JP2002110031A - 電子源の製造装置 - Google Patents

電子源の製造装置

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JP2002110031A
JP2002110031A JP2000304067A JP2000304067A JP2002110031A JP 2002110031 A JP2002110031 A JP 2002110031A JP 2000304067 A JP2000304067 A JP 2000304067A JP 2000304067 A JP2000304067 A JP 2000304067A JP 2002110031 A JP2002110031 A JP 2002110031A
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container
electron source
substrate
gas
electron
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Yukinori Kataoka
幸徳 片岡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化と操作性の簡易化が可能で、製造スピ
ードを向上させ、気密性を良くすることで歩留まりが向
上し、より量産性に適した電子源の製造装置を提供す
る。 【解決手段】 導電体6が形成された基板10を支持す
る支持体11と、 内装容器とそれを囲う外装容器から
なる容器12において気体の導入口15と気体の排気口
16を有し、基板10の基板面の一部の領域をゴム性真
空気密材で覆う二重構造の容器12と、気体の導入口1
5に接続され、容器内に気体を導入する手段と、気体の
排気口16に接続され、容器内を排気する手段と、導電
体6に電圧を印加する手段31,32と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源の製造装置
および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類の
ものが知られている。冷陰極電子放出素子には、電界放
出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型電子放出素子
等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、その膜面に平行に電流を流すこと
により、電子放出が生ずる現象を利用するものである。
本出願人は、新規な構成を有する表面伝導型電子放出素
子とその応用に関し、多数の提案を行っている。その基
本的な構成、製造方法などは、たとえば特開平7−23
5255号公報、特開平8−171849号公報などに
開示されている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に対向
する一対の素子電極と、該一対の素子電極に接統されそ
の一部に電子放出部を有する導電性膜とを有してなるこ
とを特徴とするものである。また、上記導電性膜の一部
に亀裂が形成されている。
【0005】また、上記亀裂の端部には、炭素または炭
素化合物の少なくとも一方を主成分とする堆積膜が形成
されている。
【0006】このような電子放出素子を基板上に複数個
配置し、各電子放出素子を配線で結ぶことにより、複数
個の表面伝導型電子放出素子を備える電子源を作成する
ことができる。また、上記電子源と蛍光体とを組み合わ
せることにより、画像形成装置の表示パネルを形成する
ことができる。
【0007】従来、このような電子源のパネルの製造は
以下のように行われていた。すなわち、第1の製造方法
としては、まず基板上に、導電性膜および該導電性膜に
接続された一対の素子電極からなる複数の素子と、複数
の素子を接続した配線とが形成された電子源基板を作成
する。つぎに、作成した電子源基板全体を真空チャンバ
内に設置する。
【0008】つぎに、真空チャンバ内を排気した後、外
部端子を通じて各素子に電圧を印加し各素子の導電性膜
に亀裂を形成する。さらに、該真空チャンバ内に有機物
質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気下で
各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀裂近
傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0009】また、第2の製造方法としては、まず基板
上に、導電性膜および該導電性膜に接続された一対の素
子電極からなる複数の素子と、該複数の素子を接続した
配線とが形成された電子源基板を作成する。つぎに、作
成した電子源基板と蛍光体が配置された基板とを支持枠
を挟んで接合して画像形成装置のパネルを作成する。そ
の後、該パネル内をパネルの排気管を通じて排気し、パ
ネルの外部端子を通じて各素子に電圧を印加し各素子の
導電性膜に亀裂を形成する。
【0010】さらに、該パネル内に該排気管を通じて有
機物質を含む気体を導入し、有機物質の存在する雰囲気
下で各素子に再び外部端子を通じて電圧を印加し、該亀
裂近傍に炭素あるいは炭素化合物を堆積させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上の製造方法が採ら
れていたが、第1の製造方法はとりわけ、電子源基板が
大きくなるに従い、より大型の真空チャンバおよび高真
空対応の排気装置が必要になる。また、第2の製造方法
は、画像形成装置のパネル内空間からの排気および該パ
ネル内空間への有機物質を含む気体の導入に長時間を要
する。
【0012】本発明はかかる実情に鑑み、小型化と操作
性の簡易化が可能な電子源の製造装置を提供することを
目的とする。また、本発明は、製造スピードを向上さ
せ、気密性を良くすることで歩留まりが向上し、より量
産性に適した電子源の製造装置を提供することを目的と
する。また、本発明は、電子放出特性の優れた電子源を
製造し得る電子源の製造装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子源の製造装
置は、導電体が形成された基板を支持する支持体と、内
装容器とそれを囲う外装容器からなる容器において気体
の導入口と気体の排気口を有し、前記基板の基板面の一
部の領域を真空気密材で覆う二重構造の容器と、前記気
体の導入口に接続され、前記容器内に気体を導入する手
段と、前記気体の排気口に接続され、前記容器内を排気
する手段と、前記導電体に電圧を印加する手段と、を備
えることを特徴とする。
【0014】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記容器は、前記内装容器と前記外装容器の隙間の
圧力を、所望の圧力に真空排気する手段を備えているこ
とを特徴とする。
【0015】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記容器は、前記内装容器と前記外装容器のそれぞ
れに、ゴム性真空気密材を用いて気密性を保持する手段
を備えていることを特徴とする。
【0016】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、該支持体上に前記基板を固定する手
段を備えていることを特徴とする。
【0017】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、前記基板と該支持体とを真空吸着さ
せる手段を備えていることを特徴とする。
【0018】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、前記基板と該支持体とを静電吸着さ
せる手段を備えていることを特徴とする。
【0019】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、熱伝導部材を備えていることを特徴
とする。
【0020】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、前記基板の温度調節機構を備えてい
ることを特徴とする。
【0021】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、発熱手段を備えていることを特徴と
する。
【0022】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記支持体は、冷却手段を備えていることを特徴と
する。
【0023】また、本発明の電子源の製造装置におい
て、前記容器は、該容器内に導入された気体を拡散させ
る手段を備えていることを特徴とする。
【0024】本発明の製造装置はまず、予め導電体が形
成された基板を支持するための支持体と、該支持体にて
支持された基板上を覆う容器とを具備する。ここで、容
器は、基板表面の一部の領域を複数の容器で覆うもの
で、これにより基板上の導電体に接続され基板上に形成
されている配線の一部分が容器外に露出された状態で基
板上に気密な空間を形成し得る。
【0025】また、容器には、内装容器に気体の導入口
と気体の排気口が設けられ、外装容器に気体の排気口が
設けられており、これら導入口および排気口にはそれぞ
れ容器内に気体を導入するための手段および容器内の気
体を排出するための手段が接続されている。これにより
容器内を所望の雰囲気に設定することができる。また、
導電体が予め形成された基板とは、電気的処理を施すこ
とで導電体に電子放出部を形成し電子源となす基板であ
る。よって、本発明の製造装置はさらに、電気的処理を
施すための手段、例えば導電体に電圧を印加する手段を
も具備する。
【0026】以上の製造装置にあっては小型化が達成さ
れ、電気的処理における電源との電気的接続などの操作
性の簡易化が達成される他、容器の大きさや形状などの
設計の自由度が増し容器内への気体の導入、容器外への
気体の排出を短時問で行うことが可能となる。さらに内
装容器とそれを囲う外装容器からなる二重構造の容器
で、内装容器と外装容器の隙間を真空排気することによ
り、容器外から内装容器内に気体がリークすることが抑
制され、気密性が保たれ信頼性が良くなり、歩留りの向
上を図ることが可能となる。
【0027】また、本発明において、まず、導電体と該
導電体に接続された配線とが予め形成された基板を支持
体上に配置し、配線の一部分を除き基板上の導電体を複
数の容器で覆う。これにより基板上に形成されている配
線の一部分が容器外に露出された状態で、導電体が基板
上に形成された気密な空間内に配置されることとなる。
つぎに、容器内を所望の雰囲気とし、容器外に露出され
た一部分の配線を通じて導電体に電気的処理、例えば導
電体への電圧の印加がなされる。
【0028】ここで、所望の雰囲気とは、例えば減圧さ
れた雰囲気、あるいは特定の気体が存在する雰囲気であ
る。また、電気的処理は、導電体に電子放出部を形成し
電子源となす処理である。また、電気的処理は、異なる
雰囲気下にて複数回なされる場合もある。例えば配線の
一部分を除き前記基板上の導電体を複数の容器で覆い、
まず、容器内を第1の雰囲気として電気的処理を行う工
程と、つぎに容器内を第2の雰囲気として電気的処理を
行う工程とがなされ、以上により導電体に良好な電子放
出部が形成され電子源が製造される。
【0029】ここで、第1および第2の雰囲気は好まし
くは、後述する通り第1の雰囲気が減圧された雰囲気で
あり、第2の雰囲気が炭素化合物などの特定の気体が存
在する雰囲気である。以上の製造方法にあっては、電気
的処理における電源との電気的接続などを容易に行なう
ことが可能となる。また、容器の大きさや形状などの設
計の自由度が増すので容器内への気体の導入、容器外へ
の気体の排出を短時間で行うことができ、製造スピード
が向上する他、製造される電子源の電子放出特性の再現
性、とりわけ複数の電子放出部を有する電子源における
電子放出特性の均一性が向上する。
【0030】さらに、内装容器とそれを囲う外装容器か
らなる二重権造の容器で、内装容器と外装容器の隙間を
真空排気することにより、容器外から内装容器内に気体
がリークすることが抑制され、気密性が保たれ信頼性が
良くなり、歩留りの向上を図ることが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明による電子源の製
造装置の好ましい実施の形態を説明する。図1、図2、
図3、図26は、本実施形態に係る電子源の製造装置を
模式的に示しており、図1、図3、図26は断面図、図
2は図1における電子源基板の周辺部分を示す斜視図で
ある。
【0032】図1、図2および図3において、6は電子
放出素子となる導電体、7はX方向配線、8はY方向配
線、10は電子源基板、11は支持体、12は真空容
器、15は気体の導入口、16は排気口、18はシール
部材、19は拡散板、20はヒータ、21は水素または
有機物質ガス、22はキャリアガス、23ほ水分除去フ
ィルタ、24はガス流量制御装置、25a〜25fはバ
ルブ、26は真空ポンブ、27は真空計、28は配管、
30は取出し配線、32は電源および電流制御系からな
る駆動ドライバ、31は電子源基板の取出し配線30と
駆動ドライバとを接統する配線、33は拡散板19の開
口部、41は熱伝導部材である。
【0033】まず、本実施形態において、素子形成基板
と真空容器の気密性の保持について、図26を参照して
説明する。図26において、101は素子形成基板、1
02は外装容器、103は内装容器、104はシール部
材(Oリング)、105は基板支持体、106は電気ヒ
ータ、107は静電チャック、108は冷却ユニット、
109は気体導入口、110は気体排気口、111は容
器間排気口、112はバルブ、113はターボポンプ、
114はスクロールポンプである。
【0034】外装容器102および内装容器103は、
基板支持体105に保持された素子形成基板101の基
板上に形成された導電体の一部の領域をシール部材10
4で密閉して覆う容器である。シール部材104は、素
子形成基板101と真空容器の気密性を保持するもので
あり、テフロン(登録商標)樹脂などの合成樹脂材料や
シリコンゴムなどのゴム材料を用いることが望ましく、
通常よく用いられる真空用のOリングやゴム性シートを
使用することができる。
【0035】気体排気口110から内装容器103内の
気体排気後に、容器間排気口111から内装容器103
と外装容器102の間をターボポンプおよびスクロール
ポンプ114にて排気することで、容器間が真空状態に
保たれる。真空圧力としては、1.33×10-3Pa
(1.0×10-5Torr)の範囲が望ましく、さらに
は1.33×10-2Pa(1.0×10-4Torr)以
上に排気されることが望ましいが、これに限るものでは
ない。通常、容器を排気するポンプとしては、前記ター
ボポンプ、スクロールポンプやクライオポンプ、イオン
ポンプ、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ等のオイル
フリーポンプが好ましいが、ロータリポンプ等のオイル
ポンプも使用することができる。
【0036】図1、図2および図3において支持体11
は、電子源基板10を保持して固定するもので、真空チ
ャッキング機構、静電チャッキング機構もしくは固定治
具などにより、機械的に電子源基板10を固定する機構
を有する。支持体11の内部には、ヒータ20が設けら
れ、必要に応じて電子源基板10を熱伝導部材41を介
して加熱することができる。
【0037】熱伝導部材41は支持体11上に設置さ
れ、電子源基板10を保持して固定する機構の障害にな
らないように、支持体11と電子源基板10の間で扶持
される。あるいは、支持体11に埋め込まれるように設
置されていてもよい。
【0038】熱伝導部材41は電子源基板10の反り、
うねりを吸収し、電子源基板10への電気的処理工程に
おける発熱を、確実に支持体あるいは、後述する副真空
容器へ伝え、放熱することができる。そして、電子源基
板10のクラック、破損の発生を防ぐことができ、歩留
まりの向上に寄与することができる。
【0039】また、電気的処理工程における発熱を素早
く、確実に放熱することにより、温度分布による導入ガ
スの濃度分布の低減、基板熱分布が影響する素子の不均
一性の低減に寄与でき、均一性に優れた電子源の製造が
可能となる。
【0040】熱伝導部材41としては、シリコングリス
や、シリコンオイル、ジェル状物質等の粘性液状物質を
使用することができる。粘性液状物質である熱伝導部材
41が支持体11上を移動する弊害がある場合は、支持
体11に粘性液状物質が所定の位置および領域、すなわ
ち少なくとも電子源基板10の導電体6の形成領域下で
滞留するように、その領域に合わせて支持体11に滞留
機構を設置してあってもよい。これは、たとえばOリン
グあるいは耐熱桂の袋に粘性液状物質を入れ、密閉した
熱伝導部材とした構成とすることができる。
【0041】Oリングなどを設置して粘性液状物質を滞
留させる場合、基板との間に空気層ができて正しく接し
ないときは、空気抜けの通孔や、電子源基板設置後に粘
性液状物質を基板と支持体の間に注入する方法も採るこ
とができる。図3は、粘性液状物質が所定の領域で滞留
するように、Oリングと粘性液状物質の導入口とを設け
た装置の概略断面図である。
【0042】ヒータ20は、密閉された管状に構成さ
れ、この中に温調媒体が封入される。なお、図示しない
が、この粘性液状物資を支持体11および電子源基板1
0間で扶持し、かつ温度制御を行いながら循環させる機
構が付与されれば、ヒータ20に代わって電子源基板1
0の加熱手段あるいは冷却手段となる。また、目的温度
に対する温度調節が可能な、例えば循環型温度調節装置
と液状媒体などからなる機構を付与することができる。
【0043】熱伝導部材41は、弾性部材であってもよ
い。弾性部材の材料としては、テフロン樹脂などの合成
樹脂材料、シリコンゴム等のゴム材料、アルミナなどの
セラミック材料あるいは銅やアルミニウムの金属材料等
を使用することができる。これらは、シート状あるいは
分割されたシート状で使用されていてもよい。あるい
は、図15および図16に示すように円柱状、角柱状等
の柱状、電子源基板の配線に合わせたX方向あるいはY
方向に伸びた線状、円錐状などの突起状、球体や、ラグ
ビーボール状(楕円球状体)などの球状体、あるいは球
状体表面に突起が形成されている形状の球状体などが支
持体上に設置されていてもよい。
【0044】図17は、複数の弾性部材を使用した球状
の熱伝導部材の構成概略図である。ここでは、ゴム材料
の部材等の変形し易い微少球状物と、この微少球状物よ
りも直径が小さな球状物(ゴム材料の部材よりも変形し
難い球状物質)とを電子源基板10と支持体11との間
に散布し挟持することで、熱伝導部材41を構成してい
る。
【0045】図18は、複合材料的な熱伝導部材の構成
概略図である。セラミック部材、金属部材箏の硬質部材
で中心部材を構成し、この熱伝導部材の球状物表面をゴ
ム部材で被覆したものを用いることで熱伝導部材41を
構成している。支持体11上を移動し易い球状物質など
を使用する際には、粘性液状物質を使用する場合につい
て記述したような、支持体11上に滞留機構がある構成
が望ましい。
【0046】さらに、弾性部材は、電子源基板に対向す
る面に凹凸の形状が形成されていてもよい。この凹凸形
状は、前述した柱状、線状、突起状、球状(半球状)な
どが好ましい。具体的には、図15に示すような電子源
基板のX方向配線あるいはY方向配線の位置に略合わせ
た線状の凹凸形状や、図16に示すように各素子電極の
位置に略合わせた柱状の凹凸形状、または図示しない
が、半球状の凹凸形状が熱伝導部材の面に形成されてい
ることが好ましい。
【0047】図26における外装容器102および内装
容器103からなる二重構造の容器は、容器からの放出
ガスが少ない材料からなり、ガラスあるいはステンレス
製の容器が好ましいが、これに限るものではない。この
容器は図2における電子源基板10の取出し配線部を除
いて、導電体6が形成された領域を覆い、かつ少なくと
も1.33×10-1Pa(1×10-3Torr)から大
気圧の圧力範囲に耐えられる構造のものである。さら
に、気体排気口から容器内を真空排気した後に、図26
に示した容器間排気口111より外装容器と内装容器の
隙間を真空排気することで、容器外から内装容器内への
ガスのリークを防止することができる。
【0048】シール部材104(図26)は、素子形成
基板と真空容器の気密性を保持するもので、テフロン樹
脂などの合成樹脂材料やシリコンゴムなどのゴム材料を
用いることが望ましい。通常よく用いられる真空用のO
リングやゴム性シートを使用することができる。
【0049】有機物質ガス21には、後述する電子放出
素子の活性化に用いられる有機物質または有機物質を窒
素、ヘリウム、アルゴンなどで希釈した混合気体が用い
られる。また、後述するフォーミングの通電処理を行う
際は、導電性膜への亀裂形成を促進するための気体、た
とえば還元性を有する水素ガス等を真空容器12内に導
入することもある。このように他の工程で気体を導入す
る際には、導入配管、バルブ部材25eを用いて、真空
容器12を配管28に接続すれば使用することができ
る。
【0050】上記電子放出素子の活性化に用いられる有
機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アル
デヒド類、ケトン類、アミン類、ニトリル類、フェノー
ル、カルボン、スルホン酸等の有機酸類などを挙げるこ
とができる。より具体的にはメタン、エタンおよびプロ
パンなどのCn2n+2で表される飽和炭化水素、エチレ
ンおよびプロピレンなどのCn2n等の組成式で表され
る不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、
エタノール、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、
ベンゾニトリル、アセトニトリル等が使用できる。
【0051】有機物質ガス21は、有機物質が常温で気
体である場合にはそのまま使用することができる。ま
た、有機物質が常温で液体または固体の場合は、容器内
で蒸発または昇華させて用い、あるいはこれをさらに希
釈ガスと混合するなどの方法で用いることができる。キ
ャリアガス22には、窒素またはアルゴン、ヘリウムな
どの不活性ガスが用いられる。
【0052】有機物質ガス21とキャリアガス22は、
一定の割合で混合されて、真空容器12内に導入され
る。両者の流量および混合比は、ガス流量制御装置24
によって制御される。ガス流量制御装置24は、マスフ
ローコントローラおよび電磁弁等から構成される。これ
らの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けら
れた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された
後、導入口15から真空容器12内に導入される。混合
ガスの加熱温度は、電子源基板10の温度と同等にする
ことが好ましい。
【0053】なお、配管28の途中に水分除去フィルタ
23を設けて、導入ガス中の水分を除去するとより好ま
しい。水分除去フイルダ23には、シリカゲル、モレキ
ュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材を用いる
ことができる。
【0054】真空容器12に導入された混合ガスは、排
気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速
度で排気される。これにより真空容器12内の混合ガス
の圧力は一定に保持される。本発明で用いられる真空ポ
ンプ26は、ドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スク
ロールポンプ等の低真空用ポンプであり、オイルフリー
ポンプが好ましく用いられる。
【0055】活性化に用いる有機物質の種類にもよる
が、本実施形態において上記混合気体の圧力は、混合気
体を構成する気体分子の平均自由行程λが真空容器12
の内側のサイズに比べて十分小さくなる程度の圧力以上
であることが、活性化工程の時間の短縮や均一性の向上
の点で好ましい。これは、いわゆる粘性流領域であり、
数百Pa(数Torr)から大気圧の圧力である。
【0056】また、真空容器12の気体導入口15と電
子源基板10と間に拡散板19を設けると、混合気体の
流れが制御され、基板全面に均一に有機物質が供給され
るため、電子放出素子の均一性が向上し好ましい。拡散
板19としては、図1および図3に示したように、開口
部33を有する金属板などが用いられる。拡散板19の
開口部33の形成方法は、図19および図20に示すよ
うに導入口近傍と導入口から遠い領域での開口部面積を
変え、あるいは開口部の数を変えて形成することが好ま
しい。
【0057】拡散板19において、図20に示すように
導入口から遠いほど開口部の面積が大きい、あるいは図
示していないが開口部の数が多い、または開口部の面積
が大きく、その数が多いように形成するとよい。このよ
うにすることで真空容器12内を流れる混合気体の流速
が略一定となり、均一性の向上の点でより好ましい。た
だし、拡散板19は粘性流の特徴を考慮した形状にする
ことが重要で、ここで述べる形状に限定されるものでは
ない。
【0058】例えば、開口部33を同心円状に等間隔
で、しかも円周方向に等角度間隔で形成し、かつ開口部
の開口面積を次式の関係を満たすように設定するとよ
い。ここでは、気体の導入口からの距離に比例して開口
面積が大きくなるように設定している。これにより、電
子源基板表面により均一性よく導入物質を供給すること
ができ、電子放出素子の活性化を均一性よく行うことが
できる。
【0059】Sd=So×[1+(d/L)21/2 但し、 d:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との交
点からの距離 L:気体の導入口の中心部から、気体の導入口の中心部
からの延長線と拡散板との交点までの距離 Sd:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点からの距離dにおける開口面積 So:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点における開口面積
【0060】気体の導入口15と排気口16の位置は、
本実施形態に限定されず、種々の態様をとることができ
る。真空容器12内に有機物質を均一に供給するために
は、気体の導入口15と排気口16の位置は、真空容器
12において、図1および図3に示すように上下に、ま
たは図6に示すように左右に異なる位置にあることが好
ましく、かつ略対称の位置にあることがより好ましい。
【0061】電子源基板の取出し電極30は、真空容器
12の外部にあり、TAB配線やプローブなどを用いて
配線30と接続し、駆動ドライバ32に接続する。
【0062】本実施形態、さらには後述する実施形態に
おいても同様であるが、真空容器は、電子源基板上の導
電体6のみを覆えばよいため、装置の小型化が可能であ
る。また、電子源基板の配線部が真空容器外にあるた
め、電子源基板と電気的処理を行うための電源装置(駆
動ドライバ)との電気的接続を容易に行うことができ
る。
【0063】以上のようにして真空容器12内に有機物
質を含む混合ガスを流した状態で、駆動ドライバ32を
用い、配線31を通じて基板10上の各電子放出素子に
パルス電圧を印加することにより、電子放出素子の活性
化を行うことができる。
【0064】つぎに、本発明の好ましい第2の実施の形
態について述べる。本実施形態は主として、第1の実施
の形態における電子源基板10の支持方法を変えたもの
である。その他の構成は、第1の実施の形態と同様にす
ることができる。図4および図5は、本発明の好ましい
第2の実施の形態を示したものである。図4および図5
において、13は真空容器、14は副真空容器、17は
副真空容器14の排気口である。その他、図1から図3
と同じ部材については、同じ番号で示している。
【0065】第1の実施の形態では、電子源基板10の
サイズが大きい場合においては、電子源基板10の表面
側と裏面側とでの圧力差、すなわち真空容器12内の圧
力と大気圧との圧力差による電子源基板10の破損を防
ぐために、電子源基板10の厚みをかかる圧力差に耐え
られる厚みにする。あるいは電子源基板10の真空チャ
ッキング方法を併用することで圧力差を緩和できるよう
にしている。
【0066】第2の実施の形態は、電子源基板10を挟
んでの圧力差をなくすか、問題にならないほど小さくす
るものである。この実施の形態においては、電子源基板
10の厚み薄くでき、この電子源基板10を画像形成装
置に適用した場合、画像形成装置の軽量化を図ることが
できる。この実施の形態は、真空容器12と副真空容器
14との間に電子源基板10を挟んで保持する。第1の
実施の形態における支持体11に代わる副真空容器14
内の圧力を真空容器12の圧力と略等しく保つことによ
り、電子源基板10を水平に保つものである。
【0067】真空容器12内および副真空容器14内の
圧力は、それぞれ真空系27a,27bにより設定され
る。副真空容器14の排気口のバルブ25gの開閉度を
調節することにより、両真空容器12,14内の圧力を
略等しくすることができる。
【0068】図4において、副真空容器14内には電子
源基板10の熱伝導部材として、シール材18と同じ材
質で作成されたシート状の第1の熱伝導部材41と、電
子源基板10からの発熱を熱伝導部材41を介して、よ
り効率よく副真空容器14を介して外部へ放熱できるよ
うにした熱伝導率の大きな金属製の第2の熱伝導部材4
2とが設置されている。なお、図4および図5において
は、装置の概略をより理解し易いように、副真空容器1
4の厚みを実際よりも大きく記載している。
【0069】第2の熱伝導部材42には、電子源基板1
0を加熱できるように内部にヒータが埋め込まれてい
る。そして、図示しない制御機構により外部から温度制
御を行うことができるようになっている。
【0070】また、第2の熱伝導部材42の内部に、流
体を保持あるいは循環できるような管状の密閉容器を内
藏している。そして、外部からこの流体の温度を制御す
ることにより、電子源基板10を第1の熱伝導部材41
を介して冷却または加熱することもできる。また、副真
空容器14の底部にヒータを設置し、あるいは底部の内
部に埋め込む。外部から温度制御する制御機構(図示せ
ず)を設け、第2の熱伝導部材42、第1の熱伝導部材
41を介して、電子源基板10を加熱することができ
る。あるいは、第2の熱伝導部材42の内部と副真空容
器14の両方に、上記のような加熱手段を設けて、電子
源基板10の加熱または冷却などの温度調節をすること
も可能である。
【0071】本実施の形態では2種類の熱伝導部材4
1,42を用いているが、熱伝導部材は1種類の熱伝導
部材、あるいは3種類以上の熱伝導部材によって構成さ
れていてもよく、本実施の形態に限定されるものではな
い。
【0072】気体の導入口15と排気口16の位置は、
本実施の形態に示したものに限定されず、種々の態様を
とることができる。しかし、真空容器12内に有機物質
を均一に供給するためには、気体の導入口15と排気口
16の位置は、真空容器12において、図4および図5
に示すように上下に、または図6に示すような態様の真
空容器にあっては、左右異なる位置にあることが好まし
く、略対称の位置にあることがより好ましい。
【0073】本実施の形態においても第1の実施の形態
と同様に、真空容器12内に気体を導入する工程を有す
る場合、第1の実施の形態で述べた拡散板19を、第1
の実施の形態の場合と同様の形態で用いることが好まし
い。また、有機物質を含む混合ガスを流した状態で駆動
ドライバ32を用い、配線31を通じて電子源基板10
上の各電子放出素子にパルス電圧を印加することによ
り、電圧放出素子の活性化工程も第1の実施の形態と同
様に行うことができる。
【0074】本実施の形態においても第1の実施の形態
と同様に、フォーミング処理工程や真空容器12内に有
機物質を含む混合ガスを流した状態で駆動ドライバ32
を用い、配線31を通じて電子源基板10上の各電子放
出素子にパルス電圧を印加することにより、電子放出素
子の活性化を行うことができる。
【0075】つぎに、本発明の第3の実施形態を図14
を参照して説明する。本実施形態では、前述した基板の
表裏の圧力差による基板の変形や破損を防ぐために、基
板ホルダ207に静電チャック208を具備する。静電
チャック208による基板の固定は、静電チャックの中
に置かれた電極209と基板10との間に電圧を印加し
て静電力により基板10を基板ホルダ208に吸引する
ものである。
【0076】基板10に所定の電位を所定の値に保持す
るため、基板の裏側にはITO膜などの導電性膜を形成
する。なお、静電チャック方式による基板の吸着のため
には、電極209と基板の距離が短くなっている必要が
あり、いったん別の方法で基板10を静電チャック20
8に押し付けることが望ましい。図14に示す装置で
は、静電チャック208の表面に形成された溝211の
内部を排気して基板10を大気圧により静電チャックに
押し付け、高圧電源210により電極209に高電圧を
印加することにより、基板を十分に吸着する。この後真
空チャンバ202の内部を排気しても基板にかかる圧力
差は、静電チャックによる静電力によりキャンセルされ
るので、基板が変形したり破損するのを防止することが
できる。
【0077】さらに、静電チャック208と基板10の
間の熱伝導を大きくするために、上述のように一旦、排
気した溝211内に熱交換のための気体を導入すること
が望ましい。この気体としてはHeが好ましいが、他の
気体でも効果がある。熱交換用の気体を導入することに
より、溝211のある部分での基板10と静電チャック
208の間の熱伝導が可能となる。これのみならず、溝
のない部分でも単に機械的接触により基板10と静電チ
ャック208が熱的に接触している場合に比べ熱伝導が
大きくなるため、全体としての熱伝導は大きく改善され
る。これによりフォーミングや活性化などの処理の際、
基板10で発生した熱が容易に静電チャック208を介
して基板ホルダ207に移動して、基板10の温度上昇
や局所的な熱の発生による温度分布の発生が抑えられ
る。その他に、基板ホルダにヒータ212や冷却ユニッ
ト213などの温度制御手段を設けることにより、基板
の温度をより精度よく制御することができる。
【0078】つぎに、以上述べた製造装置を用いる電子
源の製造方法の具体例に関しては、以下の実施例にて詳
述する。図21は、上記電子源と画像形成部材とを組み
合わせることにより形成した画像形成装置の概略図であ
る。図21において、69は電子放出素子、69は電子
源基板10を固定したリアプレート、62は支持体、6
6はガラス基板63、メタルバック64および蛍光体6
5からなるフェースプレート、67は高圧端子、68は
画像形成装置である。
【0079】画像形成装置において、各電子放出素子に
対して容器外端子Dx1〜DxmおよびDy1〜Dyn
を通じ、走査信号および変調信号を図示しない信号発生
手段によりそれぞれ印加することにより電子を放出させ
る。そして、高圧端子67を通じてメタルバック65、
あるいは図示しない透明電極に5kVの高圧を印加し、
電子ビームを加速して蛍光体膜64に衝突させることに
より、励起、発光させることで画像を表示する。
【0080】なお、電子源基板10自体がリヤプレート
を兼ねて、1枚基板で構成される場合もある。また、走
査信号配線はたとえば、Dx1の容器外端子に近い電子
放出素子と遠い電子放出素子との間で印加電圧降下の影
響の無い素子数であれば、図21で示すような片側走査
配線でも差し支えない。素子数が多く、電圧降下の影響
がある場合には配線幅を広くし、配線厚を厚くし、ある
いは両側から電圧を印加する手法等をとることができ
る。
【0081】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0082】(実施例1)本実施例は、本発明に係る製
造装置を用いて、図22および図23に示される表面伝
導型電子放出素子を複数備える電子源(図24)を製造
するものである。素子形成基板は、オフセット印刷法
や、スクリーン印刷法によって素子電極が形成され、素
子数が増加することにより素子電極配線の抵抗を押さえ
るために、配線の厚みが必要になる。図27に表される
ように内装容器103および外装容器102が素子電極
配線をまたいて素子形成基板101を覆うため、素子電
極配線の厚さが厚くなるとOリングと素子電極配線に隙
間ができる。
【0083】素子形成基板と真空容器の気密性の保持に
ついて、図26を参照に説明する。外装容器102およ
び内装容器103は、基板支持体105に保持された素
子形成基板101の基板上に形成された導電体の一部の
領域を、シール部材104で密閉し覆う容器である。シ
ール部材104は、素子形成基板と真空容器の気密性を
保持するものであり、テフロン樹脂などの合成樹脂材料
やシリコンゴムなどのゴム材料を用いたOリングやゴム
製シートを使用することができる。
【0084】気体排気口10から、内装容器3内の気体
を1.33×10-5Pa(1.0×10-7Torr)以
下に真空排気後に、容器間排気口11から内装容器3と
外装容器2の間をスクロールポンプ14にて、1.33
×10Pa(1.0×10-2Torr)程度に真空排気
する。この後に、ターボポンプで容器間の真空圧力が
1.33×10-3Pa(1.0×10-5Torr)程度
に排気する。
【0085】素子電極配線の厚さが厚い場合や、シール
部材との間にゴミ等があり容器外から気体がリークして
も、内装容器と外装容器の間を真空排気することで、内
装容器内部への気体のリークを防止することができる。
このため気密性が良くなり、信頼性が高く安定した歩留
りのよい電子源の製造が可能となる。
【0086】図22〜図24において、10は基板、
2,3は素子電極、4は導電性膜、29は炭素膜、5は
炭素膜29の間隙、Gは導電性膜4の間隙である。Si
2層を形成したガラス基板(サイズ350×300m
m、厚さ5mm)上にオフセット印刷法によりPtぺ一
ストを印刷し、加熱焼成して、図25に示される厚み5
0nmの素子電極2,3を形成した。また、スクリーン
印刷法によりAgぺーストを印刷し、加熱焼成して、図
25に示されるX方向配線7(240本)およびY方向
配線8(720本)を形成し、X方向配線7とY方向配
線8の交差部には、スクリーン印刷法により絶緑性ぺ一
ストを印刷し、加熱焼成して、絶縁層9を形成した。
【0087】つぎに、素子電極2,3間にバブルジェッ
ト(登録商標)方式の噴射装置を用いて、パラジウム錯
体溶液を滴下し、350℃で30分間加熱して酸化パラ
ジウムの微粒子からなる図25に示される導電性膜4を
形成した。導電性膜4の膜厚は、20nmであった。以
上のようにして、一対の素子電極2,3および導電性膜
4からなる複数の導電体がX方向配線7およびY方向配
線8にてマトリクス配線された電子源基板10を作成し
た。
【0088】基板の反り、うねりについて観察したとこ
ろ、基板そのものが持っていた反り、うねりおよび上述
したまでの加熱工程によって生じ得る基板の反り、うね
りによって、基板中央部に対して0.5mmほど周辺が
反った状態であった。
【0089】作成した電子源基板10を、図1および図
2に示した製造装置の支持体11上に固定した。支持体
11と電子源基板10との間には、厚さ1.5mmの熱
伝導性ゴムシート41が挟持される。つぎに、シリコー
ンゴム製のシール部材18を介してステンレス製の真空
容器12を取出し配線30が該真空容器12の外に出る
ようにして、図2に示すように電子源基板10上に設置
した。電子源基板10上には、図19および図20に示
すような開口部33を形成した金属板を拡散板19とし
て設置した。
【0090】排気口16側のバルブ25fを開け、真空
容器12内を真空ポンプ26(ここではスクロールポン
プ)で1.33×10-1Pa(1×10-3Torr)程
度に排気した後、排気装置の配管や電子源基板に付着し
ていると考えられる水分を除去するため、図示しない配
管用のヒータと電子源基板10用のヒータ20を用い
て、120℃まで昇温させ、2時間保持してから、室温
まで徐冷した。
【0091】基板の温度が室温に戻った後、図2に示す
配線31を介して取出し配線30に接続された駆動ドラ
イバ32を用いて、X方向配線7およびY方向配線8を
通じて、各電子放出素子6の素子電種2,3間に電圧を
印加し、導電体膜をフォーミング処理し、図23に示す
間隙Gを導電体膜4に形成した。
【0092】つづいて、本発明装置を用いて活性化処理
を行った。図1に示す気体供給用のバルブ25a〜25
dおよび気体の導入口15側のバルブ25eを開け、有
機物質ガス21とキャリヤガス22との混合気体を真空
容器12内に導入した。有機ガス21には1%エチレン
混合窒素ガスを用い、キャリヤガス22には窒素ガスを
用いた。両者の流量は、それぞれ40sccmおよび4
00sccmとした。排気口16側の真空系27の圧力
を見ながら、バルブ25fの開閉度を調整し、真空容器
12内の圧力が133×102Pa(100Torr)
となるように制御した。
【0093】有機物質ガスの導入開始から約30分後、
駆動ドライバ32を用いて、X方向配線7およびY方向
配線8を通じて、各電子放出素子6の電極2,3間に電
圧を印加して活性化処理を行った。電圧は10〜17V
まで約25分で昇圧するように制御し、パルス幅は1m
sec、周波数は100Hzとし、活性化時間は30分
とした。なお、この活性化は、Y方向配線8全部および
X方向配線7の非選択ラインを共通としてGnd(接地
電位)に接続し、X方向配線7の10ラインを選択し、
1ラインずつ1msecのパルス電圧を順次印加する方
法で行う。上記方法を操り返すことにより、X方向の全
ラインについて活性化を行った。なお、この方法では全
ラインの活性化に12時間を要した。
【0094】活性化処理終了時の素子電流If(電子放
出素子の素子電極間に流れる電流)を各X方向配線毎に
測定して、素子電流If値を比較した。その値は、約1.
35〜1.56A、平均で1.45A(1素子当たり約
2mAに相当)であり、その配線毎のバラツキは約8%
であり、良好な活性化処理を行うことができた。
【0095】活性化処理が終了した電子放出素子には、
図22および図23に示すように間隙5を隔てて炭素膜
29が形成された。
【0096】また、上記活性化処理時に、図示しない差
動排気装置付きのマススペクトラム測定装置を用いて、
排気口16側のガス分析を行った。上記混合ガス導入と
同時に、窒素およびエチレンのマスNo.28とエチレ
ンのフラグメントのマスNo.26が瞬間的に増加して
飽和し、両者の値は活性化処理中一定であった。
【0097】実施例1と同様の電子源基板10(図25)
を、図21に示す画像形成装量のリヤプレート61上に
固定した後、電子源基板10の5mm上方に、支持枠6
2と内径10mm、外径14mmの図示しない排気管お
よびゲッタ材料を介してフェースプレート66を配置す
る。そして、フリットガラスを用いてアルゴン雰囲気中
で420℃にて封着を行い、図21に示すような画像形
成装置の形態を作成した上述のフォーミング処理工程お
よび活性化処理工程を行う場合に比べて、製造工程に要
する時間を短絡することができ、電子源の各電子放出素
子の特性の均一性が向上する。
【0098】また、基板サイズが大きくなった場合の基
板の反りは、歩留まりの低下や特性のバラツキを招き易
いが、実施例1による熱伝導部材の設置により、歩留ま
りの向上と特性のバラツキ低減を実現することができ
た。
【0099】(実施例2)実施例1と同様の電子源基板
10(図25)を作成し、図1の製造装置に設置した。
本実施例では、有機物質を含む混合気体を、配管28の
周囲に設置したヒータにより80℃に加熱した後、真空
容器12内に導入した。また、支持体11内のヒータ2
0を用い、熱伝導部材41を介して電子源基板10を加
熱し、基板温度が80℃になるようにした。これらの点
以外は実施例1と同様にして活性化処理を行い、電子源
を作成した。
【0100】活性化処理が終了した電子放出素子には、
図23および図24に示すように間隙5を隔てて炭素膜
29が形成された。
【0101】本実施例においても、実施例1と同様に短
時間で活性化処理を行うことができた。活性化処理終了
時の素子電流Ifを実施例1と同様に測定したところ、
実施例1に比べて約1.2倍に増加していた。また、素
子電流Ifのバラツキは約5%であり、均一性に優れた
活性化処理を行うことができた。
【0102】これは、加熱することにより活性化処理工
程における発熱による温度分布を緩和し、さらに、加熱
することにより活性化処理工程における化学的反応を促
進する効果が生じていると考えられる。
【0103】(実施例3)実施例1と同様の電子源基板
10(図25)で、図3に示す製造装置を用い、熱伝導部
材として、シリコンオイルを用いた点以外は実施例1と
同様の方法で電子源を作成した。
【0104】また、本実施例の装置では、粘性液状物質
の導入管を用いて、基板下部にシリコンオイルを注入し
ていく際に、基板下部と支持体間に空気が残らないよう
に、略対角線状の位置で素子電極領域の外側の位置に、
空気抜け用と粘性液状物質排出用を兼ねた図示しない通
孔を設けている。活性化処理終了後の素子電流値は実施
例1と同様の結果であった。
【0105】(実施例4)本実施例は、電子源の別の製
造例である。厚さ3mmのSi02層を形成したガラス
基板を用い、実施例1と同様にして作成した電子源基板
10(図25)を、図4に示した製造装置の真空容器1
2と副真空容器14との間に設置した。なお、この場合
それぞれシリコーンゴム製のシール部材18、電子源基
板10と接する面に円柱状の突起を持つシート状のシリ
コーンゴム製熱伝導部材41および内部に埋込みヒータ
を有するアルミニウムで作成した熱伝導部材42を介し
て行なうものである。
【0106】なお、図4に示した場合と異なり、本実施
例においては、拡散板19は設置せずに活性化処理を行
った。
【0107】真空容器12の排気口16側バルブ25f
および副真空容器14の排気口17側のバルブ25gを
開け、真空容器12内および副真空容器14内を真空ポ
ンプ26a,26b(ここではスクロールポンプ)で
1.33×10-1Pa(1.0×10-3Torr)程度
に排気した。
【0108】排気は、(真空容器12内の圧力)≧(副
真空寄器14内の圧力)の状態を保ちつつ排気した。こ
れにより、基板が圧力差により変形し、歪みが生じた場
合、副真空容器側に凸になって熱伝導部材に押し付けら
れて、熱伝導部材がその変形を抑制し、基板10を支持
する。
【0109】電子源基板10のサイズが大きく、かつ電
子源基板10の厚みが薄い場合、この状態が逆な場合、
すなわち(真空容器12内の圧力)≦(副真空容器14
内の圧力)の状態をとり、真空容器12側へ凸状態にな
ると真空容器12内には、圧力の差による電子源基板1
0の変形を抑制し、それを支持する部材がないため、そ
のままでは最悪の場合、基板が真空容器12内に向って
破損してしまう。すなわち基板のサイズが大きく、基板
の厚みが薄いほど、本実施例の電子源の製造装置におい
ては、基板の支持部材の役割を持つ熱伝導部材が重要に
なる。
【0110】つぎに、実施例1と同様に駆動ドライバ3
2を用いて、X方向配線7およびY方向配線8を通じて
各電子放出素子6の電極2,3間に電圧を印加し、導電
性膜4をフォーミング処理し、図23に示す間隙Gを導
電性膜4に形成した。本実施例では電圧印加開始と同時
に、導電性膜に対する亀裂の形成を促進させるために酸
化パラジウムに対して還元性を有する水素ガスを図示し
ない別系統の配管より、533×102Pa(約400
Torr)まで徐々に導入して実施した。
【0111】つづいて、同装置を用いて活性化処理を行
った。気体供給用のバルブ25a〜25dおよび気体の
導入口15側のバルブ25eを開け、有機物質ガス21
とキャリヤガス22との混合気体を真空容器12内に導
入した。有機物質ガス21には1%プロピレン混合の窒
素ガスを用い、キャリヤガス22には窒素ガスを用い
た。両者の流量はそれぞれ、10sccmおよび400
sccmとした。なお、混合気体はそれぞれ水分除去フ
ィルタ23を通した後、真空容器12内に導入した。排
気口16側の真空計27aの圧力を見ながらバルブ25
fの開閉度を調整して、真空容器12内の圧力が266
×102Pa(200Torr)となるようにした。同
時に、副真空容器14の排気口17例のハルブ25gの
開閉度を調整して、副真空容器14内の圧力も266×
102Pa(200Torr)となるようにした。
【0112】つぎに、実施例1と同様に駆動ドライバ3
2を用いて、X方向配線7およびY方向配線8を通じて
各電子放出素子6の電極2,3間に電圧を印加して活性
化処理を行った。活性化処理時の素子電流Ifを、実施
例1と同様の方法で測定したところ、素子電流If
1.34〜1.53Aであった。そして、そのバラツキ
は約7%であり、良好な活性化処理を行うことができ
た。
【0113】なお、上記活性化処理が終了した電子放出
素子には、図22および図23に示すように間隙5を隔
てて炭素膜29が形成された。また、上記活性化処理時
に図示しない差動排気装置付きのマススペクトラム測定
装置を用いて、排気口16側のガス分析を行った。この
分析によると、上記混合ガス導入と同時に窒素のマスN
o.28とプロピレンのマスNo.42が瞬間的に増加
して飽和し、両者の値は活性化処理中一定であった。
【0114】この実施例では、電子放出素子を備えた電
子源基板10上に設置した真空容器12内に有機物質を
含む混合気体を圧力266×102Pa(200Tor
r)と言う粘性流領域で導入したため、短期間で容器内
の有機物質を一定にすることができた。そのため、活性
化処理に要する時間を大幅に短絡することができた。
【0115】(実施例5)本実施例では、真空容器12
内に図19および図20に示すような拡散板19を設置
した以外は、実施例4と同様の図4に示す装置を用い
る。実施例4と同様にして、フォーミング処理により図
23に示す導電性膜への間隙Gの形成および活性化処理
を実施し、電子源を作成した。
【0116】本実施例においても、実施例4と同様に短
時問で活性化処理を行うことができた。なお、活性化処
理が終了した電子放出素子には、図22および図23に
示すように間隙5を隔てて炭素膜29が形成された。ま
た、活性化処理終了時の素子電流Ifを実施例4と同様
の方法で測定したところ、素子電流Ifの値は1.36
〜1.50Aであった。そして、バラツキは約5%であ
り、より均一性に優れた活性化処理を行うことができ
た。
【0117】(実施例6)本実施例では、実施例5で使
用した図4に示す装置において、熱伝導部材42の内部
に埋め込んだヒータ20を用いる。外部制御装置よりこ
のヒータ20を制御し、熱伝導部材42,41を介して
電子源基板10を加熱し、基板温度が80℃になるよう
にした。また、配管28周囲に設置したヒータにより8
0℃に加熱し、活性化処理を実施した以外は、実施例5
と同様にして活性化処理を行った。
【0118】活性化処理が終了した電子放出素子には図
22および図23に示すように間隙5を隔てて炭素膜2
9が形成された。また、活性化処理終了時の素子電流I
fを実施例4と同様に測定したところ、1.37〜1.
48Aであった。そして、そのバラツキは約4%であ
り、良好な活性化処理を行なうことができた。
【0119】(実施例7)本実施例では、熱伝導部材4
1は分割されるとともに、基板と接する面に滑り止め効
果も併せ持たせるための溝が数本形成されている凹凸状
に加工されたシリコンゴムシートを用いる。さらに、ス
テンレス製の熱伝導性ばね形状部材43を用いた図5に
示す装置を用いる。副真空容器の下部に埋め込まれたヒ
ータ20を図示しない外部制御装置により制御し、熱伝
導ばね部材43と熱伝導部材41を介して電子源基板1
0を加熱した以外は実施例6と同様の方法により電子源
を作成した。その結果、実施例6と同様の良好な電子源
が作成できた。
【0120】(実施例8)本実施例では、活性化処理の
際に10ライン毎に行っていた処理を2本同時に行い、
20本毎に行った以外は実施例7と同様の方法で電子源
を作成した。活性化終了時の素子電流Ifを実施例7と
同様の方法で測定したところ、素子電流Ifの値は、
1.36〜1.50Aであった。そして、バラツキは若
干大きくなったものの、約5%であった。これは、処理
ライン数が増えたことにより熱がより多く発生し、熱分
布が電子源の作成に影響したためと本発明者らは推測し
ている。
【0121】上述した実施例5乃至実施例8に係る電子
源製造装置においては、熱伝導部材が設けられている。
これにより電子源基板の作成歩留まりと特性向上に極め
て高い効果がある。
【0122】(実施例9)本実施例は、本発明により作
成される電子源を応用した画像形成装置(図21)の例
である。実施例2と同様にして、フォーミング、活性化
処理を行った電子源基板10をリヤプレート61上に固
定した後、電子源基板10の5mm上方に、フェースプ
レート66を支持枠62および図示しない排気管を介し
て配置し、フリットガラスを用いてアルゴン雰囲気中で
420℃にて封着を行った。
【0123】なお、後述するように封着して作成した容
器内を大気圧以下に排気しても、大気圧による容器の破
損が生じないように、電子源基板10およびフェイスプ
レート66間の空間を維持するための図示しない部材
が、電子源基板10上に配置してある。
【0124】つぎに、容器内を排気して容器内部の圧力
を大気圧以下にした後、排気管を封止して、図10に示
すような画像形成装置を作成した。さらに、封止後の容
器内部の圧力を維持するために、容器内に設置された図
示しないゲッタ材料の高周波加熱法による処理を実施し
た。
【0125】以上のようにして完成した画像形成装置に
おいて、各電子放出素子には容器外端子Dx1〜Dxm
およびDy1〜Dxnを通じて、走査信号および変調信
号を図示しない信号発生手段によりそれぞれ印加する。
これにより電子を放出させ、高圧端子67を通じて、メ
タルバック65あるいは図示しない透明電極に5kVの
高圧を印加し、電子ビームを加速する。そしてその電子
ビームを蛍光体膜64に衝突させることで、励起、発光
させることにより画像を表示した。この実施例による画
像形成装置においては、目視において輝度ばらつきや色
むらがなく、テレビジョンとして十分満足できる良好な
画像を表示することができた。
【0126】本実施例に係る電子源の製造装置および製
造方法は、画像形成装置の製造に適用しても有効であ
り、その表示画像の画質向上に寄与することができる。
【0127】以上、実施例1〜9の製造装置および製造
方法によれば、活性化工程における有機物質の導入時間
を短縮することができ、製造時間を短くするとともに歩
留まりを向上することができる。また、かかる製造装置
および製造方法を用いることにより、均一性に優れた電
子源を提供することができる。
【0128】また、高真空排気装置が不要となり、装置
の製造コストを低減することができる。さらに、かかる
製造装置によれば、電子源基板上の電子放出素子部のみ
を覆う小型の真空容器があれば良いため、装置の小型化
が可能である。
【0129】また、電子源基板の取出し配線部が真空容
器の外にあるため、電子源基板と駆動ドライバとの電気
的接続を容易に行うことができる。さらに、本発明の製
造装置を用いて作成された電子源を用いることにより、
均一性に優れた画像形成装置を提供することができる。
【0130】(実施例10)本実施例では、本発明に係
る製造装置を用いて、図22および図23に示される電
子源を製造した。まず、SiO2層を形成したガラス基
板上に、オフセット印刷法によりPtペーストを印刷し
加熱焼成して、厚み50nmの図25に示される素子電
極2,3を形成した。ついで、スクリーン印刷法により
Agぺ一ストを印刷し、加熱焼成することにより、図2
5に示されるX方向配線7およびY方向配線8を形成
し、X方向配線7とY方向配線8の交差部には、スクリ
ーン印刷法により絶緑性ぺ一ストを印刷し、加熱焼成し
て絶縁層9を形成した。
【0131】つぎに、素子電極2,3間にパブルジェッ
ト方式の噴射装置を用い、パラジウム錯体溶液を滴下
し、350℃で30分間加熱処理をして酸化パラジウム
からなる導電性腺4(図25)を形成した。この導電性
4の膜厚は20nmであった。以上のようにして一対の
素子電極2,3および導電性腺4からなる複数の導電体
がX方向配線7およびY方向配線8にてマトリクス配線
された電子源基板10を作成した。
【0132】このように作成された図25に示す電子源
基板10を、図7および図8に示す製造装置の支持体1
1上に固定した。つぎに、シリコーンゴム製シール部材
18を介して、ステンレス製容器12を図8に示すよう
に、取出し配線30が真空容器12の外に出るようにし
て電子源基板10上に設置した。電子源基板10上に
は、開口部33を形成した金属板を拡散板19として設
置した。拡散板19の開口部33は、中心部(気体の導
入口の中央部からの延長線と拡散板との交点)における
開口部を直径1mmの円形とし同心円方向に5mm間隔
に、また円周方向には5°間隔で、下式を満たすように
形成した。また、気体の導入口の中心部から、気体の導
入口の中心部からの延長線と拡散板との交点までの距離
Lは20mmとした。
【0133】Sd=So×[1+(d/L)21/2 但し、 d:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との交
点からの距離 L:気体の導入口の中心部から、気体の導入口の中心部
からの延長線と拡散板との交点までの距離 Sd:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点からの距離dにおける開口面積 So:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点における開口面積
【0134】排気口16側のハルブ25fを開けて、容
器12内を真空ポンプ26(ここではスクロールポン
プ)により、1×10ー1Pa程度に排気した後、駆動ド
ライバ32を用いてX方向配線7およびY方向配線8を
通じて、各電子放出素子6の素子電極2,3間に電圧を
印加し、導電性腺14をフォーミング処理し、図23に
示される間隙Gを導電性腺4に形成した。
【0135】つづいて、同装置を用いて活性化処理を行
った。活性化処理工程では、図7に示す気体供給用のバ
ルブ25a〜25dおよび気体の導入口15側のハルブ
25eを開け、有機物質ガス21とキャリアガス22と
の混合気体を容器12内に導入した。有機物質ガス21
には、1%エチレン混合室素ガスを用い、キャリアガス
22には窒素ガスを用いた。両者の流量はそれぞれ、4
0sccmおよび400sccmとした。排気口16側
の真空計27の圧力を見ながらハルブ25fの開度を調
整して、容器12内の圧力が1.3×104Paとなる
ようにした。
【0136】つぎに、駆動ドライバ32を用いて、X方
向配線7およびY方向配線8を通じて、各電子放出素子
6の素子電種2,3間に電圧を印加して活性化処理を行
った。電圧は17V、パルス幅は1msec、周波数は
100Hzとし、活性化時間は30分とした。なお活性
化は、Y方向配線8全部およびX方向配線7の非選択ラ
インを共通としてGnd(接地電位)に接統し、X方向
配線7の10ラインを選択し、1ラインずつ1msec
のパルス電圧を順次印加する方法で行う。この方法を繰
り返すことにより、X方向の全ラインについて活性化処
理を行った。
【0137】上記活性化処理が終了した電子放出素子に
は、図22および図23に示すように間隙5を隔てて炭
素膜29が形成された。
【0138】活性化処理終了時の素子電流If(電子放
出素子の素子電極間に流れる電流)を各X方向配線ごと
に測定したところ、素子電流Ifのばらつきは約5%で
あり、良好な活性化処理を行うことができた。
【0139】また、上記活性化処理時に差動排気装置付
きのマススペクトラム測定装置(図示せず)を用いて、
排気口16側のガス分析を行ったところ、上記混合ガス
導入と同時に、窒素およびエチレンのマスNo.28と
エチレンのフラグメントのマスNo.26が瞬間的に増
加して飽和し、両者の値は活性化処理工程中一定であっ
た。
【0140】本実施例においては、電子源基板10上に
設置した容器12内に有機物質を含む混合気体を圧力
1.3×104Paという粘性流領域で導入したため
に、短時間で容器12内の有機物質濃度を一定にするこ
とができた。そのため、活性化処理工程に要する時間を
大幅に短絡することができた。
【0141】(実施例11)本実施例では、活性化処理
を行う前の工程まで実施例10と同様にして作製した電
子源基板10を用い、この電子源基板10を図7の製造
装置に設置した。
【0142】本実施例では、有機物質を含む混合気体
を、配管28の周囲に設置したヒータにより120℃に
加熱した後、容器12内に導入した。また、支持体11
内のヒータ20を用いて電子源基板10を加熱し、基板
温度が120℃となるようにした。上記以外は、実施例
1と同様にして活性化処理を行った。
【0143】上記活性化処理が終了した電子放出素子に
は、図22および図23に示すように間隙5を隔てて炭
素膜29が形成された。
【0144】本実施例においても、実施例10と同様の
短時間で活性化を行うことができた。活性化終了時の素
子電流If(電子放出素子の素子電極間に流れる電流)
を各X方向配線ごとに測定したところ、素子動流I
fは、実施例1に比べて約1.2倍に増加した。また素
子電流Ifのばらつきは約4%であり、均一性に優れた
活性化を行うことができた。
【0145】(実施例12)本実施例では、実施例10
と同様にして導電性膜4を形成する工程まで作成した図
25に示す電子源基板10を、図9に示した製造装置の
第1の容器13と第2の容器14との間に、それぞれシ
リコーンゴム製のシール部材18を介して設置した。本
実施例においては、拡散板19は設置せずに活性化処理
を行った。
【0146】第1の容器13の排気口16側のバルブ2
5fおよび第2の容器14の排気口17側のバルブ25
gを開け、第1の容器13内および第2の容器14内を
真空ポンプ26a,26b(ここではスクロールポン
プ)で1×10-1Pa程度に排気した。つぎに、実施例
1と同様に駆動ドライバ32を用いてX方向配線7およ
びY方向配線8を通して、各電子放出素子6の電極2,
3間に電圧を印加し、導電性膜4をフォーミング処理
し、図23に示される間隙Gを導電性膜4に形成した。
【0147】つづいて、同装置を用いて活性化処理を行
った。活性化処理工程では、図9に示す気体供給用のバ
ルブ25a〜25dおよび気体の導入口15側のバルブ
25eを開け、有機物質ガス21とキャリアガス22の
混合気体を第1の容器13内に導入した。有機物質ガス
21には1%プロピレン混合室素ガスを用い、キャリア
ガス22には窒素ガスを用いた。両者の流量はそれぞ
れ、10sccmおよび400sccmとした。なお混
合気体はそれぞれ水分除去フィルタ23を通した後、第
1の容器13内に導入した。排気口16側の真空計27
aの圧力を見ながらバルブ25fの開度を調整して、第
1の容器13内の圧力が2.6×104Paとなるよう
にした。
【0148】同時に、第2の容器14の排気口17側の
バルブ25gの開度を調整して、第2の容器14内の圧
力を2.6×104Paとした。
【0149】つぎに、実施例10と同様に、駆動ドライ
バ32を用いてX方向配線7およびY方向配線8を通じ
て、各電子放出素子6の素子電極2,3間に電圧を印加
して活性化処理を行った。
【0150】上記活性化処理が終了した電子放出素子に
は、図22および図23に示すように間隙5を隔てて炭
素膜129が形成された。
【0151】活性化処理終了時の素子電流If(電子放
出素子の素子電極間に流れる電流)を各X方向配線ごと
に測定したところ、素子電流Ifのばらつきは約8%で
あった。
【0152】また、上記活性化処理時に、差動排気装置
付きのマススペクトラム測定装置(図示せず)を用い
て、排気口16側のガス分析を行ったところ、混合ガス
導入と同時に窒素のマスNo.28とプロピレンのマス
No.42が瞬間的に増加して飽和し、両者の値は活性
化処理工程中一定であった。
【0153】本実施例においては、電子放出素子を備え
た電子源基板10上に設置した第1の容器13内に有検
物質を含む混合気体を圧力2.6×104Paという粘
性流領域で導入したために、短時間で容器内の有構物買
濃度を一定にすることができた。そのため、活性化に要
する時間を大幅に短脂することができた。
【0154】(実施例13)実施例12と同様にして活
性化処理の前まで行った電子源基板10を用い、この電
子源基板10を図9の製造装置に設置した。本実施例で
は、容器13内に、図10のような拡散板19を設置し
た以外は、実施例12と同様にして活性化処理を行っ
た。
【0155】本実施例においても、活性化処理が終了し
た電子放出素子には、図22および図23に示すように
間隙5を隔てて炭素膜29が形成された。
【0156】尚、拡散板19の開口部33は、中心部
(気体の導入口の中央部からの延長線と拡散板との交
点)における開口部を直径1mmの円形として、同心円
方向に5mm間胴に、また円周方向には5°間隔で、下
式を満たすように形成した。また、気体の導入口の中心
部から、気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板と
の交点までの距離Lは20mmとした。
【0157】Sd=So×[1+(d/L)21/2 但し、 d:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との交
点からの距離 L:気体の導入口の中心部から、気体の導入口の中心部
からの延長線と拡散板との交点までの距離 Sd:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点からの距離dにおける開口面積 So:気体の導入口の中心部からの延長線と拡散板との
交点における開口面積
【0158】本実施例においても、実施例12と同様の
短時間で活性化を行うことができた。また、活性化終了
時の素子直流If(電子放出素子の素子電極間に流れる
電流)を各X方向配線毎に測定したところ、素子電流I
fのばらつきは約5%であり、より均一性に優れた活性
化処理を行うことができた。
【0159】(実施例14)本実施例では、本発明によ
り作成される電子源を応用して、図に示される画像形成
装置を作製した。
【0160】実施例11と同様にして、フォーミング処
理、活性化処理を行った電子源基板10を図21に示さ
れるようにリアプレート61上に固定した後、基板の5
mm上方にフェースプレート66を支持枠62および排
気管(図示せず)を介して配置し、フリットガラスを用
いてアルゴン雰囲気中で420℃にて封着を行った。つ
ぎに、容器内を排気した後、排気管を封止して図21に
示すような画像形成装置の表示パネルを作製した。
【0161】最後に封止後の圧力を維持するために、高
周波加熱法でゲッター処理を行った。
【0162】以上のようにして完成した表示パネルに必
要な駆動手段を接続して画像形成装置を構成し、各電子
放出素子には容器外端子Dx1〜DxmおよびDy1〜
Dynを通じ、走査信号および変調信号を図示しない信
号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子放出さ
せ、高圧端子67を通じ、メタルバック65あるいは透
明電極(図示せず)に5kVの高圧を印加し、電子ビー
ムを加速し、蛍光膜64に衝突させ、励起・発光させる
ことで画像を表示した。
【0163】本実施例の画像形成装置においては、目視
において輝度ばらつきや色ムラがなく、テレビジョンと
して十分満足できる良好な画像を表示することができ
た。
【0164】以上述べた実施例10〜14の製造装置に
よれば、活性化工程における有機物質の導入時間を短絡
することができ、製造時間を短縮することができる。ま
た、高真空排気装置が不要となり、製造コストを低減す
ることができる。
【0165】また、かかる製造装置によれば、電子源基
板上の電子放出素子部のみを覆う容器があれぼよいた
め、装置の小型化が可能である。また、電子源基板の取
り出し配線部が容器外にあるため、電子源基板と駆動ド
ライバとの電気的接統を容易に行うことができる。
【0166】また、かかる製造装置を用いることによ
り、均一性に優れた電子源および画像形成装置を提供す
ることができる。
【0167】(実施例15)図24に示した複数の表面
伝導型電子放出素子がマトリクス配線された電子源を備
える画像形成装置を作製した。作製した電子源基板はX
方向に640画素、Y方向に480画素を単純マトリク
ス配置したもので各画素に対応した位置に蛍光体を配置
してカラー表示可能な画像形成装置とした。また、本実
施例における表面伝導型電子放出素子は上記実施例と同
様にPdO微粒子からなる導電性膜にフォーミング処理
および活性化処理を施すことにより作製した。
【0168】上記実施例にて既に述べたような同様の方
法にてマトリクス構成の電子源基板を図11および図1
2に示す排気装置に接統し、1×10-5Paの圧力まで
排気した後に各ラインに電圧を印加しフォーミング処理
を行って、図23に示す間隙Gを導電性膜4に形成し
た。
【0169】なお、図11において71は電子源基板、
88は真空外囲器、132は排気管、133は真空チャ
ンバー、134はゲートバルブ、135は排気装置、1
36は圧力計、138はガス導入ライン、139はガス
導入制御装置(電磁弁、マスフローコントローラー)、
140は導入物質源である。また、図12において15
1は素子形成基板、152は電子放出素子、153は真
空チャンバー、154は排気管、155はOリングであ
る。
【0170】フォーミング処理完了後、ガス導入ライン
138からアセトンを導入し、フォーミング処理同様に
各ラインに電圧を印加して活性化処理を行い、図22,
図23に示すように間隙5を隔てて炭素膜4を形成して
電極子源基板を作製した。その後、X方向電極およびY
方向電極に適宜電圧を印加して640×480素子の各
々1素子に流れる電流値を測定したところ5個の素子が
電流の流れない状態であることが判明した。
【0171】そこで、その不良個所に再度PdO導電性
膜を形成し、上記同様のフォーミング処理、活性化処理
の工程を行ったところ不良個所が再生され、640×4
80の電子放出素子が無欠陥に電子源基板上に形成する
ことができた。こうして得られた電子源基板を外囲器3
7となるガラス枠および蛍光体を配置したフェースフレ
ートと位置合わせを行った上で、低融点ガラスによって
封着を行いパネル化、真空排気、ベーキング、封止工程
を経て画像形成装置パネルを完成した。
【0172】(実施例16)本実施例における画像形成
装置の製造装置の概略図を図13に示す。同図において
110は素子形成基板、74は電子放出素子、153は
真空チャンバー、132は排気管、155はOリング、
156はべーキングヒータである。
【0173】実施例15と同様、複数の表面伝導型電子
放出素子がマトリクス配線された電子源形成基板を表
面、裏面から1×10-7Paの圧力まで真空排気した後
フォーミング処理、活性化処理を行った。活性化処理は
1×10-4Paのベンゾニトリル雰囲気下で順次通電す
ることで行った。活性化処理終了後、そのまま真空チャ
ンバーに配置した加熱用のベーキングヒータによってチ
ャンバーおよび素子形成基板を250℃でベーキングし
た。その後、フェースプレート、支持枠との位置合わ
せ、封着により画像形成装置パネルを完成した。
【0174】以上説明した実施例15および16の製造
方法および製造装量によれば以下の効果が奏される。
【0175】(1)電子源基板を包含する製品外囲器を
組み立てる前に電子源基板の欠陥を検出することが可能
であり、欠陥部分を補修することで常に無欠陥な電子源
基板を包囲する外囲器を製造することができる。 (2)電子源基板の表面、裏面両側から真空排気を行う
ことで電子源基板として薄いガラス基板を用いることが
可能となる。
【0176】(実施例17)本実施例においても、図2
2および図23に示される表面伝導型蟹子放出素子の複
数が、図24に示されるようにマトリクス配線された電
子源を備える画像形成装置を作製した。
【0177】以下に本実施例について説明する。まず、
ガラス基板裏面に、ITO膜をスパッタ法により100
nm形成した。ITO膜は、電子源の製造時に静電チャ
ックの電極として用いるもので、その抵抗率が109Ω
cm以下であれば、その材質には制限されず、半導体、
金属等が使用できる。前記ガラス基板表面に前述した製
造方法により、図24に示されるような複数の行方向配
線7、複数の列方向配線8、およびこれら配線によりマ
トリクス配線された、素子電極2,3およびPdOから
なる導電性膜4を形成し、素子形成基板10を作製し
た。つぎに、図14に示す製造装置を用いて以後の工程
を行った。
【0178】図14において、202は真空チャンバ、
203はOリング、204は活性化ガスであるベンゾニ
トリル、205は真空計である電離真空計、206は真
空排気系、207は基板ホルダ、208は基板ホルダ2
07に設置された静電チャック、209は静電チャック
208に埋め込まれた電極、210は電極209に直流
高電圧を印加するための高圧電源、211は静電チャッ
ク208の表面に刻まれた溝、212は電気ヒータ、2
13は冷却ユニット、214は真空排気系、215は素
子形成基板10上の配線の一部に電気的に接触可能なブ
ロープユニット、216はプローブユニット215に接
続したパルス発生器、V1〜V3はバルブである。
【0179】素子形成基板10を基板ホルダ207に載
せ、バルブV2を開け、溝211内を100Pa以下に
真空排気し、静電チャック208に真空吸着した。この
時、素子形成基板10の裏面ITO膜は、接触ピン(図
示せず)により、高圧電源210の負極側と同電位に接
地した。さらに、電極209に2kVの直流電圧を高圧
電源210(負極側を接地する)より供給し、素子形成
基板10を静電チャック208に静電吸着させた。つぎ
に、バルブV2を閉じ、バルブV3を開けて、Heガス
を溝211に導入し、500Paに維持した。Heガス
は、素子形成基板201と静電チャック208の間の熱
伝導を向上させる作用がある。尚、Heガスが最も好適
であるが、N2,Ar等のガスも使うことができ、所望
の熱伝導が得られればそのガス種には制限されない。
【0180】つぎに、真空チャンバ202をOリング2
03を介して素子形成基板10上に、配線端部が真空チ
ャンバ202の外に出るようにして載せ、真空チャンバ
202内に真空気密な空間を作り、同空間を真空排気系
206により圧力が1×10 -5Pa以下になるまで、真
空排気した。水温15℃の冷却水を冷却ユニット213
に流し、さらに温度制御機能を有する電源(図示せず)
より電気ヒータ212に電力を供給し、素子形成基板1
0を50℃の一定温度に維持した。
【0181】つぎに、プローブユニット215を、真空
チャンバ202の外に露出した素子形成基板10上の配
線端部に電気的に接触させ、プローブユニット215に
接統したパルス発生器216より、底辺1msec、周
期10msec、波高値10Vの三角パルスを120s
ec間印加し、フォーミング処理工程を実施した。フォ
ーミング処理時に流れる電流によって発生する熱は、効
率よく静電チャク208に吸収され、素子形成基板10
は一定温度50℃に保たれ、良好なフォーミング処理を
実施でき、また、熱応力による破損も防ぐことができ
た。
【0182】以上のフォーミング処理により、図23に
示す間障Gが導電性腺4に形成された。
【0183】つぎに、電気ヒータ212に流れる電流を
調整し、素子形成基板10を60℃の一定温度に維持し
た。バルブV1を開け真空チャンバ202内に電離真空
計205で圧力を測定しながら、圧力が2×10-4Pa
のベンゾニトリルを導入した。パルス発生器216より
フローブユニット215を通して、底辺1msec、周
期10msec、波高値15Vの三角パルスを60分間
印加して活性化処理を行った。フォーミング処理工程と
同様に、活性化処理時に流れる電流によって発生する熱
は、効率よく静電チャック208に吸収され、素子形成
基板10は一定温度60℃に保たれ、良好に活性化を実
施することができ、また、熱応力による破損も防ぐこと
ができた。
【0184】以上の活性化処理により、図22,図23
に示すように間隙5を隔てて炭素膜29が形成された。
【0185】以上の工程を終了した素子形成基板10
は、ガラス枠及ぴ蛍光体を配置したフェースプレートと
位置合わせを行い、低融点ガラスを用いて封着し、真空
外囲器を作製した。更に、前記外囲器内に真空排気、ベ
ーキング、封止工程等の工程を施し、図21に示す画像
形成パネルを作製した。
【0186】本実施例を実施することによって、フォー
ミング処理、活性化処理工程時に静電チャック208お
よびHeガスを用いたため、特性の揃った良好な表面伝
導型電子放出宗子を形成でき、均一性が向上した画像性
能を有する画像形成パネルを作製でき、また熱応力によ
る破損を防ぎ、歩留まりを向上することができた。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小
型化と操作性の簡易化が可能な電子源の製造装置を提供
することができる。また、本発明によれば、製造スピー
ドが向上し量産佳に適した電子源の製造方法を提供する
ことができる。さらに、本発明によれば、電子放出特性
の優れた電子源を製造し得る電子源の製造装量および製
造方法を提供することができる。また、本発明によれ
ば、画像品位の優れた面像形成装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子源の製造装置の構成を示す断
面図である。
【図2】図1および図3における電子源基板の周辺部分
を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る電子源の製造装置の構成の他の形
態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成の他の形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る電子源の製造装置の副真空容器を
有する構成のさらに他の形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る電子源の製造装置の構成の他の形
態を示す断面図である。
【図8】図7における電子源基板の周辺部分を示す斜視
図である。
【図9】本発明に係る電子源の製造装置の他の例を示す
断面図である。
【図10】図9における第1の容器と拡散板の形状を示
す模式図である。
【図11】本発明を用いた電子源基板のフォーミング、
活性化工程を行うための真空排気装置の模式図である。
【図12】本発明に係る製造装置の他の例を示す断面図
である。
【図13】本発明に係る製造装置の他の例を示す斜視図
である。
【図14】本発明に係る製造装置の他の例を示す断面図
である。
【図15】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される熱伝導部材の形状を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される熱伝導部材の形状の他の形態を示す斜視図であ
る。
【図17】本発明に係る電子源の製造装置において使用
されるゴム材料の球状物質を用いた熱伝導部材の形態を
示す断面図である。
【図18】本発明に係る電子源の製造装置において使用
されるゴム材料の球状物質を用いた熱伝導部材の他の形
態を示す断面図である。
【図19】本発明に係る電子源の製造装置において使用
される拡散板の形状を示す断面図である。
【図20】本発明に係る電子源の製造装置において便用
される拡散板の形状を示す平面図である。
【図21】画像形成装置の構成を一部を破断して示す斜
視図である。
【図22】本発明に係る電子放出素子の構成を示す平面
図である。
【図23】本発明に係る電子放出素子の構成を示す図2
2のB−B’線断面図である。
【図24】本発明に係る電子源を示す平面図である。
【図25】本発明に係る電子源の作成方法を説明するた
めの平面図である。
【図26】本発明に係る電子源製造装置の真空気密保持
の形態を示す断面図である。
【図27】本発明に係る電子源製造装置のOリングによ
る真空気密の形態の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 6 電子放出素子 7 X方向配線 8 Y方向配線 9 絶縁層 10 電子源基板 11 支持体 12 真空容器 13 真空容器 14 副真空容器 15 気体の導入口 16,17 排気口 18 シール部材 19 拡散板 20 ヒータ 21 有機ガス物質 22 キャリヤガス 23 水分除去フィルタ 24 ガス流量制御装置 25 バルブ 26 真空ポンプ 27 真空計 28 配管 30 取り出し配線 31 電子源基板の取り出し配線と駆動ドライバとを
接続する配線 32 電源、電流測定装置および電流―電圧制御系装
置からなる駆動ドライバ 33 拡散板の開口部 41,42,43 熱伝導部材 61 電子源基板を固定したリヤプレート 62 支持枠 63 ガラス基板 64 メタルバック 65 蛍光体 66 フェースプレート 67 高圧端子 68 画像形成装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電体が形成された基板を支持する支持体
    と、内装容器とそれを囲う外装容器からなる容器におい
    て気体の導入口と気体の排気口を有し、前記基板の基板
    面の一部の領域を真空気密材で覆う二重構造の容器と、 前記気体の導入口に接続され、前記容器内に気体を導入
    する手段と、 前記気体の排気口に接続され、前記容器内を排気する手
    段と、 前記導電体に電圧を印加する手段と、を備えることを特
    徴とする電子源の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記容器は、前記内装容器と前記外装容
    器の隙間の圧力を、所望の圧力に真空排気する手段を備
    えていることを特徴とする請求項1に記載の電子源の製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記容器は、前記内装容器と前記外装容
    器のそれぞれに、ゴム性真空気密材を用いて気密性を保
    持する手段を備えていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電子源の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記支持体は、該支持体上に前記基板を
    固定する手段を備えていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の電子源の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記支持体は、前記基板と該支持体とを
    真空吸着させる手段を備えていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の電子源の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記支持体は、前記基板と該支持体とを
    静電吸着させる手段を備えていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の電子源の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記支持体は、熱伝導部材を備えている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    電子源の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記支持体は、前記基板の温度調節機構
    を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の電子源の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記支持体は、発熱手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電
    子源の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記支持体は、冷却手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    電子源の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記容器は、該容器内に導入された気
    体を拡散させる手段を備えていることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の電子源の製造装置。
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