JP2002352701A - 電子源の製造装置及び製造方法 - Google Patents

電子源の製造装置及び製造方法

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JP2002352701A
JP2002352701A JP2001156464A JP2001156464A JP2002352701A JP 2002352701 A JP2002352701 A JP 2002352701A JP 2001156464 A JP2001156464 A JP 2001156464A JP 2001156464 A JP2001156464 A JP 2001156464A JP 2002352701 A JP2002352701 A JP 2002352701A
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Akihiro Kimura
明弘 木村
Kazuhiro Oki
一弘 大木
Shigeto Kamata
重人 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板への熱伝達率及び基板温度の均一性の向
上を図り、装置の小型化と操作性の簡易化を可能にす
る。 【解決手段】 導電体が形成された基板10を支持する
支持体11と、該基板10の一部を覆う真空容器12と
を有する電子源の製造装置において、支持体11の上面
の形状が基板10と支持体11の間の圧力による該基板
10の変形形状と同じである。基板10と支持体11の
間の圧力は100Torr以下の圧力である。支持体1
1の上面の形状は、基板10の変形形状を予め測定し、
その測定値に基づいて加工を行って形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源の製造装置
及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子源を構成する電子放出素子と
しては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子
との2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子
には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に並行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。その
基本的な構成、製造方法などは、例えば特開平7−23
5255号公報、特開平8−171849号公報などに
開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に、対
向する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接続され
その一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなる
ことを特徴とするものである。また、上記導電性膜には
一部亀裂が形成されている。
【0005】また、上記亀裂の端部には、炭素または炭
素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成
されている。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成する
ことができる。
【0007】また、上記電子源と蛍光体とを組み合わせ
ることにより、画像形成装置の表示パネルを形成するこ
とができる。
【0008】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。即ち、第1の製造方法とし
ては、まず、基板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続
された一対の素子電極からなる複数の素子と、該複数の
素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成す
る。次に、作成した電子源基板全体を真空チャンバ内に
設置する。次に、真空チャンバ内を排気した後、外部端
子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜
に亀裂を形成する。更に、該真空チャンバ内に有機物質
を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で前
記各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂
近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0009】また、第2の製造方法としては、まず、基
板上に、導電性膜及び該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。次に、作成
した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠を
挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。その
後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パネ
ルの外部端子を通じて上記各素子に電圧を印加し各素子
の導電性膜に亀裂を形成する。更に、該パネル内に該排
気管を通じて有機物質を含む気体を導入し、有機物質の
存在する雰囲気下で前記各素子に再び外部端子を通じて
電圧を印加し、該亀裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を
堆積させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法は、とりわけ、電子源基板
が大きくなるに従い、より大型の真空チャンバ及び高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気及び該パネ
ル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要す
る。また、上記いずれの製造方法も、基板への熱伝達率
及び基板温度の均一性が十分ではないという問題があっ
た。
【0011】本発明は、基板への熱伝達率及び基板温度
の均一性の向上を図り、小型化と操作性の簡易化が可能
な電子源の製造装置を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、製造スピードが向上し量
産性に適した電子源の製造装置及び製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】また、本発明は、電子放出特性の優れた電
子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、導電体が形成された基板を支持する支持
体と、該基板の一部を覆う真空容器とを有する電子源の
製造装置において、前記支持体の上面の形状が前記基板
と支持体の間の圧力による該基板の変形形状と同じであ
ることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
導電体が形成された基板を支持する支持体と、気体の導
入口及び気体の排気口を有し、前記基板面の一部の領域
を覆う容器と、前記気体の導入口に接続され、前記容器
内に気体を導入する手段と、前記気体の排気口に接続さ
れた、前記容器内を排気する手段と、前記導電体に電圧
を印加する手段と、を備えることを特徴としてもよく、
この場合も、前記支持体の上面の形状が基板と支持体の
間の圧力による基板の変形形状と同じであることが好ま
しい。
【0016】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記基板と支持体と
の間の圧力は100Torr以下の圧力であることが望
ましい。
【0017】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記支持体の上面の
形状は、基板の変形形状を予め測定をし、その測定値に
基づいて加工を行うことが好ましい。
【0018】また、本発明に係る電子源の製造装置は、
上記の電子源の製造装置において、前記支持体の上面の
形状は、基板の変形形状を予め数値解析により計算し、
その計算値に基づいて加工を行ってもよい。
【0019】本発明について以下に更に詳述する。本発
明に係る製造装置は、まず、予め導電体が形成された基
板を支持するための支持体と、該支持体にて支持された
該基板上を覆う容器とを具備する。ここで、該容器は、
該基板表面の一部の領域を覆うものであり、これにより
該基板上の導電体に接続され該基板上に形成されている
配線の一部分が該容器外に露出された状態で該基板上に
気密な空間を形成し得る。また、該容器には、気体の導
入口と気体の排気口が設けられており、これら導入口及
び排気口にはそれぞれ該容器内に気体を導入するための
手段及び該容器内の気体を排出するための手段が接続さ
れている。これにより該容器内を所望の雰囲気に設定す
ることができる。また、前記導電体が予め形成された基
板とは、電気的処理を施すことで該導電体に電子放出部
を形成し電子源となす基板である。よって、本発明に係
る製造装置は、更に、電気的処理を施すための手段、例
えば、該導電体に電圧を印加する手段をも具備する。以
上の製造装置にあっては、小型化が達成され、上記電気
的処理における電源との電気的接続などの操作性の簡易
化が達成される他、上記容器の大きさや形状などの設計
の自由度が増し容器内への気体の導入、容器外への気体
の排出を短時間で行うことが可能となる。
【0020】また、本発明に係る製造方法は、まず、導
電体と該導電体に接続された配線とが予め形成された基
板を支持体上に配置し、前記配線の一部分を除き前記基
板上の導電体を容器で覆う。これにより、該基板上に形
成されている配線の一部分が該容器外に露出された状態
で、前記導電体は、該基板上に形成された気密な空間内
に配置されることとなる。次に、前記容器内を所望の雰
囲気とし、前記容器外に露出された一部分の配線を通じ
て前記導電体に電気的処理、例えば、前記導電体への電
圧の印加がなされる。ここで、前記所望の雰囲気とは、
例えば、減圧された雰囲気、あるいは、特定の気体が存
在する雰囲気である。また、前記電気的処理は、前記導
電体に電子放出部を形成し電子源となす処理である。ま
た、上記電気的処理は、異なる雰囲気下にて複数回なさ
れる場合もある。例えば、前記配線の一部分を除き前記
基板上の導電体を容器で覆い、まず、前記容器内を第1
の雰囲気として上記電気的処理を行う工程と、次に、前
記容器内を第2の雰囲気として上記電気的処理を行う工
程とがなされ、以上により前記導電体に良好な電子放出
部が形成され電子源が製造される。ここで、上記第1及
び第2の雰囲気は、好ましくは、後述する通り、第1の
雰囲気が減圧された雰囲気であり、第2の雰囲気が炭素
化合物などの特定の気体が存在する雰囲気である。
【0021】以上の製造方法にあっては、上述のいずれ
かの電子源の製造装置を用いることにより、上記電気的
処理における電源との電気的接続などは容易に行うこと
が可能となる。また、上記容器の大きさや形状などの設
計の自由度が増すので、容器内への気体の導入、容器外
への気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピー
ドが向上する他、製造される電子源の電子放出特性の再
現性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源におけ
る電子放出特性の均一性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい第1の実
施の形態を示す。図1、図2及び図3は、本実施形態に
係る電子源の製造装置を示しており、図1及び図3は断
面図と配管等の接続図、図2は図1における電子源基板
の周辺部分を示す斜視図である。図1、図2及び図3に
おいて、6は電子放出素子となる導電体、7はX方向配
線、8はY方向配線、10は電子源基板、11は支持
体、12は真空容器、15は気体の導入口、16は排気
口、18はシール部材、19は拡散板、20はヒータ、
21は容器に入っている水素または有機物質ガス、22
は容器に入っているキャリヤガス、23は水分除去フィ
ルタ、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバル
ブ、26は真空ポンプ、27は真空計、28は配管、3
0は取り出し配線である。32は電源及び電流制御系か
らなる駆動ドライバであり、31は電子源基板の取り出
し配線30と駆動ドライバ32とを接続する配線、33
は拡散板19の開口部、41は熱伝導部材、46は昇降
軸、47は支持体11を昇降させる昇降駆動ユニット、
48は支持体11の昇降を制御する昇降制御装置であ
る。
【0023】支持体11は、電子源基板10を所定位置
に保持して固定するものであって、真空チャッキング機
構、静電チャッキング機構若しくは固定冶具などによ
り、機械的に電子源基板10を固定する機構を有する。
支持体11の内部には、ヒータ20が設けられ、必要に
応じて電子源基板10を熱伝導部材41を介して加熱す
ることができる。
【0024】熱伝導部材41は、支持体11上に設置さ
れ、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にな
らないように、支持体11と電子源基板10の間で挟持
されるか、あるいは、支持体11に埋め込まれるように
設置されていてもよい。
【0025】熱伝導部材41は、電子源基板10の反
り、うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工
程における発熱を、確実に支持体11へ伝え、放熱する
ことができ、電子源基板10のクラック、破損の発生を
防ぐことができ、歩留まりの向上に寄与できる。
【0026】また、この電子源の製造装置では、電気的
処理工程における発熱を素早く、確実に放熱することに
より、温度分布による導入ガスの濃度分布の低減、基板
熱分布が影響する電子放出素子の不均一性の低減に寄与
でき、均一性に優れた電子源の製造が可能となる。
【0027】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を
使用することができる。粘性液状物質である熱伝導部材
41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支持
体11に、粘性液状物質が所定の位置及び領域、すなわ
ち、少なくとも電子源基板10の導電体6を形成する領
域下で滞留するように、その領域に合わせて、支持体1
1に滞留機構を設置してあってもよい。これは、例え
ば、Oリングや、あるいは、耐熱性の袋に粘性液状物質
を入れ、密閉した熱伝導部材とした構成とすることがで
きる。
【0028】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合において、電子源基板10と支持体11の
間に空気層ができて正しく接しない場合は、空気抜けの
通孔や、電子源基板10を設置した後に、粘性液状物質
を電子源基板10と支持体11との間に注入する方法も
採ることができる。図3は、粘性液状物質が所定の領域
で滞留するように、Oリングと粘性液状物質導入口に連
通する導入管45とを設けた装置の概略断面図である。
【0029】この粘性液状物質を支持体11及び電子源
基板10間で挟持し、かつ温度制御を行いながら循環さ
せる機構が付与されれば、これは、ヒータ20に替わ
り、電子源基板10の加熱手段、あるいは、冷却手段と
なる。また、目的温度に対する温度調節が行える、例え
ば、循環型温度調節装置と液状媒体などからなる機構を
付与することができる。
【0030】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材の材料としては、テフロン(登録商標)樹
脂などの合成樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、ア
ルミナなどのセラミック材料、銅やアルミニウムの金属
材料等を使用することができる。これらは、シート状、
あるいは、分割されたシート状で使用されていてもよ
い。あるいは、円柱状、角柱状等の柱状、電子源基板1
0の配線に合わせたX方向、あるいは、Y方向に伸びた
線状、円錐状などの突起状、球体や、ラグビーボール状
(楕円球状体)などの球状体、あるいは、球状体表面に
突起が形成されている形状の球状体などが支持体11上
に設置されていてもよい。
【0031】真空容器12は、ガラスやステンレス鋼製
の容器であり、容器からの放出ガスの少ない材料からな
るものが好ましい。真空容器12は、電子源基板10の
取り出し配線部を除き、導電体6が形成された領域を覆
い、かつ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×1
-3Torr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる
構造のものである。
【0032】シール部材18は、電子源基板10と真空
容器12との気密性を保持するためのものであり、Oリ
ングやゴム性シートなどが用いられる。
【0033】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質、または、有機物質
を窒素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が
用いられる。また、後述するフォーミングの通電処理を
行う際には、導電性膜への亀裂形成を促進するための気
体、例えば、還元性を有する水素ガス等を真空容器12
内に導入することもある。このように他の工程で気体を
導入する際には、導入配管、バルブ25eを用いて、真
空容器12を配管28に接続すれば、使用することがで
きる。
【0034】上記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、メタン、エタン、プロパ
ンなどのCn2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレンなどのC n2n等の組成式で表される不
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタ
ノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、ベン
ゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0035】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用でき、有機物質が常温で
液体、または、固体の場合は、容器内で蒸発または昇華
させて用いるか、或いは更にこれを希釈ガスと混合する
などの方法で用いることができる。キャリヤガス22に
は、窒素またはアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが
用いられる。
【0036】有機物質ガス21と、キャリヤガス22
は、一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入さ
れる。両者の流量及び、混合比は、ガス流量制御装置2
4によって制御される。ガス流量制御装置24は、マス
フローコントローラ及び電磁弁等から構成される。これ
らの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けら
れた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15より、真空容器12内に導入される。混
合ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にす
ることが好ましい。
【0037】なお、配管28の途中に、水分除去フィル
タ23を設けて、導入ガス中の水分を除去することがよ
り好ましい。水分除去フィルタ23には、シリカゲル、
モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を
用いることができる。
【0038】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力は一定
に保持される。本実施形態で用いられる真空ポンプ26
は、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポ
ンプ等、低真空用ポンプであり、オイルフリーポンプが
好ましく用いられる。
【0039】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において、上記混合気体の圧力は、混合
気体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器1
2の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以
上であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向
上の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であ
り、数百Pa(数Torr)から大気圧までの圧力であ
る。
【0040】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10との間に拡散板19を設けると、混合気体
の流れが制御され、基板10の全面に均一に有機物質が
供給されるため、電子放出素子の均一性が向上し好まし
い。
【0041】電子源基板10の取り出し配線30は、真
空容器12の外部にあり、TAB配線やプローブなどを
用いて配線31と接続し、駆動ドライバ32に接続す
る。
【0042】本実施形態、さらには後述する実施形態に
おいても同様であるが、真空容器12は、電子源基板1
0上の導電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が
可能である。また、電子源基板10の配線部が真空容器
12外に有るため、電子源基板10と電気的処理を行う
ための電源装置(駆動ドライバ32)との電気的接続を
容易に行うことができる。
【0043】以上のようにして真空容器12内に有機物
質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を
用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子に
パルス電圧を印加することにより、電子放出素子の活性
化を行うことができる。
【0044】以上述べた製造装置を用いての電子源の製
造方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳述す
る。
【0045】上記電子源と画像形成部材とを組み合わせ
ることにより、図4に示すような画像形成装置68を形
成することができる。図4は画像形成装置の概略図であ
る。図4において、6は電子放出素子、10は電子源基
板、62は支持枠である。66は、ガラス基板63、蛍
光体膜64及びメタルバック65からなるフェースプレ
ートであり、68は画像形成装置である。
【0046】画像形成装置68は、各電子放出素子6
に、容器外端子Dx1乃至Dxm、及び容器外端子Dy1乃至
Dynを通じて、走査信号及び変調信号を図示しない信号
発生手段によりそれぞれ印加することにより、電子を放
出させ、高圧端子67を通じて、メタルバック65、あ
るいは、図示しない透明電極に5kVの高圧を印加し、
電子ビームを加速し、蛍光体膜64に衝突させて励起
し、発光させることで画像を表示する。
【0047】また、走査信号配線は、例えば、容器外端
子Dx1等に近い電子放出素子6と遠い電子放出素子6と
の間で印加電圧降下の影響の無い素子数であれば、図4
で示すような、片側走査配線で構わないが、素子数が多
く、電圧降下の影響がある場合には、配線幅を広くする
か、配線厚を厚くするか、あるいは、両側から電圧を印
加する手法等を採ることができる。
【0048】本発明は、以上述べた実施の形態で、特に
支持体11の部分に関するものである。特に本実施形態
は、基板の温度均一性、基板―支持体間の熱伝達効率、
装置のコストダウンという課題を解決するものである。
特に、本実施形態ではそのために、支持体11の上面の
形状が基板10と支持体11との間の圧力による基板1
0の変形形状と同じであることを特徴とするものであ
る。
【0049】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での
各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0050】[実施例1]本実施例は、本発明の実施形
態に係る製造装置を用いて複数の表面伝導型電子放出素
子を備える電子源を製造するものである。
【0051】図5は、本発明に係る製造装置の実施例1
を説明するための図である。図6は、図5における電子
源基板10、真空容器12、支持体11、シール部材1
8、配管28、真空排気系71、ガス供給系72を拡大
した図であり、真空排気系71にはその排気配管37に
バルブ25gがあり、ガス供給系72にはその供給配管
38にバルブ25hがあり、排気配管37と供給配管3
8との連絡配管39にはバルブ25iがあることを示し
ている。シール部材18には、真空容器12の下端に配
置したシール部材18aと、支持体11に保持され電子
源基板10の下面に当接するシール部材18bとがあ
る。
【0052】同図において、電子源基板10と支持体1
1の間は、真空排気系71により真空にした後、ガス供
給系72により比較的熱伝導性の良いヘリウムを約10
Torrの圧力で充填しており、支持体11によって保
持された環状のシール部材18bにより封止されてい
る。このとき、電子源基板10と支持体11の間のヘリ
ウムと真空容器12の内部との圧力差約10Torrに
より、電子源基板10は図のように上に凸型に変形し、
支持体11の上面は該基板10の裏面圧力による変形形
状と同じ形で作られている。該支持体11は、予め電子
源基板10の変形を変位計で測定し、該測定値に基づい
て加工を行った。
【0053】また、支持体11の上面形状は、構造解析
により電子源基板10の変形形状を計算し、その計算値
に基づいて加工を行って形成しても良い。
【0054】上記のような構造により、電子源基板10
と支持体11の間が一定の間隔となることで、支持体1
1に備えられた不図示の温調機能により温調を行い、電
子源基板10の温度分布を小さくすることができ、また
電子源基板10と支持体11との間での熱伝達効率の向
上を図ることができた。更に、静電チャック等の基板把
持手段を必要とせず、電子源の製造装置のコストダウン
を行うことができた。
【0055】本実施例に係る電子源の製造装置を用い
て、電子源基板10の電子源作成と、電子放出特性の優
れた電子放出素子の活性化処理を行うことができた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、小型化と操作性の簡易
化が可能な電子源の製造装置を提供することができる。
【0057】また、本発明によれば、製造スピードが向
上し量産性に適した電子源の製造装置及び製造方法を提
供することができる。
【0058】更に、本発明によれば、電子放出素子の活
性化処理中、電子源基板の温度分布を低減し、また電子
源基板と支持体の間での熱伝達効率の向上をし得る電子
源の製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0059】更に、本発明によれば、電子放出特性の優
れた電子源を製造し得る電子源の製造装置及び製造方法
を提供することができる。更に、本発明によれば、画像
品位の優れた画像形成装置を提供することができる。更
に、本発明によれば、低コストで電子源の製造装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電子源の製造装置の
構成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図2】 図1及び図3における電子源基板の周辺部分
を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】 本発明に係る電子源の製造装置の構成の他の
形態を示す断面図と配管等の接続図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成
を一部を破断して示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施例に係る電子源の製造装置の構
成を示す断面図と配管等の接続図である。
【図6】 本発明の実施例に係る電子源の製造装置の一
部分を示す断面図である。
【符号の説明】
6:電子放出素子(導電体)、7:X方向配線、8:Y
方向配線、10:電子源基板、11:支持体、12:真
空容器、15:気体の導入口、16:排気口、18(1
8a,18b):シール部材、19:拡散板、20:ヒ
ータ、21:有機物質ガス、22:キャリヤガス、2
3:水分除去フィルタ、24:ガス流量制御装置、25
(25a〜25i):バルブ、26:真空ポンプ、2
7:真空計、28:配管、30:取り出し配線、31
(31a,31b):電子源基板の取り出し配線30と
駆動ドライバ32とを接続する配線、32(32a,3
2b):電源、電流測定装置及び電流−電圧制御系装置
からなる駆動ドライバ、33:拡散板19の開口部、4
1:熱伝導部材、46:昇降軸、47:昇降駆動ユニッ
ト、48:昇降制御装置、62:支持枠、63:ガラス
基板、64:蛍光体膜、65:メタルバック、66:フ
ェースプレート、68:画像形成装置、70:電圧印加
プローブ、71:真空排気系、72:ガス供給系。
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 重人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体が形成された基板を支持する支持
    体と、該基板の一部を覆う真空容器とを有する電子源の
    製造装置において、前記支持体の上面の形状が前記基板
    と支持体の間の圧力による該基板の変形形状と同じであ
    ることを特徴とする電子源の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記基板と支持体の間の圧力は100T
    orr以下の圧力であることを特徴とする請求項1に記
    載の電子源の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記支持体の上面の形状は、前記基板の
    変形形状を予め測定し、その測定値に基づいて加工を行
    うことを特徴とする請求項1または2に記載の電子源の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記支持体の上面の形状は、前記基板の
    変形形状を予め数値解析により計算し、その計算値に基
    づいて加工を行うことを特徴とする請求項1または2に
    記載の電子源の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子源
    の製造装置を用いて製造することを特徴とする電子源の
    製造方法。
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