合によりハロゲン化されたCH基を表し、 ・pは0又は1の整数であり、 ・Rは −pが0であるか又は(M)がCH基である場合には、水素又は場合によ
りハロゲン化されたC−Cアルキル基を表し、 −(M)が酸素又は硫黄原子を表す場合には、場合によりハロゲン化された
−Cアルキル基を表し、 ・Rは −水素原子、 −炭素原子数1〜6のアルキル基、 −炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、ハロアル
キル、シアノアルキル、チオシアナトアルキル、アルケニルもしくはアルキニル
基、 −炭素原子数3〜6のジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアル
キルもしくはN−アルキルカルバモイルアルキル基、 −炭素原子数4〜8のN,N−ジアルキルカルバモイルアルキル基、 −場合によりRから選択される1〜3個の基で置換されたフェニル、ナフチ
ル、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベ
ンゾチエニル、ベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニルもしくはメチレンジ
オキシフェニルを含むアリール基、又は −アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキルもしく
はアリールスルホニルアルキル基(アリール及びアルキルなる用語は上記定義に
よる)を表し、 ・Rは −水素原子、又は炭素原子数1〜6のアルキル、ハロアルキル、アルキルスル
ホニル、ハロアルキルスルホニル基、 −炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アシル、
アルケニル、アルキニル、ハロアシル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシ
カルボニル、アルコキシアルキルスルホニル、シアノアルキルスルホニル基、 −炭素原子数3〜6のアルコキシアルコキシカルボニル、アルキルチオアルコ
キシカルボニル、シアノアルコキシカルボニル基、 −ホルミル基、又は炭素原子数3〜6のシクロアルキル、アルコキシアシル、
アルキルチオアシル、シアノアシル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボ
ニル基、 −炭素原子数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、 −フェニル、アリールアルキルカルボニル(特にフェニルアセチル及びフェニ
ルプロピオニル)、場合によりRから選択される1〜3個の基で置換されたア
リールカルボニル(特にベンゾイル、チエニルカルボニル、フリルカルボニル、
ピリジルカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルフリルオキシカルボニル
、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル、チエニルメトキシカルボニル、ピ
リジルメトキシカルボニル、フェノキシカルボニル又はフェニルチオカルボニル
であり、フェニル基はそれ自体場合によりRから選択される1〜3個の基で置
換されていてもよい)、アルキルチオカルボニル、ハロアルキルチオカルボニル
、アルコキシアルキルチオカルボニル、シアノアルキルチオカルボニル、ベンジ
ルチオカルボニル、フルフリルチオカルボニル、テトラヒドロフルフリルチオカ
ルボニル、チエニルメチルチオカルボニル、ピリジルメチルチオカルボニル又は
アリールスルホニル基、又は −場合により −炭素原子数1〜6のアルキルもしくはハロアルキル基、 −炭素原子数3〜6のシクロアルキル、アルケニルもしくはアルキニル基、 −炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル、アルキルチオアルキルもしくはシ
アノアルキル基、又は −場合により1〜3個のR基で置換されたフェニル基 でモノ又はジ置換されたカルバモイル基、 −場合により −炭素原子数1〜6のアルキルもしくはハロアルキル基、 −炭素原子数3〜6のシクロアルキル、アルケニルもしくはアルキニル基、 −炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル、アルキルチオアルキルもしくはシ
アノアルキル基、又は −場合により1〜3個のR基で置換されたフェニル基で モノ又はジ置換されたスルファモイル基、 −炭素原子数3〜8のアルキルチオアルキルスルホニル又は炭素原子数3〜7の
シクロアルキルスルホニル基を表し、 −RとRはそれらが結合している窒素原子と一緒になり、場合により炭素原
子数1〜3のアルキル基で置換されたピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ又は
ピペラジノ基を形成してもよく、 ・Rは −ハロゲン原子、 −炭素原子数1〜6のアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ
、アルキルチオ、ハロアルキルチオ又はアルキルスルホニル基、 −炭素原子数3〜6のシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルケニルオキ
シ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ基、 −ニトロ又はシアノ基、 −場合により炭素原子数1〜6のアルキルもしくはアシル基又は炭素原子数2
〜6のアルコキシカルボニル基でモノ又はジ置換されたアミノ基、 −場合によりRから選択される同一又は異なる1〜3個の基で置換されたフ
ェニル、フェノキシ又はピリジルオキシ基を表し、 ・Rは −フッ素、塩素、臭素、ヨードから選択されるハロゲン原子、 −炭素原子数1〜6のアルキル基、 −炭素原子数1〜6のアルコキシもしくはアルキルチオ基、 −炭素原子数1〜6のハロアルコキシもしくはハロアルキルチオ基、又は −ニトリルもしくはニトロ基を表す。
【0062】 式(A)の化合物の製造方法は下記スキーム:
【0063】
【化9】 で表すことができ、上記スキーム中、R、R、R、R、R、M、p及
びWは上記と同義であり、Rはヒドロキシ、炭素原子数1〜6のアルコキシ、ベ
ンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、炭素原子数1〜6
のアルキルアミノ基を表し、Xは塩素、臭素及びヨードから選択されるハロゲン
原子、硫酸基、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基等
の脱離基を表す。
【0064】 上記スキームにおいて、 −段階(a)は本発明の方法であり、以下に例示し、 −段階(b)、(c)及び(d)は参考資料としてその開示内容を本明細書の
一部とする特許WO−98/03490に記載されており、 −段階(e)は参考資料としてその開示内容を本明細書の一部とする特許EP
−A−0629616に記載されている。
【0065】 式(II)のラセミヒダントインから出発して式(I)の中間体を介する式(
A)の化合物の合成方法全体は新規であり、従って、本発明の範囲に含まれる。
【0066】 以下、実施例により本発明の方法の目的と利点を更に説明するが、これらの実
施例により発明の範囲を制限するものではない。
【0067】 実施例1: 70/30比の水とエタノールから構成される溶媒中でラセミ5−メチル−5
−フェニルヒダントイン15.7mmolと、R−(+)−α−メチルベンジル
アミン15.7mmolと、水酸化ナトリウム7.85mmolを撹拌下に混合
した。
【0068】 反応媒体を50℃に1時間30分加熱した後、10℃まで冷却した。
【0069】 沈殿を濾過後、水洗した。
【0070】 次に、この沈殿を水酸化ナトリウム(沈殿重量の0.3倍等量)の存在下に水
に溶かした。得られた溶液を減圧(400mbar)下に共沸蒸留し、R−(+
)−α−メチルベンジルアミンを定量的に回収した。
【0071】 次に、反応媒体を4時間かけて140℃まで上げた。
【0072】 25℃まで冷却後、反応媒体を33%塩酸水溶液で酸性化した。
【0073】 次に、得られたキラルアミノ酸沈殿を濾過後、洗浄(水、アセトン)、次いで
減圧乾燥した。
【0074】 出発時のラセミヒダントインに対して32%の収率と97%のエナンチオマー
過剰率で所望右旋性キラルアミノ酸が得られた。
【0075】 実施例2: 70/30比の水とエタノールから構成される溶媒中でラセミ5−メチル−5
−フェニルヒダントインと、R−(+)−α−メチルベンジルアミン(ラセミ5
−メチル−5−フェニルヒダントイン量に対して0.9倍等量)と、水酸化ナト
リウム(ラセミ5−メチル−5−フェニルヒダントイン量に対して0.5倍等量
)を撹拌下に混合した。
【0076】 反応媒体を55℃に30分加熱した後、20℃まで冷却した。
【0077】 得られた沈殿を濾過後、水洗した。
【0078】 次に、この沈殿を水酸化ナトリウム(沈殿重量の0.3倍等量)の存在下に水
に溶かし、得られた溶液からR−(+)−α−メチルベンジルアミンを蒸留によ
り分離した。
【0079】 次に、反応媒体を4時間160℃に加熱した。
【0080】 25℃まで冷却後、反応媒体を33%塩酸水溶液で酸性化した。
【0081】 次に、得られたキラルアミノ酸沈殿を濾過後、洗浄し、最後に乾燥した。
【0082】 出発時のラセミヒダントインに対して33%の収率と98%のエナンチオマー
過剰率でS−(+)−メチルフェニルグリシンが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 53/00 C07B 53/00 C C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 〔式中、 R及びRは、互いに異なる基を表し、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキルまたはハロアルキ
    ル基、 −2−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルコキシアルキル、アル
    キルチオアルキル、アルキルスルホニルアルキル、モノアルキルアミノアルキル
    、アルケニルまたはアルキニル基、 −3−7個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のジアルキルアミノアルキル
    またはシクロアルキル基、 −Rから選択された1−3個の基で任意に置換されたアリール、即ち、フェ
    ニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル
    、キノリニル、イソキノリニルまたはメチレンジオキシフェニル基、及び、 −アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキルまたは
    アリールスルホニルアルキル{ここに、アリール及びアルキルなる用語は前記の
    定義と同義である}、 から選択されるか、あるいは、 RとRとは、それらが結合した環の炭素と共に5−7原子の炭素環または
    複素環を形成し、これらの環はRから選択された1−3個の基で任意に置換さ
    れたフェニルに融合してもよく、 Rは、 −ハロゲン原子、 −1−6個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアル
    コキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオまたはアルキルスルホニル基、 −3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルケニ
    ルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ基、 −ニトロまたはシアノ基、 −1−6個の炭素原子を含むアルキルもしくはアシル基または2−6個の炭素
    原子を含むアルコキシカルボニル基で任意にモノ置換またはジ置換されたアミノ
    基、及び、 −Rから選択された同じまたは異なる1−3個の基で任意に置換されたフェ
    ニル、フェノキシまたはピリジルオキシ基、 から選択された基を表し、 Rは、 −フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されたハロゲン原子、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルコキシまたはアルキル
    チオ基、 −1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のハロアルコキシまたはハロ
    アルキルチオ基、 −ニトリル基、及び、 −ニトロ基、 から選択された基を表す〕のキラルアミノ酸の製造方法であって、式(II): 【化2】 〔式中、R及びRは式(I)の定義と同義〕のラセミヒダントインを鏡像異
    性体分割剤に接触させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1に記載の式(II)のラセミヒダントインを
    塩基性媒体に可溶化する段階と、 (b)鏡像異性体分割剤を添加する段階と、 (c)分割剤を反応媒体から分離する段階と、 (d)所望のキラルアミノ酸の塩基性塩を遊離させるために反応媒体を塩基性媒
    体中で加水分解する段階と、 から成り、処理段階(a)及び(b)は同時段階でもよくまたは順次段階でもよ
    いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ラセミヒダントインの使用量に対して0.2−1当量の分割
    剤を使用して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 単一段階(“ワンポット反応”)で行うことを特徴とする請
    求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 分割剤がキラルアミンまたはキラル酸であることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 分割剤が、R−(+)−α−メチルベンジルアミンまたはS
    −(−)−α−メチルベンジルアミンであることを特徴とする請求項5に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 ラセミヒダントインの使用量に対して0.2−0.8当量の
    有機塩基または無機塩基、好ましくは0.4−0.6当量の有機塩基または無機
    塩基を使用して行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 式(II)のヒダントインを水/助溶媒系に溶解させること
    を特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 助溶媒がメタノール、エタノール及びアセトンから選択され
    ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 水/助溶媒の比は、反応媒体中で5−30重量%のラセミ
    ヒダントイン濃度が得られるような比であることを特徴とする請求項8または9
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 水/助溶媒の比が、90/10−30/70であることを
    特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 分割剤が、反応後に分離され、実質的に定量的に回収され
    、追加処理を要せずに新しいキラルアミノ酸製造サイクルで直接再利用されるこ
    とを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 式(I)のキラルアミノ酸において、 Rが、請求項1に定義の1−3個の基Rで任意に置換されたアリール基を
    表し、 Rが、1−6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基またはハ
    ロアルキル基を表すことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 式(I)のキラルアミノ酸において、 Rが、前記に定義の1個の基Rで任意に置換されたフェニル基を表し、 Rが、メチル、エチル、直鎖状または分枝状のプロピル、直鎖状または分枝
    状のブチル、直鎖状または分枝状のペンチル及び直鎖状または分枝状のヘキシル
    から選択されたアルキル基を表すことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 以下の反応スキーム: 【化3】 〔式中、 基R及びRは請求項1から14のいずれかに記載の定義と同義であり、 Wは、酸素原子もしくはイオウ原子または基S=Oを表し、 Mは、酸素原子もしくはイオウ原子または任意にハロゲン置換された基CH を表し、 pは0または1に等しい整数であり、 Rは、 −pが0に等しいかまたは(M)が基CHであるときは、水素または任意
    にハロゲン置換されたC−Cアルキル基を表し、 −(M)が酸素原子またはイオウ原子を表すときは、任意にハロゲン置換さ
    れたC−Cアルキル基を表し、 Rは、 −水素原子、または、 −1−6個の炭素原子を含むアルキル基、または、 −2−6個の炭素原子を含むアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、ハ
    ロアルキル、シアノアルキル、チオシアナトアルキル、アルケニルもしくはアル
    キニル基、または、 −3−6個の炭素原子を含むジアルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニ
    ルアルキルまたはN−アルキルカルバモイルアルキル基、または、 −4−8個の炭素原子を含むN,N−ジアルキルカルバモイルアルキル基、ま
    たは、 −Rから選択された1−3個の基で任意に置換されたアリール、例えば、フ
    ェニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、
    ピラジニル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニルもし
    くはメチレンジオキシフェニル基、または、 −アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキルもしく
    はアリールスルホニルアルキル基{ここに、アリール及びアルキルなる用語は前
    記の定義と同義である}、 を表し、 Rは、 −水素、または、1−6個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルキ
    ルスルホニル、ハロアルキルスルホニル基、または、 −2−6個の炭素原子を含むアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、ア
    シル、アルケニル、アルキニル、ハロアシル、アルコキシカルボニル、ハロアル
    コキシカルボニル、アルコキシアルキルスルホニル、シアノアルキルスルホニル
    基、または、 −3−6個の炭素原子を含むアルコキシアルコキシカルボニル、アルキルチオ
    アルコキシカルボニル、シアノアルコキシカルボニル基、または、 −ホルミル基、または、3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、アルコキ
    シアシル、アルキルチオアシル、シアノアシル、アルケニルカルボニル、アルキ
    ニルカルボニル基、または、 −4−8個の炭素原子を含むシクロアルキルカルボニル基、または、 −フェニル;アリールアルキルカルボニル特にフェニルアセチル及びフェニル
    プロピオニル、Rから選択された1−3個の基で任意に置換されたアリールカ
    ルボニル特にベンゾイル、チエニルカルボニル、フリルカルボニル、ピリジルカ
    ルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルフリルオキシカルボニル、テトラヒ
    ドロフルフリルオキシカルボニル、チエニルメトキシカルボニル、ピリジルメト
    キシカルボニル、フェノキシカルボニル、フェニル基自体がRから選択された
    1−3個の基で任意に置換されたフェニルチオールカルボニル、アルキルチオー
    ルカルボニル、ハロアルキルチオールカルボニル、アルコキシアルキルチオール
    カルボニル、シアノアルキルチオールカルボニル、ベンジルチオールカルボニル
    、フルフリルチオールカルボニル、テトラヒドロフルフリルチオールカルボニル
    、チエニルメチルチオールカルボニル、ピリジルメチルチオールカルボニルもし
    くはアリールスルホニル基、または、 −以下の基によって任意にモノ置換またはジ置換されたカルバモイル基、 −1−6個の炭素原子を含むアルキルもしくはハロアルキル基、 −3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、アルケニルもしくはアルキニ
    ル基、 −2−6個の炭素原子を含むアルコキシアルキル、アルキルチオアルキルも
    しくはシアノアルキル基、 −1−3個の基Rで任意に置換されたフェニル基、または、 −以下の基によって任意にモノ置換またはジ置換されたスルファモイル基、 −1−6個の炭素原子を含むアルキルもしくはハロアルキル基、 −3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、アルケニルもしくはアルキニ
    ル基、 −2−6個の炭素原子を含むアルコキシアルキル、アルキルチオアルキルも
    しくはシアノアルキル基、 −1−3個の基Rで任意に置換されたフェニル基、または、 −3−8個の炭素原子を含むアルキルチオアルキルスルホニル基または3−7
    個の炭素原子を含むシクロアルキルスルホニル基、 を表し、 RとRとはまた、それらが結合した窒素原子と共に、1−3個の炭素原子
    を含むアルキル基で任意に置換されたピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまた
    はピペラジノ基を形成してもよく、 Rは、 −ハロゲン原子、または、 −1−6個の炭素原子を含むアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアル
    コキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオもしくはアルキルスルホニル基、また
    は、 −3−6個の炭素原子を含むシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルケニ
    ルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ基、または、 −ニトロもしくはシアノ基、または、 −1−6個の炭素原子を含むアルキルもしくはアシル基または2−6個の炭素
    原子を含むアルコキシカルボニルによって任意にモノ置換またはジ置換されたア
    ミノ基、または、 −Rから選択された同じまたは異なる1−3個の基によって任意に置換され
    たフェニル、フェノキシまたはピリジルオキシ基、 を表し、 Rは、 −フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択されたハロゲン原子、または、 −1−6個の炭素原子を含むアルキル基、または、 −1−6個の炭素原子を含むアルコキシもしくはアルキルチオ基、または、 −1−6個の炭素原子を含むハロアルコキシもしくはハロアルキルチオ基、ま
    たは、 −ニトリルもしくはニトロ基、 を表し、 Rは、ヒドロキシ、1−6個の炭素原子を含むアルコキシ、ベンジルオキシ、
    アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基{ここに、アルキルアミノ基
    は1−6個の炭素原子を含む}を表し、 Xは、塩素、臭素及びヨウ素から選択されたハロゲン原子またはスルフェート
    基またはアルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基のよう
    な離脱基を表す〕 による式(A)の化合物の製造方法であって、スキームの段階(a)が、式(I
    I)のラセミヒダントインを式(I)のアミノ酸に変換する請求項1から14の
    いずれか一項に記載の方法であることを特徴とする方法。
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