JP2003086086A - 電子源の製造装置及び製造方法 - Google Patents

電子源の製造装置及び製造方法

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JP2003086086A
JP2003086086A JP2001270917A JP2001270917A JP2003086086A JP 2003086086 A JP2003086086 A JP 2003086086A JP 2001270917 A JP2001270917 A JP 2001270917A JP 2001270917 A JP2001270917 A JP 2001270917A JP 2003086086 A JP2003086086 A JP 2003086086A
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Akihiro Kimura
明弘 木村
Kazuhiro Oki
一弘 大木
Shigeto Kamata
重人 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に形成された素子への印加電圧の安定
性の向上を図り、小型化と操作性の簡易化を可能にし、
製造スピードが向上し量産性に適し、電子放出特性の優
れた電子源を製造する。 【解決手段】 導電体の形成された基板10を支持する
支持体11と、該基板10の一部を覆う真空容器12
と、前記導電体に電圧を印加する手段とを備え、支持体
11の温度を検出する手段と、支持体11の温度を調節
する手段とを有し、支持体11の温度が所定温度に安定
した後、電圧印加プローブ70を基板10上に形成され
た配線に接続させて前記導電体に電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源の製造装置
及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子源を構成する電子放出素子と
しては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子
との2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子
には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。そ
の基本的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−2
35255号公報、及び特開平8−171849号公報
などに開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続され
その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなる
ことを特徴とするものである。上記導電性膜には一部亀
裂が形成されている。また、上記亀裂の端部には、炭素
または炭素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積
膜が形成されている。
【0005】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成する
ことができる。また、上記電子源と蛍光体とを組み合わ
せることにより、画像形成装置の表示パネルを形成する
ことができる。
【0006】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。
【0007】即ち、第1の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成
した電子源基板全体を真空チャンバ内に設置する。次
に、真空チャンバ内を排気した後、外部端子を通じて上
記各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜に亀裂を形成
する。更に、該真空チャンバ内に有機物質を含む気体を
導入し、有機物質の存在する雰囲気下で前記各素子に再
び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あ
るいは炭素化合物を堆積させる。
【0008】また、第2の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成
した電子源基板と、蛍光体が配置された基板とを支持枠
を挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。そ
の後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パ
ネルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素
子の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該
排気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質
の存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じ
て電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物
を堆積させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法は、とりわけ、電子源基板
が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネ
ル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要す
る。また、上記いずれの製造方法も、基板上に形成され
た素子への印加電圧の安定性が十分ではないという問題
があった。
【0010】本発明は、基板上に形成された素子への印
加電圧の安定性の向上を図り、小型化と操作性の簡易化
が可能な電子源の製造装置を提供することを目的とす
る。また、本発明は、製造スピードが向上し量産性に適
した電子源の製造装置及び製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、電子放出特性の優れた電子
源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、導電体が形成された基板を支持する支持
体と、該基板の一部を覆う真空容器と、前記導電体に電
圧を印加する手段とを備えた電子源の製造装置におい
て、前記支持体の温度を検出する手段と、前記支持体の
温度を調節する手段と、前記支持体の温度が所定温度に
安定した後に、電圧印加プローブを前記基板上に形成さ
れた配線に接続させて前記導電体に電圧を印加すること
を特徴とする。
【0012】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
導電体が形成された基板を支持する支持体と、気体の導
入口及び気体の排気口を有し、前記基板の一部を覆う真
空容器と、前記気体の導入口に接続され、前記容器内に
気体を導入する手段と、前記気体の排気口に接続され、
前記容器内を排気する手段と、前記導電体に電圧を印加
する手段と、前記支持体の温度を検出する手段と、前記
支持体の温度を調節する手段と、を備えることを特徴と
してもよく、この場合も、前記支持体の温度が所定温度
に安定した後、電圧印加プローブを前記基板上に形成さ
れた配線に接続させることが好ましい。
【0013】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記電子源の製造装置において、前記支持体の所定温度
が50℃以上150℃以下であることが好ましい。
【0014】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記電子源の製造装置において、前記支持体の温度ばら
つきが、T℃以内: ここで、T=±2a/(X×δ) (ただし、aは電圧印加プローブの許容位置変動範囲m
m、Xは基板長辺側の両端プローブ間の距離mm、δは
基板の熱膨張係数/℃)であるとき、前記電圧印加プロ
ーブを前記基板上に形成された配線に接続させるのが望
ましい。
【0015】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記電圧印加プロー
ブの許容位置変動範囲aが0.1mm以下であるのが好
ましい。
【0016】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板長辺側の両
端プローブ間の距離Xが500mm以上1500mm以
下であるのが好ましい。
【0017】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板の熱膨張係
数が3×10-6/℃以上10×10-6/℃以下であるの
が好ましい。
【0018】本発明について以下に更に詳述する。本発
明に係る具体的な製造装置は、まず、予め導電体が形成
された基板を支持するための支持体と、該支持体にて支
持された該基板上を覆う容器とを具備する。ここで、該
容器は、該基板表面の一部の領域を覆うものであり、こ
れにより該基板上の導電体に接続され該基板上に形成さ
れている配線の一部分が該容器外に露出された状態で該
基板上に気密な空間を形成し得る。また、該容器には、
気体の導入口と気体の排気口が設けられており、これら
導入口及び排気口にはそれぞれ該容器内に気体を導入す
るための手段及び該容器内の気体を排出するための手段
が接続されている。これにより該容器内を所望の雰囲気
に設定することができる。また、前記導電体が予め形成
された基板は、電気的処理を施すことで該導電体に電子
放出部を形成し電子源となす基板である。よって、本発
明に係る製造装置は、更に、電気的処理を施すための手
段、例えば、該導電体に電圧を印加する手段をも具備す
る。以上の製造装置にあっては、小型化が達成され、上
記電気的処理における電源との電気的接続などの操作性
の簡易化が達成されるほか、上記容器の大きさや形状な
どの設計の自由度が増し容器内への気体の導入、容器外
への気体の排出を短時間で行うことが可能となる。
【0019】本発明に係る電子源の製造方法は、導電体
が形成された基板を支持体で支持し、該基板の一部を真
空容器で覆い、前記支持体の温度を検出して前記支持体
の温度を調節し、前記支持体の温度が所定温度に安定し
た後、電圧印加プローブを前記基板上に形成された配線
に接続させて前記導電体に電圧を印加することを特徴と
する。
【0020】また、本発明に係る具体的な製造方法は、
まず、導電体と該導電体に接続された配線とが予め形成
された基板を支持体上に配置し、前記配線の一部分を除
き前記基板上の導電体を容器で覆う。これにより、該基
板上に形成されている配線の一部分が該容器外に露出さ
れた状態で、前記導電体は、該基板上に形成された気密
な空間内に配置されることとなる。次に、前記容器内を
所望の雰囲気とし、前記容器外に露出された一部分の配
線を通じて前記導電体に電気的処理、例えば、前記導電
体への電圧の印加がなされる。ここで、前記所望の雰囲
気とは、例えば、減圧された雰囲気、あるいは、特定の
気体が存在する雰囲気である。また、前記電気的処理
は、前記導電体に電子放出部を形成し電子源となす処理
である。また、上記電気的処理は、異なる雰囲気下にて
複数回なされる場合もある。例えば、前記配線の一部分
を除き前記基板上の導電体を容器で覆い、まず、前記容
器内を第1の雰囲気として上記電気的処理を行う工程
と、次に、前記容器内を第2の雰囲気として上記電気的
処理を行う工程とがなされ、以上により前記導電体に良
好な電子放出部が形成され電子源が製造される。ここ
で、上記第1及び第2の雰囲気は、好ましくは、後述す
る通り、第1の雰囲気が減圧された雰囲気であり、第2
の雰囲気が炭素化合物などの特定の気体が存在する雰囲
気である。
【0021】以上の製造方法にあっては、上述のいずれ
かの電子源の製造装置を用いることにより、上記電気的
処理における電源との電気的接続などが容易に行うこと
が可能となる。また、上記容器の大きさや形状などの設
計の自由度が増すので容器内への気体の導入、容器外へ
の気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピード
が向上するほか、製造される電子源の電子放出特性の再
現性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源におけ
る電子放出特性の均一性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を示す。図1、図2及び図3は、本発明の実施形態に
係る電子源の製造装置を示しており、図1は第1の実施
形態に係る製造装置の断面図及び配管等の接続図、図2
は図1及び図3における電子源基板の周辺部分を示す斜
視図である。また、図3は第2の実施形態に係る製造装
置の断面図及び配管等の接続図である。
【0023】図1、図2及び図3において、6は電子放
出素子となる導電体、7はX方向配線、8はY方向配
線、10は電子源基板、11は支持体、12は真空容
器、15は真空容器12内への気体の導入口、16は排
気口、18は電子源基板10と真空容器12との間に配
置されるシール部材、19は容器12内に配置された拡
散板、20は支持体11に配置したヒータ、21は容器
に入れられた水素または有機物質ガス、22は容器に入
れられたキャリアガス、23は水分除去フィルタ、24
はガス流量制御装置、25a〜25fはバルブ、26は
真空ポンプ、27は真空計、28は配管、30は取り出
し配線である。32(32a,32b)は電源及び電流
制御系からなる駆動ドライバであり、31(31a,3
1b)は電子源基板10の取り出し配線30と駆動ドラ
イバ32とを接続するための配線、33は拡散板19の
開口部、41は熱伝導部材である。また、46は昇降
軸、47は支持体11を昇降させる昇降駆動ユニット、
48は支持体11の昇降を制御する昇降制御装置であ
り、70は電圧印加プローブである。
【0024】支持体11は、電子源基板10を所定位置
に保持して固定するものであって、真空チャッキング機
構、静電チャッキング機構若しくは固定冶具などによ
り、機械的に電子源基板10を固定する機構を有する。
支持体11は、内部に、ヒータ20が設けられており、
必要に応じて電子源基板10を、熱伝導部材41を介し
て加熱することができる。
【0025】熱伝導部材41は、支持体11上に設置さ
れ、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にな
らないように、支持体11と電子源基板10の間で挟持
されるか、あるいは、支持体11に埋め込まれるように
設置されていてもよい。
【0026】熱伝導部材41は、電子源基板10の反
り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工
程における発熱を、確実に支持体11へ伝え、放熱する
ことができ、電子源基板10のクラックや、破損の発生
を防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与できる。
【0027】また、この電子源の製造装置では、電気的
処理工程における発熱を素早く、確実に放熱することに
より、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板
熱分布が影響する電子放出素子の不均一性の低減に寄与
することができ、均一性に優れた電子源の製造が可能と
なる。
【0028】熱伝導部材41は、シリコングリスや、シ
リコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を使用し
て形成することができる。粘性液状物質である熱伝導部
材41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支
持体11は、粘性液状物質が所定の位置及び領域、すな
わち、少なくとも電子源基板10の導電体6を形成する
領域下で滞留するように、その領域に合わせて、滞留機
構を設置してあってもよい。これは、例えば、Oリング
や、あるいは、耐熱性の袋に粘性液状物質を入れ、密閉
した熱伝導部材とした構成とすることができる。
【0029】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、電子源基板10と支持体11の
間に空気層ができて正しく接しないのを回避するために
は、熱伝導部材41は、空気抜けの通孔や、電子源基板
10を設置した後に粘性液状物質を電子源基板10と支
持体11との間に注入する方法を採って構成することが
できる。
【0030】図3は、本発明の第2の実施形態に係る電
子源の製造装置を示す概略断面図である。この製造装置
は、粘性液状物質が所定の領域で滞留するように、Oリ
ングと、粘性液状物質導入口に連通する導入管45とを
備えている。
【0031】この場合の粘性液状物質は、支持体11及
び電子源基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いなが
ら循環させる機構が付与されれば、これは、ヒータ20
に替わり、電子源基板10の加熱手段、あるいは、冷却
手段となる。また、目的温度に対する温度調節が行え
る、例えば、循環型温度調節装置と液状媒体などからな
る機構を付与することができる。
【0032】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材は、その材料として、テフロン(登録商
標)樹脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材
料、アルミナなどのセラミック材料、銅やアルミニウム
の金属材料等を使用して構成することができる。これら
は、シート状、あるいは、分割されたシート状で使用さ
れていてもよい。あるいは、円柱状、角柱状等の柱状、
電子源基板10の配線に合わせたX方向、あるいは、Y
方向に伸びた線状、円錐状などの突起状、球体や、ラグ
ビーボール状(楕円球状体)などの球状体、あるいは、
球状体表面に突起が形成されている形状の球状体などが
支持体11上に設置されていてもよい。
【0033】真空容器12は、ガラスやステンレス鋼製
の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からな
るものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10に
対し位置決めして配置され、電子源基板10の取り出し
配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆い、か
つ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×10-3
orr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる構造の
ものである。
【0034】シール部材18は、電子源基板10と真空
容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリ
ングやゴム性シートなどが用いられる。
【0035】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質
を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が
用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を
行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気
体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12
内に導入することも可能である。このように他の工程で
気体を導入する際には、その気体導入系は、導入配管、
及びバルブ25eを用いて、真空容器12を配管28に
接続すれば、使用することができる。
【0036】上記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパ
ンなどのCn H2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレンなどのCn H2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベン
ゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0037】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用することができ、有機物
質が常温で液体、または、固体の場合は、容器内で蒸発
または昇華させて用いるか、或いは更にこれを希釈ガス
と混合するなどの方法で用いることができる。キャリア
ガス22には、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不
活性ガスが用いられる。
【0038】有機物質ガス21と、キャリアガス22と
は、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入さ
れる。両者の流量及び混合比は、ガス流量制御装置24
によって制御される。ガス流量制御装置24は、マスフ
ローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これら
の混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けられ
た図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混
合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にす
ることが好ましい。
【0039】なお、配管28の分岐管の途中に、水分除
去フィルタ23を設けて、導入ガス中の水分を除去する
ことがより好ましい。水分除去フィルタ23は、シリカ
ゲル、モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸
湿材を用いて構成することができる。
【0040】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定
に保持される。本実施形態で用いられる真空ポンプ26
は、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポ
ンプ等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが
好ましく用いられる。
【0041】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において、上記混合気体の圧力は、混合
気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器1
2の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以
上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向
上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であ
り、数百Pa(数Torr)から大気圧までの範囲の圧
力である。
【0042】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体
の流れが制御され、電子源基板10の全面に均一に有機
物質が供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し
好ましい。
【0043】電子源基板10の取り出し配線30は、真
空容器12の外部にあり、TAB配線や電圧印加プロー
ブ70などを用いて配線31と接続し、駆動ドライバ3
2に接続する。
【0044】本実施形態、さらには後述する実施形態に
おいても同様であるが、真空容器12は、電子源基板1
0上の導電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が
可能である。また、電子源基板10の配線部が真空容器
12外に有るため、電子源基板10と電気的処理を行う
ための電源装置(駆動ドライバ32)との電気的接続は
容易に行うことができる。
【0045】以上のようにして、本実施形態に係る製造
装置は、真空容器12内に有機物質を含む混合ガスを流
した状態で、駆動ドライバ32を用い、配線31を通じ
て基板10上の各電子放出素子となる導電体6にパルス
電圧を印加することにより、電子放出素子の活性化を行
うことができる。
【0046】以上述べた製造装置を用いての電子源の製
造方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳述す
る。
【0047】上記電子源と画像形成部材とを組み合わせ
ることにより、図4に示すような画像形成装置68を作
成することができる。図4は画像形成装置の概略図であ
る。図4において、6は電子放出素子、10は電子源基
板、62は支持枠、66は、ガラス基板63、メタルバ
ック64及び蛍光体65からなるフェースプレートであ
り、68は画像形成装置である。
【0048】画像形成装置68は、各電子放出素子6
に、X方向の容器外端子Dx1乃至Dxm、及びY方向の容
器外端子Dy1乃至Dynを通じて、走査信号及び変調信号
を図示しない信号発生手段によりそれぞれ印加すること
により、電子を放出させ、高圧端子67を通じて、メタ
ルバック64、あるいは、図示しない透明電極に5kV
の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光体65に衝
突させて励起し、発光させることで画像を表示する。
【0049】また、走査信号配線は、例えば、容器外端
子Dx1等に近い電子放出素子6と遠い電子放出素子6と
の間で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図4
で示すような、片側走査配線で構わないが、素子数が多
く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くする
か、配線厚を厚くするか、あるいは、両側から電圧を印
加する手法等を採ることができる。
【0050】本発明は、以上述べた実施の形態で、特に
電子源基板10の処理工程に関するものである。特に本
発明の実施形態は、電圧印加プローブ70と基板10上
に形成された配線30との熱変動による位置ずれ、電圧
印加プローブ70の耐久性、装置のコストダウンという
課題を解決するものである。特に、本実施形態ではその
ために、支持体11の温度が所定の温度に安定した後、
電圧印加プローブ70を基板10上の配線30に接続さ
せることを特徴とするものである。
【0051】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明は、これら実施例によって限定さ
れるものではなく、本発明の目的が達成される範囲内で
の各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含す
る。
【0052】[実施例1]本実施例は、本発明の実施形
態に係る製造装置を用いて複数の表面伝導型電子放出素
子を備える電子源を製造するものである。
【0053】図5は本発明の実施形態に係る製造装置を
用いて電子源を製造する方法を説明するための処理工程
図であり、以下に詳しく説明する。
【0054】ステップS1では、電子源基板10を図1
及び図2に示した製造装置の支持体11上に固定し、ス
テップS2において、シリコーンゴム製のシール部材1
8を介してステンレス鋼製の真空容器12を、取り出し
配線30が該真空容器12の外に出るように、図2に示
すように電子源基板10上に設置した。
【0055】ステップS3では、排気口16側のバルブ
25fを開け、真空容器12内を真空ポンプ26で1.
33×10-1Pa(1×10-3Torr)程度に排気し
た後、ステップS4において、図1に示す気体供給用の
バルブ25a乃至25d及び気体の導入口15側のバル
ブ25eを開けて、有機物質ガス21とキャリアガス2
2との混合気体を真空容器12内に導入した。有機物質
ガス21には、1%エチレン混合窒素ガスを用い、キャ
リアガス22には、窒素ガスを用いた。排気口16側の
真空計27の圧力を見ながら、バルブ25fの開閉度を
調整し、真空容器12内の圧力が133×10+2Pa
(100Torr)となるようにした。
【0056】次に、ステップS5において、図1に示す
ヒータ20を加熱して支持体11の温度を85℃に昇温
し、電子源基板10の温度を85℃に保持した。その
後、ステップS6では、電圧印加プローブ70を基板1
0上に形成された取出し配線30上に接続させ、ステッ
プS7では、駆動ドライバ32を用いて、各電子放出素
子6に電圧を印加した。電圧は10Vから17Vまで約
25分で昇圧するように制御し、パルス幅は1mse
c、周波数は100Hzとし、電圧印加の時間は30分
とした。
【0057】上記工程により電子放出素子の活性化処理
を施すことで、電圧印加プローブ70を取り出し配線3
0に接続させた後、熱変動がなく基板10の熱膨張によ
る位置ずれが起こらなかった。また、上記処理をする
間、電子放出素子に安定した電圧を印加することができ
た。
【0058】また、電圧印加プローブ70と取出し配線
30の間で位置ずれが起こらないため、電圧印加プロー
ブ70の耐久性の向上を図ることができた。
【0059】更に、活性化処理中に基板10の熱変動が
ないことにより、電圧印加プローブ70が取り出し配線
30の位置変動に追従する機構を必要とせず、電子源の
製造装置のコストダウンを行うことができた。
【0060】本発明の実施形態に係る電子源の製造装置
を用いて、電子源基板10の電子源を作成すること、及
び電子放出特性の優れた電子放出素子の活性化処理を行
うことができた。
【0061】[実施例2]本実施例では、装置の概略構
成、各部品及び処理工程は実施例1と同様であり、電子
源基板10のサイズは、900mm×580mm×t
2.8mm、基板10の熱膨張係数δは8×10-6/℃
とし、長辺側の両端プローブ間の距離Xは813.11
mm、図7に示すようにプローブ70の許容位置変動範
囲aは、約50μmのものを用いた。また、支持体11
の所定温度は85℃に設定する。このように設定する
と、横軸に時間をとり、縦軸に温度をとって支持体11
の温度の変化を表した図6に示すように、温度が変動
し、該支持体11の温度ばらつきが約15℃(=2×
0.05/(813.11×8×10-6))の許容範囲
以内になった時点tsで、電圧印加プローブ70を電子
源基板10上に形成された取り出し配線30上に接続さ
せ、駆動ドライバ32を用い、各電子放出素子6に電圧
を印加した。
【0062】上記方法により、電子放出素子の活性化処
理を施すことで、基板10上の配線30は電圧印加プロ
ーブ70に対して最大約±23μmの位置変動であっ
た。該位置変動は電圧印加プローブ70の許容範囲内
(約50μm以内)であり、該プローブ70と配線30
の間で位置ずれが起こらなかった。更に、本実施例によ
り、実施例1と同様の効果が得られた。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、小型化と操作性の簡易
化が可能な電子源の製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、製造スピードが向上し量産性に
適した電子源の製造装置及び製造方法を提供することが
できる。更に、本発明によれば、電圧印加プローブによ
る給電の安定性と電圧印加プローブの耐久性の向上を成
し得る電子源の製造装置及び製造方法を提供することが
できる。
【0064】また、本発明によれば、電子放出特性の優
れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法
を提供することができる。また、本発明によれば、画像
品位の優れた画像形成装置を提供することができる。更
に、本発明によれば、低コストで電子源の製造装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る電子源の製造
装置の構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図2】 図1及び図3における電子源基板の周辺部分
を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る電子源の製造
装置の構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成
を、一部を破断して示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置を
用いる製造方法における処理工程を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置を
用いる製造方法における処理工程中の支持体の温度変化
を示す図である。
【図7】 本発明の実施例に係る電圧印加プローブの一
部分を示す断面図である。
【符号の説明】
6:電子放出素子(導電体)、7:X方向配線、8:Y
方向配線、10:電子源基板、11:支持体、12:真
空容器、15:気体の導入口、16:排気口、18:シ
ール部材、19:拡散板、20:ヒータ、21:有機物
質ガス、22:キャリアガス、23:水分除去フィル
タ、24:ガス流量制御装置、25(25a〜25
f):バルブ、26:真空ポンプ、27:真空計、2
8:配管、30:取り出し配線、31(31a,31
b):電子源基板の取り出し配線30と駆動ドライバ3
2とを接続するための配線、32(32a,32b):
電源、電流測定装置及び電流−電圧制御系装置からなる
駆動ドライバ、33:拡散板19の開口部、41:熱伝
導部材、45:導入管、46:昇降軸、47:昇降駆動
ユニット、48:昇降制御装置、62:支持枠、63:
ガラス基板、64:メタルバック、65:蛍光体、6
6:フェースプレート、68:画像形成装置、70:電
圧印加プローブ。
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 重人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 VV01 VV04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体が形成された基板を支持する支持
    体と、該基板の一部を覆う真空容器と、前記導電体に電
    圧を印加する手段とを備えた電子源の製造装置におい
    て、前記支持体の温度を検出する手段と、前記支持体の
    温度を調節する手段とを有し、前記支持体の温度が所定
    温度に安定した後に、電圧印加プローブを前記基板上に
    形成された配線に接続させて前記導電体に電圧を印加す
    ることを特徴とする電子源の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記支持体の所定温度が50℃以上15
    0℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    源の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧印加プローブの許容位置変動範
    囲をamm、基板長辺側の両端プローブ間の距離をXm
    m、基板の熱膨張係数/℃をδとし、前記支持体の温度
    ばらつきTが、T=±2a/(X×δ)℃以内であると
    き、前記電圧印加プローブを前記基板上に形成された配
    線に接続させることを特徴とする請求項1または2に記
    載の電子源の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧印加プローブの許容位置変動範
    囲が0.1mm以下であることを特徴とする請求項3に
    記載の電子源の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記基板長辺側の両端プローブ間の距離
    Xが500mm以上1500mm以下であることを特徴
    とする請求項3または4に記載の電子源の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記基板の熱膨張係数δが3×10-6
    ℃以上10×10-6/℃以下であることを特徴とする請
    求項3乃至5のいずれかに記載の電子源の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子
    源の製造装置を用いて製造することを特徴とする電子源
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 導電体が形成された基板を支持体で支持
    し、該基板の一部を真空容器で覆い、前記支持体の温度
    を検出して前記支持体の温度を調節し、前記支持体の温
    度が所定温度に安定した後、電圧印加プローブを前記基
    板上に形成された配線に接続させて前記導電体に電圧を
    印加することを特徴とする電子源の製造方法。
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