JP2002518358A - 任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物の製造方法 - Google Patents

任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物の製造方法

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JP2002518358A
JP2002518358A JP2000554680A JP2000554680A JP2002518358A JP 2002518358 A JP2002518358 A JP 2002518358A JP 2000554680 A JP2000554680 A JP 2000554680A JP 2000554680 A JP2000554680 A JP 2000554680A JP 2002518358 A JP2002518358 A JP 2002518358A
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ジユブ,イザベル
フルネ,フレデリク
フラニヨン,ジヤン
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ロデイア・シミ
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/367Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物及び誘導体の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、p−ヒドロキシマンデル酸及び3−メトキシ−p−ヒドロキシマンデル酸及びその誘導体の製造方法に関する。本発明は、少なくとも一つのヒドロキシル基を持ち且つパラ位置には置換基が存在しない芳香族化合物とグリオキシル酸との縮合をアルカリ性薬剤の存在下水中で行う、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物及び誘導体を製造する方法であって、少なくとも2つのカルボキシル官能基を持つ有効量の化合物の存在下で反応が行われることを特徴とする製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の目的は、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物及び誘導
体の製造方法である。
【0002】 以下の本発明の開示において、「任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸
化合物」という用語は、少なくともヒドロキシル基のパラ位置に一つの−CHO
H−COOH基を有する芳香族化合物を指す。
【0003】 本発明は、特に、p−ヒドロキシマンデル酸及び3−メトキシ−p−ヒドロキ
シマンデル酸の製造に関する。
【0004】 p−ヒドロキシマンデル酸の従来の合成経路の一つは、アルカリ性媒体中でフ
ェノール及び/またはその対応する誘導体にグリオキシル酸の縮合を行うことで
ある。
【0005】 この縮合反応が選択的でなく、また、o−ヒドロキシマンデル酸及びジマンデ
ル酸を生成するという事実により、収率は制限される。
【0006】 更に、この反応収率は寄生的な2次反応により低下する。事実、アルカリ性水
性媒体中でグリオキシル酸は、カニッツアロ反応によりシュウ酸及びグリコール
酸に変換される。
【0007】 カニッツアロ反応が優勢になり、グリオキシル酸を破壊することがないように
するために、希釈水性媒体中で、また低温あるいは周囲温度で縮合反応を行う提
案がFR−A 2 132 364でなされている。
【0008】 満足な反応収率を得ることが困難であることに鑑みると、プロセスの種々なパ
ラメーター、及び特に使用するグリオキシル酸の品質を管理することが重要であ
る。
【0009】 グリオキシル酸の製造に対して工業的な観点から最も価値のあるプロセスは、
グリオキサールを硝酸により酸化することである。この方法においては、未反応
のグリオキサールに加えて、シュウ酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸等の有機酸、
及び硝酸も含むグリオキシル酸水溶液が得られる。
【0010】 現在迄、グリオキシル酸の分離と精製のための新しい方法が常に追求されてき
た。
【0011】 それ故、硝酸を最初に、かつ一番先に除去し、続いて、塩基性イオン交換樹脂
を用いてシュウ酸を、続いて溶液の過濃縮と結晶化によるグリオキサールと他の
不純物を除去するプロセスがDE−A 1 198 339で提案された。
【0012】 DE−A 2 501 743において、脂肪族もしくは脂環式アルコール、
または低炭素縮合のアルコールの脂肪族エステルを用いる抽出により、これらの
不純物からグリオキシル酸を分離するプロセスが開示された。
【0013】 また、FR−A 2 552 426には、有機窒素性化合物、好ましくは3
級アミンにより出発溶液を高くとも50℃に等しい温度で処理し、次に、より高
温において水により有機相を抽出することによりグリオキシル酸を抽出する、他
の酸を含まないグリオキシル酸の水溶液を得るプロセスも記載されている。
【0014】 不純物を含まないグリオキシル酸溶液を提供する従来技術に絶えざる関心が認
められる。
【0015】 この教示に逆行して、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物の製
造の範囲で、特定の量で使用されるジカルボン酸の存在下で上記反応を行とする
と、グリオキシル酸と対応するフェノールの縮合は向上した収率で行われること
が見出された。
【0016】 本発明の精確な目的は、少なくとも一つのヒドロキシル基を有し且つパラ位置
には置換基を有さない芳香族化合物とグリオキシル酸との縮合をアルカリ性薬剤
の存在下水中で行う、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物及び誘
導体を製造する方法であって、少なくとも2つのカルボキシル官能基を持つ有効
量の化合物の存在下で反応が行われることを特徴とする製造方法である。
【0017】 本発明の方法によれば、本発明の触媒を使用することにより、反応収率が増加
する。
【0018】 本発明の方法のもう一つの利点は、この方法には、特にシュウ酸を含有するよ
り工業的なグリオキシル酸を使用し得ることである。
【0019】 特に、本発明の方法は、フェノールと共にのみならず、少なくとも一つの非置
換パラ位置を有する置換フェノールと共にも使用される。
【0020】 この芳香核は、少なくとも一つのヒドロキシル基を持つだけでなく、一つある
いはそれ以上の他の置換基を持つことができる。一般に、「いくつかの置換基」
とは、芳香核当たり4個未満の置換基を意味する。
【0021】 本発明の反応において干渉がない限り、いかなる置換基も存在させることがで
きる。
【0022】 それ故、本発明の方法は次式(I)
【0023】
【化4】 [式中、 −パラ位置には置換基が存在せず、 −Xは1〜4の整数であり、 −Rは、 −水素原子、 −アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、
フェノキシ、アルコキシアルキル、フルオロアルキル、ヒドロキシアルコキシア
ルキレン基から選択される1から20個の炭素原子を有する炭化水素基、 −ヒドロキシル基、 −CHO基、 −2から6個の炭素原子を有するアシル基、 −ハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素原子 を表すか、 −2つの隣接炭素原子上の2個のR基はそれらが結合する炭素原子と一緒にな
ってベンゼン環を形成し得る] で示されるヒドロキシル化芳香族化合物と一緒の使用に適する。
【0024】 芳香核上に存在することが可能なR基の例を以降に示す: −メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、オクタデシル、
エイコシル等のアルキル基、 −メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ヘキサデシ
ルオキシ、オクタデシルオキシ等のアルコキシ基、またはフェノキシ基、 −ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシヘ
キシル、ヒドロキシデシル等のヒドロキシアルキル基、 −シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のシクロアルキル基 −フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル
、1,1,1−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、フルオロプロピル
、フルオロブチル、トリフルオロアミル等のフルオロアルキル基、 −ヒドロキシメチルオキシエチレン、ヒドロキシエチルジ−(オキシエチレン
)、ヒドロキシエチルトリ−(オキシエチレン)、1,2−ヒドロキシエチルオ
キシプロピレン、ヒドロキシエチルオキシブチレン、ヒドロキシプロピルオキシ
プロピレン、ヒドロキシブチルオキシブチレン、ヒドロキシブチルジ−(オキシ
ブチレン)等のヒドロキシアルコキシアルキレン基、 −フッ素、塩素、臭素またはヨウ素等のハロゲン原子。
【0025】 特に好ましくは、本発明の方法においては、式(I) [式中、 −Xは0、1、2または3に等しく、 −Rは、 ・水素原子、 ・1から10個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖もし
くは分枝鎖のアルキル基、 ・1から10個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖もし
くは分枝鎖のアルコキシ基、 ・−OH基、 ・−CHO基、 ・ハロゲン原子、 ・−CF を表す] で示されるヒドロキシル化芳香族化合物が使用される。
【0026】 更に好ましくは、同一あるいは異なっているR基は、水素原子、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルもしくはイソブチル基等の1から
4個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、メトキシもしくはエト
キシ基等の1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ基、
−CHO基、または塩素原子であり、xは好ましくは0または1に等しい、式(
I)の化合物が選択される。
【0027】 式(I)で示される化合物の例示として、次が挙げられる: −xが0に等しい式(I)で示される化合物、例えばフェノール −xが1に等しい式(I)で示される化合物、例えば ・ピロカテキン ・レゾルシン ・o−クレゾール ・m−クレゾール ・2−エチルフェノール ・3−エチルフェノール ・2−プロピルフェノール ・2−s−ブチルフェノール ・2−t−ブチルフェノール ・3−t−ブチルフェノール ・2−メトキシフェノール(グアヤコール) ・3−メトキシフェノール ・2−エトキシフェノール(グエトール) ・2−イソプロポキシフェノール ・サリシルアルデヒド ・メチルサリシレート ・2−クロロフェノール ・3−クロロフェノール ・3−ニトロフェノール −xが2に等しい式(I)で示される化合物、例えば ・2,3−ジメチルフェノール ・2,5−ジメチルフェノール ・3,5−ジメチルフェノール ・2−ヒドロキシ5−アセトアミドベンズアルデヒド ・2−ヒドロキシ5−エタアミドベンズアルデヒド ・2,3−ジクロロフェノール ・2,5−ジクロロフェノール ・3,5−ジクロロフェノール ・ピロガロール −xが3に等しい式(I)で示される化合物、例えば ・2,3,5−トリメチルフェノール ・3,5−ジ−t−ブチルフェノール ・2,3,5−トリクロロフェノール −ナフタレン基を有する式(I)で示される化合物、例えば ・1−ナフトール ・2−ナフトール ・1,2−ジヒドロキシナフタレン ・1,5−ジヒドロキシナフタレン ・2,3−ジヒドロキシナフタレン ・2,6−ジヒドロキシナフタレン ・2,7−ジヒドロキシナフタレン ・6−ブロモ2−ナフトール −ベンゼン核の連鎖を有する式(I)で示される化合物、例えば ・2−フェノキシフェノール ・3−フェノキシフェノール。
【0028】 上述の化合物のリストのうち、少なくとも一つのヒドロキシル基を有する好ま
しい芳香族化合物は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、3−エチ
ルフェノール、2−t−ブチルフェノール、グアヤコール、グエトールである。
【0029】 使用される触媒のタイプに関して、次式(II) HOOC−R−COOH (II) [式中、Rは原子価結合または1から40個の炭素原子を含む任意に置換され
てよい炭化水素基を表す] で示される少なくとも二官能性酸を使用することができる。
【0030】 更に詳細には、式(II)において、Rは、直鎖もしくは分枝鎖、飽和もし
くは不飽和の非環式脂肪族基;単環式もしくは多環式の、飽和、不飽和もしくは
芳香族の炭素環式基;単環式もしくは多環式の、飽和、不飽和もしくは芳香族の
ヘテロ環式基であり得る、置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。
【0031】 Rが原子価結合または好ましくは1から15個の炭素原子を有する2価の基
を表す、少なくとも2つのカルボキシル基を持つ一般式(II)の化合物は、本
発明の方法の実施に殊に好適である。
【0032】 Rが直鎖もしくは分枝鎖、飽和もしくは不飽和の脂肪族残基を表す、少なく
とも2つのカルボキシル基を持つ一般式(II)の化合物は、本発明の使用に特
に適している。
【0033】 更に詳細には、Rは、飽和しているか、または、単一もしくは共役の二重結
合または三重結合であり得る一つもしくはそれ以上の不飽和結合、通常1から3
個の不飽和結合を鎖上に含む、好ましくは1から12個の炭素原子を有する直鎖
または分枝鎖の非環式脂肪族残基を表す。
【0034】 この炭化水素鎖は、場合によっては、 (1)Yと呼ばれる次の基
【0035】
【化5】 [式中、Rは水素または1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖の
アルキル基、好ましくはメチルもしくはエチル基、または−(CH−CO
OHタイプの基(式中、pは1〜5の数である)である] の一つにより中断され得、 (2)及び/または次の置換基 −OH;−COOH;−CHO;−NO;−CN;−NH;−SH;−X;
−CF;−NH−[(CH−COOH]または−N−[(CH
COOH] [式中、Xはハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素原子を表し、p
は上記に示した意味を有する] の一つを持つことが可能である。
【0036】 Rが単環もしくは多環の炭化水素残基を表す、少なくとも2つのカルボキシ
ル基を持つ一般式(II)の化合物も、本発明の方法の実施に好適である。
【0037】 Rは好ましくは芳香族炭化水素残基、特に一般式(III)
【0038】
【化6】 [式中、 −nは0から4、好ましくは0から3の整数であり、 −Rは次の基または官能基 ・水素原子、 ・1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、 ・1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ基、 ・メチレンもしくはエチレンジオキシ基、 ・−CHO基、 ・フェニルもしくはベンジル基、 ・ハロゲン原子 の一つを表す] で示されるベンゼン残基を表す。
【0039】 更により好ましくは、R基が式(III)[式中、R基は同一あるいは異
っていて、水素原子、メチル基、メトキシ基、−CHO基である]で示される式
(II)の化合物が選択される。
【0040】 少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物は、一般式(II)[式中、R は多環式芳香族炭化水素の2価の残基を表す]で表すことができ、この環は自
分自身の間でオルト縮合系、オルト及びペリ縮合系を形成することができる。特
に、ナフタレン残基が挙げられ、当該環は、1から4個、好ましくは1から3個
のR基により置換されることが可能であり、R基は、式(III)の芳香族
炭化水素残基の置換基に対して上述された意味を有する。
【0041】 少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物の一般式(II)においては、
は、また、通常3から7個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を環中に
有し、飽和であるか、または1もしくは2個の不飽和を環中に含んでなる炭素環
式残基を表し、当該環は、1から5個、好ましくは1から3個のR基により置
換されることが可能であり、R基は、式(III)の芳香族炭化水素残基の置
換基に対して上述された意味を有する。
【0042】 R基の好ましい例として、場合によって1から4個の炭素原子を有する直鎖
もしくは分枝鎖のアルキル基により置換されたシクロヘキサン−ジイル基が挙げ
られる。
【0043】 少なくとも2つのカルボキシル官能基を持つ化合物は、また、式(II)[式
中、Rは上記に定義した、脂肪族残基、芳香族残基または脂環式残基の2から
4個の残基の鎖形成により構成される2価の基を表す]で表され得る。これらは
、原子価結合により、あるいは特にYと呼ぶ基から選択される基であり得る官能
基により結合され得る。
【0044】 R基のいくつかの例を下記に示す: −CH−C−、 −CH−CH−C−、 −CH−O−C−、 −CH−O−C−、 −CH−O−C−CH−、 −C−C−、 −C−CH−C−、 −C−O−C−、 −CH−C−CH−C−CH−。
【0045】 特に、本発明に好適である触媒として、少なくとも2つのカルボキシル官能基
を持つ次の化合物が挙げられる: −脂肪族ジカルボン酸、例えば ・シュウ酸 ・マロン酸 ・コハク酸 ・グルタル酸 ・アジピン酸 ・2,4−ジメチルアジピン酸 ・ピメリン酸 ・スベリン酸 ・アゼライン酸 ・セバシン酸 ・ドデカン二酸 ・フマル酸 ・マレイン酸 −シクロアルカンジカルボン酸、例えば、シクロヘキサン1,4−ジカルボン酸
−芳香族ジカルボン酸、例えば ・フタル酸 ・イソフタル酸 ・テレフタル酸 ・フェニレンジ酢酸 ・ナフタレン1,5−ジカルボン酸 ・ナフタレン1,6−ジカルボン酸 ・4,4’−ジフェニルカルボン酸 ・3,3’−ジフェニルカルボン酸 ・ビス(4−ヒドロキシカルボニル)フェニルオキシド ・ビス(3−ヒドロキシカルボニル)フェニルオキシド ・4,4’−ジヒドロキシカルボニルジフェニルスルホン ・3,3’−ジヒドロキシカルボニルジフェニルスルホン −ピリミジンもしくはイミダゾールジカルボン酸。
【0046】 ジカルボン酸の上述のリストにおいて、好ましく使用される化合物は、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸である。
【0047】 アミノポリカルボン酸も本発明の方法の実施に好適である。本発明の方法での
使用に好適なアミノポリカルボン酸の例として、特に、次が挙げられる。 ・エチレンジアミンテトラ酢酸(E.D.T.A)、 ・ジエチレントリアミンペンタ酢酸(D.T.P.A)、 ・ニトリロトリ酢酸(N.T.A.) ・N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミノトリ酢酸(H.E.D.T.
A)。
【0048】 上述のアミノポリカルボン酸のうち、好ましくは、エチレンジアミンテトラ酢
酸が選択される。
【0049】 本発明の方法によれば、反応は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムで
あり得るアルカリ金属水酸化物の存在下で行われ得る。
【0050】 経済性を考慮すると、好ましくは、水酸化ナトリウムが選択される。
【0051】 使用される試剤の濃度及び量に関しては、好ましい条件は以下に定義される。
【0052】 本発明の方法によれば、グリオキシル酸溶液が使用される。上記溶液の濃度は
臨界的でなく、例えば、15から70重量%の間で大きく変えることができる。
好ましくは、濃度がほぼ50%である、市販の溶液が使用される。
【0053】 本発明の方法によれば、グリオキシル酸は、過剰な式(I)のヒドロキシル化
芳香族化合物と反応させる。式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物とグリオキ
シル酸の間のモル比は、1.5〜4.0の間で変わり、好ましくは2.0〜3.
0の間で選択される。
【0054】 使用されるアルカリ金属水酸化物溶液は、通常10〜50重量%の間の濃度を
有する。出発溶液の濃度は重要でない。しかし、式(I)のヒドロキシル化芳香
族化合物の濃度は反応媒体中で低いことが有利であるので、反応媒体の希釈を行
うために、アルカリ金属の希薄溶液が使用される。
【0055】 反応媒体中に導入されるアルカリ金属水酸化物の量は、式(I)のヒドロキシ
ル化芳香族化合物のヒドロキシル基を塩化するのに必要な量とグリオキシル酸の
カルボキシル官能基を塩化するのに必要な量を考慮に入れている。
【0056】 それ故、式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物がヒドロキシル基以外の塩化
可能官能基を有する場合には、ヒドロキシル基及び/またはCOOHカルボキシ
ル官能基であり得るすべての塩化可能官能基を塩化するのに必要なアルカリ金属
水酸化物の量が導入される。
【0057】 一般に、アルカリ金属水酸化物の量は大きく変わり得、化学量論量に等しいか
、ほぼ等しいか、または過剰であり得る。一般に、アルカリ金属水酸化物の量は
、化学量論量の80から120%の間で変化する。
【0058】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物の濃度は、好ましくは0.5〜1.5
モル/リットル、特に約1モル/リットルである。
【0059】 使用する触媒の量に関しては、触媒と式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物
のモル比が0.005〜0.025の間、好ましくは0.01〜0.02の間と
なるように決められる。
【0060】 使用する触媒の量は、触媒のモル数とグリオキシル酸のモル数の間の比として
表して、0.5〜2.5%の間、好ましくは1〜2%の間で選択されるのが有利
である。
【0061】 好ましい触媒はシュウ酸である。
【0062】 グリオキシル酸の市販溶液は、極めて少量のシュウ酸を含有する。それ故、反
応体のシュウ酸は、一部は出発溶液により供給される。この場合においては、上
述の比となるように、シュウ酸または何らかの他のジカルボン酸の添加によりシ
ュウ酸の量を補完することが必要である。
【0063】 本発明の好ましい実施形態によれば、グリオキシル酸の重量に対して、0.6
〜3重量%の間、好ましくは1.2〜2.6重量%の間のシュウ酸を含むグリオ
キシル酸溶液を使用することが有利である。
【0064】 20℃〜60℃の間で、好ましくは30℃〜40℃の間で反応温度を選ぶのが
有利である。
【0065】 本発明の方法は、大気圧で、制御した不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素もし
くは希ガス、特に窒素下で行われる。
【0066】 本発明の好ましい実際の実施の形態を以下に示す。
【0067】 グリオキシル酸の溶液と触媒、ならびに、COOH官能基を塩化するのに必要
な量のアルカリ金属水酸化物の溶液が、式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物
、水及び式(I)の化合物のヒドロキシル基と他の塩化可能官能基(存在する場
合)を塩化するのに必要な量のアルカリ金属水酸化物を含む反応媒体中に導入さ
れる。
【0068】 反応媒体は、上述の範囲内で選ばれた温度で1から10時間の間撹拌下に置か
れる。
【0069】 本発明のもう一つの変形は、触媒を、グリオキシル酸の水溶液に添加せずに、
式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物と同時に添加することである。
【0070】 反応の終わりで、得られた任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸は、慣
用の分離法、特に結晶化を用いて、塩化形態で分離される。
【0071】 ギ酸及びグリコール酸等の単官能性の酸を含むグリオキシル酸の溶液が使用さ
れる場合、特に酢酸が0.1〜3%の間の濃度で存在する場合には、本発明の方
法は、特に適している。
【0072】 本発明の方法により、次の式(IV)
【0073】
【化7】 [式中、R及びxは式(I)に示された意味を有する] により表され得る、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物が製造さ
れる。
【0074】 これらの生成物は、特に、還元によりヒドロキシアリール酢酸を、また酸化に
よりヒドロキシアリールグリオキシル酸(=ヒドロキシアリールα−オキソ酢酸
)またはヒドロキシ芳香族アルデヒドを得ることを可能にする中間生成物である
ので、特に価値がある。
【0075】 本発明の好ましい使用は、本発明により得られる式(IV)の化合物の酸化に
よるヒドロキシ芳香族アルデヒドの製造である。
【0076】 式(IV)の化合物の酸化は、文献に記載されている手法により行われ得る。
このように、P.HEBERT[Bull.Soc.Chim.France,
27,45−55頁(1920)]及びNAGAI SHIGEKIら[JP−
A 76/128934]を参照することができる。酸化は、一般に加圧下で酸
素もしくは空気を用いて、例えば、クロム、コバルト、銅、バナジウムもしくは
オスミウムの誘導体等の適切な触媒の存在下で行われる。
【0077】 それ故、本発明によって、それぞれ、p−ヒドロキシマンデル酸及び3−メト
キシp−ヒドロキシマンデル酸、及び3−エトキシp−ヒドロキシマンデル酸も
しくは3−イソプロポキシp−ヒドロキシマンデル酸を酸化することにより、4
−ヒドロキシベンズアルデヒドとバニリン及びその類似体、例えば3−エチル、
3−イソプロピルバニリンを容易に入手することが可能になる。
【0078】 次の実施例は、本発明を例示するが、本発明を制限するものではない。
【0079】 実施例において、示されるパーセンテージは重量で表される。 実施例で使われる略語は次の意味を有する。 転化率(TT)=グアヤコールの転化モル数/グアヤコールの導入モル数 収率(RR)=マンデル酸の生成モル数/マンデル酸の導入モル数 選択率(RT)=マンデル酸の生成モル数/グアヤコールの転化モル数
【0080】 実施例1 −600gの蒸留水、 −91.6g(0.687モル)の30%ソーダ水溶液、 −93g(0.750モル)のグアヤコール を、ダブルジャケット、pH電極、温度プローブ、コンデンサー、不活性ガス供
給口、及び機械的撹拌装置を備えた1リットルのガラス反応容器に導入する。
【0081】 不活性雰囲気を確保し、反応混合物を35℃とし、50.7g(0.380モ
ル)の30重量%のソーダ水溶液と55.2gの50重量%のグリオキシル酸水
溶液を2時間にわたって同時に添加する。導入されるグリオキシル酸と共にシュ
ウ酸を、グリオキシル酸溶液の0.75重量%となるような量で添加する。
【0082】 導入される上記グリオキシル酸溶液は、0.3%のシュウ酸、0.9%の酢酸
等の低級カルボン酸、それぞれ0.1%以下の量のギ酸とグリコール酸を含有す
る。
【0083】 反応混合物は35℃で2時間維持される。 反応の終わりに、高性能液体クロマトグラフィーを用いて反応生成物を分析す
る。
【0084】 得られた結果は次の通りであった。 − 転化率 ・TT=47.3%、 − 4−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=79.7% ・RT=84.2%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=4.8% ・RT=5.1%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシ1,5−ジマンデル酸 ・RR=8.0% ・RT=4.0%。
【0085】 比較例2 シュウ酸を導入しないことを除いて、実施例を再度行う。
【0086】 得られた結果は次の通りであった。 − 転化率 ・TT=46.1%、 − 4−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=76.9% ・RT=83.0%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=5.1% ・RT=5.5%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシ1,5−ジマンデル酸 ・RR=7.5% ・RT=4.1%。
【0087】 実施例3 この実施例においては、0.4重量%のシュウ酸を含む50重量%のグリオキ
シル酸溶液を使用することを除いて、実施例1を再度行う。
【0088】 得られた結果は次の通りである。 − 転化率 ・TT=48%、 − 4−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=79.3% ・RT=83.1%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸 ・RR=5.6% ・RT=5.8%、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシ1,5−ジマンデル酸 ・RR=8.0% ・RT=4.2%。
【0089】 実施例4〜8 以下の実施例においては、マロン酸、コハク酸及びE.D.T.A.等の異な
る型のジカルボン酸を使用することを除いて、実施例1を再度行う。
【0090】 使用されるグリオキシル酸は、0.09%の割合でシュウ酸を、1%の割合で
酢酸等の低級カルボン酸、それぞれ0.3%未満の量でギ酸とグリコール酸を含
有する。
【0091】 実施例のすべての条件と得られた結果を表Iに示す。
【0092】
【表1】
【0093】 実施例9〜11 以下の実施例においては、グリオキシル酸溶液に使用されるシュウ酸を増加す
る。
【0094】 実施例1の手順に従い、実施例4〜8に示す組成を有する50%のグリオキシ
ル酸溶液を使用する。
【0095】 得られた結果を次表に示す。
【0096】
【表2】
【0097】 上記表においては、「オルト」、「パラ」及び「ジ」の略号は、 − 4−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸=パラ、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシマンデル酸=オルト、 − 2−ヒドロキシ3−メトキシ1,5−ジマンデル酸=ジ を意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 59/52 C07C 59/52 59/64 59/64 59/84 59/84 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC45 AC46 BA50 BB31 BC10 BC31 BC34 BE30 4H039 CA65 CE10

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つのヒドロキシル基を有し且つパラ位置には置
    換基を有さない芳香族化合物とグリオキシル酸との縮合をアルカリ性薬剤の存在
    下水中で行うことからなる、任意に置換されたp−ヒドロキシマンデル酸化合物
    及び誘導体の製造方法であって、少なくとも2つのカルボキシル官能基を持つ有
    効量の化合物の存在下で反応が行われることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシル化化合物が、次式(I): 【化1】 [式中、 パラ位置には置換基が存在せず、 Xは1〜4の整数であり、 Rは、 水素原子、 アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリール、
    フェノキシ、アルコキシアルキル、フルオロアルキル、ヒドロキシアルコキシア
    ルキレン基から選択される1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、 ヒドロキシル基、 CHO基、 2〜6個の炭素原子を有するアシル基、 ハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素もしくは臭素原子 を表すか、または 2つの隣接炭素原子上の2個のR基はそれらが結合する炭素原子と一緒にな
    ってベンゼン環を形成し得る] で示されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシル化芳香族化合物が、式(I) [式中、 Xは0、1、2または3に等しく、 Rは次の基または官能基の一つを表す: ・水素原子、 ・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは
    分枝鎖のアルキル基、 ・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは
    分枝鎖のアルコキシ基、 ・−OH基、 ・−CHO基、 ・ハロゲン原子、 ・−CF基] で示されることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシル化芳香族化合物が、式(I)[式中、同一また
    は異なっているR基は、水素原子、1〜4個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分枝
    鎖のアルキル基、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ
    基、−CHO基、塩素原子であり、xは好ましくは0または1に等しい]で示さ
    れることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物が、フェノール、o
    −クレゾール、m−クレゾール、3−エチルフェノール、2−t−ブチルフェノ
    ール、グアヤコール、グエトール、2−イソプロポキシフェノールである、請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 触媒が、次式(II): HOOC−R−COOH (II) [式中、Rは原子価結合または1〜40個の炭素原子を含む任意に置換された
    炭化水素基を表す] で示される少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒が、式(II)[式中、Rは、直鎖もしくは分枝鎖、
    飽和もしくは不飽和の非環式脂肪族基;単環式もしくは多環式の、飽和、不飽和
    もしくは芳香族の炭素環式基;単環式もしくは多環式の、飽和、不飽和もしくは
    芳香族のヘテロ環式基であり得る、置換もしくは非置換の炭化水素基を表す]で
    示される、少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴とす
    る、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 触媒が、式(II)[式中、Rは、飽和しているか、また
    は、単一もしくは共役の二重結合または三重結合でありうる一つもしくはそれ以
    上の不飽和結合、通常1〜3個の不飽和結合を鎖上に含む、好ましくは1〜12
    個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖の非環式脂肪族残基を表し、この炭化
    水素鎖は、場合によって、 (1)Yと呼ばれる次の基 【化2】 [式中、Rは水素であるか、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは
    分枝鎖のアルキル基であるか、または−(CH−COOHタイプの基(式
    中、pは1〜5の数である)である] の一つにより中断され得、 (2)及び/または次の置換基 −OH;−COOH;−CHO;−NO;−CN;−NH;−SH;−X;
    −CF;−NH−[(CH−COOH]もしくは−N−[(CH −COOH] [式中、Xはハロゲン原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素原子を表し、p
    は上記に示した意味を有する]の一つを持つ] で示される、少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴と
    する、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 触媒が、式(II)[式中、 Rは芳香族炭化水素残基、特に一般式(III): 【化3】 [式中、 −nは0〜4、好ましくは0〜3の整数であり、 −Rは次の基または官能基 ・水素原子、 ・1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、 ・1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルコキシ基、 ・メチレンもしくはエチレンジオキシ基、 ・−CHO基、 ・フェニルもしくはベンジル基、 ・ハロゲン原子 の一つを表す] で示されるベンゼン残基を表す] で示される、少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴と
    する、請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 触媒が、式(II)[式中、Rは多環式芳香族炭化水素
    の2価の残基を表し、該環はそれら自身の間でオルト縮合系、オルト及びペリ縮
    合系を形成することができる] で示される、少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴と
    する、請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 触媒が、式(II)[式中、Rは、通常3〜7個の炭素
    原子、好ましくは6個の炭素原子を環中に有し、飽和であるか、または1もしく
    は2個の不飽和を環中に含んでなる炭素環式残基を表す]で示される、少なくと
    も2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴とする、請求項6に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 触媒が、式(II)[式中、Rは上記に定義した2〜4
    個の残基、脂肪族残基、芳香族残基または脂環式残基が原子価結合もしくは官能
    基により相互連結された鎖形成により構成された2価の基を表す]で示される、
    少なくとも2つのカルボキシル基を持つ化合物であることを特徴とする、請求項
    6〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 触媒が 脂肪族ジカルボン酸、例えば ・シュウ酸 ・マロン酸 ・コハク酸 ・グルタル酸 ・アジピン酸 ・2,4−ジメチルアジピン酸 ・ピメリン酸 ・スベリン酸 ・アゼライン酸 ・セバシン酸 ・ドデカン二酸 ・フマル酸 ・マレイン酸、 シクロアルカンジカルボン酸、例えば、シクロヘキサン1,4−ジカルボン酸 芳香族ジカルボン酸、例えば ・フタル酸 ・イソフタル酸 ・テレフタル酸 ・フェニレンジ酢酸 ・ナフタレン1,5−ジカルボン酸 ・ナフタレン1,6−ジカルボン酸 ・4,4’−ジフェニルカルボン酸 ・3,3’−ジフェニルカルボン酸 ・ビス(4−ヒドロキシカルボニル)フェニルオキシド ・ビス(3−ヒドロキシカルボニル)フェニルオキシド ・4,4’−ジヒドロキシカルボニルジフェニルスルホン ・3,3’−ジヒドロキシカルボニルジフェニルスルホン、 ピリミジンもしくはイミダゾールジカルボン酸、 アミノポリカルボン酸、例えば ・エチレンジアミンテトラ酢酸(E.D.T.A)、 ・ジエチレントリアミンペンタ酢酸(D.T.P.A)、 ・ニトリロトリ酢酸(N.T.A.) ・N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(H.E.D.T.
    A) から選択される、式(II)で示される少なくとも2つのカルボキシル基を持つ
    化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  14. 【請求項14】 グリオキシル酸水溶液が、単官能性の酸、特に0.1〜3
    %の酢酸を含有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の
    方法。
  15. 【請求項15】 グリオキシル酸水溶液が、15〜70重量%、好ましくは
    、約50重量%の濃度を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一
    項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物とグリオキシル酸
    の間のモル比が1.5〜4.0、好ましくは2.0〜3.0の間で選択されるこ
    とを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 アルカリ金属水酸化物の量が、式(I)のヒドロキシル化
    芳香族化合物のすべての塩化可能な基を塩化し且つグリオキシル酸のカルボキシ
    ル官能基を塩化するのに必要なほぼ化学量論的量であるか、または化学量論的量
    に等しいことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物の濃度が好ましく
    は0.5〜1.5モル/リットル、特には約1モル/リットルであることを特徴
    とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 使用される触媒の量が、触媒と式(I)のヒドロキシル化
    芳香族化合物の間のモル比が0.005〜0.025、好ましくは0.01〜0
    .02となるような量であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】 使用される触媒の量が、触媒のモル数とグリオキシル酸の
    モル数の間の比として表して、0.5〜2.5%の間、好ましくは1〜2%の間
    で選択されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 触媒がグリオキシル酸水溶液により全部または部分的に供
    給されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 グリオキシル酸溶液がグリオキシル酸の重量に関して表し
    て、0.6〜3重量%、好ましくは1.2〜2.6重量%のシュウ酸を含んでな
    ることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 触媒がグリオキシル酸水溶液と共に、式(I)のヒドロキ
    シル化芳香族化合物、水及びアルカリ金属水酸化物を含む反応媒体中に導入され
    ることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 反応温度が20℃〜60℃、好ましくは30℃〜40℃で
    あることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ヒドロキシアリール酢酸、ヒドロキシアリールグリオキシ
    ル酸、またはヒドロキシ芳香族アルデヒドの製造のための中間体としての、請求
    項1〜24のいずれか一項にしたがって得られる任意に置換されたp−ヒドロキ
    シマンデル酸化合物の使用。
  26. 【請求項26】 請求項1〜24のいずれか一項に記載されている製造方法
    により得られるp−ヒドロキシマンデル酸及び3−メトキシp−ヒドロキシマン
    デル酸、3−エトキシp−ヒドロキシマンデル酸または3−イソプロポキシp−
    ヒドロキシマンデル酸の使用であって、上記酸の酸化により4−ヒドロキシベン
    ズアルデヒド及びバニリン及びその類似体を製造するするための使用。
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