JP2002245929A - 電子源の製造装置及びその製造方法、並びに画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子源の製造装置及びその製造方法、並びに画像表示装置の製造方法

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JP2002245929A
JP2002245929A JP2001040565A JP2001040565A JP2002245929A JP 2002245929 A JP2002245929 A JP 2002245929A JP 2001040565 A JP2001040565 A JP 2001040565A JP 2001040565 A JP2001040565 A JP 2001040565A JP 2002245929 A JP2002245929 A JP 2002245929A
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source substrate
frame
conductor
manufacturing
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JP2001040565A
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Shigeto Kamata
重人 鎌田
Kazuhiro Oki
一弘 大木
Akihiro Kimura
明弘 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化と操作性の簡易化を可能とし、
電子放出特性の優れた電子源を製造することができ、製
造スピードに優れ量産性に適した電子源の製造装置及び
製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の電子源の製造装置は、所定の導
電体6が形成されてなる電子源基板10を支持する支持
部材11と、電子源基板10の少なくとも導電体6の形
成部位を覆い密閉する真空容器12とを備え、導電体6
に所定の電気的処理を施すに際して、真空容器12と電
子源基板10との間にフレーム101を配置し、フレー
ム101と真空容器12との間、及びフレーム101と
電子源基板10との間にそれぞれシール材102,10
3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の導電体が形
成されてなる電子源の製造装置及びその製造方法、並び
に画像表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類の
ものが知られている。冷陰極電子放出素子には、電界放
出型、金属層/絶縁層/金属層型や表面伝導型電子放出
素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。その
基本的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−23
5255号公報、特開平8−171849号公報などに
開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続され
その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなる
ことを特徴とするものである。また、前記導電性膜の一
部亀裂が形成されている。
【0005】また、前記亀裂の端部には、炭素または炭
素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成
されている。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作製する
ことができる。
【0007】また、前記電子源と蛍光体とを組み合わせ
ることにより、画像形成装置の表示パネルを形成するこ
とができる。
【0008】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。
【0009】即ち、第1の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる素子を複数と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作製する。次に、作製
した電子源基板全体を真空チャンバ内に設置する。次
に、真空チャンバ内を排気した後、外部端子を通じて前
記各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜に亀裂を形成
する。更に、該真空チャンバ内に有機物質を含む気体を
導入し、有機物質の存在する雰囲気下で前記各素子に再
び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あ
るいは炭素化合物を堆積させる。
【0010】また、第2の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる素子を複数と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作製する。次に、作製
した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を
挟んで接合して画像形成装置のパネルを作製する。その
後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネ
ルの外部端子を通じて前記各素子に電圧を印加し各素子
の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該排
気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の
存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて
電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を
堆積させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法は、とりわけ、電子源基板
が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネ
ル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要す
る。
【0012】そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされ
たものであり、装置の小型化と操作性の簡易化を可能と
し、電子放出特性の優れた電子源を製造することがで
き、製造スピードに優れ量産性に適した電子源の製造装
置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による電子源の製
造装置は、電子源基板を支持する支持部材と、前記電子
源基板の一部を覆う真空容器と、前記真空容器内の前記
電子源基板の所定部位に電気的処理を施す処理手段とを
備えた製造装置であって、前記真空容器と前記電子源基
板との間に配置されるフレームを有し、前記フレームと
前記真空容器との間、及び前記フレームと前記電子源基
板との間には、それぞれシール材が設けられていること
を特徴とする。
【0014】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記フレームは、前記真空容器に固定されている。
【0015】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記フレームは、着脱自在に設けられる。
【0016】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記電子源基板に応じたサイズ及び形状の前記フレ
ームが選択されて用いられる。
【0017】本発明による電子源の製造装置は、所定の
導電体が形成されてなる電子源基板を支持する支持部材
と、前記電子源基板の少なくとも前記導電体の形成部位
を覆い密閉する真空容器と、前記真空容器に所定の気体
を導入及び排出自在な雰囲気調節手段と、前記電子源基
板の前記導電体と電気的に接続し、前記真空容器内の前
記導電体に電気的処理を施すための処理手段と、前記真
空容器と前記電子源基板との間に配置されるフレーム
と、前記フレームと前記真空容器との間、及び前記フレ
ームと前記電子源基板との間にそれぞれ設けられるシー
ル材とを備えたことを特徴とする。
【0018】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記電子源基板の前記導電体に接続された配線の一
部を前記真空容器の外部に導出した状態で、前記配線の
一部と前記処理手段とを接続する。
【0019】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記フレームは、前記真空容器に固定されている。
【0020】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記フレームは、着脱自在に設けられる。
【0021】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記電子源基板に応じたサイズ及び形状の前記フレ
ームが選択されて用いられる。
【0022】本発明による電子源の製造装置の一態様で
は、前記電気的処理は、前記雰囲気調節手段により前記
真空容器内を減圧した状態で前記導電体に電圧を印加し
て当該導電体を加工した後、前記雰囲気調節手段により
前記真空容器内に前記気体を導入した状態で前記導電体
に電圧を印加して前記導電体に前記気体分子を堆積させ
る処理である。
【0023】本発明による電子源の製造方法は、所定の
導電体が形成されてなる電子源基板を支持部材に固定す
る第1の工程と、前記電子源基板の少なくとも前記導電
体の形成部位を真空容器で覆い密閉する第2の工程と、
前記真空容器内の雰囲気を調節する第3の工程と、前記
電子源基板の前記導電体に電気的処理を施す第4の工程
とを備え、前記第2の工程において、前記真空容器と前
記電子源基板との間にフレームを配置し、前記フレーム
と前記真空容器との間、及び前記フレームと前記電子源
基板との間にそれぞれシール材を設けることを特徴とす
る。
【0024】本発明による電子源の製造方法の一態様で
は、前記第4の工程において、前記電子源基板の前記導
電体に接続された配線の一部を前記真空容器の外部に導
出した状態で、前記配線を通して前記導電体に通電す
る。
【0025】本発明による電子源の製造方法の一態様で
は、前記第2の工程において、前記フレームを前記真空
容器に固定する。
【0026】本発明による電子源の製造方法の一態様で
は、前記フレームは、着脱自在に設けられる。
【0027】本発明による電子源の製造方法の一態様で
は、前記電子源基板に応じたサイズ及び形状の前記フレ
ームが選択されて用いられる。
【0028】本発明による電子源の製造方法の一態様で
は、前記第3及び第4の工程において、前記真空容器内
を減圧した状態で前記導電体に電圧を印加して当該導電
体を加工した後、前記真空容器内に前記気体を導入した
状態で前記導電体に電圧を印加して前記導電体に前記気
体分子を堆積させる。
【0029】本発明による画像表示装置の製造方法は、
所定の電子源を備えた電子源基板と、前記電子源基板と
対向する位置に配設されて電子の照射により可視光を発
する蛍光体とを備える画像表示装置を対象としており、
前記電子源を、前記電子源の製造方法により製造するこ
とを特徴とする。
【0030】本発明においては、真空容器によりフレー
ムを介して支持部材に固定された電子源基板の一部の領
域を覆い、フレームと真空容器との間、及びフレームと
電子源基板との間にそれぞれシール材を設けることによ
り、該基板上に気密な空間を形成し得る。この状態で、
該基板の所定部位に電気的処理を施すことにより、所定
の電子源を製造する。このように、本製造装置にあって
は、処理対象である電子源基板を収納する真空チャンバ
ー等が不要であるために小型化が達成され、前記電気的
処理における電源との電気的接続などの操作性の簡易化
が達成されることに加え、前記真空容器の大きさや形状
などの設計の自由度が増し該容器内への気体の導入、該
容器外への気体の排出を短時間で行うことが可能とな
り、製造スピードが向上する他、製造される電子源の電
子放出特性の再現性、とりわけ複数の電子放出部を有す
る電子源における電子放出特性の均一性が向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した好適な実
施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】図1,図2は、本実施形態に係る電子源の
製造装置を示しており、図1は装置全体の概観図、図2
は図1における電子源基板の周辺部分を示す斜視図であ
る。図1,図2において、6は電子放出素子となる導電
体、7はX方向配線、8はY方向配線、10は電子源基
板、11は支持部材、12は真空容器、15は気体の導
入口、16は排気口、18はシール部材、19は拡散
板、20はヒータ、21は水素または有機物質ガス、2
2はキャリアガス、23は水分除去フィルタ、24はガ
ス流量制御装置、25a〜25fはバルブ、26は真空
ポンプ、27は真空計、28は配管である。これらガス
流量制御装置24、バルブ25a〜25f、真空計2
7、配管28を備えて真空容器12内の雰囲気調節手段
が構成される。また、30は取り出し配線、32a,3
2bは電源及び電流制御系からなる駆動ドライバ、31
a,31bは電子源基板10の取り出し配線30と駆動
ドライバとを接続する配線、33は拡散板19の開口
部、41は熱伝導部材である。
【0033】支持部材11は、電子源基板10を保持し
て固定するものであり、真空チャッキング機構、静電チ
ャッキング機構若しくは固定冶具などにより、機械的に
電子源基板10を固定する機構を有する。支持部材11
の内部には、ヒータ20が設けられ、必要に応じて電子
源基板10を熱伝導部材41を介して加熱することがで
きる。
【0034】熱伝導部材41は、支持部材11上に設置
され、電子源基板10を保持して固定する機構の障害に
ならないように、支持部材11と電子源基板10の間で
挟持されるか、あるいは、支持部材11に埋め込まれる
ように設置されていてもよい。
【0035】熱伝導部材は電子源基板の反り、うねりを
吸収し、電子源基板への電気的処理工程における発熱
を、確実に支持部材、あるいは、後述する副真空容器へ
伝え、放熱することができ、電子源基板のクラック、破
損の発生を防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与でき
る。
【0036】また、電気的処理工程における発熱を素早
く、確実に放熱することにより、温度分布による導入ガ
スの濃度分布の低減、基板熱分布が影響する素子の不均
一性の低減に寄与でき、均一性に優れた電子源の製造が
可能となる。
【0037】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を
使用することができる。粘性液状物質である熱伝導部材
41が支持部材11上を移動する弊害がある場合は、支
持部材11に、粘性液状物質が所定の位置及び領域、す
なわち、少なくとも電子源基板10の導電体6形成領域
下で滞留するように、その領域に合わせて、支持部材1
1に滞留機構を設置してあってもよい。これは、例え
ば、O−リングや、あるいは、耐熱性の袋に粘性液状物
質を入れ、密閉した熱伝導部材とした構成とすることが
できる。
【0038】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、基板との間に空気層ができて正
しく接しない場合は、空気抜けの通孔や、電子源基板設
置後に粘性液状物質を基板と支持部材の間に注入する方
法も採ることができる。図3は、粘性液状物質が所定の
領域で滞留するように、O−リングと粘性液状物質導入
口とを設けた装置の概略断面図である。
【0039】この粘性液状物質を支持部材11及び電子
源基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いながら循環
させる機構が付与されれば、ヒータ20に替わり、電子
源基板10の加熱手段、あるいは、冷却手段となる。ま
た、目的温度に対する温度調節が行える、例えば、循環
型温度調節装置と液状媒体などからなる機構を付与する
ことができる。
【0040】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商標)樹
脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、ア
ルミナなどのセラミック材料、銅やアルミの金属材料等
を使用することができる。これらは、シート状、あるい
は、分割されたシート状で使用されていてもよい。ある
いは、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板の配線に合
わせたX方向、あるいは、Y方向に伸びた線状、円錐状
などの突起状、球体や、ラグビーボール状(楕円球状
体)などの球状体、あるいは、球状体表面に突起が形成
されている形状の球状体などが支持部材上に設置されて
いてもよい。
【0041】真空容器12は、ガラスやステンレス製の
容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からなる
ものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10の取
り出し配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆
い、かつ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×1
-3Torr)から大気圧の圧力範囲に耐えられる構造
のものである。
【0042】シール部材18は、電子源基板10と真空
容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリ
ングやゴム性シートなどが用いられる。
【0043】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質
を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が
用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を
行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気
体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12
内に導入することもある。このように他の工程で気体を
導入する際には、導入配管、バルブ部材25eを用い
て、真空容器12を配管28に接続すれば、使用するこ
とができる。
【0044】前記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパ
ンなどのCnH2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレンなどのCnH2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベン
ゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0045】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用でき、有機物質が常温で
液体、または、固体の場合は、容器内で蒸発または昇華
させて用いる、或いは更にこれを希釈ガスと混合するな
どの方法で用いることができる。キャリアガス22に
は、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが
用いられる。
【0046】有機物質ガス21と、キャリアガス22
は、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入さ
れる。両者の流量及び、混合比は、ガス流量制御装置2
4によって制御される。ガス流量制御装置24は、マス
フローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これ
らの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けら
れた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混
合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にす
ることが好ましい。
【0047】なお、配管28の途中に、水分除去フィル
タ23を設けて、導入ガス中の水分を除去するとより好
ましい。水分除去フィルタ23には、シリカゲル、モレ
キュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を用い
ることができる。
【0048】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定
に保持される。本発明で用いられる真空ポンプ26は、
ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ
等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが好ま
しく用いられる。
【0049】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において、前記混合気体の圧力は、混合
気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器1
2の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以
上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向
上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であ
り、数百Pa(数Torr)から大気圧の圧力である。
【0050】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体
の流れが制御され、基板全面に均一に有機物質が供給さ
れるため、電子放出素子の均一性が向上し好ましい。
【0051】電子源基板の取り出し電極30は、真空容
器12の外部にあり、TAB配線やプローブなどを用い
て配線30と接続し、駆動ドライバ32に接続する。
【0052】本実施形態、さらには後述する実施形態に
おいても同様であるが、真空容器は、電子源基板上の導
電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能であ
る。また、電子源基板の配線部が真空容器外に有るた
め、電子源基板と電気的処理を行うための電源装置(駆
動ドライバ)との電気的接続を容易に行うことができ
る。
【0053】以上のようにして真空容器12内に有機物
質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を
用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子に
パルス電圧を印加することにより、電子放出素子の活性
化を行うことができる。
【0054】以上述べた製造装置を用いた電子源の製造
方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳述する。
【0055】前記電子源と画像形成部材とを組み合わせ
ることにより、図3に示すような画像形成装置を形成す
ることができる。図3は画像形成装置の概略図である。
図21において、6は電子放出素子、10は電子源基
板、62は支持枠、66はガラス基板63、蛍光体64
及びメタルバック65からなるフェースプレート、68
は画像形成装置である。
【0056】画像形成装置において、各電子放出素子に
は、容器外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを通じ、走
査信号及び変調信号を図示しない信号発生手段によりそ
れぞれ印加することにより、電子を放出させ、高圧端子
67を通じ、メタルバック65、あるいは、図示しない
透明電極に5kVの高圧を印加し、電子ビームを加速
し、蛍光体膜64に衝突させ励起、発光させることで画
像を表示する。
【0057】また、走査信号配線は、例えば、Dx1の容
器外端子に近い電子放出素子と遠い電子放出素子との間
で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図21で
示すような、片側走査配線で構わないが、素子数が多
く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くする
か、配線厚を厚くするか、あるいは、両側から電圧を印
加する手法等を採ることができる。
【0058】本発明は、以上述べた実施形態で、特に真
空容器の部分に関するものである。特に本発明は、電子
源基板のサイズ変更の度に行われる真空容器のサイズ交
換に要する多大なコストと手間と時間を削減するという
課題を解決するものである。
【0059】特に、本発明はそのために、真空容器と電
子源基板との間に着脱可能なフレームを有し、フレーム
と真空容器、及びフレームと電子源基板との間に、それ
ぞれシール材を備えることを特徴とするものである。
【0060】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0061】[実施例1]本実施例は、本発明に係る製
造装置を用いて表面伝導型電子放出素子を複数備える電
子源を製造するものである。
【0062】図4は、本発明に係る製造装置の実施形態
を説明する概観図であり、101はフレームである。図
5は、図4における電子源基板10、真空容器12、フ
レーム101の部分を拡大した斜視図である。図6は、
フレーム101の一例を示した斜視図である。
【0063】図5において、102はフレーム101と
真空容器12との間の容器シール材、103はフレーム
101と電子源基板10との間の基板シール材である。
フレーム101、容器シール材102、基板シール材1
03とも、電子源基板10の外周部付近に位置した周状
のOリングもしくはゴムシートなどである。
【0064】電子源基板10上に、順に基板シール材1
03、フレーム101、容器シール材102を予め載置
し、それらを不図示の支持部材11の上に固定した後、
真空容器12を重ねる。
【0065】このとき、容器シール材102は、予め真
空容器12に固定されていてもよい。電子源基板10、
基板シール材103、フレーム101、容器シール材1
02、真空容器12により形成された内部空間は密閉さ
れる。
【0066】この状態で、該内部空間を所定の雰囲気と
し、電子源基板10の導電体6に電気的処理を施す。具
体的には、前記雰囲気調節手段により真空容器12内を
減圧した状態で導電体6に電圧を印加して導電体6に亀
裂を形成した後、前記雰囲気調節手段により真空容器1
2内に有機物質ガス21を導入した状態で導電体6に電
圧を印加し、導電体6に有機物質を堆積させる。
【0067】本例では、電子源基板10のサイズが変更
されたときも、図7や図8に示されるようなフレーム1
01a、101bと、図32の基板シール材103とサ
イズの違う103a、103bを用いることで、電子源
基板10の所定領域を容易に所定の雰囲気とすることが
できる。
【0068】本発明に係る電子源の製造装置を用いて、
電子源基板10の電子源作製と、電子放出特性の優れた
電子放出素子の活性化処理を行うことができる。
【0069】さらに、電子源基板のサイズが変更されて
も、電子源基板のサイズに合わせて真空容器全体を交換
する必要がなくなり、この交換のためのコストと手間と
時間を大幅に軽減することができる。
【0070】[実施例2]図9は本発明に係る製造装置
の別の実施形態を説明する断面図であり、フレーム10
1が真空容器12に固定された図である。同図におい
て、104はフレーム101を固定する固定手段であ
り、フレーム101は前期固定手段104であるボルト
により真空容器12に固定されている。また、102
は、フレーム101と真空容器12との間に挟まれた容
器シール材である。
【0071】基板シール材103は、電子源基板10の
上に予め載せておいてもよいし、フレーム101に固定
しておいてもよい。
【0072】電子源基板10、基板シール材103、フ
レーム101、容器シール材102、真空容器12によ
り形成された内部空間は密閉され、不図示の真空ポンプ
26などを用いて電子源基板10の所定領域を容易に所
定の雰囲気とすることができる。
【0073】また、電子源基板10のサイズが変更され
たときは、フレーム101の下面の形状を電子源基板1
0の形状に合わせることで対応できる。このとき、真空
容器12全体を交換するのではなく、ボルト締結された
フレーム101のみの交換ですむので、この交換のため
のコストと手間と時間を大幅に軽減することができる。
【0074】本実施例においても、実施例1と同様の効
果が得られる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、装置の小型化と操作性
の簡易化を可能とし、電子放出特性の優れた電子源を製
造することができ、電子源基板のサイズ変更にも、短期
間で低コスト且つ低労力で対応可能であり、電子源の製
造スピード及び量産性の大幅な向上が実現する。
【0076】また、本発明によれば、前記電子源を備え
てなる画像品位の優れた画像形成装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す概
観図である。
【図2】図1における電子源基板の周辺部分を一部を破
断して示す斜視図である。
【図3】画像形成装置の構成を一部を破断して示す斜視
図である。
【図4】本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す概
観図である。
【図5】本発明に係る電子源の製造装置における真空容
器の部分を示す断面図である。
【図6】本発明に係るフレームの斜視図である。
【図7】本発明に係るフレームの別の形態を示す断面図
である。
【図8】本発明に係るフレームの別の形態を示す断面図
である。
【図9】本発明に係るフレームの別の形態を示す断面図
である。
【符号の説明】
5:電子放出部、6:電子放出素子、7:X方向配線、
8:Y方向配線、10:電子源基板、11:支持部材、
12:真空容器、15:気体の導入口、16,17:排
気口、18:シール部材、19:拡散板、20:ヒー
タ、21:有機物質ガス物質、22:キャリヤガス、2
3:水分除去フィルタ、24:ガス流量制御装置、2
5:バルブ、26:真空ポンプ、27:真空計、28:
配管、30:取り出し配線、31:電子源基板の取り出
し配線30と駆動ドライバ32とを接続する配線、3
2:電源、電流測定装置及び電流−電圧制御系装置から
なる駆動ドライバ、33:拡散板19の開口部、41:
熱伝導部材、62:支持枠、63:ガラス基板、64:
メタルバック、65:蛍光体、66:フェースプレー
ト、68:画像形成装置、101:フレーム、102:
容器シール材、103:基板シール材、104:固定手

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源基板を支持する支持部材と、 前記電子源基板の一部を覆う真空容器と、 前記真空容器内の前記電子源基板の所定部位に電気的処
    理を施す処理手段とを備えた電子源の製造装置であっ
    て、 前記真空容器と前記電子源基板との間に配置されるフレ
    ームを有し、前記フレームと前記真空容器との間、及び
    前記フレームと前記電子源基板との間には、それぞれシ
    ール材が設けられていることを特徴とする電子源の製造
    装置。
  2. 【請求項2】 前記フレームは、前記真空容器に固定さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の電子源の製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記フレームは、着脱自在に設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子源の製造
    装置。
  4. 【請求項4】 前記電子源基板に応じたサイズ及び形状
    の前記フレームが選択されて用いられることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子源の製造装
    置。
  5. 【請求項5】 所定の導電体が形成されてなる電子源基
    板を支持する支持部材と、 前記電子源基板の少なくとも前記導電体の形成部位を覆
    い密閉する真空容器と、 前記真空容器に所定の気体を導入及び排出自在な雰囲気
    調節手段と、 前記電子源基板の前記導電体と電気的に接続し、前記真
    空容器内の前記導電体に電気的処理を施すための処理手
    段と、 前記真空容器と前記電子源基板との間に配置されるフレ
    ームと、 前記フレームと前記真空容器との間、及び前記フレーム
    と前記電子源基板との間にそれぞれ設けられるシール材
    とを備えたことを特徴とする電子源の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記電子源基板の前記導電体に接続され
    た配線の一部を前記真空容器の外部に導出した状態で、
    前記配線の一部と前記処理手段とを接続することを特徴
    とする請求項5に記載の電子源の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記フレームは、前記真空容器に固定さ
    れていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子
    源の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記フレームは、着脱自在に設けられる
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の
    電子源の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記電子源基板に応じたサイズ及び形状
    の前記フレームが選択されて用いられることを特徴とす
    る請求項5〜8のいずれか1項に記載の電子源の製造装
    置。
  10. 【請求項10】 前記電気的処理は、前記雰囲気調節手
    段により前記真空容器内を減圧した状態で前記導電体に
    電圧を印加して当該導電体を加工した後、前記雰囲気調
    節手段により前記真空容器内に前記気体を導入した状態
    で前記導電体に電圧を印加して前記導電体に前記気体分
    子を堆積させる処理であることを特徴とする請求項5〜
    9のいずれか1項に記載の電子源の製造装置。
  11. 【請求項11】 所定の導電体が形成されてなる電子源
    基板を支持部材に固定する第1の工程と、 前記電子源基板の少なくとも前記導電体の形成部位を真
    空容器で覆い密閉する第2の工程と、 前記真空容器内の雰囲気を調節する第3の工程と、 前記電子源基板の前記導電体に電気的処理を施す第4の
    工程とを備え、 前記第2の工程において、前記真空容器と前記電子源基
    板との間にフレームを配置し、前記フレームと前記真空
    容器との間、及び前記フレームと前記電子源基板との間
    にそれぞれシール材を設けることを特徴とする電子源の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第4の工程において、前記電子源
    基板の前記導電体に接続された配線の一部を前記真空容
    器の外部に導出した状態で、前記配線を通して前記導電
    体に通電することを特徴とする請求項11に記載の電子
    源の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の工程において、前記フレー
    ムを前記真空容器に固定することを特徴とする請求項1
    1又は12に記載の電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記フレームは、着脱自在に設けられ
    ることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に
    記載の電子源の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記電子源基板に応じたサイズ及び形
    状の前記フレームが選択されて用いられることを特徴と
    する請求項11〜14のいずれか1項に記載の電子源の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第3及び第4の工程において、前
    記真空容器内を減圧した状態で前記導電体に電圧を印加
    して当該導電体を加工した後、前記真空容器内に前記気
    体を導入した状態で前記導電体に電圧を印加して前記導
    電体に前記気体分子を堆積させることを特徴とする請求
    項11〜15のいずれか1項に記載の電子源の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 所定の電子源を備えた電子源基板と、
    前記電子源基板と対向する位置に配設されて電子の照射
    により可視光を発する蛍光体とを備える画像表示装置の
    製造方法であって、前記電子源を、請求項11〜16の
    いずれか1項に記載の製造方法により製造することを特
    徴とする画像表示装置の製造方法。
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