JP2002506862A - スルフィニル誘導体を過ホウ酸塩での相応するチオ誘導体の酸化により製造する化学的方法 - Google Patents

スルフィニル誘導体を過ホウ酸塩での相応するチオ誘導体の酸化により製造する化学的方法

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JP2002506862A JP2000536710A JP2000536710A JP2002506862A JP 2002506862 A JP2002506862 A JP 2002506862A JP 2000536710 A JP2000536710 A JP 2000536710A JP 2000536710 A JP2000536710 A JP 2000536710A JP 2002506862 A JP2002506862 A JP 2002506862A
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パトリック ブレナン ジェイムズ
ティモシー ターナー アンドリュー
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Abstract

(57)【要約】 式(I) 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれa)(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)またはb)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H;R4=H)またはc)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4=OCHF2)]で示される化合物および薬剤学的に認容性の塩の製造法において、式(II) 【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれa)(R1=CH3、R2=OCH3、R3=CH3、R4=OCH3)またはb)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H;R4=H)またはc)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4=OCHF2)]で示される化合物と過ホウ酸塩とを、液体希釈剤中で7.5〜14の範囲のpHで0℃ないし使用される液体希釈剤の沸点の範囲の温度で反応させることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、置換2−(2−ピリジルメチル)スルフィニル−1H−ベンズイミ
ダゾール、殊にオメプラゾール、ランソプラゾールおよびパントプラゾールを、
相応する置換2−(2−ピリジルメチルチオ)−1H−ベンズイミダゾールを酸
化させることにより製造するための改善された方法に関する。
【0002】 式Aの、十二指腸潰瘍の処置に有用である複数のプロトンポンプ阻害剤は公知
である。これらは、欧州特許第5129号明細書に記載されているオメプラゾー
ル(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)、欧州特許第17
4726号明細書に記載されているランソプラゾール(R1=CH3;R2=OC H2CF3;R3=H;R4=H)および欧州特許第166287号明細書に記載さ
れているパントプラゾール(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4
OCHF2)を含む。
【0003】
【化5】
【0004】 相応する2−(2−ピリジルメチルチオ)−1H−ベンズイミダゾールを酸化
させることにより、そのような化合物を製造する多数の方法が記載されてきた。
使用される酸化剤の例は、3−クロロペルオキシ安息香酸(国際特許出願公表第
91/18895号、欧州特許第533752号、米国特許第5386032号
、スペイン国特許第43816号および欧州特許第484265号明細書)、モ
ノペルオキシフタル酸マグネシウム(欧州特許第533264号および米国特許
第5391752号明細書)、モリブデン酸アンモニウム(欧州特許第4842
65号明細書)、ヨードソベンゼン(スペイン国特許第539793号明細書)
、メチルヨードソベンゼン(スペイン国特許第540147号明細書)、過ヨウ
素酸ナトリウム(スペイン国特許第550070号明細書)および酸化バナジウ
ム(欧州特許第302720号明細書)である。
【0005】 しかしながら、確実であり、環境に被害を与えることなく簡単に処理される廃
棄物流を生じさせ、かつ安定な最終生成物を生じさせる、2−(2−ピリジルメ
チルチオ)−1H−ベンズイミダゾールを酸化させるための安価でかつ効率的な
方法を相変わらず必要としている。
【0006】 本発明は、式I
【0007】
【化6】
【0008】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれ a)(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)または b)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H:R4=H)または c)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4=OCHF2)] で示される化合物およびその薬剤学的に認容性の塩を製造する方法を提供し、前
記方法は、式II
【0009】
【化7】
【0010】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれ a)(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)または b)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H;R4=H)または c)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4=OCHF2)]で示さ れる化合物と過ホウ酸塩とを、液体希釈剤中で、7.5〜14の範囲内のpHで
、0℃ないし使用される液体希釈剤の沸点の範囲内の温度で反応させることを特
徴とする。
【0011】 好適には、過ホウ酸塩は、過ホウ酸の金属塩または過ホウ酸のアンモニウム塩
である。過ホウ酸塩は、無水であってもよいし、または水和されていてもよい。
有利に過ホウ酸塩は、過ホウ酸カリウムまたは過ホウ酸ナトリウムである。より
有利に過ホウ酸塩は、過ホウ酸ナトリウムである。最も有利に過ホウ酸塩は、過
ホウ酸ナトリウム一水和物または過ホウ酸ナトリウム四水和物である。
【0012】 好適には、作業において使用される過ホウ酸塩の量は、作業において使用され
る式IIの化合物1モル当たり0.8〜3モルの範囲内にある。
【0013】 有利に、使用される過ホウ酸塩の量は、作業において使用される式IIの化合
物1モル当たり0.95〜2.0モルの範囲内にある。より有利に、使用される
過ホウ酸塩の量は、作業において使用される式IIの化合物1モル当たり1.0
〜1.9モル、例えば式IIの化合物1モル当たり1.1〜1.5モルの範囲内
にある。最も有利に、使用される過ホウ酸塩の量は、作業において使用される式
IIの化合物1モル当たり1.4〜1.8モルの範囲内にある。
【0014】 液体希釈剤の目的は、所望の温度で、式IIの化合物と過ホウ酸塩との接触を
可能にすることにある。反応物に対して不活性であり、この目的が達成される任
意の液体希釈剤を使用することができる。
【0015】 有利に、液体希釈剤は、水、C1〜C4アルコール、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、アセトン、C2〜C6ジオール、C3〜C6トリオール、酢酸エチルまたはそ
の混合物から選択される。より有利に液体希釈剤は、水/アルコール混合物、例
えば水/メタノール混合物または水/エタノール混合物である。最も有利に希釈
剤は、場合によりトルエンを含んでいてよい水/メタノール混合物である。
【0016】 有利に、作業は、8.5〜12の範囲内のpHで実施される。より有利には1
0〜12である。最も有利に、作業は、10〜11の範囲内のpHで実施される
【0017】 好適には、作業のpHは、塩基、例えばアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金
属の炭酸塩、アルカリ金属の重炭酸塩またはアミン、例えばアンモニアまたは有
機アミンまたはその混合物を添加することにより制御される。有利に塩基は水酸
化ナトリウムである。
【0018】 当業者には、反応が高いpHで実施される場合には、所望の生成物の塩が得ら
れうることは認識されるであろう。反応混合物のpHを、例えば酸または有利に
、より少なく塩基性の塩基(a less basic base)の添加により低下させることは 、遊離ヘテロ環式化合物としての式Iの化合物の単離を可能にする。
【0019】 有利に、作業は、0〜150℃の範囲内、より有利に15〜115℃の範囲内
の温度で実施される。最も有利には、作業は、40〜55℃の範囲内の温度、殊
に45〜50℃の範囲内の温度で実施される。
【0020】 本発明の方法は、以前の記載された酸化方法に対して幾つかの利点を有する。
使用される反応物は、安価であり、有害ではなく、かつ環境に優しく、例えば、
過ホウ酸ナトリウムは、家庭用粉末洗剤、マウスウォッシュおよびコンタクトレ
ンズ用の洗浄液に使用されている。過ホウ酸ナトリウムは、例外的に貯蔵安定性
を有し、かつ衝撃に敏感ではない。本方法は、良好な収量再現性を示し、他の酸
化方法の生成物、殊に酸性条件で実施されたものよりも化学的により安定である
高純度の生成物を提供する。その上、環境に優しい液体希釈剤を使用することが
できる。
【0021】 本発明の方法は、先行技術の方法に対して2つの別の利点を有する。第一に、
この処理段階は、前の処理段階と組み合わせることができ、ひいては式IIの化
合物の単離を防止する。このことは、改善された加工時間によって本方法におけ
る費用減少をもたらす。第二に、比較実験において過ホウ酸ナトリウムは、以前
から公知の酸化剤、例えば3−クロロペルオキシ安息香酸よりも、過剰酸化から
生じる不純物、例えばスルホン、またはN−オキシド、またはスルホンN−オキ
シドの形成を与えるのが少ないように思われる。
【0022】 所望の生成物を反応混合物から単離することができ、かつ常用の手段、例えば
抽出および再結晶または濾過、引き続き場合により再結晶により、精製すること
ができる。
【0023】 本発明の好ましい方法において、水およびメタノールの混合物中で、8.5〜
10の範囲内のpHで、15〜115℃の範囲内の温度で、式IIaの化合物を
過ホウ酸ナトリウムと反応させて式Iaの化合物(オメプラゾール)を得る。
【0024】 本発明のより好ましい方法において、式IIの化合物を、式III
【0025】
【化8】
【0026】 [式中、R4は上記で定義されたものを表す]で示される化合物またはその塩と 式IV
【0027】
【化9】
【0028】 [式中、R1、R2およびR3は上記で定義されたものを表す]で示される化合物 またはその塩とを、第二の液体希釈剤中で、7.5〜14の範囲内のpHで、0
℃ないし使用される第二の液体希釈剤の沸点の範囲内の温度で反応させることに
より製造し、ついで単離せずに過ホウ酸塩と反応させる。
【0029】 第二の液体希釈剤の目的は、所望の温度で、式IIIの化合物と式IVの化合
物との接触を可能にすることである。反応物に対して不活性であり、この目的が
達成される任意の液体希釈剤を使用することができる。有利に、IIIとIVと
の反応は、10〜100℃の範囲内の温度、有利に20〜80℃の範囲内の温度
で、より有利に40〜60℃の範囲内の温度で実施される。
【0030】 有利に、第二の液体希釈剤は、水、C1〜C4アルコール、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、アセトン、C2〜C6ジオール、C3〜C6トリオール、酢酸エチルま
たはその混合物から選択される。より有利に、第二の液体希釈剤は、水/アルコ
ール混合物、例えば水/メタノール混合物または水/エタノール混合物である。
最も有利に、希釈剤は、場合によりトルエンを含んでいてよい水/メタノール混
合物である。殊に有利に、第二の液体希釈剤は、第一の液体希釈剤と同じもので
ある。これは更なる処理、例えば希釈剤の交換を回避する。
【0031】 好ましい実施態様において、式IIIの化合物は、最初に、遊離チオールとし
て存在し、作業を塩基の存在下に実施する。有利に、塩基はアルカリ金属の水酸
化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。より有利に、塩基
は水酸化ナトリウムである。
【0032】 好ましい実施態様において、式IVの化合物は、塩として存在し、かつ十分な
塩基を作業において使用して式IVの化合物の塩を中和し、かつ式IIIの化合
物の塩を形成させる。有利に、式IVの化合物の塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、酢
酸塩、硝酸塩または硫酸の塩もしくはリン酸の塩である。最も有利に、塩は塩酸
塩である。
【0033】 有利に使用される塩基の量は、式IIIの化合物1モル当たり2.0〜5.0
モルの範囲内にある。より有利に、使用される塩基の量は式IIIの化合物1モ
ル当たり3〜4モルの範囲内にある。
【0034】 本方法の好ましい実施態様において、精製溶剤を酸化反応の最後に添加する。
精製溶剤は、得られた生成物が濾過時にどちらかと言えば必要とされるであろう
再結晶を殆ど必要としない程度に、一定の不純物を粗製反応生成物から、これら
前記不純物の溶解により除去することが見出された。このことは、本方法におい
て、時間およびエネルギー、ひいては費用の節約を提供する。また、精製溶剤は
、生成物の物理的性質を変化させることにより濾過処理を助けるので、これをよ
り簡単に濾過することができる。有利に精製溶剤は、液体希釈剤に不混和性であ
る。
【0035】 好ましい精製溶剤は、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素を含む炭化水素、
およびエーテル、殊にアルキル基が同じかまたは異なったジ(C1〜C6アルキル
)エーテル、およびエステル、例えば酢酸エチルならびにその混合物である。よ
り有利に精製溶剤は、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ヘ
キサン、ヘプタンまたはトルエンおよびその混合物である。最も有利に精製溶剤
は、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたはヘキサンおよび
その混合物である。殊に有利に精製溶剤は、t−ブチルメチルエーテルまたはジ
イソプロピルエーテルである。
【0036】 本発明は、一例として与えられているに過ぎない次の例により説明される。そ
れぞれ、これらの例の最終生成物を、次の方法1つまたはそれ以上により特性決
定した:高性能液体クロマトグラフィー;元素分析法、核磁気共鳴スペクトル分
析法、赤外スペクトル分析法および高分解能マススペクトル分析法。例において
使用された式II、IIIおよびIVの化合物は、商業的に入手可能であったか
、または参考により本明細書中に取り入れられる欧州特許第5129号、同第1
74726号または同第166287号明細書に与えられている方法より製造し
た。
【0037】 例1 水酸化ナトリウムペレット(0.32g)、過ホウ酸ナトリウム四水和物(1
.43g)および水(35ml)の溶液を、溶液が得られるまで、混合成分を撹
拌し、かつ加熱することにより製造し、ついで還流下に沸騰させたメタノール(
20ml)およびトルエン(2ml)中の5−メトキシ−2−{[(4−メトキ
シ−3,5−ジメチル−ピリジン−2−イル)メチル]チオ}−1H−ベンズイ
ミダゾール(2.0g)の溶液に2.5時間かけて撹拌しながら滴加した。メタ
ノールを減圧下に除去し、残留物を50℃に冷却し、ついで飽和重炭酸ナトリウ
ム溶液(20ml)に添加した。混合物をジクロロメタン(2×10ml)で抽
出し、組み合わせた抽出液を乾燥させ、濾過し、蒸発させて5−メトキシ−2−
{[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−ピリジン−2−イル)メチル]スルフ
ィニル}−1H−ベンズイミダゾール(1.60g)を得た。収率86.5%。
【0038】 例2 溶液を、撹拌しかつ加熱しながら水酸化ナトリウムペレット(17.7g)お
よび過ホウ酸ナトリウム四水和物(68.3g)を水(1085ml)中に溶解
させることにより製造し、ついでこの溶液を、混合物を還流下に沸騰させている
間にメタノール(834ml)中の5−メトキシ−2−{[(4−メトキシ−3
,5−ジメチル−ピリジン−2−イル)メチル]チオ}−1H−ベンズイミダゾ
ール(83.4g)の溶液に滴加した。メタノールを減圧下に除去し、残留物を
50℃に冷却し、ついで飽和重炭酸ナトリウム水溶液(830ml)に添加した
。混合物を30℃に冷却し、ジクロロメタン(2×400ml)で抽出した。組
み合わせたジクロロメタン抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、かつ
蒸発させて5−メトキシ−2−{[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−ピリジ
ン−2−イル)メチル]スルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(74.0
g、収率84.6%)を得た。この材料を酢酸エチル(222ml)中で1時間
撹拌し、ついで濾過した。残留物を酢酸エチル(2×25ml)で洗浄し、かつ
乾燥させて、HPLCによる純度96.7%である生成物を得た。
【0039】 例3 水(65.0ml)中の水酸化ナトリウム(1.0g)および過ホウ酸ナトリ
ウム四水和物(3.8g)の溶液を、加熱しかつ撹拌することにより製造した。
ついで、この溶液を、撹拌しながら還流下に2時間にわたり沸騰させていたメタ
ノール(50.0ml)中の2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)ピリド−2−イルメチルチオ]−1H−ベンズイミダゾール(5.
0g)の溶液に滴加した。混合物を撹拌し、更に15分間沸騰させ、ついでメタ
ノールおよび水を減圧下に除去して残留物を得、これを50℃に冷却し、かつ飽
和重炭酸ナトリウム溶液(50.0ml)に添加した。この混合物を30℃に冷
却し、ついでジクロロメタン(2×25ml)で抽出した。組み合わせた抽出液
を乾燥させ、濾過し、かつ蒸発させて2−[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニルメチルスルフィニル]−1H−ベンズイ
ミダゾール(4.8g、収率92.3%)を得た。この物質の純度は、HPLC
により90.3%であった。この固体を酢酸エチル(14.4ml)で1時間撹
拌し、ついで固体を濾過により捕集し、酢酸エチルで洗浄し、かつ乾燥させてH
PLCによる純度91.4%であった物質を得た。
【0040】 例4 水(638.3g)中の水酸化ナトリウム(9.8g)および過ホウ酸ナトリ
ウム四水和物(37.3g)の溶液を、加熱しかつ撹拌することにより製造した
。ついで、この溶液を、撹拌しながら還流下に沸騰させていたメタノール(49
1.0ml)中の2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
)ピリド−2−イルメチルチオ]−1H−ベンズイミダゾール(49.1g)の
溶液に2.5時間かけて滴加した。混合物を撹拌し、更に15分間沸騰させ、つ
いでメタノールおよび水を減圧下に除去して残留物を得、これを50℃に冷却し
、かつ飽和重炭酸ナトリウム溶液(491ml)に添加した。この混合物を30
℃に冷却し、ついでジクロロメタン(2×245.5ml)で抽出した。組み合
わせた抽出液を乾燥させ、濾過し、かつ蒸発させて2−[3−メチル−4−(2
,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニルメチルスルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾールを定量的収量で得た。
【0041】 例5 例1と同様の方法で、5−(ジフルオロメトキシ)−2−[(3,4−ジメト
キシ−2−ピリジニル)メチルチオ]−1H−ベンズイミダゾールを、過ホウ酸
ナトリウムと反応させて5−(ジフルオロメトキシ)−2−[(3,4−ジメト
キシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールを得
た。
【0042】 例6 5−メトキシ−2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾール(198.8g)
、メタノール(380ml)および水(760ml)の混合物を撹拌し、その間
に水酸化ナトリウム溶液(215ml、46〜48%w/w)を5分間かけて添
加した。混合物を45〜50℃で撹拌し、水(1136ml)中の2−クロロメ
チル−4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン塩酸塩(245g)の溶液を1
時間かけて添加した。混合物を45〜50℃で2時間撹拌し、ついで過ホウ酸ナ
トリウム四水和物(202.4g)を添加した。混合物を45〜50℃で18時
間撹拌した。更に過ホウ酸ナトリウム四水和物(16g)を添加し、混合物を更
に4時間撹拌した。混合物を30〜35℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム(22
1.9g)、ついで水(763.4ml)およびt−ブチルメチルエーテル(7
63.4ml)を添加した。混合物を2時間激しく撹拌し、ついで濾過して生成
物を得、これをt−ブチルメチルエーテル(500ml)で洗浄し、ついで真空
下に45〜50℃で21時間乾燥させて5−メトキシ−2−{[(4−メトキシ
−3,5−ジメチル−ピリジン−2−イル)メチル]スルフィニル}−1H−ベ
ンズイミダゾール(293.4g、収率77%、HPLCによる純度98.3%
)を得た。
【0043】 例7 5−メトキシ−2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾール(4.3g)、メ
タノール(8.4ml)および水(16.7ml)の混合物を撹拌し、その間に
水酸化ナトリウム溶液(4.7ml、46〜48%w/w)を5分間かけて添加
した。混合物を45〜50℃で撹拌し、水(25ml)中の2−クロロメチル−
4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン塩酸塩(5.3g)の溶液を45〜5
0℃で35分間かけて添加した。混合物を45〜50℃で1.75時間撹拌し、
ついで過ホウ酸ナトリウム四水和物(4.5g)を添加した。混合物を45〜5
0℃で20時間撹拌した。更に、過ホウ酸ナトリウム四水和物(0.35g)を
添加し、かつ混合物を45〜50℃で更に3時間撹拌した。過ホウ酸ナトリウム
四水和物(0.35g)の最終的なバッチを添加し、かつ混合物を45〜50℃
で更に2時間撹拌した。混合物を35℃に冷却し、かつ炭酸水素ナトリウム(4
.9g)、引き続き水(16.7ml)およびジイソプロピルエーテル(16.
2ml)を添加した。混合物を急速に20〜25℃で1.5時間撹拌した。混合
物を濾過して生成物を得、これを水で洗浄し、かつ真空下に45〜50℃で乾燥
させて5−メトキシ−2−{[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−ピリジン−
2−イル)メチル]スルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(6.5g、収
率78.9%、HPLCによる純度95.5%)を得た。
【0044】 例8 5−メトキシ−2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾール(4.3g)、メ
タノール(8.4ml)および水(16.7ml)の混合物を撹拌し、その間に
水酸化ナトリウム溶液(4.7ml、46〜48%w/w)を5分間かけて添加
した。混合物を45〜50℃で撹拌し、水(25ml)中の2−クロロメチル−
4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジン塩酸塩(5.3g)の溶液を45〜5
0℃で35分間かけて添加した。混合物を45〜50℃で1.75時間撹拌し、
ついで過ホウ酸ナトリウム四水和物(4.5g)を添加した。混合物を45〜5
0℃で20時間撹拌した。更に過ホウ酸ナトリウム四水和物(0.35g)を添
加し、かつ混合物を45〜50℃で更に3時間撹拌した。混合物を35℃に冷却
し、かつ炭酸水素ナトリウム(4.9g)、ついで水(16.7ml)およびヘ
キサン(16.7ml)を添加した。混合物を急速に20〜25℃で1.5時間
撹拌した。混合物を濾過して生成物を得、これを水で洗浄し、かつ真空下に45
〜50℃で乾燥させて5−メトキシ−2−{[(4−メトキシ−3,5−ジメチ
ル−ピリジン−2−イル)メチル]スルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール
(6.6g、収率80.4%、HPLCによる純度94.45%)を得た。
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Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれ a)(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)または b)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H;R4=H)または c)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=HおよびR4=OCHF2)] で示される化合物およびその薬剤学的に認容性の塩を製造する方法において、 式II 【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は次のものを表す:それぞれ a)(R1=CH3;R2=OCH3;R3=CH3;R4=OCH3)または b)(R1=CH3;R2=OCH2CF3;R3=H;R4=H)または c)(R1=OCH3;R2=OCH3;R3=H;R4=OCHF2)]で示される 化合物と過ホウ酸塩とを、液体希釈剤中で7.5〜14の範囲内のpHで、0℃
    ないし使用される液体希釈剤の沸点の範囲内の温度で反応させることを特徴とす
    る、式Iの化合物およびその薬剤学的認容性の塩の製造法。
  2. 【請求項2】 過ホウ酸塩が過ホウ酸ナトリウムである、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 作業において使用される過ホウ酸塩の量は、作業において使
    用される式IIの化合物1モル当たり0.8〜3モルの範囲内にある、請求項1
    または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 液体希釈剤を、水、C1〜C4アルコール、トルエン、テトラ
    ヒドロフラン、アセトン、C2〜C6ジオール、C3〜C6トリオール、酢酸エチル
    またはその混合物から選択する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法
  5. 【請求項5】 液体希釈剤が水/アルコール混合物である、請求項1から4
    までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 作業を8.5〜12の範囲内のpHで実施する、請求項1か
    ら5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 所望の生成物の塩を得る、請求項1から6までのいずれか1
    項記載の方法。
  8. 【請求項8】 式Iの化合物を遊離ヘテロ環式化合物として単離する、請求
    項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 作業を0〜150℃の範囲内の温度で実施する、請求項1か
    ら8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 式IIaの化合物を過ホウ酸ナトリウムと、水およびメタ
    ノールの混合物中で8.5〜10の範囲のpHで15〜115℃の範囲の温度で
    反応させて式Iaの化合物(オメプラゾール)を得る、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 精製溶剤を酸化反応の最後に添加する、請求項1から10
    までのいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 精製溶剤は炭化水素またはエーテルである、請求項11記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 精製溶剤をt−ブチルメチルエーテルまたはジイソプロピ
    ルエーテルから選択する、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 使用される式IIの化合物を、式III 【化3】 [式中、R4は上記で定義した意味を有する]で示される化合物またはその塩と 式IV 【化4】 [式中、R1、R2およびR3は上記で定義した意味を有する]で示される化合物 またはその塩とを、場合により塩基の存在下に、第二の液体希釈剤中で、7.5
    〜14の範囲のpHで、0℃ないし使用される液体希釈剤の沸点の範囲内の温度
    で反応させることにより製造し、ついで単離せずに過ホウ酸塩と反応させる、請
    求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 【請求項15】 第二の液体希釈剤を、水、C1〜C4アルコール、トルエン
    、テトラヒドロフラン、アセトン、C2〜C6ジオール、C3〜C6トリオール、酢
    酸エチルまたはその混合物から選択する、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 第二の液体希釈剤が第一のものと同一である、請求項15
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 水酸化ナトリウムを塩基として使用する、請求項14から
    16までのいずれか1項記載の方法。
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