JP2002364328A - 小型船舶用エンジンのベンチレーションシステム - Google Patents

小型船舶用エンジンのベンチレーションシステム

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JP2002364328A
JP2002364328A JP2001276355A JP2001276355A JP2002364328A JP 2002364328 A JP2002364328 A JP 2002364328A JP 2001276355 A JP2001276355 A JP 2001276355A JP 2001276355 A JP2001276355 A JP 2001276355A JP 2002364328 A JP2002364328 A JP 2002364328A
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oil
ventilation
engine
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small
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Application number
JP2001276355A
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English (en)
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Hitoshi Muramatsu
仁志 村松
Noboru Suganuma
昇 菅沼
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63JAUXILIARIES ON VESSELS
    • B63J2/00Arrangements of ventilation, heating, cooling, or air-conditioning
    • B63J2/02Ventilation; Air-conditioning
    • B63J2/06Ventilation; Air-conditioning of engine rooms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B34/00Vessels specially adapted for water sports or leisure; Body-supporting devices specially adapted for water sports or leisure
    • B63B34/10Power-driven personal watercraft, e.g. water scooters; Accessories therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型船舶が転覆してもオイルの吸気系への流
入を確実に防ぐことができる小型船舶用エンジンのベン
チレーションシステムを提供すること。 【構成】 ブローバイガス中からオイルミストを分離す
るベンチレーション室(オイル分離手段)S4と吸気ボ
ックス30とをベンチレーションホース(ベンチレーシ
ョン通路)43で連通せしめて成る小型船舶用エンジン
3のベンチレーションシステムにおいて、前記ベンチレ
ーションホース43の最下部をオイル戻しホース45を
介してエンジン3内に連通せしめる。発明によれば、小
型船舶が転覆し、オイルタンク34の上下が逆になった
ためにオイルタンク34からベンチレーションホース4
3にオイルが流れ込んで溜っても、転覆した小型船舶を
元に戻せば、ベンチレーションホース43に溜ったオイ
ルはオイル戻しホース45を通ってエンジン3内に戻る
ため、オイルタンク34内のオイルの吸気ボックス30
への流入を確実に防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブローバイガスを
吸気系に戻して吸気中に還元させる小型船舶用エンジン
のベンチレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に4サイクルエンジンにおいては、
オイルポンプによって圧送されるオイルによって各部の
潤滑がなされるが、潤滑方式にはウェットサンプ方式と
ドライサンプ方式がある。
【0003】又、エンジンにおいて、ピストンとシリン
ダの間からクランク室内に漏れ出るブローバイガスを吸
気系に戻して吸気中に還元させるベンチレーションシス
テムが採用されている。
【0004】ここで、潤滑方式としてドライサンプ方式
を採用する小型船舶用エンジンのベンチレーションシス
テムの構成を図16に示す。
【0005】即ち、図16は小型船舶用エンジン103
の潤滑系とベンチレーション系の構成を示すブロック図
であり、エンジン103が駆動されると該エンジン10
3の各部を潤滑してクランクケース119内底部のオイ
ル溜りに落下したオイルとピストンとシリンダの間から
クランクケース119内に漏れ出るブローバイガスは、
回収用ポンプ132の駆動によってオイル回収用パイプ
140を通ってオイルタンク134内に回収される。
【0006】そして、上述のようにオイルタンク134
内に回収されたオイルは、圧送用ポンプ133の駆動に
よってオイル圧送用パイプ141を通ってエンジン10
3内の各部に圧送されて各部の潤滑に供される。尚、オ
イルタンク134内からオーバーフローした余分なオイ
ルは、オーバーフローパイプ142を通ってエンジン1
03のシリンダヘッド125内に送られて各部の潤滑に
供される。
【0007】一方、オイルと共にオイルタンク134内
に回収されたブローバイガスは、吸気ボックス130内
に発生する吸気負圧に引かれてベンチレーションホース
143を通って吸気ボックス130に戻され、新気と共
に吸気マニホールド126に吸引されてエンジン103
の各シリンダに吸引され、各気筒の燃焼室での燃焼に供
される。
【0008】而して、エンジン103内の各部の潤滑に
供されたオイルはクランクケース119内の底部のオイ
ル溜りに落下し、このオイルとクランクケース119内
に漏れ出たブローバイガスは前記と同様にオイルタンク
134に回収され、以下、同様の作用が繰り返されるこ
とによってエンジン103の各部がオイルによって連続
的に潤滑されるとともに、エンジン103内に発生する
ブローバイガスが吸気系に戻されて燃焼に供される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示す潤滑系とベンチレーションシステムを備える小型
船舶用エンジン103にあっては、小型船舶が転覆した
ときにはオイルタンク134の上下が逆転し、オイルタ
ンク134内のオイルがベンチレーションホース143
を通って吸気ボックス130内に大量に流入するという
問題が発生する。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、小型船舶が転覆してもオイル
の吸気系への流入を確実に防ぐことができる小型船舶用
エンジンのベンチレーションシステムを提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ブローバイガス中からオイ
ルミストを分離するオイル分離手段と吸気系とをベンチ
レーション通路で連通せしめて成る小型船舶用エンジン
のベンチレーションシステムにおいて、前記ベンチレー
ション通路の最下部をオイル戻し通路を介してエンジン
本体内に連通せしめたことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記オイル戻し通路の下端をオイルポンプ
の吸入口に連なるオイル通路に連通せしめたことを特徴
とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記ベンチレーション通路の上流端
を船体中心の左右一側に配置し、同ベンチレーション通
路の少なくとも一部を左右他側に延設したことを特徴と
する。
【0014】請求項4記載の発明は、ブローバイガス中
からオイルミストを分離するオイル分離手段と吸気系と
をベンチレーション通路で連通せしめて成る小型船舶用
エンジンのベンチレーションシステムにおいて、前記ベ
ンチレーション通路の上流端を船体中心の左右一側に配
置し、同ベンチレーション通路の少なくとも一部を左右
他側に延設したことを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1〜3又は
4記載の発明において、前記ベンチレーション通路の最
下部を小型船舶の転覆時の前記オイルタンク内の油面よ
り高くなる位置に設定したことを特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明は、ブローバイガス中
からオイルミストを分離するオイル分離手段と吸気系と
をベンチレーション通路で連通せしめて成る小型船舶用
エンジンのベンチレーションシステムにおいて、前記ベ
ンチレーション通路にチェックバルブを設け、小型船舶
の転覆時に前記チェックバルブを閉じるようにしたこと
を特徴とする。
【0017】請求項7記載の発明は、ブローバイガス中
からオイルミストを分離するオイル分離手段を介してオ
イルタンク、ヘッドカバー又はクランクケースと吸気系
とを連通せしめて成る小型船舶用エンジンのベンチレー
ションシステムにおいて、前記オイル分離手段からエン
ジン本体内にオイルを戻すオイル戻し通路の下流端をオ
イルポンプの吸入口に連なるオイル通路に連通せしめた
ことを特徴とする。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記オイル分離手段を複数設け、該オイル
分離手段の1つに前記オイル戻し通路の上流端を接続し
たことを特徴とする。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、前記オイルタンク内に第1のオイル分離手
段を設け、オイルタンク外に第2のオイル分離手段を設
け、第1のオイル分離手段によってオイルミストが分離
されたブローバイガスを第2のオイル分離手段に導くと
ともに、該第2のオイル分離手段に前記オイル戻し通路
の上流端を接続したことを特徴とする。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項1〜8又
は9記載の発明において、前記クランクケース内の底部
に溜ったオイルを回収用ポンプでオイルタンクに送り込
み、オイルタンク内のオイルを圧送用ポンプでエンジン
内を循環させて各部の潤滑を行うことを特徴とする。
【0021】従って、請求項1記載の発明によれば、小
型船舶が転覆し、例えばオイルタンクの上下が逆になっ
たためにオイルタンクからベンチレーション通路にオイ
ルが流れ込んで溜っても、転覆した小型船舶を元に戻せ
ば、ベンチレーション通路に溜ったオイルはオイル戻し
通路を通ってエンジン本体内に戻るため、オイルタンク
内のオイルの吸気系への流入を確実に防ぐことができ
る。
【0022】請求項2記載の発明によれば、オイル戻し
通路の下端をオイルポンプの吸入口に連なるオイル通路
に連通せしめたため、ベンチレーション通路に溜ったオ
イルを速やかに回収することができる。
【0023】請求項3又は4記載の発明によれば、ベン
チレーション通路の上流端を船体中心の左右一側に配置
し、同ベンチレーション通路の少なくとも一部を左右他
側に延設したため、小型船舶が転覆し、例えばオイルタ
ンクの上下が逆になったためにオイルタンクからベンチ
レーション通路にオイルが流れ込んで溜っても、転覆し
た小型船舶をベンチレーション通路の上流端が上になる
方向に回転させて元に戻せば、ベンチレーション通路に
溜ったオイルは自重によってベンチレーション通路から
オイルタンクに戻ることとなり、これによってオイルタ
ンク内のオイルの吸気系への流入が確実に防がれる。
【0024】請求項5記載の発明によれば、ベンチレー
ション通路の最下部(オイル戻し通路が分岐する位置)
を小型船舶の転覆時のオイルタンク内の油面より高い位
置に設けたため、小型船舶が転覆してもオイルが最下部
(転覆時は最高部)を越えて吸気系に流れることはな
い。
【0025】請求項6記載の発明によれば、ベンチレー
ション通路に設けたチェックバルブを小型船舶の転覆時
に閉じるようにしたため、小型船舶の転覆時にオイルタ
ンクの上下が逆転しても、該オイルタンク内のオイルが
ベンチレーション通路を通って吸気系に流れることがな
く、オイルタンク内のオイルの吸気系への流入を確実に
防ぐことができる。
【0026】請求項7記載の発明によれば、オイル戻し
通路の下流端をオイルポンプの吸入口に連なるオイル通
路に連通せしめたため、小型船舶が転覆してオイルがオ
イル戻し通路に多量に溜っても、この溜ったオイルを速
やかに回収することができる。
【0027】請求項8又は9記載の発明によれば、ブロ
ーバイガス中に含まれるオイルミストは複数のオイル分
離手段によってブローバイガスから除去されるため、オ
イルの分離効率が高められる。
【0028】請求項10記載の発明によれば、潤滑方式
としてドライサンプ方式を採用するため、オイルタンク
の位置を任意に設定することができ、エンジンの全高を
低く抑えて当該エンジンの小型船舶への搭載自由度を高
めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0030】<実施の形態1>図1は小型船舶の一形態
としての小型滑走艇の側面図、図2は同小型滑走艇の平
面図である。
【0031】図1及び図2に示す小型滑走艇1は、断面
略V字形のハル2aとその上部に被着されたデッキ2b
を接合一体化して成る艇体2を有しており、該艇体2の
ハル2aの前後方向略中央部には本発明に係るベンチレ
ーションシステムを備える4サイクル4気筒エンジン3
が搭載されている。そして、エンジン3の前方(図1及
び図2の矢印F方向)には燃料タンク4が配されてお
り、エンジン3、燃料タンク4等の上方はカウリング5
と左右一対のカバー部材6によって覆われており、エン
ジン3の上方のカバー部材6外にはステアリングハンド
ル7が設けられている。
【0032】又、艇体2を構成するデッキ2bの前記ス
テアリングハンドル7の前方には左右一対の吸気ダクト
8の上端が開口しており、ステアリングハンドル7の後
方にはシート9が着脱自在に配され、該シート9の後部
下方には収納ボックス10が配設されている。尚、各吸
気ダクト8は艇体2内を大気に連通させて前記エンジン
3への吸気の供給と艇体2内の換気を行うためのもので
ある。
【0033】一方、艇体2の後端部であって、艇体2の
幅方向中央部にはジェット推進機11が配置されてお
り、該ジェット推進機11のインペラ軸12はジェット
推進機11内に導入され、その後端部にはジェット推進
機11に内蔵された不図示のインペラが取り付けられて
いる。尚、ジェット推進機11の後端部には、前記ステ
アリングハンドル7の操舵操作によってその方向が左右
に変化する操向ノズル13が揺動自在に取り付けられて
いる。
【0034】ここで、前記エンジン3とその潤滑装置及
びベンチレーションシステムを図3〜図5に基づいて説
明する。尚、図3はエンジンの斜視図、図4は同エンジ
ンの破断側面図、図5は同エンジンの潤滑装置とベンチ
レーションシステムの構成を示すブロック図である。
【0035】本実施の形態に係る前記4サイクルエンジ
ン3は燃料噴射式エンジンであって、図4に示すよう
に、該エンジン3のシリンダブロック14には4つのシ
リンダ15(図4には1つのみ図示)が艇体2の前後方
向(図4の矢印F方向が前方)に並設され、各シリンダ
15にはピストン16が上下摺動自在にそれぞれ嵌挿さ
れている。そして、各ピストン16はコンロッド17を
介してクランク軸18に連結されている。尚、各ピスト
ン16のシリンダ15内での上下方向の往復直線運動は
コンロッド17を介してクランク軸18の回転運動に変
換される。
【0036】ところで、上記クランク軸18はクランク
ケース19内のクランク室S1において艇体2の前後方
向に長く配されており、その前端にはフライホイールマ
グネトー(以下、フラマグと略称する)20が取り付け
られ、同クランク軸18のクランクケース19から後方
へ延出する後端部には減速ギヤ21が取り付けられてい
る。そして、クランクケース19の前端面には、前記フ
ラマグ20を覆うフラマグカバー22が被着され、その
内部にはフラマグ室S2が形成されている。又、クラン
クケース19の後端面には、前記減速ギヤ21を覆うギ
ヤカバー23が被着されており、その内部にはギヤ室S
3が形成されている。
【0037】ここで、エンジン3の全体は、図3に示す
ように、クランクケース19の前後に取り付けられた左
右一対のエンジンマウント24を介して艇体2のハル2
a(図1参照)にマウントされている。
【0038】又、図4に示すように、エンジン3の前記
シリンダブロック14の上面に被着されたシリンダヘッ
ド25には、各気筒について不図示の吸気通路と排気通
路がそれぞれ形成されており、シリンダヘッド25の吸
気側(左舷側)の側面には、図5に示すように、前記吸
気通路に連なる吸気マニホールド26が接続され、同シ
リンダヘッド25の他端(右舷側)の側面には不図示の
排気マニホールドが接続されている。そして、排気マニ
ホールドは集合して図3に示す排気管27に接続されて
おり、排気管27はエンジン3の本体の前方を横切って
左舷側に向かい、そこから後方に向かって延び、その端
部には図示のようにウォータロック28が取り付けられ
ている。尚、シリンダヘッド25の上面にはヘッドカバ
ー29が被着されている。
【0039】そして、図3に示すように、エンジン3の
本体の上方には吸気ボックス30が配置されており、こ
の吸気ボックス30内には図5に示すように前記吸気マ
ニホールド26の端部が臨んでおり、各吸気マニホール
ド26の途中にはスロットルバルブ31が設けられてい
る。
【0040】而して、本実施の形態に係る4サイクルエ
ンジン3は潤滑方式としてドライサンプ方式を採用する
ものであって、これは図5に示すように回収用ポンプ3
2と圧送用ポンプ33及びこれらの上方に配設されたオ
イルタンク34を備えている。尚、回収用ポンプ32の
容量は圧送用ポンプ33のそれよりも大きく設定されて
いる。又、潤滑方式としてドライサンプ方式を採用する
エンジン3においては、クランク室S1とフラマグ室S
2及びギヤ室S3の底部には浅いオイル溜りが形成され
ている。
【0041】ところで、図4に示すように、前記ギヤケ
ース23の後端面にはポンプハウジング35が取り付け
られており、このポンプハウジング35の下部には、前
記クランク軸18に対して幅方向にオフセットされたポ
ンプ軸36が貫通している。そして、このポンプ軸36
は前後一対のボールベアリング37によってポンプハウ
ジング35に回転自在に支承され、その前端には前記減
速ギヤ21に噛合する不図示の減速ギヤが取り付けら
れ、同ポンプ軸36の後端はカップリング38を介して
前記インペラ軸12が連結されている。尚、ポンプハウ
ジング35内には、ポンプ軸36によって駆動される前
記回収用ポンプ32と圧送用ポンプ33がそれぞれ収納
されている。
【0042】又、図4に示すように、前記オイルタンク
34内には上下方向に交互に配された斜面状を成す複数
のバッフルプレート39が設けられており、同オイルタ
ンク34内の上部には、ブローバイガス中からオイルミ
ストを分離するオイル分離手段を構成するベンチレーシ
ョン室S4が形成されている。
【0043】そして、図5に示すように、前記ギヤカバ
ー23から導出するオイル回収用パイプ40は前記オイ
ルタンク34の底部を貫通してオイルタンク34内に立
設され、その途中には前記回収用ポンプ32が設けられ
ている。又、前記クランクケース19の底部から導出す
るオイル圧送用パイプ41はオイルタンク34の底部に
接続され、その途中には前記圧送用ポンプ33が設けら
れている。
【0044】又、図4及び図5に示すように、オイルタ
ンク34の上面から導出するオーバーフローパイプ42
は前記シリンダヘッド25に接続されている。尚、オー
バーフローパイプ42をヘッドカバー29に接続しても
良い。
【0045】更に、オイルタンク34の上面には、前記
ベンチレーション室S4に開口するベンチレーションホ
ース(ベンチレーション通路)43が接続されており、
このベンチレーションホース43は、図2及び図3に示
すように、オイルタンク34の右舷側から導出して船体
中心線Lを横切って左舷側に延び、その端部は前記吸気
ボックス30の底部に接続されている。つまり、ベンチ
レーションホース43は、オイルタンク34との接続部
である上流端が船体中心Lを境としてこれの右側(右舷
側)に配置され、上流端から左側に延びて船体中心線L
を横切って左舷側に達し、その下流端は吸気ボックス3
0の底部に接続されている。
【0046】そして、図3に示すように、ベンチレーシ
ョンホース43の途中にはT字状を成す三方管44が接
続されており、この三方管44はベンチレーションホー
ス43の最も低い位置(具体的には、小型滑走艇1の転
覆時のオイルタンク34内の油面より高くなる位置)に
設けられ、この三方管44に接続されたオイル戻しホー
ス45はベンチレーションホース43から分岐して前記
ギヤケース23の上面に接続されている。
【0047】而して、以上の潤滑装置及びベンチレーシ
ョンシステムを備えるエンジン3が駆動され、クランク
軸18の回転が減速ギヤ21を介して減速されてポンプ
軸36とインペラ軸12に伝達されると、これらのポン
プ軸36とインペラ軸12が所定の速度で回転駆動さ
れ、インペラ軸12に取り付けられた不図示のインペラ
が回転することによって前記ジェット推進機11に所要
の推進力が発生し、この推進力によって図1及び図2に
示す小型滑走艇1が水上を所定の速度で滑走する。
【0048】又、エンジン3においては、ポンプ軸36
の回転によって回収用ポンプ32と圧送用ポンプ33が
同時に駆動され、オイルがエンジン3内を循環して各部
が潤滑及び冷却される。
【0049】即ち、エンジン3の各部を潤滑及び冷却し
てクランク室S1内底部のオイル溜りに落下したオイル
とピストン16とシリンダ15(図4参照)の間からク
ランク室S1内に漏れ出るブローバイガスは、前記回収
用ポンプ32の駆動によって前記オイル回収用パイプ4
0を通ってオイルタンク34内に回収される。
【0050】そして、上述のようにオイルタンク34内
に回収されたオイルは、圧送用ポンプ33の駆動によっ
てオイル圧送用パイプ41を通ってエンジン3内の各部
に圧送されて各部の潤滑に供される。又、オイルタンク
34内からオーバーフローした余分なオイルは、オーバ
ーフローパイプ42を通ってシリンダヘッド25内に送
られ、重力によって落下する過程でエンジン3内の各部
の潤滑に供される。
【0051】一方、オイルと共にオイルタンク34内に
回収されたブローバイガスは、オイルタンク34内でオ
イルと分離され、吸気ボックス30内に発生する吸気負
圧に引かれてオイルタンク34内のベンチレーション室
S4からベンチレーションホース43を通って吸気ボッ
クス30に戻され、新気と共に吸気マニホールド26に
吸引されてエンジン3の各シリンダ15に吸引され、各
気筒の燃焼室での燃焼に供される。
【0052】而して、エンジン3内の各部の潤滑に供さ
れたオイルはクランク室S1内の底部に形成されたオイ
ル溜りに落下し、このオイルとクランク室S1内に漏れ
出たブローバイガスは前記と同様にオイルタンク34に
回収され、以下、同様の作用が繰り返されることによっ
てエンジン3の各部がオイルによって連続的に潤滑され
るとともに、エンジン3内に発生するブローバイガスが
吸気系に戻されて燃焼に供される。
【0053】ところで、滑走中の小型滑走艇1が何らか
の原因で転覆し、オイルタンク34の上下が逆転したた
めにオイルタンク34からベンチレーションホース43
にオイルが流れ込んで溜っても、転覆した小型滑走艇1
を元に戻せば、ベンチレーションホース43に溜ったオ
イルはオイル戻しホース45を通ってエンジン3のギヤ
室S3内に戻るため、オイルタンク34内のオイルの吸
気ボックス30への流入を確実に防ぐことができる。本
実施の形態では、ベンチレーションホース43の最下部
(オイル戻しホース45が分岐する三方管44の位置)
を小型滑走艇1の転覆時のオイルタンク34内の油面よ
り高い位置に設けたため、小型滑走艇1が転覆してもオ
イルが最下部(転覆時は最高部)を越えて吸気ボックス
30側に流れることはない。
【0054】又、本実施の形態では、ベンチレーション
ホース43のオイルタンク34との接続部である上流端
を船体中心線Lの右側(右舷側)に配置し、同ベンチレ
ーションホース43の少なくとも一部を船体中心線Lの
左側(左舷側)に延設したため、前述のように小型滑走
艇1が転覆し、オイルタンク34の上下が逆になったた
めにオイルタンク34からベンチレーションホース43
にオイルが流れ込んで溜っても、転覆した小型滑走艇1
をベンチレーションホース43の上流端が上になる方向
に回転させて元に戻せば、ベンチレーションホース43
に溜ったオイルは自重によってベンチレーションホース
43からオイルタンク34に戻ることとなり、この結
果、オイルタンク34内のオイルの吸気ボックス30へ
の流入が更に確実に防がれる。
【0055】更に、本実施の形態では、エンジン3の潤
滑方式としてドライサンプ方式を採用するため、オイル
タンク34の位置を任意に設定することができ、エンジ
ン3の全高を低く抑えて当該エンジン3の小型滑走艇1
を含む小型船舶への搭載自由度を高めることができる。
【0056】尚、オイル分離手段としての前記ベンチレ
ーション室S4は、図5に鎖線にて示すように、ベンチ
レーションホース43の途中或はベンチレーションホー
ス43の下流端の吸気ボックス30内に設けても良い。
【0057】又、図4に鎖線にて示すように、オイル戻
しホース45を前記フラマグカバー22に接続しても良
く、この場合、小型滑走艇1の転覆によってベンチレー
ションホース43に溜ったオイルはフラマグ室S2内に
戻される。
【0058】或は、図6に示すように、オイル戻しホー
ス45をオイル回収用パイプ40の回収用ポンプ32の
吸入側のオイルフィルタ50の上流側又は鎖線にて示す
ようにオイルフィルタ50の下流側(オイルフィルタ5
0と回収用ポンプ32の間)を接続しても良く、このよ
うな構成を採用すれば、ベンチレーションホース43の
最下部に溜ったオイルをオイルタンク34に速やかに回
収することができる。
【0059】又、図7に示すように、ベンチレーション
ホース43の途中にベンチレーション室S4を設け、こ
のベンチレーション室S4から導出するオイル戻しホー
ス45をオイル回収用パイプ40の回収用ポンプ32の
吸入側のオイルフィルタ50の上流側又は鎖線にて示す
ようにオイルフィルタ50の下流側(オイルフィルタ5
0と回収用ポンプ32の間)に接続しても、ベンチレー
ションホース43の最下部に溜ったオイルをオイルタン
ク34に速やかに回収することができる。
【0060】更に、本実施の形態では、ベンチレーショ
ンホース43によってオイルタンク34と吸気ボックス
30を連通させる構成を採用したが、図8に示すよう
に、エンジン3のヘッドカバー29内と吸気ボックス3
0とをベンチレーションホース43で連通せしめ、この
ベンチレーションホース43の最下部から分岐するオイ
ル戻しホース45をフラマグカバー22(或はギヤカバ
ー23)に接続するようにしても良い。或は、図示しな
いが、ベンチレーションホース43によってクランクケ
ース19と吸気ボックス30を連通させる構成を採用し
ても良い。
【0061】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態を図9に基づいて説明する。尚、図9はエンジンの潤
滑装置とベンチレーションシステムの構成を示すブロッ
ク図であり、本図においては図5に示したと同一要素に
は同一符号を付しており、以下、それらについての説明
は省略する。
【0062】本実施の形態に係るベンチレーションシス
テムは、オイルタンク34と吸気ボックス30とを連通
せしめるベンチレーションホース43のオイルタンク3
4側にチェックバルブ46を設け、図1及び図2に示す
小型滑走艇1の転覆時に前記チェックバルブ46を機械
的或は電気的に閉じるようにしたことをその特徴とす
る。
【0063】而して、小型滑走艇1の通常航走時には上
記チェックバルブ46は開いており、オイルタンク34
内に回収されたブローバイガスはベンチレーションホー
ス43を通って吸気ボックス30に戻されて吸気中に還
元される。
【0064】ところで、滑走中の小型滑走艇1が何らか
の原因で転覆し、オイルタンク34の上下が逆転して
も、前述のようにベンチレーションホース43に設けた
チェックバルブ46を転覆時には閉じるようにしたた
め、小型滑走艇1の転覆時にオイルタンク34内のオイ
ルがベンチレーションホース43を通って吸気ボックス
30に流れることがなく、オイルタンク34内のオイル
の吸気ボックス30への流入が確実に防がれる。
【0065】そして、転覆した小型滑走艇1が元に戻さ
れるとチェックバルブ46は再び開けられるため、オイ
ルタンク34内に回収されたブローバイガスはベンチレ
ーションホース43を通って吸気ボックス30に戻され
て吸気中に還元される。
【0066】尚、本実施の形態では、ベンチレーション
ホース43によってオイルタンク34と吸気ボックス3
0を連通させる構成を採用したが、図10に示すよう
に、エンジン3のヘッドカバー29内と吸気ボックス3
0とをベンチレーションホース43で連通せしめ、この
ベンチレーションホース43のヘッドカバー29側にチ
ェックバルブ46を設け、小型滑走艇1の転覆時に前記
チェックバルブ46を機械的或は電気的に閉じるように
しても良い。或は、図示しないが、ベンチレーションホ
ース43によってクランクケース19と吸気ボックス3
0を連通させる構成を採用しても良い。
【0067】<実施の形態3>以下に本発明の実施の形
態3を図11及び図12に基づいて説明する。尚、図1
1はエンジンの潤滑装置とベンチレーションシステムの
構成を示すブロック図、図12はエンジンとオイルタン
クの後面図であり、これらの図においては図3〜図5に
示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、そ
れらについての説明は省略する。
【0068】本実施の形態に係るベンチレーションシス
テムにおいては、オイル分離手段である第1のベンチレ
ーション室S41をオイルタンク34内の上部に配置す
るとともに、第2のベンチレーション室S42をオイル
タンク34外に設け、両ベンチレーション室S41,S
42同士をベンチレーションホース43aで接続してい
る。尚、第1のベンチレーション室S41は、その下面
がオイルタンク34内に開口している。
【0069】具体的には、図12に示すように、オイル
タンンクブラケット51にはボックス52が取り付けら
れており、該ボックス52の内部に前記第2のベンチレ
ーション室S42が形成されている。そして、前記第1
のベンチレーション室S41に開口する前記ベンチレー
ションホース43aは、オイルタンク34の上部から導
出し、その端部は前記ボックス52の上部に取り付けら
れて第2のベンチレーション室S42に開口している。
尚、ボックス52は、小型滑走艇の転覆時にオイルタン
ク34内の油面より高くなる位置に取り付けられてい
る。
【0070】そして、第2のベンチレーション室S42
は、ベンチレーションホース43bによって吸気ボック
ス30内に連通せしめられている。具体的には、図12
に示すように、一端が第2のベンチレーション室S42
に開口するベンチレーションホース43bは、前記ボッ
クス52の側部から導出し、その他端は吸気ボックス3
0の底部に接続されて吸気ボックス30内に開口してい
る。
【0071】又、前記第2のベンチレーション室S42
の下部は、オイル戻しホース45を介してオイル回収用
通路40の回収用ポンプ32の吸入側に接続されてい
る。具体的には、図12に示すように、一端が第2のベ
ンチレーション室S42の底部に開口するオイル戻しホ
ース45は、前記ボックス52の下部から導出し、その
他端はギヤカバー23の下部に接続され、ギヤカバー2
3に形成されたオイル通路53に連通している。
【0072】ここで、上記ギヤカバー23には、前記オ
イル通路53に連なるチャンバー54が形成されてお
り、このチャンバー54に回収用ポンプ32の吸入口3
2aが開口しており、回収用ポンプ32の吐出口32b
から上方に延びるオイル通路55は、オイルタンク34
内に立設されたオイル回収用通路40に接続されてい
る。尚、オイル回収用通路40は、オイル通路53とチ
ャンバー54及びオイル通路55で構成されている。
【0073】而して、本実施の形態においても、滑走中
の小型滑走艇が何らかの原因で転覆し、オイルタンク3
4の上下が逆転したために該オイルタンク34からベン
チレーションホース43a及び第2のベンチレーション
室S42にオイルが流れ込んで溜っても、転覆した小型
滑走艇を元に戻せば、ベンチレーションホース43a及
びベンチレーション室S42に溜ったオイルはオイル戻
しホース45を通ってオイル回収用通路40に戻るた
め、オイルタンク34内のオイルの吸気ボックス30へ
の流入が確実に防がれる。
【0074】そして、本実施の形態では、ブローバイガ
ス中に含まれるオイルミストは先ず第1のベンチレーシ
ョン室S41にてブローバイガスから分離された後、第
2のベンチレーション室S42によっても分離されるた
め、オイルの分離効率が高められる。
【0075】次に、本実施の形態の変形例を図13〜図
15にそれぞれ示す。尚、図13〜図14はエンジンの
潤滑装置とベンチレーションシステムの構成を示すブロ
ック図であり、これらの図においては図11に示したと
同一要素には同一符号を付している。
【0076】図13に示す例では、第1のベンチレーシ
ョン室S41をエンジン3のヘッドカバー29とをベン
チレーションホース43a,43dで接続するととも
に、ベンチレーションホース43aから分岐するベンチ
レーションホース43bによって第2のベンチレーショ
ン室S42に接続し、第2のベンチレーション室S42
をベンチレーションホース43cによって吸気ボックス
30に接続している。尚、第1のベンチレーション室S
41はオイルタンク34内に開口している。
【0077】而して、このベンチレーションシステムに
よれば、第1のベンチレーション室S41にてオイルが
分離されたブローバイガスは、一部がベンチレーション
ホース43a,43bから第2のベンチレーション室S
42に導入されてオイルが分離された後、ベンチレーシ
ョンホース43cから吸気ボックス30へと還元され、
残りはベンチレーションホース43dからヘッドカバー
29に回収される。そして、本例においても、ブローバ
イガス中のオイルは第1及び第2のベンチレーション室
S41,S42によって2段階に分離されるために該オ
イルの分離効率が高められるとともに、転覆した小型滑
走艇を元に戻せば、オイルはオイル戻しホース45から
オイル回収用通路40に戻されるため、吸気ボックス3
0側へのオイルの逆流が防がれる。
【0078】図14に示す例では、第1のベンチレーシ
ョン室S41をオイルタンク34外へ設置し、第2のベ
ンチレーション室S42をオイルタンク34内の上部に
設置し、オイルタンク34に回収されたブローバイガス
の一部をベンチレーションホース43a,43bを経て
第1のベンチレーション室S41に導入してオイルを分
離した後、第1のベンチレーション室S41にてオイル
が分離されたブローバイガスをベンチレーションホース
43cを経て第2のベンチレーション室S42に導入し
てオイル分を更に分離した後、このブローバイガスをベ
ンチレーションホース43dを経て吸気ボックス30に
還元するとともに、残りのブローバイガスをベンチレー
ションホース43eからヘッドカバー29に回収する構
成が採用されている。尚、本例の場合、第2のベンチレ
ーション室S42はオイルタンク34内に開口していな
い。
【0079】而して、本例においても、ブローバイガス
中のオイルは第1及び第2のベンチレーション室S4
1,S42によって2段階に分離されるために該オイル
の分離効率が高められるとともに、転覆した小型滑走艇
を元に戻せば、オイルはオイル戻しホース45からオイ
ル回収用通路40に戻されるため、吸気ボックス30側
へのオイルの逆流が防がれる。
【0080】図15に示す例では、第1及び第2のベン
チレーション室S41,S42をオイルタンク34内の
上部に設置した点が図14に示した例と異なり、他の構
成は図14に示したそれと同じである。従って、本例に
おいても、前記効果と同様の効果が得られる。尚、本例
においては、第1のベンチレーション室S41はオイル
タンク34内に開口しているが、第2のベンチレーショ
ン室S42はオイルタンク34内に開口していない。
【0081】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、小型船舶が転覆し、例えばオイル
タンクの上下が逆になったためにオイルタンクからベン
チレーション通路にオイルが流れ込んで溜っても、転覆
した小型船舶を元に戻せば、ベンチレーション通路に溜
ったオイルはオイル戻し通路を通ってエンジン本体内に
戻るため、オイルタンク内のオイルの吸気系への流入を
確実に防ぐことができるという効果が得られる。
【0082】請求項2記載の発明によれば、オイル戻し
通路の下端をオイルポンプの吸入口に連なるオイル通路
に連通せしめたため、ベンチレーション通路に溜ったオ
イルを速やかに回収することができるという効果が得ら
れる。
【0083】請求項3又は4記載の発明によれば、ベン
チレーション通路の上流端を船体中心の左右一側に配置
し、同ベンチレーション通路の少なくとも一部を左右他
側に延設したため、小型船舶が転覆し、例えばオイルタ
ンクの上下が逆になったためにオイルタンクからベンチ
レーション通路にオイルが流れ込んで溜っても、転覆し
た小型船舶をベンチレーション通路の上流端が上になる
方向に回転させて元に戻せば、ベンチレーション通路に
溜ったオイルは自重によってベンチレーション通路から
オイルタンクに戻ることとなり、これによってオイルタ
ンク内のオイルの吸気系への流入が確実に防がれるとい
う効果が得られる。
【0084】請求項5記載の発明によれば、ベンチレー
ション通路の最下部(オイル戻し通路が分岐する位置)
を小型船舶の転覆時のオイルタンク内の油面より高い位
置に設けたため、小型船舶が転覆してもオイルが最下部
(転覆時は最高部)を越えての吸気系への流れを防ぐこ
とができるという効果が得られる。
【0085】請求項6記載の発明によれば、ベンチレー
ション通路に設けたチェックバルブを小型船舶の転覆時
に閉じるようにしたため、小型船舶の転覆時にオイルタ
ンクの上下が逆転しても、該オイルタンク内のオイルが
ベンチレーション通路を通って吸気系に流れることがな
く、オイルタンク内のオイルの吸気系への流入を確実に
防ぐことができるという効果が得られる。
【0086】請求項7記載の発明によれば、オイル戻し
通路の下流端をオイルポンプの吸入口に連なるオイル通
路に連通せしめたため、小型船舶が転覆してオイルがオ
イル戻し通路に多量に溜っても、この溜ったオイルを速
やかに回収することができるという効果が得られる。
【0087】請求項8又は9記載の発明によれば、ブロ
ーバイガス中に含まれるオイルミストは複数のオイル分
離手段によってブローバイガスから除去されるため、オ
イルの分離効率が高められるという効果が得られる。
【0088】請求項10記載の発明によれば、潤滑方式
としてドライサンプ方式を採用するため、オイルタンク
の位置を任意に設定することができ、エンジンの全高を
低く抑えて当該エンジンの小型船舶への搭載自由度を高
めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型滑走艇の側面図である。
【図2】小型滑走艇の平面図である。
【図3】本発明に係るベンチレーションシステムを備え
るエンジンの斜視図である。
【図4】本発明に係るベンチレーションシステムを備え
るエンジンの破断側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るベンチレーション
システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るベンチレーション
システムにおけるオイル戻しホースの他の接続形態を示
す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るベンチレーション
システムにおけるオイル戻しホースの他の接続形態を示
す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係るベンチレーション
システムの変形例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るベンチレーション
システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るベンチレーショ
ンシステムの変形例を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るベンチレーショ
ンシステムを示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るベンチレーショ
ンシステムを備えるエンジンとオイルタンクの後面図で
ある。
【図13】本発明の実施の形態3に係るベンチレーショ
ンシステムの変形例を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係るベンチレーショ
ンシステムの変形例を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係るベンチレーショ
ンシステムの変形例を示すブロック図である。
【図16】従来のベンチレーションシステムの構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 小型滑走艇(小型船舶) 3 エンジン(小型船舶用エンジン) 19 クランクケース 29 ヘッドカバー 30 吸気ボックス(吸気系) 32 回収用ポンプ(オイルポンプ) 33 圧送用ポンプ 34 オイルタンク 40 オイル回収用パイプ(オイル回収用通
路) 41 オイル圧送用パイプ 43 ベンチレーションホース(ベンチレー
ション通路) 43a〜43e ベンチレーションホース(ベンチレー
ション通路) 45 オイル戻しホース(オイル戻し通路) 46 チェックバルブ S4 ベンチレーション室(オイル分離手
段) S41 第1のベンチレーション室(第1のオ
イル分離手段) S42 第2のベンチレーション室(第2のオ
イル分離手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B63H 11/08 B63H 11/08 A F01M 11/00 F01M 11/00 S 11/02 11/02 13/04 13/04 C Fターム(参考) 3G015 AA16 BB01 BD01 BD13 BD24 BD26 BE03 BE13 BE15 BF05 BF06 CA06 CA16 DA02 DA10 EA14 EA26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブローバイガス中からオイルミストを分
    離するオイル分離手段と吸気系とをベンチレーション通
    路で連通せしめて成る小型船舶用エンジンのベンチレー
    ションシステムにおいて、 前記ベンチレーション通路の最下部をオイル戻し通路を
    介してエンジン本体内に連通せしめたことを特徴とする
    小型船舶用エンジンのベンチレーションシステム。
  2. 【請求項2】 前記オイル戻し通路の下端をオイルポン
    プの吸入口に連なるオイル通路に連通せしめたことを特
    徴とする請求項1記載の小型船舶用エンジンのベンチレ
    ーションシステム。
  3. 【請求項3】 前記ベンチレーション通路の上流端を船
    体中心の左右一側に配置し、同ベンチレーション通路の
    少なくとも一部を左右他側に延設したことを特徴とする
    請求項1又は2記載の小型船舶用エンジンのベンチレー
    ションシステム。
  4. 【請求項4】 ブローバイガス中からオイルミストを分
    離するオイル分離手段と吸気系とをベンチレーション通
    路で連通せしめて成る小型船舶用エンジンのベンチレー
    ションシステムにおいて、 前記ベンチレーション通路の上流端を船体中心の左右一
    側に配置し、同ベンチレーション通路の少なくとも一部
    を左右他側に延設したことを特徴とする小型船舶用エン
    ジンのベンチレーションシステム。
  5. 【請求項5】 前記ベンチレーション通路の最下部を小
    型船舶の転覆時の前記オイルタンク内の油面より高くな
    る位置に設定したことを特徴とする請求項1〜3又は4
    記載の小型船舶用エンジンのベンチレーションシステ
    ム。
  6. 【請求項6】 ブローバイガス中からオイルミストを分
    離するオイル分離手段と吸気系とをベンチレーション通
    路で連通せしめて成る小型船舶用エンジンのベンチレー
    ションシステムにおいて、 前記ベンチレーション通路にチェックバルブを設け、小
    型船舶の転覆時に前記チェックバルブを閉じるようにし
    たことを特徴とする小型船舶用エンジンのベンチレーシ
    ョンシステム。
  7. 【請求項7】 ブローバイガス中からオイルミストを分
    離するオイル分離手段を介してオイルタンク、ヘッドカ
    バー又はクランクケースと吸気系とを連通せしめて成る
    小型船舶用エンジンのベンチレーションシステムにおい
    て、 前記オイル分離手段からエンジン本体内にオイルを戻す
    オイル戻し通路の下流端をオイルポンプの吸入口に連な
    るオイル通路に連通せしめたことを特徴とする小型船舶
    用エンジンのベンチレーションシステム。
  8. 【請求項8】 前記オイル分離手段を複数設け、該オイ
    ル分離手段の1つに前記オイル戻し通路の上流端を接続
    したことを特徴とする請求項7記載の小型船舶用エンジ
    ンのベンチレーションシステム。
  9. 【請求項9】 前記オイルタンク内に第1のオイル分離
    手段を設け、オイルタンク外に第2のオイル分離手段を
    設け、第1のオイル分離手段によってオイルミストが分
    離されたブローバイガスを第2のオイル分離手段に導く
    とともに、該第2のオイル分離手段に前記オイル戻し通
    路の上流端を接続したことを特徴とする請求項8記載の
    小型船舶用エンジンのベンチレーションシステム。
  10. 【請求項10】 前記クランクケース内の底部に溜った
    オイルを回収用ポンプでオイルタンクに送り込み、オイ
    ルタンク内のオイルを圧送用ポンプでエンジン内を循環
    させて各部の潤滑を行うことを特徴とする請求項1〜8
    又は9記載の小型船舶用エンジンのベンチレーションシ
    ステム。
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