JP2002532263A - 形状偏差を有する中心部を備えた工作物を研削するための方法及び装置 - Google Patents

形状偏差を有する中心部を備えた工作物を研削するための方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、形状偏差を有する領域を備えた工作物を加工するための方法であって、工作主軸台（１）の工作主軸（３０）のセンタ（４）と、心押台（３）の心押軸（１３）のセンタ（６）との間に工作物（５）を緊締し、工作物（５）にステー支持座（８）を研削し、この場合、心押台（３）の心押軸（１３）のセンタ（６）が、工作物の収容部の中心部に接触するようになっている形式のものに関する。この方法は、ステー支持座の研削後に、センタと心押台心押軸とを、工作物の緊締部の中心部における接触領域から中間領域へと引き戻し、工作物を心押台側で、ステー（７）と、工作物の緊締部の中心部に向けられて、プレロードをかけられた押圧ピン（２１）によって付与される軸方向力とによって位置固定することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、形状偏差を有する中心部を備えた工作物を研削するための方法およ
び装置に関する。
【０００２】 背景技術には、工作物の精密加工、特に工作物の研削加工が属している。この
場合、工作物は工作主軸台のセンタと心押台のセンタとの間に収容される。この
ような緊締状態では、とりわけこのような工作物には、緊締中心部の領域が極め
て肉薄であるという困難が伴う。このような工作物はしばしば正確な形状で前加
工されていないか、または、前加工後に行われる熱処理に基づき生じる歪みによ
る、真円誤差のような形状誤差を有している。肉薄の工作物のこのような歪みに
基づく非真円性の排除は、主として引き続き行われる、工作物の外径における研
削加工によっては修正できず、即ち中心部の非真円性は、外側の円形研削時に寸
法および真円誤差として引き継がれてしまう。
【０００３】 そこで本発明の課題は、工作物の中心部領域の真円性偏差部のような形状誤差
を、機械的な加工中に完成品に引き継がせないような研削方法および装置を提供
することにある。このようにして工作物を最終研削する前の、手間のかかる中央
研削の作業過程を省略することができる。さらに高い製造品質が得られ、工作物
は誤差のない外寸を有する。唯一の緊締において完成した外輪郭が完全に研削さ
れる。
【０００４】 この課題は、請求項１に記載の方法の特徴および、請求項２に記載のこの方法
を実行するための装置の特徴により解決される。請求項３記載の特徴により、請
求項２記載の装置の構造的に有利な構成が得られる。
【０００５】 この課題は、心押台心押軸に組み付けられた心押台のセンタが、ばね部材を備
えた押圧ピンを有するように形成されていることにより解決される。これにより
、加工したい工作物を軸方向で、対向して位置する工作主軸台の工作主軸のセン
タに向かって押し付けることができる。工作物はこの場合、支持ステーによって
位置固定されるように支持される。本発明の実施例によれば、押圧ピンがピスト
ン部分およびロッド部分から成っている。即ち、押圧ピンは、心押台センタの基
体の内側に支承されている。心押台センタを備えた心押台心押軸は中間位置に引
き戻すことができる。これにより工作物は加工するために、工作主軸台側のセン
タリング領域において、支持ステーのジョーとに正確にセンタリングされて収容
される。
【０００６】 次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【０００７】 図１には例えば、研削機上に緊定された工作物５が示されている。この工作物
５は、工作主軸台１の工作主軸３０のセンタ４と、心押台３の中心部１１を有し
たセンタ６との間に緊締されている。工作主軸３０のセンタ４と心押軸１３のセ
ンタ６との間への工作物の挟み込みおよびここからの取り出しは、心押台の移動
により心押台心押軸１３が後方の位置に引き戻されることにより行われる。
【０００８】 工作主軸台１と心押台３とはＺ方向で移動可能な研削台２（部分的にしか図示
しない）に組み付けられている。工作主軸台１は工作主軸３０を有しており、該
工作主軸３０はモータ駆動装置（図示せず）を介して駆動可能である。心押台３
は、連行される心押台心押軸１３を備えている。該心押軸１３は心押台３のケー
シングの内側で軸方向摺動可能である。工作主軸台１の工作主軸３０の中央軸線
と、心押台３の心押軸１３とは正確に互いに整合するように配向されている。こ
れらの間に工作物５がその長手方向軸線で同様に整合するように緊締される。研
削台２には、摺動可能なジョー９を備えた支持ステー７が配置されている。工作
機械の工作主軸台１と心押台３の配置に対して軸平行に、研削車１６を備えた研
削スピンドル１５の研削車１６が、工作物緊締装置に対してＸ軸の方向で垂直に
当てつけ可能に配置されている。さらに研削スピンドル１５は工作機械のＺ軸方
向で軸平行に配置されている。研削車１６のＸ軸方向での当て付けは工作物に対
して直角に行われる。
【０００９】 図２によれば、工作物が工作主軸台１のセンタ４と心押台３のセンタ６との間
に緊締されている。心押台３のセンタ６に当接する中心部１１では工作物５は極
めて肉薄なので、緊締時に付与される圧力により、工作物５の肉薄の領域がセン
タリングするように変形される。即ち、工作物５の収容中心部の心押台側の領域
は、心押台３のセンタ６からの軸方向の圧力により、心押台３の円錐台状のセン
タ６と結合して円形に押圧される。
【００１０】 工作物５の中央の領域では、工作物に対して直角にＸ軸方向で当接可能かつＺ
軸方向に対して軸平行な、研削スピンドル上１５に配置されている研削車１６に
よって、ステー支持座８が研削される。このステー支持座８には支持ステー７の
摺動可能なジョー９が当て付けられる。さらに工作物５は緊締し直されて、最終
的に加工され、このようにして正確な、即ち非円形ではない工作物５が得られる
。
【００１１】 図３には、心押台３の心押軸１３の、円錐台形状のセンタ６の構成が示されて
いる。このセンタ６は、摩耗防止のため超硬合金体６Ａによって埋められている
。センタ６はガイド部材２４上に配置されている。このガイド部材２４は心押軸
１３の長手方向軸線と整合している。ガイド部材２４は中心に長手方向孔を有し
ており、この長手方向孔はセンタの端部に向かって段付けされていて、直径が小
さくなる孔区分を有している。ガイド部材２４の反対側の端部では、調節可能な
ねじ２３を収容するために孔の直径が最大に形成されている。それに続く孔区分
は比較的小さな直径を有している。この孔区分には、この直径に適合するばね部
材２２が配置されている。このばね部材２２は一方では調節可能なねじ２３の端
面に当接しており、他方では、同じ直径を有する押圧ピン２１の円筒状のピスト
ン部分２６の端面に当接している。円筒状のピストン部分２６の他方の端部は、
極めて小さな直径を有する軸方向で延びるロッド部分２７を有している。このロ
ッド部分２７はガイド部材２４の出口孔によってガイドされている。ばね部材２
２によってプレロードをかけられた押圧ピン２１によって工作物５に軸方向力３
２が付与される。
【００１２】 図４では、心押台３の心押軸１３が矢印位置１０で示した中間位置に引き戻さ
れている。これにより心押台３のセンタ６の輪郭はもはや、位置１１Ａのように
工作物５に押圧接触していない。しかし押圧ピンロッド２１は、ばね部材２２の
ばね力によって工作物５を、工作主軸台１の工作主軸３０のセンタ４に向かって
押し付ける。
【００１３】 支持ステー７は、工作主軸３０のセンタ４と心押軸１３のセンタ６とに関して
工作物５の半径方向の配向を保証する。これにより心押台３のセンタ６は、緊締
により得られる工作物５のセンタリングが損なわれることはなしに、中間位置１
０に引き戻すことができる。いずれにせよこのような引き戻し距離は、工作物５
が心押軸１３のセンタ６にもはや接触しないような大きさでなければならない。
これにより、工作物５は無接触の中心部１１Ａを得る。従って、中間位置１０ま
での移動距離が僅か数十分の一ミリメータで十分である。工作物５の回転運動の
トルクは、工作主軸台１のセンタ４により伝えられるので、工作物５は力３２に
よって工作主軸３０のセンタ４に向かって押し付けられなければならない。この
摩擦接続は押圧ピン２１によってロッド部分２７を介して行われる。このように
して工作物５が回転駆動され、支持ステー７によってセンタリングされた位置に
保持される。これにより、外周面における工作物５の完全な加工が可能になる。
このようにして工作物５の、心押台側の端部の外周面も加工することができ、こ
の場合、誤差が、即ち非真円性が工作物５に引き継がれることはない。
【００１４】 本発明による方法及びこの方法を実行するための装置により、別の緊締システ
ムを備えた別の工作機械における少なくとも１つの処理過程が省かれる。これに
より加工コストを減じることができる。本発明による方法と、このために改良さ
れた装置とは、工作物の研削に制限されるものではなく、むしろ別の精密な処理
を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 研削機の部分平面図を工作物緊締装置の部分断面図で示した図である。
【図２】 図１の工作物緊締装置の部分断面図を運転位置で示した研削機の部分平面図で
ある。
【図３】 支持ステー（図示せず）が当てつけられた状態の、コンタクト位置にある心押
台センタとともに心押台側の工作物緊締装置を示した断面図である。
【図４】 心押台センタを備えた心押台心押軸の引き戻された中間位置において、心押台
側の工作物緊締装置を押圧ピンとともに示した断面図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１３年１月１２日（２００１．１．１２）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００２
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００２】 背景技術には、工作物の精密加工、特に工作物の研削加工が属している。この
場合、工作物は工作主軸台のセンタと心押台のセンタとの間に収容される。この
ような緊締状態では、とりわけこのような工作物には、緊締中心部の領域が極め
て肉薄であるという困難が伴う。このような工作物はしばしば正確な形状で前加
工されていないか、または、前加工後に行われる熱処理に基づき生じる歪みによ
る、真円誤差のような形状誤差を有している。肉薄の工作物のこのような歪みに
基づく非真円性の排除は、主として引き続き行われる、工作物の外径における研
削加工によっては修正できず、即ち中心部の非真円性は、外側の円形研削時に寸
法および真円誤差として引き継がれてしまう。 米国特許第２５４５８５８号明細書には、軸旋盤が記載されている。この公知
の旋盤では、軸状の工作物が、心押台と工作主軸台との間に、旋削加工のために
緊締可能である。心押台と工作主軸台とにはそれぞれ支持フランジが設けられて
いる。この場合、フランジの心押台側の端面には、摩擦面が設けられており、研
削したい軸を保持する。さらに、心押台の側と、工作主軸台の側にはばね負荷さ
れた旋盤センタが設けられている。これらのセンタは、センタリングのために、
研削したい軸のセンタリング孔に係合する。このような旋削機の欠点は、中心部
を備えた工作物の加工の際に効果的なセンタリングが不可能であることにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ， ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｃ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，Ｓ Ｌ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (71)出願人 Ｊｕｎｋｅｒｓｔｒａｓｓｅ ２、Ｄ− 77787 Ｎｏｒｄｒａｃｈ、Ｂ．Ｒ．Ｄｅ ｕｔｓｃｈｌａｎｄ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 形状偏差を有する領域を備えた工作物を加工するための方法
    であって、工作主軸台の工作主軸のセンタと、心押台の心押軸のセンタとの間に
    工作物を緊締し、工作物にステー支持座を研削し、この場合、心押台の心押軸の
    センタが、工作物の収容部の中心部に接触するようになっている形式のものにお
    いて、 ステー支持座の研削後に、センタと心押台心押軸とを、工作物の緊締部の中心
    部における接触領域から中間位置へと引き戻し、 工作物を心押台側で、ステーと、工作物の緊締部の中心部に向けられて、プレ
    ロードをかけられた押圧ピンによって付与される軸方向力とによって位置固定す
    ることを特徴とする、形状偏差を有する領域を有した工作物を加工するための方
    法。
  2. 【請求項２】 形状偏差を有する中心部を備えた工作物を加工するための装
    置であって、工作主軸台（１）が、工作主軸（３０）と、工作物（５）を収容す
    るための、前記工作主軸（３０）の長手方向軸線上に配置されたセンタ（４）と
    を備えており、心押軸（１３）を有する心押台（３）が研削台上に設けられてお
    り、前記心押軸（１３）が、心押軸（１３）の長手方向軸線上に位置するセンタ
    を有している形式のものにおいて、 心押台（３）の心押軸（１３）のセンタ（６）に、心押軸（１３）の長手方向
    軸線（３１）上にガイドされた、ばね部材（２２）によって負荷された押圧ピン
    （２１）が配置されていることを特徴とする、形状偏差を有する中心部を備えた
    工作物を加工するための装置。
  3. 【請求項３】 押圧ピン（２１）が、ピストン部分（２６）と、小さな直径
    を有するロッド部分（２７）とから成っていて、 押圧ピン（２１）が、ばね部材、特にコイルばねまたは皿ばねパッケージによ
    って頭部側で負荷されていて、 ばね部材（２２）が、圧力調節のためのねじ（２３）に結合されている、請求
    項２記載の装置。
JP2000587916A 1998-12-11 1999-12-09 形状偏差を有する中心部を備えた工作物を研削するための方法及び装置 Pending JP2002532263A (ja)

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