JP2003007203A - 電子源の製造装置及び製造方法 - Google Patents

電子源の製造装置及び製造方法

Info

Publication number
JP2003007203A
JP2003007203A JP2001184535A JP2001184535A JP2003007203A JP 2003007203 A JP2003007203 A JP 2003007203A JP 2001184535 A JP2001184535 A JP 2001184535A JP 2001184535 A JP2001184535 A JP 2001184535A JP 2003007203 A JP2003007203 A JP 2003007203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron source
electron
manufacturing
substrate
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001184535A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeto Kamata
重人 鎌田
Akihiro Kimura
明弘 木村
Kazuhiro Oki
一弘 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001184535A priority Critical patent/JP2003007203A/ja
Publication of JP2003007203A publication Critical patent/JP2003007203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化と操作性の簡易化を可能にし、製造ス
ピードと量産性を向上させ、電子放出特性の優れた電子
源を低いコストで製造する。 【解決手段】 電子源基板10と、電子源基板10を載
置する支持部材11を含む支持体106と、電子源基板
10の一部を覆う真空容器12と、支持体106よりも
高温に加熱可能な加熱プレート105とを有し、真空容
器12と加熱プレート105とを組み合わせて真空雰囲
気を形成することができ、加熱プレート105はプレー
ト本体101と加熱手段102とを有し、支持体106
は加熱手段としてのヒータ20と冷却手段103とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源の製造装置
及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子源を構成する電子放出素子と
しては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子
との2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子
には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。その
基本的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−23
5255号公報、特開平8−171849号公報などに
開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続され
その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなる
ことを特徴とするものである。また、上記導電性膜には
一部亀裂が形成されている。
【0005】また、上記亀裂の端部には、炭素または炭
素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成
されている。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成する
ことができる。
【0007】また、上記電子源と蛍光体とを組み合わせ
ることにより、画像形成装置の表示パネルを形成するこ
とができる。
【0008】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。即ち、第1の製造方法とし
ては、まず、基板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続
された一対の素子電極からなる複数の素子と、該複数の
素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成す
る。次に、作成した電子源基板全体を真空チャンバ内に
設置する。次に、真空チャンバ内を排気した後、外部端
子を通じて上記各素子に電圧を印加して各素子の導電性
膜に亀裂を形成する。更に、該真空チャンバ内に有機物
質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で
前記各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀
裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0009】また、第2の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成
した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を
挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。その
後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネ
ルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子
の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該排
気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の
存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて
電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を
堆積させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法は、とりわけ、電子源基板
が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネ
ル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要す
る。そして、上記いずれの製造方法もコストが高い。
【0011】本発明は、小型化と操作性の簡易化が可能
な電子源の製造装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、製造スピードが向上し量産性に適した電
子源の製造装置及び製造方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、電子放出特性の優れた電子源を低
いコストで製造し得る電子源の製造装置及び製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電子源基板と、該電子源基板を載置する
支持体と、前記電子源基板の一部を覆う真空容器とを有
する電子源の製造装置において、前記支持体よりも高温
に加熱可能な加熱プレートを有し、前記真空容器と前記
加熱プレートとを組み合わせて真空雰囲気を形成するこ
とができることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
導電体が形成された基板を支持する支持体と、気体の導
入口及び気体の排気口を有し、前記基板面の一部の領域
を覆う容器と、前記気体の導入口に接続され、前記容器
内に気体を導入する手段と、前記気体の排気口に接続さ
れ、前記容器内を排気する手段と、前記導電体に電圧を
印加する手段と、を備えることを特徴としてもよい。こ
の電子源の製造装置においても、前記支持体よりも高温
に加熱可能な加熱プレートを備え、前記真空容器と前記
加熱プレートとを組み合わせて真空雰囲気を形成するこ
とができることが望ましい。
【0014】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記加熱プレートは
加熱手段を備え、前記支持体は加熱手段と冷却手段とを
備えていることが望ましく、前記真空容器と、前記加熱
プレート及び前記支持体のいずれかとを選択的に組み合
わせて真空雰囲気を形成できることが好ましい。また、
本発明は、上記いずれかの製造装置を用いて製造する電
子源の製造方法としても適用可能である。
【0015】本発明について以下に更に詳述する。本発
明に係る製造装置は、まず、予め導電体が形成された基
板を支持するための支持体と、該支持体にて支持された
該基板上を覆う容器とを具備する。ここで、該容器は、
該基板表面の一部の領域を覆うもので、これにより該基
板上の導電体に接続され該基板上に形成されている配線
の一部分が該容器外に露出された状態で該基板上に気密
な空間を形成し得る。また、該容器には、気体の導入口
と気体の排気口が設けられており、これら導入口及び排
気口にはそれぞれ該容器内に気体を導入するための手段
及び該容器内の気体を排出するための手段が接続されて
いる。これにより該容器内を所望の雰囲気に設定するこ
とができる。また、前記導電体が予め形成された基板と
は、電気的処理を施すことで該導電体に電子放出部を形
成し電子源となす基板である。よって、本発明の製造装
置は、更に、電気的処理を施すための手段、例えば、該
導電体に電圧を印加する手段をも具備することが望まし
い。
【0016】以上の製造装置にあっては、小型化が達成
され、上記電気的処理における電源との電気的接続など
の操作性の簡易化が達成される他、上記容器の大きさや
形状などの設計の自由度が増し、容器内への気体の導
入、容器外への気体の排出を短時間で行うことが可能と
なる。
【0017】また、本発明に係る製造方法は、まず、導
電体と該導電体に接続された配線とが予め形成された基
板を支持体上に配置し、前記配線の一部分を除き前記基
板上の導電体を容器で覆う。これにより、該基板上に形
成されている配線の一部分が該容器外に露出された状態
で、前記導電体は、該基板上に形成された気密な空間内
に配置されることとなる。次に、前記容器内を所望の雰
囲気とし、前記容器外に露出された一部分の配線を通じ
て前記導電体に電気的処理、例えば、前記導電体への電
圧の印加がなされる。ここで、前記所望の雰囲気とは、
例えば、減圧された雰囲気、あるいは、特定の気体が存
在する雰囲気である。また、前記電気的処理は、前記導
電体に電子放出部を形成し電子源となす処理である。ま
た、上記電気的処理は、異なる雰囲気下にて複数回なさ
れる場合もある。例えば、前記配線の一部分を除き前記
基板上の導電体を容器で覆い、まず、前記容器内を第1
の雰囲気として上記電気的処理を行う工程と、次に、前
記容器内を第2の雰囲気として上記電気的処理を行う工
程とがなされ、以上により前記導電体に良好な電子放出
部が形成され電子源が製造される。ここで、上記第1及
び第2の雰囲気は、好ましくは、後述する通り、第1の
雰囲気が減圧された雰囲気であり、第2の雰囲気が炭素
化合物などの特定の気体が存在する雰囲気である。
【0018】以上の製造方法にあっては、上記電気的処
理における電源との電気的接続などは容易に行うことが
可能となる。また、上記容器の大きさや形状などの設計
の自由度が増すので、容器内への気体の導入、容器外へ
の気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピード
が向上する他、製造される電子源の電子放出特性の再現
性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源における
電子放出特性の均一性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい第1の実
施の形態を示す。図1、図2及び図3は、本実施形態に
係る電子源の製造装置を示しており、図1及び図3はい
ずれも断面図と配管等の接続図、図2は図1における電
子源基板の周辺部分を示す斜視図である。図1、図2及
び図3において、6は電子放出素子となる導電体、7は
X方向配線、8はY方向配線、10は電子源基板、11
は支持体を構成する支持部材、12は真空容器、15は
気体の導入口、16は排気口、18はシール部材、19
は拡散板、20はヒータ、21は容器に入っている水素
または有機物質ガス、22は容器に入っているキャリヤ
ガス、23は水分除去フィルタ、24はガス流量制御装
置、25(25a〜25f)はバルブ、26は真空ポン
プ、27は真空計、28は配管、30は取り出し配線、
32(32a,32b)は電源及び電流制御系からなる
駆動ドライバである。31(31a,31b)は電子源
基板10の取り出し配線30と駆動ドライバ32とを接
続する配線であり、33は拡散板19の開口部、41は
熱伝導部材、46は昇降軸、47は支持体11を昇降さ
せる昇降駆動ユニット、48は支持体11の昇降を制御
する昇降制御装置である。
【0020】支持部材11は、電子源基板10を保持し
て固定するものであって、真空チャッキング機構、静電
チャッキング機構若しくは固定冶具などにより、機械的
に電子源基板10を固定する機構を有する。支持部材1
1の内部には、ヒータ20が設けられ、必要に応じて電
子源基板10を熱伝導部材41を介して加熱することが
できる。
【0021】熱伝導部材41は、支持部材11上に設置
され、電子源基板10を保持して固定する機構の障害に
ならないように、支持部材11と電子源基板10との間
で挟持されるか、あるいは、支持部材11に埋め込まれ
るように設置されていてもよい。
【0022】熱伝導部材41は、電子源基板10の反
り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工
程における発熱を、確実に支持部材11へ伝え、放熱す
ることができ、電子源基板10のクラック、破損の発生
を防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与できる。
【0023】また、この電子源の製造装置は、電気的処
理工程における発熱を素早く、確実に放熱することによ
り、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板熱
分布が影響する電子放出素子の不均一性の低減に寄与で
き、均一性に優れた電子源の製造が可能となる。
【0024】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を
使用することができる。粘性液状物質である熱伝導部材
41が支持部材11上を移動する弊害がある場合は、支
持部材11に、粘性液状物質が所定の位置及び領域、す
なわち、少なくとも電子源基板10の導電体6を形成す
る領域下で滞留するように、その領域に合わせて、支持
部材11に滞留機構を設置してあってもよい。これは、
例えば、O−リングや、あるいは、耐熱性の袋に粘性液
状物質を入れ、密閉した熱伝導部材とした構成とするこ
とができる。
【0025】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、電子源基板10と支持部材11
の間に空気層ができて正しく接しない場合は、空気抜け
の通孔や、電子源基板10を設置した後に、粘性液状物
質を基板10と支持部材11の間に注入する方法も採る
ことができる。図3は、粘性液状物質が所定の領域で滞
留するように、O−リングと粘性液状物質導入口に連通
する導入管45とを設けた装置の概略断面図である。
【0026】この粘性液状物質を支持部材11及び電子
源基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いながら循環
させる機構が付与されれば、これは、ヒータ20に替わ
り、電子源基板10の加熱手段、あるいは、冷却手段と
なる。また、目的温度に対する温度調節が行える、例え
ば、循環型温度調節装置と液状媒体などからなる機構を
付与することができる。
【0027】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商標)樹
脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、ア
ルミナなどのセラミック材料、銅やアルミニウムの金属
材料等を使用することができる。これらは、シート状、
あるいは、分割されたシート状で使用されていてもよ
い。あるいは、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板の
配線に合わせたX方向、あるいは、Y方向に伸びた線
状、円錐状などの突起状、球体や、ラグビーボール状
(楕円球状体)などの球状体、あるいは、球状体表面に
突起が形成されている形状の球状体などが支持部材11
上に設置されていてもよい。
【0028】真空容器12は、ガラスやステンレス鋼製
の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からな
るものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10の
取り出し配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆
い、かつ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×1
-3Torr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる
構造のものである。
【0029】シール部材18は、電子源基板10と真空
容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリ
ングやゴム性シートなどが用いられる。
【0030】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質
を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が
用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を
行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気
体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12
内に導入することもある。このように他の工程で気体を
導入する際には、導入配管、バルブ25eを用いて、真
空容器12を配管28に接続すれば、使用することがで
きる。
【0031】上記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパ
ンなどのCn2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレンなどのC n2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベン
ゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0032】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用でき、有機物質が常温で
液体、または、固体の場合は、容器内で蒸発または昇華
させて用いるか、或いは更にこれを希釈ガスと混合する
などの方法で用いることができる。キャリヤガス22に
は、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが
用いられる。
【0033】有機物質ガス21と、キャリヤガス22
は、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入さ
れる。両者の流量及び、混合比は、ガス流量制御装置2
4によって制御される。ガス流量制御装置24は、マス
フローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これ
らの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けら
れた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混
合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にす
ることが好ましい。
【0034】なお、配管28の途中に、水分除去フィル
タ23を設けて、導入ガス中の水分を除去することがよ
り好ましい。水分除去フィルタ23には、シリカゲル、
モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を
用いることができる。
【0035】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定
に保持される。本実施形態で用いられる真空ポンプ26
は、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポ
ンプ等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが
好ましく用いられる。
【0036】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において、上記混合気体の圧力は、混合
気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器1
2の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以
上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向
上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であ
り、数百Pa(数Torr)から大気圧までの圧力範囲
である。
【0037】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体
の流れが制御され、基板10の全面に均一に有機物質が
供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し好まし
い。
【0038】電子源基板10の取り出し配線30は、真
空容器12の外部にあり、TAB配線やプローブなどを
用いて配線31と接続し、駆動ドライバ32に接続す
る。本実施形態、さらには後述する実施形態においても
同様であるが、真空容器は、電子源基板10上の導電体
6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能である。
また、電子源基板10の配線部が真空容器12外に有る
ため、電子源基板10と電気的処理を行うための電源装
置(駆動ドライバ32)との電気的接続を容易に行うこ
とができる。
【0039】以上のようにして真空容器12内に有機物
質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を
用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子に
パルス電圧を印加することにより、電子放出素子の活性
化を行うことができる。
【0040】以上述べた製造装置を用いての電子源の製
造方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳述す
る。上記電子源と画像形成部材とを組み合わせることに
より、図4に示すような画像形成装置68を形成するこ
とができる。図4は画像形成装置の概略図である。図4
において、6は電子放出素子、10は電子源基板、62
は支持枠である。66は、ガラス基板63、蛍光体64
及びメタルバック65からなるフェースプレートであ
り、68は画像形成装置である。
【0041】画像形成装置68は、各電子放出素子6
に、容器外端子Dx1乃至Dxm、及び容器外端子Dy1乃至
Dynを通じて、走査信号及び変調信号を図示しない信号
発生手段によりそれぞれ印加することにより、電子を放
出させ、高圧端子67を通じて、メタルバック65、あ
るいは、図示しない透明電極に5kVの高圧を印加し、
電子ビームを加速し、蛍光体64に衝突させて励起し、
発光させることで画像を表示する。
【0042】また、走査信号配線は、例えば、容器外端
子Dx1に近い電子放出素子6と遠い電子放出素子6との
間で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図4で
示すような、片側走査配線で構わないが、素子数が多
く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くする
か、配線厚を厚くするか、あるいは、両側から電圧を印
加する手法等を採ることができる。
【0043】本発明は、以上述べた実施の形態で、特に
支持体の部分に関するものである。特に本実施形態は、
耐熱温度が高くかつ温度分布が小さいという高性能な支
持体のコストを削減するという課題を解決するものであ
る。
【0044】特に、本実施形態ではそのために、支持体
とは別に、支持体よりも高温に加熱可能な加熱プレート
を有し、真空容器と加熱プレートとが真空雰囲気を形成
することができることを特徴とするものである。
【0045】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での
各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0046】[実施例1]本実施例は、本発明に係る製
造装置を用いて表面伝導型電子放出素子を複数備える電
子源を製造する例である。図5は、本発明に係る製造装
置の実施形態を説明するための図であり、101は加熱
プレートのプレート本体であり、102は加熱手段であ
る。図6は、図5における電子源基板10、支持部材1
1、真空容器12、プレート本体101の部分を拡大し
た図であり、それぞれの関係を表した図である。103
は冷却手段であり、104は支持部材11に設置され電
子源基板10を保持する保持手段、および電子源基板1
0と支持部材11との熱伝達手段を模式的に表したもの
である。図6において、加熱手段102であるところの
ヒータがプレート本体101に挿入されており、ヒータ
に電流を流すことで加熱プレート105のプレート本体
101を150℃以上の高温にすることができる。一
方、支持部材11には加熱手段であるところのヒータ2
0と、冷却手段103であるところの冷却管とが内蔵さ
れ、支持部材11に設置された電子源基板10の温度を
制御することができる。プレート本体101などにより
構成された加熱プレート105、及び電子源基板10、
支持部材11などにより構成された支持体106は、そ
れぞれ不図示の駆動装置により、シール部材18を介し
て真空容器12に接続され、形成された内部空間は密閉
され、図5に示す真空ポンプ26などを用いて前記内部
空間を容易に所定の雰囲気とすることができた。図7は
加熱プレート105が、図8は支持体106が、それぞ
れ真空容器12に接続され組み合わされた状態を示す図
である。図7に示す状態の時には支持体106が真空容
器12から待避しており、逆に図8に示す状態の時には
加熱プレート105が待避している。
【0047】図7において、プレート本体101、真空
容器12の温度を上げ、さらに図5に示す真空ポンプ2
6を用いることにより、真空容器12に付着したガスを
取り除く、脱ガスを行うことができる。このプロセスを
実施する頻度は多くはないが、電子源形成の雰囲気を所
定の状態にするには重要な工程である。このとき、プレ
ート本体101に要求される代表的な性能として耐熱性
があるが、温度分布はラフでよい。ここで、真空容器1
2に加熱手段を設置し、真空容器12の温度を上げても
良い。
【0048】一方、図8は電子源を形成するプロセスを
実施している状態を示す図である。このとき、支持体1
06に要求される代表的な性能として、面内の温度分布
であるが、図7の脱ガスを行うときほどの耐熱性は要求
されない。
【0049】このように温度分布はラフであるが、15
0℃以上の耐熱性がある構造の簡単な加熱プレート10
5を設けたので、支持体106の支持部材11の耐熱温
度を下げることができた。
【0050】よって、電子源基板10の保持手段104
であるところの静電チャックを高価なセラミックス製か
ら安価な樹脂製とすることができ、大幅なコストダウン
につながった。
【0051】また、支持体106の付属部品、たとえ
ば、電子源基板10の位置決め機構、位置センサ、配管
なども、材料に樹脂を採用でき、また、耐熱対策が不要
になり、設計面、コスト面での効果が大きかった。
【0052】また、脱ガスを行う際、真空容器12また
は真空配管、真空ポンプなどから発塵することがあり、
そのゴミが加熱プレート105に落下するので、電子源
基板10の接触面である支持部材11の表面を汚すこと
がなくなった。
【0053】本発明に係る電子源の製造装置を用いて、
電子源基板10の電子源作成と、電子放出特性の優れた
電子放出素子6の活性化処理を行うことができた。
【0054】さらに、支持体106とは別に、支持体1
06よりも高温に加熱可能で、真空容器12との組み合
わせで真空雰囲気を形成することができる加熱プレート
105を設けることにより、支持体106の耐熱温度が
下がり、支持体106のコストを削減することができ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、小型化と操作性の簡易
化が可能な電子源の製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、製造スピードが向上し量産性に
適した電子源の製造装置及び製造方法を提供することが
できる。
【0056】更に、本発明によれば、電子放出特性の優
れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法
を提供することができる。
【0057】更に、本発明によれば、画像品位の優れた
画像形成装置を提供することができる。
【0058】更に、本発明によれば、支持体の耐熱温度
が下がり、支持体のコストを削減し得る電子源の製造装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す
断面図と配管等の接続図である。
【図2】 図1及び図3における電子源基板の周辺部分
を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】 本発明に係る電子源の製造装置の構成の他の
形態を示す断面図と配管等の接続図である。
【図4】 本発明に係る製造装置で製造した電子源を備
える画像形成装置の構成を一部破断して示す斜視図であ
る。
【図5】 本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す
断面図である。
【図6】 本発明に係る電子源の製造装置の実施形態の
例を示す断面図である。
【図7】 本発明に係る電子源の製造装置の真空容器と
加熱プレートの実施形態の例を示す断面図である。
【図8】 本発明に係る電子源の製造装置の真空容器と
支持体の実施形態の例を示す断面図である。
【符号の説明】
6:電子放出素子、7:X方向配線、8:Y方向配
線、10:電子源基板、11:支持部材、12:真空容
器、15:気体の導入口、16:排気口、18:シール
部材、19:拡散板、20:ヒータ、21:有機物質ガ
ス、22:キャリヤガス、23:水分除去フィルタ、2
4:ガス流量制御装置、25(25a〜25f):バル
ブ、26:真空ポンプ、27:真空計、28:配管、3
0:取り出し配線、31(31a,31b):電子源基
板の取り出し配線30と駆動ドライバ32とを接続する
配線、32(32a,32b):電源、電流測定装置及
び電流−電圧制御系装置からなる駆動ドライバ、33:
拡散板19の開口部、41:熱伝導部材、62:支持
枠、63:ガラス基板、64:蛍光体、65:メタルバ
ック、66:フェースプレート、68:画像形成装置、
101:プレート本体、102:加熱手段、103:冷
却手段、104:保持手段および熱伝達手段、105:
加熱プレート、106:支持体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 一弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源基板と、該電子源基板を載置する
    支持体と、前記電子源基板の一部を覆う真空容器とを有
    する電子源の製造装置において、 前記支持体よりも高温に加熱可能な加熱プレートを有
    し、前記真空容器と前記加熱プレートとを組み合わせて
    真空雰囲気を形成することができることを特徴とする電
    子源の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子源の製造装置にお
    いて、 前記加熱プレートは加熱手段を有し、前記支持体は加熱
    手段と冷却手段とを有することを特徴とする電子源の製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記真空容器と、前記加熱プレート及び
    前記支持体のいずれかとを選択的に組み合わせて真空雰
    囲気を形成することが可能なことを特徴とする請求項1
    または2に記載の電子源の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子源
    の製造装置を用いて製造することを特徴とする電子源の
    製造方法。
JP2001184535A 2001-06-19 2001-06-19 電子源の製造装置及び製造方法 Pending JP2003007203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001184535A JP2003007203A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 電子源の製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001184535A JP2003007203A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 電子源の製造装置及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003007203A true JP2003007203A (ja) 2003-01-10

Family

ID=19024282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001184535A Pending JP2003007203A (ja) 2001-06-19 2001-06-19 電子源の製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003007203A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100424031B1 (ko) 전자원의 제조방법
US7326097B2 (en) Method and apparatus for manufacturing image displaying apparatus
JP4551586B2 (ja) 電圧印加プローブ、電子源の製造装置及び製造方法
JP2001325880A (ja) 電子源及び画像表示装置の製造装置及び方法、並びに基板処理装置及び方法
JP3483537B2 (ja) 画像表示装置の製造方法
JP3890258B2 (ja) 電子源の製造方法、および、電子源の製造装置
US6962516B2 (en) Voltage applying apparatus, and apparatus and method for manufacturing electron source
JP2003007203A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP2004227821A (ja) 通電処理装置および電子源の製造装置
JP2003086086A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP3728213B2 (ja) 画像表示装置の製造法及び製造装置
JP2003007205A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP2003086102A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP2003092060A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP2004152601A (ja) 電子源の製造装置
JP2002352701A (ja) 電子源の製造装置及び製造方法
JP2002245929A (ja) 電子源の製造装置及びその製造方法、並びに画像表示装置の製造方法
JP2002110031A (ja) 電子源の製造装置
JP2004146152A (ja) 電圧印加装置
JP2002367506A (ja) 電圧印加装置、電子源の製造装置及び製造方法
JP2004207125A (ja) 基板処理方法
JP2004247296A (ja) 通電処理方法、電子源基板の製造方法および製造装置