JP2004152601A - 電子源の製造装置 - Google Patents

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Akihiro Kimura
明弘 木村
Kazuhiro Oki
一弘 大木
Shigeto Kamata
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Abstract

【課題】発熱分布のある電子源基板の表面温度を均一化し、素子性能のばらつきを均一化する電子源の製造装置を提供する。
【解決手段】導電体6が形成された電子源基板10を支持する支持体11の熱回収量が部分的に異なるように構成する。また、支持体11の内部に温度を調整するための水の配管20を配置し、その支持体11と水との接触面積が部分的に異なるように構成する、或いはその支持体11から配管20までの熱導電性が部分的に異なるように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示パネル等に用いられる電子源の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子としては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】
表面伝導型電子放出素子は基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことにより、電子放出が生じる現象を利用するものである。その基本的な構成、製造方法等は、例えば、特開平7−235255号公報、特開平8−171849号公報等に開示されている。
【0004】
表面伝導型電子放出素子は、基板上に対向する一対の素子電極と、この一対の素子電極に接続され、その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有することを特徴とするものである。また、導電性膜の一部に亀裂が形成され、亀裂の端部には、炭素又は炭素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成されている。
【0005】
このような電子放出素子を基板上に複数個配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数個の表面伝導型電子放出素子を備えた電子源を作製することができる。また、電子源と蛍光体とを組み合わせることにより、画像形成装置の表示パネルを形成することが可能である。
【0006】
従来、このような電子源のパネルの製造方法としては、以下の2つの製造方法がある。まず、第1の製造方法としては、基板上に導電性膜及びこの導電性膜に接続された一対の素子電極からなる素子を複数と、この複数の素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作製する。
【0007】
次に、作製した電子源基板全体を真空チャンバ内に設置する。次いで、真空チャンバ内を排気した後、外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し、各素子の導電性膜に亀裂を形成する。更に、真空チャンバ内に有機物質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、亀裂近傍に炭素或いは炭素化合物を堆積させる。
【0008】
また、第2の製造方法としては、まず、基板上に導電性膜及び導電性膜に接続された一対の素子電極からなる素子を複数と、この複数の素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作製する。次に、作製した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を挟んで接合し、画像形成装置のパネルを作製する。
【0009】
その後、パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し、各素子の導電性膜に亀裂を形成する。更に、パネル内に排気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、亀裂近傍に炭素或いは炭素化合物を堆積させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の第1、第2の製造方法のいずれにおいても、活性化中に電子源基板上で不均一な発熱が発生し、電子源基板の表面の温度分布が不均一となってしまう。そのため、それに伴い電子放出素子の性能にばらつきが発生するという問題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、電子源基板の温度分布を均一とし、電子放出特性の優れた電子源を製造することが可能な電子源の製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による電子源の製造装置は、導電体が形成された電子源基板を支持する支持体と、前記電子源基板を覆う真空容器とを含み、前記真空容器内を所望の雰囲気とした状態で前記導電体に電圧を印加することにより、前記導電体の活性化を行う電子源の製造装置において、前記支持体は熱回収量が部分的に異なることを特徴とする。
【0013】
また、前記支持体は内部に温度を調節するための水の配管が配置されており、その支持体と水との接触面積が部分的に異なること、
前記支持体は内部に温度を調節するための水の配管が配置されており、その支持体上面から配管までの熱伝導性が部分的に異なること、
前記支持体の配管は配置間隔が部分的に異なること、
前記支持体の配管は直径が部分的に異なること、
前記支持体の配管は支持体上面からの距離が部分的に異なること、
前記支持体は、支持体上面から配管までの熱伝導率が部分的に異なるように材質を組み合わせて形成されていること、
前記支持体の配管は水の流れる方向が前記基板上の発熱が大きい個所から小さい個所へと流すこと、
前記支持体と電子源基板の間にヘリウムガスが充填されており、その圧力が部分的に異なること、
前記支持体の表面にエンボス加工が施されており、支持体と電子源基板の接触面積が部分的に異なること、
前記支持体の配管を流れる水の流量が部分的に異なること、
前記支持体は実施態様4乃至11の構成を組み合わせて作製されていること、
等を本発明の好ましい形態として含む。
【0014】
本発明の電子源の製造装置は、予め導電体が形成された基板を支持するための支持体と、支持体で支持された基板上を覆う容器とを具備する。ここで、容器は基板表面の一部の領域を覆うもので、これにより基板上の導電体に接続され該基板上に形成されている配線の一部分が容器外に露出された状態で基板上に気密な空間を形成し得る。一方、支持体は熱回収量が部分的に異なるように構成されており、活性化中の電子源基板上で発生する不均一な発熱に対して電子源基板の表面の温度分布を均一にするという機能を持っている。
【0015】
また、容器には、気体の導入口と気体の排気口が設けられており、これら導入口及び排気口にはそれぞれ容器内に気体を導入するための手段及び容器内の気体を排出するための手段が接続されている。これにより、容器内を所望の雰囲気に設定することができる。また、導電体が予め形成された基板とは、電気的処理を施すことで導電体に電子放出部を形成し電子源となす基板である。
【0016】
本発明の製造装置は、更に、電気的処理を施すための手段、例えば、導電体に電圧を印加する手段をも具備する。以上の製造装置においては電子放出素子の性能ばらつきを均一にするばかりでなく、装置の小型化を達成でき、電気的処理における電源との電気的接続等の操作性の簡易化を達成できる他、真空容器の大きさや形状等の設計の自由度が増し、真空容器内への気体の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1、図2は本発明による電子源の製造装置の一実施形態を示す図である。図1は断面図、図2は図1の電子源基板10の周辺部分を詳細に示す一部切欠斜視図である。
【0018】
図中6は、電子放出素子となる導電体、7はX方向配線、8はY方向配線、10は電子源基板、11は支持体、12は真空容器、15は気体の導入口、16は排気口、18はシール部材、19は拡散板、20は水の配管、21は水素または有機物質ガス、22はキャリアガス、23は水分除去フィルタである。
【0019】
また、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバルブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は配管、30は取り出し配線、32a、bは電源及び電流制御系からなる駆動ドライバー、31a、bは電子源基板の取り出し配線30と駆動ドライバーとを接続する配線、33は拡散板19の開口部、41は熱伝導部材、70はプローブユニットである。
【0020】
支持体11は、電子源基板10を保持して固定するもので、真空チャッキング機構、静電チャッキング機構若しくは固定冶具等により、機械的に電子源基板10を固定する機構を有する。支持体11の内部には、水の配管20が設けられ、必要に応じて電子源基板10を熱伝導部材41を介して加熱することができる。
【0021】
また、支持体11は詳しく後述するように基板表面の発熱分布に対応して熱回収量が部分的に異なっており、活性化中に電子源基板10上で発生する不均一な発熱に対して電子源基板10の表面の温度分布を均一にする等の機能を備えている。
【0022】
熱伝導部材41は、支持体11上に設置されているが、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にならないように支持体11と電子源基板10の間で挟持するか、或いは支持体11に埋め込んで設置してもよい。そうすることで、熱伝導部材41は電子源基板10の反り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工程における発熱を、確実に支持体11へ伝えて放熱できるので、電子源基板10のクラック、破損の発生を防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0023】
また、電気的処理工程における発熱を素早く確実に放熱することにより、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板熱分布が影響する素子の不均一性の低減に寄与でき、均一性に優れた電子源の製造が可能となる。
【0024】
熱伝導部材41としては、シリコングリスやシリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を使用できる。粘性液状物質である熱伝導部材41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支持体11に粘性液状物質が所定の位置及び領域、即ち、少なくとも電子源基板10の導電体6の形成領域下で滞留するように、その領域に合わせて支持体11に滞留機構を設置してもよい。これは、例えば、O−リングや耐熱性の袋に粘性液状物質を入れ、密閉した熱伝導部材とすることで実現できる。
【0025】
O−リング等を設置して粘性液状物質を滞留させる場合において、基板10との間に空気層ができて正しく接しない時には、空気抜けの通孔や電子源基板設置後に粘性液状物質を基板10と支持体11の間に注入する方法を採ることができる。
【0026】
図3は粘性液状物質が所定の領域で滞留するようにO−リングと粘性液状物質導入口とを設けた場合の実施形態を示す概略断面図である。なお、図3では図1と同一部分は同一符号を付している。図3において、71はO−リングであり、熱伝導部材(粘性液状物質)41が外側に漏れないように密閉するのに用いている。また、72は粘性液状物質を導入する粘性液状物質導入管である。
【0027】
この粘性液状物質を支持体11及び電子源基板10間で挟持し、且つ、温度制御を行いながら循環させる機構を付与すれば、水の配管20に替わり、電子源基板10の加熱手段或いは冷却手段となる。即ち、目的温度に対する温度調節を行う、例えば、循環型温度調節装置と液状媒体等からなる機構により加熱手段や冷却手段となる。
【0028】
また、熱伝導部材41は弾性部材を用いてもよい。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商標)樹脂等の合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、アルミナ等のセラミック材料、銅やアルミの金属材料等を使用できる。これらは、シート状或いは分割したシート状であってもよい。また、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板10の配線に合わせたX方向、或いはY方向に伸びた線状、円錐状等の突起状、球体や、ラグビーボール状(楕円球状体)等の球状体、或いは球状体表面に突起が形成されている形状の球状体等を支持体11上に設置してもよい。
【0029】
真空容器12は、ガラスやステンレス製の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からなるものが好ましい。真空容器12は電子源基板10の取り出し配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆い、且つ、少なくとも、1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)から大気圧の圧力範囲に耐えられる構造のものである。シール部材18は電子源基板10と真空容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリングやゴム性シート等が用いられる。
【0030】
有機物質ガス21には、後述する電子放出素子の活性化に用いる有機物質、又は有機物質を窒素、ヘリウム、アルゴン等で希釈した混合気体が用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12内に導入することもある。このように他の工程で気体を導入する際には、導入配管、バルブ部材25eを用いて、真空容器12を配管28に接続することで使用することができる。
【0031】
電子放出素子の活性化に用いる有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の有機酸類等が挙げられる。より具体的には、メタン、エタン、プロパン等のCnH2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン、プロピレン等のCnH2n等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベンゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0032】
有機ガス21は、有機物質が常温で気体である場合にはそのまま使用でき、有機物質が常温で液体又は固体の場合には、容器内で蒸発又は昇華させて用いられる。或いは、更にこれを希釈ガスと混合する等の方法で用いることができる。キャリアガス22には、窒素又はアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが用いられる。
【0033】
有機物質ガス21とキャリアガス22は、一定の割合で混合されて真空容器12内に導入される。両者の流量及び混合比は、ガス流量制御装置24によって制御される。ガス流量制御装置24はマスフローコントローラ及び電磁弁等から構成されている。これらの混合ガスは必要に応じて配管28の周囲に設けられたヒータ(図示せず)によって適当な温度に加熱された後、導入口15から真空容器12内に導入される。混合ガスの加熱温度は電子源基板10の温度と同等にすることが好ましい。
【0034】
なお、配管28の途中に水分除去フィルタ23を設けて、導入ガス中の水分を除去するのがより好ましい。水分除去フィルタ23としては、シリカゲル、モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を用いることができる。
【0035】
真空容器12に導入された混合ガスは、排気口16を通じて真空ポンプ26により一定の排気速度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定に保持される。本実施形態で用いる真空ポンプ26はドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ等の低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが好ましく用いられる。
【0036】
活性化に用いる有機物質の種類にもよるが、上記混合気体の圧力は混合気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器12の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であり、数百Pa(数Torr)から大気圧の圧力である。
【0037】
また、真空容器12の気体導入口15と電子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体の流れが制御され、基板全面に均一に有機物質が供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し好ましい。
【0038】
電子源基板10の取り出し電極30は真空容器12の外部に設けられ、プローブユニット70を用いて配線30と接続し、駆動ドライバー32a、bに接続する。
【0039】
本実施形態では、真空容器12は電子源基板10上の導電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能である。また、電子源基板10の配線部が真空容器12外に有るため、電子源基板10と電気的処理を行うための電源装置(駆動ドライバー)との電気的接続を容易に行うことができる。
【0040】
以上のようにして真空容器12内に有機物質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバー32a、bを用い、配線31a、bを通じて電子源基板10上の各電子放出素子にパルス電圧を印加することにより、電子放出素子の活性化を行う。
【0041】
次に、本発明による電子源の製造装置を用いて電子源を製造する具体的な方法について説明する。まず、導電体6と導電体6に接続された配線とが予め形成された電子源基板10を支持体11上に設置し、配線の一部分を除き基板10上の導電体6を真空容器12で覆う。これにより、電子源基板10上に形成されている配線の一部分が容器12外に露出された状態で、導電体は基板上に形成された気密な空間内に配置される。
【0042】
次いで、真空容器12内を所望の雰囲気とし、容器外に露出された一部分の配線を通じて導電体6に電気的処理、例えば、導電体6への電圧の印加を行う。ここで、所望の雰囲気とは、例えば、減圧された雰囲気、或いは特定の気体が存在する雰囲気である。また、電気的処理は導電体6に電子放出部を形成し電子源となす処理である。
【0043】
また、電気的処理は異なる雰囲気下にて複数回行う場合もある。例えば、配線の一部分を除き電子源基板10上の導電体6を真空容器12で覆い、まず、容器内を第1の雰囲気として電気的処理を行い、次に真空容器12内を第2の雰囲気として電気的処理を行う。以上により、導電体に良好な電子放出部が形成され、電子源を製造できる。ここで、第1及び第2の雰囲気は、好ましくは、第1の雰囲気が減圧された雰囲気、第2の雰囲気が炭素化合物等の特定の気体が存在する雰囲気である。
【0044】
以上の製造方法においては、電気的処理における電源との電気的接続等を容易に行うことが可能となる。また、真空容器12の大きさや形状等の設計の自由度が増すので容器内への気体の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピードが向上する他、製造する電子源の電子放出特性の再現性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源における電子放出特性の均一性を向上できる。
【0045】
次に、上記電子源と画像形成部材とを組み合わせることにより、図4に示すような画像形成装置を作製することができる。図4は画像形成装置68を一部を切欠して示す概略斜視図である。図4において、6は電子放出素子、10は電子源基板、62は支持枠、66はガラス基板63、蛍光体64及びメタルバック65からなるフェースプレートである。
【0046】
図4の画像形成装置においては、各電子放出素子に容器外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを通じ、走査信号及び変調信号を図示しない信号発生手段からそれぞれ印加することにより、電子を放出させ、高圧端子67を通じてメタルバック65或いは図示しない透明電極に5kVの高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光体膜64に衝突させて励起、発光させることで画像を表示する。
【0047】
また、走査信号配線は、例えば、Dx1の容器外端子に近い電子放出素子と遠い電子放出素子との間で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図4で示すように片側走査配線で構わないが、素子数が多く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くするか、配線厚を厚くするか、或いは両側から電圧を印加する手法等を採ることができる。
【0048】
ここで、本発明は以上述べた実施形態において、特に、温度調節機能を備えた支持体11の構成に関するものである。即ち、活性化中に電子源基板10上で発生する不均一な発熱に対して電子源基板10表面の温度分布を均一にするという課題を解決するものである。更に、電子放出素子の性能のばらつきをも均一にするという課題も解決するものである。そのため、本発明は基板表面の発熱分布に対応して熱回収量が部分的に異なる支持体を備えることを特徴とするものである。
【0049】
【実施例】
次に、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲内で各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。また、以下の実施例では、本発明に係る電子源の製造装置を用いて表面伝導型電子放出素子を複数備えた電子源を製造したが、温度調節機能を有する支持体の構成を変えてそれぞれ電子源の製造を行った。
【0050】
(実施例1)
図5は実施例1に係る製造装置の温度調節機能を備えた支持体を示す図であり、活性化中の電子源基板10と内部に水の配管20が設けられた支持体11を示す簡略断面図である。図5の支持体では配管20の間隔を支持体の中側と外側で変えている。なお、配管20は複数の配管が平行に配列されたものである。これは、以下の実施例でも同様である。
【0051】
実施例1では、活性化中の電子源基板10の表面に発生する熱は、中側は約0.8W/cmであり、外側は約1.4W/cmと発熱に分布がある。この発熱分布に対応して水の配管20は直径14mmの配管を使用し、中側の4本の配管20の配管間隔を50mm、その外側の各3本の配管20の間隔を25mmとすることで、部分的に熱回収量を異なるように支持体11を製作した。
【0052】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布が2℃以内で均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して配管間隔を変更しても良い。
【0053】
本実施例では、電子放出特性の優れた電子放出素子の活性化処理を行うことができた。更に、特別な温度調節をする必要がないため、コストを大幅に削減することができた。
【0054】
(実施例2)
図6は実施例2の製造装置における温度調節機能を備えた支持体を示す断面図である。実施例2は実施例1で用いた電子源基板や発熱量は同じであるが、図6に示すように水の配管20は等間隔とし、電子源基板10の発熱分布に対応して、中側の4本の配管は直径14mm、その外側の各2本の配管は28mmの配管とすることで冷却水と支持体との接触面積が異なるように支持体を製作した。
【0055】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して配管の直径を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0056】
(実施例3)
図7は実施例3の支持体を示す断面図である。実施例3では配管20は等間隔であり、発熱分布に対応して支持体11上面から配管20までの距離を中側4本の配管は支持体上面より26mmの位置、その外側の各2本の配管は15mmの位置とすることで支持体上面から配管までの熱伝導が異なるように支持体を製作した。
【0057】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して支持体上面から配管までの距離を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0058】
(実施例4)
図8は実施例4の支持体を示す断面図である。実施例4では、支持体11は支持体上層201と支持体下層202とで材質が異なるようにし、配管20は支持体下層202に等間隔に配置されている。支持体上層201の材質はSUS(熱伝導率:16W/mK)、支持体下層202はアルミニウム(熱伝導率:130W/mK)を用いている。
【0059】
また、支持体上層201のSUSの厚さは中心が43.2mm、外側が23.2mmとし、支持体下層202のアルミニウムの厚さは中側が20mm、外側が40mmとし、支持体11上面から配管20までの熱伝導率が異なるように支持体を製作した。
【0060】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板10の表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して支持体の材質や厚さを変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0061】
(実施例5)
図9は実施例5の支持体を示す断面図であり、実施例4の支持体上層と支持体下層を反対の形状としている。図9において、支持体上層201の材質はアルミニウム、支持体下層202はSUSとした。また、支持体上層201のアルミニウムの厚さは中心が7.5mm、外側が27.5mmとし、支、持体下層202のSUSの厚さは中心側が40mm、外側が20mmとすることで、支持体上面から配管までの熱伝導率が異なるように支持体を製作した。支持他下層202には等間隔で配管20を配置している。
【0062】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して支持体の材質や厚さを変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0063】
(実施例6)
図10は実施例6の支持体を示す断面図である。実施例6では、図10に示すように支持体11内に外側から内側に水の流れる配管20を設けており、水の流れを電子源基板10の表面の発熱量の大きい個所から小さい個所へと流れるように配管を構成した。なお、本実施例では配管の並びは図5と同様に複数の配管が平行に配列されており、それぞれの配管において図10に示すように中側で水が流れ出る構成としている。
【0064】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して水の流量を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0065】
(実施例7)
図11は実施例7の支持体を示す断面図である。実施例7では、図11に示すように電子源基板10と支持体11の間にヘリウムガス203が充填されており、発熱分布に対応して中側の4本の配管20に対応する位置のヘリウムガスの圧力は5hPa、その外側の各2本の配管20に対応する位置のヘリウムガスの圧力を30hPaとしている。なお、支持体11内の配管20は等間隔である。
【0066】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応してヘリウムガスの圧力やガスの充填領域を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0067】
(実施例8)
図12は実施例8の支持体を示す断面図である。実施例8では図12に示すように支持体11の表面にエンボス加工204が施されており、発熱分布に対応して中側4本の配管20に対応する位置における電子源基板10と支持体11の接触面積は50パーセントとしている。また、その外側の各2本の配管20に対応する位置における電子源基板10と支持体11の接触面積を80パーセントとしている。なお、支持体11内の配管20は等間隔である。
【0068】
このように構成された支持体わ用いて、活性化中に配管20に水を50L/min流したところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応してエンボスの形状やその領域を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0069】
(実施例9)
図13は実施例9の支持体を示す断面図である。実施例9では発熱分布に対応して、配管20の水の流量を調整できるように調整弁(不図示)を設けている。即ち、中側の4本の配管20は調整弁の調整により水の流量を小とし、その外側の各2本の配管20は調整弁の調整により水の流量が大となるように調整することで、部分的に熱回収量が異なるように支持体11を作製している。配管20は等間隔である。
【0070】
このように構成された支持体を用いて、活性化中に中側4本の配管の水の流量を30L/min、その外側の各2本の配管の流量を50L/minとしたところ、電子源基板表面の温度分布を均一にすることができた。なお、発熱量や発熱分布が変化してもそれに対応して冷却水の流量を変更しても良い。本実施例においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、支持体の熱回収量が部分的に異なるように構成することにより、活性化中に電子源基板で発生する不均一な発熱に対して電子源基板表面の温度分布を均一にでき、電子放出素子の性能ばらつきを均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子源の製造装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の電子源基板の周辺部分を一部を切欠して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る電子源の製造装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】電子源と画像形成部材を組み合わせた画像形成装置を一部を切欠して示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例1の支持体を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2の支持体を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例3の支持体を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例4の支持体を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例5の支持体を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例6の支持体を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例7の支持体を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例8の支持体を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例9の支持体を示す断面図である。
【符号の説明】
6 電子放出素子となる導電体
7 X方向配線
8 Y方向配線
10 電子源基板
11 支持体
12 真空容器
15 気体の導入口
16,17 排気口
18 シール部材
19 拡散板
20 水の配管
21 有機ガス物質
22 キャリヤガス
23 水分除去フィルタ
24 ガス流量制御装置
25 バルブ
26 真空ポンプ
27 真空計
28 配管
30 取り出し配線
31a、b 電子源基板の取り出し配線30と駆動ドライバーとを接続する配線
32a、b 電源、電流測定装置及び電流−電圧制御系装置からなる駆動ドライバー
33 拡散板19の開口部
41 熱伝導部材
62 支持枠
63 ガラス基板
64 蛍光体
65 メタルバック
66 フェースプレート
68 画像形成装置
70 プローブユニット
201 支持体上層
202 支持体下層
203 ヘリウムガス
204 エンボス

Claims (1)

  1. 導電体が形成された電子源基板を支持する支持体と、前記電子源基板を覆う真空容器とを含み、前記真空容器内を所望の雰囲気とした状態で前記導電体に電圧を印加することにより、前記導電体の活性化を行う電子源の製造装置において、前記支持体は熱回収量が部分的に異なることを特徴とする電子源の製造装置。
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