JP2004146152A - 電圧印加装置 - Google Patents

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JP2004146152A JP2002308490A JP2002308490A JP2004146152A JP 2004146152 A JP2004146152 A JP 2004146152A JP 2002308490 A JP2002308490 A JP 2002308490A JP 2002308490 A JP2002308490 A JP 2002308490A JP 2004146152 A JP2004146152 A JP 2004146152A
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Kazuhiro Oki
大木 一弘
Shigeto Kamata
鎌田 重人
Akihiro Kimura
木村 明弘
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Abstract

【課題】電圧印加装置及び電子源の製造装置の小型化と操作性の簡易化、電子源製造スピードと量産性の向上、及び電圧印加手段(プローブ)の導通性能の向上を図り、電子放出特性の優れる電子源の製造の提供と画像品位の優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】電子源の製造装置で用いる電圧印加装置は、導電体とこれに接続された電極配線111とが形成されている基板110への電圧印加を可能にするプローブユニット712を備える。プローブユニット712は、基板110上の電極配線111に接触して導電体に電圧印加を行うためのプローブ300と、これを保持するプローブホルダ711とを有する。プローブ300は、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなり、その導電性材料の表面が微細な突起形状、表面に近づくにつれて断面の面積が小さくなる形状、又は平坦な形状に形成される。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面伝導型電子放出素子を用いた電子源の製造装置等に適している電圧印加手段(プローブ)を有する電圧印加装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子源を構成する電子放出素子は、熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものに大別され、このうちの冷陰極電子放出素子には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や、表面伝導型等の各型の電子放出素子が知られている。
【0003】
表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電子放出素子の基本的な構成及び製造方法などの技術は、例えば特許文献1、2などに開示されている。
【0004】
上記の表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続されその一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなることを特徴とするものである。このうち、導電性膜には、その一部に、亀裂が形成され、この亀裂の端部には、炭素または炭素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成されている。
【0005】
このような表面伝導型電子放出素子を基板上に複数個配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成することができる。また、この電子源と蛍光体とを組み合わせることにより、画像形成装置の表示パネルを形成することができる。
【0006】
上記表面伝導型電子放出素子を備えた電子源、及びその電子源を蛍光体と組み合わせた構造をもつ画像形成装置のパネルの製造方法については、従来、次の2つのものが知られている。
【0007】
即ち、第1の製造方法としては、まず、基板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成した電子源基板全体を真空チャンバ内に設置する。次に、真空チャンバ内を排気した後、外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該真空チャンバ内に有機物質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0008】
一方、第2の製造方法としては、まず、基板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。その後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該排気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−235255号公報
【特許文献2】
特開平8−171849号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例の電子源を製造する第1の製造方法では、とりわけ、電子源基板が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真空対応の排気装置が必要になり、従って電子源基板上の各素子に電圧を印加することにより、導電性膜に亀裂を形成したり、該亀裂近傍に炭素又は炭素化合物を堆積させたりする電圧印加手段(プローブ)を備えた電圧印加装置や、その電圧印加装置を用いた電子源の製造装置自体の大型化を招き、操作も複雑になるといった不都合があった。
【0011】
また、上述した従来例の電子源と蛍光体を組み合わせた構造の画像形成装置のパネルを製造する第2の製造方法では、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要し、従って製造スピードが遅く量産性が悪くなるといった不都合があった。
【0012】
本発明は、このような従来の事情を背景になされたもので、電圧印加プローブの導通性能を向上させ、小型化と操作性の簡易化が可能な電圧印加装置及び電子源の製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、製造スピードが向上し量産性に適した電子源の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、電子放出特性の優れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基板上に設けられた導電体に接続され、該基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能にする電圧印加手段を有する電圧印加装置において、前記電圧印加手段は、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなることを特徴とし、該電極配線に電圧を印加し、該電極配線に接続して設けられた電子源に処理を施したり、電極配線や該電子源の断線、短絡、及び抵抗値を測定する手段等に適用できる。
【0016】
また、本発明に係る前記導電性材料の表面は、微細な突起形状であることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る前記導電性材料の表面は、表面に近づくにつれて、断面の面積が小さくなる先端の形状であることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る前記導電性材料の表面は、平坦な形状であることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る前記メッシュ状シートは、化学繊維、金属繊維、天然繊維、無機繊維を編んだものが好ましい。
【0020】
また、本発明に係る前記導電性材料は、電気鍍金法、無電解鍍金法、真空蒸着法、電解鍍金法を使用して付着しても良い。
【0021】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、導電体が形成された基板を支持する支持体と、気体の導入口及び気体の排気口を有し、前記基板面の一部の領域を覆う容器と、前記気体の導入口に接続され、前記容器内に気体を導入する手段と、前記気体の排気口に接続され、前記容器内を排気する手段と、前記導電体に電圧を印加する手段と、を備えることを特徴としてもよい。
【0022】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記電子源の製造装置において、前記電圧印加手段が、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる構造を備えていても良い。
【0023】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記の電子源の製造装置において、前記導電性材料の表面が、微細な突起形状である構造を備えていても良い。
【0024】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記の電子源の製造装置において、前記導電性材料の表面が、表面に近づくにつれて、断面の面積が小さくなる先端の形状である構造を備えていても良い。
【0025】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記の電子源の製造装置において、前記導電性材料の表面が、平坦な形状である構造を備えていても良い。
【0026】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記の電子源の製造装置において、前記メッシュ状シートが、化学繊維、金属繊維、天然繊維、無機繊維を編んだ構造を備えていても良い。
【0027】
また、本発明に係る電子源の製造装置は、上記の電子源の製造装置において、前記導電性材料は、電気鍍金法、無電解鍍金法、真空蒸着法、電解鍍金法を使用して付着させた構造を備えていても良い。
【0028】
本発明について以下に更に詳述する。
【0029】
本発明に係る電子源の製造装置は、具体的には、予め導電体が形成された基板を支持するための支持体と、該支持体にて支持された該基板上を覆う容器とを具備する。ここで、該容器は、該基板表面の一部の領域を覆うものであり、これにより該基板上の導電体に接続され該基板上に形成されている配線の一部分が該容器外に露出された状態で該基板上に気密な空間を形成し得る。
【0030】
また、該容器には、気体の導入口と気体の排気口が設けられており、これら導入口及び排気口にはそれぞれ該容器内に気体を導入するための手段及び該容器内の気体を排出するための手段が接続されている。これにより該容器内を所望の雰囲気に設定することができる。
【0031】
また、前記導電体が予め形成された基板とは、電気的処理を施すことで該導電体に電子放出部を形成し電子源となす基板である。よって、本発明に係る製造装置は、更に、電気的処理を施すための手段、例えば、該導電体に電圧を印加する手段を具備してもよい。
【0032】
以上の製造装置にあっては、上述のいずれかの電圧印加装置を備えることによって、小型化が達成され、上記電気的処理における電源との電気的接続などの操作性の簡易化が達成されるほか、上記容器の大きさや形状などの設計の自由度が増し、容器内への気体の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことが可能となる。
【0033】
また、本発明に係る電子源の製造方法は、まず、導電体と該導電体に接続された配線とが予め形成された基板を支持体上に配置し、前記配線の一部分を除き前記基板上の導電体を容器で覆う。これにより、該基板上に形成されている配線の一部分が該容器外に露出された状態で、前記導電体は、該基板上に形成された気密な空間内に配置されることとなる。
【0034】
次に、前記容器内を所望の雰囲気とし、前記容器外に露出された一部分の配線を通じて前記導電体に電気的処理、例えば、前記導電体への電圧の印加がなされる。ここで、前記所望の雰囲気とは、例えば、減圧された雰囲気、あるいは、特定の気体が存在する雰囲気である。
【0035】
また、前記電気的処理は、前記導電体に電子放出部を形成し電子源となす処理である。また、上記電気的処理は、異なる雰囲気下にて複数回なされる場合もある。例えば、前記配線の一部分を除き前記基板上の導電体を容器で覆い、まず、前記容器内を第1の雰囲気として上記電気的処理を行う工程と、次に、前記容器内を第2の雰囲気として上記電気的処理を行う工程とがなされ、以上により前記導電体に良好な電子放出部が形成され電子源が製造される。
【0036】
ここで、上記第1及び第2の雰囲気は、好ましくは、後述する通り、第1の雰囲気が減圧された雰囲気であり、第2の雰囲気が炭素化合物などの特定の気体が存在する雰囲気である。
【0037】
以上の製造方法にあっては、上述のような電圧印加装置を備える電子源の製造装置を用いることにより、上記電気的処理における電源との電気的接続などは容易に行うことが可能となる。また、上記容器の大きさや形状などの設計の自由度が増すので容器内への気体の導入、容器外への気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピードが向上する他、製造される電子源の電子放出特性の再現性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源における電子放出特性の均一性が向上する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0039】
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子源の製造装置を説明するもので、図1は、電子源の製造装置の断面図と配管等の接続図、図2は、その製造装置を用いて製造される電子源の電子源基板の周辺部分を詳細に示す斜視図である。
【0040】
図1及び図2において、製造される表面伝導型電子放出素子を用いた電子源を構成する要素として、6は表面伝導型電子放出素子となる導電体、7はX方向配線、8はY方向配線、10は電子源基板をそれぞれ示す。
【0041】
また、この電子源の製造装置を構成する要素として、11は電子源基板10を支持する支持体、12は真空容器、15は真空容器12内への気体の導入口、16は排気口、18は支持体11と真空容器12との間に配置されるシール部材、19は真空容器12内に配置される拡散板、20は支持体11内に設けられるヒータ、33は拡散板19の開口部、41は熱伝導部材をそれぞれ示す。
【0042】
また、21は容器に入っている水素または有機物質ガス、22は容器に入っているキャリアガス、23は水分除去フィルタ、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバルブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は配管をそれぞれ示す。
【0043】
さらに、30は電子源基板10の取り出し配線、32(32a、32b)は電源及び電流制御系からなる駆動ドライバ、31(31a、31b)は電子源基板10の取り出し配線30と駆動ドライバ32とを接続するための配線、46は昇降軸、47は支持体11を昇降させる昇降駆動ユニット、48は昇降駆動ユニット47による支持体11の昇降を制御する昇降制御装置をそれぞれ示す。
【0044】
このうち、支持体11は、電子源基板10を所定位置で保持して固定するもので、真空チャッキング機構、静電チャッキング機構、若しくは固定冶具などにより、機械的に電子源基板10を固定する機構を有する。この支持体11には、その内部にヒータ20が設けられる。このヒータ20により、必要に応じて熱伝導部材41を介して電子源基板10が加熱される。
【0045】
熱伝導部材41は、支持体11上に設置され、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にならないように、支持体11と電子源基板10の間で挟持されるか、あるいは、支持体11に埋め込まれるように設置されていてもよい。
【0046】
この熱伝導部材41は、電子源基板10の反り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工程における発熱を、確実に支持体11へ伝え、放熱することができ、電子源基板10のクラックや、破損の発生を防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与できる。
【0047】
また、熱伝導部材41は、シリコングリスや、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を使用して形成することができる。粘性液状物質である熱伝導部材41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支持体11は、粘性液状物質が所定の位置及び領域、すなわち、少なくとも電子源基板10の導電体6を形成する領域下で滞留するように、その領域に合わせて、滞留機構を設置してあってもよい。これは、例えば、Oリングや、あるいは、耐熱性の袋に粘性液状物質を入れ、密閉した熱伝導部材とした構成とすることができる。とくにOリングなどを設置して粘性液状物質を滞留させる場合、熱伝導部材41は、電子源基板10と支持体11との間に空気層ができて正しく接しないのを回避するため、空気抜けの通孔や、電子源基板10の設置後に粘性液状物質を電子源基板10と支持体11の間に注入する方法を採用して構成することができる。
【0048】
熱伝導部材41は、弾性部材であってもよい。弾性部材は、その材料として、テフロン(登録商標)樹脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、アルミナなどのセラミック材料、銅やアルミニウムの金属材料等を使用して構成することができる。これらは、シート状、あるいは、分割されたシート状で使用されていてもよい。あるいは、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板10の配線に合わせたX方向、あるいは、Y方向に伸びた線状、円錐状などの突起状、球体や、ラグビーボール状(楕円球状体)などの球状体、あるいは、球状体表面に突起が形成されている形状の球状体などが支持体11上に設置されていてもよい。
【0049】
上記電子源の製造装置では、電気的処理工程における発熱を素早く、確実に放熱することにより、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板熱分布が影響する電子放出素子の不均一性の低減に寄与することができ、均一性に優れた電子源の製造が可能となる。
【0050】
真空容器12は、ガラスやステンレス鋼製の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からなるものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10に対し位置決めして配置され、電子源基板10の取り出し配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆い、かつ、少なくとも、1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる構造のものである。
【0051】
シール部材18は、電子源基板10と真空容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリングやゴム性シートなどが用いられる。
【0052】
有機物質ガス21には、後述する電子放出素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12内に導入することも可能である。このように他の工程で気体を導入する際には、その気体導入系は、導入配管、バルブ25eを用いて、真空容器12を配管28に接続すれば、使用することができる。
【0053】
上記電子放出素子の活性化に用いられる有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げることができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパンなどのCH2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン、プロピレンなどのC2n等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベンゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0054】
有機物質ガス21には、常温で気体の有機物質の場合、その有機物質をそのまま使用することができ、常温で液体又は固体の有機物質の場合は、その有機物質を容器内で蒸発または昇華させるか、或いはこれを希釈ガスと混合させるか等の方法により使用することができる。
【0055】
キャリアガス22には、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられる。
【0056】
有機物質ガス21と、キャリアガス22とは、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入される。両者の流量及び混合比は、ガス流量制御装置24によって制御される。ガス流量制御装置24は、マスフローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これらの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けられた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にすることが好ましい。
【0057】
なお、配管28の分岐管の途中に、水分除去フィルタ23を設けて、導入ガス中の水分を除去することがより好ましい。水分除去フィルタ23は、シリカゲル、モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を用いて構成することができる。
【0058】
真空容器12に導入された混合ガスは、排気口16を通じて、真空ポンプ26にて一定の排気速度で排気され、これにより真空容器12内の混合ガスの圧力が一定に保持される。本実施形態で用いられる真空ポンプ26は、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが好ましく用いられる。
【0059】
上記混合気体の圧力は、活性化に用いる有機物質の種類にもよるが、本実施形態では、活性化工程の時間の短縮や均一性の向上の点で、混合気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器12の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以上であることが好ましい。この圧力は、いわゆる粘性流領域であり、数百Pa(数Torr)から大気圧までの範囲の圧力である。
【0060】
また、真空容器12の気体導入口15と電子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体の流れが制御され、電子源基板10の全面に均一に有機物質が供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し、好ましい。
【0061】
電子源基板10の取り出し配線30は、真空容器12の外部にあり、TAB配線や後述の図9に示すプローブユニット712などを用いて配線31と接続し、駆動ドライバ32に接続する。
【0062】
従って、第1の実施形態によれば、後述する実施形態及び実施例においても同様であるが、真空容器12は、電子源基板10上の導電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能である。また、電子源基板10の配線部が真空容器12外に有るため、電子源基板10と電気的処理を行うための電源装置(駆動ドライバ32)との電気的接続は容易に行うことができる。
【0063】
以上説明したように、第1の実施形態に係る製造装置によれば、真空容器12内に有機物質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子となる導電体6にパルス電圧を印加することにより、電子放出素子6の活性化を行うことができる。
【0064】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電子源の製造装置を示す概略断面図と配管等の接続図を示す。第2の実施形態に係る電子源の製造装置は、上述した第1の実施形態と比べ、粘性液状物質が所定の領域で滞留するように、Oリングと、粘性液状物質導入口に連通する導入管45とを備えた点が相違し、その他の構成要素は共通であるためその説明を省略する。この場合、粘性液状物質は、支持体11及び電子源基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いながら循環させる機構が付与されれば、それらはヒータ20に替わり、電子源基板10の加熱手段、あるいは、冷却手段となる。また、目的温度に対する温度調節が行える、例えば、循環型温度調節装置と液状媒体などからなる機構を付与することができる。
【0065】
次に、上記第1及び第2の実施形態に係る電子源の製造装置を用いた製造方法の具体例を詳述する。
【0066】
図4は、上記製造装置で得られる電子源と、蛍光体等の画像形成部材とを組み合わせた構造の画像形成装置の概略図を示す。図4において、画像形成装置68を構成する要素として、6は電子放出素子、61は電子源基板10を固定したリヤプレート、62は支持枠、66はガラス基板63、メタルバック64及び蛍光体65からなるフェースプレート、67は高圧端子をそれぞれ示す。
【0067】
上記構成の画像形成装置68によれば、各電子放出素子6に、X方向の容器外端子Dx1、Dx2、…、Dxm、及びY方向の容器外端子Dy1、Dy2、…、Dynを通じて、走査信号及び変調信号を図示しない信号発生手段によりそれぞれ印加することによって、電子を放出させ、高圧端子67を通じて、メタルバック64、あるいは、図示しない透明電極に5kVの高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光体65に衝突させて励起し、発光させることで画像を表示することができる。
【0068】
なお、電子源基板10自体がリヤプレートを兼ねて、1枚基板で構成される場合もある。また、走査信号配線は、例えば、容器外端子Dx1等に近い電子放出素子6と遠い電子放出素子6との間で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図8で示すような、片側走査配線で構わないが、素子数が多く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くするか、配線厚を厚くするか、あるいは、両側から電圧を印加する手法等を採ることができる。
【0069】
以上説明した電子源の製造装置を構成する要素の内、本発明の特徴部分は、特に電圧印加手段(プローブ)に関する。特に、本実施形態では、基板10上に形成されている配線に対して、プローブ先端が電極配線に接触しなくなる場合が生じるという課題を解決し、その導通性能を向上させるため、電圧印加手段が、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる構造をもつように構成したことを特徴とする。
【0070】
例えば、導電性材料は、電気鍍金法、無電解鍍金法、真空蒸着法、電解鍍金法を使用して付着させた構造であり、その導電性材料の表面は、微細な突起形状、又は表面に近づくにつれて断面の面積が小さくなる先端の形状、或いは平坦な形状を有する。また、メッシュ状シートは、化学繊維、金属繊維、天然繊維、無機繊維を編んだ構造を有する。
【0071】
以下、本発明の実施例1〜3を説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
[実施例1]
実施例1は、基板上に設けられた電極配線の導電体に電圧を印加せしめる電圧印加手段、及び電圧印加装置の例と、断線や、短絡、抵抗値を測定する例を説明するものである。
【0072】
図9は、実施例1に係る電圧印加装置を説明するもので、図10(a)は、測定対象である基板を示す図であり、図10(b)は、図10(a)の断面図である。図11は、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)を説明するための断面図である。
【0073】
図9、図10、及び図11において、300は線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)、302はナイロン繊維を編んだメッシュシート、301は下地にNiを施し、Auを無電解鍍金にて付着させた導電性材料、303はその導電性材料301の表面をそれぞれ示す。導電性材料301の表面303は、図11に示すように、ブラスト加工により、微細な突起形状に形成されている。
【0074】
また、110は基板、111は基板110上に配置された電極配線、712はプローブユニットであって、プローブ300を保持するためのプローブホルダ711及びプローブ300とで構成され、電極配線111と接触して電圧を印加せしめる。
【0075】
また、120はプローブユニット712を位置決め制御するためのモータステージであり、121はモータステージ120の制御を行うステージ制御装置、122はモータステージ120とステージ制御装置121とを接続するケーブル、125は基板110を支持する支持体、126は電源及び電流制御系を備えていて、断線や、短絡、抵抗値を測定するためのドライバ、127はプローブユニット712とドライバ126とを接続するケーブルである。
【0076】
ここで、基板110は、ソーダライムガラス製であって、表面に電極配線111を、真空蒸着法によってCr下地にALを施し作成した。この場合、図10(b)に示すように、電極配線111のAL表面は、平滑に形成されている。
【0077】
作成した基板110は、図9に示す電圧印加装置の支持体125上に固定した。そして、モータステージ120及びステージ制御装置121を用いて、基板110に対してプローブユニット712の位置決めを行った。
【0078】
次に、基板100上における表面が平滑に形成された電極配線111に対し、プローブ300の表面に施された微細な突起形状303を接触させ、その状態でケーブル127を介しドライバ126を用いて電圧を印加し、これにより、断線や、短絡、抵抗値を測定した。
【0079】
その結果、本実施例1によれば、プローブ300の先端が電極配線111に接触しなくなる場合がなく、また、接触抵抗のばらつきが少なく、導通性能が安定し、良好な電圧印加が実現されることを確認できた。これに加えて、断線や、短絡、及び抵抗値の良好な測定が実現されることも確認できた。
[実施例2]
実施例2は、静電チャックを使わない場合の電子源の製造装置を用いて、表面伝導型電子放出素子(図5及び図6参照)を複数備える電子源(図4及び図7参照)を製造する例を説明するものである。尚、図4〜図7において、6は電子放出素子、10は電子源基板、2及び3は素子電極、4は導電性膜、29は炭素膜、5は炭素膜29の間隙即ち電子放出部であり、Gは導電性膜4の間隙であり、30は取り出し配線である。
【0080】
図12、図13、及び図14は、実施例2に係る電子源の製造装置を説明するものである。図12は、全体を示す断面図、図13は、電子源基板10上に形成された配線のみを示す図で、図13(a)がその上面図、図13(b)及び図13(c)がその断面図、図14は、本実施例2で用いる、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)を説明するための断面図をそれぞれ示す。
【0081】
図12、図13、及び図14において、400は線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)、402はポリイミド繊維を編んだメッシュシート、401は下地にCuを施し、Auを電気鍍金法にて付着させた導電性材料、403はその導電性材料401の表面をそれぞれ示す。ここで、導電性材料402の表面403は、図14に示すように、研削加工により、微細な平坦な形状に形成されている。
【0082】
また、10は電子源基板、11は支持体、12は真空容器、15は気体の導入口、16は排気口、18はシール部材、19は拡散板、20はヒータ、21は容器に入っている水素または有機物質ガス、22は容器に入っているキャリアガス、23は水分除去フィルタ、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバルブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は配管、30は取り出し配線、32(32a,32b)は電源及び電流制御系からなる駆動ドライバ、33は拡散板19の開口部、41は熱伝導部材、714はプローブユニットであって、プローブ400とこれを保持するためのプローブホルダ713とで構成され、電子源基板10の取り出し配線30と接触して電圧を印加せしめる。
【0083】
また、31(31a、31b)はプローブユニット714(714a、714b)と駆動ドライバ32(32a、32b)とを接続するためのケーブルである。
【0084】
さらに、104(104a、104b)は電子源基板10の取り出し配線30と接触して電圧を印加するプローブユニット714を保持し、プローブユニット712を位置決め制御するためのモータステージであり、102(102a、102b)はモータステージ104の制御を行うステージ制御装置、101(101a、101b)はモータステージ104とステージ制御装置102とを接続するケーブルである。
【0085】
ここで、基板10はソーダライムガラス製であって、図5〜図8に示す素子電極2及び3は、ガラス基板10上にオフセット印刷法によりPtペーストを印刷し、加熱焼成して形成した。また、図7及び図8に示されるX方向配線7(240本)及びY方向配線8(720本)は、スクリーン印刷法により、Agペーストを印刷し、加熱焼成することにより形成し、X方向配線7とY方向配線8の交差部の絶縁層9は、スクリーン印刷法により、絶縁性ペーストを印刷し、加熱焼成して形成した。
【0086】
この場合、電子源基板10の取り出し配線30のAgペーストの表面は、図13(b)及び(c)の断面図に示す様な半円形に形成されている。
【0087】
次に、酸化パラジウムからなる図8に示す導電性膜4は、素子電極2,3間にバブルジェット(登録商標)方式の噴射装置を用いて、パラジウム錯体溶液を滴下し、加熱して形成した。以上のようにして、一対の素子電極2、3及び導電性膜4からなる複数の導電体6がX方向配線7及びY方向配線8にてマトリクス配線された電子源基板10を作成した。
【0088】
作成した電子源基板10は、図2に示す電子源の製造装置の支持体11上に固定した。支持体11と電子源基板10との間には、熱伝導部材41が挟持される。
【0089】
次に、シリコーンゴム製のシール部材18を介してステンレス鋼製の真空容器12を、取り出し配線30が該真空容器12の外に出るようにして、図2に示すように、電子源基板10上に設置した。
【0090】
排気口16側のバルブ25fを開け、真空容器12内を真空ポンプ26(ここではスクロールポンプ)で1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)程度に排気した後、排気装置の配管や、電子源基板10に付着していると考えられる水分を除去するため、図示しない配管用のヒータと電子源基板10用のヒータ20を用いて、昇温させ、数時間保持してから、室温まで徐冷した。
【0091】
基板10の温度が室温に戻った後、図4に示す電子源基板10の取出し配線30に、図12及び図14に示すプローブユニット714を接触させて、ケーブル31を介し駆動ドライバ32を用いて、X方向配線7及びY方向配線8を通じて、各電子放出素子6の素子電極2、3間に電圧を印加し、導電性膜4をフォーミング処理し、図6に示す間隙Gを導電性膜4に形成した。
【0092】
これにより、プローブユニット714の先端部が電子源基板10の取出し配線30に接触しなくなる場合がなく、また、接触抵抗のばらつきが少なく、導通性能が安定することから、良好な電圧印加を実現することができ、製造歩留まりが向上し且つ良好なフォーミング処理を実施することができた。
【0093】
続いて、同装置を用いて活性化処理を行った。
【0094】
この活性化処理に際し、気体供給用のバルブ25a乃至25d及び気体の導入口15側のバルブ25eを開け、有機物質ガス21とキャリアガス22との混合気体を真空容器12内に導入した。有機物質ガス21には、エチレン混合窒素ガスを用い、キャリアガス22には、窒素ガスを用いた。排気口16側の真空計27の圧力を見ながら、バルブ25fの開閉度を調整し、真空容器12内の圧力が133×10Pa(100Torr)となるようにした。
【0095】
有機物質ガス21を導入後、X方向配線7及びY方向配線8を通じて各電子放出素子6の両電極2、3間に電圧を印加して活性化処理を行った。なお、活性化は、Y方向配線8全部及び、X方向配線7の非選択ラインを共通としてGnd(接地電位)に接続し、1ラインずつパルス電圧を順次印加する方法で行い、上記方法を繰り返すことにより、X方向の全ラインに付いて活性化処理を行った。
【0096】
これにより、この活性化処理でも、前述のフォーミング処理時と同様に、プローブユニット714の先端が電子源基板10の取出し配線30に接触しなくなる場合がなく、また、接触抵抗のばらつきが少なく、導通性能が安定することから、良好な電圧印加を実現することができた。
【0097】
上記活性化処理の終了時の素子電流If(電子放出素子の素子電極間に流れる電流)を各X方向配線7毎に測定し、比較したところ、その配線毎の素子電流If値はそのバラツキが少なく、また、製造歩留まりが向上し且つ良好な活性化処理が行われたことを確認できた。
【0098】
上記活性化処理が終了した電子放出素子6には、図5及び図6に示すように間隙5を隔てて炭素膜29が形成された。
【0099】
また、上記活性化処理時に、図示しない差動排気装置付きのマススペクトラム測定装置を使用して、排気口16側のガス分析を行ったところ、上記混合ガスの導入と同時に、窒素及びエチレンのマスNo.28とエチレンのフラグメントのマスNo.26が瞬間的に増加して飽和し、両者の値は活性化処理中一定であった。
【0100】
実施例2と同様の図8に示す電子源基板10を、図4の概略図に示すような画像形成装置68の、リヤプレート61上に固定した後、電子源基板10の5mm上方に、フェースプレート66を、支持枠62及び図示しない排気管及びゲッタ材料を介して配置し、フリットガラスを用いてアルゴン雰囲気中で封着を行い、図4に示すような画像形成装置68の形態を作成した上記のフォーミング処理工程、及び活性化処理工程を行う場合に比べて、実施例2では、製造工程に要する時間を短縮することができ、電子源の各電子放出素子6の特性の均一性が向上する。
【0101】
また、基板サイズが大きくなった場合の基板10の反りは、歩留まりの低下や、特性のバラツキを招き易いが、実施例2による熱伝導部材41の設置により、歩留まりの向上と特性のバラツキ低減を実現することができた。
[実施例3]
図15及び図16は、本発明の実施例3を説明するものである。図15は、本実施例で用いる、線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)を説明するための断面図、図16は、実施例2と同様に、電子源基板10上に形成された配線のみを示す図で、図16(a)はその上面図、図16(b)及び(c)はその断面図をそれぞれ示す。
【0102】
図15及び図16において、500は線材を編んだメッシュ状シートに導電性材料を付着してなる電圧印加手段(プローブ)、502はガラス無機繊維を編んだメッシュシート、501は下地にCrを施し、Cu及びAuを電気鍍金法にて付着させた導電性材料、503はその導電性材料501の表面をそれぞれ示す。ここで、導電性材料501の表面503は、図15に示すように、プレス加工により、表面に近づくにつれて、その断面の面積が小さくなる先端を有する形状に形成されている。
【0103】
基板10は、ソーダライムガラス製であって、図5〜図8に示す素子電極2及び3は、ガラス基板10上にオフセット印刷法によりPtペーストを印刷し、加熱焼成して形成した。また、図7及び図8に示されるX方向配線7(240本)及びY方向配線8(720本)は、フォトリソ法により形成し、X方向配線7とY方向配線8の交差部の絶縁層9は、スクリーン印刷法により、絶縁性ペーストを印刷し、加熱焼成して形成した。
【0104】
この場合、電子源基板10の取り出し配線30の表面形状は、図16(b)及び(c)の断面図に示す様な凹形に形成された。
【0105】
上述したプローブ500及び電子源基板10を、実施例2に記載した製造方法及び製造装置を用い、電子源及び画像形成装置を作成した。
【0106】
この場合も、実施例2と同様の効果が得られた。尚、上述の実施例1〜3に記載の具体例に限らず、メッシュ状シートについては、化学繊維、金属繊維、天然繊維、無機遷移などを適宜使用可能であるし、またシートに付着させる導電性材料の付着方法に関しては、上記方法に限らず、電気鍍金法、無電解鍍金法、真空蒸着法、電解鍍金法等が可能である。
【0107】
本発明の様々な例と実施例が示され記載されたが、本発明の趣旨とその範囲は、本願明細書中の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた種々の修正と変更に及ぶものである。
【0108】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0109】
実施態様1に係る電圧印加装置は、基板上に設けられた導電体に接続され、該基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能にする電圧印加手段を有する電圧印加装置において、前記電圧印加手段は、線材を編んで構成されたメッシュ状シートと、このメッシュ状シートを成す該線材の表面を覆って付着された導電性材料とを有し、該基板と該メッシュ状シートとの間で該導電性材料の表面を該電極配線に接触させた状態で該導電性材料を介して該電極配線への電圧印加を行うことを特徴とする。
【0110】
実施態様2に係る電圧印加装置は、実施態様1に記載の電圧印加装置において、前記導電性材料の表面が微細な突起形状であることを特徴とする。
【0111】
実施態様3に係る電圧印加装置は、実施態様1に記載の電圧印加装置において、前記導電性材料の表面が表面に近づくにつれて、断面の面積が小さくなる先端の形状であることを特徴とする。
【0112】
実施態様4に係る電圧印加装置は、実施態様1に記載の電圧印加装置において、前記導電性材料の表面が平坦な形状であることを特徴とする。
【0113】
実施態様5に係る電圧印加装置は、実施態様1〜4のいずれかに記載した電圧印加装置において、前記メッシュ状シートは、化学繊維、金属繊維、天然繊維、無機繊維を編んだメッシュシートであることを特徴とする。
【0114】
実施態様6に係る電圧印加装置は、実施態様1〜5のいずれかに記載した電圧印加装置において、前記導電性材料は、電気鍍金法、無電解鍍金法、真空蒸着法、電解鍍金法を使用して付着されたことを特徴とする。
【0115】
実施態様7に係る電子源の製造装置は、前記基板が電子源基板であり、該電子源基板上に設けられた導電体を電圧印加対象とし、気体の導入口及び気体の排気口を含み、前記電子源基板の一部の領域を覆う容器を有する電子源の製造装置において、実施態様1〜6のいずれかに記載の電圧印加装置を備えることを特徴とする。
【0116】
実施態様8に係る電子源の製造方法は、実施態様7に記載の電子源の製造装置を用いて製造することを特徴とする。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化と操作性の簡易化が可能な電圧印加装置及びこれを用いた電子源の製造装置を提供することができる。また、本発明によれば、製造スピードが向上し量産性に適した電子源の製造装置及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、電子放出特性の優れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、画像品位の優れた画像形成装置を提供することができる。さらに、本発明によれば、電圧印加プローブの導通性能の向上に高い効果をもたらし、電子源の製造工程中の不良を低減させる電圧印加装置及び電子源の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子源の製造装置の構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図2】電子源基板の周辺部分の詳細を示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子源の製造装置の構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施形態に係る電子源の製造装置で得られる画像形成装置の構成を示す一部破断斜視図である。
【図5】本発明の第1及び第2の実施形態に係る電子源の製造装置で得られる電子源を構成する電子放出素子を示す平面図である。
【図6】図5中のB−B線に沿った断面図である。
【図7】本発明の第1及び第2の実施形態に係る電子源の製造装置で得られる電子源の例を示す平面図である。
【図8】本発明の第1及び第2の実施形態に係る電子源の製造装置を用いた電子源の製造方法を説明する平面図である。
【図9】本発明の第1及び第2の実施形態に係る電圧印加装置の構成を示す断面図である。
【図10】(a)は、本発明の実施例1に係る基板の平面図、(b)は、その断面図である。
【図11】実施例1に係る電圧印加手段(プローブ)を説明する断面図である。
【図12】実施例2に係る電子源の製造装置の構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図13】(a)は、実施例2に係る基板の平面図、(b)及び(c)は、その断面図である。
【図14】実施例2に係る電圧印加手段(プローブ)を説明する断面図である。
【図15】実施例3に係る電圧印加手段(プローブ)を説明する断面図である。
【図16】(a)は、実施例3に係る基板の平面図、(b)及び(c)は、その断面図である。
【符号の説明】
2、3 素子電極
4 導電性膜
5 電子放出部
6 電子放出素子(導電体)
7 X方向配線
8 Y方向配線
9 絶縁層(炭素膜)
10 電子源基板
11 支持体
12 真空容器
15 気体の導入口
16 排気口
18 シール部材
19 拡散板
20 ヒータ
21 有機物質ガス
22 キャリアガス
23 水分除去フィルタ
24 ガス流量制御装置
25(25a〜25f) バルブ
26 真空ポンプ
27 真空計
28 配管
29 炭素膜
30 取り出し配線
31(31a、31b) 電子源基板の取り出し配線と駆動ドライバとの接続用の配線(ケーブル)
32(32a、32b) 駆動ドライバ(電源、電流測定装置、及び電流−電圧制御系装置からなる)
33 拡散板の開口部
41 熱伝導部材
45 導入管
61 電子源基板を固定したリヤプレート
62 支持枠
63 ガラス基板
64 メタルバック
65 蛍光体
66 フェースプレート
67 高圧端子
68 画像形成装置
101(101a、101b) ケーブル
102(102a、102b) ステージ制御装置
104(104a、104b) プローブユニット保持・位置決め制御用のモータステージ
110 基板(実施例1)
111 電極配線(実施例1)
120 プローブユニット位置決め制御用のモータステージ
121 ステージ制御装置
122 ケーブル
125 支持体
126 ドライバ
127 ケーブル
300 実施例1の電圧印加手段(プローブ)
301 導電性材料(実施例1)
302 メッシュシート(実施例1)
303 導電性材料の表面(実施例1)
400 実施例2の電圧印加手段(プローブ)
401 導電性材料(実施例2)
402 メッシュシート(実施例2)
403 導電性材料の表面(実施例2)
500 実施例3の電圧印加手段(プローブ)
501 導電性材料(実施例2)
502 メッシュシート(実施例2)
503 導電性材料の表面(実施例2)
711 プローブホルダ
712 プローブユニット
713 プローブホルダ
714 プローブユニット

Claims (1)

  1. 基板上に設けられた導電体に接続され、該基板上に形成されている電極配線への電圧印加を可能にする電圧印加手段を有する電圧印加装置において、
    前記電圧印加手段は、線材を編んで構成されたメッシュ状シートと、このメッシュ状シートを成す該線材の表面を覆って付着された導電性材料とを有し、該基板と該メッシュ状シートとの間で該導電性材料の表面を該電極配線に接触させた状態で該導電性材料を介して該電極配線への電圧印加を行うことを特徴とする電圧印加装置。
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