JP2002367506A - 電圧印加装置、電子源の製造装置及び製造方法 - Google Patents

電圧印加装置、電子源の製造装置及び製造方法

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JP2002367506A
JP2002367506A JP2001176796A JP2001176796A JP2002367506A JP 2002367506 A JP2002367506 A JP 2002367506A JP 2001176796 A JP2001176796 A JP 2001176796A JP 2001176796 A JP2001176796 A JP 2001176796A JP 2002367506 A JP2002367506 A JP 2002367506A
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voltage
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probe
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Kazuhiro Oki
一弘 大木
Akihiro Kimura
明弘 木村
Shigeto Kamata
重人 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板のクラックや破損による不良をなくし、
プローブの耐久性と導通性能の向上を図る。 【解決手段】 電子源基板10上に設けられた導電体に
接続され該基板10上に形成されている電極配線への電
圧印加を可能にする電圧印加手段としてのプローブユニ
ット621を有し、前記電極配線の位置に対して、プロ
ーブユニット621のプローブ601の位置を制御させ
る構造であり、基板10に対する伸びを計測する伸び計
測器605を有し、該伸び計測器605で計測して得ら
れる伸び計測値をフィードバックしてプローブ601の
位置を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源の製造装置
等に適している電圧印加装置、電子源の製造装置及び電
子源の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子源を構成する電子放出素子と
しては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子
の2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子に
は、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型電
子放出素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。その
基本的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−23
5255号公報、特開平8−171849号公報などに
開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続され
その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなる
ことを特徴とするものである。また、上記導電性膜には
一部亀裂が形成されている。
【0005】また、上記亀裂の端部には、炭素または炭
素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成
されている。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成する
ことができる。
【0007】また、上記電子源と蛍光体とを組み合わせ
ることにより、画像形成装置の表示パネルを形成するこ
とができる。
【0008】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。即ち、第1の製造方法とし
ては、まず、基板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続
された一対の素子電極からなる複数の素子と、該複数の
素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成す
る。次に、作成した電子源基板全体を真空チャンバ内に
設置する。次に、真空チャンバ内を排気した後、外部端
子を通じて上記各素子に電圧を印加して各素子の導電性
膜に亀裂を形成する。更に、該真空チャンバ内に有機物
質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で
前記各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀
裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0009】また、第2の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成
した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を
挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。その
後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネ
ルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子
の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該排
気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の
存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて
電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を
堆積させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法は、とりわけ、電子源基板
が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネ
ル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要す
る。また、いずれの方法も、基板のクラックや破損によ
る不良が発生し、電圧印加手段の耐久性と導通性能が十
分ではなかった。
【0011】本発明は、小型化と操作性の簡易化が可能
であり、かつ基板のクラックや破損による不良をなく
し、電圧印加手段の耐久性と導通性能の向上を図ること
ができる電圧印加装置及び電子源の製造装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】また、本発明は、製造スピードが向上し量
産性に適した電子源の製造装置及び製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】また、本発明は、電子放出特性の優れた電
子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基板上に設けられた導電体に接続され該
基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能に
する電圧印加手段を有する電圧印加装置において、前記
電極配線の位置に対して、前記電圧印加手段の位置を制
御させる構造であることを特徴とし、該電極配線に電圧
を印加し、該電極配線に接続して設けられた電子源に処
理を施したり、電極配線や該電子源の断線、短絡、抵抗
値を測定する手段等に適用できる。
【0015】また、本発明に係る電圧印加装置は、前記
基板に対する伸びを計測する伸び計測手段を有し、該伸
び計測手段で計測して得られる伸び計測値をフィードバ
ックして前記電圧印加手段の位置を移動させることを特
徴としてもよく、前記基板に対する温度を計測する温度
計測手段を有し、該温度計測手段で計測して得られる温
度計測値をフィードバックして前記電圧印加手段の位置
を移動させることを特徴としてもよく、前記電圧印加手
段に対する印加電力値を計測する印加電力計測手段を有
し、該印加電力計測手段で計測して得られる印加電力計
測値をフィードバックして前記電圧印加手段の位置を移
動させることを特徴としてもよく、前記基板に対する伸
びを計測する手段、前記基板に対する温度を計測する手
段、及び前記電圧印加手段に対する印加電力値を計測す
る手段のいずれかの計測手段を有し、該いずれかの計測
手段で計測して得られる計測値をフィードバックして前
記電圧印加手段の位置を移動させることを特徴としても
よい。
【0016】本発明に係る電子源の製造装置は、導電体
が形成された基板を支持する支持体と、気体の導入口及
び気体の排気口を有し、前記基板面の一部の領域を覆う
容器と、前記気体の導入口に接続され、前記容器内に気
体を導入する手段と、前記気体の排気口に接続され、前
記容器内を排気する手段と、前記導電体に電圧を印加す
る手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記電極配線(導電
体)の位置に対して、前記電圧印加手段の位置を移動さ
せる構造を備えていてもよい。
【0018】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板に対する伸
びを計測する計測手段を有し、計測値をフィードバック
して前記電圧印加手段の位置を移動させる構造を備えて
いてもよい。
【0019】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板に対する温
度を計測する計測手段を有し、計測値をフィードバック
して前記電圧印加手段の位置を移動させる構造を備えて
いてもよい。
【0020】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記電圧印加手段に
対する印加電力値を計測する計測手段を有し、計測値を
フィードバックして前記電圧印加手段の位置を移動させ
る構造を備えていてもよい。
【0021】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板に対する伸
びを計測する手段、前記基板に対する温度を計測する手
段、及び前記電圧印加手段に対する印加電力値を計測す
る手段のいずれかの計測手段を有し、いずれかの計測値
をフィードバックして前記電圧印加手段の位置を移動さ
せる構造を備えていてもよい。
【0022】本発明について以下に更に詳述する。本発
明に係る製造装置は、まず、予め導電体が形成された基
板を支持するための支持体と、該支持体にて支持された
該基板上を覆う容器とを具備する。ここで、該容器は、
該基板表面の一部の領域を覆うものであり、これにより
該基板上の導電体に接続され該基板上に形成されている
配線の一部分が該容器外に露出された状態で該基板上に
気密な空間を形成し得る。また、該容器には、気体の導
入口と気体の排気口が設けられており、これら導入口及
び排気口にはそれぞれ該容器内に気体を導入するための
手段及び該容器内の気体を排出するための手段が接続さ
れている。これにより該容器内を所望の雰囲気に設定す
ることができる。また、前記導電体が予め形成された基
板とは、電気的処理を施すことで該導電体に電子放出部
を形成し電子源となす基板である。よって、本発明に係
る製造装置は、更に、電気的処理を施すための手段、例
えば、該導電体に電圧を印加する手段を具備してもよ
い。
【0023】以上の製造装置にあっては、上述のいずれ
かの電圧印加装置を備えることによって、小型化が達成
され、上記電気的処理における電源との電気的接続など
の操作性の簡易化が達成される他、上記容器の大きさや
形状などの設計の自由度が増し、容器内への気体の導
入、容器外への気体の排出を短時間で行うことが可能と
なる。
【0024】また、本発明に係る電子源の製造方法は、
まず、導電体と該導電体に接続された配線とが予め形成
された基板を支持体上に配置し、前記配線の一部分を除
き前記基板上の導電体を容器で覆う。これにより、該基
板上に形成されている配線の一部分が該容器外に露出さ
れた状態で、前記導電体は、該基板上に形成された気密
な空間内に配置されることとなる。次に、前記容器内を
所望の雰囲気とし、前記容器外に露出された一部分の配
線を通じて前記導電体に電気的処理、例えば、前記導電
体への電圧の印加がなされる。ここで、前記所望の雰囲
気とは、例えば、減圧された雰囲気、あるいは、特定の
気体が存在する雰囲気である。また、前記電気的処理
は、前記導電体に電子放出部を形成し電子源となす処理
である。また、上記電気的処理は、異なる雰囲気下にて
複数回なされる場合もある。例えば、前記配線の一部分
を除き前記基板上の導電体を容器で覆い、まず、前記容
器内を第1の雰囲気として上記電気的処理を行う工程
と、次に、前記容器内を第2の雰囲気として上記電気的
処理を行う工程とがなされ、以上により前記導電体に良
好な電子放出部が形成され電子源が製造される。ここ
で、上記第1及び第2の雰囲気は、好ましくは、後述す
る通り、第1の雰囲気が減圧された雰囲気であり、第2
の雰囲気が炭素化合物などの特定の気体が存在する雰囲
気である。
【0025】以上の製造方法にあっては、上述のような
電圧印加装置を備える電子源の製造装置を用いることに
より、上記電気的処理における電源との電気的接続など
は容易に行うことが可能となる。また、上記容器の大き
さや形状などの設計の自由度が増すので容器内への気体
の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことがで
き、製造スピードが向上する他、製造される電子源の電
子放出特性の再現性、とりわけ複数の電子放出部を有す
る電子源における電子放出特性の均一性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい第1の実
施の形態を示す。図1、図2及び図3は、本実施形態に
係る電子源の製造装置を示しており、図1及び図3はい
ずれも断面図と配管等の接続図、図2は図1における電
子源基板の周辺部分を示す斜視図である。図1、図2及
び図3において、6は電子放出素子となる導電体、7は
X方向配線、8はY方向配線、10は電子源基板、11
は支持体、12は真空容器、15は気体の導入口、16
は排気口、18はシール部材、19は拡散板、20はヒ
ータ、21は容器に入っている水素、または有機物質ガ
ス、22は容器に入っているキャリヤガス、23は水分
除去フィルタ、24はガス流量制御装置、25a〜25
fはバルブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は
配管、30は取り出し配線、32(32a,32b)は
電源及び電流制御系からなる駆動ドライバ、31(31
a,31b)は電子源基板10の取り出し配線30と駆
動ドライバ32とを接続する配線、33は拡散板19の
開口部、41は熱伝導部材、46は昇降軸、47は支持
体11を昇降させる昇降駆動ユニット、48は支持体1
1の昇降を制御する昇降制御装置である。
【0027】支持体11は、電子源基板10を所定位置
で保持して固定するものであって、真空チャッキング機
構、静電チャッキング機構若しくは固定冶具などによ
り、機械的に電子源基板10を固定する機構を有する。
支持体11の内部には、ヒータ20が設けられ、必要に
応じて電子源基板10を熱伝導部材41を介して加熱す
ることができる。
【0028】熱伝導部材41は、支持体11上に設置さ
れ、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にな
らないように、支持体11と電子源基板10の間で挟持
されるか、あるいは、支持体11に埋め込まれるように
設置されていてもよい。
【0029】熱伝導部材41は、電子源基板10の反
り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工
程における発熱を、確実に支持体11へ伝え、放熱する
ことができ、電子源基板のクラック、破損の発生を防ぐ
ことができ、歩留まりの向上に寄与できる。
【0030】また、この電子源の製造装置では、電気的
処理工程における発熱を素早く、確実に放熱することに
より、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板
熱分布が影響する電子放出素子の不均一性の低減に寄与
でき、均一性に優れた電子源の製造が可能となる。
【0031】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を
使用することができる。粘性液状物質である熱伝導部材
41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支持
体11に、粘性液状物質が所定の位置及び領域、すなわ
ち、少なくとも電子源基板10の導電体6を形成する領
域下で滞留するように、その領域に合わせて、支持体1
1に滞留機構を設置してあってもよい。これは、例え
ば、O−リングや、あるいは、耐熱性の袋に粘性液状物
質を入れ、密閉した熱伝導部材とした構成とすることが
できる。
【0032】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、電子源基板10との間に空気層
ができて正しく接しない場合は、空気抜けの通孔や、電
子源基板10の設置後に粘性液状物質を電子源基板10
と支持体11の間に注入する方法も採ることができる。
図3は、粘性液状物質が所定の領域で滞留するように、
O−リングと粘性液状物質導入口に連通する導入管45
とを設けた装置の概略断面図である。
【0033】この粘性液状物質を支持体11及び電子源
基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いながら循環さ
せる機構が付与されれば、それらはヒータ20に替わ
り、電子源基板10の加熱手段、あるいは、冷却手段と
なる。また、目的温度に対する温度調節が行える、例え
ば、循環型温度調節装置と液状媒体などからなる機構を
付与することができる。
【0034】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商標)樹
脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、ア
ルミナなどのセラミック材料、銅やアルミニウムの金属
材料等を使用することができる。これらは、シート状、
あるいは、分割されたシート状で使用されていてもよ
い。あるいは、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板1
0の配線に合わせたX方向、あるいは、Y方向に伸びた
線状、円錐状などの突起状、球体や、ラグビーボール状
(楕円球状体)などの球状体、あるいは、球状体表面に
突起が形成されている形状の球状体などが支持体11上
に設置されていてもよい。
【0035】真空容器12は、ガラスやステンレス鋼製
の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からな
るものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10に
対し位置決めして配置され、電子源基板10の取り出し
配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆い、か
つ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×10-3
orr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる構造の
ものである。
【0036】シール部材18は、電子源基板10と真空
容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリ
ングやゴム性シートなどが用いられる。
【0037】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質
を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が
用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を
行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気
体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12
内に導入することもある。このように他の工程で気体を
導入する際には、導入配管、バルブ25eを用いて、真
空容器12を配管28に接続すれば、使用することがで
きる。
【0038】上記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパ
ンなどのCn2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレンなどのC n2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベン
ゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0039】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用でき、有機物質が常温で
液体、または、固体の場合は、容器内で蒸発または昇華
させて用いる、或いは更にこれを希釈ガスと混合するな
どの方法で用いることができる。キャリヤガス22に
は、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが
用いられる。
【0040】有機物質ガス21と、キャリヤガス22
は、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入さ
れる。両者の流量、及び混合比は、ガス流量制御装置2
4によって制御される。ガス流量制御装置24は、マス
フローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これ
らの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けら
れた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混
合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にす
ることが好ましい。
【0041】なお、配管28の途中に、水分除去フィル
タ23を設けて、導入ガス中の水分を除去することがよ
り好ましい。水分除去フィルタ23には、シリカゲル、
モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を
用いることができる。
【0042】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定
に保持される。本発明で用いられる真空ポンプ26は、
ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ
等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが好ま
しく用いられる。
【0043】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において、上記混合気体の圧力は、混合
気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器1
2の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以
上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向
上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であ
り、数百Pa(数Torr)から大気圧までの圧力であ
る。
【0044】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体
の流れが制御され、電子源基板10の全面に均一に有機
物質が供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し
好ましい。
【0045】電子源基板10の取り出し配線30は、真
空容器12の外部にあり、TAB配線やプローブなどを
用いて配線31と接続し、駆動ドライバ32に接続す
る。
【0046】本実施形態、さらには後述する実施形態に
おいても同様であるが、真空容器は、電子源基板10上
の導電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能
である。また、電子源基板10の配線部が真空容器12
外に有るため、電子源基板10と電気的処理を行うため
の電源装置(駆動ドライバ32)との電気的接続を容易
に行うことができる。
【0047】以上のようにして真空容器12内に有機物
質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を
用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子に
パルス電圧を印加することにより、電子放出素子6の活
性化を行うことができる。
【0048】以上述べた製造装置を用いての電子源の製
造方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳述す
る。
【0049】上記電子源と画像形成部材とを組み合わせ
ることにより、図8に示すような画像形成装置68を形
成することができる。図8は画像形成装置68の概略図
である。図8において、6は電子放出素子、61は電子
源基板10を固定したリヤプレート、62は支持枠であ
る。66は、ガラス基板63、蛍光体膜64及びメタル
バック65からなるフェースプレートであり、67は高
圧端子、68は画像形成装置である。
【0050】画像形成装置68は、各電子放出素子6
に、容器外端子Dx1乃至Dxm、及び容器外端子Dy1乃至
Dynを通じて、走査信号及び変調信号を図示しない信号
発生手段によりそれぞれ印加することによって、電子を
放出させ、高圧端子67を通じて、メタルバック65、
あるいは、図示しない透明電極に5kVの高圧を印加
し、電子ビームを加速し、蛍光体膜64に衝突させて、
励起し、発光させることで画像を表示する。
【0051】なお、電子源基板10自体がリヤプレート
を兼ねて、1枚基板で構成される場合もある。また、走
査信号配線は、例えば、容器外端子Dx1等に近い電子放
出素子6と遠い電子放出素子6との間で印加電圧降下の
影響の無い素子数であれば、図8で示すような、片側走
査配線で構わないが、素子数が多く、電圧降下の影響が
ある場合には、配線幅を広くするか、配線厚を厚くする
か、あるいは、両側から電圧を印加する手法等を採るこ
とができる。
【0052】本発明は、以上述べた実施の形態で、特に
電圧印加手段(プローブ)の部分に関するものである。
特に、本実施形態では、前記プローブが前記基板に接触
している時、即ち電気的処理を施しているとき等に、流
れる電流によって発生する熱のため、基板10が膨張収
縮して基板10上の電極配線の位置が変化して、プロー
ブ接地部との間にずれが生じ、基板のクラックや破損、
及びプローブの破損を起こす場合、またはプローブ先端
が電極配線に接触しなくなる場合があるという課題を解
決するものである。
【0053】特に、本実施形態は、そのために、前記電
極配線の位置に対して、前記電圧印加手段の位置を移動
させるという手段を備えることを特徴とするものであ
る。また、本実施形態は、電子源基板10に対する伸び
を計測する計測手段を有し、計測値をフィードバックし
て前記電圧印加手段の位置を移動させるという手段を備
えることを特徴とするものである。
【0054】また本実施形態は、前記基板に対する温度
を計測する計測手段を有し、計測値をフィードバックし
て前記電圧印加手段の位置を移動させるという手段を備
えることを特徴とするものである。また本実施形態は、
前記電圧印加手段に対する印加電力値を計測する計測手
段を有し、計測値をフィードバックして前記電圧印加手
段の位置を移動させるという手段を備えることを特徴と
するものである。
【0055】また本実施形態は、前記基板に対する伸び
を計測する手段、前記基板に対する温度を計測する手
段、または前記電圧印加手段に対する印加電力値を計測
する手段のいずれかの計測手段を有し、これらのうちの
いずれかの計測値をフィードバックして前記電圧印加手
段の位置を移動させるという手段を備えることを特徴と
するものである。また、特に本実施形態では、基板のク
ラックや破損による不良をなくし、プローブの耐久性の
向上、導通性能の向上に高い効果をもたらす。
【0056】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での
各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0057】[実施例1]本実施例は、静電チャックを
使わない場合の本発明に係る製造装置を用いて図9及び
図10に示される表面伝導型電子放出素子を複数備える
図11に示される電子源を製造する例である。尚、図9
〜図11において、6は電子放出素子、10は電子源基
板、2及び3は素子電極、4は導電性膜、29は炭素
膜、5は炭素膜29の間隙即ち電子放出部であり、Gは
導電性膜4の間隙である。
【0058】図4及び図5は本発明に係る製造装置の実
施形態を説明するためのいずれも断面図であり、図4は
全体を示し、図5は図4の一部の拡大断面図である。1
0は電子源基板、11は支持体、12は真空容器、15
は気体の導入口、16は排気口、18はシール部材、1
9は拡散板、20はヒータ、21は容器に入っている水
素または有機物質ガス、22は容器に入っているキャリ
ヤガス、23は水分除去フィルタ、24はガス流量制御
装置、25a〜25fはバルブ、26は真空ポンプ、2
7は真空計、28は配管、30は取り出し配線、32
(32a,32b)は電源及び電流制御系からなる駆動
ドライバ、33は拡散板19の開口部、41は熱伝導部
材、601は電子源基板の取り出し配線30と接触して
電圧を印加するプローブ、602はプローブ601と駆
動ドライバ32とを接続するケーブル、603はプロー
ブ601の位置を移動させる移動ステージ、604は移
動ステージ603を駆動させる駆動モータである。62
1は、プローブ601、移動ステージ603、及び駆動
モータ604からなるプローブユニットであり、605
は基板10の伸びを計測する伸び計測器、606は伸び
計測器605からの位置情報を基に駆動モータ604を
コントロールする制御器、607は伸び計測器605と
制御器606とを接続するケーブル、608は制御器6
06と駆動モータ604とを接続するケーブルである。
【0059】ガラス基板上にオフセット印刷法によりP
tペーストを印刷し、加熱焼成して、図12に示される
素子電極2及び3を形成した。また、スクリーン印刷法
により、Agペーストを印刷し、加熱焼成することによ
り、図12に示されるX方向配線7(240本)及びY
方向配線8(720本)を形成し、X方向配線7とY方
向配線8の交差部には、スクリーン印刷法により、絶縁
性ペーストを印刷し、加熱焼成して絶縁層9を形成し
た。
【0060】次に、素子電極2,3間にバブルジェット
(登録商標)方式の噴射装置を用いて、パラジウム錯体
溶液を滴下し、加熱して酸化パラジウムからなる図12
に示される導電性膜4を形成した。以上のようにして、
一対の素子電極2,3及び導電性膜4からなる複数の導
電体がX方向配線7及びY方向配線8にてマトリクス配
線された電子源基板10を作成した。
【0061】作成した電子源基板10を、図4、図5及
び図2に示した製造装置の支持体11上に固定した。支
持体11と電子源基板10との間には、熱伝導部材41
が挟持される。
【0062】次に、シリコーンゴム製のシール部材18
を介してステンレス鋼製の真空容器12を取り出し配線
30が該真空容器12の外に出るようにして、図2に示
すように電子源基板10上に設置した。
【0063】排気口16側のバルブ25fを開け、真空
容器12内を真空ポンプ26(ここではスクロールポン
プ)で1.33×10-1Pa(1×10-3Torr)程
度に排気した後、排気装置の配管や、電子源基板10に
付着していると考えられる水分を除去するため、図示し
ない配管用のヒータと電子源基板10用のヒータ20を
用いて、昇温させ、数時間保持してから、室温まで徐冷
した。
【0064】基板10の温度が室温に戻った後、図2、
図4及び図5に示す電子源基板10の取出し配線30に
プローブ601を接触させて、ケーブル602を介し駆
動ドライバ32を用いて、X方向配線7及びY方向配線
8を通じて、各電子放出素子6の素子電極2,3間に電
圧を印加し、導電性膜4をフォーミング処理し、図10
に示す間隙Gを導電性膜4に形成した。フォーミング処
理時に流れる電流によって発生する熱による電子源基板
10の熱膨張は、電子源基板10の伸び量を、伸び計測
器605を用い検出し、検出情報を基に駆動モータ60
4をコントロールして、プローブユニット621を電子
源基板10の伸び量と同距離に移動させる。これによ
り、取出し配線30とプローブ接地部との間にずれが生
じず、基板のクラックや破損、及びプローブの破損を起
こさず、またはプローブ先端が電極配線に接触しなくな
る場合がなく、プローブの耐久性が向上し、導通不良が
低減し歩留まりが向上し、且つ良好なフォーミング処理
を実施できた。
【0065】続いて、同装置を用いて活性化処理を行っ
た。気体供給用のバルブ25a乃至25d及び気体の導
入口15側のバルブ25eを開け、有機物質ガス21と
キャリヤガス22との混合気体を真空容器12内に導入
した。有機物質ガス21には、エチレン混合窒素ガスを
用い、キャリヤガス22には、窒素ガスを用いた。排気
口16側の真空計27の圧力を見ながら、バルブ25f
の開閉度を調整し、真空容器12内の圧力が133×1
2 Pa(100Torr)となるようにした。
【0066】有機物質ガス21を導入後、X方向配線7
及びY方向配線8を通じて各電子放出素子6の電極2,
3間に電圧を印加して活性化処理を行った。なお、活性
化は、Y方向配線8全部及び、X方向配線7の非選択ラ
インを共通としてGnd(接地電位)に接続し、1ライ
ンずつパルス電圧を順次印加する方法で行い、上記方法
を繰り返すことにより、X方向の全ラインに付いて活性
化を行った。活性化時に流れる電流によって発生する熱
による電子源基板10の熱膨張は、前記フォーミング時
と同様に、プローブユニット621を電子源基板10の
伸び量と同距離に移動させ、取出し配線30とプローブ
接地部との間にずれが生じず、基板10のクラックや破
損、及びプローブの破損を起こさず、または、プローブ
先端が電極配線に接触しなくなる場合がなく、プローブ
の耐久性が向上し、導通不良が低減し歩留まりが向上し
た。
【0067】活性化処理終了時の素子電流If (電子放
出素子の素子電極間に流れる電流)を各X方向配線7毎
に測定し、素子電流If 値を比較したところ、その配線
毎のバラツキは少なく、良好な活性化処理を行うことが
できた。
【0068】上記活性化処理が終了した電子放出素子6
には、図9及び図10に示すように間隙5を隔てて炭素
膜29が形成された。
【0069】また、上記活性化処理時に、図示しない差
動排気装置付きのマススペクトラム測定装置を用いて、
排気口16側のガス分析を行ったところ、上記混合ガス
導入と同時に、窒素及びエチレンのマスNo.28とエ
チレンのフラグメントのマスNo.26が瞬間的に増加
して飽和し、両者の値は活性化処理中一定であった。
【0070】実施例1と同様の図12に示す電子源基板
10を、概略図である図8に示すような画像形成装置6
8の、リヤプレート61上に固定した後、電子源基板1
0の5mm上方に、フェースプレート66を、支持枠6
2及び図示しない排気管及びゲッタ材料を介して配置
し、フリットガラスを用てアルゴン雰囲気中で封着を行
い、図8に示すような画像形成装置68の形態を作成し
た上記のフォーミング処理工程、及び活性化処理工程を
行う場合に比べて、本実施例では、製造工程に要する時
間が短縮でき、電子源の各電子放出素子6の特性の均一
性が向上する。
【0071】また、基板サイズが大きくなった場合の基
板10の反りは、歩留まりの低下や、特性のバラツキを
招き易いが、実施例1による熱伝導部材41の設置によ
り、歩留まりの向上と特性のバラツキ低減を実現するこ
とができた。
【0072】[実施例2]図4及び図6は本発明に係る
製造装置の実施例2を説明するための断面図であり、図
4は全体を示し、図6は図4の一部の拡大断面図であ
る。図4及び図6において、601は電子源基板10の
取り出し配線30と接触して電圧を印加するプローブ、
31a,31bはプローブ601と駆動ドライバ32と
を接続するケーブル、603はプローブ601の位置を
移動させる移動ステージ、604は移動ステージ603
を駆動させる駆動モータである。621は、プローブ6
01、移動ステージ603、及び駆動モータ604から
なるプローブユニットであり、609は基板の温度を計
測する温度計測器、610は温度計測器609からの温
度情報を基に駆動モータ604をコントロールする制御
器、611は温度計測器609と制御器610とを接続
するケーブル、612は制御器610と駆動モータ60
4とを接続するケーブルである。
【0073】図7〜図11に示す、実施例1と同様な方
法で、マトリクス配線された電子源基板10を作成し、
図2、図4及び図6に示す、本実施例に係る製造装置を
用い、フォーミング処理を行った。
【0074】同図において、電子源基板10の取出し配
線30にプローブ601を接触させて、ケーブル31
a,31bを介し駆動ドライバ32a,32bを用い
て、X方向配線7及びY方向配線8を通じて、各電子放
出素子6の素子電極2,3間に電圧を印加し、導電性膜
をフォーミング処理し、図10に示す間隙Gを導電性膜
4に形成した。フォーミング処理時に流れる電流によっ
て発生する熱による電子源基板10の熱膨張は、電子源
基板10の温度を、温度計測器609を用いて検出し、
検出情報を基に駆動モータ604をコントロールして、
プローブユニット621を電子源基板10の伸び量と同
距離に移動させ、取出し配線30とプローブ接地部との
間にずれが生じず、基板のクラックや破損、及びプロー
ブの破損を起こさず、またはプローブ先端が電極配線に
接触しなくなる場合がなく、プローブの耐久性が向上
し、導通不良が低減し歩留まりが向上し、且つ良好なフ
ォーミング処理を実施できた。
【0075】また、続いて、実施例1と同様に、活性化
処理を行った。このとき、活性化時に流れる電流によっ
て発生する熱による電子源基板10の熱膨張は、前記フ
ォーミング時と同様に、プローブユニット621を電子
源基板の伸び量と同距離に移動させ、取出し配線30と
プローブ接地部との間にずれが生じず、基板のクラック
や破損、及びプローブの破損を起こさず、または、プロ
ーブ先端が電極配線に接触しなくなる場合がなく、プロ
ーブの耐久性が向上し、導通不良が低減し歩留まりが向
上した。本実施例においても、実施例1と同様の効果が
得られた。
【0076】[実施例3]図4及び図7は本発明に係る
製造装置の実施例3を説明するための断面図であり、図
4は全体を示し、図7は図4の一部の拡大断面図であ
る。図4及び図7において、601(601a,601
b)は電子源基板10の取り出し配線30と接触して電
圧を印加するプローブ、31a,31bはプローブ60
1a,601bと駆動ドライバ32a,32bとを接続
するケーブル、603(603a,603b)はプロー
ブ601の位置を移動させる移動ステージ、604(6
04a,604b)は移動ステージ603を駆動させる
駆動モータである。621は、プローブ601、移動ス
テージ603、及び駆動モータ604からなるプローブ
ユニットであり、613(613a,613b)は印加
電力を計測する印加電力計測器、614(614a,6
14b)は印加電力計測器613からの印加電力情報を
基に駆動モータ604をコントロールする制御器、61
5は制御器614と駆動モータ604を接続するケーブ
ル、616は印加電力計測器613と制御器614を接
続するケーブル、617は制御器614と駆動ドライバ
32を接続するケーブルである。
【0077】図9〜図11に示す、実施例1と同様な方
法で、マトリクス配線された電子源基板10を作成し、
図2、図4及び図7に示す、本実施例に係るの製造装置
を用い、フォーミング処理を行った。同図において、電
子源基板10の取出し配線30にプローブ601を接触
させて、ケーブル602を介し駆動ドライバ32を用い
て、X方向配線7及びY方向配線8を通じて、各電子放
出素子6の素子電極2,3間に電圧を印加し、導電性膜
をフォーミング処理し、図10に示す間隙Gを導電性膜
4に形成した。フォーミング処理時に流れる電流によっ
て発生する熱による電子源基板10の熱膨張は、印加電
力を、印加電力計測器613を用いて検出し、検出情報
を基に駆動モータ604をコントロールして、プローブ
ユニット621を電子源基板10の伸び量と同距離に移
動させ、取出し配線30とプローブ接地部との間にずれ
が生じず、基板10のクラックや破損、及びプローブの
破損を起こさず、または、プローブ先端が電極配線に接
触しなくなる場合がなく、プローブの耐久性が向上し、
導通不良が低減し、歩留まりが向上し、且つ良好なフォ
ーミング処理を実施できた。
【0078】また続いて、実施例1と同様に、活性化処
理を行った。このとき、活性化時に流れる電流によって
発生する熱による電子源基板10の熱膨張は、前記フォ
ーミング時と同様に、プローブユニット621を電子源
基板10の伸び量と同距離に移動させ、取出し配線30
とプローブ接地部との間にずれが生じず、電子源基板1
0のクラックや破損、及びプローブの破損を起こさず、
または、プローブ先端が電極配線に接触しなくなる場合
がなく、プローブの耐久性が向上し、導通不良が低減し
歩留まりが向上した。本実施例においても、実施例1と
同様の効果が得られた。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、小型化と操作性の簡易
化が可能な電圧印加装置及び電子源の製造装置を提供す
ることができる。
【0080】また、本発明によれば、製造スピードが向
上し量産性に適した電子源の製造装置及び製造方法を提
供することができる。
【0081】更に、本発明によれば、電子放出特性の優
れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法
を提供することができる。
【0082】更に、本発明によれば、画像品位の優れた
画像形成装置を提供することができる。
【0083】更に、本発明によれば、基板のクラックや
破損による不良、プローブの耐久性の向上、導通性能の
向上に高い効果をもたらし、電子源の製造工程中の不良
を低減させる電圧印加装置及び電子源の製造装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図2】 図1及び図3における電子源基板の周辺部分
を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成の他の形態を示す断面図と配管等の接続図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成の、一部を拡大して示す断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成の、一部を拡大して示す断面図である。
【図7】 本発明の実施例に係る電子源の製造装置の構
成の、一部を拡大して示す断面図である。
【図8】 本発明の実施例に係る画像形成装置の構成を
一部を破断して示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施例に係る電子放出素子の構成を
示す平面図である。
【図10】 本発明の実施例に係る電子放出素子の構成
を示す図9のB−B断面図である。
【図11】 本発明に係る電子源の例を示す平面図であ
る。
【図12】 本発明の実施例に係る電子源の製造方法を
説明するための平面図である。
【符号の説明】
2,3:素子電極、4:導電性膜、5:電子放出部、
6:電子放出素子(導電体)、7:X方向配線、8:Y
方向配線、9:絶縁層、10:電子源基板、11:支持
体、12:真空容器、15:気体の導入口、16:排気
口、18:シール部材、19:拡散板、20:ヒータ、
21:有機ガス物質、22:キャリヤガス、23:水分
除去フィルタ、24:ガス流量制御装置、25(25a
〜25f):バルブ、26:真空ポンプ、27:真空
計、28:配管、30:取り出し配線、31(31a,
31b):電子源基板の取り出し配線30と駆動ドライ
バ32とを接続する配線、32(32a,32b):電
源、電流測定装置及び電流−電圧制御系装置からなる駆
動ドライバ、33:拡散板19の開口部、41:熱伝導
部材、45:導入管、61:電子源基板10を固定した
リヤプレート、62:支持枠、63:ガラス基板、6
4:蛍光体膜、65:メタルバック、66:フェースプ
レート、67:高圧端子、68:画像形成装置、601
(601a,601b):プロ−ブ、602:ケーブ
ル、603(603a,603b):移動ステージ、6
04(604a,604b):駆動モータ、605:伸
び計測器、606:制御器、607:ケーブル、60
8:ケーブル、609(609a,609b):温度計
測器、610(610a,610b):制御器、61
1:ケーブル、612:ケーブル、613(613a,
613b):印加電力計測器、614(614a,61
4b):制御器、615,616,617:ケーブル、
621(621a,621b):プローブユニット。
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 重人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられた導電体に接続され該
    基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能に
    する電圧印加手段を有する電圧印加装置において、 前記電極配線の位置に対して、前記電圧印加手段の位置
    を制御させる構造であることを特徴とする電圧印加装
    置。
  2. 【請求項2】 前記基板に対する伸びを計測する伸び計
    測手段を有し、該伸び計測手段で計測して得られる伸び
    計測値をフィードバックして前記電圧印加手段の位置を
    移動させることを特徴とする請求項1に記載の電圧印加
    装置。
  3. 【請求項3】 前記基板に対する温度を計測する温度計
    測手段を有し、該温度計測手段で計測して得られる温度
    計測値をフィードバックして前記電圧印加手段の位置を
    移動させることを特徴とする請求項1に記載の電圧印加
    装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧印加手段に対する印加電力値を
    計測する印加電力計測手段を有し、該印加電力計測手段
    で計測して得られる印加電力計測値をフィードバックし
    て前記電圧印加手段の位置を移動させることを特徴とす
    る請求項1に記載の電圧印加装置。
  5. 【請求項5】 前記基板に対する伸びを計測する手段、
    前記基板に対する温度を計測する手段、及び前記電圧印
    加手段に対する印加電力値を計測する手段のいずれかの
    計測手段を有し、該いずれかの計測手段で計測して得ら
    れる計測値をフィードバックして前記電圧印加手段の位
    置を移動させることを特徴とする請求項1に記載の電圧
    印加装置。
  6. 【請求項6】 電子源が形成された電子源基板と、気体
    の導入口及び気体の排気口を有し、前記電子源基板の一
    部の領域を覆う容器を少なくとも有する電子源の製造装
    置において、 前記電子源基板上に設けられた導電体に接続され該電子
    源基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能
    にする電圧印加手段を有し、請求項1〜5のいずれかに
    記載の電圧印加装置を備えることを特徴とする電子源の
    製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子源の製造装置を用
    いて製造することを特徴とする電子源の製造方法。
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