JP2002521043A - 非外科的人工授精のためのウマシステム - Google Patents

非外科的人工授精のためのウマシステム

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JP2002521043A
JP2002521043A JP2000562047A JP2000562047A JP2002521043A JP 2002521043 A JP2002521043 A JP 2002521043A JP 2000562047 A JP2000562047 A JP 2000562047A JP 2000562047 A JP2000562047 A JP 2000562047A JP 2002521043 A JP2002521043 A JP 2002521043A
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JP2000562047A
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エドワード エル. スクワイアーズ,
パトリック エム. マック,
ジョージ イー. シーデル,
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エックスワイ,インコーポレイテッド
コロラド ステイト ユニバーシティー スルー コロラド ステイト ユニバーシティー リサーチ ファウンデーション
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    • A61K35/52Sperm; Prostate; Seminal fluid; Leydig cells of testes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
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Abstract

(57)【要約】 非外科的人工授精が、雌雄鑑別を行ったウマおよび雌雄鑑別を行っていないウマについて、商業的に実用的な様式で、そして以前には商業的な実施のためには実用的ではないと考えられられていた投与量の授精精子を用いて、達成される。精液注入のための、実用的であり野外で使用可能な技術、ならびに既存の慣用的な、高投与量の、雌雄鑑別を行っていない、ウマにおける人工授精技術に匹敵するレベルの成功率を与える技術が提供される。改良された精液注入、および性を選択された精子のための使用に特に適合した選別システムが、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (I.技術分野) 本発明は、一般的にウマの人工授精の分野に関する。これはまた、所望の性の
ウマの子孫を生産するために精子の性選択が存在している場合の、ウマの人工授
精に関する。これは特に、非外科的なウマの人工授精が所望され、また低投与量
のウマの人工授精が実施の上で重要である状況に関する。
【0002】 (II.背景) 雌ウマの人工授精は、長年の間重要である。しばしば、これは、外科的に達成
されている。より低投与量の精子が必要とされない慣用的な例では、これは、人
工授精による手術なしで達成されるが、これは比較的多量の精子を使用する。雌
ウマの慣用的な人工授精については、250〜500×106の前進運動性精子
(pms)が発情期の雌ウマに一日おきに授精されることが、通常、最大の授精
率を達成するために推奨される。不幸なことに、雌ウマに高い授精能の種ウマの
精液を授精する場合、運動性の精子の数が減少するので、授精率は減少する。理
想的な条件のもとでは、雌ウマは,授精率を減少することなしに100×106
pms程度で授精に成功しているが、この数でさえ挑戦的である。低い数の精子
での授精は、量の制限された、分類された雌雄鑑別された精液および凍結解凍し
た精液を使用する場合、必然的である。
【0003】 ウマの子孫の性を予め選択することは、もちろん興味深い。DNA含量に基づ
いて分離された低数の分離され、濃縮された集団のX−およびY−染色体保持精
子での人工授精(AI)に続いて性を予め選択することは、現在、他の種では可
能であるが、ウマ種は、いくらかの点でより困難であることが示されている。ウ
シおよびヒツジの子宮内授精に続く所望の性の子孫の誕生は、雌雄鑑別技術を実
証するが、本発明までは、ウマに対しては実際には適用されていない。
【0004】 性を予め選択することを達成することは、X−染色体を有する精子をY−染色
体を有する精子から分離し、続いて人工授精(AI)のために、またはインビト
ロ授精(IVF)および引き続く胚移植のために使用することを含む。現在の高
速のフローサイトメトリーによって、研究者は、毎秒1000より多くの生きた
雌雄鑑別された精子を識別することが可能である。しかし、識別だけでは、十分
でない。精液雌雄鑑別を商業的なウマAIプログラムに対して実用的な技術にす
るために、少ない数の運動性の精子が授精投与量に必要とされる。雌ウマに、A
Iのための新鮮な精液を使用する場合、典型的な授精投与量は、250〜500
×106個の間の運動性精子を含む。毎秒約1000の生きた精子を識別する現
在の速度では、1回の授精投与量を識別するために約6日かかる。従って、より
少ない数の運動性の精子が、合理的な授精率を実用的に達成することが必要とさ
れる。一旦これが達成されると、雌ウマの雌雄鑑別された精液での非外科的な授
精での高められた授精率がまた、実用的に必要であるとみなされる。
【0005】 記載したように、性を予め選択することは、DNA含量を使用することおよび
精子をX−およびY−染色体保持集団へ分離することが含まれる。現在の高速フ
ローサイトメトリーを使用すると、研究者は、毎秒1000までの所望の性の生
きた精子を90%の精度で識別することができ、これは、合理的な時間でウマ以
外の多くの種において、適切な数の精子を提供する。例えば、精子雌雄鑑別のた
めのこの新規な技術によって、これはウシにおける人工授精のための実際的な技
術となっている。少数の精子のみを識別し、かつ依然として精液の生存力を維持
することが実用的であるので、この発明の1つの局面は、25×106の識別さ
れていない前進運動性精子(pms)の授精後の高められた妊娠率に取り組む。
これは、以前に慣用的な操作のために最適と考えられた数の約10分の1である
。他の局面は、より少ない数でさえ取り組む。これらの局面は、ウマなどのよう
な著名な賞の動物(celebrated trophy animals)へ
の適用を考える場合、有意な経済的結果を有し得る。
【0006】 記載したように、XおよびYのウマの精子を識別することにおいて努力する基
礎的な挑戦の1つは、多数の精子が含まれることである。自然な授精において、
ウマの精子は、ほぼ十億産生される;人工授精において、より少ないが依然とし
て有意に多数のウマの精子が、通常使用される。例えば、ウマの人工授精技術は
、慣用的に、2億5千万から5億の精子を使用する。従って、かなり多数の精子
がウマ人工授精環境において必要であると推定されている。
【0007】 本発明は性選択人工授精に関し、多くの方法が他の動物においてX−およびY
−染色体保持精子の分離を達成するために試みられている。しかし、これらのう
ちでいずれも、ウマ精子細胞に特有のまたは特異的な識別の局面を扱うものはな
かった。一般的な識別方法は、米国特許第4276139号に開示されるような
磁気的技術から、米国特許第5514537号に開示されるようなカラム技術、
米国特許第3894529号、再発行特許第32350号、米国特許第4092
229号、同第4067965号、および同第4155831号に開示されるよ
うな重力測定技術までに及ぶ。電気的性質はまた、米国特許4083957号に
示されるように試みられ、そして米国特許第4225405号、同第46981
42号、および同第4749458号に開示されるような電気的性質および重力
測定の性質の組み合わせが試みられている。運動性に対する試み(motili
ty effort)がまた、米国特許第4009260号および同第4339
434号に開示されるように試みられている。米国特許第4511661号およ
び同第4999283号(モノクローナル抗体を含む)および米国特許第502
1244号、同第5346990号、同第5439362号、および同第566
0997号(膜タンパク質を含む)ならびに米国特許第3687803号、同第
4191749号、同第4448767号、および同第4680258号(抗体
を含む)、ならびに米国特許4085205号に示されるような血清成分の添加
のような化学的技術が試みられている。これらの技術のそれぞれが高度に効率的
であるかのように示されているが、実際、現在においてこれらの技術のうちのい
ずれもが性の予めの選択の所望のレベルを得られず、ウマ精子での人工授精にお
いて成功は示されていない。しかし、最終的に使用される分離技術にもかかわら
ず、ウマ精子の高い数の競争する組み合わせが自然に存在し、X−およびY−染
色体保持精子を分離するこのアプローチは、低い数の精子でのウマの授精を達成
する能力を開発することを所望としている。
【0008】 (任意の種の)人工授精のためのX−およびY−染色体保持精子の分離を達成
するために使用される定量的な技術は、フローサイトメトリーの技術を含む技術
である。この技術は、X−およびY−染色体保持精子の示差色素吸収を含む進歩
および発見の結果として可能なようである。これは、初期に米国特許43622
46号において考察され、Lawrence Johnsonによる米国特許5
135759号に開示される技術によりかなり拡大された。X−およびY−染色
体保持精子を分離するためにフローサイトメトリーを使用するJohnsonの
技術は、非常に有意な進歩であり、これにより初めてこのような精子の商業的な
分離が実行可能になった。さらに、分離は、Cytomation、Incによ
って製造されるMoFlo(登録商標)フローサイトメトリーのような高速のフ
ローサイトメトリーの使用によって有意に高められ、米国特許第5150313
号、同第5602039号、同第5602349号、および同第5643796
号、ならびに国際PCT特許出願WO96/12171を含む種々の他の特許で
議論される。CytomationのMoFlo(登録商標)サイトメトリーの
使用によって速度の非常な増加が可能となり、これらの速度の増加は、多数のウ
マの精子がしばしば使用されることを考えると特に重要であるが、特定の問題が
依然として残る。MoFlo(登録商標)サイトメトリーによって可能なほぼ1
0倍の速度の進歩にもかかわらず、より短い識別時間が、いくつかの理由のため
に所望とされている。第1に、実際的な問題として、ウマの精子は時間決定的な
(time−critical)細胞であることが見出されている。これらが長
く使用されないままであるほど、その有効性を失う。第2に、採集、識別、およ
び授精のタイミングが、スピードを高い商業的重要性としている。従って、ウマ
精子細胞の時間決定的な性質およびプロセスの時間決定的な性質が、スピードを
人工授精における高い効力および成功率を達成することにおける必須の要素とし
ている。
【0009】 識別し、次いで他の種の動物の人工授精を行うことにおけるいくらかの成功に
もかかわらず、ウマでの努力は特に捕らえ所がないことが示された。本発明に関
連して、ウマへの応用は、ウマの受胎プロセスおよび/またはウマ精子細胞自身
が他の種(特にウシ)よりもデリケートであるので、特に挑戦的であり得る。こ
の理由のため、当業者は、他の種に対して開発された技術またはシステムをウマ
に適用され得るとは見なさなかったことさえあり得る。いくつかの例では、ウマ
でない種とほとんど同じ手順が、ウマに対して同じタイプの結果を提供しない。
これは、研究の努力において、そして開発される技術および物質において分離を
促し得たかもしれない。
【0010】 他の問題はまた、実用的な部分と理論的な部分に及んで存在する。実用的な側
面において、研究室の環境よりも現場でなされ得る方法で、ウマの人工授精を達
成することが望ましい。従って、現場での商業的生産および成功のために、効率
または実用性における増加のみを示し得る改善は、依然として有意であり得る。
全プロセスのデリケートさおよび感受性の局面は、実用的な局面に関連している
。このことについて、プロセスを簡単にし、操作者の誤りまたは技術の占める役
割を常に減少し得るようにできるだけ手続き的に丈夫にすることが望まれる。こ
の目的はまた、より少ない投与量での授精でさえより所望であるように組み合わ
される。
【0011】 プロセスのデリケートさに加えて、一般に精子は極めてデリケートな細胞であ
ることが必ず公知である。一見してこの要因は、容易に理解されると考えられ得
るようであるが、実際、細胞の感受性の全範囲は、まだ完全には調査されていな
い。さらに、ウマの精子は、実際に感受性であるようである。ウシの精子と比較
して、これらは、多くの方法において、成功した人工授精の見こみからよりデリ
ケートである。異なる感受性が生じ、従って他の動物(例えばウシ)において使
用されるシステム、技術、および物質が必ずしもウマに適用され得ないという認
識がある程度まで存在していた。これは、実際真実であることが示されている。
【0012】 一般的にフローサイトメトリーの状況において、最も識別された細胞または粒
子は、しばしば、種々の酷使に物理的に耐え得る。これは、ウマの精子細胞の場
合にはあてはまらない。実際、本発明が開示するように、通常のフローサイトメ
トリー技術によるプロセシングは、実際、特定の用途におけるウマ精子細胞のサ
イトメトリーによる識別には受容可能であり得ない。感受性は、希釈の問題およ
び各細胞を個々に単離し見分けるというフローサイトメトリー固有の必要性なら
びに典型的なフローサイトメトリーが(本発明の以前に)識別しようとするウマ
の細胞に及ぼす圧力および他の応力に及ぶ。これはまた、ウマ精子細胞について
独特の要因であり得る。なぜなら、たとえウマ精子細胞がフローサイトメトリー
を通過し、視覚的に認識され得る副作用なく識別されるように見え得るとしても
、実際、細胞自身は、授精プロセスにおいて最適未満で行う程度まで強いられ得
ることが明らかであるからである。従って、要因の相互作用は、ウマ精子細胞識
別およびウマ人工授精のためのその最終的な使用の見こみからの異常な問題を包
含し、そしてその問題を提起しているようである。
【0013】 残る別の問題(Johnson特許および関連技術により達成される大きな進
歩にもかかわらず)は、本発明に以前では、使用される分離技術に関わらず、雌
雄鑑別されたウマ精子での低投与量の授精を達成することは極めて困難であった
という事実である。歴史的には、低投与量授精のいくらかの達成が行われたが、
商業的用途においてを経験されるかまたは商業的な用途に適用可能であるような
環境よりも、理論的なまたは実験的環境でより多く見られている。これはまた、
外科的技術によっても生じている。このことについて、低投与量での授精だけで
はなく、現場の環境での非外科的な授精を達成することさえが所望されている。
従って、現在の雌雄鑑別なしの高投与量の人工授精の場合に匹敵する妊娠成功率
での低投与量授精を達成するために、努力が非常に有意である。雌雄鑑別された
、雌雄鑑別されていないの両方、および低投与量人工授精において本発明者らに
よって達成される進歩は、初めてウマ科の動物(equid)に対して商業的適
用を実現可能にし得る有意な進歩を示す。
【0014】 これらが産業において直面している別の問題(Johnson特許および関連
技術により達成される大きな進歩にもかかわらず)は、その問題自身、つまり高
い成功率でのウマの人工授精が、複数の要因が相互作用するように見える統計的
な性質のものの1つであるという事実である。従って、提案される解決法は、完
全に統計的に研究される場合、単離においてまたは他の因子との組み合わせにお
いてのいずれかにおいて必要であると示される因子の組み合わせをある程度含み
得る。このような決定は、結果自身が種によって変化し、十分大量のデータベー
スに基づく試験および統計的サンプリングが初期の段階での努力に値するもので
ない傾向にあるという事実に起因して確認するのが困難であり得るという事実に
よってさらに複雑にされる。これらの理由のために、本発明はまた、所与の用途
に対して適切な解決法を個々にまたは組み合わせて示し得る要因の組み合わせを
含み得る。従ってこの開示は、開示された技術の種々の組み合わせおよび浸透(
permeation)が達成され得るように十分に広いと考えられるべきであ
る。相乗効果は、他の要因で存在し得る。このような要因は、識別(恐らくフロ
−サイトメトリー)での要因から採集おける工程ならびに授精工程にまで及び得
る。従って、高速低投与量の雌雄鑑別されたウマの授精に対して、長い間感じら
れていたが満たされていない必要が存在し、特定の実施技術及び要素が長い間利
用可能であったが、本発明の以前に、進歩または進歩の組み合わせが、明らかに
当業者によって見逃されてきた。公知の要素の適切な組み合わせは、単に実現さ
れなかったということさえあり得る。おそらく、ある程度まで、当業者は、この
問題が要因の相互作用に関連すること、およびこの分野において関連するウマ精
子細胞に対する特有の必要性を理解し得なかったのかもしれない。興味深いこと
に、この議論において後に示す努力の列挙が示すように、実質的な試みがなされ
ているが、これらは、明らかにウマの低投与量の雌雄鑑別された授精のような分
野において固有の問題を明らかに理解せず、恐らく、自然な使用の事象(nat
ural service evnt)が恐らく10億の精子を含むので、数に
おいて3桁少ない数での人工授精の達成に物理的な制約があり得ると見なしてい
た。従って、ある程度、本願発明者が向かった技術の方向から遠ざかる実際の教
示が存在したことは驚くべきことではないかもしれない。恐らく、この結果は、
かなり予期されないとさえ考えられ得る。なぜなら、これらは、雌雄鑑別された
低投与量のウマの人工授精は、正しく行われれば、雌雄鑑別されていない高投与
量のウマの人工授精の成功率に匹敵する成功率で達成され得ることが示されてい
るからである。本発明の技術および進歩が、実際、示された重大な結果を達成す
るために組み合されることは、ある者には驚くべきことでさえあり得る。それぞ
れの技術は、それだけを取り出せば、ある者には注目すべきものではないとして
考えられるが、実際、少しの変化または他の技術との組み合わせは、最終結果に
おける有意な進歩を与えるようである。
【0015】 従って、ある点については本発明までに、非外科的な実用的なウマの人工授精
、ウマの低投与量で雌雄鑑別された人工授精の達成は、商業用の実施を達成する
のに必要な性能のレベルまたは必要であるような簡単な手順では可能でなかった
。それでも達成された商業用レベルでの低投与量で雌雄鑑別された授精を超えて
、本発明はまた、改善された性能の達成を可能にする技術を開示し、従って、所
望の最終結果、すなわち、商業用ベースでのウマの低投与量で雌雄鑑別されたお
よび雌雄鑑別されていない非外科的な人工授精を容易にする。
【0016】 (III.発明の開示) 従って、本発明は、雌ウマの非外科的な人工授精のためのシステムの達成を開
示する。これらの技術は、低投与量のウマの精子の使用に対して適用可能であり
、商業用および実用レベルで現場で使用され得るように設計される。さらに、こ
のシステムは、雌雄鑑別されたウマの精子での人工授精との組み合わせにおいて
使用可能であり、この雌雄鑑別されたウマの精子での人工授精に対して特に価値
のある適用性を有する。このシステムはまた、フローサイトメトリー分離技術に
よって性を決定するためにウマの精子細胞を識別する改善された能力を提供する
。種々の技術および物質が示されるが、当業者が容易に理解するので、種々の組
み合わせおよび順列が、必要性、分離技術、目的、および特定のウマの処理適用
に関する他のパラメーターに基づいた実行に対して最適化され得る様式で使用さ
れ得る。
【0017】 雌雄鑑別されたウマ用途に関連するので、本発明の目的は、1)500×10 6 、25×106、または5×106個の前進運動性精子(pms)での排卵間近
に一回限り授精される雌ウマにおける妊娠率を比較すること、2)25×106
個の生きた識別された精子での授精に続く適度な妊娠率を達成すること、および
3)精液を識別するための技術を開発することであった。
【0018】 最初の実験の1つでは、61頭の雌ウマがランダムに3つの処置のうちの1つ
に割り当てられた:グループ1(n=20)は、500×106個の精子で子宮
体中に授精された(コントロール)。グループ2(n=21)およびグループ3
(n=20)は、25×106、および5×106個の精子で、排卵前小胞の同側
の子宮角の先端に授精された。雌ウマは、黄体融解を誘導するためにクロプロス
テノール(250μg i.m.)を投与され、30mm以上の小胞が検出され
るまで1日おきに超音波検査によってモニターされ、次いで、排卵が検出される
まで毎日モニターされる。GnRH(デスロレリン2.2mg、Ovuplan
t(登録商標)、Fort Dodge)が、優性な小胞が35mm以上である
場合に投与された。雌ウマは、GnRH後に34(n=29)または40(n=
32)時間で授精した。22頭の雌ウマサイクルからのデータは、除外した。な
ぜなら、これらは、計画した授精の前に排卵した(n=11)か、排卵しなかっ
た(n=3)か、GnRH投与後4日より後に排卵した(n=8)かのいずれか
であるからである。精子は、採集され、すぐに脱脂乳エクステンダー(EZ−M
ixin,OF,Animal Reproduction Systems,
Chino,CA)で、25×106運動性精子/mLまたは5×106運動性精
子/mLのいずれかに希釈された。1mLを受けた雌ウマは、可撓性プラスティ
ック人工授精ピペット(IMV,France)を用いて授精し、0.2mLを
受ける雌ウマは、0.5mlストローを含む使い捨て移植銃(implant
gun)(Veterinary Concepts,Green Valle
y,WI)を使用して授精された。2つの異なる体積の送達を最適化するために
、異なる授精ピペットを使用した。子宮内のピペットの位置は、精液堆積前に経
直腸的な超音波検査法によって確かめられた。
【0019】 妊娠は、排卵後16日後に超音波検査法によって決定された。妊娠率は、種ウ
マ間では異ならなかった(P>0.05)ので、2つの種ウマからの結果を組み
合わせた。500×106処理(18/20=90%)対25×106処理(12
/21=57%)(p<0.05)で産まれた雌ウマに対する妊娠率に差があっ
た。25×106処理対5×106処理(7/20=35%)(p>0.05)で
産まれた雌ウマ間に差があった。GnRH投与後の34時間対40時間で生まれ
た雌ウマ間の妊娠率(それぞれ19/29(65%)および18/32(56%
)、(P>0.1)の差はなかった。1mL体積中(3/10(30%)または
0.2ml体積中(4/10(40%)で5×106個の精子で産まれた雌ウマ
間の妊娠率の差はなかった(P>0.05)。要約すると、妊娠率は、授精され
た運動性の精子の数がこの最初の試みで減少するにつれて、減少する。しかし、
57%の16日後妊娠率が、子宮角の先端に堆積された場合、25×106pm
sで、排卵間近の単回授精で達成された。
【0020】 別の実験において、17頭の雌ウマが2つの処理グループのうちの1つにラン
ダムに割り当てられた:グループA(n=11)雌ウマは、体積1mL中約25
×106の生きた識別された精子で授精された。精子は、脱脂乳精液エクステン
ダー(EZ−Mixin,OF,Animal Reproduction S
ystems,Chino,CA)中に識別された。1頭の雌ウマが排卵せず、
研究から除外した。群B(n=10)雌ウマは、1mL体積中約25×106
生きた識別された精子で授精された。精子は、EZ−Mixin+4%卵黄(E
Y)中に識別された。2頭の雌ウマ(各群から1頭)は、フローサイトメーター
での時間的制限のため、20×106精子で授精した。両方のグループにおいて
、授精は、GnRH投与後34時間で行われ、精子が、可撓性プラスチックAI
ピペットを使用して排卵前小胞の同側の子宮角の先端に堆積された。子宮内のピ
ペットの位置は、精液堆積前に経直腸的な超音波検査法によって確かめられた。
雌ウマは、黄体融解を誘導するためにクロプロステノール(250μg i.m
.)を投与され、30mm以上の小胞が検出されるまで1日おきに超音波検査に
よってモニターされ、次いで、排卵が検出されるまで毎日モニターされた。Gn
RH(デスロレリン2.2mg、Ovuplant(登録商標)、Fort D
odge)が、優性な小胞が35mm以上である場合に投与された。2頭の種ウ
マがこの実験に使用され、このうちの1頭(種ウマA)は、実験1で使用された
。新鮮な採集された精液は、HBGM−3中で1:1に広げ、22℃で400×
gで10分間遠心分離した。上清は、吸引され、精子が35℃で1時間HBGM
−3中で400×106精子/mlで25μL Hoechst 33342中
でインキュベートされ、次いで、識別のために100×106精子/mlに希釈
された。精子は、DNA含有量における差に基づいて性染色体について識別され
た。シース流体としてHBGM−3を用いて50psiで操作する、2つのMo
Flo(登録商標)フローサイトメトリー/細胞ソーター(sorter)(3
52nmおよび364nmで150mWパワーを照射するArgonレーザーを
備える)が、識別のために使用された。識別されたXおよびY集団のアリコート
を、DNAについて再分析し、XおよびYについてそれぞれ90%および84%
の純度を与えた。精子は、4ml EZ−Mixin(グループA)または4m
l EZ−Mixin+4%卵黄(グループB)のいずれかを含む14mLのチ
ューブに約900精子/秒で採集された。採集された精子は、遠心分離され、2
5×106精子/mLに懸濁され、すぐに授精される。妊娠は、排卵後、12、
14、16および30日で超音波検査によって決定され、胎児は、授精された識
別された精子の性についての知識なしに、排卵後60〜70日後に雌雄鑑別され
た。妊娠率は、種ウマ間で差がなかった(種ウマA=3/10,30%;種ウマ
B=5/10、50%)(P>0.1)ので、このデータセットは、組み合わさ
れた。精子処理間で妊娠率において差がなかった(EZ−Mixin=3/10
、30%対4%EY+EZ−Mixin=5/10、50%)(P>0.1)が
、これは、最終的には本当であるとは証明され得なかった。60日で、5/20
(25%)が妊娠した;胎児が雌雄鑑別され、表現型の性の比が5頭のうち5頭
完璧に予測された。
【0021】 この試みは、有性精子を用いた非外科的授精後に、雌ウマにおける妊娠が達成
され得、そして予め決定された性の子孫ウマが得られ得ることを、初めて実証し
た。これは、以下の議論において説明される。さらに、これらが役立ち得る程度
まで、ウマに対するより一般的な有性授精局面およびこれらの適用可能性は、本
出願の所有者によるPCT公開番号_に議論される。さらに、本発明の元の開示
は、米国特許出願第60/094,720号および同第60/113,143号
に示される。これらの先行文書は、便宜上、本明細書によって参照として援用さ
れる。
【0022】 従って、本発明の目的は、外科手順に頼る必要のない分野環境においてウマの
人工授精を達成することである。さらに、目標は、現実的な商業的状況下で作動
し、そして伝統的なウマの投薬成功率に匹敵する妊娠の成功可能性を産み出す様
式で、より低量の投薬を使用する能力を提供することである。目的はまた、ウマ
精子細胞についてより良好な選別を達成することである。対応する目標は、X染
色体およびY染色体を保有する成分に分離される場合に、ウマ精子細胞に特に適
された物質および技術を提供する。従って、目標は、未選別の、高い投薬量の可
能性に一貫する選別された結果を達成することである。
【0023】 目標はまた、市販の実用様式においてその目的を達成し得る、ウマ人工授精の
ための全体的な系を提示することである、高速かつ低ストレスの両方でのウマの
選別を与え、そして低投与量成分でウマ精子細胞選別に特に適合される様式での
選別もまた、重要な目標である。
【0024】 当然、本発明のさらなる目的は、本明細書および特許請求の範囲の他の領域を
通して開示される。
【0025】 (V.本発明を実施するための最良様態) 示されるように、本発明の基本概念は、種々の方法に組合せられ、そして包含
される。本発明は、商業的に実用的な低投与量の、有性のウマ人工授精およびそ
の結果を含む。フローサイトトリー分離技術のために、本発明はまた、改良され
たフローサイトメーター系、ならびにウマ人工授精に使用され得る性特異的なウ
マ精子サンプルの作製およびこのような技術によって生成された同サンプルの両
方を含む。それを通して市販のウマの環境下でさえ高い成功率が可能な、全体的
なプロセスを開示する。さらに、この技術は、一度、一般的原則が理解されると
、特定の系および適用に適用され得るように一般的様式で開示される。デバイス
の拡張が開示されるが、これらの拡張は、特定の方法を達成するだけでなく、多
くの方法に変更され、そして組合せられ得ることが理解されるべきである。重要
なことに、前述の全てに関して、これらの面の各々が、この開示によって包含さ
れることが理解されるべきである。
【0026】 本発明の性選択局面を考慮する場合、基本目標は、ある方法においてX保有精
子をY保有ウマ精子から分離することであり、この方法は次いで、高い成功率で
雌ウマを人工授精させるために使用され得る。好ましくは、この授精は、手術を
必要としない。この分離期は、好ましくは、2つの型のウマ精子を分離して、そ
の結果、各々が別々にパッケージングされ、そして取り扱われる様式で行われる
。ここで、この分離は、好ましくは、フローサイトメトリーの使用を介して行わ
れる。一般的なフローサイトメトリーは、良く理解された技術である。例えば、
フローサイトメトリーの基本的局面は、Cytomation,Inc.に対す
る種々の特許(例えば、先に列挙された米国特許および他の刊行物)に示され、
そして議論される。さらに、ウマおよび他の種に適用可能ないくつかの詳細は、
PCT公開公報第_に開示される。本明細書中に援用されるこれらの刊行物およ
び参考文献の各々は、当業者が、関連する基本原理を容易に理解し得るように参
考として援用される。
【0027】 一般的に、精巣における減数分裂の間、性染色体は個々の精子細胞に分離して
、一倍体の精子はX染色体またはY染色体のいずれかを運ぶことが理解されるべ
きである。精液中には50:50の比のX保有精子およびY保有精子が存在し、
そしてX保有精子またはY保有精子のいずれかによるX保有一倍体卵母細胞の受
精が、胚の性を決定する。X保有精子およびY保有精子は等しい数で作製され、
そして表現型的に同一であるために、50:50の比が存在する。この50:5
0の比を変更して、そして哺乳動物の子孫の性を予め決定することへの要望が、
長年、社会の大きな関心事である。ウマ動物における性の前選択には多くの利点
が存在する。性の前選択は、遺伝的なX関連疾患が問題である場合、雌を生産す
るために使用されている。ヒトおよびほとんどの家畜とは違って、ウマにおける
性の前選択の利点はまた、純粋に生産者/所有者の嗜好の1つであり得、そして
特定の生産登録所のメンバーによって、多くの関心が示されている。
【0028】 長年、X染色体保有精子をY染色体保有精子と分離するための試みが、精子の
物理的特性および化学的特性に基づいてなされてきた。Johnson(先に参
照される)は、これらの方法を試験し、そして効果的であると証明された唯一の
方法が、精子のDNA含量の違いに基づくことを見出した。X保有精子をY保有
精子と分離する際に効果的であると証明されている、精子内の物理的差異または
表面特性に基づく、他の方法は存在しない。ウマにおいて、哺乳動物X染色体保
有精子とY染色体保有精子のDNA含量は、4.1%異なる。DNA含量におけ
るこの差異は、蛍光性のDNA結合色素で精子を染色し、それに続くフローサイ
トメトリーの後に、X染色体保有精子をY染色体保有精子と分離するために使用
され得る。
【0029】 モデムフローサイトメトリー/細胞選別技術は、1965年にFulwyle
rによって最初に開発された。フローサイトメトリーは、血液および腫瘍細胞に
ついて主に医療研究および医療診断で使用されてきたが、精子細胞を含む多くの
細胞懸濁液を評価するためにも使用され得る。本質的に、本明細書中で適用され
るフローサイトメトリーは、ウマ精子細胞を選別することに関し、これは、いく
つかの型の細胞供給源を介するフローサイトメーター装置に提供される。概念的
な装置を図1に示す。このフローサイトメーター装置は、サンプル入口を備え、
ここで、ウマ精子細胞供給源(1)は、このフローサイトメーターによって分析
されるべきウマ精子細胞またはいくつかの異なる項目を、確立または供給するた
めに作用する。細胞は、その細胞が外装液(3)に包囲されるような様式で、ノ
ズル(2)内に蓄積される。この外装液(3)は、ウマ精子細胞供給源(1)が
その細胞を供給し、外装液(3)がノズル(2)を通って同時に供給されるよう
に、通常、いくつかの外装液供給源(4)によって供給される。この様式におい
て、どのようにして外装液(3)がウマ精子細胞に対して外装液環境を形成する
かは容易に理解され得る。種々の液体が、いくらかの圧力でフローサイトメータ
ーに提供されるために、これらの液体は、ノズル(2)から流出し、そしてノズ
ル開口部(5)で出る。発振器制御を介して非常に正確に制御され得るいくつか
の型の発振器(6)を提供することによって、圧縮波が、ノズル(2)内で確立
され得、そしてノズル開口部(5)でノズル(2)から出る液体に伝達され得る
。従って、発振器(6)は、外装液(3)に対して作用し、ノズル開口部(5)
を出る流れ(7)は、最終的に、そして規則的に液滴(8)を形成する。この細
胞は、外装液環境によって包囲されているため、液滴(8)は、その中で個別に
単離された細胞または他の項目を含み得る。
【0030】 液滴(8)は一般的に単離されたウマ精子細胞を含むので、フローサイトメー
ターは、適切な細胞がその液滴内に含まれるか否かに基づいて、小滴を区別およ
び分離し得る。これは、細胞検知システム(9)を介して達成される。この細胞
検知システムは、少なくとも何らかのタイプの検出器(10)(これらは、互い
に90度である2つの検出器を含み得る)を備え、これは、Larry Joh
nsonによる精液の研究(語呂合せを意図しない)、すなわち、米国特許第5
135759において完全に議論されるように、各液滴(8)内に含まれる細胞
に応答する。Johnson特許が精子細胞について説明するように、この細胞
検知システム(9)は、特定の色素の相対的存在または相対的非存在に基づく作
用を引き起こし得、これは、レーザー励振器(11)のような何らかの刺激体に
よって励起され得る。各々の型の精子細胞が、この色素によって染色されるが、
異なる長さのX染色体およびY染色体が、異なるレベルの染色を生じる。従って
、精子細胞における色素の存在の程度を検知することによって、X保有細胞とY
保有細胞との間をそれらの異なる放出レベルによって弁別することが可能である
【0031】 フローサイトメーター分離技術において適切な細胞の最終的な分離および単離
を達成するために、検出器(10)によって受け取られたシグナルは、何らかの
タイプの選別弁別システム(12)に送られる。これは、非常に迅速に決定し、
そして所望のウマ精子細胞が液滴(8)内に存在するか否かが決定されたか否か
に基づいて各液滴(8)を差示的に荷電させ得る。この様式において、選別弁別
システム(12)は、静電偏向プレート(13)が、液滴(8)が適切な細胞ま
たは他の項目を含むか否かに基づいて、液滴(8)を偏向させるよう作用する。
結果として、このフローサイトメーターは、細胞を1以上のコレクター(14)
中に貯留させることによって、これらの細胞を選別するように作用する。従って
、細胞または他の項目の何らかの特性を検知することによって、このフローサイ
トメーターは、特定の特性に基づいてウマ精子細胞間を弁別し得、そしてこれら
を適切なコレクター(14)に配置し得る。ウマ精子を選別するために本発明で
使用される系において、X保有精子の小滴は陽性荷電され、従ってある方向に偏
向し、Y保有精子の小滴は陰性荷電され、従って別の方向に偏向し、そして廃棄
される流れ(つまり選別不可能な細胞)は荷電されず、従って、吸着管などへの
偏向されない流れにおいて収集される。
【0032】 図2を参照して、このプロセスはよりさらに理解され得る。この図に示される
ように、ノズル(2)は、発振器(6)(図2には示されない)のために液滴(
8)(図2には示されない)を形成する、流れ(7)を放出する。ウマ精子細胞
供給源(1)(図2には示されない)は、ウマ精子細胞(15)を供給し得、こ
れらは、Johnsonの技術に従って染色され、レーザー励振器(11)によ
る光刺激および検出器(10)によって検知されるような差示的に決定される状
態を使用して、各液滴(8)が流れ(7)から分離されるとき、各液滴(8)上
に電荷の存在または非存在を作製し得る。これは、全てこのフローサイトメータ
ーによって制御される。この制御は、液滴(8)の成分に基づいて、陽性荷電液
滴、陰性荷電液滴、非荷電液滴を生じる。図1に示されるように、特定の液滴は
、偏向された液滴(16)として示される。これらの偏向された液滴(16)は
、一方またはもう一方の性の精子細胞(15)を含有する液滴である。次いで、
これらは、この後の使用のために適切なコレクター(14)に堆積される。
【0033】 図2に示されるように、ウマ精子細胞(15)は、針または注入管(18)に
よって外装液(3)内に注入され得る。フローサイトメトリー技術の当業者によ
って理解されるように、この注入管(18)は、流体力学的な集束および配向を
達成するような形状であり得、その結果、ウマ精子細胞(15)の尾部および/
または平側面が適切に配向される。これは、示されるようなリボン型のサンプル
コア流れをさらに作製し得る。これは、90度の蛍光強度が精子頭部の配向に比
例して表示され得、そして0度の蛍光強度が精子DNA成分に比例して表示され
得るために、重要である。
【0034】 ウマ精子の高解像フローサイトメトリーDNA分析は、他の細胞に比べて困難
である。なぜなら、形態学的に平らな、パドル形状の精子頭部において高度に緻
密化されたクロマチンが、高い屈折率を生じるからである。精子頭部と周囲の媒
体との間の屈折率は、精子頭部の平らな形状と組み合わせて、その細胞の平面に
対して90°におけるよりも、(精子頭部の末端から)その平面を通る方がより
多くの蛍光の放出を生じる。頭部の適切な配向は、高解像選別に重要である。他
者は、流れに流動する精子頭部の配向を制御する方法を研究し、そして角度を有
する注入管(18)が、細胞が針の末端から流出するとき、細胞を平面の疎水性
の力に供させる際に効果的であることを見出した。サンプル精子は、リボン形状
の流れ内に押し込められ得、これが、精子の平らな頭部を同様に配向させ得る。
他のより複雑な物理的原理は、しばしば精子を配向するために同様に適用される
【0035】 言及したように、選別プロセスを受ける精子は、蛍光色素染色Hoechst
33342(ビスベンジミドとして化学的に公知である)で染色される。この色
素は、400×106精子を含有する1ml容量中、約9μMでサンプルに添加
され、そして32〜35℃でインキュベートされ得る。Hoechst3334
2は、精子に対して非毒性であり、そして精子の運動性を有意に変更しない。H
oechst33342は、DNAらせんのA−T領域に結合する。この選別プ
ロセスは、死精子が収集されない場合により生産的であり、Hoechst33
342蛍光を消光し、死精子を標識する分子が、染色されたサンプルに添加され
得る。食品着色料は、使用される非毒性分子の一例である。次いで、このプロセ
スは、蛍光染色された精子が、液体懸濁液の圧力下(例えば、50psi)でフ
ローサイトメーターに導入されることである。精子は、サンプル注入管に進入し
、そしてある方向または別の方向に配向される。これは、おそらく、その精子が
その管の角度を有する末端を出て外装液内へ至るからである。この精子を含有す
る流れは、最大200mWの電力での紫外光(351および364nm)波長に
おいて、アルゴンイオンレーザービームと交差する。サンプルが100×106
精子/mlである場合、約7%の液滴が、精子細胞を含有する。蛍光染色された
核は、レーザービームによって励起され、色素が結合したDNAの量に比例して
蛍光シグナルを放出する。
【0036】 改変された市販のフロー選別システムは、DNAの差異に基づいて精子を分析
および選別するために使用された。言及されたように、精子の端からの蛍光シグ
ナル(レーザー放出から90°)は、平側面(検出器の0°前方)から放出され
る蛍光シグナルよりも明るい。この端の放出を使用して、精子頭部がレーザービ
ームを通過する時の、精子頭部の配向を特徴付ける。放出光は、90°検出器に
よって収集され、そして適切に配向された精子が認識される。適切に配向されな
い精子は、ほとんど光を放出せず、そしてしばしば、分析から電子的に排除され
、適切な配向を欠くために、大部分の精子は、X富化集団またはY富化集団に分
離されない。また、適切に配向される多くの精子細胞は、蛍光重複の分布のため
に、選別されない。光学検出器および光電子増倍管(PMT)は、蛍光の0°検
出に使用され、これは、適切に配向された精子のDNA含量に比例する。PMT
は、精子によって放出された蛍光を収集し、そして光学シグナルを比例の電気シ
グナルに変換し、このシグナルは、さらなるシグナルプロセシングおよびグラフ
ィックディスプレーのためにPMTによって増幅される。電子的ゲーティングは
、適切に配向された精子についてのみの、0°の順方向検出器からのシグナルの
選択を可能にし;これは、X精子とY精子のDNAとの間を区別する能力を生じ
る。解像された集団の周辺の電子的選別ウインドウを設定することによって、X
保有精子およびY保有精子が2つの管へ分離される。2つの光学検出器は、放出
された光を収集し、そして荷電パルス(+または−)をX保有精子またはY保有
精子をそれぞれ含有する液滴に添加する回路が活性化される。個々の精子小滴が
落下する時に、これらの精子が静電界を通過し、この静電界が精子を含有する荷
電小滴を別々の管に引き込む。これらの管は、精子がさらに処理されるまで一時
的な維持媒体として「捕獲液体(catch fluid)」エキステンダーを
含む。
【0037】 X染色体富化サンプルおよびY染色体富化サンプルに分離された精子サンプル
は、個々の精子のDNA含量について、フローサイトメトリー分析を使用してそ
の純度について再評価され得る。過去において、利用可能な分離の検証のための
唯一有効な方法は、子孫の性別比を決定することであったが、これは、時間がか
かりかつ高費用である。フローサイトメトリーを使用する再分析は、時間および
コストを減少するだけでなく、精度を増加する。
【0038】 進歩に伴い、小滴がレーザーを通過するときに適切に配向される精子の割合が
増加され得、これは、各性別について100生精子/秒の選別速度から各性別に
ついて約90%が1000生精子/秒と1500生精子/秒との間の速度への増
加を生じることが予想される。精子選別速度におけるこの増加は、ウマの人工授
精プログラムにおいて有性精子を利用することがより実用的になるのに役立つ。
【0039】 他者は、精子中のDNA量を、性の前選択および外科的授精後の予測された性
のウサギのその後の出生のためのマーカーとして使用することを報告している。
精子は、フローサイトメーター/細胞選別器を用いて、X染色体保有集団および
Y染色体保有集団に分離された。選別された精子は、子宮内に外科的に授精され
た。Y保有精子について富化された画分で受精されたものから、出生した81%
の子孫が雄であり;X保有精子について富化された画分は、94%の雌を生じた
。したがって、性別比は、50:50から有意に変更された。この表現型(およ
び遺伝子型)の比は、選別された集団からのDNAについての再分析に基づいて
正確に予測され、Y保有精子について81%およびX保有精子について86%の
純度を示した。この後、ブタおよびウシにおける実験が公開された。インビトロ
受精は、有性精子を使用してウシにおける妊娠を獲得するために使用された。例
えば、ある研究者は、各9頭の出産未経験の雌ウシ(heifer)に双胎の胚
を移入した。4頭の雌ウシが妊娠し、そして6頭の仔ウシが生まれ、全て予期さ
れた性であった。これらの結果は、生精子がX染色体保有集団およびY染色体保
有集団に分離され得、そしてそれらが受精および正常な妊娠を生じるための能力
を維持し得ることを示す。X保有精子およびY保有精子でのインビトロ受精(I
VF)後の妊娠はまた、ブタおよびウサギにおいても得られている。最近、ウシ
胚が、高速フローサイトメトリーによって分類された精子を用いたIVFによっ
て産生されているが、胚移入はなされなかった。
【0040】 実験環境下で選別された有性ウシ精子を使用して、ある研究者は、2つの実験
を行って、ウシ卵母細胞への細胞室内精子注入(ICSI)または卵管授精での
妊娠率を測定した。13個の注入された卵母細胞のうち、2個の卵母細胞が3細
胞段階、8個の卵母細胞が4〜6細胞段階、および2個の卵母細胞が7〜8細胞
段階に発生した。1個の胚が、7〜8細胞段階で移入されたが、妊娠を生じなか
った。卵管授精実験において、雌ウマを、50μlの1.5×105の選別され
たX保有精子を用いて、卵管の采状末端のカニューレ挿入によって授精させた。
1つの妊娠が検出されたが、この雌ウマは、雌の仔ウマを出生した。
【0041】 ウマ精子選別のためのその適用に特に重要であるフローサイトメトリーの1つ
の局面は、フローサイトメーターの高速操作である。MoFlo(登録商標)の
下、Cytomation,Inc.を通して入手可能なフローサイトメーター
によって、特に進歩がなされてきた。これらのフローサイトメーターは、並外れ
て選別速度を増加し、従って、フローサイトメトリーを(商業適用の中でもとり
わけ)ウマ精子選別の商業適用を可能にするであろう技術にさせた。これらは、
高速の選別を達成するよう作用し、これは、使用される他の速度よりも顕著に速
い速度である。詳細には、CytomationのMoFlo(登録商標)フロ
ーサイトメーターは、約5キロヘルツを超える発振器周波数で作用し、そしてよ
り詳細には、10キロヘルツ〜30キロヘルツまたはさらに50キロヘルツの範
囲で操作され得る。従って、小滴は、非常に高周波数で形成され、そして外装液
環境内に含まれる細胞は、ノズル(2)から非常に迅速に放出され得る。結果と
して、フローサイトメーターシステムを構成する、またはその一部である、ノズ
ル(2)、発振器(6)などのような各々の構成要素は、高速細胞選別器を生じ
るよう配置されるか、または選択され得る。精子細胞の選別への高速細胞選別器
の適用において、1秒あたり約900の選別を超える速度での選別が達成される
。重要なことに、用語「高速」とは、相対的な用語であり、その結果、フローサ
イトメトリーおよび特定の適用における他の進歩が達成される場合に、「高い」
とみなされる局面は、変化され得るか、または絶対的なままであり得ることが理
解されるべきである。いずれの定義においても、一般的原則は、その選別が、フ
ローサイトメーターのパラメーターおよび物理的特性が、ウマ精子細胞のような
特定の細胞を選別する場合に細胞自体に対して有意である、速度で生じ得ること
である。
【0042】 フローサイトメーター分離技術を介してウマ精子細胞を選別する場合に機能す
るような高速選別の1つの局面は、ウマ精子細胞がそのフローサイトメーター内
で供される圧力および他のストレスの局面である。例えば、高速(および「高速
」の代替的定義)で操作する場合、フローサイトメーターは、1インチ平方あた
り50ポンドの圧力、およびさらに高い圧力で操作され得る。これらの圧力は、
高いとみなされ得る。なぜなら、これらは、選別されているウマ精子細胞に対し
て効果を生じ得るからである。この面について本発明に開示される鍵は、特定の
細胞のストレス閾値が決定的な因子であるという事実である。さらに、さらなる
知見が得られるにつれて、このストレス閾値が、特定の種あるいはウマ精子細胞
の特定の前操作または後操作のような組み合わせの効果の関数であることが示さ
れ得る。この点における鍵は、ウマ精子細胞に対して課せられたストレスが、事
実、それらの生存度および所望の結果を達成するそれらの能力を変更し得ること
である。これは、ウマの種について独特に当てはまり得る。圧力の場合、フロー
サイトメーターの操作の結果として精子細胞をより高圧に単に供することが、ウ
マ精子細胞の性能の減少を生じ得ることであるかもしれない。1つの点において
、本発明は、これらのストレスを最小化するように作用し、従って、以下に議論
されるように、より高い効率およびより低い投与量を生じる。
【0043】 ウマ細胞のストレスの局面を考慮すると、本発明は、このストレスを最小にす
る様式で作用する。これらのストレスは、全体の周期またはプロセスのいかなる
点−この動物を収集する工程、選別する工程、または授精させる工程においてさ
えも最小にされ得る。重要なことには、このフローサイトメーター中での細胞の
取り扱いにより課せられるストレスは、ウマの種にとって重要であるようである
。本発明の1つの実施態様において、シース流体(sheath fluid)
が特異的に選択され、その結果、このシース流体は、選別前の細胞液環境または
選別後の細胞液環境の両方(またはいずれか)に調和した様式で作用し得る。従
って、本発明は、操作の型または物質の選択を介しての変化を最小にするように
作用し、これは、ウマ精子細胞が経験する変化を最小にする手段として作用し得
る。シース流体について、本発明の1つの実施態様に従う物質が選択され、その
結果、その物質が、最小の変化を提示するように化学的に配位され得る。従って
、適切なシース流体を、フローサイトメトリーのパラメーターの状況においてだ
けではなく、むしろウマ精子細胞およびウマの人工授精パラメーター自体の状況
においてもまた選択することによって、これらの細胞および選別の全体の結果に
より経験された変化が増強され得る。興味深いことに、ウマ精子細胞について、
ヘペス緩衝化媒体(例えば、ヘペスウシ配偶子媒体−特に、J.J.Parri
shによりウシ適用のために以前に作製されたHBGM3)が良好に作用するこ
とが発見された。この媒体は、論文「Capacitation of Bov
ine Sperm by Heparin」、38 Biology of
Reproduction 1171(1989)(本明細書によって参考とし
て援用される)に考察される。これは、ウシ精子に関しての同じ型の使用ではな
いというだけではなく、実際の緩衝液が、もともとウシ適用のために開発された
ので、驚くべきことである。従って、ウマ適用において、ヘペス緩衝液を含むシ
ース流体が選択される。
【0044】 また重要であるフローサイトメータープロセス処理の別の局面は、これらの細
胞を選別後に化学的および物理的両方で適切に処理することという事実である。
図2に示すように、液滴(8)中の細胞は、コレクター(14)中に落ちる。コ
レクター液(17)もまた、この細胞に対するストレスを最小にするように作用
し得る。1つの点に関して、選別の前および後の両方で細胞に栄養分を供給する
ことが重要であり得るので、コレクター液(17)はまた、同様により容易な受
容を提供するように選択され得る。ウマ精子細胞について、この細胞は、市販の
脱脂粉乳増量剤(例えば、EZ−Mixin、Animal Reproduc
tion System、Chino、CAからのもの)に収集され得る。たと
え異なる目的のために意図されるとしても、この増量剤は、ウマ精子細胞のため
の収集液として使用され得る。さらに、この収集液は、その上4%卵黄も含み得
る。
【0045】 本発明の種々の因子において相互作用し得る別の局面は、低投与量の精子を人
工授精などのために利用するということである。性分別した人工授精の局面にお
けるさらなる背景は、「Prospects for Sorting Mam
malian Sperm」Rubert P.AmmanおよびGeorge
E.Seidel,Jr.、Colorado Associated Un
iversity Press(1982)、ならびに以前に参照されたPCT
公開(各々、本明細書によって参考として援用される)において見出され得る。
以前に言及したように、ウマにおける自然な授精は、ほぼ10億精子程度の精子
の数を伴う。慣用的人工授精は、現在、ウマの種については、250億以上の精
子を用いて実行される。用語「低投与量」により、授精事象において利用される
精子の投与量が、代表的なウマ人工授精事象において提供される精子の代表的な
数の、1/4未満、または好ましくは約10%もしくは5%未満でさえあること
を意味する。従って、用語「低投与量」とは、代表的な人工授精投与量の状況に
おいてか、または絶対数としてもまた考慮されるべきである。この絶対数は、当
然、種依存的であり得る。ウマ種については、約2500万未満、1000万未
満、500万未満、または100万未満の精子のみが、低投与量プロセスと考え
られ得る。
【0046】 重要であり得るなお別の局面は、本発明の技術(または他のもの)を通じて性
分別した精子が、ウマ人工授精系において利用されるという事実である。従って
、フローサイトメーター技術について、コレクター(14)が人工授精のための
精子を提供するために使用される場合、本発明の技術が、特に適切であり得る。
さらに、ウマ人工授精用途および低投与量環境における使用の両方の組合せが、
一緒になって、本発明の種々の技術を特に適切にする相乗効果を生成し得る。当
然、性分別した精子が、人工授精様式においてのみならず、インビボ授精などの
ような他の技術において利用され得る。
【0047】 フローサイトメトリー選別の使用または他の選別技術を通じて動物を、回収、
選別、そして最後に授精させるプロセスは、種々の工程を包含する。ウマ授精の
状況において、まず、精液が種馬から収集される。精液は、計画的授精の直前に
、既知の高授精能の種馬から収集され得る。これは、インラインゲルフィルター
を備えたColoradoモデル人工膣(Animal Reproducti
on Systems、Chino、CA)を用いて行われ得る。次いで、ゲル
のない容量、運動性、および精子濃度について、射精が評価され得る。次いで、
精液が市販の脱脂粉乳グルコース増量剤(EZ−Mixin、OF、Anima
l Reproduction Systems、Chino、CA)を用いて
、25×106pms/ml(n=51)または5×106pms/ml(n=1
0)のいずれかまで増量される。精液は、収集のすぐ後に授精が実施されるまで
、室温で維持され得る。染色が、多染色(multi−stained)プロト
コールまたは単染色(single−stained)プロトコールに従って達
成され得る。後者のプロトコールは、Johnson Patentの主題およ
び関連技術である。
【0048】 染料の添加後、所望の選別濃度までの希釈または増量が達成され得る。次いで
、先に考察した種々の技術に従う選別が達成され、その選別から精子細胞が収集
相において回収され得る。
【0049】 先行技術を用いて授精能を最大にするための、授精投与量あたりの運動性の精
子の最適な数は、おそらく、種(例えば、ブタ、ヒツジ、およびウシ)において
十分確立されている。本発明を用いて、運動性の精子の最小数は、通常推奨され
る250〜500×106の前進運動性精子(pms)よりも大いに少ない。理
想の条件下では、雌ウマは、授精能を減少させることなく、100×106pm
s程度まで少ない量で授精されていた。(研究により、100×106pmsま
たは500×106pmsを用いて3周期にわたり授精された雌ウマ間に差異は
見出されず、そしてそれぞれ、63.9%および75%の妊娠率を達成した)。
本発明は、今や、より少ない数が可能であること−そしてより少ない数が野外環
境において達成され得ることを示す。
【0050】 差異は有意ではなかったが、1つの実験において、1、2、および3周期の1
00×106処理および500×106処理についての妊娠率は、それぞれ、25
%対39%、33%対45%、および28%対25%であった。特に、他の実験
が、授精あたりの運動性の精子の数が40×106から80×106に増加された
場合に、子馬を生む率の増加が報告されているが、精子の数が160×106
増加された場合には、さらなる改善は観察されなかった。14頭の生殖能力が劣
る雌ウマの2つの群を使用する実験において、1人の研究者が、授精あたり10
0×106または500×106の運動性の精子を利用する処理間で差異がない(
それぞれ、35.7%対42.9%)ことを見出した。後に、同じ研究者は、5
0×106pms、100×106pms、および500×106pmsで授精さ
れた雌ウマからの3周期にわたる交配の後の妊娠率(いくつかの実験から平均さ
れたデータから、それぞれ、41.7%、65.6%、および81.3%)を報
告した。なお、当該分野の別の実験が、50×106および500×106で(3
周期にわたって)雌ウマを授精させ、そしてそれぞれ37.5%と75%という
妊娠率の間の有意な差異を見出した。より最近の研究において、本発明者らのう
ちの1人が、雌ウマをウマ下垂体抽出物(EPE)で過剰排卵させ、そして50
×106pmsで雌ウマを1回授精させた。妊娠率は、EPEで処理した雌ウマ
と生理食塩水コントロールで処理した雌ウマ間で異ならなかった(それぞれ、6
5%および55%)。
【0051】 既存の慣用的なウマ人工授精において、授精能において、授精投与量あたり1
00×106精子と500×106精子との間でほとんど差異が存在しないようで
あるが、500×106pmsが、最大授精能を提供するために一般的に推奨さ
れる。しかし、適切な人工授精技術が利用された場合、高度に妊娠可能な種馬由
来の100×106pmsもまた、先行技術を用いるには適切な最小値であると
考えられた。より認められた環境において、妊娠可能な種馬および雌ウマを用い
る慣用的な人工授精(AI)を実施する場合、(500×106の前進運動性精
子)/(雌ウマが発情期である間に隔日で授精された投与量)が最大の授精能を
生じることが報告されている。上記で暗示されたように、これに伴う問題は単純
であり、少数の精子での雌ウマの授精が、精子が制限される場合、または選別さ
れた性分別された精液を使用する場合に必要であり得るということである。
【0052】 上記で言及したように、現在、約1000のウマ生精子/秒(3.6×106
/hr)の各性染色体組成物を、90%の正確さのフローサイトメトリーにより
性染色体について精子を選別する場合に、入手することが可能である。従って、
授精のために性染色体について3.6×106精子/時間で選別された500×
106の精子を入手することは実用的でない。従って、目的は、妥当な授精能を
入手しながら、授精投与量あたりより少ない数の精子を達成することであった。
この目的は、排卵の近くに、25×106または5×106またはもっと少ない程
度の量で前進運動性精子(pms)で、1回授精された雌ウマにおいて妊娠率を
達成することであった。
【0053】 正常な種馬の射精精液は、平均容量50mlを含む。種馬は、この大容量の精
液を雌の子宮に直接入れる。数百mlの精液を射精する別の種(雄ブタ)におい
て、0.5〜0.1mlのみしか、発情期の初めの各ファローピウス管に進入し
て妊娠を可能にしない。この大きな精液容量は、子宮卵管接合部の領域を、精子
のリザーバーが峡において確立されるまで満たす。従って、特定の容量の精液が
、峡において確立され、そして残りの内容物は迅速に除去される。
【0054】 人工授精のために、授精投与量中の精子の数は、重要であり得る。精子増量剤
がしばしば使用されて、未加工の精液が希釈されて、より大きくかつより容易に
操作される授精容量が提供される。先行技術において、10mlと25mlとの
間の範囲の精液の容量が、一般的に推奨されるが、ここで、おそらく精子の濃度
に依存して、小さい授精容量がより大きな容量と同じ程度有効であることを証明
し得る。その濃度は特定されなかったが、0.6ml〜26.8mlの範囲の精
液の授精容量は、胚回収率に対する10mlまたは50ml容量の増量された精
液を授精することの効果が雌ウマにおいて研究された場合に、有害に影響しなか
った。しかし、この実験に基いて、50ml容量の増量された精液で授精された
雌ウマからの胚回収率は、10ml容量と比較して、両方が同数のpmsを含む
場合に、減少が存在した。この減少した授精能は、授精された容量の増加に起因
していたかもしれず、あるいは減少した精子濃度に起因しているかもしれない。
なぜなら、この濃度は、10ml容量の1/5であった(25×106対5×1
6)からである。
【0055】 さらなる実験を行って、以下を決定した:1)雌ウマが、10ml、100m
l、または200mlの脱脂粉乳増量剤中で増量された100×106pmsで
授精された場合の胚回収率、および2)雌ウマが、10mまたは100mlのい
ずれかの実験1と同じ増量剤で増量された250×106pmsで授精された場
合の胚回収率。実験1からの結果は、10ml(40%)および200ml(0
%)で授精された雌ウマ間でのみ回収された胚において差異を示した。これらの
実験のうちの1つにおいて、100ml(13%)と比較した10ml(70.
6%)で授精した雌ウマとの間の有意な差異が存在した。従って、100mlま
たは200mlの授精容量が、10ml容量よりも低い胚回収率と関係した。こ
れは、おそらく、より低い精子濃度または膣への精子の逆方向損失に起因してい
る。
【0056】 彼らは、十分な濃度および数の精子が存在する場合に、容量のみが授精能に影
響するか否かを試験するための研究を行った。彼らは、50×106pms/m
lの濃度の冷却した精液の30mlまたは120mlのいずれかで授精された雌
ウマ間で差異が存在しないと結論した。しかし、このアプローチは、本発明によ
り同程度まで追随されない。
【0057】 授精の時期および頻度は、ほとんどの交配操作において、特に凍結精液または
輸送され冷却された精液が関与する場合に、非常に重要な役割を果たし得る。授
精の数および時期は、授精能に影響し得る。平均的雌ウマは、生理学的交配シー
ズンの間に21日ごとに排卵し、そしてこの時期の間の発情期の平均持続期間は
5〜7日間である。発情期の間、雌ウマは、消極的に排尿し、その尾を持ち上げ
、そして種馬にその後躯を示す。天然の条件下で、1頭の種馬が20頭の雌ウマ
の群れに導入された場合、1時間あたりの交配の数の観察は、2.4±0.2で
あった。種馬は、しばしば1日に複数回同じ雌ウマと交配した(天然の条件下)
。1つの研究において、20頭の雌ウマが同調され、そして種馬とともに牧草地
に配置され、そして9日間観察された。この種馬は、1日につき9.12回交配
し、そして18頭の雌ウマのうち17頭に孕ませた。
【0058】 研究者らはまた、複数の交配シーズンにわたってデータを集め、妊娠率に対す
る授精の数の効果を比較した。周期1の間に3回授精された雌ウマ(35.9%
)よりも5回授精された場合(68%)、より多くの雌ウマが妊娠した。周期1
の間の妊娠率に対する授精の数に関して、他の差異は注目されなかった。周期2
および周期3の間に、雌ウマが1回〜7回授精された場合には、妊娠率に差異は
存在しなかった。3周期にわたり1回(23.5%)、2回(35%)または3
回(35.5%)授精された雌ウマよりも、5回(60%)授精された場合に、
多くの雌ウマが妊娠した。3周期全てを考慮すると、妊娠した雌ウマは、平均3
.3回授精されており、これは、妊娠しなかった雌ウマについての平均2.8回
よりも多かった。
【0059】 1周期あたり複数の授精が授精能に対して不利益でないこともまた決定された
。1つの研究において、データが、257頭の雌ウマから10年間にわたって収
集されて、1周期あたりの授精の数、発情期の持続期間、および妊娠率の間の関
連が確立された。雌ウマは、100×106の精子で授精された。第1の周期の
妊娠率22.0%、23.0%、38.6%、52.5%、58.3%、および
52.2%が、それぞれ、雌ウマが1周期につき1回、2回、3回、4回、5回
、または6回以上授精された場合に達成された。3周期の後、1周期につき1〜
4回授精された場合には、1周期につき12回以上授精された雌ウマよりも少な
い雌ウマが妊娠した。別の研究は、62頭の雌ウマを、3周期にわたって発情期
の間に48時間ごとに最大3回の授精のために200×106pmsで授精した
。授精は、30mm以上の卵巣が検出される時に始まり、そして排卵まで続いた
。1周期あたりの授精能は45%であり、そして2回以上の授精が1周期につい
て行われた場合は、1周期あたり1回の授精と比較して異ならなかった。これら
の研究はまた、最高の妊娠率が、排卵前48時間と72時間との間(8/23)
、または72時間と96時間との間(8/23)に実行された授精で達成された
こと、ならびに最後の授精は、少なくともこの時点の51%は授精能を有する授
精でなかったことも決定した。全体として、慣用的AIを、授精能を有する種馬
および雌ウマを用いて実施する場合、雌ウマが発情期である間に隔日で授精され
る500×106pms/投与量が、最大の授精能を生じる。本発明を用いると
、より少ない数が現在可能である。
【0060】 雌ウマにおける特定の時間での排卵の誘導は、以下の理由のために有利であり
得る:排卵が交配の36〜48時間以内に生じることを確実にして再交配のため
の必要性を除去するため、(b)冷却、凍結、または性分別した精液を、時期が
重要な時に使用して授精能を最大にするため、(c)排卵近くでの1回の授精の
みが、生殖能力が劣る種馬または雌ウマを利用する場合に必要であることを確実
にするため、(d)雌ウマまたは種馬の輸送を最小にするため、そして(e)複
数の雌ウマが同じ時期に発情期にあることが示される場合、排卵をずらすため。
【0061】 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、ヒト胎盤の絨毛膜絨毛の栄養膜細胞
層により生成される。これは、互いに非共有結合している2つのサブユニット(
αおよびβ)から構成される糖タンパク質である。これは、血液中で8〜12時
間の半減期を有する。
【0062】 雌ウマの発情周期の間の排卵の誘導のためのhCGの使用は、最初に、193
7年にMirskajaおよびPetropavlovskiによって報告され
た。彼らは、発情期第1日目に注射されたヒト妊娠尿(Prolan(登録商標
))の粗抽出物の注射の後24〜48時間以内に、排卵が生じたことを見出した
。さらなる研究によって、hCG(1500〜3300IU)が雌ウマに発情期
初期に注射される場合に、hCGが黄体形成ホルモン活性を模倣し、そして排卵
を、一般的には24〜48時間以内に誘導することが示された。投与量2000
〜3000IUのhCGの使用は、授精能を減少させなかった。しかし、何人か
の研究者が、より高投与量(4500〜6000IU)が生殖障害を生じ、そし
て妊娠率を減少させたことを見出した。hCGの使用は排卵の誘導に非常に有効
であり得るが、何人かの研究者らは、いくつかの連続する発情周期にわたるhC
Gの投与が抗体形成を生じ得、発情期および排卵の平均持続期間がコントロール
と同じか、またはコントロールよりも2日長いかのいずれかであることを示した
【0063】 天然の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、視床下部において合成
されるデカペプチドであり、そして正中隆起の分泌顆粒に貯蔵される。放出の際
、GnRHは、門脈系に入り、そして下垂体前葉に輸送され、そして性腺刺激細
胞上のレセプターに結合する。ここで、GnRHは、黄体形成ホルモン(LH)
および卵胞刺激ホルモン(FSH)の、合成および分泌を刺激する。天然のGn
RHおよびGnRHアナログの使用に対する研究もまた実行された。この研究に
おいて、1個または2個のアミノ酸が改変されて、雌ウマにおいて発情期の間に
排卵を誘導した。
【0064】 天然のGnRHのパルス的投与または連続投与は、予測可能な排卵を引き起こ
す。1つの研究において、11頭の雌ウマが、生理食塩水か20μg GnRH
のいずれかをパルスパターン(1回の5秒パルス/hr、2h、または4h)で
、注入された。このパターンは、発情周期の16日目に開始した。処理の開始か
ら排卵までの日数は、生理食塩水コントロール雌ウマまたは4時間につき20μ
gのGnRHと比較して、20μg GnRH/hrを注入された雌ウマにおい
て少なかった。GnRHのパルス的注入は排卵の進行に有効であるが、このパル
スの頻度が重要な変数であることが結論づけられた。天然のGnRHもまた、そ
して周期的な無発情期の雌ウマでの卵胞の発達および排卵を誘導するために使用
された。1.5mgまたは2.2mgのGnRHアナログであるデスロレリンを
放出する短期移植片は、卵胞の直径が30mmを超える発情期の雌ウマに投与さ
れた場合、36〜48時間以内に排卵を引き起こす。
【0065】 本発明者らのうちの1人は、種々の投与量のGnRHアナログ(酢酸デスロレ
リン)移植片の、周期的な雌ウマにおける排卵の誘導に対する効果を比較して、
そして排卵が、ほとんどの雌ウマにおいて注射後48時間以内に誘導されたこと
、そして2.2mg/雌ウマより高い投与量に利点が存在しないことを見出した
。本発明の他の研究者らは、周期的な雌ウマにおける排卵の誘導のためのhCG
、ブセレリン(GnRHアナログ)およびルプロスチオール(PGF2αアナロ
グ)の使用を比較した。ブセレリン(buslerelin)およびhCGの両
方が、処理から排卵までの間隔を短くしたが、一方、ルプロスチオールは、排卵
を促進しなかった。
【0066】 ウマ下垂体抽出物(EPE)は、ウマ下垂体前葉に由来する。粗ゴナドトロピ
ンとしての実験用EPEの調製は、BraseltonおよびMcShan(1
970)によって、そしてより最近ではGuillouおよびCombarno
us(1983)によって記載されている(各々、参考として本明細書によって
援用される)。EPEは、雌ウマにおいて、主に、周期的な雌ウマまたは無発情
期の雌ウマにおける複数の卵胞の成長を誘導するため、および雌ヒツジにおける
過剰排卵のために使用されている。
【0067】 雌ウマにおける排卵剤としてのウマ下垂体抽出物の使用は、公知である。研究
において、いくつかの実験によって、ウマ黄体形成ホルモン(eLH)および卵
胞刺激ホルモン(eFSH)が、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)
によって分離され、そして実験が行われた。1つの実験において、粗ウマゴナド
トロピン(CEG)のLH活性が、HIC画分のLH活性に対して、排卵を誘導
する能力について比較された。CEGで処理した雌ウマのうち24/25頭およ
びLHで処理した雌ウマのうち19/26頭と比較して、25頭のコントロール
雌ウマのうち、7頭が、48時間以内に排卵した。別の実験が、下垂体抽出物の
eFSHが濃縮された画分が複数の卵胞の成長を誘導する能力についてCEGと
比較して試験するように設計された。30mmに達した卵胞の数は、FSH処理
群に対してCEG処理群で同じであり、そして両方の群は、コントロール群と比
較して異なった。排卵率は、2つの処理群間で異ならなかったが、コントロール
群とは異なった。
【0068】 歴史的に、最も一般的に使用される排卵誘導方法は、hCGの単回注射である
。これはなお、最も一般的に使用される方法である。しかし、GnRHまたはh
CGいずれかを周期的な雌ウマに投与する場合の妊娠率または排卵時期に差異が
ないので、いずれの処置も排卵の誘導のために受容可能な方法である。しかし、
PEPは、医師用に市販されておらず、従って、排卵の誘導のための実用的な技
術ではない。
【0069】 天然の交尾条件下で、ウマの射精液は、雌ウマの子宮に直接注入される。Sp
allanzaniは、最初に、イヌにおける人工授精(AI)、次いで、17
00年代後半にウマにおける人工授精を報告した。AIの使用は、ウシ、ヒツジ
、ブタ、およびウマについて記載されている。ウマ、ウシ、およびブタは、子宮
体内;ヒツジ、ヤギおよびイヌは、子宮頸部;およびネコは膣前方で人工授精さ
れる。ウマに関しては、他のものに、ウマにおける慣用的な精子採取および取り
扱い手順が記載される。慣用的なAI手順については、精液が滅菌精液注入ピペ
ットおよびシリンジを用いて子宮体内に注入される。しかし、人工授精のための
代替的な部位および技術の使用についてはいくつか理由がある:(a)低品質ま
たは制限された量の凍結融解精液を精子注入すること、(b)受胎率の低い種雄
からの精液を用いて精子注入すること、または(c)雌雄鑑別した精液(これは
、量が制限される)を用いて精子注入すること。いくつかの代替的なAI技術と
しては、以下が挙げられる:子宮頸部または膣の人工授精が慣用的に行われてい
る種においては子宮内精液注入(腹腔鏡検査または非外科的技術による)、卵管
精液注入(腹腔鏡検査または側腹切開による)、または非外科的な子宮内深部精
液注入。
【0070】 腹腔鏡検査的な子宮内精液注入は、適切な装置が開発された1970年代初期
から、ヒツジおよびヤギの子宮に直接精液を注入するするための最も非侵襲的な
技術として発展してきた。腹腔鏡検査的精液注入は、伝統的なAIと比較して、
高受胎率でヒツジおよびヤギにおいて慣用的に行われている。腹腔鏡検査的子宮
内精液注入はまた、ケナガイタチ、イエネコ、トラ、チーター、およびヒョウに
おいて成功したことが報告され、最も最近では、オポッサムおよびワラビーにお
いて報告された。腹腔鏡的精液注入のいくつかの利点としては、以下が挙げられ
る:凍結精液を利用する遺伝的改良、より少ない精子数を使用して、収集物あた
りの精液注入回数を増大すること、およびより高い受胎率。腹腔鏡的精液注入の
主要な欠点は、装置および手順のためのコストが高いことである(熟練を要する
作業者、薬物、精液処理)。この手順はまた、患者に対して比較的侵襲性である
【0071】 ヒツジでの非外科的子宮内精液注入は、頸管で慣用的に精液注入されている種
において受胎率を増加させるための試みにおいて使用される。ある研究者は、頸
管深部精液注入後の17%および二重尾部頸管(caudocervical)
精液注入後の30%と比較して、子宮内精液注入の後に75%の分娩率(lam
bing rate)を得た。別の研究においては、ある研究者は、凍結融解ヒ
ツジ精子を、ヒツジの生殖管の3つの領域に注入した。群1には、1回の子宮内
精液注入を行い、一方群2には、頸管深部で1回ヒツジに精液注入し、そして群
3には、12時間間隔を開けて2回尾部頸管領域に精液注入を行った;受胎率は
、それぞれ、89%、45%および57%であった。他には、子宮内精液注入で
同様な結果が報告された。非外科的内視鏡的人工授精はまた、高妊娠率をもたら
す雌において行われてきた。
【0072】 卵管精液注入(OI)を用いると、少量の精液(通常は、0.05〜0.5m
l)が外科的に卵管腔に精子注入される。1つの研究では、腹腔鏡精子注入を用
いて9匹の若い雌ブタに精液注入した。9匹の雌ブタのうち2匹(22%)は、
1回の精液注入で妊娠した。より最近のヒツジでの研究では、受胎率に対する精
子数、精液注入のタイミングおよび部位の効果が決定された。実験1においては
、ヒツジに、104、105、106または107精子を精液注入した。48時間後
に回収した卵巣は、分裂していた場合は受胎したとして分類した。卵管精液注入
後の場合に、子宮内精液注入後よりもより多くのヒツジが受胎したという結果(
61%対39%)、そして卵管精子注入ではなく、子宮内精子注入については、
低投与量の精子(104および105)よりむしろ、高投与量の精子(106およ
び107)を用いた場合、より多くのヒツジが受胎したという結果が示された。
本発明者らの施設の研究者らは、雌ウマを妊娠させるためのOIの使用を初めて
達成した。14頭の雌ウマをOIにより50×103pmsを精液注入し、そし
て15匹を子宮内AIにより500×106pmsを精液注入した。妊娠率は、
群間でそれぞれ3/14(21.4%)および6/15(40%)と差異がなか
った。卵管精液注入はまた、女性およびウサギを妊娠させるために首尾よく使用
された。
【0073】 ウシにおいては、過去40年間にわたる人工授精の間の精液注入の部位は、子
宮体内であった。これは、多数の授精能力のある精子が精液注入のために利用可
能である場合に受容可能な技術である。しかし、ウマについては−−特に制限さ
れた数の精子しか利用できない場合−−代替アプローチが開発された。子宮内深
部精液注入は、ウシを妊娠させるために使用されてきた技術である。ある研究で
、子宮体または双方の子宮角(子宮角精液注入)に精子を注入した場合に、AI
と妊娠率を比較した。精液を子宮体に注入した場合の妊娠率は、子宮角精液注入
での64.6%と比較して、44.7%であった。しかし、全ての研究でこの精
液注入技術での利点が示されるわけではない。
【0074】 本発明が示すように、DNA含量に基づく精子の雌雄鑑別法、高速フローサイ
トメーター/セルソーター、および受胎率を損なうことなく2500万総精子数
未満でウマに精子注入するための手順の一致があり得、このことは、ウマにおけ
る現実味のある非外科的または雌雄鑑別した精子産業さえの可能性が生じ得る。
興味深いことには、このような精液注入が通常配置される子宮体内に精液注入す
るよりむしろ、ウマの子宮角内深部に精液注入することにより、よりよい結果が
達成され得る。子宮角に十分深くまで、挿入が配置されることを理解すべきであ
る。胚移植設備を使用し得るが、行われる必要はない。
【0075】 精液注入の結果として、所望の性別の動物が生産されることがもちろん所望さ
れる。この動物は、雌雄鑑別した精子標本の使用を通して以前に議論したシステ
ムに従って生産される。本発明の技術が腹腔鏡的精液注入、卵管精液注入などの
ような他の技術における適用を見出し得ることは、やはり理解されるべきである
。例示として、以下の実験が行われる。本発明のあらゆる局面の使用が本明細書
中に記載されるわけではなく、そして本発明の性能増強を全て示すわけではない
が、それらは、本発明の異なる局面を通して可能性のあるいくらかの増強を確か
に示す。
【0076】 (雌ウマ) ライトホース(light horse)血統の61頭の、3〜
15歳齢の範囲の生殖可能に正常な性周期がまわっている雌ウマを用いた。雌ウ
マにクロプロステノール(250μl i.m.)を投与して、黄体融解を誘導
し、そして30mmを超える卵胞が検出されるまで一日おきに、次いで、排卵す
るまで毎日経直腸的に生殖管を触診および超音波検査することにより試験した。
一旦雌ウマが35mm以上の卵胞を発生させた場合、ゴナドトロピン放出ホルモ
ン(GnRH)インプラント(酢酸デスロレリン2.2mg、Ovuplant
(登録商標)、Fort Dodge,IA)を皮下投与し、そして雌ウマを1
〜3処置群に割り当てた。
【0077】 (処置群1) 雌ウマに、GnRHの投与の40時間後(n=9)または34
時間後(n=11)のいずれかで、1回に20ml容量(25×106pms/
ml)中500×106pmsを精液注入した。精液を可撓性プラスティック人
工授精(AI)ピペット(IMV,France)を用いて子宮体内に注入した
【0078】 (処置群2) 雌ウマに、GnRHの投与の40時間後(n=13)または3
4時間後(n=8)のいずれかで、1回に1ml容量(25×106pms/m
l)中500×106pmsを精液注入した。精液を可撓性プラスティックAI
ピペットを用いて排卵前卵胞と同側に子宮角の先端に注入した。子宮内のピペッ
トの位置は、精子注入の前に経直腸的超音波検査により確認した。
【0079】 (処置群3) 雌ウマに、GnRHの投与の40時間後(n=10)、1ml
(5×106pms/ml)または34時間後(n=10)、0.2ml(25
×106pms/ml)のいずれかの容量で、1回に5×106pmsを精液注入
した。1mlを与えられる雌ウマを、可撓性プラスティックAIピペットで精液
注入し、一方、0.2mlを与えられる雌ウマを、0.5mlプラスティックス
トローを備えた使い捨てインプラント銃(Veterinary Concep
ts,Green Valley,WI)を用いて精液注入した。異なる精液注
入ピペットを用いて、2つの異なる容量の送達を最適化した。精液を、排卵前卵
胞と同側に子宮角の先端に注入した。子宮内のピペットの位置は、精子注入の前
に経直腸的超音波検査により確認した。
【0080】 精液注入後、雌ウマを毎日試験し、排卵日を決定した。妊娠試験を排卵後の1
2日目、14日目、および16日目に超音波検査により行った。妊娠率は、2頭
のアラビア系統の種馬(種馬A=22/31、71%;種馬B=15/30、5
0%)間でも、GnRH投与の34時間後に交配した雌ウマ 対 40時間後に
交配した雌ウマでも異ならかった(それぞれ、19/29、65%および18/
32、56%)(P>0.1)ため、データセットを組み合わせた。表1に示さ
れるように、20ml容量中500×106pmsで交配した雌ウマは、25×
106pmsまたは5×106pmsで交配した雌ウマより、有意に高い妊娠率を
有した(p<0.05)(表1)。1mlまたは0.2ml容量中25×106
pmsで交配した雌ウマと5×106pmsで交配した雌ウマとの間では妊娠率
に有意差はなかった(p>0.05)。受胎率は、群2(25×106pms)
と比較した場合、500×106pmsで有意により高く、最初の57%という
受胎率は、1回の精液注入で達成された。これは。群3(5×106pms)、
7/20(35%)で達成された妊娠率と異ならない。
【0081】
【表1】 GnRH投与に関する精液注入のタイミングは、実験の間にGnRH後40〜
34時間まで変化させた。なぜなら、多くの雌ウマは、計画した精液注入前に排
卵してしまい、従って精子注入されないからである。22頭の雌ウマの性周期か
らのデータ(26.5%)は排除した。なぜなら、それらは、計画した精液注入
の前に排卵したか(n=11)、排卵しなかったか(n=3)、またはGnRH
投与の4日より後に排卵した(n=8)かのいずれかであるからである。
【0082】 精液注入容量あたりの一般に推奨される最適精子数は、雌ウマが発情期にある
間、1日おきに500×106pmsである。しかし、先に述べたように、50
0×106運動性pmsと比較して、100×106精子を精液注入した場合、受
胎率の減少がみられなかったという研究があった。50×106運動性精子を用
いた研究では、100×106および500×106と比較した場合、受胎率の減
少を示した。他の研究では、精液注入の回数を増やした場合、受胎率は増加する
ことを示した。不運なことに、これらの研究からの結果は、いくらかの不一致が
あった。従って、本発明は、排卵が近づいている1回の機会で投与される場合に
、妥当な妊娠率を提供するために必要な最低精子数を達成することに関する。
【0083】 群3において、1ml(5×106pms/ml)の容量(n=10)または
0.2ml(25×106pms/ml)の容量(n=10)のいずれかで5×
106精子を、20頭の雌ウマに精液注入した。2つの小群間での妊娠率を比較
した。なぜなら、妊娠率は、25×106/ml未満の精子濃度まで精子数を希
釈する場合に低下することが報告されたからである。しかし、この実験において
、2つの精子濃度間では受胎率の差異はなかった。
【0084】 計画した精液注入の日の朝、直腸触診および超音波診断に基づいて雌ウマがす
でに排卵したことが分かった場合、その雌ウマには精液注入しなかった。かわり
に、クロプロステノール(250μg)を排卵後5日間投与して黄体溶解を誘導
し、そのためその雌ウマを再利用し得た。胚小胞を経直腸的超音波診断により位
置確認し、そして胚小胞を破壊することにより16日目に妊娠を終わらせた。次
いで、クロプロステノール(250μg、i.m.)を投与して黄体融解を誘導
し、そのためにそれらを再利用し得た。
【0085】 この実験において、2つのより低い投与量について子宮角の先端に精液を注入
した。子宮角深部への精液注入は、小容量で低精子数を使用する場合に特に有用
である。可撓性精子注入ピペットを、膣を経て子宮内に配置し、次いで、経直腸
的な穏やかな操作によって所望の子宮角の先端へとゆっくりと誘導した。ピペッ
トの位置を経直腸的触診および超音波検査により確認した。
【0086】 5頭の雌ウマおよび同じ2頭の種馬のうちの1頭を使用して繁殖期の終わりに
さらなる小規模の研究を行った。この研究の目的は、子宮体に注入した25×1
6pmsでの妊娠率を決定することであった。GnRH投与の40時間後に、
1回の機会に25×106pmsで精子注入した5頭の雌ウマのうち3頭(60
%)は、16日目に妊娠していた。
【0087】 要約すると、これらの実験の結果は、16日目の57%という妊娠率が、排卵
が近づいている1回の機会で25×106pmsを用いて子宮角内に深く注入さ
れた場合の精液注入で達成されたことを示した。
【0088】 以下の実験の目的は、1)排卵前卵胞に対して同側の子宮角の先端に注入され
た、25×106の生存ソートされた、雌雄鑑別した精子を精液注入した後の妊
娠率を決定すること、および2)卵の黄身ありまたはなしでのスキムミルク増量
剤にソートした精液についての妊娠率を比較すること、であった。
【0089】 (雌ウマ) ライトホース血統の17頭の、5〜12歳齢の範囲の生殖可能に
正常な性周期がまわっている雌ウマを用いた。雌ウマにクロプロステノール(2
50μl i.m.)を投与して、黄体融解を誘導し、そして30mmを超える
卵胞が検出されるまで一日おきに、次いで、排卵するまで毎日経直腸的に生殖管
を触診および超音波検査することにより試験した。一旦雌ウマが35mm以上の
卵胞を発生させた場合、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)インプラント
(酢酸デスロレリン2.2mg、Ovuplant(登録商標)、Fort D
odge,IA)を皮下投与し、そして雌ウマを1または2処置群に無作為に割
り当てた。
【0090】 (処置群A) 雌ウマ(n=11)に、GnRHの投与の34時間後に1ml
容量(2500万/ml)中の約25×106の生存ソートした精子を1回の機
会で精液注入した。精液を、市販のスキムミルク精液増量剤(EZ−Mixin
,OF,Animal Reproduction Systems,Chin
o,CA)にソートし、そして同じ増量剤を遠心分離後緩衝液として遠心分離後
に添加し、25×106mlに精子濃度を調整した。精子を、排卵前卵胞と同側
に子宮角の先端に、可撓性プラスチックAIピペット(IMV,France)
を用いて注入した。子宮内のピペットの位置は、精液注入前に経直腸的超音波検
査により確認した。1頭の雌ウマに、フローサイトメトリーでの時間拘束のため
に、20×106生存ソートした精子を精液注入した。1頭の雌ウマは、排卵し
なかったために、この研究から排除した。
【0091】 (処置群B) 雌ウマ(n=10)に、GnRHの投与の34時間後に1ml
容量(2500万/ml)中の約25×106の生存ソートした精子を1回の機
会で精液注入した。1頭の雌ウマに、フローサイトメトリーでの時間拘束のため
に、20×106生存ソートした精子を精液注入した。精液を、同じ市販のスキ
ムミルク増量剤および4%卵黄にソートし、そして同じ増量剤を遠心分離後緩衝
液として遠心分離後に添加し、精子濃度を調整した。精子を、排卵前卵胞と同側
に子宮角の先端に、可撓性プラスチックAIピペットを用いて注入した。子宮内
のピペットの位置は、精液注入前に経直腸的超音波検査により確認した。
【0092】 精液注入後、雌ウマを排卵日を決定するために基本的に毎日試験した。妊娠試
験は、12日目、14日目、16日目および30日目、ならびに排卵後に超音波
検査により行い、胎児を60日目に雌雄鑑別した。
【0093】 (精液採取および調製) アラビア系統であり、高受胎率であることが公知の
2頭の種馬をこの実験に使用した。これらの内の1頭(種馬A)を実験1に使用
した。精液を、インラインゲルフィルターを備えたColoradoモデル人工
膣(Animal Reproduction Systems,Chino,
CA)を用いて、計画した精液注入の朝に採取した。射精液をゲルなしの容量、
運動性および精子濃度について評価した。精液をBSA含有HBGM−3中に1
:1で増量し、そして数分以内に、さらなる処理のために実験室の周囲温度まで
移した。この精液を、22℃で、400×gで10分間遠心分離して、精子を高
度に濃縮した。遠心分離後、上清を吸引し、精子軟ペレットを残した。精子の濃
度をデンシトメーター(Animal Reproduction Syste
ms,Chino,CA)を用いて決定し、そして精子を引き続いて、1mlの
総容量においてHBGM−3中400×106/mlに希釈し、そして25μl
のHoechst 33342(5mg/ml 水)で染色した。計8サンプル
チューブを調製し、そして34℃で1時間インキュベートした。次いで、染色し
たサンプルを、3mlのHBGM−3を用いて100×106/mlに希釈した
。食用色素(HBGM−3中、2μl/mlの1% FD&C #40)を各8
つのサンプルチューブに添加し、4mlの総容量を得た。次いで、このサンプル
を、1mlの40ミクロンフィルター装置を通して、6mlのポリプロピレンチ
ューブに濾過し、そして約25×106生存精子がDNAについてフローサイト
メトリーでソートされるまで周囲温度に維持した。アルゴンレーザー(351お
よび364nmで150mWを放射)を、精子ソーティングのために改変された
MoFlo(登録商標)フローサイトメーター/セルソーターの各々2つに対し
て用いて、シース溶液としてBSAを含まないHBGM−3で50psiで操作
する。精子を、計6つのポリプロピレンチューブ(各々14ml)に約900の
生存精子/秒で採取した。これは、ソーティングの開始前に、EZ−Mixin
(登録商標)またはEZ−Mixin(登録商標)中4%卵黄のいずれかの4m
lの捕捉液体を含んだ。2頭の雌ウマが同日の精液注入に利用可能である場合、
X染色体およびY染色体の両方が富化された精子が採取される。チューブ内容物
は、ソーティングの間30分ごとに混合した。ソーティング後、精子を2つのフ
ローサイトメーターからともにプールし、50ml遠心管に入れ、そして120
0×gで22℃にて20分間遠心分離した。次いで、200μlの精子ペレット
まで上清を吸引した。そして100μlの、EZ−Mixin(登録商標)CS
T(Animal Reproduction Systems,Chino,
CA)または4%スキムミルク−卵黄のいずれかの遠心分離後緩衝液をペレット
に添加し、そして50mlの予め秤量したファルコンチューブに移した。血球計
算盤計数を行って、最終的な精子濃度/mlを測定した。ファルコンチューブ中
の精子の容量×精子濃度/mlは、回収した総精子数に等しかった。次いで、サ
ンプルを、1ml溶液中に計25×106生存ソートした精子まで希釈し、これ
を精液注入のために使用した。
【0094】 (DNA含量のための精子の再分析) 精液注入のために使用されるソートし
たインタクトな精子の相対的DNA含量を、その日の最後に採取したそれぞれの
バッチの各0.5ml未満を含むサンプル由来の精子核のフローサイトメトリー
分析により決定した。精子核は、インタクトなソートされた精子のアリコートか
ら、設定#2で設定されたUltrasonic Dismembrator
60(Fisher Scientific)を用いて3秒間超音波処理するこ
とにより調製した。X保有精子およびY保有精子の割合は、0°検出器からのヒ
ストグラムに対して、対になったガウス分布を適合することにより決定した(J
ohnsonら、1987b)。DNAの再分析は、17ソートに関して、X染
色体保有精子については90%の平均ソート純度、およびY染色体保有精子につ
いては84%の平均ソート純度を示した。
【0095】 (胎仔性別決定) 排卵から60〜70日後の妊娠雌ウマの胎仔を、精子注入
した、ソートした精子の性別を認識することなく、経直腸的超音波診断を介して
雌雄判別した。リニアアレイ5MHz変換器を備えたリアルタイム超音波スキャ
ナ(Aloka 500(登録商標))を、性別決定のために使用した。胎仔の
性別は、性器結節を同定および位置確認することによって、ウマおよびウシにお
いては正確に(99%まで)決定し得る(Curran、1998)。
【0096】 (統計分析) データを、フィッシャーの正確度検定を用いて分析した。
【0097】 16日目の妊娠率を表2に示す。妊娠率は、種馬の間では異ならなかった(種
馬A=3/10、30%;種馬B=5/10、50%)(P>0.1)。そのた
め、このデータセットを組み合わせた。精子処理の間では妊娠率に統計学的差異
はなかった(EZ−Mixin=3/10、30% 対 4%EY+EZ−Mi
xin=5/10、50%)(P>0.1)が、この結果は、常に真であるわけ
ではない。表現型性別比は、5頭のうち5頭とも完全な正確性で予測された。
【0098】 3頭の雌ウマが、排卵後の16〜60日の間にいつかそれらの妊娠が喪失され
た。そのため、胎児の性別が決定できなかった。X保有精子を精液注入した1頭
の雌ウマを、胃腸の問題により妊娠66日目に安楽死させた。表現型的に正常な
雌の胎仔(正確な性別)を、剖検により検出した。
【0099】
【表2】 (結果:)X染色体を保有する精子およびY染色体を保有する精子を分離する
ために、過去80年間において多くの試みがなされた。X染色体を保有する精子
およびY染色体を保有する精子を正確に同定すると証明された記録を有する唯一
の非破壊的な方法は、フローサイトメトリー/細胞ソーティングであり、これに
よって、所望の性割合を変化させることが可能になった。精子は、フローサイト
メトリー/細胞ソーティングにより分離され、以下の種;ウサギ、ブタ、および
ウマにおいて、外科的授精後妊娠が得られている。外科的授精は、X保有精子お
よびY保有精子の緩慢なフロソーティングの速さ(約100精子/秒)に起因し
て精子の数を最小化する必要性のために、および妊娠を確立するために多くの数
の精子を見かけ上必要とするために、これらの実験において選択された。高速ソ
ーティングおよび新しく開発された配向ノズル(orienting nozz
le)による単位時間当たりのX保有精子およびY保有精子の産生は、以前のソ
ーティングの速さの10〜12倍の速さに増大した。この技術は、単位時間当た
りに分類される精子の数を増大させ、そしてこの技術により研究者は、ヒツジお
よびウシにおいて、非外科的な、子宮内授精から子孫を得ることが可能となった
【0100】 本研究は、性別を鑑別した精液を用いた非外科的な子宮内授精の後、ウマにお
いて生育可能な妊娠を初めて得た。25×106の性別が鑑別された精子(40
%)の授精後16日めの妊娠率は、25×106の分類していない前進運動性精
子(57%)を用いて授精させた実験1の雌ウマのものとは統計学的に有意に異
ならなかった(P>0.1)。授精技術は両方の実験において同じであった。同
じ雌馬および技術者が、両方の実験において用いられた。また、両方の実験を、
一年の同じ時期、同じ繁殖時期の間に行った。
【0101】 最初の実験的妊娠率は、性別を鑑別した精液で行うとわずかに低かった。これ
はおそらく、25×106の精子を分類するのにかかる時間の量、およびこのプ
ロセスにより起こり得る精子の損傷が原因である。この実験において、精液採取
から授精までの平均的時間は、7時間であった。第1の実験において、精液採取
後すぐに雌馬に授精させた。性別を鑑別した精子の平均的な総運動性および進行
的運動性は、それぞれ69%および38%であり、そして計25×106の生存
している、分別された精子細胞を授精のために採取した。分類プロセスは、精子
に対して非常にストレスが多い手順である。細い管を通して高圧(約100km
/時間で抜け出る)で精子をポンプで汲み出し、そして十分な数の精子が採取さ
れるまで何時間も室温で保存する。精子を、Hoechst33342(これは
、DNAのATリッチ領域に対して高い親和性を有する)を用いて35℃で1時
間インキュベートし、次いで351nmおよび364nmにて紫外線レーザー光
に曝露する。多くのDNA特異的染色のようではなく、Hoechst3334
2は、DNAらせん中に挿入されない。これらのプロセスはいずれも、精子の健
康を助長しないが、遺伝子異常の発生率の増大は、この技術を利用して産生され
た数百の子孫において報告されていない。
【0102】 付随的な関心事は、他の研究者が、性別を鑑別した精液を用いての低い妊娠率
について、別の可能な説明を提案した事実である。かれらは、第1の細胞周期が
、Hoechst3342で処理した精子により受胎したウサギの胚において遅
延することを見出した。不運なことに、この機構は公知でないが、DNAが複製
されるかまたは転写される場合の色素分子の干渉に起因し得る。減少した胚の生
存もまた、フローソーティングされた精子において実証された。
【0103】 性別を鑑別した精液を用いて授精させた8頭の雌馬のうち3頭(38%)は、
16〜60日の間に妊娠しなかった。これらの雌馬のうち2頭は、16日めまで
正常に見える胚小胞を生じた。次いで、この小胞は、もはや存在しなくなるまで
サイズが減少した。3頭の雌馬のうち1頭が、目にみえる胎児を伴う(心拍を有
する)、生存可能な妊娠を生じた。胎児は、35日めに生存が観察されたが50
日めには亡くなった。新鮮な、分類していない精液を用いて、初期の胚の損失は
、14日目までに9%、および16%の20〜50日めの間の平均において16
%であることが見出された。精子染色手順および分類手順を本実験において使用
した。ウマ精子は、ウシ精子よりも染色手順および分類手順により感受性である
ことが可能である。
【0104】 要約すると、本発明は、雌馬の子宮角の先端にて少ない数の沈積により、雌馬
において妊娠が達成し得、そして予め決定された性の子馬が得られ得ることを、
初めて実証した。性決定する哺乳動物の精子は、研究技術を離れ、そして今や市
販のウマAIプログラムについて入手可能であり得る。さらに、上述されるよう
に、および種々の実験から見られ得るように、この分野は統計学に基づいており
、従って、種々のさらなる実験を行って、適切な組合わせおよび制限戦略をさら
に示し得る。
【0105】 本願に含まれる議論は、基本的な記載として利用することが意図される。読者
は、特定の議論が、全ての可能な実施態様について明白に記載しなくてもよいこ
とを認識すべきであり;多くの改変は暗に意味される。これはまた、本発明の一
般的性質を完全には説明しなくてもよいし、そして各特徴またはエレメントが、
実際、いかに広範な機能または多大な種々の代替的エレメントもしくは等価なエ
レメントを表し得るかを明白に示さなくともよい。再び、これらはこの開示に暗
に含まれる。本発明がデバイスを指向した用語で記載される場合、このデバイス
の各エレメントは、暗に機能を実行する。装置の特許請求の範囲は、記載される
デバイスを含むだけでなく、方法またはプロセスの特許請求の範囲は、本発明お
よび各エレメントが実施する機能を言うことが含まれ得る。説明も用語も提示さ
れ得る特許請求の範囲に限定され得ないことが意図される。種々の変化が本発明
の本質から逸脱せずになされ得ることを理解すべきである。そのような変化はま
た、この説明に暗に含まれる。それらはなお本発明の範囲内である。示される明
白な実施態様、多大な種々の暗に代替的な実施態様、および広範な方法もしくは
プロセスなどを両方含む広範な開示は、この開示に含まれる。
【0106】 さらに、本発明および特許請求の範囲の各種々のエレメントはまた、種々の様
式において達成され得る。この開示は、任意の装置の実施態様であれ、方法もし
くはプロセスの実施態様であれ、またはさらにこれらのいずれかのエレメントの
単なるバリエーションであれ、それぞれのそのようなバリエーションを含むこと
が理解されるべきである。特に、この開示が本発明のエレメント、等価な装置の
用語または方法の用語により示され得る各エレメントについての言葉(たとえこ
の機能または結果が同じである場合であっても)に関することが理解されるべき
である。そのような等価で、より広範な、またはさらにより一般的な用語は、各
エレメントまたは作用の説明に含まれると見なされるべきである。そのような用
語は、本発明の表題に対する暗に広い適用範囲を明白にすることが望まれる場合
、置換され得る。1つの例として、全ての作用が、その作用をするための手段と
して、またはその作用をもたらすエレメントとして示され得ることを理解すべき
である。同様に、開示される各物理学的エレメントは、物理学的エレメントが容
易である作用の開示を含むことが理解されるべきである。この局面の1つの例と
して、「コレクター」の開示は、「収集する(collecting)」作用の
開示を含むこと(明白に議論されてもされなくても)を理解すべきである。そし
て逆に「収集する」の作用の開示のみが存在する場合、そのような開示は、「コ
レクター」の開示を含むことを理解すべきである。このような変化および代替的
な用語は、この説明に明白に含まれることを理解すべきである。さらに、最初に
示される特許請求の範囲に加えて、この特許請求の範囲は、示されるこれらの各
デバイスおよび方法、各特徴、成分、ならびに分割したおよび独立した発明とし
て示される工程のバリエーション、ならびに上記の各の種々の組合わせおよび順
列をより広く示すように変化させ得ることを理解すべきである。
【0107】 最後に、本願−−特に特許請求の範囲−−を通して、この内容が他を必要とし
ない場合、用語「含む(comprise)」または「含む(comprise
s」または「含む(comprising)」のような変化形は、言及されたエ
レメントまたはエレメントの群の包含を意味するが、他のエレメントまたはエレ
メントの群を除くことを意味しないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のためのフローサイトメーター分離技術に従う分離系の図であ
る。
【図2】 図2は、代表的なフローサイトメーターのフリーフォール領域の直前のノズル
において同伴された細胞の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61D 7/02 B Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 スクワイアーズ, エドワード エル. アメリカ合衆国 コロラド 80524, フ ォート コリンズ, ノース カンティー ロード 3 5536 (72)発明者 マック, パトリック エム. アメリカ合衆国 コロラド 80525, フ ォート コリンズ, クリフローズ コー ト 1200 (72)発明者 シーデル, ジョージ イー. アメリカ合衆国 コロラド 80535, ラ ポート, アロウヘッド ロード 3101 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA44 DB10 ZC801

Claims (135)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウマを生産する方法であって、以下の工程: a.雌ウマの発情期の推定時期を決定する工程であって、該雌ウマは、2つの
    子宮角、膣、子宮、および直腸を有し、各子宮角が、先端および小胞を有する、
    工程; b.雄ウマからウマ精子細胞を収集する工程; c.該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有する、ウマ精液
    注入サンプルを確立する工程; d.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; e.該可撓性プローブを、該雌ウマの該膣に配置する工程; f.該可撓性プローブを操作して、該雌ウマの該子宮へと入れる工程; g.該可撓性プローブを案内して、該雌ウマの該子宮角へと入れる工程;およ
    び h.該可撓性プローブを、該雌ウマの該子宮角内に深く誘導するにつれて、経
    直腸的に穏やかに操作して、該子宮角の該先端の近くの、該雌ウマの該子宮角内
    の深い位置へと配置する工程; i.該雌ウマを人工授精させる工程; j.該雌ウマ内で少なくとも1つのウマ卵を受胎させる工程;ならびに k.子孫ウマを生産する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記ウマの前記雄種からの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ
    精液注入サンプルを確立する前記工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性の特徴を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞を、該ウマ精子細胞の性の特徴の決定に従って、選別する
    工程、 を包含し、そしてここで、前記子孫ウマ哺乳動物を生産する前記工程が、所望の
    性の子孫ウマを生産する工程を包含する、方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともい
    くらか含有し、そして典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を
    有する、ウマ精液注入サンプルを確立する工程、を包含する、方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有し、そして典型的
    な人工授精投与量に対して少数の前記ウマ精子細胞を有する、ウマ精液注入サン
    プルを確立する前記工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サン
    プル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからな
    る群から選択される、該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有
    し、そして典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有する、ウ
    マ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記雌ウマ内で少なくとも1つのウマ卵を受胎させる前記工程が、前記典型的な
    人工授精投与量に統計的に匹敵する成功レベルで、該雌ウマ内で少なくとも1つ
    のウマ卵を受胎させる工程を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有し、そして前記典
    型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有する、ウマ精液注入サ
    ンプルを確立する前記工程が、以下の工程: a.該ウマ精子細胞を染色する工程; b.該ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選
    別する工程;および c.該選別したウマ精子細胞を濃縮する工程、 を包含する、方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選別す
    る前記工程が、前記所望の性の生存精子を、1秒間当たり少なくとも900個の
    生存精子の速度で収集する工程を包含する、方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選別す
    る前記工程が、高速セルソーターを、1平方インチ当たり少なくとも約50ポン
    ドの圧力で作動させる工程を包含する、方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで、
    前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともい
    くらか含有し、そして前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細
    胞を有する、ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有し、そして前記
    典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有する、ウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入
    サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルか
    らなる群から選択される、該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともいくらか
    含有し、そして該典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有す
    る、ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 請求項4に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有する、ウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選
    択される体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の、ウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注
    入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlから選択される体積
    を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選択さ
    れる体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 請求項4、7、11、または12のいずれかに記載の方法
    を使用して生産された、所定の性を有するウマ。
  15. 【請求項15】 ウマを生産する方法であって、以下の工程: a.雌ウマの発情期の見積り時期を決定する工程であって、該雌ウマが、2つ
    の子宮角を有し、各子宮角が、先端および小胞を有する、工程; b.雄ウマから、ウマ精子細胞を収集する工程; c.該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有する、ウマ精液
    注入サンプルを確立する工程; d.該ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、該雌ウマの該子宮角の少な
    くとも一方の深部に、該子宮角の該先端の近くで挿入する工程; e.該雌ウマを人工的に授精させる工程; f.該雌ウマ内で少なくとも1個のウマ卵を受胎させる工程;ならびに g.子孫ウマを生産する工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、いず
    れの子宮角が、排卵前の小胞と同側であるかを突きとめる工程をさらに包含し、
    そしてここで、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、前記雌ウマの前
    記子宮角の少なくとも一方の深部に挿入する前記工程が、該ウマ精液注入サンプ
    ルの少なくとも一部を、該排卵前の小胞と同側である該子宮角の先端近くに挿入
    する工程を包含する、方法。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを人工的に授精させる前記工程が、前記雌ウマを、排卵に近い単
    一の機会に人工的に授精させる工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを、排卵に近い単一の機会に人工的に授精させる前記工程が、該
    雌ウマを、前記ウマの前記子宮角の、同側および反対側の両方で人工授精させる
    工程を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、前記雌ウマの前記子宮角の
    少なくとも一方の深部に、該子宮角の前記先端の近くで挿入する前記工程、該雌
    ウマを人工的に授精させる前記工程、および該雌ウマ内で少なくとも1個のウマ
    卵を受胎させる前記工程が、それぞれ、野外の環境で達成される、方法。
  20. 【請求項20】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、前記雌ウマの前記子宮角の
    少なくとも一方の深部に、該子宮角の前記先端近くで挿入する前記工程が、該子
    宮角の該先端の約0.5インチ以内、該子宮角の該先端の約1インチ以内、およ
    び該子宮角の該先端の約2インチ以内からなる群から選択される位置で、該ウマ
    精液注入サンプルの少なくとも一部を挿入する工程を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、前記
    雌ウマを人工的に授精させる前記工程を達成する前に、該雌ウマの前記排卵を操
    作する工程をさらに包含する、方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを人工的に授精させる前記工程を達成する前に、該雌ウマの前記
    排卵を操作する前記工程が、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与す
    る工程を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを人工的に授精させる前記工程が、前記性腺刺激ホルモン放出ホ
    ルモンを該雌ウマに投与する前記工程の約34時間後、該性腺刺激ホルモン放出
    ホルモンを該雌ウマに投与する該工程の約40時間後、および前記性線刺激ホル
    モン放出ホルモンを前記雌ウマに投与する該工程の約34時間後と約40時間後
    の間からなる群から選択される時刻に達成される、方法。
  24. 【請求項24】 請求項21に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、前記雌ウマの前記子宮角の
    少なくとも一方の深部に、該子宮角の前記先端の近くで挿入する前記工程が、該
    ウマ精液注入サンプルを、該子宮角に、可撓性のプラスチック人工授精ピペット
    を使用して挿入する工程を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、前記
    ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、前記雌ウマの前記子宮角の少なくと
    も一方の深部に、該子宮角の前記先端の近くで挿入する前記工程が、以下の工程
    : a.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; b.該可撓性プローブを、前記雌ウマの膣に配置する工程; c.該可撓性プローブを操作して、該雌ウマの子宮へと入れる工程; d.該可撓性プローブをゆっくりと案内して、該雌ウマの子宮角へと入れる工
    程;ならびに e.該可撓性プローブを、該雌ウマの子宮角内に深く誘導するにつれて、経直
    腸的に穏やかに操作して、該子宮角の該先端の近くの、該雌ウマの子宮角内の深
    い位置へと配置する工程、 を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を達成する前記工程が、前記雌
    ウマを人工的に授精させる前記工程を達成する前に行われる位置を、直腸を横切
    る超音波検査によって確認する工程をさらに包含する、方法。
  27. 【請求項27】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該
    ウマ精子細胞を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含し、そしてこ
    こで、前記雌ウマ内で少なくとも1個のウマ卵を受胎させる前記工程が、該典型
    的な人工授精投与量に統計的に匹敵する成功レベルで、該雌ウマ内で少なくとも
    1個のウマ卵を受胎させる工程を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の、ウマを生産する方法であって、前記
    典型的な人工授精投与量より少数の前記ウマ精子細胞を有するウマ精液注入サン
    プルを確立する前記工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サン
    プル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからな
    る群から選択される、ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 請求項25に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該
    ウマ精子細胞を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含し、そしてこ
    こで、前記雌ウマ内で少なくとも1個のウマ卵を受胎させる前記工程が、該典型
    的な人工授精投与量に統計的に匹敵する成功レベルで、該雌ウマ内で少なくとも
    1個のウマ卵を受胎させる工程を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の前記ウマ精子細胞を有するウマ
    精液注入サンプルを確立する工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液
    注入サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプ
    ルからなる群から選択される、ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する
    、方法。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載の、ウマを生産する方法であって、前記
    雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入サン
    プルを確立する前記工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性徴を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞を、該精子細胞の性徴の決定に従って選別する工程、 を包含し、ここで、子孫ウマを生産する前記工程が、所望の性の子孫ウマを生産
    する工程を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の、ウマを生産する方法であって、複数
    の前記ウマ精子細胞の前記性徴を決定する前記工程、および該精子細胞を、該精
    子細胞の性徴の決定に従って選別する前記工程が、以下の工程: a.該ウマ精子細胞を染色する工程; b.該ウマ精子細胞の該性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選別
    する工程;および c.該選別したウマ精子細胞を濃縮する工程、 を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選
    別する前記工程が、前記所望の性の生存精子を、1秒間当たり少なくとも900
    個の生存精子の速度で収集する工程を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選
    別する前記工程が、高速セルソーターを、1平方インチ当たり少なくとも約50
    ポンドの圧力で作動させる工程を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 請求項32に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精子細胞の前記性に従って、高速フローサイトメトリを使用して選
    別する前記工程が、前記所望の性徴を有するウマ精子細胞を、スキムミルク溶液
    中に収集する工程を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 請求項33に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該
    ウマ精子細胞を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含し、そしてこ
    こで、前記雌ウマ内で少なくとも1個のウマ卵を受胎させる前記工程が、該典型
    的な人工授精投与量に統計的に匹敵する成功レベルで、該雌ウマ内で少なくとも
    1個のウマ卵を受胎させる工程を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の前記ウマ精子細胞を有するウマ
    精液注入サンプルを確立する前記工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ
    精液注入サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サ
    ンプルからなる群から選択される、ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含
    する、方法。
  38. 【請求項38】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性徴を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞を、該精子細胞の性徴の決定に従って選別する工程、 を包含し、ここで、子孫ウマを生産する前記工程が、所望の性の子孫ウマを生産
    する工程を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 請求項25に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性徴を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞を、該精子細胞の性徴の決定に従って、選別する工程、 を包含し、そしてここで、子孫ウマを生産する前記工程が、所望の性の子孫ウマ
    を生産する工程を包含する、方法。
  40. 【請求項40】 請求項15に記載の、ウマを生産する方法であって、前記
    雌ウマ内での少なくとも1個のウマ卵を受胎させる前記工程が起こる確率を増大
    させるために、ウマ下垂体抽出物を、該雌ウマに投与する工程をさらに包含する
    、方法。
  41. 【請求項41】 請求項28に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選
    択される体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  42. 【請求項42】 請求項30に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選
    択される体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  43. 【請求項43】 請求項37に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞を少なくともいくらか含有するウマ精液
    注入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選
    択される体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 請求項31、33、35、40、41、または43のいず
    れかに記載の方法を使用して生産された、所望の性を有するウマ。
  45. 【請求項45】 ウマ精子細胞を、該精子細胞の性徴の決定に基づいて選別
    する方法であって、該方法は、以下の工程: a.ウマ精子細胞を雄ウマから収集する工程; b.該ウマ精子細胞を染色する工程; c.選別されるべき該ウマ精子細胞を供給する、細胞源を確立する工程; d.液滴を形成するよう適合され、そして該ウマ精子細胞と適合性である、シ
    ース流体を確立する工程; e.該ウマ精子細胞が中に収集される、スキムミルク溶液を確立する工程; f.該精子細胞を、該精子細胞の性徴の決定に従って、区別する工程; g.個々のウマ精子細胞を液滴に混入させる工程; h.該液滴を、該液滴が含有する個々のウマ精子細胞の該性に従って、選別す
    る工程;および i.該所望の性徴を有するウマ精子細胞を、該スキムミルク溶液中に収集する
    工程、 を包含する、方法。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、該ウマ精子細胞が中に収集される
    、スキムミルク溶液を確立する前記工程が、スキムミルク増量剤を含有する溶液
    を、収集流体として確立する工程を包含する、方法。
  47. 【請求項47】 請求項46に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、該ウマ精子細胞が中に収集される
    スキムミルク溶液を確立する前記工程が、約4%の卵黄を含有する溶液を、収集
    流体として確立する工程をさらに包含する、方法。
  48. 【請求項48】 請求項45に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、液滴を形成するよう適合され、そ
    して前記ウマ精子細胞と適合性である、シース流体を確立する前記工程が、he
    pes緩衝化媒体を含有するシース流体を確立する工程を包含する、方法。
  49. 【請求項49】 請求項45に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、前記液滴を、該液滴が含有する個
    々のウマ精子細胞の前記性に従って選別する前記工程が、該ウマ精子細胞の該性
    に従って、高速フローサイトメトリを使用して選別する工程を包含する、方法。
  50. 【請求項50】 請求項49に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、該ウマ精子細胞の該性に従って、
    高速フローサイトメトリを使用して選別する前記工程が、前記所望の性の生存精
    子を、1秒間当たり少なくとも900個の生存精子の速度で収集する工程を包含
    する、方法。
  51. 【請求項51】 請求項49に記載の、ウマ精子細胞を該精子細胞の性徴の
    決定に従って選別する方法であって、ここで、該ウマ精子細胞の該性に従って、
    高速フローサイトメトリを使用して選別する前記工程が、高速セルソーターを、
    1平方インチ当たり少なくとも約50ポンドの圧力で作動させる工程を包含する
    、方法。
  52. 【請求項52】 選別されたウマ精子細胞を含むウマを生産する方法であっ
    て、ここで、該選別されたウマ精子細胞が、請求項45に記載の方法によって、
    該精子細胞の性徴の決定に従って選別され、そしてさらに、以下の工程: a.雌ウマの発情期の見積り時期を決定する工程であって、該雌ウマが、2つ
    の子宮角を有し、各子宮角が、先端および小胞を有する、工程; b.前記雄ウマからの該選別されたウマ精子細胞を少なくともいくらか含有し
    、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有する、ウマ精
    液注入サンプルを確立する工程; c.該ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、該雌ウマに、非外科的に挿
    入する工程; d.該雌ウマを、人工的に授精させる工程; e.該雌ウマ内で、少なくとも1個のウマ卵を受胎させる工程;および f.所望の性の子孫ウマを生産する工程、 を包含する、方法。
  53. 【請求項53】 請求項52に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記選別されたウマ精子細胞を少なくともいくらか含有し
    、前記典型的な人工授精投与量に対して少数のウマ精子細胞を有するウマ精液注
    入サンプルを確立する前記工程が、約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注
    入サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプル
    からなる群から選択される、該雄ウマからの該ウマ精子細胞を少なくともいくら
    か含有し、前記典型的な人工授精投与量に対して少数の該ウマ精子細胞を有する
    ウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載の、ウマを生産する方法であって、いず
    れの子宮角が排卵前の小胞と同側であるかを確認する工程をさらに包含し、そし
    てここで、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を前記雌ウマに非外科的
    に挿入する前記工程が、該ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を、該排卵前
    の小胞と同側の該子宮角の前記先端の近くで挿入する工程を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 請求項53に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを人工的に授精させる前記工程が、該雌ウマを、排卵に近い単一
    の機会に、人工的に授精させる工程を包含する、方法。
  56. 【請求項56】 請求項55に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雌ウマを、排卵に近い単一の機会に人工的に授精させる前記工程が、該
    雌ウマを、該ウマの前記子宮角内の同側および反対側の両方で人工的に授精させ
    る工程を包含する、方法。
  57. 【請求項57】 請求項54に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を前記排卵前の小胞と同側の前
    記子宮角の前記先端の近くで挿入する前記工程、前記雌ウマを人工的に授精させ
    る前記工程、および該雌ウマ内で少なくとも1個のウマ卵を受胎させる前記工程
    が、それぞれ、野外の環境で達成される、方法。
  58. 【請求項58】 請求項53に記載の、ウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマからの前記ウマ精子細胞の少なくともいくらかを含有するウマ精
    液注入サンプルを確立する前記工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から
    選択される体積を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法
  59. 【請求項59】 請求項45、50、53、57、または58のいずれかに
    記載の方法を使用して生産された、所望の性を有するウマ。
  60. 【請求項60】 請求項45、48、または50のいずれかに記載の方法を
    使用して達成される、フローサイトメトリの方法。
  61. 【請求項61】 所望の細胞を単離するためのウマ適応化フローサイトメー
    ターシステムであって、該フローサイトメーターは、以下: a.該フローサイトメーターによて分析される細胞を供給するウマ精子細胞源
    ; b.該ウマ精子細胞のためのシース流体環境を作製する、化学的調整化シース
    流体源; c.該シース流体環境へ曝される間、該ウマ精子細胞が通過する、ノズル; d.該シース流体が該ノズルを通過する際に、該シース流体に従って作動する
    、オシレータ; e.該ウマ精子細胞に対して応答する細胞検出システム; f.所望の性別を有する該ウマ精子細胞を選別するように作動する、ウマ精子
    細胞選別識別システム;ならびに g.該所望の性別を有する該ウマ精子細胞が配置される、スキムミルク溶液コ
    レクター、 を備える、フローサイトメーター。
  62. 【請求項62】 請求項61に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、前記スキムミルク溶液コレ
    クターが、スキムミルク精液増量剤を含有する溶液を含む、フローサイトメータ
    ーシステム。
  63. 【請求項63】 請求項62に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、前記スキムミルク溶液コレ
    クターが、約4パーセントの卵黄を含有する溶液をさらに含む、フローサイトメ
    ーターシステム。
  64. 【請求項64】 請求項62に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、前記化学的調整化シース流
    体源が、ヘペス緩衝媒体を含有するシース流体を含む、フローサイトメーターシ
    ステム。
  65. 【請求項65】 請求項61に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、該ウマ精子細胞選別識別シ
    ステムが、高速セルソーターを含む、フローサイトメーターシステム。
  66. 【請求項66】 請求項65に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、前記高速セルソーターが、
    1秒当たり少なくとも900個の精子速度で、所望の性別の生存精子を収集する
    、フローサイトメーターシステム。
  67. 【請求項67】 請求項65に記載の所望の細胞を単離するためのウマ適応
    化フローサイトメーターシステムであって、ここで、前記高速セルソーターが、
    1平方インチ当たり少なくとも約50ポンドの圧力で作動する、フローサイトメ
    ーターシステム。
  68. 【請求項68】 請求項61、62、64、65または66のいずれかに記
    載のシステムの使用により生産される雌雄識別した精子標本。
  69. 【請求項69】 請求項61、62、64、65または66のいずれかに記
    載のシステムの使用により生産される予め決定した性別を有するウマ。
  70. 【請求項70】 ウマを生産するための方法であって、該方法は、以下の工
    程: a.雌ウマの発情期の推定時期を決定する工程であって、該雌ウマは2つの子
    宮角を有し、各子宮角は、先端および小胞を有する、工程; b.雄ウマからウマ精子細胞を収集する工程; c.複数の該ウマ精子細胞の性別を決定する工程; d.該ウマ精子細胞の性別の決定に従って該ウマ精子細胞を選別する工程; e.該雄ウマ由来の該選別したウマ精子細胞の少なくともいくつかを含有する
    ウマ精液注入サンプルを確立する工程; f.該ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を該雌ウマ内へ非外科的に挿入
    する工程; g.該雌ウマを人工的に精液注入させる工程; h.該雌ウマ内に少なくとも1つのウマ卵を受胎させる工程;および i.所望の性別のウマ子孫哺乳動物を生産する工程、 を包含する、方法。
  71. 【請求項71】 請求項70に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記複数のウマ精子細胞の性別を決定する工程および前記ウマ精子細胞の性別
    の決定に従って該ウマ精子細胞を選別する工程が、以下の工程; a.該ウマ精子細胞を染色する工程; b.高速フローサイトメトリーの使用によって該ウマ精子細胞の性別に従って
    選別する工程;ならびに c.該選別されたウマ精子細胞を濃縮する工程、 を包含する、方法。
  72. 【請求項72】 請求項71に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記高速フローサイトメトリーの使用によって前記ウマ精子細胞の性別に従っ
    て選別する工程が、1秒当たり少なくとも900個の生存精子の速度で、所望の
    性別の生存精子を収集する工程を包含する、方法。
  73. 【請求項73】 請求項71に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記高速フローサイトメトリーの使用によってウマ精子細胞の性別に従って選
    別する工程が、1平方インチ当たり少なくとも約50ポンドの圧力で、高速セル
    ソーターを作動する工程を包含する、方法。
  74. 【請求項74】 請求項71に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記高速フローサイトメトリーの使用によってウマ精子細胞の性別に従って選
    別する工程が、スキムミルク溶液中に所望の性別を有するウマ精子細胞を収集す
    る工程を包含する、方法。
  75. 【請求項75】 請求項70に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、以下の工程: 以下からなる群から選択される、該雄ウマから該ウマ精子細胞の少なくともいく
    つかを含有し、かつ典型的な人工授精投与量に対して少ない数の該ウマ精子細胞
    を有する、ウマ精液注入サンプルを確立する、工程:約5百万個のみの精子細胞
    を含むウマ精液注入サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ
    精液注入サンプル、 を包含する、方法。
  76. 【請求項76】 請求項72に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、以下の工程: 以下からなる群から選択される、該雄ウマから該ウマ精子細胞の少なくともいく
    つかを含有し、かつ典型的な人工授精投与量に対して少ない数の該ウマ精子細胞
    を有する、ウマ精液注入サンプルを確立する、工程:約5百万個のみの精子細胞
    を含むウマ精液注入サンプル、および約2千5百万個のみの精子細胞を含むウマ
    精液注入サンプル、 を包含する、方法。
  77. 【請求項77】 請求項75に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選択される
    量を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  78. 【請求項78】 請求項76に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを含有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、0.2mlおよび1mlからなる群から選択される
    量を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  79. 【請求項79】 請求項70に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を雌ウマ内へ非外科的に挿入する
    工程が、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを、該雌ウマの前記子宮角の
    少なくとも1つ内で該子宮角の先端付近に深く挿入する工程を包含する、方法。
  80. 【請求項80】 請求項71に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を雌ウマ内へ非外科的に挿入する
    工程が、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを、該雌ウマの前記子宮角の
    少なくとも1つ内で該子宮角の先端付近に深く挿入する工程を包含する、方法。
  81. 【請求項81】 請求項79に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工的に授精させる工程が、排卵に近い単独の機会に該雌ウマを
    人工授精させる工程を包含する、方法。
  82. 【請求項82】 請求項80に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工的に授精させる工程が、排卵に近い単独の機会に該雌ウマを
    人工授精させる工程を包含する、方法。
  83. 【請求項83】 請求項81に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操作する
    工程をさらに包含する、方法。
  84. 【請求項84】 請求項82に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操作する
    工程をさらに包含する、方法。
  85. 【請求項85】 請求項83に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、 前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に雌ウマの排卵を操作する工程が
    、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマへ投与する工程を包含する、方法。
  86. 【請求項86】 請求項84に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に雌ウマの排卵を操作する工程
    が、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマへ投与する工程を包含する、方法
  87. 【請求項87】 請求項85に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工授精させる工程が、以下からなる群から選択される時間で達
    成される工程: 前記性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約34時間後、該
    性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約40時間後、および
    該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約34時間〜約40
    時間後、 である、方法。
  88. 【請求項88】 請求項86に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記雌ウマを人工授精させる工程が、以下からなる群から選択される時間で達
    成される工程: 前記性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約34時間後、該
    性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約40時間後、および
    該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを雌ウマへ投与する工程の約34時間〜約40
    時間後、 である、方法
  89. 【請求項89】 請求項85に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記少なくとも一部のウマ精液注入サンプルを雌ウマの子宮角の少なくとも1
    つ内で子宮角の先端付近に深く挿入する工程が、以下の工程: a.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; b.該雌ウマの膣中に該可撓性プローブを配置する工程; c.該雌ウマの該子宮中へ該可撓性プローブを操作する工程; d.該雌ウマの子宮角へ該可撓性プローブを誘導する工程;および e.該可撓性プローブが該雌ウマの該子宮角内の深くへ、該子宮角の先端付近
    の該雌ウマの該子宮角内の深い位置へ誘導される際、経直腸的に該可撓性プロー
    ブを穏やかに操作する工程、 を包含する、方法。
  90. 【請求項90】 請求項86に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記少なくとも一部のウマ精液注入サンプルを雌ウマの子宮角の少なくとも1
    つ内で子宮角の先端付近に深く挿入する工程が、以下の工程: a.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; b.該雌ウマの膣中に該可撓性プローブを配置する工程; c.該雌ウマの該子宮中へ該可撓性プローブを操作する工程; d.該雌ウマの子宮角へ該可撓性プローブを導く工程;および e.該可撓性プローブが該雌ウマの該子宮角内の深くへ、該子宮角の先端付近
    の該雌ウマの該子宮角内の深い位置へ誘導される際、経直腸的に該可撓性プロー
    ブを穏やかに操作する工程、 を包含する、方法。
  91. 【請求項91】 請求項70、72、74、77、78、79、または89
    のいずれかに記載の方法の使用によって生産される予め決定された性別を有する
    ウマ。
  92. 【請求項92】 ウマを生産するための方法であって、該方法は、以下の工
    程: a.雌ウマの発情期の推定時期を決定する工程であって、該雌ウマは2つの子
    宮角を有し、各子宮角は、先端および小胞を有する、工程; b.雄ウマからウマ精子細胞を収集する工程; c.ウマ精液注入サンプルを確立する工程であって、該ウマ精液注入サンプル
    が、該雄ウマ由来の該ウマ精子細胞の少なくともいくつかを有し、かつ典型的な
    人工授精投与量と比較して少ない数の該ウマ精子細胞を有する、工程; d.該ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を該雌ウマ内へ非外科的に挿入
    する工程; e.該雌ウマを人工的に授精させる工程; f.該雌ウマ内で、少なくとも1つのウマ卵を、該典型的な人工授精投与量に
    統計的に匹敵する成功レべルで、受胎させる工程;および g.子孫ウマを生産する工程、 を包含する、方法。
  93. 【請求項93】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、該工程
    が、どの子宮角が排卵前の小胞と同側にあるかを確認する工程をさらに包含し、
    そしてここで、前記ウマ精液注入サンプルの少なくとも一部を該雌ウマの子宮角
    の少なくとも1つ内深くへ挿入する工程が、該ウマ精液注入サンプルの少なくと
    も一部分を該排卵前の小胞と同側である該子宮角の先端付近へ挿入する工程を包
    含する、方法。
  94. 【請求項94】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、雌ウマを人工的に授精させる工程が、排卵に近い単独の機会に該雌ウマを人工
    授精させる工程を包含する、方法。
  95. 【請求項95】 請求項94に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記排卵に近い単独の機会に前記雌ウマを人工授精させる工程が、該ウマの子
    宮角内の同側および反対側の両方で該雌ウマを人工授精させる工程を包含する、
    方法。
  96. 【請求項96】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、 前記少なくとも一部のウマ精液注入サンプルを雌ウマの子宮角の少なくとも1つ
    内で子宮角の先端付近に深く挿入する工程、前記雌ウマを人工的に授精させる工
    程、ならびに前記雌ウマ内で少なくとも1つのウマ卵を受胎させる工程が、ぞれ
    ぞれ、野外環境で達成される、方法。
  97. 【請求項97】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    ,前記雌ウマ内で少なくとも1つのウマ卵を典型的な人工授精投与量に統計的に
    匹敵する成功レべルで受胎させる工程が、少なくとも90%、少なくとも81%
    、少なくとも75%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも57%
    、少なくとも40%、少なくとも35%、および少なくとも30%からなる群か
    ら選択される成功レベルで該雌ウマ内で少なくとも1つのウマ卵を受胎させる工
    程を包含する、方法。
  98. 【請求項98】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記典型的な人工授精投与量と比較して少ない数の該ウマ精子細胞を有するウ
    マ精液注入サンプルを確立する工程が、以下:約4千万個のみの精子細胞を含む
    ウマ精液注入サンプル、約5千万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプル
    、および約1億個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからなる群から選
    択されるウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  99. 【請求項99】 請求項94に記載のウマを生産する方法であって、ここで
    、前記典型的な人工授精投与量と比較して少ない数の該ウマ精子細胞を有するウ
    マ精液注入サンプルを確立する工程が、以下:約4千万個のみの精子細胞を含む
    ウマ精液注入サンプル、約5千万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプル
    、および約1億個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからなる群から選
    択されるウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  100. 【請求項100】 請求項97に記載のウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記典型的な人工授精投与量と比較して少ない数の該ウマ精子細胞を有する
    ウマ精液注入サンプルを確立する工程が、以下:約4千万個のみの精子細胞を含
    むウマ精液注入サンプル、約5千万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプ
    ル、および約1億個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからなる群から
    選択されるウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  101. 【請求項101】 請求項92に記載のウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性別を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞の性別の決定に従って、該ウマ精子細胞を選別する工程、
    を包含し、 そしてここで、前記子孫ウマを生産する工程が、所望の性別の子孫ウマを生産す
    る工程を包含する、 方法。
  102. 【請求項102】 請求項94に記載のウマを実用的に生産する方法であっ
    て、ここで、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを有するウマ
    精液注入サンプルを確立する工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性別を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞の性別の決定に従って、該ウマ精子細胞を選別する工程、
    を包含し、 そしてここで、前記子孫ウマを生産する工程が、所望の性別の子孫ウマを生産す
    る工程を包含する、 方法。
  103. 【請求項103】 請求項97に記載のウマを生産する方法であって、ここ
    で、前記雄ウマ由来のウマ精子細胞の少なくともいくつかを有するウマ精液注入
    サンプルを確立する工程が、以下の工程: a.複数の該ウマ精子細胞の性別を決定する工程;および b.該ウマ精子細胞の性別の決定に従って、該ウマ精子細胞を選別する工程、
    を包含し、 そしてここで、前記子孫ウマを生産する工程が、所望の性別の子孫ウマを生産す
    る工程を包含する、 方法。
  104. 【請求項104】 請求項102に記載のウマを生産する方法であって、こ
    こで、前記複数のウマ精子細胞の性別を決定する工程、および前記複数のウマ精
    子細胞の性別の決定に従ってウマ精子細胞を選別する工程が、以下の工程: a.該ウマ精子細胞を染色する工程; b.高速フローサイトメトリーの使用によって該ウマ精子細胞の性別に従って
    選別する工程; c.該選別されたウマ精子細胞を濃縮する工程、 を包含する、 方法。
  105. 【請求項105】 請求項104に記載のウマを生産する方法であって、こ
    こで、前記高速フローサイトメトリーの使用によってウマ精子細胞の性別に従っ
    て選別する工程が、1秒当たり少なくとも900個の生存精子の速度で、所望の
    性別の生存精子を収集する工程を包含する、方法。
  106. 【請求項106】 請求項104に記載のウマを生産する方法であって、こ
    こで、前記高速フローサイトメトリーの使用によってウマ精子細胞の性別に従っ
    て選別する工程が、1平方インチ当たり少なくとも約50ポンドの圧力で、高速
    セルソーターを作動させる工程を包含する、方法。
  107. 【請求項107】 請求項104に記載のウマを生産する方法であって、こ
    こで、前記高速フローサイトメトリーの使用によってウマ精子細胞の性別に従っ
    て選別する工程が、スキムミルク溶液中に所望の性別を有するウマ精子細胞を収
    集する工程を包含する、方法。
  108. 【請求項108】 請求項101に記載の方法の使用によって生産される予
    め決定された性別を有するウマ。
  109. 【請求項109】 ウマを生産するための方法であって、以下の工程: a.雌ウマの発情期の推定時期を決定する工程であって、該雌ウマは2つの子
    宮角を有し、各子宮角は先端および小胞を有する、工程; b.雄ウマからウマ精子細胞を収集する工程; c.約5百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプル、および約2千5
    百万個のみの精子細胞を含むウマ精液注入サンプルからなる群より選択される、
    該雄ウマからの少なくともいくらかの該ウマ精子細胞を含み、かつ典型的な人工
    授精投与量に対する該ウマ精子細胞の数が低いウマ精液注入サンプルを確立する
    工程; d.該雌ウマ中に少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを非外科的に挿入
    する工程; e.該雌ウマを人工授精させる工程; f.該雌ウマ内の少なくとも1つのウマの卵を受胎させる工程;ならびに、 g.子孫のウマを生産する工程、 を包含する、方法。
  110. 【請求項110】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、該方法は、どの子宮角が排卵前の小胞に対して同側であるかを確認する工程を
    さらに包含し、ここで、前記雌ウマ中に少なくとも一部の前記ウマ精液注入サン
    プルを非外科的に挿入する工程が、排卵前の小胞に対して同側である該子宮角の
    先端の付近で少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを挿入する工程を包含す
    る、方法。
  111. 【請求項111】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、ここで、前記雌ウマを人工授精させる前記工程が、排卵に近い単一の機会に該
    雌ウマを人工授精させる工程を包含する、方法。
  112. 【請求項112】 請求項111に記載されるウマを生産する方法であって
    、ここで、前記排卵に近い単一の機会に前記雌ウマを人工授精させる工程が、該
    ウマの子宮角内で同側および対側の両方で該雌ウマを人工授精させる工程を包含
    する、方法。
  113. 【請求項113】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、ここで、前記雌ウマ中に少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを非外科的
    に挿入する工程、該雌ウマを人工授精させる工程、および該雌ウマ内の少なくと
    も1つのウマの卵を受胎させる工程が、それぞれ野外環境で達成される、方法。
  114. 【請求項114】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、ここで、前記雄ウマからの少なくともいくらかの前記ウマ精子細胞を含むウマ
    精液注入サンプルを確立する工程が、以下: a.複数の該ウマ精子細胞の性徴を決定する工程;および b.それらの性徴の決定に従って該ウマ精子細胞を選別する工程、 を包含し、そして、子孫ウマを生産する前記工程が、所望の性の子孫ウマを生産
    する工程を包含する、方法。
  115. 【請求項115】 請求項111に記載されるウマを実践的に生産する方法
    であって、ここで、前記雄ウマからの少なくともいくらかの前記ウマ精子細胞を
    含むウマ精液注入サンプルを確立する工程が、以下: a.複数の該ウマ精子細胞の性徴を決定する工程;および b.それらの性徴の決定に従って該ウマ精子細胞を選別する工程、 を包含し、そして、子孫ウマを生産する前記工程が、所望の性の子孫ウマを生産
    する工程を包含する、方法。
  116. 【請求項116】 請求項115に記載されるウマを生産する方法であって
    、ここで、前記複数の前記ウマ精子細胞の性徴を決定する工程およびそれらの性
    徴の決定に従って該ウマ精子細胞を選別する工程が、以下: a.該ウマ精子細胞を染色する工程; b.高速フローサイトメトリーの使用により該ウマ精子細胞の該性に従って選
    別する工程;および c.該選別されたウマ精子細胞を濃縮する工程、 を包含する、方法。
  117. 【請求項117】 請求項116に記載されるウマを生産する方法であって
    、高速フローサイトメトリーの使用により前記ウマ精子細胞の前記性に従って選
    別する前記工程が、一秒あたり少なくとも900個の生存精子の速度で所望の性
    の生存精子を収集する工程を包含する、方法。
  118. 【請求項118】 請求項116に記載されるウマeを生産する方法であっ
    て、高速フローサイトメトリーの使用により前記ウマ精子細胞の前記性に従って
    選別する前記工程が、平方インチあたり少なくとも約50ポンドの圧力で高速セ
    ルソーターを作動させる工程を包含する、方法。
  119. 【請求項119】 請求項116に記載されるウマを生産する方法であって
    、高速フローサイトメトリーの使用により前記ウマ精子細胞の前記性に従って選
    別する工程が、スキムミルク溶液中で所望の性徴を有するウマ精子細胞を収集す
    る工程を包含する、方法。
  120. 【請求項120】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、そしてウマ下垂体抽出物を前記雌ウマに投与し、該雌ウマ内で少なくとも1つ
    のウマの卵を受胎させる工程が生じる確率を増大させる工程をさらに包含する、
    方法。
  121. 【請求項121】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雄ウマからの少なくともいくらかの前記ウマ精子細胞を含むウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、群:0.2mlおよび1mlから選択される容
    量を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  122. 【請求項122】 請求項110に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雄ウマからの少なくともいくらかの前記ウマ精子細胞を含むウマ精液注入
    サンプルを確立する前記工程が、群:0.2mlおよび1mlから選択される容
    量を有するウマ精液注入サンプルを確立する工程を包含する、方法。
  123. 【請求項123】 請求項92に記載されるウマを生産する方法であって、
    前記雌ウマ中に少なくとも一部の前記ウマ精液注入サンプルを非外科的に挿入す
    る前記工程が、前記子宮角の先端付近で、該雌ウマの少なくとも1つの該子宮角
    内で、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程を包含する
    、方法。
  124. 【請求項124】 請求項109に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雌ウマ中に少なくとも一部の前記ウマ精液注入サンプルを非外科的に挿入
    する前記工程が、前記子宮角の先端付近で、該雌ウマの少なくとも1つの該子宮
    角内で、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程を包含す
    る、方法。
  125. 【請求項125】 請求項111に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雌ウマ中に少なくとも一部の前記ウマ精液注入サンプルを非外科的に挿入
    する工程が、前記子宮角の先端付近で、該雌ウマの少なくとも1つの該子宮角内
    で、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程を包含する、
    方法。
  126. 【請求項126】 請求項110に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雌ウマ中に少なくとも一部の前記ウマ精液注入サンプルを非外科的に挿入
    する工程が、前記子宮角の先端付近で、該雌ウマの少なくとも1つの該子宮角内
    で、少なくとも一部の該ウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程を包含する、
    方法。
  127. 【請求項127】 請求項125に記載されるウマを生産する方法であって
    、そして前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操
    作する工程をさらに包含する、方法。
  128. 【請求項128】 請求項126に記載されるウマを生産する方法であって
    、そして前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操
    作する工程をさらに包含する、方法。
  129. 【請求項129】 請求項127に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操作する
    工程が、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程を包含する、
    方法。
  130. 【請求項130】 請求項128に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記雌ウマを人工授精させる工程を達成する前に、該雌ウマの排卵を操作する
    工程が、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程を包含する、
    方法。
  131. 【請求項131】 請求項129に記載されるウマを生産する方法であって
    、以下:前記性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の約34
    時間後、該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の約40時
    間後、および該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の後約
    34時間〜約40時間の間、からなる群より選択される時間に、前記雌ウマを人
    工授精させる工程が達成される、方法。
  132. 【請求項132】 請求項130に記載されるウマを生産する方法であって
    、以下:前記性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の約34
    時間後、該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の約40時
    間後、および該性腺刺激ホルモン放出ホルモンを該雌ウマに投与する工程の後約
    34時間〜約40時間の間、からなる群より選択される時間に、前記雌ウマを人
    工授精させる工程が達成される、方法。
  133. 【請求項133】 請求項129に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記子宮角の先端付近で前記雌ウマの少なくとも1つの該子宮角内に少なくと
    も一部のウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程が、以下: a.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; b.該雌ウマの腟中に該可撓性プローブを配置する工程; c.該可撓性プローブを該雌ウマの該子宮中へ操作する工程; d.該可撓性プローブを該雌ウマの子宮角中へゆっくりと誘導する工程;およ
    び e.該子宮角の先端付近で該雌ウマの該子宮角内に深い位置まで該可撓性プロ
    ーブを誘導するように、経直腸的に該可撓性プローブを穏やかに操作する工程、
    を包含する、方法。
  134. 【請求項134】 請求項130に記載されるウマを生産する方法であって
    、前記子宮角の先端付近で前記雌ウマの少なくとも1つの該子宮角内に少なくと
    も一部のウマ精液注入サンプルを深く挿入する工程が、以下: a.精子容器を有する可撓性プローブを確立する工程; b.該雌ウマの腟中に該可撓性プローブを配置する工程; c.該可撓性プローブを該雌ウマの該子宮中へ操作する工程; d.該可撓性プローブを該雌ウマの子宮角中へゆっくりと誘導する工程;およ
    び e.該子宮角の先端付近で該雌ウマの該子宮角内に深い位置まで該可撓性プロ
    ーブを誘導するように、経直腸的に該可撓性プローブを穏やかに操作する工程、
    を包含する、方法。
  135. 【請求項135】 請求項114、117、119、120、121、12
    2、123、127または133のいずれかに記載される方法の使用を通じて生
    産される予め決められた性を有するウマ。
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