JP2518792B2 - ヒドロキシル化芳香族化合物のパラヒドロキシアルキル化方法 - Google Patents

ヒドロキシル化芳香族化合物のパラヒドロキシアルキル化方法

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JP2518792B2
JP2518792B2 JP5168117A JP16811793A JP2518792B2 JP 2518792 B2 JP2518792 B2 JP 2518792B2 JP 5168117 A JP5168117 A JP 5168117A JP 16811793 A JP16811793 A JP 16811793A JP 2518792 B2 JP2518792 B2 JP 2518792B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/367Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒドロキシル化芳香族化
合物のパラヒドロキシアルキル化方法に関する。
【0002】本発明は、任意に置換されたp−ヒドロキ
シマンデル化合物の製造方法、特にp−ヒドロキシマン
デル酸及び3−メトキシ−p−ヒドロキシマンデル酸の
製造方法に関する。
【0003】本発明の以下の説明の中で、“ヒドロキシ
ル化芳香族化合物”とは、少なくとも1個のヒドロキシ
ル基を有し、このヒドロキシル基のパラ位が未置換のあ
らゆる芳香族化合物を意味する。 “任意に置換された
p−ヒドロキシマンデル化合物”とは、ヒドロキシル基
のパラ位に少なくとも−CHOH−COOH基を有する
芳香族化合物を意味する。
【0004】
【従来の技術】p−ヒドロキシマンデル酸の従来の合成
方法のひとつは、アルカリ性媒質中でグリオキシル酸を
フェノール及び/又はフェノール誘導体と縮合すること
からなる。縮合反応は選択的ではなく、o−ヒドロキシ
マンデル酸及びジマンデル酸も生成されるので、収率は
低い。
【0005】更には、反応収率は妨害的な二次反応によ
って低くなる。実際、水性アルカリ性媒質中のグリオキ
シル酸はカニッツァロ反応によって蓚酸及びグリコール
酸に転化する。
【0006】このカニッツァロ反応が優勢になって、グ
リオキシル酸が破壊されることがないように、希釈水性
媒質中、低温又は室温で縮合反応を行うことがフランス
特許公開第2,132,364号で提案されている。
【0007】反応の位置選択性を改善するために、アミ
ンの存在下でグリオキシル酸とフェノールとの縮合を実
施することがヨーロッパ特許公開第0,368,696
号で提案されている。使用するアミンは、室温では液体
の水不溶性第三アミン(例えばトリブチルアミン、トリ
オクチルアミン、トリイソオクチルアミン又はこれらの
混合物)である。前記方法の欠点のひとつは、収率が7
0〜74%とあまり良くないことである。更には、フェ
ノール/グリオキシル酸のモル比が非常に高く、多量の
フェノールを再循環させる必要がある。最後に、この方
法の他の問題点は、反応が二相媒質中で行われるため
に、水性相と有機相との分離を伴うことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した欠点を克服す
るために、本出願人は、ヒドロキシル化芳香族化合物の
パラヒドロキシアルキル化方法に従って任意に置換され
たp−ヒドロキシマンデル化合物の新規製造方法を提供
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒドロキシル
基のパラ位が未置換のヒドロキシル化芳香族化合物のパ
ラヒドロキシアルキル化方法に関し、該方法は水酸化第
四アンモニウムの存在下で、一般式(I):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Aは任意に置換された単環式又は
多環式の環内に少なくとも5個の原子を有する芳香族炭
素環式残基を示し、Aは少なくとも1個のヒドロキシル
基を有し、ヒドロキシル基のパラ位は空いている)で表
されるヒドロキシル化芳香族化合物と、一般式(I
I):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素
原子を有する線状若しくは分枝状アルキル基又はフェニ
ル基を示し、R2は電子求引性基を示す)で表されるカ
ルボニル化合物とを縮合することを特徴とする。
【0014】本発明方法によれば、アルカリ金属水酸化
物の代わりに水酸化第四アンモニウムを使用すれば、選
択率を増すことができることが判明した。
【0015】本発明方法の他の利点は、有機溶媒の不在
下、水性媒質中で反応させることができることである。
【0016】本発明の以下の説明の中での“電子求引性
基”は、文献“AdvancedOrganic Ch
emistry”(Jerry MARCH,第9章、
243,244ページ)の中でH.C.BROWNによ
って定義された基を意味する。
【0017】本発明に適した電子求引性基の例として
は、−CHO基、アシル基R3−CO−又はR3−CO−
(−CH2)−m−(R3は1〜6個の炭素原子を有する
線状又は分枝状アルキル基を示し、mは1〜3の数を示
す)で表される基:−COOR4基(R4は水素原子又は
1〜6個の炭素原子を有する線状若しくは分枝状アルキ
ル基を示す)、−CX2H基(Xはハロゲン原子、好ま
しくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子を示す)、−
CX3基(Xはハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、
塩素原子又は臭素原子を示す)が挙げられ得る。
【0018】式(II)で表されるカルボニル化合物の
例としては、グリオキサール、グリオキシル酸、クロラ
ール、ブロマール、フルオラール、ジクロロアセトン、
トリフルオロアセトン、トリフルオロアセトフェノン、
トリフルオロアセチルアセトン、ピルビン酸メチル、ピ
ルビン酸エチルが挙げられ得る。
【0019】前述したカルボニル化合物の中では、グリ
オキシル酸が好ましい。
【0020】本発明方法は特にフェノールだけでなく、
少なくとも1個の非置換パラ位を有する置換フェノール
にも適用される。
【0021】芳香核は少なくとも1個のヒドロキシル基
を有しているが、他の置換基を1個以上有してもよい。
一般に、他の置換基とは芳香核当たり4個未満の置換基
を意味する。本発明の反応を妨害しない限り、任意の置
換基が存在し得る。
【0022】従って、本発明方法は、以下の式(I):
【0023】
【化7】
【0024】(式(I)中、パラ位は未置換であり、x
は1〜4の整数であり、Rは水素原子、アルキル、アル
コキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アリー
ル、フェノキシ、アルコキシアルキル、フルオロアルキ
ル、ヒドロキシアルコキシアルキレンの基の中から選択
される1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、ヒド
ロキシル基、−CHO基、2〜6個の炭素原子を有する
アシル基、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素
原子又は臭素原子を示し、2つの隣接炭素原子上の2個
の基Rは、これらの基を担持している炭素原子と共にベ
ンゼン環を形成し得る)で表されるヒドロキシル化芳香
族化合物に適用するのに非常に適している。
【0025】芳香核によって担持され得る基Rの例は以
下の通りである:アルキル基(例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキ
シル、デシル、オクタデシル、エイコシル)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、
ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ)又はフェノ
キシ基、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキ
シヘキシル、ヒドロキシデシル)、シクロアルキル基
(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チル)、フルオロアルキル基(例えばフルオロメチル、
ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチ
ル、1,1,1−トリフルオロエチル、ペンタフルオロ
エチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、トリフル
オロアミル)、ヒドロキシアルコキシアルキレン基(例
えばヒドロキシメチルオキシエチレン、ヒドロキシエチ
ルジ−(オキシエチレン)、ヒドロキシエチルトリ−
(オキシエチレン)、ヒドロキシエチルオキシ−1,2
−プロピレン、ヒドロキシエチルオキシブチレン、ヒド
ロキシプロピルオキシプロピレン、ヒドロキシブチルオ
キシブチレン、ヒドロキシブチルジ−(オキシブチレ
ン))、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素又は
ヨウ素)。
【0026】本発明方法では、一般式(I)(式中、x
は0,1,2又は3であり、Rは水素原子、1〜10
個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する線状又は分
枝状アルキル基、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭
素原子を有する線状又は分枝状アルコキシ基、−OH
基、−CHO基、ハロゲン原子、−CF3基のいずれか
である)で表されるヒドロキシル化芳香族化合物を使用
するのが好ましい。
【0027】式(I)〔式中、同一であるか又は異なる
基Rは水素原子、1〜4個の炭素原子を有する線状若し
くは分枝状アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基又はイソ
ブチル基)、1〜4個の炭素原子を有する線状若しくは
分枝状アルコキシ基(例えばメトキシ基又はエトキシ
基)、−CHO基又は塩素原子であり、xは好ましくは
0又は1である〕で表される化合物を選択するのが更に
好ましい。
【0028】式(I)で表される化合物の例としては、
式(I)(式中、xは0である)で表される化合物(例
えばフェノール)、式(I)(式中、xは1である)で
表される化合物(例えばピロカテコール、レゾルシン、
o−クレゾール、m−クレゾール、2−エチルフェノー
ル、3−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、
2−sec−ブチルフェノール、2−t−ブチルフェノ
ール、3−t−ブチルフェノール、2−メトキシフェノ
ール(グアヤコール)、3−メトキシフェノール、2−
エトキシフェノール(グアイエトール)、2−イソプロ
ポキシフェノール、サリチルアルデヒド、サリチル酸メ
チル、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、
3−ニトロフェノール)、式(I)(式中、xは2であ
る)で表される化合物(例えば2,3−ジメチルフェノ
ール、2,5−ジメチルフェノール、3,5−ジメチル
フェノール、2−ヒドロキシ−5−アセトアミドベンズ
アルデヒド、2−ヒドロキシ−5−エタミドベンズアル
デヒド、2,3−ジクロロフェノール、2,5−ジクロ
ロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、ピロガロ
ール)、式(I)(式中、xは3である)で表される化
合物(例えば2,3,5−トリメチルフェノール、3,
5−ジ−t−ブチルフェノール、2,3,5−トリクロ
ロフェノール)、ナフタレン基を有する式(I)で表さ
れる化合物(例えば1−ナフトール、2−ナフトール、
1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,
6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナ
フタレン、6−ブロモ−2−ナフトール)、ベンゼン核
鎖を有する式(I)で表される化合物(例えば2−フェ
ノキシフェノール、3−フェノキシフェノール)が挙げ
られ得る。
【0029】前述した化合物の中で使用される少なくと
も1個のヒドロキシル基を有する好ましい芳香族化合物
はフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、3−
エチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、グアヤ
コール、グアイエトール、2−イソプロポキシフェノー
ルである。
【0030】本発明方法に従って、水酸化第四アンモニ
ウムの存在下で、式(I)のヒドロキシル化芳香族化合
物を式(II)のカルボニル化合物と縮合させる。
【0031】以下の式(III):
【0032】
【化8】
【0033】(式中、同一であるか又は異なる基R1
2,R3,R4は1〜20個、好ましくは1〜12個の
炭素原子を有する任意に置換された線状又は分枝状アル
キル基、6〜12個、好ましくは6〜10個の炭素原子
を有する任意に置換されたアリール基、7〜14個、好
ましくは7〜10個の炭素原子を有する任意に置換され
たアラルキル基を示し、基R1〜R4の中の2つが一緒に
なって3〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝状アル
キレン基を形成し得る)で表される水酸化第四アンモニ
ウムが本発明方法を実施するのに特に適している。
【0034】式(III)中、基R1,R2,R3,R
4は、その炭化水素鎖がヘテロ原子(特に酸素又は窒
素)によって妨げられ及び/又は1〜6個の炭素原子を
有する1個以上の基若しくは官能基(例えばフェニル、
ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、アルコキシ若しくは
アルコキシカルボニル)等を有し得るアルキル基を示し
得る。
【0035】基R1,R2,R3,R4が環式基、特にベン
ゼン基を含んでいる場合、ベンゼン基は更に置換基を有
し得る。このような置換基の例としては、前述した基及
び官能基のリストを参照することができる。
【0036】基R1,R2,R3,R4は好ましくは、1〜
6個の炭素原子を有するアルキル基(好ましくはメチ
ル、エチル、ブチル)、フェニル基又はベンジル基を示
す。
【0037】式(III)で表される水酸化第四アンモ
ニウムの例としては、同一の又は異なるアルキル基が1
〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する線状
又は分枝状アルキル鎖を示す水酸化テトラアルキルアン
モニウム又は水酸化トリアルキルベンジルアンモニウム
を使用するのが好ましい。
【0038】好ましくは水酸化テトラメチルアンモニウ
ム、水酸化テトラエチルアンモニウム又は水酸化テトラ
ブチルアンモニウムを選択する。
【0039】本発明によれば、水酸化トリアルキルベン
ジルアンモニウム、特に水酸化トリメチルベンジルアン
モニウムを使用することもできる。
【0040】使用すべき試薬の濃度及び量に関して、以
下で好ましい条件を定義する。
【0041】本発明方法に従って、式(II)のカルボ
ニル化合物の溶液を使用する。この溶液の濃度は重要で
はなく、例えば15〜100重量%の範囲であり得る。
グリオキシル酸を式(II)のカルボニル化合物として
使用するときには、濃度が約50%の市販のグリオキシ
ル酸溶液を使用するのが好ましい。
【0042】本発明方法に従って、式(II)のカルボ
ニル化合物を式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物と
反応させる。式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物と
式(II)のカルボニル化合物とのモル比は0.3〜
4.0であり、好ましくは0.5〜2.0である。
【0043】使用する水酸化第四アンモニウム溶液の濃
度は一般に10〜50重量%である。出発溶液の濃度は
重要ではない。しかしながら、式(I)のヒドロキシル
化芳香族化合物の濃度は反応媒質中で低いのが有利であ
るので、反応媒質を希釈するために水酸化第四アンモニ
ウムの希薄溶液を使用する。
【0044】式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物の
濃度は好ましくは0.5〜1.5モル/リットルであ
り、特に約1モル/リットルである。
【0045】反応媒質中に導入される水酸化第四アンモ
ニウムの量は、式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物
と式(II)のカルボニル化合物との全ての塩化性(s
alifiable)基(例えばヒドロキシル基及び/
又はカルボキシル官能基COOH)を塩化するのに必要
な量とする。
【0046】水酸化第四アンモニウムの量は大幅に変動
し、化学量論的量と同量若しくはほぼ同量であってもよ
いし、過剰になってもよい。一般に水酸化第四アンモニ
ウムの量は化学量論的量の80〜120%である。
【0047】反応温度は有利には20〜60℃、好まし
くは30〜40℃である。
【0048】本発明方法は大気圧で、但し不活性ガス、
好ましくは窒素又は希ガス、特に窒素の管理雰囲気下に
おいて実施する。
【0049】以下で本発明の好ましい実施態様を説明す
る。
【0050】式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物
と、水と、ヒドロキシル基及び他の任意に存在する塩化
性官能基を塩化するのに必要な量の水酸化第四アンモニ
ウムとを含む反応媒質中に、式(II)のカルボニル化
合物の溶液と、任意に存在する塩化性官能基を塩化する
のに必要な量の水酸化第四アンモニウム溶液とを同時に
導入した。
【0051】従って、式(I)のヒドロキシル化芳香族
化合物と式(II)のカルボニル化合物とが塩化性官能
基を有するならば、全ての塩化性官能基を塩化するのに
必要な量の水酸化第四アンモニウムを更に導入する。
【0052】反応媒質を前述した範囲の中で選択した温
度に1〜10時間維持する。
【0053】反応終了後、塩化形態で得られたヒドロキ
シル化化合物及びパラヒドロキシアルキル化化合物を従
来の方法に従って分離する。
【0054】特にp−ヒドロキシマンデル酸又は3−メ
トキシ−p−ヒドロキシマンデル酸の場合、塩化形態で
製造して、従来の分離技術、特に結晶化によって分離す
ることができる。
【0055】本発明方法によって、ヒドロキシル化芳香
族化合物及びp−ヒドロキシアルキル化芳香族化合物を
製造することができる。
【0056】特に好ましい変形例によれば、式(I)で
表されるヒドロキシル化芳香族化合物をグリオキシル酸
と反応させる本発明方法によって、以下の式(IV):
【0057】
【化9】
【0058】(式中、R及びxの意味は式(I)のとこ
ろで定義した通りである)で表され得る任意に置換され
たp−ヒドロキシマンデル化合物を製造することができ
る。
【0059】これらの生成物は特に重要である。何故な
らば、これらは、とりわけ還元してヒドロキシアリール
酢酸を製造するか、又は酸化してヒドロキシアリールグ
リオキシル酸(=ヒドロキシアリール−α−オキシ酢
酸)若しくはヒドロキシ芳香族アルデヒドを製造するこ
とのできる中間物質だからである。
【0060】本発明の好ましい応用は、本発明によって
得られた式(IV)の化合物を酸化してヒドロキシ芳香
族アルデヒドを製造することである。
【0061】文献に記載の技術によって式(IV)の化
合物を酸化することができる。従って、P.HEBER
Tの文献〔Bull. Soc. Chim. Fra
nce, 27,p45−55(1920)〕及びNA
GAI SHIGEKI等の文献〔JP−A76/12
8934〕を参照することができる。一般に適切な触媒
(例えばクロム、コバルト、銅、バナジウム又はオスミ
ウムの誘導体)の存在下で、加圧下酸素又は空気によっ
て酸化させる。
【0062】従って、本発明によれば、p−ヒドロキシ
マンデル酸、3−メトキシ−p−ヒドロキシマンデル
酸、3−エトキシ−p−ヒドロキシマンデル酸又は3−
イソプロポキシ−p−ヒドロキシマンデル酸をそれぞれ
酸化して、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン
及びその類似体(例えば3−エチルバニリン、3−イソ
プロピルバニリン)を簡単に製造することができる。
【0063】
【実施例】以下の実施例で本発明を非制限的に説明す
る。
【0064】実施例で示す%は重量%である。
【0065】実施例で使用する略語の意味は次の通りで
ある: 転化率(TT)=転化したグアヤコールのモル数/導入
したグアヤコールのモル数、 選択率(RT)=生成したマンデル酸のモル数/転化し
たグアヤコールのモル数。
【0066】実施例1 二重壁とpH電極と温度センサと冷却器と不活性ガス用
入口と撹拌機とを備えた1リットルのガラス製反応器内
に、蒸留水310gと、30%水酸化第四テトラエチル
アンモニウム水溶液138g(0.281モル)と、グ
アヤコール69.7g(0.56モル)とを導入した。
【0067】不活性雰囲気を設定し、反応混合物を35
℃に加熱し、30%水酸化第四アンモニウム水溶液13
8g(0.281モル)と、50%グリオキシル酸水溶
液41.6gとを同時に2時間で加えた。反応混合物を
35℃で2時間維持した。反応終了後に、高速液体クロ
マトグラフィーによって反応生成物を定量分析した。
【0068】得られた結果は以下の通りである: 転化率:TT=44.0% 4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸:RT=97
% 2−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸:RT=2.
7% 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,5−ジマンデル
酸:RT=1.1%。
【0069】比較例1 実施例1の方法を繰返した。但し、水酸化テトラエチル
アンモニウムの代わりにソーダを導入した。
【0070】得られた結果は以下の通りである: 転化率:TT=43% 4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸:RT=88
% 2−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸:RT=4.
5% 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,5−ジマンデル
酸:RT=6.9%。
【0071】比較例2,3及び実施例2〜5 以下の比較例及び実施例では、実施例1の方法を繰返し
た。但し、全ての試薬を同時に導入し、反応媒質を35
℃で3時間維持した。
【0072】比較例2,3は、水酸化アルキルアンモニ
ウムの代わりにソーダ又はアンモニアを使用した比較実
験である。
【0073】得られた結果を以下の表に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表内の略語オルト、パラ及びジの意味は次
の通りである。
【0076】4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸
=パラ 2−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸=オルト 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−1,5−ジマンデル酸
=ジ。
【0077】表(I)から、水酸化第四アンモニウムを
使用すると反応の選択率を改善できることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 59/54 C07C 59/54 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシル基のパラ位が未置換のヒド
    ロキシル化芳香族化合物のパラヒドロキシアルキル化方
    法であって、 一般式(I): 【化1】 (式中、 パラ位は未置換であり、 xは0〜4の整数であり、 Rは、水素原子、 アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロア
    ルキル、アリール、フェノキシ、アルコキシアルキル、
    フルオロアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキレンの
    基の中から選択した1〜20個の炭素原子を有する炭化
    水素基、 ヒドロキシル基、 −CHO基、 2〜6個の炭素原子を有するアシル基、 ハロゲン原子を示し、2つの隣接炭素原子上の2個の基
    Rは、これらの基を担持している炭素原子と共にベンゼ
    ン環を形成し得る)で表されるヒドロキシル化芳香族化
    合物と、 一般式(II): 【化2】 〔式中、 R1 は、水素原子、 1〜6個の炭素原子を有する線状若しくは分枝状アルキ
    ル基又はフェニル基を示し、 R2 は、−CHO基、 R3 −CO−又はR3 −CO−(−CH2 m −(R3
    は1〜6個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキル
    基を示し、mは1〜3の数を示す)で表される基、 −COOR4 基(R4 は水素原子又は1〜6個の炭素原
    子を有する線状若しくは分枝状アルキル基を示す)、 −CX2 H基(Xはハロゲン原子を示す)、 −CX3 基(Xはハロゲン原子を示す)、 の中から選択した電子求引性基を示す〕で表されるカル
    ボニル化合物とを、 式(III): 【化3】 (式中、同一であるか又は異なる基R1 ,R2 ,R3
    4 は1〜20個の炭素原子を有する任意に置換された
    線状又は分枝状アルキル基、 6〜12個の炭素原子を有する任意に置換されたアリー
    ル基、 7〜14個の炭素原子を有する任意に置換されたアラル
    キル基、 を示し、基R1 〜R4 の中の2つが一緒になって3〜6
    個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレン基を形
    成し得る)で表される水酸化第四アンモニウムの存在下
    で縮合させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシル化芳香族化合物が、式
    (I)(式中、xは0,1,2又は3であり、Rは水素
    原子、1〜10個の炭素原子を有する線状又は分枝状ア
    ルキル基、1〜10個の炭素原子を有する線状又は分枝
    状アルコキシ基、−OH基、−CHO基、ハロゲン原
    子、−CF3 基のいずれかである)で表されることを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシル化芳香族化合物が、式
    (I)(式中、同一であるか又は異なる基Rは水素原
    子、1〜4個の炭素原子を有する線状若しくは分枝状ア
    ルキル基、1〜4個の炭素原子を有する線状若しくは分
    枝状アルコキシ基、−CHO基又は塩素原子である)で
    表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 式(I)で表されるヒドロキシル化芳香
    族化合物がフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
    ル、3−エチルフェノール、2−t−ブチルフェノー
    ル、グアヤコール、グアイエトール、2−イソプロポキ
    シフェノールであることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 一般式(II)で表されるカルボニル化
    合物が、 グリオキサール、 グリオキシル酸、 クロラール、ブロマール、フルオラール、 ジクロロアセトン、 トリフルオロアセトン、 トリフルオロアセトフェノン、 トリフルオロアセチルアセトン、 ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチルの中から選択され
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 使用する水酸化第四アンモニウムが、同
    一の又は異なるアルキル基が1〜12個の炭素原子を有
    する線状又は分枝状アルキル鎖を示す水酸化テトラアル
    キルアンモニウム又は水酸化トリアルキルベンジルアン
    モニウムであることを特徴とする請求項1から5のいず
    れか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 使用する水酸化第四アンモニウムが、水
    酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルア
    ンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化
    トリメチルベンジルアンモニウムであることを特徴とす
    る請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 式(II)のカルボニル化合物の水溶液
    の濃度が15〜100重量%であることを特徴とする請
    求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合物
    と式(II)のカルボニル化合物とのモル比が0.3〜
    4.0であることを特徴とする請求項1から8のいずれ
    か一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 水酸化第四アンモニウム水溶液の濃度
    が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1か
    ら9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 水酸化第四アンモニウムの量が、式
    (I)のヒドロキシル化芳香族化合物と式(II)のカ
    ルボニル化合物の全ての塩化性基を塩化するのに必要な
    化学量論的量の80〜120%であることを特徴とする
    請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 式(I)のヒドロキシル化芳香族化合
    物の濃度が0.5〜1.5モル/リットルであることを
    特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 反応温度が20〜60℃であることを
    特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 水酸化第四アンモニウムの存在下、水
    中でグアヤコールとグリオキシル酸とを縮合して3−メ
    トキシ−p−ヒドロキシマンデル酸を製造することを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
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