JP2002502259A - 砂糖を含有する原料から糖汁を製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、作物の収穫と同時に、精製純度の糖汁を製造することを実現する。本発明は新しい技術的プロセスを作り出すことにあり、このプロセスは砂糖を含有する汁を（糖液）を熱及び酸を用いて処理し、電気化学的処理を行い、限外濾過、電気透析、イオン交換、吸着処理を行い、逆浸透により糖液を濃縮し、長期間貯蔵できるように蒸発を行うことからなる。この糖液処理の技術的手順によれば、作物を加工処理する期間中、限外濾過、逆浸透、及びイオン交換膜は確実に操業寿命が保証される。本発明を用いて得られる砂糖含有製品は製菓、製パン、缶詰工業、ビール、およびノンアルコール物の生産で使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 砂糖を含有する原料から糖汁を製造する方法 技術分野 本発明は砂糖産業に関するものである。本発明を用いて得られる砂糖含有製品 は製菓、製パン、缶詰工業、ビール、およびノンアルコール物の生産で使用でき る。本発明によれば純度の高い糖汁を収穫と同時に、しかも補助生産なしに製造 することができる。 これまでの水準 従来の砂糖加工プロセスにおける中間産物としての糖汁を得る方法がある（A ．R．Sapronov，L.D．Bobrovnik<<Sugar>>，Moscow，<<Light and food industr ies>>，1981）。この方法は、浸出液を得、それを精製飽和(defecosaturation) し、水分を蒸発させることを含む。この方法の欠点は水分を蒸発させるためエネ ルギーを大量に消費することと、糖汁の品質が不十分なことであるが、品質が不 十分のため糖汁から白色結晶糖を得るためにはコストの高い分蜜糖(run-off)精 製が必要になる。さらに、従来の加工法は、砂糖製造と一体になった水処理、石 灰ガスや熱エネルギー製造、砂糖大根倉庫などの補助生産の存在を提起する。本 発明の方法と最も似ている方法は、糖液を機械的濾過および限外濾過し、カチオ ナイト及びアニオナイトを通してイオン交換精製することにより糖液から不純物 を除くこと、溶液を逆浸透により濃縮し、糖汁になるまで水分をとばすことから なる砂糖含有材料から糖汁を得る方法である（ＲＵ特許２０１６６３７、Ｃ１３ Ｆ１／１００、１９９４）。この方法の主な欠点は、高分子成分と塩に富んだ浸 出液の場合限外濾過のキャパシティが低いことである。その結果、膜をしばしば 再生することと、非常 に時間のかかるイオナイト混合物を特別な溶液で再生することが必要になる。再 生時にカチオナイトをＮａ⁺型に変えるため脱塩が不十分である。 発明の説明 本発明により解決される問題は、砂糖含有農産物から精製純度の糖汁を作る方 法を実現することである。その技術的結果は、使用装置の同一の耐用期間、改善 された最終製品の品質、生態学的にクリーンなプロセスを保証する。原料を刻み 、糖液を得、限外濾過し、イオン交換精製し、逆浸透と蒸発により濃縮して糖汁 にすることを含む提案された砂糖含有原料から糖汁を製造する方法において、限 外濾過前に糖液あるいは刻んだ材料を酸性にしてｐＨレベルを下げ、タンパク質 が凝固するまで加熱し、タンパク質を濾過または遠心により除き、活性電極を用 いて電気分解する。こうするとコロイドの凝集を起こす多価イオンを溶解した場 合にさらに析出物を除去できる。得られた限外濾過物をイオン交換の前にミネラ ルを除くために電気透析し、ついで砂糖含有溶液をフィルターを溶剤とともに通 過させる。凝集が不十分な場合、析出物をさらに分離するために電気分解後の糖 液にコロイドを析出させるために酸または多価金属の塩を加えなければならない 。 本方法は以下のように遂行される 砂糖含有材料は必要なら洗わなければならない。それから刻むが、作物によっ ては媒体のｐＨを下げるような物質を加えて酸性にしなければならない。それに よって材料中に含まれるタンパク質を凝固させる。遠心、圧搾あるいは浸出、ま たはこれらの組合せにより刻んだ材料から糖液を得る。得られた糖液を含有タン パク質が凝固す るまで加熱し、刻んだ材料の酸性化を行わなかった場合には浮遊析出物が出現す るまで周囲のｐＨを低下させる物質を加える。析出物は糖液を濾過または遠心し て除く。こうして精製された糖液を活性電極を備えた電解槽中で電気分解にかけ る。こうすると多価イオンを溶解した場合にさらに析出物を除去できる。この工 程は糖液中に含まれるコロイドの凝集が起こるまで行う。凝集が不十分な場合、 電気分解後の液をコロイドが析出するまで酸または多価金属の塩で処理しなけれ ばならない。ついでこの析出物を濾過または遠心で除いた後限外濾過を行う。つ いで限外濾過した糖液を電気透析器に通すが、ここで電気透析はミネラル含有量 が低下するまで行う。ミネラル含有量の低下は糖液の電気伝導度の変化で示され る。それから、ミネラル分を完全に除くためには、糖液をイオン交換フィルター を通し、ビートの味を除くために溶剤とともにフィルターを通過させる。その後 、糖液を逆浸透膜により濃縮し、得られた糖汁をその乾物含量が結晶化なしに長 期の保存できることが確実になるまで蒸発させる。得られた砂糖含有製品は色指 数、純度、微生物学的性質、及び毒性物質及び農薬の含有量が、精製糖に関する ロシア標準２２−９４の要件に適合する。この砂糖含有製品の質ならば結晶糖の 製造中の分蜜糖精製を省略することができる。 発明を実施するのに最上の形態 長期保存された砂糖大根から作られた、スクロース１３．２％、純度係数８２ ％、乾物量１６．１％の砂糖大根浸出液を９０℃まで加熱し、ｐＨが４．５にな るまで塩酸で酸性化した。出現したタンパク質の析出物を濾過した。この得られ たタンパク質はタンパク質と多糖の濃縮物で有害物質を含んでいないので圧搾ビ ートに加えて 家畜の餌にできる。純度係数が８９％である濾過後の糖液はアルミニウム電極を 備えた電解槽中で水酸化アルミニウムが析出し始めるまで電気分解する（電極間 電圧２．５Ｖ、電流密度５Ａ／ｃｍ²）。電解した溶液に、相が明瞭に分かれる まで硫酸アルミニウムの３０％溶液を混ぜながら加える。それから溶液を濾過し て析出物を除く。濾過された電解物は純度係数が９１．６％で色の付いた不純物 を含んでおらず、少量の高分子化合物を含んでおり、ｐＨが６．９５であった。 電解物を限外濾過（濾過膜：芳香族ポリアミド、圧力：０．３Ｐａ）にかけて残 存する高分子化合物を除く。限外濾過物はイオン交換膜ＭＫ−４０およびＭＡ− ４０を備えた電気透析器中で処理し、電気伝導度を測定する。１０分の１に減少 したら工程を停止する。それからカチオナイトIMAC HP 1110、アニオナイトIMAC HP 661、カチオナイトIMAC HP 336上で脱ミネラル化を順次行い、ついで活性炭 上で精製する。得られた溶液は乾物量が１３％で、純度係数が９９．９％、色指 数が０である。その後得られた溶液を芳香族ポリアミド膜上、逆浸透で濃縮して スクロース含量が３５％になるまで濃縮し、ついで濃縮物をスクロース含量が６ ０％になるまで水分を蒸発させる。蒸発後の物体は色指数が０、純度係数９９． ９％である、即ち精製糖に関するロシア標準２２−９４の要件に適合する。 産業上の利用 提起された糖汁の製造方法に基づき、新しいタイプの精製装置を作ることがで きる。これは砂糖含有材料から糖汁を作るプロセスを利益があるものにでき、今 日的生態学的要件に合致する。このような精製装置で加工するれば精製中の労働 負荷を技術的工程の全ての段階に平等に分散させることが確実にでき、設備の稼 働寿命が確実 に皆同じになる。また限外濾過と逆浸透ユニット及び蒸発器の稼働条件が改善さ れる。提案された方法で得られた糖汁から砂糖を作る場合、糖汁が精製糖の純度 を有するので分蜜糖精製する必要がない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＵ ，ＢＡ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＥＥ， ＨＵ，ＩＤ，ＪＰ，ＫＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＫ，ＭＸ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ，ＶＮ ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 シマンスキィ，アンドレイ アルカディエ ヴィッチ ロシア．249020，カルヅフスカヤ オービ ーエル，オブニンスク，ユーエル．エンゲ ルサ，デー．24，ケーヴィ．83 (72)発明者 キシェリョーヴァ，ヴァリェンティナ イ ヴァノーヴナ ロシア．249020，カルヅフスカヤ オービ ーエル，オブニンスク，ユーエル．ガガー リナ，デー．36，ケーヴィ．258

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．原料を刻み、糖液を得、限外濾過し、イオン交換精製し、逆浸透と蒸発によ り濃縮して糖汁にすることを含む砂糖含有原料から糖汁を製造する方法において 、限外濾過前に糖液あるいは刻んだ材料を酸性にしてｐＨレベルを下げ、タンパ ク質が凝固するまで加熱し、タンパク質を濾過または遠心により除き、活性電極 を用いて電気分解しコロイドの凝集を起こす多価イオンを溶解してさらに析出物 を除去し、得られた限外濾過物をイオン交換前に電気透析してミネラルを除き、 ついで砂糖含有溶液をフィルターを溶剤とともに通過させることを特徴とする方 法。 ２．糖液の電気分解後にコロイド析出用に酸または多価金属の塩を加え、ついで 析出物を分離しなければならないことが他の方法と異なる、第１項記載の方法。