JP2002501144A - 燃料高圧供給のためのポンプ装置 - Google Patents

燃料高圧供給のためのポンプ装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、内燃機関の燃料噴射システム、特にコモンレール噴射システムにおける燃料高圧供給のためのポンプ装置であって、燃料が高圧で供給される複数のポンプエレメントを有するポンプケーシングが設けられており、高圧で供給された燃料が高圧通路システムを介して個々のポンプエレメントから共通の高圧接続孔へ圧送される形式のものに関する。従来のポンプ装置の場合、最高２０００バールの圧力において、圧送方向で許容不能に高い圧力が、高圧通路システム、とりわけ個々の通路の接合点において検出されていた。この問題は、高圧通路システムが複数の高圧通路（６，７）を有しており、これらの高圧通路が、それぞれポンプエレメントに接続されており且つ当該高圧通路（６，７）が合流する共通の高圧接続孔（８）とは別の１平面内に配置されていることにより解決されている。共通の高圧接続孔を高圧通路とは別の１平面内に配置することにより、高圧通路は偏心的に高圧接続孔を貫通することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、内燃機関の燃料噴射システム、特にコモンレール噴射システムにお
ける燃料高圧供給のためのポンプ装置であって、燃料が高圧で供給される複数の
ポンプエレメントを有するポンプケーシングが設けられており、高圧で供給され
た燃料が高圧通路システムを介して個々のポンプエレメントから共通の高圧接続
孔へ圧送される形式のものに関する。
【０００２】 今日の内燃機関の燃料噴射システム、特にディーゼルエンジンのコモンレール
噴射システムでは、最高２０００バールの燃料圧が生ぜしめられる。この高い燃
料圧には、従来のポンプ装置はしばしば増大されなかった。
【０００３】 従来のポンプ装置の場合、最高２０００バールの圧力において、圧送方向で許
容不能に高い圧力が、高圧通路システム、とりわけ個々の通路の接合点において
検出されていた。
【０００４】 従って本発明の課題は、個々のポンプエレメントと高圧接続部との間の高圧通
路案内を最適化することである。特に、圧力ピークが孔切込み部において最小限
にされることが望ましい。
【０００５】 この課題を解決するために、内燃機関の燃料噴射システム、特にコモンレール
噴射システムにおける燃料高圧供給のためのポンプ装置であって、燃料が高圧で
供給される複数のポンプエレメントを有するポンプケーシングが設けられており
、高圧で供給された燃料が高圧通路システムを介して個々のポンプエレメントか
ら共通の高圧接続孔へ圧送される形式のものにおいて、高圧通路システムが複数
の高圧通路を有しており、これらの高圧通路が、それぞれポンプエレメントに接
続されており且つ当該高圧通路が合流する共通の高圧接続孔とは別の１平面内に
配置されているようにした。
【０００６】 高圧通路を１平面内に配置することにより、各高圧弁に同一部品を使用するこ
とができる。共通の高圧接続孔を高圧通路とは別の１平面内に配置することによ
り、高圧通路は偏心的に高圧接続孔を貫通することができる。これは、高圧通路
の中心線が高圧接続孔の中心線とは交差しないということを意味する。これによ
り、孔切込み部における圧力ピークが低下される。このことは、ポンプケーシン
グの耐久限度が最大２０００バールの圧力においても保証されているという利点
をもたらす。更に、本発明によるポンプ装置は、廉価に製作され得るという利点
を有している。
【０００７】 本発明の特別な構成では、高圧通路の内の少なくとも１本が、高圧接続孔の外
側をほぼ接線方向で貫通している。この場合、高圧接続部を有する平面は、高圧
通路を有する平面に対して、高圧通路が高圧接続孔を偏心的に接線方向で貫通す
る程度にずらされている。これにより、接合部における死水領域が回避される。
このことは、より一層好適な流動条件だけでなく、製作時における高圧通路シス
テムの最適な浄化が保証されているという利点をも、もたらす。「接線方向」及
び「接している」という概念は、本発明では必ずしも満たされる必要のない選択
的なものであると理解される。構造の点では、製作誤差（角度、位置、真直度、
直径）を考慮する必要がある。なぜならば、孔は強度の理由から横方向孔の外周
面に部分的に切り込まれてはならないので、構造的に最大製作誤差位置に関して
守られねばならない。圧力の低下は既に、強制的に接線方向でなくともよい、孔
の偏心的な貫通において達成される。
【０００８】 本発明の別の特別な構成では、高圧通路の内の少なくとも１本が、高圧接続孔
の球形に形成された流出部に開口している。高圧接続孔のこの球形の構成により
、従来のドリルによって得られる孔の場合よりも大きな角度を有する孔切込み部
が実現され得る。更に、高圧接続孔の流出部における付加的な溝が回避される。
【０００９】 本発明の更に別の特別な構成では、高圧通路が止り孔を偏心的に貫通している
。これにより圧力が低下される。
【００１０】 本発明は全体として、高圧通路と高圧接続孔との大きな直径差が、流体技術的
に好適に実現され得るという利点をもたらす。
【００１１】 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【００１２】 本発明によるポンプ装置は、例えばラジアルピストンポンプであってよい。ラ
ジアルピストンポンプは、特にディーゼルエンジンに燃料を供給するためのコモ
ンレール噴射システムにおいて使用される。この場合、「コモンレール」は、「
共通管路」、「共通レール」又は「共通分配レール」と同じ意味である。分割さ
れた管路を介して燃料が個々の燃焼室に圧送される従来の高圧噴射システムとは
異なり、コモンレール噴射システムにおける噴射ノズルは共通の管路から供給さ
れる。
【００１３】 ラジアルピストンポンプのポンプエレメントは、駆動軸に対して半径方向で配
置された複数のシリンダ室によって形成されてよく、これらのシリンダ室内には
各１つのピストンが往復運動可能に収容されている。ピストンは、燃料をシリン
ダ室に高圧で供給するために働く。高圧で供給された燃料は、次いで高圧通路シ
ステムと高圧接続部とを介して共通の分配レールに圧送される。
【００１４】 図１には高圧ポンプの断面図が示されている。ポンプケーシング部分２には、
３つの止り孔３，４，５が描かれており、これらの止り孔は、孔（図示せず）を
介してそれぞれポンプエレメントの内の１つに接続されている（図２も参照）。
止り孔３，４，５に対してそれぞれ垂直方向で２本の高圧通路６，７が延びてい
る。高圧通路６は、止り孔３，４を相互に接続しており且つ高圧接続孔８を貫通
している。この高圧接続孔８の直径は、高圧通路の直径よりも大きい。
【００１５】 高圧通路６，７は、図１の図平面に相応する平面内で延びている。図２，３に
示した断面図から判るように、高圧接続孔８は１平面内で、高圧通路６，７それ
ぞれに対して平行に延びている。平行な平面の間隔は、高圧通路６が高圧接続孔
８をほぼ接線方向で貫通するように選択されている。図２では、高圧通路６の外
周面が一方では高圧接続孔８の外周面に接しており、他方ではほぼ垂直方向で高
圧接続孔の外周面を貫通していることを見ることができる。
【００１６】 高圧通路７は、止り孔５を高圧接続孔８に接続している。この場合、高圧通路
７は図３に示した断面図から判るように、偏心的にほぼ接線方向で高圧接続孔８
に開口している。
【００１７】 更に、高圧通路６，７が止り孔３，４，５を、やはりほぼ接線方向で偏心的に
貫通していることが判る。
【００１８】 図４、図５及び図６に示した本発明の実施例は、大体において図１、図２及び
図３に示した実施例と同じである。反復を避けるために、以下の説明では主に両
実施例の相違点について検討する。両実施例の構成部材には、便宜上、同一符号
が付されている。
【００１９】 図４から判るように、高圧接続孔８は球形の流出部１１を有している。図１に
示した実施例は、約１２０°の角度で先端が尖っており且つ標準的なドリルビッ
トによって生ぜしめられる流出部１０を有している。図３の断面図に示したよう
に、高圧通路７と高圧接続孔８の流出部１０との間の角度αは約６０°である。
これと比較して図６の断面図では、高圧通路７と高圧接続孔８の流出部１１との
間の角度αは約７５°であることが示されており、このことは、孔切込み部にお
ける圧力の高さに関連して且つ流体技術的に、より一層好適である。
【００２０】 本発明では、全ての高圧通路が偏心的にほぼ接線方向で、より大きな直径を有
する高圧孔に移行している。この場合、高圧通路はそれぞれ同一平面内に配置さ
れているにもかかわらず、ほぼ接線方向の貫通が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１実施例によるポンプ装置を図２のＦ−Ｆ線に沿って断面して示し
た図である。
【図２】 図１のＥ−Ｅ線に沿った断面図である。
【図３】 図１のＧ−Ｇ線に沿った断面図を２：１の縮尺で部分的に拡大して示した図で
ある。
【図４】 本発明の第２実施例によるポンプ装置を図５のＦ−Ｆ線に沿って断面した図で
ある。
【図５】 図４のＥ−Ｅ線に沿った断面図である。
【図６】 図４のＧ−Ｇ線に沿った断面図を２：１の縮尺で部分的に拡大して示した図で
ある。
【符号の説明】
２ ポンプケーシング部分、 ３，４，５ 止り孔、 ６，７ 高圧通路、
８ 高圧接続孔、 １０，１１ 流出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3G066 AA07 AB02 AC09 AD02 AD04 BA46 BA61 CA08 CA09 CB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内燃機関の燃料噴射システム、特にコモンレール噴射システ
    ムにおける燃料高圧供給のためのポンプ装置であって、燃料が高圧で供給される
    複数のポンプエレメントを有するポンプケーシング（２）が設けられており、高
    圧で供給された燃料が高圧通路システムを介して個々のポンプエレメントから共
    通の高圧接続孔（８）へ圧送される形式のものにおいて、 高圧通路システムが複数の高圧通路（６，７）を有しており、これらの高圧通
    路が、それぞれポンプエレメントに接続されており且つ当該高圧通路（６，７）
    が合流する共通の高圧接続孔（８）とは別の１平面内に配置されていることを特
    徴とする、燃料高圧供給のためのポンプ装置。
  2. 【請求項２】 高圧通路（６）の内の少なくとも１本が、高圧接続孔（８）
    の外側をほぼ接線方向で貫通している、請求項１記載のポンプ装置。
  3. 【請求項３】 高圧通路（７）の内の少なくとも１本が、球形に形成された
    高圧接続孔（８）の流出部（１１）に開口している、請求項１又は２記載のポン
    プ装置。
  4. 【請求項４】 高圧通路（６，７）が止り孔（３，４，５）を偏心的に貫通
    している、請求項１から３までのいずれか１項記載のポンプ装置。
JP2000528792A 1998-01-23 1999-01-18 燃料高圧供給のためのポンプ装置 Expired - Fee Related JP4372999B2 (ja)

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