JP3483537B2 - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents

画像表示装置の製造方法

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JP3483537B2 JP2001048989A JP2001048989A JP3483537B2 JP 3483537 B2 JP3483537 B2 JP 3483537B2 JP 2001048989 A JP2001048989 A JP 2001048989A JP 2001048989 A JP2001048989 A JP 2001048989A JP 3483537 B2 JP3483537 B2 JP 3483537B2
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gas
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置の製
造方法に関し、特に、電子放出素子を備えた冷陰極型の
画像表示装置を対象とする。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱陰極型と冷陰極型を用いた2種類のものが知られてい
る。冷陰極型には、さらに、電界放出型、金属/絶縁層
/金属型や表面伝導型等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。本
出願人は、新規な構成を有する表面伝導型電子放出素子
とその応用に関し、多数の提案を行っている。その基本
的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−2352
55号公報、特開平8−171849号公報、特開20
00-311594号公報、特開平11−195374
号公報、EP−A−0908916号公報などに開示さ
れている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の電極と、該一対の電極に接続されその一部
に間隙を有する導電性膜とを有してなることを特徴とす
るものである。
【0005】また、前記間隙には、炭素または炭素化合
物の少なくとも一方を主成分とするカーボン膜が配置さ
れる。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作製する
ことができる。
【0007】また、前記電子源と蛍光体とを組み合わせ
ることにより、画像表示装置を形成することができる。
【0008】従来、このような電子源および画像表示装
置の製造は以下のように行われていた。即ち、第1の製
造方法としては、まず、導電性膜及び該導電性膜に接続
された一対の電極からなるユニットを複数と、該複数の
ユニットのそれぞれ構成する電極に接続した配線とを基
板上に作製する。次に、作製した基板全体を真空チャン
バー内に設置する。次に、真空チャンバー内を排気した
後、外部端子を通じて前記各ユニットに電圧を印加し、
各ユニットを構成する導電性膜に間隙を形成する("フ
ォーミング"工程)。更に、真空チャンバー内に炭素化
合物の気体を導入し、その雰囲気下で前記各ユニットに
再び外部端子を通じて電圧を印加する。この電圧印加に
より、前記間隙近傍に炭素あるいは炭素化合物の少なく
とも一方を主成分とするカーボン膜を配置させる("活
性化"工程)。その結果、各々のユニットを電子放出素
子にせしめ、複数の電子放出素子からなる電子源を作成
する。その後、電子源が形成された基板と、蛍光体が配
置された基板とを数mmの間隔を置いて接合して画像表
示装置のパネルを作製する。
【0009】また、第2の製造方法としては、まず、導
電性膜及び該導電性膜に接続された一対の電極からなる
ユニットを複数と、該複数のユニットのそれぞれ構成す
る電極に接続した配線とを基板上に作製する。次に、作
製した基板と、蛍光体が配置された基板とを数mmの狭
い間隔を置いて接合して画像表示装置のパネルを作製す
る。その後、該パネル内を、該パネルに接続された排気
管を通じて排気し、その後、パネルの外部端子を通じて
前記各ユニットに電圧を印加し各ユニットを構成する導
電性膜に間隙を形成する("フォーミング"工程)。更
に、該パネル内に該排気管を通じて炭素化合物の気体を
導入し、その雰囲気下で前記各ユニットに再び外部端子
を通じて電圧を印加する。この電圧印加により、前記間
隙近傍に炭素あるいは炭素化合物の少なくとも一方を主
成分とするカーボン膜を配置させる("活性化"工程)。
その結果、各々のユニットを電子放出素子にせしめ、複
数の電子放出素子からなる電子源を作成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子源ならびに
画像形成装置の製造方法では、前記した"フォーミング"
工程および"活性化"工程が採られていた。しかしなが
ら、前記第1の製造方法では、電子源基板が大きくなる
に従い、より大型の真空チャンバー及び高真空対応の排
気装置が必要になる。また、第2の製造方法では、パネ
ル内の狭い空間への"フォーミング"工程や"活性化"工程
に用いられるガスの均一な導入およびパネル内のガスの
排気に長時間を要する。
【0011】本発明は、特に前記"活性化"工程のスピー
ドを向上すると共に、電子放出特性の均一性を向上し、
さらには、量産性に適した電子源ならびに画像表示装置
の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】また、同時に、本発明は、電子放出特性の
優れた電子源を製造することができ、当該電子源を具備
した基板とそれに対向して配置され、蛍光体を有する基
板とで安定した真空気密を保持する画像表示装置及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0014】 本発明の画像表示装置の製造方法は、導
電体と該導電体に接続された配線とが形成された第1の
基板を支持体上に配置する工程と、前記第1の基板の一
部を容器にて覆い、前記導電体を前記第1の基板と前記
容器とで形成された空間内に配置するとともに、前記空
間外に前記配線の一部分を配置する工程と、前記容器と
前記第1の基板とで形成された前記空間内を所望の雰囲
気とする工程と、前記空間外に配置された前記一部分の
配線を通じて前記導電体に電圧を印加し、当該導電体に
電子放出部を形成する工程と、前記容器を前記第1の基
板から取り外す工程と、前記空間を形成するために前記
容器と前記第1の基板とが接続されていた領域とは異な
る領域において、当該第1の基板と画像形成部材を有す
る第2の基板とを接合部材を介して接合する工程とを含
む。
【0015】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記空間内を所望の雰囲気とする工程は、当該空
間内を排気する工程を含む。
【0016】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記空間内を所望の雰囲気とする工程は、前記空
間内に気体を導入する工程を含む。
【0017】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、更に、前記第1の基板を前記支持体上に固定する
工程を有する。
【0018】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に固定する工程
は、当該基板と当該支持体とを真空吸着させる工程を含
む。
【0019】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に固定する工程
は、当該基板と当該支持体とを静電吸着させる工程を含
む。
【0020】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に配置する工程
は、当該基板と当該支持体との間に熱伝導部材を配置し
て行われる。
【0021】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板の温度調節を行う工程を含む。
【0022】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板を加熱する工程を含む。
【0023】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板を冷却する工程を含む。
【0024】本発明の画像形成装置の製造方法は、一対
の電極と該一対の電極間に配置された導電性膜とを備え
るユニットの複数と、該複数のユニットを接続する配線
とが形成された第1の基板を支持体上に配置する工程
と、容器を前記第1の基板の一部を覆うことで、前記複
数のユニットを前記第1の基板と前記容器とで形成され
た空間内に配置し、前記空間外に前記配線の一部分を配
置する工程と、前記容器と前記第1の基板とで形成され
た前記空間内を所望の雰囲気とする工程と、前記一部分
の配線を通じて前記複数のユニットに電圧を印加するこ
とで前記ユニットを電子放出素子とせしめる工程と、前
記空間を形成するために前記容器と前記基板とが接続さ
れた領域とは異なる領域において、画像形成部材を有す
る第2の基板とを接合部材を介して接合する工程とを含
む。
【0025】本発明の画像形成装置の製造方法は、一対
の電極と該一対の電極間に配置された導電性膜とを備え
るユニットの複数と、該複数のユニットに接続された複
数のX方向配線と複数のY方向配線とが形成された第1
の基板を支持体上に配置する工程と、容器を前記第1の
基板の一部を覆うことで、前記複数のユニットを前記第
1の基板と前記容器とで形成された空間内に配置し、前
記空間外に前記複数のX方向配線及び前記複数のY方向
配線の一部を配置する工程と、前記容器と前記第1の基
板とで形成された前記空間内を所望の雰囲気とする工程
と、前記一部分のX方向配線及びY方向配線を通じて前
記複数のユニットに電圧を印加することで前記ユニット
を電子放出素子とせしめる工程と、前記空間を形成する
ために前記容器と前記基板とが接続された領域とは異な
る領域において、画像形成部材を有する第2の基板とを
接合部材を介して接合する工程とを含む。
【0026】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記空間内を所望の雰囲気とする工程は、当該空
間内を排気する工程を含む。
【0027】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記空間内を所望の雰囲気とする工程は、前記空
間内に気体を導入する工程を含む。
【0028】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、更に、前記第1の基板を前記支持体上に固定する
工程を有する。
【0029】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に固定する工程
は、当該基板と当該支持体とを真空吸着させる工程を含
む。
【0030】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に固定する工程
は、当該基板と当該支持体とを静電吸着させる工程を含
む。
【0031】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記第1の基板を前記支持体上に配置する工程
は、当該基板と当該支持体との間に熱伝導部材を配置し
て行われる。
【0032】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板の温度調節を行う工程を含む。
【0033】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板を加熱する工程を含む。
【0034】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
では、前記導電体に電圧を印加する工程は、前記第1の
基板を冷却する工程を含む。
【0035】本発明に関わる電子源基板および画像形成
装置の製造装置は、まず、予め導電体が形成された基板
を支持するための支持体と、その支持体にて支持された
前記基板上を覆う容器とを具備する。
【0036】ここで、その容器は、前記基板表面の一部
の領域を覆うもので、これによりその基板上の導電体に
接続され基板上に形成されている配線の一部分が容器外
に露出された状態で基板上に気密な空間を形成し得る。
また、容器には、気体の導入口と気体の排気口が設けら
れており、これら導入口及び排気口にはそれぞれ該容器
内に気体を導入するための手段及び容器内の気体を排出
するための手段が接続されている。これにより容器内を
所望の雰囲気に設定することができる。また、前記導電
体が予め形成された基板とは、電気的処理を施すことで
導電体に電子放出部を形成し電子源となす基板である。
【0037】よって、この製造装置は、更に、電気的処
理を施すための手段、例えば、該導電体に電圧を印加す
る手段をも具備する。以上の製造装置にあっては、小型
化が達成され、前記電気的処理における電源との電気的
接続などの操作性の簡易化が達成される他、前記容器の
大きさや形状などの設計の自由度が増し容器内への気体
の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことが可
能となる。
【0038】また、その製造方法は、まず、導電体と該
導電体に接続された配線とが予め形成された基板を支持
体上に配置し、前記配線の一部分を除き前記基板上の導
電体を容器で覆う。これにより、該基板上に形成されて
いる配線の一部分が該容器外に露出された状態で、前記
導電体は、該基板上に形成された気密な空間内に配置さ
れることとなる。
【0039】次に、前記容器内を所望の雰囲気とし、前
記容器外に露出された一部分の配線を通じて前記導電体
に電気的処理、例えば、前記導電体への電圧の印加がな
される。ここで、前記所望の雰囲気とは、例えば、減圧
された雰囲気、あるいは、特定の気体が存在する雰囲気
である。また、前記電気的処理は、前記導電体に電子放
出部を形成し電子源となす処理である。また、前記電気
的処理は、異なる雰囲気下にて複数回なされる場合もあ
る。
【0040】例えば、前記配線の一部分を除き前記基板
上の導電体を容器で覆い、まず、前記容器内を第1の雰
囲気として前記電気的処理を行う工程と、次に、前記容
器内を第2の雰囲気として前記電気的処理を行う工程と
がなされ、以上により前記導電体に良好な電子放出部が
形成され電子源が製造される。
【0041】ここで、前記第1及び第2の雰囲気は、好
ましくは、第1の雰囲気が減圧された雰囲気であり、第
2の雰囲気が炭素化合物などの特定の気体が存在する雰
囲気である。
【0042】以上の製造方法にあっては、前記電気的処
理における電源との電気的接続などが容易におこなうこ
とが可能となる。また、前記容器の大きさや形状などの
設計の自由度が増すので容器内への気体の導入、容器外
への気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピー
ドが向上する他、製造される電子源の電子放出特性の再
現性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源におけ
る電子放出特性の均一性が向上する。
【0043】更に、この様に作られた電子源基板と蛍光
体が形成された別基板とを、その間隔が一定に保つよう
に枠部材を介して、フリットガラス等を用いて接合し真
空気密形成を行う。このとき、この接合位置が、前記容
器と電子源基板とが接触していたところと別の位置とな
るようにする。これにより、電子源基板と蛍光体が形成
された別基板と枠部材との接合が、前記容器に備わる真
空気密部材の成分が電子源基板へ付着することの影響を
受けず、接合が安定し確実な真空形成が行える。
【0044】
【発明の実施の形態】図1(a) 、図1(b)、図2、
図3、図4に示した模式図を用いて、本発明の画像表示
装置68の製造方法ならびに電子源の製造方法について
説明する。尚、図1(a)は、本発明の製造方法により製
造された画像表示装置の斜視模式図であり、内部が理解
できるように、フェースプレート66および支持枠62
の一部を省略している。図1(b)は図1(a)の画像表
示装置の、XZ平面における断面模式図である。図2、
図3、図4は、電子源(電子源基板)の製造装置の一例
の模式図を示しており、図2、図4は電子源製造装置の
断面図、図3は真空容器12の周囲を拡大した斜視図で
ある。尚、図1、図2、図3、図4において、同一の符
号が与えられた部材は同一の部材を指す。
【0045】前記電子源の製造装置は、少なくとも前
記"活性化"工程に用いられる。また、前記製造装置
は、"活性化"工程に加えて、前記"フォーミング"工程に
も用いることが好ましい。
【0046】図1、図2、図3、図4において、7はX
方向配線、8はY方向配線、69は電子放出素子、10
は電子源が配置されたリアプレート(電子源基板)、6
6は透明な基板63内面に蛍光体膜64と導電膜(メタ
ルバック)65とを有するフェースプレート、62はフ
ェースプレート66とリアプレート10との間の減圧空
間を保持するための支持枠である。67は、導電膜(メ
タルバック)に高電位を印加するための端子である。D
x1〜Dxmは、リアプレート10と支持枠62とフェ
ースプレート66とで囲まれた空間内から外部まで伸びた
X方向配線7の端部30と、前記減圧空間外で接続され
た外部配線である。Dy1〜Dynは、リアプレート1
0と支持枠62とフェースプレート66とで囲まれた減
圧空間内から外部まで伸びたY方向配線8の端部30
と、前記減圧空間外で接続された外部配線である。
【0047】また、61は、リアプレート10と、後述
する"活性化"工程に用いられる真空容器12(真空気密
部材18)との接続領域である。71は支持枠62(接
合部材70)とリアプレート10との接合領域である。
【0048】ここで説明する例においては、真空容器1
2(真空気密部材18)とリアプレートとの接続領域6
1が、支持枠62(接合部材70)とリアプレート10
との接続領域71の内側に配置される。しかし、本発明
においては、図19(a)に示す様に、真空容器12(真
空気密部材18)とリアプレートとの接続領域61が、
支持枠62(接合部材70)とリアプレート10との接
続領域71の外側に配置される形態であっても良い。
尚、図19(b)は図19(a)の画像表示装置の、XZ
平面における断面模式図である。
【0049】即ち、本発明の製造方法の最も重要な点
は、詳しくは後述するように、真空容器12(真空気密
部材18)とリアプレート10との接続領域61と、支
持枠62(接合部材70)とリアプレート10との接続
領域71とを異なるようにすることにある。このように
することにより、真空容器12をリアプレートに気密性
高く密着させるために用いられた真空気密部材18の残
渣がリアプレート10上に残り、その残渣がリアプレー
ト10と支持枠62との接合に与える悪影響を極力抑制
できる。その結果、支持枠62とリアプレート10との
接合を気密性高く行うことができ、そして画像表示装置
内の高真空を長期に渡り安定に維持することができる。
【0050】図2、図3、図4において、6は一対の電
極と該電極間を繋ぐ導電性膜とからなるユニットであ
る。このユニット6は、前述した"フォーミング"工程お
よび"活性化"工程を施すことにより電子放出素子とな
る。
【0051】図2、図3、図4において、7はX方向配
線、8はY方向配線、10はリアプレート、11はリア
プレート10を支持する支持体、12は真空容器(カバ
ー)、15は気体の導入口、16は排気口である。前記
X方向配線およびY方向配線は、前記ユニット6に接続
している。18は、リアプレート10と真空容器12と
で囲まれる空間を気密に保持するために、リアプレート
10と真空容器12との間に設けられた真空気密部材
(以下、シール部材と記す)である。通常、前記シール
部材18は、真空容器12に接合されている。30は、
リアプレート10と真空容器12とで囲まれた空間内か
ら、その外部まで伸びたX方向配線7およびY方向配線
8の端部である。32は電源及び電流制御系からなる駆
動ドライバー、31は前記X方向配線7およびY方向配
線8の端部30と駆動ドライバーとを接続する外部配線
である。
【0052】19は拡散板、33は拡散板19の開口
部、20は、リアプレート10の温度制御手段、41は
熱伝導部材である。尚、拡散板19は、複数のユニット
に"活性化"に用いるガス及び/或いは"フォーミング"に
用いるガスが均等に行き渡るように好ましくは設けられ
るが、必ずしも必要とはしない。また、温度制御手段2
0および熱伝導部材41もリアプレートの面積(ユニッ
トが設けられる領域)が大きければ好ましく用いられる
が、必ずしも必要とはしない。
【0053】前記製造装置を"フォーミング"工程で用い
る場合には、21としては、ユニット6を構成する導電
性膜に対して還元性を有す還元材料(水素など)が選択
される。また、前記電子源製造装置を"活性化"工程で用
いる場合には、21としては炭素化合物材料が選択され
る。
【0054】22は炭素化合物材料及び/或いは還元材
料21を真空容器12内に導入し易くするためのキャリ
アガスであり、必要に応じて用いられるが、必ずしも必
要とはしない。23は水分を除去するためのフィルタ
ー、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバル
ブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は配管であ
り、これらも必要に応じて用いられるが、必ずしも必要
とはしない。
【0055】支持体11は、リアプレート10を保持し
て固定するものであり、真空チャッキング機構や固定冶
具などにより、リアプレート10を固定する機構を有す
る。支持体11の内部には、好ましくはヒーターなどの
温度制御手段20が設けられ、必要に応じてリアプレー
ト10を熱伝導部材41を介して加熱することができ
る。熱伝導部材41は、支持体11上に設置され、リア
プレート10を保持し固定する際の障害にならないよう
に、支持体11とリアプレート10の間で挟持される
か、あるいは、支持体11自体にその機能を持たせても
よい。
【0056】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性を有する液
状物質を使用することが好ましい。このような変形可能
な熱伝導部材は、リアプレートの反り、うねりを吸収
し、各ユニット6への電圧印加工程("フォーミング"工
程や"活性化"工程)における発熱を、確実に支持体、あ
るいは、後述する副真空容器へ伝え、放熱することがで
き、リアプレートのクラック、破損の発生を防ぐことが
でき、歩留まりの向上に寄与できる。
【0057】粘性液状物質である熱伝導部材41が支持
体11上を移動する弊害がある場合は、支持体11に、
粘性液状物質が所定の位置及び領域、すなわち、少なく
ともリアプレート10のユニット6が形成された領域下
に滞留するように、ユニット6が形成された領域に合わ
せて、支持体11に滞留機構を設置することが好まし
い。この滞留機構としては、例えば、Oリングや、ある
いは、耐熱性の袋に粘性液状物質を入れ、密閉した熱伝
導部材とした構成とすることができる。
【0058】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、基板との間に空気層ができて正
しく接しない場合がある。そのような場合に備え、空気
抜けの通孔を設ける構成や、リアプレート設置後に粘性
液状物質を基板と支持体の間に注入する方法を採ること
が好ましい。図4では、粘性液状物質が所定の領域で滞
留するように、Oリングと粘性液状物質導入口とを設け
た装置の概略を示している。
【0059】また、熱伝導部材41は、弾性部材であっ
てもよい。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商
標)樹脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材
料、アルミナなどのセラミック材料、銅やアルミの金属
材料等を使用することもできる。これらは、シート状、
あるいは、分割されたシート状で使用されていてもよ
い。あるいは、図9及び図10に示すように、円柱状、
角柱状等の柱状、リアプレート上の配線に合わせたX方
向、あるいは、Y方向に伸びた線状、円錐状などの突起
状、球体や、ラグビーボール状(楕円球状体)などの球
状体、あるいは、球状体表面に突起が形成されている形
状の球状体などが支持体上に設置されていてもよい。
【0060】図11は、複数の弾性部材を使用した球状
の熱伝導部材の構成概略図である。ここでは、ゴム材料
の部材等の変形し易い微少球状物と、この微少球状物の
直径よりも直径が小さな球状物(ゴム材料の部材よりも
変形し難い球状物質)とを電子源基板10と支持体11
との間に散布し、挟持することで、熱伝導部材41を構
成している。
【0061】図12は、複合材料的な熱伝導部材の構成
概略図である。セラミック部材、金属部材等の硬質部材
で中心部材を構成し、この熱伝導部材の球状物表面をゴ
ム部材で被覆したものを用いることで熱伝導部材41を
構成している。支持体11上を移動し易い球状物質など
を使用する際には、粘性液状物質を使用する場合につい
て記述したような、支持体11上に滞留機構がある構成
が望ましい。
【0062】さらに、弾性部材は、電子源基板に対向す
る面に凹凸の形状が形成されていてもよい。凹凸形状は
前述した柱状、線状、突起状、球状(半球状)などが好
ましい。具体的には、図9に示すような、電子源基板の
X方向配線、あるいは、Y方向配線の位置に略々合わせ
た線状の凹凸形状や、図10に示すように、各電極の位
置に略々合わせた柱状の凹凸形状、または、図示しない
が、半球状の凹凸形状が熱伝導部材の面に形成されてい
ることが好ましい。
【0063】このように熱伝導部材を配置することで、
各ユニット6への電圧印加工程("フォーミング"工程
や"活性化"工程)における発熱を素早く、確実に放熱す
ることができる。また、温度分布による導入ガスの濃度
分布の低減、基板熱分布が影響する電子放出素子の不均
一性の低減に寄与でき、均一性に優れた電子源の製造が
可能となる。
【0064】温度制御手段20としては、例えば密閉さ
れた管状であり、この中に温調媒体が封入されるものを
採用することができる。なお、図示しないが、前記粘性
液状物質を支持体11及びリアプレート10間で挟持
し、かつ温度制御を行いながら循環させる機構とするこ
とで、リアプレート10の加熱手段、あるいは、冷却手
段とすることができる。また、目的温度に対する温度調
節が行える。例えば、循環型温度調節装置と液状媒体な
どからなる機構を付与することができる。
【0065】真空容器(カバー)12は、ガラスやステ
ンレス製の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材
料からなるものが好ましい。真空容器(カバー)12は
リアプレート10の表面の一部領域(X方向配線および
Y方向配線の端部)が大気に露出するように、リアプレ
ート10を覆う。具体的には、図3に示す様に、真空容
器12とリアプレート10とで囲まれた空間内には、リ
アプレート10上のユニット6が形成された領域が含ま
れる。一方、リアプレート10の表面であって、前記真
空容器12とリアプレート10とで囲まれていない領域
には、X方向配線7およびY方向配線8の端部30が大
気中に露出される。この様な構成とすることで、各々の
ユニット6に、大気中に露出した、配線7および配線8
の端部30を通じて簡易に前記"活性化"工程や"フォー
ミング"工程における電圧の印加を行うことができる。
【0066】真空容器12は、少なくとも、1.33×
10-1Pa(1×10-3Torr)から大気圧の圧力範
囲に耐えられる構造のものである。
【0067】シール部材18は、リアプレート10と真
空容器12との間の気密性を保持するために用いられる
弾性体である。弾性体としては、具体的には、ゴムであ
り、より具体的には、ニトリルゴム、シリコンゴム、フ
ッ素ゴムなどのOリングや、ゴム性シートが用いられ
る。
【0068】"活性化"工程に用いられる炭素化合物ガス
には、後述する有機物質ガス、または、有機物質ガスを
窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで希釈した
ガスを用いる。
【0069】また、後述する"フォーミング"工程を行う
際には、導電性膜への間隙形成を促進するための気体、
例えば、導電性膜に対して還元性を有するガス(具体的
には水素ガス等)を真空容器12内に導入することが好
ましい。
【0070】前記電子放出素子の"活性化"工程に用いら
れる有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキン
の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、
フェノール、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを
挙げることができる。より具体的には、メタン、エタ
ン、プロパンなどのCn2n+2で表される飽和炭化水
素、エチレン、プロピレンなどのCn2n等の組成式で
表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノ
ール、エタノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノ
ール、ベンゾニトリル、アセトニトリル等が使用でき
る。
【0071】有機物質としては、用いる有機物質が常温
で気体である場合にはそのまま使用できる。一方で、用
いる有機物質が常温で液体、または、固体の場合は、容
器内で蒸発または昇華させて用いる。
【0072】前述したキャリアガス22を用いる場合に
は、有機物質ガス21とキャリアガス22は、一定の割
合で混合されて、真空容器12内に導入される。両者の
流量及び、混合比は、ガス流量制御装置24によって制
御される。ガス流量制御装置24は、マスフローコント
ローラ及び電磁弁等から構成される。これらの混合ガス
は、必要に応じて配管28の周囲に設けられた図示しな
いヒーターによって適当な温度に加熱された後、導入口
15より、真空容器12内に導入される。混合ガスの加
熱温度は、電子源基板10の温度と同等にすることが好
ましい。
【0073】なお、配管28の途中に、水分除去フィル
ター23を設けて、導入ガス中の水分を除去するとより
好ましい。水分除去フィルター23には、シリカゲル、
モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を
用いることができる。
【0074】真空容器12に導入されたガスは、排気口
16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速度で
排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定に保
持される。本発明で用いられる真空ポンプ26は、ドラ
イポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ等、
低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが好ましく
用いられる。
【0075】"活性化"工程に用いる有機物質の種類にも
よるが、本製造装置において、より簡易に"活性化"工程
を行うには、いわゆる粘性流領域のガスを用いることが
好ましい。ここで言う、「粘性流領域」とは、真空容器
12内に導入されるガス(有機物質ガスあるいは、有機
物質ガスとキャリアガスの混合ガス)の平均自由行程λ
が真空容器12の内側のサイズに比べて十分小さくなる
程度の圧力以上である。より具体的には、数百Pa(数
Torr)から大気圧の圧力を指す。
【0076】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、真空容器
12内に導入する気体の流れが制御され、基板(リアプ
レート)全面に均一に有機物質が供給することができ
る。その結果、電子放出素子の均一性が向上するので好
ましく用いられる。拡散板19としては、図2及び図4
に示したように、開口部33を複数有する金属板などが
用いられる。拡散板19の開口部33の形成方法は、図
13及び図14に示すように、導入口近傍と、導入口か
ら遠い領域での開口部の面積を変えるか、あるいは、開
口部の数を変えて形成することが好ましい。
【0077】拡散板19において、図14に示すよう
に、導入口から遠いほど、開口部の面積が大きいか、あ
るいは、図示してはいないが、開口部の数が多い、ある
いは、開口部の面積が大きく、その数が多いように形成
すると、真空容器12内を流れる混合気体の流速がほぼ
一定となり、均一性向上の点でより好ましい。ただし、
拡散板19は、粘性流の特徴を考慮した形状にすること
が重要で、この明細書中で述べる形状に限定されるもの
ではない。
【0078】例えば、開口部33を、同心円状に等間隔
でかつ円周方向に等角度間隔で形成し、かつ、該開口部
の開口面積を下式の関係を満たすように設定するとよ
い。ここでは、基体の導入口からの距離に比例して開口
面積が大きくなるように設定している。これにより、電
子源基板表面により均一性良く導入物質を供給すること
ができ、電子放出素子の活性化を均一性よく行うことが
できる。
【0079】Sd=S0×[1+(d/L)2]/2 但し、 d:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との交
点からの距離 L:気体の導入口の中心部から、気体の導入口の中心部
からの延長線と拡散板との交点までの距離 Sd:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点からの距離dにおける開口面積 S0:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点における開口面積
【0080】気体の導入口15と排気口16の位置は、
本実施の形態に限定されず、種々の態様を取ることがで
きるが、真空容器12内に有機物質を均一に供給するた
めには、気体の導入口15と排気口16の位置は、真空
容器12において、図2及び図4に示すように、上下
に、もしくは、図7に示すように、左右に異なる位置に
あることが好ましく、且つ略々対称の位置にあることが
より好ましい。
【0081】前述したように、各X方向配線7およびY
方向配線の端部30は、真空容器12の外部にある。端
部30は、TAB配線やプローブなどを介して駆動ドラ
イバー32と接続する。
【0082】このように、本製造装置の場合、真空容器
12で前記各ユニット6を覆えばよいため、製造装置の
小型化が可能である。つまり、従来のように真空チャン
バー中に基板(リアプレート)を全て入れる場合に比
べ、製造装置を小型化できる。また、従来のように、蛍
光体などの画像形成部材が配置されたフェースプレート
と、前記ユニット6が配置されたリアプレートとを封着
した後に、"活性化"工程や"フォーミング"工程を行う場
合では、フェースプレートとリアプレート間の間隔が狭
いためにコンダクタンスが低くなり、ガスの導入および
排気に時間を要した。しかし、本発明の製造装置を用い
た製造方法によれば、容積の大きい(コンダクタンスの
大きい)真空容器12をリアプレート上のユニット6が
配置された領域のみを覆い、真空容器内へのガスの導入
および排気を行うので、従来よりも"活性化"工程や"フ
ォーミング"工程に要する時間を大幅に短縮できる。さ
らには、真空容器12内の容積を大きくできるので、リ
アプレート(電子源基板)上の各ユニットに有機物質ガ
スあるいは還元性ガスを均一性高く供給することがで
き、その結果均一性に優れた電子放出素子を形成するこ
とができる。また、電子源基板(リアプレート)のX方
向配線およびY方向配線の端部が真空容器12外に有る
ため、各ユニット6に電圧を印加するための電源装置
(駆動ドライバ)との電気的接続を大気中において容易
に行うことができる。
【0083】以上のようにして真空容器12内に有機物
質ガスを流した状態で、駆動ドライバー32を用い、X
方向配線およびY方向配線を通じてリアプレート10上
の各ユニット6にパルス電圧を印加することにより、電
子放出素子の"活性化"工程を行うことができる。
【0084】同様にして、有機物質ガスに代えて、水素
などの還元性ガスを用いれば、前述した"フォーミング"
工程を行うことができる。勿論、前記還元性ガスを用い
ずに、前述した真空容器12(製造装置)によって、各
ユニット6を、単に真空雰囲気下に置いて、"フォーミ
ング"工程を行うことができる。
【0085】さらに、以下に、前記した製造装置とは、
その一部を代えた別の製造装置について説明する。主と
して電子源基板10の支持方法を変えたものであり、そ
の他の構成は前述の形態と同様にすることができる。図
5及び図6は、その製造装置の形態を示したものであ
る。
【0086】図5及び図6において、13は真空容器、
14は副真空容器、17は副真空容器14の排気口であ
る。その他、図2〜図4と同じ構成部材等については、
同一符号を記している。
【0087】電子源基板10のサイズが大きい場合にお
いては、電子源基板10の表面側と裏面側とでの圧力
差、すなわち、真空容器12内の圧力と大気圧との圧力
差による該電子源基板10の破損を防ぐために、電子源
基板10の厚みを圧力差に耐えられる厚みにするか、あ
るいは、電子源基板10の真空チャッキング方法を併用
することで圧力差を緩和できるようにしている。
【0088】本実施形態では、電子源基板(リアプレー
ト)10を挟んでの圧力差を無くすか、問題にならない
ほど小さくすることを念頭に置いたものであり、この形
態においては、電子源基板10の厚みを薄くでき、この
電子源基板10を画像形成装置に適用した場合、該画像
形成装置の軽量化を図ることができる。この形態は、真
空容器12と副真空容器14との間に電子源基板10を
挟んで保持するものであり、本実施形態における支持体
11に代わる副真空容器14内の圧力を真空容器12の
圧力と略々等しく保つことにより、電子源基板10を水
平に保つものである。
【0089】真空容器12内及び副真空容器14内の圧
力は、それぞれ真空系27a、27bにより設定され、
副真空容器14の排気口のバルブ25gの開閉度を調節
することにより、両真空容器12,14内の圧力を略々
等しくすることができる。
【0090】図5において、副真空容器14内には、電
子源基板10の熱伝導部材として、シール材18と同じ
材質で作製されたシート状の第1の熱伝導部材41と、
電子源基板10からの発熱を熱伝導部材41を介して、
より効率よく、副真空容器14を介して外部へ放熱でき
るように、熱伝導率の大きな金属製の第2の熱伝導部材
42とが設置されている。
【0091】また、図6において、前記第1の熱伝導部
材41と、電子源基板10からの発熱を熱伝導部材41
を介して、より効率よく、副真空容器14を介して外部
へ放熱できるように、熱伝導率の大きな金属製の弾性部
材からなる第3の熱伝導部材43とが設置されている。
【0092】なお、図5及び図6においては、装置の概
略をより理解し易いように、副真空容器14の厚みを実
際よりも大きく記載している。
【0093】第2の熱伝導部材42には、電子源基板1
0を加熱できるように、内部にヒーターが埋め込まれて
おり、図示しない制御機構により外部より温度制御を行
うことができる。
【0094】また、さらに、別の形態として、第2の熱
伝導部材42の内部に、流体を保持、あるいは、循環で
きるような管状の密閉容器を内蔵し、外部よりこの流体
の温度を制御することにより、電子源基板10を、第1
の熱伝導部材41を介して冷却、または、加熱すること
もできる。また、副真空容器14の底部にヒーターを設
置し、または、底部の内部に埋め込み、外部より温度制
御する図示しない制御機構を設け、第2の熱伝導部材4
2、第1の熱伝導部材41を介して、電子源基板10を
加熱することができる。あるいは、第2の熱伝導部材4
2の内部と、副真空容器14の両方に、前記のような加
熱手段を設けて、電子源基板10の加熱、または、冷却
などの温度調節をすることも可能である。
【0095】この形態では、2種類の熱伝導部材41,
42を用いているが、熱伝部材は、1種類の熱伝導部
材、あるいは、3種類以上の熱伝導部材によって構成さ
れていてもよく、本形態に限定されるものではない。
【0096】気体の導入口15と排気口16の位置は、
本形態に示したものに限定されず、種々の態様を取るこ
とができる。しかし、真空容器12内に有機物質を均一
に供給するためには、気体の導入口15と排気口16の
位置は、真空容器12において、図5及び図6に示すよ
うに、上下、若しくは、前述の形態で示した図6に示す
ような態様の真空容器であって、左右異なる位置にある
ことが好ましく、略対称の位置にあることがより好まし
い。
【0097】本形態においても、上述の形態と同様に、
真空容器12内に気体を導入する工程を有する場合、拡
散板19を同様の形態で用いることが好ましい。また、
有機物質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ
ー32を用い、配線31を通じて電子源基板10上の各
電子放出素子にパルス電圧を印加することにより、電子
放出素子の活性化工程も上述の形態と同様に行うことが
できる。
【0098】本形態においても、上述の形態と同様に、
フォーミング処理工程や、真空容器12内に有機物質を
含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバー32を用
い、配線31を通じて電子源基板10上の各電子放出素
子にパルス電圧を印加することにより、電子放出素子の
活性化を行うことができる。
【0099】更に、異なる形態を取る製造装置を図8を
参照して説明する。本形態では、前述した、基板の表裏
の圧力差による基板の変形や破損を防ぐために、基板ホ
ルダー207に静電チャック208を具備するものであ
る。静電チャックによる基板の固定は、該静電チャック
の中に置かれた電極209と基板10との間に電圧を印
加して静電力により基板10を基板ホルダー208に吸
引するものである。また、203はOリング、204は
ベンゾニトリル、205は真空計、206は真空排気
系、215はブローブユニット、216はパルス発生器
である。
【0100】基板10に所定の電位を所定の値に保持す
るため、基板の裏面にはITO膜などの導電性膜を形成
する。なお、静電チャック方式による基板の吸着のため
には、電極209と基板の距離が短くなっている必要が
あり、いったん別の方法で基板10を静電チャック20
8に押し付けることが望ましい。図8に示す装置では、
静電チャック208の表面に形成された溝211の内部
を排気して基板10を大気圧により静電チヤックに押し
付け、高圧電源210により電極209に高電圧を印加
することにより、基板を十分に吸着する。
【0101】この後、真空チャンバー202の内部を排
気しても基板にかかる圧力差は静電チャックによる静電
力によりキャンセルされて、基板が変形したり、破損す
ることが防止できる。
【0102】更に、該静電チャック208と基板10の
間の熱伝導を大きくするために、上述の様にいったん排
気した溝211内に熱交換のための気体を導入すること
が望ましい。気体としては、Heが好ましいが、他の気
体でも効果がある。熱交換用の気体を導入することで、
溝211のある部分での基板10と静電チャック208
の間の熱伝導が可能となるのみならず、溝のない部分で
も単に機械的接触により基板10と静電チャック208
が熱的に接触している場合に比べ、熱伝導が大きくなる
ため、全体としての熱伝導は大きく改善される。これに
より、フォーミングや活性化などの処理の際、基板10
で発生した熱が容易に静電チャック208を介して基板
ホルダー207に移動して、基板10の温度上昇や局所
的な熱の発生による温度分布の発生が抑えられるほか、
基板ホルダーにヒーター212や冷却ユニット213な
どの温度制御手段を設けることにより、基板の温度をよ
り精度良く制御できる。
【0103】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するための
諸実施例について述べる。
【0104】(実施例1)以上述べた本発明の製造装置
を用いて図15、16に示される表面伝導型電子放出素
子を複数備えた図17に示される電子源基板の製造工程
について、以下、より具体的に説明する。
【0105】図15〜17において、10は基板(リア
プレート)、2、3は電極、4は導電性膜、29は炭素
膜、5は炭素膜29の間隙、Gは導電性膜4の間隙であ
る。まず、SiO2層を形成したガラス基板(サイズ3
50×300mm、厚さ5mm)上にオフセット印刷法
によりPtペーストを印刷し、加熱焼成して、図18に
示される厚み50nmの電極2、3を形成した。そし
て、スクリーン印刷法により、Agペーストを印刷し、
加熱焼成することにより、図18に示されるX方向配線
7(240本)及びY方向配線8(20本)を形成し、
X方向配線7とY方向配線8の交差部には、スクリーン
印刷法により、絶縁性ペーストを印刷し、加熱焼成して
絶縁層9を形成した。
【0106】次に、電極2、3間にインクジェット法に
より、パラジウム錯体溶液を滴下した。ここでは、イン
クジェット装置としてバブルジェット(登録商標)方式
のものを用いたが、所謂ピエゾ方式のインクジェット装
置を用いることもできる。そして、基板10上に付与した
液滴を350℃で30分間加熱して酸化パラジウムから
なる導電性膜4を形成した。導電性膜4の膜厚は、20
nmであった。以上のようにして、一対の電極2、3及
び導電性膜4からなるユニット6を複数個基板(リアプ
レート)10上に形成した。また、各々のユニット6
は、X方向配線7及びY方向配線8にてマトリクス状に
接続されている。このようにして"フォーミング"工程前
の電子源基板10を形成した。
【0107】前述の工程によって作製した電子源基板1
0を、図2及び図3に示した製造装置の支持体11上に
固定した。支持体11と電子源基板10との間には、厚
さ1.5mmの熱伝導性ゴムシート41が挟持される。
【0108】次に、シリコーンゴム製のシール部材18
を介してステンレス製真空容器12をX方向配線および
Y方向配線の端部30が該真空容器12の外に出る(大
気に露出する)ようにして、図3に示すように電子源基
板10上に設置した。電子源基板10上には、図13及
び図14に示すような開口部33を形成した金属板を拡
散板19として設置した。
【0109】排気口16側のバルブ25fを開け、真空
容器12内を真空ポンプ26(ここではスクロールポン
プ)で1.33×10-1Pa(1×10-3Torr)程
度に排気した後、排気装置の配管や、電子源基板に付着
していると考えられる水分を除去するため、図示しない
配管用のヒーターと電子源基板10用のヒーター20を
用いて、120℃まで昇温させ、2時間保持してから、
室温まで徐冷するベーキング工程を行った。
【0110】基板の温度が室温に戻った後、図3に示す
配線31を介して配線の端部30に接続された駆動ドラ
イバー32を用いて、X方向配線7及びY方向配線8を
通じて、各ユニット6の電極2、3間に電圧を印加し、
導電性膜4に電流を流し、図16に示す間隙Gを導電性
膜4に形成した("フォーミング"工程)。
【0111】続いて、同装置を用いて"活性化"工程を行
った。図2に示す気体供給用のバルブ25a乃至25d
及び気体の導入口15側のバルブ25eを開け、有機物
質ガス21とキャリアガス22との混合気体を真空容器
12内に導入した。有機ガス21には、エチレンガスを
用い、キャリヤガス22には、窒素ガスを用いた。排気
口16側の真空系27の圧力を見ながら、バルブ25f
の開閉度を調整し、真空容器12内の圧力が所望の圧力
になるようにした。
【0112】有機物質ガス導入後、駆動ドライバー32
を用いて、X方向配線7及びY方向配線8を通じて各ユ
ニット6の電極2、3間にパルス電圧を印加して"活性
化"工程を行った。なお、"活性化"工程は、Y方向配線
8全部及び、X方向配線7の非選択ラインを共通として
Gnd(接地電位)に接続し、所望のX方向配線7を選
択し、1ラインずつパルス電圧を順次印加する方法で行
った。
【0113】活性化処理終了時の素子電流If(電子放
出素子の電極間に流れる電流)を各X方向配線毎に測定
し、素子電流If値を比較したところ、各X方向配線毎の
バラツキは少なく、良好な活性化処理を行うことができ
た。
【0114】前記活性化処理が終了した電子放出素子に
は、図15、16に示すように間隙5を隔てて炭素膜2
9が形成されていた。
【0115】(実施例2)次に、図5に示した製造装置
を用いた電子源基板を製造した例を説明する。厚さ3m
mのSiO2層を形成したガラス基板をリアプレート1
0として用い、実施例1と同様にして"フォーミング"前
の電子源基板を作製した(図18)。そして、その電子
源基板10を、図5の製造装置の真空容器12と副真空
容器14との間に、それぞれシリコーンゴム製のシール
部材18、電子源基板10と接する面に円柱状の突起を
持つシート状のシリコーンゴム製熱伝導部材41、及び
内部に埋め込みヒーターを有するアルミニウムで作製し
た熱伝導部材42を介して設置した。
【0116】但し、本実施例では、図5に示した場合と
異なり、拡散板19は設置せずに"活性化"工程を行っ
た。
【0117】真空容器12の排気口16側バルブ25f
及び副真空容器14の排気口17側のバルブ25gを開
け、真空容器12内及び副真空容器14内を真空ポンプ
26a、26b(ここではスクロールポンプ)で排気し
た。
【0118】排気は、(真空容器12内の圧力)≧(副
真空容器14内の圧力)の状態を保ちつつ排気した。こ
れにより、基板10が圧力差により変形し、歪みが生じ
た場合、副真空容器側に凸になって熱伝導部材に押し付
けられて、熱伝導部材が、その変形を抑制し、基板10
を支持することになる。
【0119】電子源基板10のサイズが大きく、且つ電
子源基板10の厚みが薄い場合、この状態が逆な場合、
すなわち、(真空容器12内の圧力)≦(副真空容器1
4内の圧力)の状態を採り、真空容器12側へ凸状態に
なると、真空容器12内には、圧力の差による電子源基
板10の変形を抑制し、支持する部材が無いため、最悪
の場合、基板が真空容器12内に向って破損してしま
う。すなわち、基板のサイズが大きく、基板の厚みが薄
いほど、図5における電子源の製造装置においては、基
板の支持部材の役割をも持つ熱伝導部材が重要になる。
【0120】次に、実施例1と同様に、駆動ドライバー
32を用いてX方向配線7及びY方向配線8を通じて各
ユニット6の電極2、3間に電圧を印加し、導電性膜4
に電流を流し、図16に示す間隙Gを導電性膜4に形成
した("フォーミング"工程)。本製造方法においては、
電圧印加開始と同時に、導電性膜への亀裂の形成を促進
させるために酸化パラジウムに対して還元性を有する水
素ガスを徐々に導入して実施した。
【0121】続いて、同装置を用いて、"活性化"工程を
行った。気体供給用のバルブ25a乃至25d及び気体
の導入口15側のバルブ25eを開け、有機物質ガス2
1とキャリアガス22との混合気体を真空容器12内に
導入した。有機ガス21には、プロピレンガスを用い、
キャリアガス22には、窒素ガスを用いた。なお、混合
気体はそれぞれ水分除去フィルター23を通した後、真
空容器12内に導入した。排気口16側の真空計27a
の圧力を見ながらバルブ25fの開閉度を調整して、真
空容器12内の圧力が所望の圧力となるようにした。
【0122】同時に、副真空容器14の排気口17側の
バルブ25gの開閉度を調整して、副真空容器14内の
圧力が真空容器12内の圧力よりも低くなるようにし
た。
【0123】次に、本実施形態と同様に、駆動ドライバ
ー32を用いてX方向配線7及びY方向配線8を通じて
各ユニット6の電極2、3間に電圧を印加して"活性化"
工程を行った。"活性化"工程時の素子電流(電極2、3
間を流れる電流)Ifを、実施例1と同様の方法で測定
したところ、バラツキは、非常に低く、良好な"活性化"
工程を行うことができた。
【0124】なお、前記"活性化"工程が終了した電子放
出素子には、図15、16に示すように、間隙5を隔て
て炭素膜29が形成されていた。
【0125】本製造工程においては、真空容器12内に
有機物質を含む混合気体を圧力266×102 Pa(2
00Torr)と言う粘性流領域で導入したため、短期
間で容器内の有機物質を一定にすることができた。その
ため、活性化処理に要する時間を大幅に短縮することが
できた。
【0126】(実施例3)本実施例では、実施例1およ
び実施例2で説明した製造装置、及び製造工程にて作製
された電子源基板10を、図1に示した画像表示装置と
した。
【0127】図1(a)は本実施例で作成した画像表示装
置の模式図であり、Z方向の断面図を図1(b)に示
す。
【0128】同図において、69は電子放出素子、62
は支持枠である。66は、ガラス基板63とメタルバッ
ク64と蛍光体65とからなるフェースプレートであ
る。67は高圧端子である。また、61は電子源基板の
製造工程にて、真空容器12を電子源基板上に設置し、
シール部材18とともに真空容器12を除去した際の、
シール部材18の接続痕を示す。
【0129】電子源基板10と支持枠62との間、フェ
ースプレート66と支持枠62との間には、フリットガ
ラス、または、インジウム合金材などの接合部材70が
図1(b)中の様に狭持される。
【0130】ここで、電子源基板10と支持枠62の接
合位置71は、シール部材18の接続領域61と重なら
ない様、その外側に配置されるものとした。接続領域6
1には、シール部材18であるニトリルゴム、シリコー
ンゴム、フッ素ゴムなどからなるOリングやゴム性シー
トの成分の一部が、電子源基板へ押圧されることや電子
源基板の熱処理などにより残渣が存在する場合がある。
そのため、接続領域61における濡れ性の低下など電子
源基板10の表面状態が著しく変化する場合がある。そ
の結果、この接続領域61において、支持枠62と電子
源基板10との接続を行おうとすると、前記残渣の影響
で接合不良が起こる場合あり、後述するように画像表示
装置内を排気した際に、真空リークの問題を発生させる
ことがある。そのため、本発明では、接続領域61とは
異なる領域(接合位置71)において支持枠と電子源基
板との接合を行う。
【0131】更に、接合位置71を、シール部材18の
接続痕61の外側に配置することは、真空容器12の小
型化にも寄与する。
【0132】表示装置内は減圧状態に維持される。この
減圧状態の維持は例えば、フェースプレート66に設置
された図示しない排気管を通して表示装置内を排気し、
内部の圧力を大気圧以下にした後、この排気管を封止し
て、図1に示すような、画像表示装置が作製される。さ
らに、封止後の装置内部の圧力を維持するために、装置
内に設置された図示しないゲッタ材料を高周波加熱法に
よる処理が実施される場合もある。
【0133】以上のようにして完成した画像表示装置に
おいては、画像表示装置内の真空状態を確実に維持で
き、各電子放出素子には、装置外端子Dx1乃至Dxm、D
y1乃至Dynを通じ、走査信号及び変調信号を図示しない
信号発生手段によりそれぞれ印加することにより、電子
を放出させ、高圧端子67を通じ、メタルバック65、
あるいは、図示しない透明電極に5kVの高圧を印加
し、電子ビームを加速し、蛍光体膜64に衝突させ、励
起、発光させることで画像を表示する。
【0134】この実施形態における画像表示装置におい
ては、目視において輝度ばらつきや色むらがなく、テレ
ビジョンとして十部満足できる良好な画像を表示するこ
とができた。
【0135】(実施例4)図19(a)、図19(b)を
用いて、本実施例を説明する。図19(a)は本実施例で
作成した画像表示装置の模式的斜視図であり、図19
(b)は図19(a)のZ方向における断面模式図であ
る。図19で用いた符合のうち、図1と同一の符号は同
じ部材を指す。本実施例では、実施例1および実施例2
で作成した電子源基板10と支持枠62との接合位置7
1を、シール部材18の接続領域61と重ならないよう
に、その内側に配置したものである。これ以外は、第3
の実施例と同様にして画像表示装置を形成した。本実施
形態においては、フェースプレート66の小型化が可能
であること、さらに、電子源基板上の接続痕61が真空
形成部の外側となるために、接続痕61からの放出ガス
が電子源へ及ぼす影響を気にする必要がない。
【0136】本実施例で作成した画像表示装置も実施例
3で作成した画像表示装置と同様に長期に渡り安定で良
好な画像が得られた。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、製造スピードが向上し
量産性に適した画像表示装置の製造方法を提供すること
ができる。更に、本発明によれば、電子放出特性の優れ
た電子源を製造し得る画像表示装置の製造方法を提供す
ることができる。更に、本発明によれば、安定した真空
気密を形成し、画像品位の優れた画像形成装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の構成を一部を破断して示す模式
図である。
【図2】本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す断
面図である。
【図3】図2及び図4における電子源基板の周辺部分を
一部を破断して示す斜視図である。
【図4】本発明に係る電子源の製造装置の構成の他の形
態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成の他の形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成のさらに他の形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係る製造装置の他の例を示す断面図で
ある。
【図9】本発明に係る電子源の製造装置において使用さ
れる熱伝導部材の形状を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される熱伝導部材の形状の他の形態を示す斜視図であ
る。
【図11】本発明に係る電子源の製造装置において使用
されるゴム材料の球状物質を用いた熱伝導部材の形態を
示す断面図である。
【図12】本発明に係る電子源の製造装置において使用
されるゴム材料の球状物質を用いた熱伝導部材の他の形
態を示す断面図である。
【図13】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される拡散板の形状を示す断面図である。
【図14】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される拡散板の形状を示す平面図である。
【図15】本発明に係る電子放出素子の構成を示す平面
図である。
【図16】本発明に係る電子放出素子の構成を示す図1
5のB−B'による断面図である。
【図17】本発明に係る電子源を示す平面図である。
【図18】本発明に係る電子源の作製方法を説明するた
めの平面図である。
【図19】画像形成装置の構成を一部を破断して示す模
式図である。
【符号の説明】
1:基板、2、3:電極、4:導電性膜、5:電子放出
部、6:ユニット、7:X方向配線、8:Y方向配線、
9:絶縁層、10:電子源基板、11:支持体、12:
真空容器、13:真空容器、14:副真空容器、15:
気体の導入口、16,17:排気口、18:シール部
材、19:拡散板、20:ヒーター、21:有機ガス物
質、22:キャリヤガス、23:水分除去フィルター、
24:ガス流量制御装置、25:バルブ、26:真空ポ
ンプ、27:真空計、28:配管、30:取り出し配
線、31:電子源基板の取り出し配線30と駆動ドライ
バ32とを接続する配線、32:電源、電流測定装置及
び電流−電圧制御系装置からなる駆動ドライバ、33:
拡散板19の開口部、41,42,43:熱伝導部材、
61:電子源基板10を固定したリヤプレート、62:
支持枠、63:ガラス基板、64:メタルバック、6
5:蛍光体、66:フェースプレート、67:高圧端
子、68:画像形成装置、69:電子放出素子、70:
フリットガラス又はインジウム合金材、71:枠部材の
接合位置

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体と該導電体に接続された配線とが
    形成された第1の基板を支持体上に配置する工程と、 前記第1の基板の一部を容器にて覆い、前記導電体を前
    記第1の基板と前記容器とで形成された空間内に配置
    るとともに、前記空間外に前記配線の一部分を配置する
    工程と、 前記容器と前記第1の基板とで形成された前記空間内を
    所望の雰囲気とする工程と、 前記空間外に配置された前記一部分の配線を通じて前記
    導電体に電圧を印加し、当該導電体に電子放出部を形成
    する工程と、前記容器を前記第1の基板から取り外す工程と、 前記空間を形成するために前記容器と前記第1の基板と
    が接続されていた領域とは異なる領域において、当該第
    1の基板と画像形成部材を有する第2の基板とを接合部
    材を介して接合する工程とを含むことを特徴とする画像
    表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記空間内を所望の雰囲気とする工程
    は、当該空間内を排気する工程を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記空間内を所望の雰囲気とする工程
    は、前記空間内に気体を導入する工程を含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 更に、前記第1の基板を前記支持体上に
    固定する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の基板を前記支持体上に固定す
    る工程は、当該基板と当該支持体とを真空吸着させる工
    程を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の基板を前記支持体上に固定す
    る工程は、当該基板と当該支持体とを静電吸着させる工
    程を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の基板を前記支持体上に配置す
    る工程は、当該基板と当該支持体との間に熱伝導部材を
    配置して行われることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記導電体に電圧を印加する工程は、前
    記第1の基板の温度調節を行う工程を含むことを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記導電体に電圧を印加する工程は、前
    記第1の基板を加熱する工程を含むことを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像表示装置の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記導電体に電圧を印加する工程は、
    前記第1の基板を冷却する工程を含むことを特徴とする
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像表示装置の
    製造方法。
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