JP2002510199A - レンチウイルスをベースにした遺伝子転移ベクター - Google Patents

レンチウイルスをベースにした遺伝子転移ベクター

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Abstract

(57)【要約】 組換えレンチウイルスベクター発現システムは、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第一のベクターから構成される。そのベクターはEIAV構造タンパク質をコードする少なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を包含し、好適にはgag/pol発現ベクターである。その発現システムはさらに第二のベクターから構成され、またウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から構成され、さらに異種遺伝子が挿入されることになるであろう複数のクローニング部位を包含する。その発現システムはまた、ウイルスエンベロープタンパク質を発現させる第三のベクターから構成される。第一と第三のベクターはパッケージングシグナル-欠損性である。その発現システムがレンチウイルス-許容細胞にトランスフェクションされるとき、複製-欠損性EIAV粒子が産生され、その粒子は分裂および非分裂細胞の両方の広範な範囲に異種遺伝子をデリバリーする際に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 レンチウイルスをベースにした遺伝子転移ベクター 関連出願 本出願は、1997年5月13日に提出された米国仮特許出願第60/046,891号の利益 を主張しており、その出願は全体として本明細書に組み込まれている。 発明の分野 本発明は遺伝子デリバリーに有用なベクターとしてのウイルスに関する。とく に、非分裂および分裂細胞への遺伝子デリバリーに有用なレンチウイルスベクタ ーに関する。 発明の背景 特定の外来あるいは在来の遺伝子配列を哺乳動物の細胞の中に導入する能力、 そしてその遺伝子の発現を制御する能力は、医学および生物学的研究の分野では かなりの価値をもっている。こういった能力があれば、遺伝子調節を研究するた めの手段、また疾病を治療する治療上の基盤を設計するための手段が用意される ことになる。 特定の外来あるいは在来遺伝子の哺乳動物の宿主細胞への導入は、遺伝子配列 を適当な核酸ベクターの中に導入することによって促進される。所望する宿主細 胞へのこうした組換えベクターの導入を許容できるさまざまな方法が開発されて きた。DNA形質転換あるいはトランスフェクション関連の方法とは対照的に、ウ イルスベクターを使用すると、広範なさまざまな宿主細胞で組換え分子の迅速な 導入ができるという結果が得られる。とくに、ウイルスベクターは宿主細胞への 組換え核酸ベクター導入の効率を増加するために用いられてきた。哺乳動物細胞 における外来遺伝子形質導入および発現用のベクターとして用いられてきたウ イルスには、SV40ウイルス(例えば、H.Okayamaら、Molec.Cell.Biol.5,1136-114 2(1985)を参照されたい)、ウシパピローマウイルス(例えば、D.DiMaioら、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 79,4030-4034(1982)を参照されたい)、アデノウイルス(例 えば、J.E.Morinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,4626(1987))、アデノ関連ウイ ルス(AAV;例えば、N.Muzyczkaら、J.Clin.Invest.94,1351(1994)を参照された い)、単純疱疹ウイルス(例えば、A.I.Gellerら、Science 241,1667(1988)を参 照されたい)、そのほかが含まれている。 レトロウイルスをベースとしたベクターは、哺乳動物細胞への安定した外来遺 伝子の組込み遺伝子転移を達成するための道具として、とくに好まれている。哺 乳動物細胞における外来遺伝子導入および発現用のベクターとして用いられてき たレトロウイルスには、モロニーマウス肉腫ウイルス(T.Curranら、J.Virol.44 ,674-682(1982);A.Gazitら、J.Virol.60,19-28(1986))とマウス白血病ウイルス (MuLV;A.D.Miller,Curr.Top.Microbiol.Immunol.158,1-24(1992))が含まれて いる。 哺乳動物細胞の中に組換え分子を導入しようとする努力は、上述のウイルスあ るいはレトロウイルスベクターによって感染させられる細胞の側の能力の無さに よって多くの場合、妨げられてきた。レトロウイルスベクターに関する制限には 、例えば、ウイルス受容体として役立つ膜タンパク質発現レベルを部分的にはベ ースとして、かなり限定された宿主域が含まれている。これについては、M.P.Ka vanaughら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91,7071-7075(1994)を参照されたい。そ のほかの制限には、非分裂細胞(例えば、神経単位、肝細胞、筋線維、造血幹細 胞)の中に組込む能力が無いこと、現行のパッケージングシステムに利用可能な ベクターの力価が貧弱なこと、ベクター粒子が脆いために精製や濃縮が阻害され ること、が含まれる。 レンチウイルスは、非分裂細胞を感染させることができるレトロウイルスのサ ブグループである。L.Naldiniらは、ヒト初代マクロファージと終末分化神経単 位の中にだけではなく、非増殖性HeLa細胞やラット線維芽細胞の中にも異種遺伝 子配列を形質導入することができるヒト免疫不全ウイルス(HIV)をベースにし たレンチウイルスベクターシステムを報告している。これについては、Science 272,263-267(1996)を参照されたい。しかし、ヒトにおいてこうしたシステム を使用することは、毒性のある、また疾病を引き起こす形態へとベクターによっ て組み換えられてしまう可能性があるため、深刻な安全問題を引き起こす。 したがって、広範な範囲の分裂および非分裂細胞への遺伝子転移を仲介するこ とができる安全かつ効率的なレンチウイルスベクターシステムに対する必要性が 残る。 発明の概要 本発明は、遺伝子デリバリー用にウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)由来のベク ターを使用して細胞の中に異種遺伝子配列を転移させることを意図している。 本発明の第一の様態はウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一 部分の核酸配列から成る第一のベクターを含む組換えレンチウイルスベクター発 現システムであり、そこではそのベクターには、(i)EIAV構造タンパク質をコー ドする少なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損が含まれ、また(ii)欠損 性パッケージングシグナルが含まれている。発現システムにはさらに、EIAVゲノ ムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第二のベクターが含まれ、そこではそ のベクターには、(i)応答能のあるパッケージングシグナルが含まれており、 また(ii)異種遺伝子が挿入されることになるであろう複数のクローニング部位 が含まれている。ベクター発現システムにはまた、ウイルスの核酸配列から成る 第三のベクターが含まれており、そこでは第三のベクターが(i)ウイルスエンベ ロープタンパク質を発現し、また(ii)欠損性パッケージングシグナルを包含し ている。 本発明の第二の様態は、上述のように、本発明のベクター発現システムによっ て細胞をトランスフェクションすることから成る、複製-欠損性レンチウイルス 粒子の産生方法である。 本発明の第三の様態は、上述のように、本発明のベクター発現システムによっ て標的細胞をトランスフェクションすることから成る、前述の標的細胞に異種遺 伝子をデリバリーする方法である。 本発明の第四の様態は、(a)上述のように、本発明のベクター発現システム によってプロデューサ細胞をトランスフェクションすること、(b)細胞の中で 複製-欠損性レンチウイルス粒子の産生を許容するのに十分な細胞培養条件下で プロデューサー細胞を成長させること、(c)そのプロデューサー細胞から複製- 欠損性レンチウイルス粒子を収集することから成るレンチウイルス菌株を産生す る方法である。 本発明の前述の、またそのほかの様態はここに、図面の中、また以下に述べる 明細書の中において詳細に説明される。 図面の簡単な説明 図1は、本発明のEIAV由来のベクターを生成するのに使用されるプラスミド構 築物の概略説明図である。各プラスミドの一部分のみを描写している。 図2AはプラスミドpEV53の概略説明図である。 図2BはプラスミドpEV53Aの概略説明図である。 図3はプラスミドpEC-lacZの概略説明図である。 図4はプラスミドpEC-puroの概略説明図である。 図5はプラスミドpCI-VSV-Gの概略説明図である。 図6Aには、以下の実施例3に説明されているように、MuLV(上の列)およびEI AVベクター(下の列)による分裂(左の段)および非分裂細胞(右の段) への遺伝子転移を説明する4枚の写真が含まれている。 図6Bは、MuLVをベースにしたベクター(棒グラフの左側対)とEIAVをベースに したベクター(棒グラフの右側対)による分裂および非分裂細胞への遺伝子転移 の相対的な効率のグラフ表示である。成功した遺伝子転移は以下に説明してある ように、青色に染色された(すなわち、X-gal陽性)感染細胞のパーセンテージ としてグラフのy軸上に表示されている。 図6Cは、MuLVをベースにした遺伝子転移ベクターによって感染させられた細胞 の中のDNAに、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を組み込むことをブロックする アフィジコリンの能力に関するグラフ表示である。成功した遺伝子転移は、後述 の実施例3に説明されているように、BrdUに対して陽性である感染細胞のパーセ ンテージとしてグラフのy軸上に表示されている。 図7には、遺伝子を感染させて分裂および非分裂細胞に遺伝子を転移させるEI AVをベースにしたベクターEC-lacZの能力を図示する2つのグラフが含まれる。 図7の左側のグラフでは、白丸がアフィジコリンによって処理されていないヒト CFT1細胞を表わし、黒三角がアフィジコリンによって処理されたヒトCFT1細胞を 表している。図7の右側のグラフでは、白三角がアフィジコリンによって処理さ れていないウマ皮膚細胞を表し、黒三角がアフィジコリンによって処理されたウ マ皮膚細胞を表している。両方のグラフで、遺伝子転移がX-gal陽性である感染 細胞のパーセンテージとしてy軸上に表示されている。両方のグラフで、EC-lac Zベクターの投与量がμLウイルス/mL接種材料という単位でx軸上に表示されて いる。 図8は、濃縮されていない(遠心分離されていない)か、あるいは濃縮されて いる(遠心分離されている)かのいずれかのEC-lacZ/VSV-G偽型ウイルス粒子の 感染力の投与-反応曲線である。図8では、白丸が濃縮されたウイルス粒子を表 し、黒丸が濃縮されていないウイルス粒子を表している。EC-lacZベクターの 投与量はμLウイルス/mL接種材料という単位でx軸上に表示され、感染力はX-ga lに対して陽性である細胞のパーセンテージとしてy軸上に表示されている。 発明の詳細な説明 本発明はここでは以降、さらに完全な形で添付の図面を参照して説明されるが 、その中で本発明の好適な実施様態が示される。なお、本発明は多くの異なった 形態で実施されることが考えられ、ここに述べられた実施様態に限定されるもの として解釈されるべきではない。というよりは、この開示によって本発明の範囲 を当業者に対して完全に伝えるられるように、これらの実施様態は提供される。 I.ウマ伝染性貧血ウイルスゲノム ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)は、レトロウイルス科のレンチウイルス属の 構成員である。野生型EIAVウイルスは、核タンパク質コアを含む球状エンベロー プビリオンの中にパッケージされる二量体RNAゲノム(一本鎖、正の極性)を 有する。野生型EIAVゲノムの複製は、宿主細胞ゲノムでの逆転写や組込みを介し て起こる。そのゲノムには、構造タンパク質gag、pol、envをコードする3つの 遺伝子と組込みウイルスゲノムの各末端にある長末端反復(LTR)が含まれる。 すべてのレトロウイルスに共通するgag、pol、env配列に加えて、EIAVゲノムに はいくつかの短い読み取り枠(ORF)が含まれる。これらの短いORFは多重にスプ ライシングされたmRNAから翻訳される。ORF S1は転写トランスアクチベーターta tをコードする。ORF S2はその機能が分かっていないタンパク質をコードし、ま たORF S3はrevタンパク質をコードすると考えられる。revはgag、pol、envの効 率的な発現に必要であると考えられている。Revは、env遺伝子内にある、EIAVに 位置するrev-反応性エレメント(RRE)として知られているRNA配列との相互作用 により転写後に作用する。 EIAVの野生型ゲノムにはまた、R配列(ゲノムの各末端での短い反復)、U5配列 (R配列直後のユニーク配列エレメント)、U3配列(構造タンパク質から下 流に位置するユニーク配列エレメント)、組込みプロウイルスの転写開始を制御 するプロモーターエレメント、パッケージング配列(ここではパッケージング部 位あるいはパッケージングシグナルとして交換可能であるように言及されている )、5'-スプライシング供与体部位を含むいくつかのcis-作用性配列が含まれる。 II.本発明のEIAVベクター 本発明のベクターは、広範な系統樹的な宿主細胞域にある宿主細胞核から独立 した異種核酸を複製ならびに発現させるための手段を提供する。宿主細胞の中に 異種核酸をこのベクターが仲介して組み込むことは、宿主細胞のトランスフェク ションあるいは感染として言及されるが、そこでは感染はウイルス粒子を使用す ることを意味し、またトランスフェクションは核酸の裸の分子を使用することを 意味する。 本発明のベクターはさらに、ウイルス粒子の中に異種核酸を組み込むことを許 容し、それによってその中に異種核酸を含む感染宿主細胞の数を増幅するための 手段を提供する。異種核酸の組込みは、ウイルス粒子内にある異種核酸の複製を 促進し、またその結果としてそこに起こる異種タンパク質の産生を促進する。異 種タンパク質はここでは、そこからはタンパク質のすべてあるいは一部分が宿主 細胞によっては発現されないタンパク質あるいはフラグメントとして定義される 。核酸あるいは遺伝子配列は、細胞の中に遺伝子をデリバリーするのに使用され るウイルスベクターの野生型(例えば、野生型EIAVゲノム)においては自然に存 在しない場合は、異種であるといわれる。ここで使用されているように、核酸配 列あるいは遺伝子配列という用語は、核酸分子(好適にはDNA)に言及すること を意図している。こうした遺伝子配列はDNA、cDNA、合成DNA、RNAあるいはその 組合せを含むさまざまな源から得られることが考えられる。こうした遺伝子配列 は自然に発生するイントロンを含むか、あるいは含まないことがあるゲノムDNA から成ることが考えられる。さらに、こうしたゲノムDNAはプロ モーター配列あるいはポリアデニル化配列と関連して得られることが考えられる 。本発明の遺伝子配列は好適にはcDNAである。ゲノムDNAあるいはcDNAはいくつ かの方法で得られることが可能である。ゲノムDNAは当業者には周知の手段によ って適当な細胞から抽出し、また精製することができる。代替的には、mRNAは細 胞から分離することができ、また逆転写あるいはそのほかの方法によってcDNAを 作成するのに使用することができる。 本発明の一つの目的は、標的細胞へ関心の対象である遺伝子をデリバリーする 過程で一つの複製ラウンドを実行することが可能なベクターを生成することであ る。この技術の様態は、標的細胞にウイルス遺伝子の転移を除外する遺伝子デリ バリーシステムである。これは関心の対象であるその遺伝子をコードするベクタ ーからウイルス遺伝子をコードする発現ベクターを物理的に分離することによっ て達成される。分離発現ベクターは許容細胞(例えば、「プロデューサー細胞」 )の中にトランスフェクションされる。ウイルス遺伝子産物はウイルス粒子の産 生に必要である。なお、本発明では、これらの遺伝子をコードする遺伝子は欠損 性パッケージングシグナルを包含する発現ベクター上に位置する。したがって、 構造タンパク質をコードする遺伝子はパッケージされない。 「構造タンパク質」あるいは「EIAV構造タンパク質」という慣用句は、ここで 使用されているように、EIAVゲノムの包膜化(例えば、パッケージング)に必要 であって、またgag、pol、envを含むコードされたタンパク質のことを言ってい る。 「欠損性」という用語は、ここで使用されているように、その遺伝子産物をコ ードするかあるいはシグナル配列として役に立つかのいずれかに関して機能的で はない核酸配列のことを言っている。説明すると、欠損性env遺伝子配列はenvタ ンパク質をコードすることはないであろうということである。すなわち、欠損性 パッケージングシグナルは欠損性シグナルがその上に位置している核酸分子の パッケージングを促進することはないであろうということである。核酸配列は、 その配列のいくつかあるいはすべてを削除することによって、その配列を読み取 り枠の外に置くことによって、あるいはそのほかのその配列をブロックすること によって行われる手段を含む、当業者には公知の何らかの手段により欠損性は作 成されることであろう。 ここで使用されているように、「削除された」あるいは「欠失」という用語は 、標準的な使用法に従って、そのセグメントを操作不能にする、あるいは非機能 的にするために、指定されたセグメントの全欠失か、あるいは指定されたセグメ ントの十分な部分の欠失かのいずれかを意味する。「複製欠損性」という用語は 、ここで使用されているように、EIAV構造タンパク質をコードするベクターはそ のベクターのトランスフェクション後に標的細胞の中で包膜化されることは不可 能であることを意味している。その結果としてレンチウイルス粒子は、そのウイ ルスゲノム全体を複製することができないように、包膜化に必要なウイルス構造 タンパク質のすべてをパッケージされたベクターが包含することがなく、そこか ら削除される必要がある構造タンパク質の少なくとも一つでも包含しないかぎり は、複製欠損性である。 本発明の好適なベクターはEIAVから得られる。在来EIAV核酸は、ウイルスによ って感染した細胞と、それから作成されたベクターから分離される。EIAVベクタ ーを作成するための典型的な方法がS.T.Perryら、J.Virol.66,4085-4097(1992 )に提供されている。例えば、cDNAは、当業者には公知の方法を使用して、逆転 写によりEIAV RNAから産生されることが考えられる。二重鎖EIAV cDNAはその後 に産生され、細菌クローニングベクターなどのクローニングベクターの中にクロ ーン化される。細菌、イースト菌、あるいは真核生物のベクターなど、当業者に は公知のもので、また使用されているあらゆるクローニングベクターが使用され ると考えられる。本発明のベクターは好適には、EIAVのRNA ゲノムの少なくとも一部分に相補的なcDNAから成る。一つのベクターには、異種 cDNA分子が含まれることがあり、その分子は異種分子の転写あるいは発現を達成 するためにヒトあるいは動物の細胞の中に導入することができる。そのcDNA分子 は、細胞の中でプロモーター配列機能の転写制御下に置かれているcDNA分子を伴 い、EIAVゲノムの少なくとも一部分に相補的なcDNAを包含し、またそのゲノムの 複製に必要なRNAゲノムの一部分を包含する。 本発明のプロモーター配列は、真核生物あるいは原核生物起源のプロモーター から成り、また細胞の中で遠位に位置する配列(すなわち、プロモーター配列の 5'末端にリンクされている配列)の転写を指示するのに十分であろう。プロモー ター領域にはまた、転写の促進あるいは抑制のための制御エレメントが含まれる と考えられる。適当なプロモーターとは、サイトメガロウイルス即時型プロモー ター(pCMV)、ラウス肉腫ウイルス長末端反復プロモーター(pRSV)、SP6、T3、T7 プロモーターである。プロモーターから上流にあるエンハンサー配列、あるいは コード領域の下流にある転写終末区配列は発現を促進するために、本発明のベク ターの中に任意に含めることができる。本発明のベクターにはまた、ポリアデニ ル化配列、局在性配列、あるいはシグナル配列などの付加的な核酸配列が含まれ ており、ベクターの核酸によって発現させられるタンパク質を効率的にかつ効果 的に処理することを細胞に許容するのに十分である。好適なポリアデニル化配列 の実施例はSV40初期領域ポリアデニル化部位(C.V.Hallら、J.Molec.App.Genet. 2,101(1983))とSV40後期領域ポリアデニル化部位(S.CarswellとJ.C.Alwine,M ol.Cell Biol.9,4248(1989))である。こうした付加的な配列は、転写が所望さ れる場合には、プロモーター配列に操作可能にリンクされ、あるいは翻訳とプロ セシングが所望される場合には、開始およびプロセシング配列にさらに操作可能 にリンクされるように、ベクターの中に挿入される。代替的には、挿入配列は、 ベクターの中の何らかの位置に置かれることが考えられる。「操作可 能にリンクされる」という用語は、遺伝子配列の転写は操作可能にリンクされた プロモーター配列によって指示され、遺伝子配列の翻訳は操作可能にリンクされ た翻訳調節配列によって指示され、また遺伝子配列の翻訳後プロセシングは操作 可能にリンクされたプロセシング配列によって指示されるといったように、遺伝 子配列とプロモーターあるいはそのほかの調節ないしはプロセシング配列の間の 連関を説明するのに使用される。 本発明のベクターの構築のための標準的な技術は当業者には周知のものであり 、またSambrookら執筆の『分子クローニング-ラボマニュアル第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd Ed)』(コールド・スプリング・ハーバー社刊 、ニューヨーク、1989年)などの参考文献に見つけることができる。さまざまな 戦略がDNAのフラグメントを結合するために利用可能であり、その選択はDNAフラ グメントの末端の性質に拠るが、その選択は技術にたけた人であれば、容易に行 うことができる。 本発明の一つの実施様態では、組換えレンチウイルス発現システムは3つのベ クターから構成される。第一のベクターはウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノ ムの少なくとも一部分の核酸配列から構成され、そこではそのベクターには、( i)EIAV構造タンパク質をコードする少なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つ の欠損が含まれており、また(ii)欠損性パッケージングシグナルが含まれる。 第二のベクターは、EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から構成されてお り、そこではそのベクターには、(i)応答能のあるパッケージングシグナルが 含まれ、また(ii)異種遺伝子が挿入されることになるであろう複数のクローニ ング部位が含まれる。第三のベクターはウイルスの核酸配列から構成され、そこ ではそのベクターは、(i)ウイルスエンベロープタンパク質を発現させ、また (ii)欠損性パッケージングシグナルを包含する。 本発明の一つの実施様態では、第一のベクターはgag/pol発現ベクターであ る。Gag/pol発現ベクターは細胞からのウイルス粒子の集合と放出に必要なEIAV タンパク質を発現させ、またタンパク質gagとpolをコードする遺伝子を含む。第 一のベクターはまた、副次的なタンパク質revとtatをコードする遺伝子を発現さ せる。その機能が分かっていないタンパク質をコードする読み取り枠S2は、第一 のベクターの中に付加的に含まれることがある。第一のベクターはレトロウイル スが仲介するウイルス遺伝子の転移を除外する突然変異を包含するように構築さ れている。こうした突然変異とは、ウイルスenv遺伝子の中にある配列の欠失で あり、そのため、複製能力のあるEIAVを生成する可能性を除外することであり、 あるいはウイルスの逆転写と組込みに必要なゲノムの3'末端でのある一定のcis- 作用性配列エレメントの欠失であると考えられる。したがって、この構築物から のウイルス遺伝子がウイルス粒子の中にパッケージされるような場合があっても 、それらが複製され、また複製能力のある野生型ウイルスが生成されることはな いであろう。 本発明の一つの好適な実施様態では、発現システムの第一のベクターは、図2A に示されているプラスミドpEV53である。pEV53は、12170塩基対(bp)プラスミ ドと、塩基対209-1072でEIAV tatコード領域(bp -1124-1210と5886-6026)から 上流に位置しているキメラCMV/EIAVエンハンサープロモーター領域を含んでいる cDNAクローン、gagコード領域(bp 1216-2676)、polコード領域(bp2433-5874)、O RF S2コード領域(bp 6037-6234)である。ベクターはまた部分envコード領域( bp 6063-7733)とrevコード領域(bp 6188-6288と7250-7654)を包含する。ファ ージf1領域(bp 8037-8450)、SV40初期プロモーター領域と複製の起源(bp 8514-8 839)、ネオマイシン耐性コード領域(bp 9685-9924)、SV40ポリアデニル化シグナ ル(bp 9685-9924)、Col E1複製の起源(bp 10356-11029)、β-ラクタマーゼ(ア ンピシリン耐性)コード領域(bp 11174-12035)はそのままの状態で、ウシ成長 ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナ ルは提供される。 本発明のさらに好適な一つの実施様態では、発現システムの第一のベクターは 、図2Bに示されているプラスミドpEV53Aである。プラスミドpEV53AはpEV53プラ スミドから得られ、そこではEIAVタンパク質の発現レベルに影響を与えることな く、ウイルス遺伝子のレトロウイルス仲介転移の機会をさらに減らすために修飾 がなされてきた。プラスミドpEV53Aでは、プロモーター/エンハンサーエレメン トを含むすべてのEIAV長末端反復(LTR)配列と組込みに重要なcis-作用性配列 エレメントと逆転写の開始用のtRNAプライマー結合部位配列がpEV53から削除さ れてきた。pEV53のヌクレオチド902から1077までを削除することによって、pEV5 3AはpEV53から構築される。 本発明の発現システムの第二のベクターは、遺伝子転移用のベクターとして役 立つように設計され、また、関心の対象である異種遺伝をコードするcDNAの挿入 のための複数のクローニング部位だけではなく、ベクターゲノムの逆転写(複製 )を支持するのに必要とされるすべてのcis-作用性配列エレメントを包含してい る。本発明では、関心の対象である遺伝子をコードするベクターは、ウイルスゲ ノムのパッケージングと組込みに必要なcis-作用性配列エレメントのほかに、標 的細胞の中に形質導入されるべき遺伝子情報を運ぶ組換えEIAV由来のベクターで ある。gag配列の一定の部分がEIAVゲノムのパッケージングにおいて役割を果た していると考えられているので、第二のベクターにはgagコード配列のある部分 が含まれることが好ましい。さらに、LTRの中に含まれている5'スプライシング 供与体部位には、例えば、W.Tanら、J.Virol.70,3645-3658(1996)に説明され ているように、好適には産生されたウイルスの力価を増加させる突然変異が含ま れる。 好適な第二のベクターの2つの実施例が図3と4に提供されている。図3では 、プラスミドとcDNAクローンpEC-lacZ、E.Coli lacZリポーター遺伝子を 発現させるEIAVから得られた8749bpプラスミドが図示されている。プラスミドに は2つのCMV即時型エンハンサープロモーター領域(bp 1-734と1609-2224に位置 している)、EIAV長末端反復(LTR)からのR-U5配列ドメイン(bp 735-849)、部分 EIAV gag配列(bp 993-1570)、lacZコード配列(bp 2297-5437)、EIAV LTR配列(bp 5752-6073)、ファージf1領域(bp 6163-6618)、アンピシリン耐性コード領域(bp 7057-7917)、複製のColE1起源(bp 8062-8736)が含まれる。 図4では、プラスミドとcDNAクローンpEC-puro、ピューロマイシン耐性遺伝子 を発現させるEIAVから得られた6099bpプラスミドが図示されている。このベクタ ーにはまた、2つのCMV即時型エンハンサープロモーター領域(bp 1-734と1609-2 224)、EIAV長末端反復(LTR)からのR-U5配列ドメイン(bp 735-849)、EIAVから の部分gag配列(bp 993-1570)、ピューロマイシン耐性遺伝子コード配列(bp 2334 -2933)、EIAV LTR配列(bp 3102-3423)、ファージf1領域(bp 3513-3968)、アンピ シリン耐性コード領域(bp 4407-5267)、DNA複製のColE1起源(bp 5412-6086)が 含まれる。 当業者であれば分かるように、挿入異種遺伝子配列あるいは配列(複数)のヌク レオチド配列は、いかなるヌクレオチド配列でも良い。例えば、挿入異種遺伝子 配列はリポーター遺伝子配列かあるいは選択可能なマーカー遺伝子配列であると 考えられる。リポーター遺伝子配列とは、ここで使用されているように、発現さ せられたときには、その存在あるいは活性が監視できるタンパク質を産生する結 果になる、何らかの遺伝子配列である。適当なリポーター遺伝子の実施例には、 ガラクトキナーゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチル転移 酵素、β-ラクタマーゼなどが含まれている。代替的には、リポーター遺伝子配 列は、その発現が細胞生理に影響を与える遺伝子産物を産生する何らかの遺伝子 配列であると考えられる。本発明の異種遺伝子配列は、一つあるいはそれ以上の プロモーター、開始配列、あるいはプロセシング配列をすでに所持している、一 つあるいはそれ以上の遺伝子配列から成ると考えられる。 選択可能なマーカー遺伝子配列とは、それが存在すると、それを含む細胞を選 択的に増殖させることを許容するタンパク質を発現させることができる、何らか の遺伝子配列である。選択可能なマーカー遺伝子の例としては、抗生物質(例え ば、ピューロマイシン、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシンなど) に宿主耐性を付与することができる遺伝子配列、あるいはアミノ酸類似体に宿主 耐性を付与することができる遺伝子配列、あるいは付加的な炭素源上で、ないし はそのほかの許容できない培養条件の下で、細菌の成長を許容することができる 遺伝子配列、が含まれている。遺伝子配列はリポーター遺伝子と選択可能なマー カー遺伝子配列の両方であると考えられる。本発明のもっとも好適なリポーター 遺伝子とは、E.Coliのβ-ガラクトシダーゼ活性をコードするlacZ遺伝子であり 、またピューロマイシン耐性をコードする遺伝子である。 好適なリポーターあるいは選択可能なマーカー遺伝子配列であれば、正常細胞 においてベクターの認識あるいは選択を可能にするのに十分である。本発明の一 つの実施様態では、リポーター遺伝子配列は哺乳動物細胞には正常であれば欠け ている酵素あるいはほかのタンパク質をコードし、またそれらが存在する場合に は、したがって、そうした細胞においてベクターの存在を明確に立証することが できる。 異種遺伝子配列はまた、適当な、生物学的に活性のあるタンパク質ないしはポ リペプチド、免疫原性あるいは抗原性のタンパク質ないしはポリペプチド、ある いは治療上活性のあるタンパク質ないしはポリペプチドなどの所望されている産 物のコード配列から成る。代替的には、異種遺伝子配列はアンチセンスRNA配列 などのRNA配列に対して相補的である配列から成ると考えられるが、そのアンチ センス配列は個々の細胞における相補的なポリヌクレオチドの発現を阻害す るために、個々に対して投与することができる。 異種遺伝子の発現は抗体反応を達成するために免疫原性あるいは抗原性のタン パク質ないしはポリペプチドを提供することが考えられるが、その抗体は動物の 血液、血清あるいは腹水などの体液から収集することがてきる。 本発明の好適な実施様態では、組換えレンチウイルス発現システムの第三のベ クターはウイルスエンベロープタンパク質を発現させる。こうしたベクターはし たがって、適当なプロモーターの制御下でウイルスタンパク質をコードする核酸 配列から成る。本発明のウイルスベクターは、近しい関連性をもっているもう一 つのウイルスからのエンベロープ遺伝子を使用することによって感染させること ができるので、細胞の宿主域を変えることが可能である。言い換えると、ほかの ウイルスの包膜化に参加するウイルスのエンベロープタンパク質の能力を利用す ることによって、本発明のEIAVベクターの宿主域を拡張することが可能である。 本発明のとくに好適な実施様態では、水疱性口内炎ウイルスのG-タンパク質(VSV -G;例えば、RoseとGillione,J.・rol.39,519-528(1981);RoseとBergmann,Cell 30 ,753-762(1982)を参照されたい)、あるいはそこから得られたフラグメントない しは誘導体は、第三のベクターによって発現させられるエンベロープタンパク質 である。VSV-Gは効率的に、ほかのウイルスのゲノムとマトリックス組成物によ って偽型ビリオンを形成する。ここで使用されているように、「偽型」という用 語は、一つのウイルスの核酸と、ほかのもう一つのウイルスのエンベロープタン パク質を含むウイルス粒子のことを言っている。一般的には、VSV-G偽型ベクタ ーは非常に広範な宿主域を有しており、また超遠心分離法(例えば、J.C.Burns ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,8033-8037(1993)の方法による)によって粒状 の沈殿物を収集して高濃縮の力価にすることが可能であるが、しかし一方、まだ 高いレベルの感染力が残る。 本発明の第三のベクターの分かりやすく、また好適な実施例が図5に示され ている。この図ではプラスミドとcDNAクローンpCI-VSV-G、エンベロープ糖タン パク質VSV-Gのための好適な発現ベクターが図示説明されている。プラスミドに は5679塩基対が含まれていて、またCMV即時型エンハンサープロモーター領域(bp 1-795)、キメライントロン領域(bp 857-989)、VSV-Gコード領域(bp 1088-2633) 、ファージf1領域(bp 3093-3548)、SV40後期ポリアデニル化シグナル(bp 2782-3 003)、DNA複製のColE1起源(bp 4992-5666)、アンピシリン耐性コード領域(bp 3 987-4847)が含まれている。 本発明の一つの方法では、感染性、複製-欠損性EIAV粒子は当業者には公知の 技術と組合せてここに開示された方法により作成することが可能である。この方 法には、本発明のベクター発現システムによってレンチウイルス-許容細胞をト ランスフェクションすること、トランスフェクションされた細胞の中でEIAV由来 の粒子を産生すること、その細胞からウイルス粒子を収集すること、が含まれる 。レンチウイルス-許容細胞をトランスフェクションするステップは、当業者に は公知のいずれかの適当な手段により実行することができる。例えば、本発明の 一つの方法では、ここで説明されたプラスミド発現システムが一過性のトランス フェクションによってEIAV由来のレトロウイルスベクター粒子を生成するのに使 用される。ほかのもう一つの実施例では、例えば、DEAE-デキストラン ポフェクチン)」または電子穿孔によってRNAを処理することによるなどの、細胞 の中へのベクターの取込みをいずれかの適当な手段によって達成することができ る。これらの技術は当業者には周知のものである。 細胞の中で感染性ウイルス粒子の産生を促進するステップはまた、標準的な細 胞培養成長技術によるなど、従来の技術を使用して実行することが可能である。 感染性ウイルス粒子を収集するステップはまた、従来の技術を使用して実行す ることが可能である。例えば、感染性粒子は細胞溶解によって収集が可能であり 、 あるいは細胞培養の上清の収集も当業者には公知の従来技術そのままで可能であ る。収集されたウイルス粒子は所望されれば任意に精製することが可能である。 適当な精製技術は当業者には周知のものである。 当業者が望めば、レンチウイルス菌株溶液は本発明のベクターと方法を使用し て作成することが可能である。ウイルス菌株溶液作成方法は当業者には公知のも のであり、例えば、Y.Soneokaら、Nucl.Acids Res.23,628-633(1995)やN.R.Land auら、J.Virol.66,5110-5113(1992)によって説明されている。本発明において 菌株溶液を産生する方法では、レンチウイルス-許容細胞(ここではプロデュー サー細胞として言及)が本発明のベクターシステムによってトランスフェクショ ンされる。細胞はその後適当な細胞培養条件下で成長させ、レンチウイルス粒子 は上述のように、細胞自体かあるいは細胞培地かのいずれかから収集される。適 当なプロデューサー細胞系には、これに限定されるわけではないが、ヒト胎芽性 腎細胞系293、ウマ皮膚細胞系NBL-6、イヌ胎児性胸腺細胞系Cf2THが含まれる。 本発明のベクターはまた、安定したパッケージング細胞(すなわち、EIAVウイ ルスタンパク質を安定的に発現させる細胞で、その細胞は、それ自体では感染性 ウイルス粒子を生成することはできない)を作成するのに有用である。レトロウ イルスタンパク質を発現させるパッケージング細胞を作成する方法は当業者には 公知のものであり、また、例えば、その開示が全体としてここに組込まれている 、Teminらに付与された米国特許No.4,650,764号に述べられている方法によって 例証されている。本発明の範囲内で、パッケージング細胞は、少なくとも一つの EIAV構造タンパク質をコードするEIAV核酸配列から成るレンチウイルス-許容宿 主細胞から成り、その核酸配列はパッケージングシグナル欠損性であり、そのた め、その細胞自体が少なくとも一つのEIAV構造タンパク質を産生できるようにな るが、しかし複製能力のある感染性ウイルスを産生できるようには ならない。一つの実施様態では、EIAV核酸配列は、例えば、pEV53などのEIAV ga g-pol発現ベクターである。パッケージング細胞は、EIAV-許容宿主細胞(例えば 、ヒト胎芽性腎臓293細胞)を公知の手順により上に用意されたように、適当なE IAV核酸配列を用いてトランスフェクションすることによって作成することが可 能である。その結果としてパッケージング細胞はしたがって、少なくとも一つの EIAV構造タンパク質を発現させ、産生することができるようになる。しかし、EI AV核酸配列はパッケージングシグナルにおいては欠損性であるという点では、そ の細胞はそれ自体に関しては、複製能力のあるEIAVウイルスを産生することはで きない。パッケージング細胞はしたがってほかの核酸配列(例えば、pEC-puro、 pEC-lacZ、pCI-VSV-G)によってトランスフェクションすることは可能であり、 またそれには関心の対象となっている異種遺伝子と適当なパッケージングシグナ ルが含まれることになるであろう。一旦、付加的な配列あるいは配列(複数)に よってトランスフェクションされると、パッケージング細胞はしたがって異種遺 伝子を含むEIAVウイルス菌株を供給することに使用することが可能であるが、そ のウイルス自体には複製能力は無い。 本発明のワクチンなどの医薬品製剤は、医薬品として受け入れ可能なキャリヤ ーと組合せて、ここに開示されているように、感染性、複製欠損性ウイルス粒子 の免疫原性の分量から成る。「免疫原性の分量」はその医薬品が投与される対象 において免疫反応を引き起こすのに十分な感染性ウイルス粒子の分量である。約 103から約107ウイルス粒子の分量、また好適には投与毎に約104から106ウイルス 粒子が適当であると考えられているが、治療を受けている対象の年齢や種、その 所望されている免疫反応を起こす免疫原に拠る。典型的な医薬品として受け入れ 可能なキャリヤーには、それに限定されるものではないが、無菌状態で発熱物質 が入っていない水、無菌状態で発熱物質が入っていない生理食塩水溶液が含まれ る。本発明の感染性、複製-欠損性ウイルス粒子の免疫原性の分量を投与さ れる対象には、これに限定されるわけではないが、ヒトや動物(例えば、ブタ、 ウシ、ヒツジ、イヌ、ロバ、マウス、ハムスター、サル)対象か含まれる。 本発明の医薬品製剤には、非経口投与に適当なもの(例えば、皮下、皮内、筋 内、静脈内、関節内)、経口あるいは吸入投与が含まれる。代替的には、本発明 の医薬品製剤は、対象の粘膜に対する投与に適しているであろう(例えば、鼻腔 内投与)。その製剤は単位投与量形態で利便的に作成され、また当業者には周知 のいずれかの方法によって作成されることであろう。 本発明のベクターと方法はin vitroの発現システムで有用であり、そこでは第 二のベクター上に位置している挿入異種遺伝子がin vitroに望ましい形で産生さ れるタンパク質あるいはペプチドをコードする。 本発明のベクター、方法、医薬品製剤はさらに、治療あるいはそのほかの方法 として、所望されるタンパク質あるいはペプチドを必要とする対象にタンパク質 あるいはペプチドを投与する方法において有用である。本発明のこの実施様態で は、第二のベクター上に位置している本発明の異種遺伝子は所望されるタンパク 質あるいはペプチドをコードし、また本発明のヘルパー細胞、あるいは本発明の ヘルパー細胞を含む医薬品製剤は所望されるタンパク質あるいはペプチドを必要 とする対象に投与される。この方法では、タンパク質あるいはペプチドはしたが って対象の中でin vivoに産生されることになる。対象はタンパク質あるいは ペプチドが欠乏しているために、また対象におけるタンパク質あるいはペプチド の産生が何らかの治療上の効果を与える可能性があるので、治療あるいはそのほ かの方法として、また以下にさらに説明されているように、対象にはタンパク質 あるいはペプチドが必要とされる。 III.遺伝子転移技術 本発明の遺伝子転移技術にはいくつか用途がある。当面の用途はおそらく、ペ プチドならびにタンパク質の機能的なドメインのプロセスを解明する際に用いら れるものであろう。タンパク質については、プロセシングと細胞の運命における 細胞特異的な差異を研究する目的で、クローン化されたcDNAあるいはゲノム配列 は培養において、あるいはin vivoに異なった細胞の型に導入することができる 。コード配列を強いプロモーターの制御下に置くことによって、所望されるタン パク質のかなりの分量を作成することができる。さらに、タンパク質プロセシン グ、細胞内選別、あるいは生物学的活性に関わる特異的な残基を、コード配列の 分離した残基における突然変異的な変化によって判定することができる。 本発明の遺伝子転移技術はまた、タンパク質の発現を制御する手段、あるいは 細胞の出来事を調節するその能力を評価する手段を提供するのに適用できる。分 化における役割など、タンパク質のいくつかの機能は組織培養において研究され る可能性があり、一方、ほかのものは、該当する特性における変化を監視するた め、発育の異なった経過時間別にin vivoシステムの中に再導入する必要がある だろう。 遺伝子転移は、特異的な遺伝子の発現を調節する核酸配列と細胞因子を研究す るための手段を提供する。こうした研究に対するアプローチの一つとして、リポ ートされた遺伝子に、研究の対象である調節エレメントを融合させ、その後その リポーター遺伝子の発現を測定することが挙げられる。 遺伝子転移にはまた、疾病状態に対する治療を理解し提供する際に実質的で潜 在能力のある使用法を有している。欠損性遺伝子が分かり、クローン化された遺 伝性疾患は数多くある。いくつかの例では、クローン化されたこれら遺伝子の機 能が分かっている。一般的には、上述の疾患の状態は二つのクラスに分類される 。すなわち、一般的には劣性に遺伝する通常は酵素の欠乏状態と、優性に遺伝す る調節あるいは構造タンパク質に少なくともときには関連している不均衡状態で ある。欠乏状態の疾患については、遺伝子転移は、アンチセンス突然変異を使用 して疾患のための動物モデルを作り出すだけではなく、代償療法として、冒され た 組織の中に正常な遺伝子を運び入れるのに使用することができる。不均衡になっ ている疾患の状態については、遺伝子転移はモデルシステムの中で疾患の状態を 作り出すのに使用することができ、その後にその疾患の状態を除去する努力にお いて使用することができる。したがって、本発明の方法は遺伝性疾患の治療を可 能にするものである。ここで使用されているように、疾患の状態は、その疾患を 起こす、あるいはそれをさらに重篤にする欠乏あるいは不均衡を部分的にあるい は全体的に直すことによって治療される。突然変異を起こす、あるいは欠損を補 正するために、核酸配列の部位-特異的な組込みを使用することもまた可能であ る。 造血幹細胞、白血球、血管内皮細胞、呼吸上皮細胞、表皮細胞、骨格および心 筋細胞、神経単位、癌細胞は、ex vivoあるいはin vivoで治療目的の遺伝子転移 の標的として考えられているものである。これについては、例えば、A.D.Miller ,Nature 357,455-460(1992);R.C.Mulligan,Science 260,926-932(1993)を参照 されたい。これらの細胞やそのほかのものは、本発明のベクターならびに方法に とっては適当な標的細胞である。 要約すると、本発明のウイルスベクターは分裂あるいは非分裂細胞のいずれか を安定的にトランスフェクションして、安定的に異種遺伝子を発現させるのに使 用することができる。本ベクターシステムを使用すれば、分裂あるいは非分裂細 胞の中に、細胞生理に影響を与えることができるタンパク質をコードする遺伝子 を導入することが現在可能である。本発明のベクターはしたがって疾患状態に対 する遺伝子治療において、あるいは細胞生理を実験的に修飾することにおいて、 有用となりうる。 本発明を今まで説明してきたが、同じことが図示説明だけの目的でここに含め た一定の実施例を参照して図示説明がなされるが、それは本発明を制限すること を意図しているわけではない。 実施例1 プラスミド構築 ここで説明されているEIAVベクターの親プラスミドはプラスミドpER2.1である が、米国ノースカロライナ州ラレイ(Raleigh)市にあるノースカロライナ州立 大学のFred Fuller博士によって寛大にも提供されたものである。クローンpER2. 1構築物がS.T.Perryら、J.Virol.66,4085-4097(1992)に説明されている。pER2 .1はEIAVのマルムクイストワイオミング菌株の感染性DNAクローンをコードする 。生成されたウイルスはその野生のウマ宿主に疾病を引き起こすことはないこと が、このクローンの一つの安全性の側面を示している。また、遺伝子転移におけ る使用を考慮されているほかのレトロウイルス(例えば、マウス白血病ウイルス 、ヒト免疫不全ウイルス)から得られたベクターとは違い、野生型EIAVはヒト細 胞において活発な感染を繰り広げることはない。 EIAV gag/pol(第一の)発現ベクター。pEV53プラスミド(図2Aに図示)はウ イルス粒子形態細胞の集合と放出に必要なEIAVタンパク質を発現するように設計 されたもので、gagとpol遺伝子によってコードされているタンパク質をコードす る遺伝子、また副次的なタンパク質revとtatを包含する。その機能が分かってい ないタンパク質をコードする読み取り枠S2もまた包含された。pEV53はウイルス 遺伝子のレトロウイルスが仲介する転移を除外する突然変異を包含するように構 築された。突然変異には、ウイルスenv遺伝子での配列欠失(したがって複製能 力のあるEIAVウイルス粒子を生成する可能性は除外してある)とウイルス逆転写 と組込みに必要なゲノムの3'末端でのあるcis-作用性配列エレメントの欠失が含 まれる。欠失は包含されているので、ウイルス遺伝子が感染性粒子の中にパッケ ージされるといったありそうもない出来事があったとしても、それらは複製され ることはない(例えば、複製能力のある野生型ベクターは生成されないであろう) 。図2Bに示されているプラスミドpEV53AはpEV53 から得られたものであるが、逆転写開始用のtRNAプライマー結合部位配列だけで はなく、組込みには重要な、プロモーター/エンハンサーエレメントとcis-作用 性配列エレメントを含むすべてのEIAV長末端反復(LTR)配列が、ヌクレオチド9 02から1077までをpEV53から除去することによって、削除されたという点では、p EV53とは異なる。pEV53Aプラスミドは、EIAVタンパク質の発現レベルに影響を与 えずにウイルス遺伝子のレトロウイルスが仲介する転移の機会をさらに減少する ように作成された。 遺伝子転移(第二の)ベクター。pEC-lacZ(図3に図示)とpEC-puro(図4に 図示)プラスミドは、遺伝子転移のためのベクターとして役立つように設計され たものであり、また関心の対象である遺伝子をコードするcDNAの挿入のための複 数のクローニング部位だけではなく、ベクターゲノムの逆転写(例えば、複製) を支えるのに必要なすべてのcis-作用性配列エレメントを包含する。pEC-lacZプ ラスミドはβ-ガラクトシダーゼリポーター遺伝子lacZをコードし、一方、pEC-p uroプラスミドはピューロマイシン-N-アセチル転移酵素の優性選択可能なマーカ ー遺伝子puroをコードする。 ウイルスエンベロープ遺伝子発現(第三の)ベクター。ここで述べられている 発現システムの第三のプラスミドは、図5に示されているプラスミドpCI-VSV-G である。このプラスミドはウイルスエンベロープ遺伝子を発現させ、とくに水疱 性口内炎ウイルスG糖タンパク質遺伝子を発現させる。 実施例2 ウイルスベクターの産生と検定 EIAVベクターは、pEV53A gag-pol発現プラスミド、pCI-VSV-G env発現プラス ミド、またpEC-lacZかあるいはpEC-puro発現ベクタープラスミドのいずれかをヒ ト293細胞の培養の中に入れて標準的なリン酸カルシウム仲介コ-トランスフェク ション法に従って産生された(American Type Culture Collection、 メリーランド州ロックビル市)。トランスフェクション後48時間で、培地から細 胞を収集し、EIAVベクター産生に関して検定された。pEC-puroベクターの遺伝子 転移効率が薬剤ピューロマイシンに耐性を与えるベクターの連続希釈の能力によ って測定された。この測定では、感染細胞は細胞の薬剤耐性コロニーを生じさせ るが、その後それを数えることができる。ヒト293細胞は標的細胞として使用さ れた。6つの独立した実験から、EC-puroベクターの平均力価は2±1×105コロニ ー形成単位(cfu)/mLであると判定された。 EC-lacZベクターの遺伝子転移効率は感染ヒトCFT1ヒト気道上皮細胞をX-gal(M olecular Probes,Inc.、オレゴン州ユージーン市)、ガラクトースの類似体によ って染色することによって判定された。この測定では、β-ガラクトシダーゼ遺 伝子を発現させる細胞が青色に変わり、また数を数えることにより青色細胞のパ ーセンテージが求められた。ウイルスの力価は、染色細胞の比率に最初に感染さ せられた細胞の数を乗算することによって求められた。この方法では、EC-lacZ ウイルスの力価は約5±1×104感染力単位(n=5)/mLであると判定された。 いくつかの制御実験が、puroとlacZ遺伝子の発現がウイルス組成物によって実 際に仲介されたかどうかを判定するために行われた。最初の実験では、EC-puro とEC-lacZベクターの両方について、pEV53あるいはpEV53AとpCI-VSV-Gベクター が遺伝子転移には欠かせないことが示された。この結果は、ウイルス(と遊離DN Aではない)によって仲介された遺伝子転移および発現と一致している。lacZベ クターを使用した第二の制御実験では、細胞は2時間の感染の直後にX-galによ って染色されたが、青色の細胞は見られなかった。この結果は逆転写、組込み、 遺伝子発現の時間的経過のアスペクトと一致していたが、ほかのレトロウイルス は完了するのに最低約10時間を要することが知られている。 実施例3 非分裂細胞に対する遺伝子転移 EIAVはマクロファージや気道上皮といった非分裂、終末分化細胞を感染させる ことができる。本発明によってこの特性を検定するために、ヒトCFT1気道上皮細 胞(チャペルヒル市にあるノースカロライナ大学のJ.R.Yankaskas氏によって寛大 にも提供された)がアフィジコリン(Calbiochem-Novabiochem Corp.、カリフォ ルニア州ラジョラ市)によって細胞サイクルにおいて停止され、それからpEC-la cZベクターによって感染させた。対照として、LZベクターと、マウス白血病ウイ ルス(MuLV)から得たlacZを含有するレトロウイルスベクターとを並行して細胞 を感染させた。感染後48時間で、培養はβ-ガラクトシダーゼ活性に関してX-gal によって染色した。アフィジコリン処理培養では、アフィジコリンは感染の間と 感染後の両方で存在した。 染色細胞の顕微鏡視野が図6Aに示されている。LZベクターはアフィジコリンに よって処理されていない細胞を効率よく感染させた(左上のパネル)。しかし、細 胞が細胞サイクルにおいてアフィジコリンによって停止されたときに、遺伝子転 移効率は著明に低下した(右上のパネル)。分裂細胞と非分裂細胞への遺伝子転移 の相対効率はLZベクターに関しては、約100対1であった(図6Bに図示されている ように、棒グラフの左側対)。結果はほかの研究所での実験で得られた結果と一 致する。これについては、例えば、D.G.Millerら、Mol.Cell.Biol.10,4329-4242 (1990);P.F.LewisとM.Emerman,J.Virol.68,510-516(1994)を参照されたい。感 染時、並行培養にはブロモデオキシウリジン(BrdU)により2時間の間アフィジ コリンブロックの効果を検定するために培養の細胞に同位元素で標識された基質 が適用され、また図6Cに示したように、DNAへのBrdU組込みに関して分析が行わ れた。アフィジコリンがDNAへのBrdUの組込みを著明に減らしたことが見出され た。 LZベクターについて得られた結果とは対照的に、アフィジコリン処理はEC-lac Zベクターによって感染させたヒトCFT1細胞のパーセンテージには著明な 効果は見られなかった(図6Aの下側パネルと図6Bの棒グラフの右側対の結果を参 照されたい)。これらの結果から、EIAVベクターは非分裂細胞を効率的に感染さ せることができることが示された。例えば、図7に示されている実験では、アフ ィジコリンで処理されていなかった細胞と比較して、細胞がアフィジコリンで処 理されたときには、ウマ皮膚線維芽細胞系NBL-6は(与えられたウイスル量に関 し)約10倍容易に感染した。 実施例4 VSV-G 偽型EIAVベクターの超遠心分離 VSV-G偽型ベクターの長所の一つは、VSV-Gにより増大した安定性がもたらされ 、超遠心分離法での沈殿物収集によって感染力の濃縮が許容されることである( 例えば、J.C.Burnsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,8033-8037(1993)を参照され たい)。VSV-G偽型EIAVベクターの感染力はまた、遠心分離技術を使用して沈殿物 を収集することによって回復できることが測定された。この実験では、293細胞 (pEV53プラスミドを発現させるために安定的に修飾されている)の2-プラスミ ド(pEC-lacZ/pCI-VSV-G)コ-トランスフェクションからのEC-lacZを含んだ上清 720mLが高速遠心分離におけるウイルスの沈殿物を収集することによって濃縮さ れた。粒状沈殿物は、ウイルス粒子の2000倍の濃縮を達成するために、1×0.36m LのHankの平衡食塩溶液(HBSS,Cat.#14175,Life Technologies,Inc.、メリーラ ン下州ゲティスバーグ市)に懸濁された。感染力が測定され(感染力の投与-反応 曲線については図8を参照されたい)、またその力価が5×105から6×108へ約120 0倍に増加したことが見出された。結果的に、感染力の収率は約60%であった。 この結果により、粒状沈殿物の収集によってEIAVベクターは高い力価まで濃縮で きることが説明されている。 実施例5 パッケージング細胞系 安定したパッケージング細胞を得るために、標準カルシウムトランフェクショ ン手順を使用してヒト胎芽性腎細胞系293がpEV53によってトランスフェクション された。細胞はG418(ジェネティシン)(Life Technologies,Inc.、米国メリー ランド州ゲティスバーグ市)を使用してネオマイシンの発現のために選択された 。個々のコロニーが選択されて、拡張され、またpEC-puroとpCI-VSV-Gによって トランスフェクションした後、ウイルス産生に関して検定が行われた。最大のベ クター産生を示したクローンパッケージング細胞系は長期間の貯蔵のために凍結 していたか、あるいはパッケージング機能の永続性の分析のために培養の中に保 持されていたかのいずれかであった。パッケージング機能は少なくとも1ヵ月間 は安定していたことが分かり、本発明は安定したEIAVをベースとしたパッケージ ング細胞系の作成において有用かつ成功したことを示した。 本発明はそれについての特定の実施様態と関連して説明されてきたが、本発明 にはさらなる修飾が可能であり、また本出願は、一般的に本発明の原則に従い、 また本発明が伝える当業界内で公知の、あるいは慣習的な行為内に収まるような 、本開示からのそうした試みを含む発明のあらゆる変化、使用法、あるいは適応 をカバーすることを意図しており、また添付の請求範囲に述べられている重要な 特徴に対して適用されるものと考えられる。
【手続補正書】 【提出日】平成12年8月2日(2000.8.2) 【補正内容】 (1)明細書第4頁第12行に「レンチウイルス菌株」とあるのを、「レンチウ イルス株」と補正する。 (2)明細書第18頁第4行に「レンチウイルス菌株」とあるのを、「レンチウ イルス株」と補正する。 (3)明細書第18頁第5行に「ウイルス菌株」とあるのを、「ウイルス株」と 補正する。 (4)明細書第18頁第8行に「菌株溶液」とあるのを、「ウイルス株溶液」と 補正する。 (5)明細書第19頁第14行に「ウイルス菌株」とあるのを、「ウイルス株」 と補正する。 (6)明細書23頁第7行に「マルムクイストワイオミング菌株」とあるのを、 「マルムクイストワイオミング株」と補正する。 (7)請求の範囲を別紙のように補正する。 請求の範囲 1.(a)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸 配列を含んでなる第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコードす る少なくとも一つの遺伝子において、少なくとも一つの欠損を含み、(ii)欠損 性パッケージングシグナルを含む第一のベクターと、 (b)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列を含んでなる第二のベクター であって、(i)応答能のあるパッケージングシグナルを含み、(ii)異種遺伝子が 挿入されうる複数のクローニング部位を含む第二のベクターと、 (c)ウイルスの核酸配列を含んでなる第三のベクターであって、(i)ウイル スエンベロープタンパク質を発現し、(ii)欠損性パッケージングシグナルを含 む第三のベクターと を含む組換えレンチウイルスベクター発現システム。 2.前記第二のベクターが、少なくとも一つのEIAV構造タンパク質の発現に関 して欠陥している請求項1に記載のベクターシステム。 3.前記第一のベクター、前記第二のベクター、及び前記第三のベクターが、 EIAVゲノムの少なくとも一部分のcDNAクローンである請求項1に記載のベクター システム。 4.前記第一のベクターが、gag-pol発現ベクターであり、env遺伝子に欠損を 含んでいる請求項1に記載のベクター発現システム。 5.env遺伝子における前記欠損が、欠失突然変異である請求項4に記載のベ クター発現システム。 6.前記第一のベクターと前記第二のベクターが、それぞれenv遺伝子に欠損 を含んでいる請求項1に記載のベクター発現システム。 7.前記第三のベクターが、EIAVエンベロープタンパク質ではないエンベロー プタンパク質をコードする請求項1に記載のベクター発現システム。 8.前記第三のベクターが、水疱性口内炎ウイルスG糖タンパク質を発現する 請求項1に記載のベクター発現システム。 9.前記第二のベクターが、異種遺伝子を含んでいる請求項1に記載のベク ター発現システム。 10.前記異種遺伝子が、抗原タンパク質又はペプチドをコードする請求項9 に記載のベクター発現システム。 11.前記第一のベクターがプラスミドpEV53とプラスミドpEV53Aとから成る グループから選択され、前記第二のベクターがpEC-lacZとpEC-puroから成るグル ープから選択され、前記第三のベクターがプラスミドpCI-VSV-Gである請求項1 に記載のベクター発現システム。 12.pEV53として図2Aに示されたプラスミド。 13.pEV53Aとして図2Bに示されたプラスミド。 14.pEC lacZとして図3に示されたプラスミド。 15.pEC-puroとして図4に示されたプラスミド。 16.pCI-VSV-Gとして図5に示されたプラスミド。 17.(a)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核 酸配列を含んでなる第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコード する少なくとも一つの遺伝子において少なくとも一つの欠損を含み、(ii)欠損 性パッケージングシグナルを含む第一のベクターと、 (b)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列を含んでなる第二のベクター であって、(i)応答能のあるパッケージングシグナルを含み、(ii)異種遺伝子 が挿入されうる複数のクローニング部位を含む第二のベクターと、 (c)ウイルスの核酸配列を含んでなる第三のベクターであって、(i)ウイル スエンベロープタンパク質を発現し、(ii)欠損性パッケージングシグナルを含む 第三のベクターと によって細胞をトランスフェクションすることを含む複製欠損性レンチウイルス 粒子を産生する方法。 18.前記細胞が、非分裂細胞である請求項17に記載の方法。 19.前記第二のベクターが、異種遺伝子を含む請求項17に記載の方法。 20.請求項17の方法により産生される複製欠損性レンチウイルス粒子。 21.プロモーターと異種遺伝子配列とをコードするEIAV核酸配列を含む感染 性EIAV粒子であって、該ウイルス粒子が複製欠損性となるように、前記 核酸配列が、少なくとも一つのEIAV構造タンパク質のコードにおいて欠損を有す る感染性EIAV粒子。 22.前記レンチウイルス粒子が、請求項17の方法により産生される複製欠 損性レンチウイルス粒子を含む細胞。 23.(a)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核 酸配列を含んでなる第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコード する少なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含み、(ii)欠損性パッケ ージングシグナルを含む第一のベクターと、 (b)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列を含んでなる第二のベクター であって、(i)応答能のあるパッケージングシグナルを含み、(ii)異種遺伝子が 挿入されうる複数のクローニング部位を含む第二のベクターと、 (c)ウイルスの核酸配列を含んでなる第三のベクターであって、(i)ウイル スエンベロープタンパク質を発現し、(ii)欠損性パッケージングシグナルを含む 第三のベクターと によって、標的細胞をトランスフェクションすることを含む標的細胞に異種遺伝 子をデリバリーする方法。 24.前記標的細胞が、非分裂細胞である請求項23に記載の方法。 25.(a)(i)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分 の核酸配列を含んでなる第一のベクターであって、(1)EIAV構造タンパク質を コードする少なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含み、(2)欠損 性パッケージングシグナルを含む第一のベクターと、 (ii)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列を含んでなる第二のベクターで あって、(1)応答能のあるパッケージングシグナルを含み、(2)異種遺伝子を 含む第二のベクターと、 (iii)ウイルスの核酸配列を含んでなる第三のベクターであり、(1)ウイルス エンベロープタンパク質を発現し、(2)欠損性パッケージングシグナルを含む 第三のベクターと によって、レンチウイルス許容プロデュサー細胞をトランスフェクションするス テップと、 (b)該プロデューサー細胞において複製欠損性レンチウイルス粒子の産生を 許容するのに十分な細胞培養条件下で前記プロデューサー細胞を増殖させるステ ップと、 (c)該プロデューサー細胞から複製欠損性レンチウイルス粒子を収集するス テップと を含むレンチウイルス株を産生する方法。 26.前記プロデューサー細胞を細胞培養培地で増殖させ、また前記複製欠損 性レンチウイルス粒子が該培地から収集される請求項25に記載の方法。 27.請求項25のステップ(c)により収集される複製欠損性レンチウイル ス粒子によって標的細胞を感染させることを含む標的細胞に異種遺伝子をデリバ リーする方法。 28.前記標的細胞が、非分裂細胞である請求項27に記載の方法。 29.前記標的細胞が、ヒト気道上皮細胞である請求項27に記載の方法。 30.請求項20又は21に記載の複製欠損性レンチウイルス粒子によって標 的細胞を感染させることを含む標的細胞に異種遺伝子をデリバリーする方法。 31.薬理学的に受容可能なキャリヤーの中に請求項20又は21に記載され る複製欠損性レンチウイルス粒子を含んでなる医薬製剤。 32.ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列 を含んでなるベクターであって、欠損性パッケージングシグナルを含むベクター によってレンチウイルス許容細胞をトランスフェクションすることを含むパッケ ージング細胞を作成する方法。 33.前記ベクターが、gag-pol発現ベクターである請求項32に記載の方法 。 34.前記ベクターが、プラスミドpEV53とプラスミドpEV53Aとから成るグル ープから選択される請求項32に記載の方法。 35.前記レンチウイルス許容細胞が、ヒト293細胞である請求項32に記載 の方法。 36.少なくとも一つのEIAV構造タンパク質をコードするEIAV核酸配列を含む レンチウイルス許容宿主細胞を含んでなるパッケージング細胞であって、 前記核酸配列がパッケージシグナル欠損性であり、そのため、細胞自体は少なく とも一つのEIAV構造タンパク質を産生することはできるが、複製能力のある感染 性ウイルスを産生することはできないパッケージング細胞。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配 列から成る第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコードする少 なくとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含み、また(ii)欠損性パッケ ージングシグナルを含む第一のベクターと、 (b)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第二のベクターであっ て、(i)応答能のあるパッケージングシグナルを含み、また(ii)異種遺伝 子が挿入されることになるであろう複数のクローニング部位を含む第二のベク ターと、 (c)ウイルスの核酸配列から成る第三のベクターであって、 (i)ウイルスエンベロープタンパク質を発現させ、また(ii)欠損性パッケー ジングシグナルを含む第三のベクターとを含む組換えレンチウイルスベクター発 現システム。 2. 前記第二のベクターは少なくとも一つのEIAV構造タンパク質の発現に関 して欠陥がある請求項1に記載のベクターシステム。 3. 前記第一のベクター、前記第二のベクター、前記第三のベクターがEIAV ゲノムの少なくとも一部分のcDNAクローンである請求項1に記載のベクターシス テム。 4. 前記第一のベクターがgag-pol発現ベクターであり、また該ベクターがen v遺伝子に欠損を含んでいる請求項1に記載のベクター発現システム。 5. env遺伝子にある前記欠損が欠失突然変異である請求項4に記載のベクタ ー発現システム。 6. 前記第一のベクターと前記第二のベクターがそれぞれenv遺伝子に欠損を 含んでいる請求項1に記載のベクター発現システム。 7. 前記第三のベクターがEIAVエンベロープタンパク質ではないエンベロ ープタンパク質をコードする請求項1に記載のベクター発現システム。 8. 前記第三のベクターが水疱性口内炎ウイルスG糖タンパク質を発現させ る請求項1に記載のベクター発現システム。 9. 前記第二のベクターが異種遺伝子を含んでいる請求項1に記載のベクタ ー発現システム。 10. 前記異種遺伝子が抗原タンパク質あるいはペプチドをコードする請求項 9に記載のベクター発現システム。 11. 前記第一のベクターがプラスミドpEV53とプラスミドpEV53Aから成るグ ループから選択され、前記第二のベクターがpEC-lacZとpEC-puroから成るグルー プから選択され、前記第三のベクターがプラスミドpCI-VSV-Gである請求項1に 記載のベクター発現システム。 12. pEV53として図2Aに説明されているプラスミド。 13. pEV53Aとして図2Bに説明されているプラスミド。 14. pEC lacZとして図2に説明されているプラスミド。 15. pEC-puroとして図3に説明されているプラスミド。 16. pCI-VSV-Gとして図4に説明されているプラスミド。 17. ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列 から成る第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコードする少な くとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含んでおり、また(ii)欠損性パ ッケージングシグナルを含んでいる第一のベクターと、 (a)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第二のベクターであっ て、(i)応答能のあるパッケージングシグナルを含んでいて、また(ii) 異種遺伝子が挿入されることになるであろう複数のクローニング部位を含ん でいる第二のベクターと、 (b)ウイルスの核酸配列から成る第三のベクターであって、(i)ウイルスエ ン ベロープタンパク質を発現させ、また(ii)欠損性パッケージングシグナル を含んでいる第三のベクターとによって細胞をトランスフェクションするこ とを含む複製-欠損性レンチウイルス粒子を産生する方法。 18. 前記細胞は非分裂細胞である請求項17に記載の方法。 19. 前記第二のベクターが異種遺伝子を含んでいる請求項17に記載の方法。 20. 請求項17の方法により産生される複製-欠損性レンチウイルス粒子。 21. プロモーターと異種遺伝子配列をコードするEIAV核酸配列を含む感染性 EIAV粒子であって、該ウイルス粒子が複製欠損性となるように、少なくとも一つ のEIAV構造タンパク質をコードする際に前記核酸配列が欠損性となる感染性EIAV 粒子。 22. 前記レンチウイルス粒子が請求項17の方法により産生される複製-欠損 性レンチウイルス粒子を含む細胞。 23. ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列 から成る第一のベクターであって、(i)EIAV構造タンパク質をコードする少な くとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含んでいて、また(ii)欠損性パ ッケージングシグナルを含んでいる第一のベクターと、 (a) EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第二のベクター であって、 (i)応答能のあるパッケージングシグナルを含んでいて、また(ii)異種遺伝 子が挿入されることになるであろう複数のクローニング部位を含んでいる第二の ベクターと、 (b) ウイルスの核酸配列から成る第三のベクターであって、 (i)ウイルスエンベロープタンパク質を発現させ、また(ii)欠損性パッケー ジングシグナルを含んでいる第三のベクターとによって、 前記標的細胞をトランスフェクションすることを含む標的細胞に異種遺伝子をデ リバリーする方法。 24. 前記標的細胞が非分裂細胞である請求項23に記載の方法。 25. (a)レンチウイルス-許容プロデューサー細胞をトランスフェクショ ンするステップであり、 (i)ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列 から成る第一のベクターであり、(1)EIAV構造タンパク質をコードする少な くとも一つの遺伝子に少なくとも一つの欠損を含んでいて、また(2)欠損性 パッケージングシグナルを含んでいる第一のベクターと、 (ii)EIAVゲノムの少なくとも一部分の核酸配列から成る第二のベクターであ り、(1)応答能のあるパッケージングシグナルを含んでいて、(2)異種遺伝 子を含んでいる第二のベクターと、 (iii)ウイルスの核酸配列から成る第三のベクターであり、(1)ウイルスエ ンベロープタンパク質を含んでいて、また(2)欠損性パッケージングシグナ ルを含んでいる第三のベクターとによって、レンチウイルス-許容プロデュー サー細胞をトランスフェクションするステップと、 (b)該細胞において複製-欠損性レンチウイルス粒子の産生を許容するのに十 分な細胞培養条件下で前記プロデューサー細胞を成長させるステップと、 (c)該プロデューサー細胞から複製-欠損性レンチウイルス粒子を収集するス テップとを含むレンチウイルス菌株を産生する方法。 26. 前記プロデューサー細胞を細胞培地で成長させ、また前記複製-欠損性 レンチウイルス粒子が該培地から収集される請求項25に記載の方法。 27. 請求項25のステップ(c)により収集される複製-欠損性レンチウイルス 粒子によって前記標的細胞を感染させることから成る標的細胞に異種遺伝子をデ リバリーする方法。 28. 前記標的細胞が非分裂細胞である請求項27に記載の方法。 29. 前記標的細胞がヒト気道上皮細胞である請求項27に記載の方法。 30. 請求項20ないしは21のいずれかに記載の複製-欠損性レンチウイルス粒 子によって該標的細胞を感染させることを含む標的細胞に異種遺伝子をデリバリ ーする方法。 31. 医薬品として受け入れ可能なキャリヤーの中に入っている請求項20ない しは請求項21のいずれかに記載されている複製-欠損性レンチウイルス粒子から 成る医薬品製剤。 32. ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ゲノムの少なくとも一部分の核酸配列 から成るベクターによってレンチウイルス-許容細胞をトランスフェクションす ることから構成されていて、該ベクターが欠損性パッケージングシグナルを含ん でいるパッケージング細胞を作成する方法。 33. 前記ベクターがgag-pol発現ベクターである請求項32に記載の方法。 34. 前記ベクターがブラスミドpEV53とプラスミドpEV53Aから成るグループ から選択される請求項32に記載の方法。 35. 前記レンチウイルス-許容細胞がヒト293細胞である請求項32に記載の方 法。 36. 少なくとも一つのEIAV構造タンパク質をコードするEIAV核酸配列を含ん でいるレンチウイルス-許容宿主細胞から成るパッケージ細胞であって、前記核 酸配列がパッケージ-シグナル欠損性であり、そのため、細胞自体は少なくとも 一つのEIAV構造タンパク質を産生することはできるが、複製能力のある感染性ウ イルスを産生することはできないパッケージ細胞。
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