JP2002364699A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2002364699A
JP2002364699A JP2001168713A JP2001168713A JP2002364699A JP 2002364699 A JP2002364699 A JP 2002364699A JP 2001168713 A JP2001168713 A JP 2001168713A JP 2001168713 A JP2001168713 A JP 2001168713A JP 2002364699 A JP2002364699 A JP 2002364699A
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JP2001168713A
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Katsumi Someya
勝己 染谷
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕切部材の寸法誤差に起因する液漏れを防止
すると共に、シール構造及びシール対策を簡略化する。 【解決手段】 中間ブロック22は、ロータリ弁68が
回転可能に挿入される樹脂製の弁体ホルダ32と、この
弁体ホルダ32が圧入固定されるホルダ収納室26及び
外周溝50,84が形成されたゴム製の本体部24とを
備えている。弁体ホルダ32を本体部24とは別体とし
たことにより、弁体ホルダ32をロータリ弁68の形状
及び寸法に対応するように高い寸法精度で容易に製造で
き、また本体部24を弾性材料であるゴムにより成形し
たことにより、ホルダ収納室26を弁体ホルダ32に弾
性的に密着させると共に、本体部32の外周面を外筒1
6の内周面に弾性的に密着させることで、本体部24の
寸法公差に起因する液体漏れを効果的に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する振
動発生部から振動受部への振動伝達を防止する防振装置
に関し、例えば、車両に搭載されるエンジンからの振動
の伝達を防止する場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動を防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達されるのを
阻止するような構造が知られている。この防振装置の一
例としては、筒状に形成された外筒の内周側に内筒が配
置され、これらの内筒と外筒との間に弾性体が掛け渡さ
れ、さらに外筒の内部に主液室及び副液室を設けると共
に、オリフィスとなる制限通路でこれらの液室を互いに
連通した構造を有する所謂ブッシュタイプのものがあ
る。この防振装置によれば、エンジンが作動して振動が
発生した場合には、弾性体の内部抵抗により振動を吸収
すると共に、主液室と副液室とを連通する制限通路内の
液体の液柱共振等で低動ばねとして振動を吸収したり振
動を減衰したりして、振動の伝達を阻止するようになっ
ている。
【0003】一方、自動車等の車両ではエンジン回転数
が幅広く変化し、このエンジンの幅広い回転数変化に伴
って振動周波数も広範囲に変化する。従って、このよう
な広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を
維持するべく、長さ及び内径を種々相違させた制限通路
であるオリフィスを複数本有した防振装置が、近年案出
されるようになった。また、シェイク振動等の低周波振
動を効果的に減衰するためには、低周波振動に対応する
制限通路の路長を十分に長くする必要がある。
【0004】また、上記のようなブッシュタイプ防振装
置には、弾性体に形成された空洞部を外周側から閉塞
し、空洞部内に弾性体の変形により内容積が変化する主
液室を構成する仕切部材として中間ブロックが設けら
れ、この中間ブロックに複数本の制限通路が形成される
と共に、これら制限通路のうち少なくとも1本を開閉す
るロータリ弁が中間ブロックに回転可能に配置されるも
のがある。ここで、外筒の内周面に圧接する中間ブロッ
クの外周面には、例えば、制限通路の一部となる外周溝
が形成されており、このようなレイアウトを採用するこ
とで、装置を大型化することなく制限通路の路長を十分
に長くすることが可能になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような防振装置では、通常、中間ブロックが樹脂材料を
素材としてモールド成形されており、このような中間ブ
ロックを高い寸法精度で成形することが難しい。すなわ
ち、モールド成形された中間ブロックでは、その肉厚等
に応じて凝固収縮が不均一になることから、高い寸法精
度で製造することが困難である。このため、ロータリ弁
と中間ブロックとの隙間や外周溝からの液漏れを防止す
るためのシール構造及びシール対策が複雑又は煩瑣にな
るという問題がある。具体的には、例えば、中間ブロッ
クにおける弁体収納室とロータリ弁の外周面との間にゴ
ム製のシール材を配置したり、外筒の内周面が中間ブロ
ックの外周面に隙間なく圧接するように外筒を内周側へ
絞り加工(塑性加工)することが必要になり、また弁体
収納室の寸法精度を向上させるために弁体収納室の周囲
にスリット状の中空部(スグリ部)を形成することが必
要となる。
【0006】本発明の目的は、上記事実を考慮し、仕切
部材の寸法誤差に起因する液漏れを防止すると共に、シ
ール構造及びシール対策を簡略化できる防振装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の防振装置によれ
ば、先ず、仕切部材における弁体ホルダを本体部とは別
に樹脂を素材として成形したことにより、弁体ホルダを
回転弁体の形状及び寸法に対応するように高い寸法精度
で容易に製造できるようになるので、回転弁体と弁体ホ
ルダとの間におけるシール構造を簡略化又は省略できる
ようになる。
【0008】更に、仕切部材におけるホルダ収納室及び
外周溝が形成される本体部をゴム等の弾性材料により成
形したことにより、本体部におけるホルダ収納室の内壁
面及び外周面が弾性的に変形可能になるので、本体部の
寸法公差を比較的大きく設定しても、液漏れ原因となる
隙間が生じないように、ホルダ収納室の内壁面を弁体ホ
ルダの外面に弾性的に密着でき、かつ本体部の外周面を
外筒の内周面に弾性的に密着できるようになる。
【0009】この結果、仕切部材の寸法誤差に起因して
回転弁体と仕切部材との間や外周溝から液体漏れが発生
することを効果的に防止でき、かつ仕切部材と回転弁体
との間及び仕切部材と外筒との間におけるシール構造及
びシール対策をそれぞれ簡略化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る防
振装置について図面を参照して説明する。
【0011】(実施形態の構成)図1及び図2に示され
るように、この所謂ブシュタイプの防振装置10には図
示しない車体への連結用のリング状に形成された取付フ
レーム12が備えられており、この取付フレーム12内
には円筒状の外筒16が嵌合されている。ゴム製で薄肉
のダイヤフラム18の外周部分が金属製のブラケット1
4に加硫接着されて、このダイヤフラム18が外筒16
の内周面側の図1及び図2において上部寄りに配置され
ている。また、図1及び図2に示されるように、このダ
イヤフラム18と外筒16との間は空気室19とされて
おり、必要に応じて外部と連通される。
【0012】外筒16内には中間筒20及び仕切部材で
ある中間ブロック22が挿入されている。中間ブロック
22は、図1に示されるように、外筒16の軸方向から
見て略半円形のブロック状とされた本体部24を備えて
いる。本体部24には、径方向に沿って略円柱状の空間
からなるホルダ収納室26が形成されており、このホル
ダ収納室26は、本体部24における上面側の平面部2
8と外周面30とにそれぞれ開口している。また中間ブ
ロック22は、本体部24のホルダ収納室26内へ圧入
固定される略円筒状の弁体ホルダ32を備えている。こ
こで、本体部24は、NR(天然ゴム)、SBR(スチ
レンブタジエンゴム)等のゴムを素材としてモールド成
形されており、十分な弾性を有している。また弁体ホル
ダ32は、ナイロン、PPS(ポリフェニレンサルファ
イド)等の樹脂を素材としてモールド成形されており、
本体部24に対して十分に高い剛性を有している。
【0013】本体部24の外周面30は、外筒16の軸
心を中心として一定の曲率半径で湾曲するような湾曲面
とされており、その曲率半径が外筒16の内周面に対し
て僅かに大径とされている。また弁体ホルダ32の下端
面である外周面34も、外筒16の軸心を中心として一
定の曲率半径で湾曲するような湾曲面とされており、そ
の曲率半径が外筒16の内周面と同径又は僅かに小径と
されている。これにより、中間ブロック22が外筒16
内に挿入された状態では、本体部24は、その外周面3
0が内周側へ僅かに弾性変形(圧縮)され、その復元力
により外筒16の内周面に圧接し、また弁体ホルダ32
は、その外周面34が外筒16の内周面に当接するか、
又は微小な隙間を空けて外筒16の内周面と対向する。
【0014】図2に示されるように、中間筒20の軸方
向両端部には、それぞれフランジ部36が形成されてお
り、これら一対のフランジ部36間に形成された開口部
37を通して中間ブロック22が内筒38側へ嵌入され
ることとなる。また、一対のフランジ部36の外周面は
それぞれ外筒16の内周面へ密着されている。
【0015】図1及び図2に示されるように、本体部2
4の平面部28に対向した中間筒20の部分は中空部と
されており、この中空部内を図示しないエンジンに連結
される内筒38が貫通している。この内筒38は外筒1
6と平行に配置され、中間筒20との間にゴムで形成さ
れる弾性体40が掛け渡されている。これによって内筒
38は外筒16に対して相対移動可能となっている。こ
こで、内筒38には振動発生部であるエンジンに連結さ
れ、外筒16は取付フレーム12を介して振動受部であ
る車体に連結される。
【0016】さらに、弾性体40は中間筒20のフラン
ジ部36間の外周面にも延設されており、中間ブロック
22における本体部24の両端部にそれぞれ突出して円
弧状に形成された部分の内周側の内周円弧面42に、弾
性体40の一部が密着している。また、弾性体40の中
間部であって内筒38の下側に、空洞部44が形成され
ており、空洞部44と中間ブロック22の本体部24と
の間の空間が、弾性体40の変形に伴って拡縮する主液
室46とされている。
【0017】一方、中間筒20の一対のフランジ部36
間には、中間筒20及びダイヤフラム18によって囲ま
れた副液室48が形成されている。また、図4に示され
るように、中間ブロック22における本体部24の外周
面30には、U字状に外周溝50が形成されている。こ
の外周溝50の一端は、中間ブロック22の図1におい
て右側の端部に開口して副液室48に連結されている。
この外周溝50の他端は、中間ブロック22の本体部2
4内を貫通して形成される貫通孔52を介して、主液室
46と連通している。そして、これら外周溝50及び貫
通孔52は、シェイク振動吸収用の制限通路としてのシ
エイクオリフィス54を構成している。
【0018】中間ブロック22における弁体ホルダ32
の上端面は、本体部24の平面部28と面一となるよう
な平面部56とされており、この平面部56側には円穴
58が形成されており、円穴58の底部には、円穴58
よりも細径とされると共に弁体ホルダ32の外周面34
まで貫通する円形貫通孔52が、円穴58と同軸的に形
成されている。また、弁体ホルダ32の外周面34側に
は、円形貫通孔60と同軸的に円形の座ぐり部62が設
けられており、さらに座ぐり部62の外周側に環状の溝
部64が形成されて、この溝部64内にはシール用のO
リング66が嵌め込まれている。
【0019】これら円穴58及び円形貫通孔60には、
ロータリ弁68が回転可能に挿入されている。このロー
タリ弁68の主液室46側は円筒状の円筒部70とされ
ており、円筒部70と反対側には回転軸としての細軸部
72が一体的に設けられている。さらに、本体部24の
平面部28には座金を兼ねた蓋板74が接着され、弁体
ホルダ32及びロータリ弁68のホルダ収納室26から
の抜け出しを防止している。この蓋板74には円筒部7
0の内径よりも小径の流通穴75が穿設され、この流通
穴75を通して主液室46と円筒部70内との間で液体
が流通する。
【0020】また、細軸部72の外周には一対のOリン
グ76がそれぞれ嵌め込まれている。従って、このOリ
ング76によって液体は円形貫通孔60を介して中間ブ
ロック22の外方へ漏れ出ることはない。
【0021】さらに、ロータリ弁68の円筒部70に
は、円筒部70の内外を連通する貫通口78が形成され
ている。一方、図1に示されるように、中間ブロック2
2における本体部24及び弁体ホルダ32には、互いに
連通する通路80,82が形成されており、これらの通
路80,82は、図2において紙面に垂直となる方向に
延びている。ここで、通路80,82は、その一端が円
穴58に接続されると共に、他端が本体部24の外周面
30に形成された外周溝84の周方向に沿った一端部付
近に接続されている。
【0022】また外周溝84の他端部は、図3に示され
るように本体部24における右側の端部に開口して副液
室48に連結されている。ここで、通路80,82及び
外周溝84は、アイドル振動吸収用の制限通路であるア
イドルオリフィス86を構成し、主液室46を副液室4
8に接続している。そして、これら主液室46、副液室
48及びオリフィス54,86には、エチレングリコー
ル、水等の液体が充填されるように封入されている。
【0023】アイドルオリフィス86はロータリ弁68
により開閉可能とされており、ロータリ弁68の貫通口
78が通路82と対向する開放位置(図1参照)に回転
すると開放される。これにより、主液室46と副液室4
8とはアイドルオリフィス86を通して互いに連通す
る。またロータリ弁68の貫通口78が通路82から外
れる閉塞位置に回転すると、アイドルオリフィス86は
閉塞される。これにより、アイドルオリフィス86によ
る主液室46と副液室48との間での液体流通が阻止さ
れる。一方、シエイクオリフィス54は、常に開放され
て主液室46と副液室48とを互いに連通させている。
【0024】図1及び図2に示されるように、取付フレ
ーム12の外周側には、アクチュエータとしてのモータ
ユニット88が配設されている。このモータユニット8
8は駆動源としてモータ(図示省略)を内蔵しており、こ
のモータからのトルクにより回転軸90を回転させる。
モータユニット88の回転軸90の先端は、ロータリ弁
68の細軸部72の先端側に嵌入されている。また、モ
ータユニット88にはフランジ部92が設けられてお
り、このフランジ部92は、取付フレーム12の外径に
沿った円弧状に形成されている。このため、フランジ部
92を挿通したビス(図示せず)が取付フレーム12に
設けられた図示しないねじ部に螺入されることによっ
て、モータユニット88が取付フレーム12に固定され
ることになる。
【0025】上記のように構成された防振装置10で
は、モータユニット88によりロータリ弁68を開放位
置(図1参照)に回転させると、ロータリ弁68により
アイドルオリフィス86が開放され、シエイクオリフィ
ス54及びアイドルオリフィス86を通して主液室46
と副液室48とが互いに連通され、またモータユニット
88によりロータリ弁68を閉塞位置に回転させると、
ロータリ弁68によりアイドルオリフィス86が閉塞さ
れ、シエイクオリフィス54のみを通して主液室46と
副液室48とが互いに連通される。
【0026】モータユニット88は、図1に示されるよ
うに制御手段であるコントローラ94に連結されてお
り、コントローラ94よってその回転が制御されるよう
になっている。コントローラ94は車両に搭載されたバ
ッテリ等の電源によって作動し、少なくとも車速センサ
96及びエンジン回転数検出センサ98からの検出信号
を受け、車速及びエンジン回転数を検出し、アイドル振
動発生時かシェイク振動発生時かを判断できるようにな
っている。
【0027】次に、本実施形態に係る防振装置10にお
ける中間ブロック22の組立方法について説明する。
【0028】中間ブロック22を組み立てる際には、先
ず、図5に示される弁体ホルダ32の円穴58及び円形
貫通孔60内に弁体ホルダ32の円筒部70及び細軸部
72をそれぞれ挿入され、図6に示されるように弁体ホ
ルダ32及びロータリ弁68が一体化される。これによ
り、ロータリ弁68は弁体ホルダ32により回転可能に
保持される。このとき、細軸部72に嵌め込まれた一対
のOリング76により円形貫通孔60と細軸部72との
間からの液漏れが防止される。また樹脂製の弁体ホルダ
32は、その円穴58の内径がロータリ弁68の円筒部
70の外径に対応する寸法になるように十分に高い寸法
精度で成形されている。これにより、円穴58と円筒部
70との間での液体流通(液漏れ)が実質的に阻止さ
れ、ロータリ弁68が閉塞位置にあるときに、アイドル
オリフィス86を通って主液室46と副液室48との間
で液体が流通することが防止される。
【0029】図6に示されるように一体化されたロータ
リ弁68及び弁体ホルダ32は、中間ブロック22のホ
ルダ収納室26内へ外周側から圧入される。ホルダ収納
室26の内径は弁体ホルダ32の外径よりも僅かに小径
とされており、弁体ホルダ32は、ホルダ収納室の内径
が拡大するように中間ブロック22を弾性変形させつつ
ホルダ収納室26内へ圧入される。このとき、弁体ホル
ダ32は、図1に示されるように、その平面部56が中
間ブロック22の平面部28と面一となる位置まで圧入
される。この後、中間ブロック22の平面部28には蓋
板74が接着され、この蓋板74により弁体ホルダ32
のホルダ収納室26内から主液室46側への脱落が防止
されると共に、ロータリ弁68の弁体ホルダ32内から
の脱落が防止される。なお、蓋板74については、弁体
ホルダ32のホルダ収納室26内への挿入前に、予め中
間ブロック22の平面部28に加硫接着等により接着す
るようにしても良い。
【0030】上記のようにして組み立てられた中間ブロ
ック22は、図1及び図2に示されるように、弾性体4
0の薄肉部を介して中間筒20における開口部37の周
縁部に圧接する状態とされ、弾性体40により内筒38
に連結された中間筒20と共に外筒16内へ嵌挿され
る。このとき、液体内に浸漬しつつ、内筒38、弾性体
40、中間筒20及び中間ブロック22を外筒16内へ
嵌挿するようにすれば、液体を主液室46、副液室48
及びオリフィス54,86内へ完全に充填し、かつ組立
後に液体を充填する作業を不要にできる。中間筒20が
嵌挿された外筒16は、例えば、その軸方向両端部が内
周側へかしめられて中間筒20の脱落及びガタの発生が
防止される。このとき、外筒16全体を内周側へかしめ
ることで、外筒16に対する中間筒20の脱落及びガタ
の発生を防止するようにしても良いが、従来の防振装置
のように、外筒16の内周面を隙間なく中間ブロック2
2の外周面に密着させるために外筒16を内周側へかし
める必要はない。
【0031】(実施形態の作用)次に本実施形態に係る
防振装置10の作用を説明する。
【0032】内筒38に連結されたエンジンが作動する
と、エンジンの振動が内筒38を介して弾性体40に伝
達される。弾性体40は吸振主体として作用し、弾性体
40の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収す
ることができる。
【0033】さらに、弾性体40及びダイヤフラム18
の変形に伴って内容積が変化する主液室46及び副液室
48の中の液体がシエイクオリフィス54又はアイドル
オリフィス86を介して相互に流動し、これらオリフィ
ス空間に生ずる液体流動の粘性抵抗及び液柱共振等に基
づく減衰作用で防振効果を向上することができる。
【0034】具体的には、車両が例えば70〜80km/
h以上の高速で走行するとシェイク振動(10Hz程度)
が生じる。コントローラ94は車速センサ96、エンジ
ン回転数検出センサ98からの検出信号に基づいてシェ
イク振動発生時か否かを判断する。コントローラ94が
シェイク振動発生時であると判断すると、コントローラ
94はモータユニット88を作動させてロータリ弁68
を閉塞位置に回転し、アイドルオリフィス86を閉塞す
る。これにより、常時開放されているシエイクオリフィ
ス54のみにより主液室46と副液室48とが連通す
る。この結果、主液室46内に生じるエンジン振動に基
づく圧力変化がシエイクオリフィス54内の液体に伝達
されると共にこの液体の抵抗等を受けシェイク振動が吸
収される。
【0035】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合には、アイドル振動(25
Hz程度)が生じる。コントローラ94は車速センサ9
6、エンジン回転数検出センサ98によりアイドル振動
発生時か否かを判断する。
【0036】コントローラ94がアイドル振動発生時で
あると判断すると、コントローラ94はモータユニット
88によりロータリ弁68を開放位置(図1参照)に回
転させて、アイドルオリフィス86を開放する。これに
より、液体がアイドルオリフィス86を通して主液室4
6と副液室48と行き来することになり、アイドルオリ
フィス86内で液柱共振して動ばね定数が低下して、ロ
ーアイドル振動が吸収される。このとき、常時開放され
ているシエイクオリフィス54は、アイドルオリフィス
86と比較して内径が小さく路長が長いことから液体の
通過抵抗が大きくなっている。このため、アイドルオリ
フィス86の開放時には、液体が殆どはアイドルオリフ
ィス86を通って主液室46と副液室48との間を流通
し、シエイクオリフィス54を流通する液体は僅かなも
のになる。
【0037】つまり、振動周波数に応じてロータリ弁6
8の回転位置を制御し、このロータリ弁68によりアイ
ドルオリフィス86を開閉することで、相互に異なる2
段階の周波数(シエイク振動及びアイドル振動)をそれ
ぞれ効果的に低減し得るようになった。
【0038】以上説明した本実施形態に係る防振装置1
0によれば、先ず、中間ブロック22における弁体ホル
ダ32を本体部24とは別に樹脂を素材としてモールド
成形したことにより、弁体ホルダ32をロータリ弁68
の形状及び寸法に対応するように高い寸法精度で容易に
製造できるようになるので、円穴58の外周側にスリッ
ト状の中空部(スグリ部)を形成したり、ロータリ弁6
8における円筒部70と弁体ホルダ32の円穴58との
間にシール材を配置しなくても、円穴58と円筒部70
との間での液体流通(液漏れ)を実質的に阻止でき、ロ
ータリ弁68が閉塞位置にあるときに、アイドルオリフ
ィス86を通って主液室46と副液室48との間で液体
が流通することを防止できる。
【0039】更に、中間ブロック22におけるホルダ収
納室26及び外周溝50,84が形成される本体部24
をゴムにより成形したことにより、本体部24における
ホルダ収納室26の内壁面及び外周面が弾性的に変形可
能になるので、本体部24の寸法公差を比較的大きく設
定しても、液漏れ原因となる隙間が生じないように、ホ
ルダ収納室26の内壁面を弁体ホルダ32の外周面に弾
性的に密着でき、かつ中間ブロック22が外筒16内へ
嵌挿された状態で、本体部24の外周面を外筒16の内
周面に弾性的に密着できるようになる。
【0040】この結果、中間ブロック22の寸法誤差に
起因してロータリ弁68と中間ブロック22との間や外
周溝50,84から液体漏れが発生することを効果的に
防止でき、かつ中間ブロック22とロータリ弁68との
間及び中間ブロック22と外筒16との間におけるシー
ル構造及びシール対策をそれぞれ簡略化できる。
【0041】なお、本実施形態の防振装置10では、中
間ブロック22における円穴58に1本のアイドルオリ
フィス86のみを連結し、このアイドルオリフィス86
がロータリ弁68により開閉しているが、中間ブロック
22の円穴58に2本以上のオリフィス(例えば、アイ
ドルオリフィス及びこもり音吸収用オリフィス)を連結
し、これらのオリフィスをロータリ弁68により選択的
に開閉するようにしても良い。このとき、主液室46を
2本以上のオリフィスによりそれぞれ異なる副液室(例
えば、アイドル振動吸収用オリフィス及びこもり音吸収
用オリフィス)を接続しても、また主液室46を2本以
上のオリフィスによりそ同一の副液室に接続するように
しても良い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防振装置に
よれば、仕切部材の寸法誤差に起因する液漏れを防止す
ると共に、シール構造及びシール対策を簡略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るブシュタイプ防振装
置の構成を示す径方向に沿った断面図である。
【図2】 図1に示される防振装置のII−II切断線
に沿った断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る中間ブロックの本体
部を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る中間ブロックの本体
部を示す図であって、(A)は左側面図であり、(B)
は底面図であり、(C)は右側面図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る中間ブロックの弁体
ホルダ及び弁体ホルダ内へ挿入されるロータリ弁の構成
を示す径方向に沿った断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る中間ブロックにおけ
る本体部及び本体部のホルダ収納室に圧入される弁体ホ
ルダを示す径方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 16 外筒 20 中間筒 22 中間ブロック(仕切部材) 24 本体部 26 ホルダ収納室 32 弁体ホルダ 38 内筒 40 弾性体 46 主液室 48 副液室 50 外周溝(シエイクオリフィス) 52 貫通孔(シエイクオリフィス) 54 シエイクオリフィス(制限通路) 68 ロータリ弁(回転弁体) 80 通路(アイドルオリフィス) 82 通路(アイドルオリフィス) 84 外周溝(アイドルオリフィス) 86 アイドルオリフィス(制限通路) 88 モータユニット(弁体駆動手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる内筒と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される外筒と、 前記内筒の外周面に固着された弾性体と、 前記内筒の外周側に配置され、前記弾性体により前記内
    筒に連結されると共に前記外筒内へ嵌挿される中間筒
    と、 前記中間筒における軸方向中間部に設けられた開口部
    と、 前記開口部に面して前記弾性体に形成された凹状の空洞
    部と、 前記開口部を外周側から閉塞し、前記空洞部内に前記弾
    性体の変形により内容積が変化する主液室を構成する仕
    切部材と、 前記内筒と前記外筒との間に設けられ、内容積が拡縮可
    能とされた副液室と、 前記仕切部材に形成されて前記主液室と前記副液室とを
    互いに連通させる制限通路と、 前記仕切部材の外周面に形成され、前記制限通路の少な
    くとも一部を構成する外周溝と、 前記仕切部材内に配置されて前記制限通路を連通させる
    連通位置と閉塞させる閉塞位置との間で回転可能とされ
    た回転弁体と、 を有する防振装置であって、 前記仕切部材に、前記回転弁体が回転可能に挿入される
    樹脂製の弁体ホルダを設けると共に、該弁体ホルダが圧
    入固定される中空状のホルダ収納室を形成し、 しかも前記仕切部材における前記ホルダ収納室及び前記
    外周溝が形成される本体部を弾性材料により成形したこ
    とを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記本体部の成形素材となる弾性材料と
    してゴムを用いたことを特徴とする請求項1記載の防振
    装置。
  3. 【請求項3】 振動発生部における振動周波数に応じて
    前記回転弁体を前記連通位置及び前記閉塞位置の何れか
    に回転させる弁体駆動手段を有することを特徴とする請
    求項1又は2記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記仕切部材に、前記主液室を前記副液
    室にそれぞれ連通させる複数の前記制限通路を設けると
    共に、 前記回転弁体により少なくとも1本の前記制限通路を開
    放及び閉塞可能としたことを特徴とする請求項1,2又
    は3記載の防振装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101315774B1 (ko) * 2012-06-11 2013-10-10 현대자동차주식회사 가변 스토퍼를 가지는 마운트 장치

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