JP2803033B2 - 4サイクル船外機の潤滑装置 - Google Patents

4サイクル船外機の潤滑装置

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JP2803033B2
JP2803033B2 JP8112111A JP11211196A JP2803033B2 JP 2803033 B2 JP2803033 B2 JP 2803033B2 JP 8112111 A JP8112111 A JP 8112111A JP 11211196 A JP11211196 A JP 11211196A JP 2803033 B2 JP2803033 B2 JP 2803033B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクル船外機
の潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4サイクル船外機として、内燃機
関の潤滑必要部を潤滑した後の潤滑油を受けるとともに
貯溜するオイル溜室を機関本体の下方に配置し、このオ
イル溜室内に吸上げポンプの吸込み口を開口し、潤滑油
を吸上げポンプにて内燃機関の潤滑必要部に供給する、
ウエットサンプ式の潤滑方式を採用したものがある。こ
のウエットサンプ式において、オイル溜室は、クランク
室やカム室と常時開口したオイル戻り油路で連通してお
り、内燃機関の潤滑必要部を潤滑した後の潤滑油を自然
落下により殆ど抵抗なく受け入れて回収し、これを貯溜
し、その後再循環して再使用していた。こうした4サイ
クル船外機を寒冷時に冷機始動をしようとするとき、低
温のため潤滑油の粘性が高く、潤滑が困難となり、船外
機の耐久性が悪化する場合がある。
【0003】小型の4サイクル船外機では、内燃機関の
シリンダ部を前後方向の推進軸線に対し平面視で左右の
一方に所定角度傾斜させ、シリンダ部が傾斜した側方の
反対側に気化器を配置し、排気管を略推進軸線の下方に
配置することが行われていた(例えば、特開昭60−3
8292号公報参照)。こうした配置により、内燃機関
及び補機類を合理的に配設し、かつ外形のコンパクト化
を図ろうとした。しかし、4サイクル船外機の高速化及
び高性能化のために内燃機関の気筒数を多くすると、排
気管をシリンダ部から直接下方へ延ばすことができなく
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、4サイクル
船外機の潤滑装置において、寒冷時の潤滑が円滑に行わ
れ、かつ吸気装置及び排気通路を合理的に配設して外形
のコンパクト化を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸上ポンプの
吸込み口をオイル溜室内に開口し、吸上げポンプにより
送油路を介してオイル溜室内の潤滑油を内燃機関の潤滑
必要部へ供給し、内燃機関の潤滑必要部を潤滑した後の
潤滑油をオイル溜室に流入させる4サイクル船外機の潤
滑装置において、縦置きのクランク軸とカム軸とを前後
の関係となるように配置し、排気通路と吸気装置とを機
関本体の左側又は右側にそれぞれ振り分けて(例えば、
排気通路を左側、吸気装置を右側に振り分け、又は排気
通路を右側、吸気装置を左側に振り分けて)配設し、前
記送油路に接続したオイルフィルタを排気通路と同一側
のシリンダブロック固定したことを第1の構成とす
る。本発明は、第1の構成において、排気通路をシリン
ダブロックと一体に形成し、オイルフィルタの下流の分
配側送油路及びオイルフィルタの上流のポンプ側送油路
を排気通路と同一側のシリンダブロックに形成したこと
を第2の構成とする。本発明は、第1の構成又は第2の
構成において、オイルフィルタ本体のシリンダブロック
との固定面以外の面と、シリンダブロックとの間には所
定の間隔があり、オイルフィルタ本体と排気通路との間
には空所が存在することを第3の構成とする。本発明
は、第1の構成ないし第3の構成において、吸気装置が
シリンダヘッドの側部からシリンダブロックとクランク
ケースの合面の側部に延びたことを第4の構成とする。
本発明は、第1の構成ないし第4の構成において、前記
吸気装置を吸気マニホールド又は気化器となしたことを
第5の構成とする。本発明は、第1の構成ないし第5の
構成において、排気通路が縦置きに配置され縦方向に延
びたことを第6の構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図8は本発明の実施の形態
1を示す。船外機10は、図1に示す如く、船体11にクラ
ンプブラケット12を取付け、クランプブラケット12にチ
ルト軸13を介してスイベルブラケット14を傾動可能に支
持し、スイベルブラケット14に不図示の転舵軸を介して
推進ケーシング15を転舵可能に支持している。推進ケー
シング15の上部には板状の中間部材16を介して、4サイ
クル内燃機関17が搭載されている。10Aはカウリングで
ある。内燃機関17の出力は、推進ケーシング15内に垂設
されているドライブ軸18、前後進切換歯車列19を介して
プロペラ軸20に伝達され、プロペラ21を前進回転若しく
は後進回転可能としている。
【0007】内燃機関17は、図2、図3に示す如く、4
サイクル4気筒内燃機関であり、シリンダブロック22、
クランクケース23、シリンダヘッド24及びヘッドカバー
25によって機関本体を形成している。シリンダブロック
22には、4つの気筒が横置きされ、各気筒にはピストン
26が水平方向に往復動可能に配置されている。シリンダ
ブロック22及びシリンダヘッド24がピストン26の頂面側
に形成する空間は燃料室27とされている。シリンダブロ
ック22及びクランクケース23がピストン26の背面側に形
成する空間はクランク室28とされている。クランク室28
には、シリンダブロック22とクランクケース23の合面部
に形成されている軸受部に支持されるクランク軸29が縦
置きされ、クランク軸29の下端部には前記ドライブ軸18
の上端部が連結されている。なお、30はピストン26とク
ランク軸29とを連結する連接棒である。
【0008】シリンダヘッド24とヘッドカバー25が形成
する空間はカム室31とされている。カム室31には、カム
軸32が縦置きされ、カム軸32の上下端部をシリンダヘッ
ド24に支持している。なお、図3において、33は吸気カ
ム、34は排気カム、35はロッカーアームである。また、
クランク軸29のクランク室28から突出する端部に設けら
れる駆動車36と、カム軸32のカム室31から突出する端部
に設けられる従動車37とには、ベルト38が巻き回され、
クランク軸29の2回転でカム軸32を1回転し、不図示の
吸気弁と排気弁を開閉操作するように構成している。
【0009】実施の形態1では、内燃機関17はドライサ
ンプ式の潤滑装置を構成するため、図1〜図3に示す如
く、シリンダブロック22の下方に位置する中間部材16に
オイル受け41を配置するとともに、クランクケース23の
側方ないし前方にオイルタンク42を配置し、更にシリン
ダブロック22の下部側面にポンプ装置43を配置してい
る。オイル受け41は中間部材16における、クランク軸29
に近接する位置に設定されている。シリンダブロック22
にはクランク室28からオイル受け41に延びるオイル戻り
路44が形成され、シリンダヘッド24とシリンダブロック
22にはカム室31からオイル受け41に延びるオイル戻り路
45が形成され、両オイル戻り路44、45はオイル受け41の
上部にて相合流し、シリンダブロック22と中間部材16と
の間に挟持されている濾過及び泡分離用のスクリーン46
を介してオイル受け41に連通する。即ち、機関の各潤滑
必要部を潤滑した後の潤滑油は、自然落下によりオイル
戻り路44、45を流下し、スクリーン46を経てオイル受け
41に集まる。
【0010】オイルタンク42はオイル流入路47及びオイ
ル流出路48を備えるとともに、オイル流出路48の吸込み
口48Aより上位のタンク内中間部に位置するスクリーン
49を備えている。オイル流入路47の吐出口47Aはタンク
内油面より上方に突出するように設定されており、吸込
み口48Aより上方に離間されているので、オイルタンク
42へ流入する潤滑油の気液分離に有効である。また、ス
クリーン49は濾過及び泡分離用であり、異物と気泡がオ
イル流出路48への吸込み口側に流れ込むのを防止する。
なお、オイルタンク42はオイル注入口キャップ兼オイル
レベルゲージ50を備えている。更に、オイルタンク42は
タンク内油面或いはタンク内圧の上昇時にタンク内空気
をカム室31の上部空間へ逃がすためのエアブリード管51
を付帯して備え、オイルタンク42に対するエアブリード
管51の接続部に、推進ケーシング15の傾動によるオイル
タンク42の転倒時等におけるオイル漏出を防止するため
逆止弁52を備えている( 図2(b) 参照)。逆止弁52の開
弁圧はばねにて設定される。
【0011】ポンプ装置43は、図4、図5に示す如く、
クランク軸29の下端部まわりに設置され、送油ポンプ53
と潤滑ポンプ54をポンプ本体43A内に2段重ね状態で備
え、両者に共通となるポンプ軸55をクランク軸29の回転
力により駆動せしめる。即ち、ポンプ軸55にはポンプ軸
駆動軸56が結合され、ポンプ軸駆動軸56にはドリブン歯
車57が固定され、ドリブン歯車57はクランク軸29に設け
られているドライブ歯車58と噛合いされている。送油ポ
ンプ53は、図4に示す如く、ポンプ本体43A及びシリン
ダブロック22に設けた吸込み路59が連なる吸込み口60を
オイル受け41に開口するとともに、ポンプ本体43Aに設
けた吐出路61Aを、シリンダブロック22に設けた吐出路
61Bに連通し、吐出路61Bをオイルタンク42のオイル流
入路47に連通し、ポンプ軸55に固定されたローター62の
回転によりオイル受け41の潤滑油を圧送してオイルタン
ク42に供給する。このとき、ポンプ本体43A内の吐出路
61Aには逆止弁63が設けられ、船外機10の横置きとき等
にオイルタンク42内の潤滑油がオイル受け41側へ逆流す
るのを防止している。逆止弁63の開弁圧はばねにて設定
されている。
【0012】潤滑ポンプ54は、図5に示す如く、ポンプ
本体43A及びシリンダブロック22に設けた吸込み路64を
オイルタンク42のオイル流出路48に連通するとともに、
ポンプ本体43Aに設けた吐出路65をシリンダブロック22
及びシリンダヘッド24に設けた送油路66に連通し、ポン
プ軸55に固定されたローター67の回転によりオイルタン
ク42の潤滑油を上記送油路66へ圧送して機関の潤滑必要
部(クランク軸29の軸受、カム軸32の軸受等)へ供給す
る。この時、ポンプ本体43A内の吐出路65には逆止弁68
が設けられ、送油路66に送油された潤滑油がローター67
の側に逆流するのを防止するとともに、ばねにて設定さ
れた該逆止弁68の閉弁圧により、機関停止に伴う潤滑ポ
ンプ54停止状態での船外機10の横置き時等にオイルタン
ク42から送油路66の側への順方向の潤滑油の流れを防止
する。
【0013】送油路66は、図2に示す如く、シリンダブ
ロック22の下部に位置する潤滑ポンプ54の吐出路65に接
続されて該接続点から上方に延びるポンプ側送油路66A
と、ポンプ側送油路66Aの上端部にオイルフィルタ69を
介して接続されて該オイルフィルタ69から上下に延びる
分配側送油路66Bとを有し、更に分配側送油路66Bの各
部から分岐して機関の各潤滑必要部へ向けて延びる分岐
送油路66Cを有する。クランク軸上端の軸受部とカム軸
32の油穴32Aの間には、転送用送油路66Dが配置され
る。最上位の分岐送油路66Cの潤滑油はクランク軸上端
軸受部、カム軸上端軸受部、カム面及びカム軸下端軸受
部等を潤滑する。オイルフィルタ69へのポンプ側送油路
66Aには調圧用のリリーフ弁70が設けられており、リリ
ーフ弁70はポンプ側送油路66Aの高圧をクランク室28へ
逃がすことにてオイルフィルタ69を保護する。
【0014】ポンプ側送油路66Aの上端部は、オイルタ
ンク42に開口する潤滑用吸込み口48Aと、送油路66の各
分岐送油路66Cが潤滑必要部に開口する潤滑用吐出口と
を結ぶオイル通路の中間部であって、オイルタンク42の
通常使用状態下での最高油面レベルより上方に配置され
ている。オイル受け41に潤滑油を滞溜する量を少なく
し、その分オイルタンク42内の潤滑油量を多くすること
により、チルトアップ後ダウン時の再始動時の潤滑不良
を防止することができる。このためには潤滑油をオイル
タンク42からオイル受け41へ循環させるための潤滑ポン
プのポンプ性能より、オイル受け41よりオイルタンク42
へ潤滑油を戻す送油ポンプのポンプ性能を高める必要が
ある。また、オイル受け41側の潤滑油の方がオイルタン
ク42側より空気を多く含む分、よりポンプ性能を高める
必要がある。このため、送油ポンプ53のローター厚さ
(容量)を潤滑ポンプ54のローター厚さ(容量)より大
きくしている。なお、送油ポンプ53によってオイルタン
ク42へ送られる空気はタンク内圧を高め、空気は既述の
エアブリード管51へ排出される。
【0015】船外機10にあっては、潤滑ポンプ54に連な
る潤滑用吸込み口48Aを機関運転時にはオイルタンク42
内の油面より下位に浸すように構成している。また、図
8に示す如くの推進ケーシング15のチルトアップ時、或
いは図1の保管床G上への図7に示す如くの横置き時
に、送油ポンプ53に連なる送油用吸込み口60或いは及び
送油用吐出口47Aをオイルタンク42内の油面より上位に
するとともに、潤滑ポンプ54に連なる潤滑用吸込み口48
A或いは及び分岐送油路66Cの潤滑用潤滑口をオイルタ
ンク42内の油面より上位にするように構成している。
【0016】船外機10は、図1に示す如く、ドライブ軸
18により駆動される水ポンプ71を推進ケーシング15に内
蔵し、内燃機関17に連動して駆動されるこの水ポンプ71
により、水取入口72から取り入れた外水を水供給管73に
より内燃機関17の水ジャケット74に供給し、内燃機関17
を水冷する。図6に示されるとおり、排気通路75はシリ
ンダブロック22の左側に突出してシリンダブロック22と
一体に形成され、排気通路75のまわりには水ジャケット
74が配設されている。シリンダブロック22の突出部の左
側にオイルフィルタ69が固定され、オイルフィルタ69に
は潤滑油がシリンダブロック22のポンプ側送油路66Aか
ら流入し、シリンダブロック22の分配側送油路66Bへ流
出する。オイルフィルタ69が固定された突出部と、排気
通路75が形成された突出部分との間には空所22Aが形成
されている。また、オイルフィルタ69本体のシリンダブ
ロック22との固定面以外の面と、シリンダブロック22と
の間には所定の間隔があり、オイルフィルタ69本体と排
気通路75との間には空所が存在する。オイルフィルタ69
と排気通路75との間には、水ジャケット74及び空所22A
からなる断熱部が存在する。
【0017】クランク軸29とカム軸32とは前後の関係と
なるように配置され、図6・図7(a) に示されるよう
に、排気通路75と吸気装置は機関本体の左側又は右側に
それぞれ振り分けて配設され、また排気通路75は縦置き
に配置されて縦方向に延びている。吸気装置の吸気マニ
ホールド76、気化器77及び吸気ファンネル78が図示され
ている。吸気装置はシリンダヘッド24の側部からシリン
ダブロック22とクランクケース23の合面の側部に延びて
いる。79は始動モーターである。また、オイルタンク42
は、図7(a) の如くの形状でも、図7(b) の如くの形状
でも良い。
【0018】次に、本発明の実施の形態1の作用につい
て説明する。上記実施の形態1にあっては、機関の潤滑
必要部を潤滑した後の潤滑油を受けるオイル受け41とは
別に、該オイル受け41から移送される潤滑油を貯留する
オイルタンク42を備えるようにした。従って、オイル受
け41はオイル戻り路44、45の簡素化等のために機関本体
に比較的近接配置するとしても、オイルタンク42は機関
本体及び排気膨張室が配置される推進ケーシングから離
間して配置できる。これにより、オイルタンク42は機関
の燃焼熱及び排気熱による昇温化を抑制され、このオイ
ルタンク42に貯留される潤滑油の油温上昇を可及的に抑
制できる。更に、チルトアップダウン後の再始動後にお
ける潤滑不良を防止することができる。
【0019】チルトアップ時のみでなくチルトダウン時
においても、潤滑用吸込み口48Aと潤滑用吐出口とを結
ぶオイル通路の中間部としての、ポンプ側送油路66Aの
上端部が、オイルタンク42内の油面レベルより上方に配
置されている。従って、船外機10がチルトダウンないし
チルトアップの通常の使用姿勢にあってオイルタンク42
の油面レベルが通常レベルにある限り、潤滑ポンプ54の
停止時に、オイルタンク42内の潤滑油が上記オイル通路
の中間部を乗越える如くにて機関の潤滑必要部へ漏出す
ることはない。このことは、船外機10がチルトアップ保
持後チルトダウンして直ちの再始動時或いは逆止弁68が
故障した時でチルトダウン放置後の再始動時におけるピ
ストン26の破損等を回避できることを意味する。
【0020】上記実施の形態1にあっては、上述の潤滑
用吸込み口48Aと潤滑用吐出口とを結ぶオイル通路の中
間部としてのポンプ側送油路66Aの上端部に、オイルフ
ィルタ69を介して下方のみでなく上方にも延びる分配側
送油路66Bを連結している。これにより、潤滑ポンプ54
の停止時点からチルトアップ及びチルトダウン放置時、
サイホン現象によりポンプ側送油路66Aから分配送油路
66Bへの油の流れが継続しようとしても、上方に延びる
分配側送油路66Bに連通している最上位の分岐送油路66
Cの潤滑用吐出路が機関の潤滑必要部に開口しているこ
とから、この分岐送油路66Cを経て送油路66に導入され
る空気が上記サイホン現象の継続を断ち切り、その時点
以後の油の漏出を防止する。
【0021】上記実施の形態1にあっては、リリーフ弁
70が、タンク内油面レベルより上方のポンプ側送油路66
Aの上端部に設けられており、そのリリーフ弁70に異物
を噛み込んだ状態で放置しても、オイルタンク42の潤滑
油が機関の潤滑必要部へ漏出するのを防止できる。チル
ト軸13のより近くにオイルタンク42を配置すれば、潤滑
用吐出口をチルト軸13より後方に配置しているので、チ
ルトアップにより潤滑用吐出口全てをチルトアップ時に
おける油面より上方に位置することが可能となる。この
場合には中間部がオイルレベルより上位になくても良
い。この場合チルトアップ荷重が軽減される効果もあ
る。
【0022】船外機10を船体11より外し地面に横置きし
た時、潤滑油の吸込み口48Aと潤滑油の吐出口とを結ぶ
オイル通路の中間部を、船外機横置き時のオイルタンク
内の油面レベルより上方に配置するようにすれば、横置
き後直ちに船外機10を船体11に取付け再始動するとして
も、潤滑油不足となること或いはピストン破損等の不都
合を防ぐことができる。
【0023】上記実施の形態1にあっては、船外機10の
チルトアップ時、或いは横置き時、下記(A)の、
が達成されるから、オイルタンク42内の潤滑油が送油ポ
ンプ53を連通して機関本体側に流れることがない。ま
た、(B)の、が達成されるから、オイルタンク42
内の潤滑油が潤滑ポンプ54を連通して機関本体に流れる
ことがない。 (A) 送油ポンプ53に連なりオイルタンク42に開口
する送油用吐出口47Aがオイルタンク42内の油面より上
位にある場合には、送油用吸込み口60のレベルが如何様
であっても、該タンク42内の潤滑油が送油ポンプ53を連
通して機関本体側に流れることがない。 送油ポンプ53に連なりオイル受け41に開口する送油
用吸込み口60がオイルタンク42内の油面より上位にある
場合には、送油用吐出口47Aのレベルがオイルタンク42
内の油面より下位にあっても、サイホン現象を生ずるこ
とがなく、該タンク42内の潤滑油が送油ポンプ53を連通
して機関本体側に流れることはない。 (B) 潤滑ポンプ54に連なりオイルタンク42に開口
する潤滑用吸込み口48Aがオイルタンク42内の油面より
上位にある場合には、分岐送油路66Cの潤滑油吐出口の
レベルが如何様であっても、該タンク42内の潤滑油が送
油ポンプ54を通過して機関本体側に流れることはない。 潤滑ポンプ54に連なる分岐送油路66Cの潤滑用吐出
口がオイルタンク42内の油面より上位にある場合には、
潤滑用吸込み口48Aのレベルがオイルタンク42内の油面
より下位にあっても、サイホン現象を生ずることがな
く、該タンク42内の潤滑油が送油ポンプ54を通過して機
関本体側に流れることはない。
【0024】この実施の形態1にあっては、オイル受け
41の潤滑油をオイルタンク42に移送する送油ポンプ53の
回転軸と、オイルタンク42の潤滑油を機関の潤滑必要部
へ供給する潤滑ポンプ54の回転軸とが、ポンプ軸55にて
相共通化されることにより同軸一体回転せしめられるか
ら、ポンプ駆動装置を簡便化できる。即ち、コンパクト
な構造により、潤滑油の油温上昇を可及的に抑制し、常
に安定した潤滑作用を営むことができる。
【0025】上記船外機10にあっては、オイルタンク42
をクランクケース23の側方ないし前方、従って、船外機
10の前方船体側に配置したから、チルト軸13に近く、推
進ケーシング15を傾動操作するための操作力が低減す
る。また、上記船外機10にあっては、オイルタンク42を
推進ケーシング15の外に設けたから、オイルタンク42を
推進ケーシング15内の排気と排水の雰囲気にさらすこと
がなくオイルタンク42の腐食を防止でき、かつ推進ケー
シング15の内部を広い排気昇温スペースとして利用でき
る。
【0026】上記実施の形態1においては、内燃機関17
の潤滑必要部からオイル戻り路44、45を自然落下する非
定常流状態の潤滑油は、その非定常流過程で空気を巻き
込み大小様々な気泡を含んだ状態でオイル受け41に流入
する。この時、上記実施の形態1にあっては、オイル戻
り路44、45がオイル受け41に連なるオイル戻り口部にス
クリーン46を設けた。このため、潤滑油中の異物が上記
スクリーン46にて捕捉されることは勿論であるが、潤滑
油中に巻込んだ気泡もオイル口部を緩やかに自然落下す
る過程で上記スクリーン46に捕捉され通過が防止され
る。
【0027】上記実施の形態1にあっては、オイル受け
41の下流側に位置するオイルタンク42の中間部にもスク
リーン49を設けた。このため、オイル受け41のスクリー
ン46で捕捉しきれなかった気泡がオイルタンク42に送り
込まれたとしても、この気泡はオイルタンク42内で浮遊
する過程で上記スクリーン49に捕捉され通過が防止され
る。従って、機関の潤滑必要部を潤滑した後にオイル受
け41に回収される潤滑油中の異物及び気泡を確実に濾過
及び泡分離し、この濾過及び泡分離された潤滑油をポン
プ装置43により機関の潤滑必要部へ再供給することによ
り、安定した潤滑性能を確保することができる。なお、
スクリーン46はシリンダブロック22と中間部材16との間
に扶持される状態で取り付けられるので、取付容易であ
る。
【0028】この実施の形態1のオイルタンク42は、該
オイルタンク42の油面がポンプ装置43の後述する潤滑ポ
ンプ54の下方かつ側方領域外、即ち潤滑ポンプ54の上方
領域に位置するように配置される。上記実施の形態1に
よれば、前述の如く、オイルタンク42は、該オイルタン
ク42の油面が潤滑ポンプ54の下方かつ側方領域外、即ち
潤滑ポンプ54の上方領域に位置するように配置される。
従って、潤滑ポンプ54とオイルタンク42の間に吸い上げ
管がなく(吸引路としてのオイル流出路48はある)、潤
滑ポンプ54には常にオイルタンク42の油面ヘッド圧が作
用する。従って、船外機10の保管中にも、オイル切れそ
のものが起こることなく、機関始動時に直ち潤滑油を供
給できる。なお、更に、推進ケーシング15内に、中間部
材16によって形成される不図示の排気膨張室と隔離され
たカウリング10A内のチルト軸寄りに、オイルタンク42
を配置したので、油温上昇を抑制できるとともに、チル
トアップ荷重の軽減も可能である。
【0029】上記実施の形態1によれば、4サイクル船
外機10において、機関の始動後直ちに潤滑油を供給で
き、常に安定した潤滑作用を営むことができる。更に、
チルトアップダウン後の再始動後における潤滑不良を防
止することができる。なお、上記実施の形態1におい
て、送油ポンプ53の送油系統では常時オイル切れが発生
する。然しながら、送油ポンプ53がオイルタンク42に空
気を送ることがあっても、オイルタンク42では前述の如
く気液分離作用が営まれ、潤滑ポンプ54は空気の混入の
ない潤滑油を送油できるので問題ない。即ち、オイル切
れによる空気流入で問題となるのはオイルタンク42から
潤滑ポンプ54を経由して機関の潤滑必要部へ至る送油経
路であるが、本実施の形態1はこの問題の発生を上述の
如くにて回避できる。
【0030】上記実施の形態1によれば、(a) オイルタ
ンク42に連通してオイル受け41内の潤滑油を外オイルタ
ンク42に移送するオイル導入経路に、逆止弁63が設けら
れるとともに、(b) オイルタンク42に連通して該オイル
タンク42内の潤滑油を機関の潤滑必要部へ供給するオイ
ル排出経路に、潤滑ポンプ54の停止時には閉じる逆止弁
68が設けられる。従って、船外機10の保管状態では、オ
イルタンク42からオイル導入経路を逆流しようとする潤
滑油の流れは上記(a) の逆止弁63により阻止され、オイ
ルタンク42からオイル排出経路を順方向に漏出しようと
する潤滑油の流れは上記(b) の逆止弁68により阻止さ
れ、何れの経路からも潤滑油の流出を許すことがない。
従って、船外機10が各種の姿勢を採る時でも、オイルタ
ンク42の貯留潤滑油が燃焼室27に侵入することを防止で
きる。このことは、船外機10の再始動時におけるピスト
ン26の破損等を回避できることを意味する。
【0031】推進ケーシング15内に、中間部材16によっ
て形成される不図示の排気膨張室と隔離されたカウリン
グ10A内のチルト軸寄りにオイルタンク42を配置したの
で、油温上昇を抑制できるとともに、チルトアップ荷量
の軽減も可能である。また、チルトアップ保管後のチル
トダウン後すぐの再始動時において潤滑油不足に陥るこ
ともない。
【0032】図9〜図11は、本発明の実施の形態2を示
す。船外機110 は、図9〜図11に示す如く、前記船外機
10と略同様であるため、同一機能部分は同一符号を付し
て説明を省略する。この船外機110 が前記船外機10と実
質的に異なる部分は以下の通りである。即ち、船外機11
0 は、ポンプ側送油路66Aの中間部を、シリンダブロッ
ク22の排気通路75まわり及びシリンダヘッド24の燃焼室
まわりに設けた水ジャケット74の外面部に添設し、水ポ
ンプ71が圧送する冷却水によりこの送油路66Aを冷却す
る冷却部81としている。なお、機関17を水冷した冷却水
はサーモスタット弁74Aを経て、水排出管74Bから推進
ケーシング15の内部の排水路に導かれ、その後プロペラ
21のボス部から外部に排出される。
【0033】次に、上記実施の形態2の作用について説
明する。上記実施の形態2にあっては、水ポンプ71が圧
送する冷却水により、ポンプ側送油路66Aを冷却する冷
却部81が設けられる。従って、機関17を潤滑する潤滑油
はこの冷却部81にて積極的に冷却され、その劣化が防止
される。この実施の形態2においても、前記実施の形態
1におけると同様に、潤滑ポンプ54に連なる潤滑用吸込
み口48Aを機関運転時にはオイルタンク42内の油面より
下位に浸すように構成している。また、図8に示す如く
の推進ケーシング15のチルトアップ時、或いは図1の保
管床G上への図7に示す如くの横置き時に、(A)送油
ポンプ53に連なる送油用吸込み口60或いは及び送油用吐
出口47Aをオイルタンク42内の油面より上位にするとと
もに、(B)潤滑ポンプ54に連なる潤滑用吸込み口48A
或いは及び分岐送油路66Cの潤滑用潤滑口をオイルタン
ク42内の油面より上位にするように構成している。
【0034】図12は、本発明の実施の形態3を示す。船
外機210 は、図12に示す如く、前記船外機10と略同様で
あるため、同一機能部分は同一符号を付して説明を省略
する。この船外機210 が前記船外機10と実質的に異なる
点は以下の通りである。即ち、船外機210 は、水ポンプ
71に連なる水供給管73と水ジャケット74とを結ぶように
中間部材16に設けた水路171 に分岐水路172 を接続する
とともに、オイルタンク42の底部から上部に貫通又は並
接する油冷却管173 を設け、上記分岐水路172 を油冷却
管173 の下端部に連通している。なお、油冷却管173 の
上端部は導水管174 を介して水ジャケット74の出口側に
連通される。
【0035】この実施の形態3によれば、オイルタンク
42の内部を貫通又は並接する油冷却管が冷却部を構成
し、オイルタンク42の内部の潤滑油を水ポンプ71が圧送
する冷却水により冷却することとなる。従って、潤滑油
は此の油冷却管173 にて積極的に冷却され、その劣化が
防止される。なお、この実施の形態3においても、前記
実施の形態1におけると同様に、潤滑ポンプ54に連なる
潤滑用吸込み口48Aを機関運転時にはオイルタンク42内
の油面より下位に浸すように構成している。また、図8
に示す如くの推進ケーシング15のチルトアップ時、或い
は図1の保管床G上への図7に示す如くの横置き時に、
(A)送油ポンプ53に連なる送油用吸込み口60或いは及
び送油用吐出口47Aをオイルタンク42内の油面より上位
にするとともに、(B)潤滑ポンプ54に連なる潤滑用吸
込み口48A或いは及び分岐送油路66Cの潤滑用潤滑口を
オイルタンク42内の油面より上位にするように構成して
いる。
【0036】図13〜図15は、本発明の実施の形態4を示
す。船外機310 は、図13〜図15に示す如く、前記船外機
10と同様に、推進ケーシング111 の上部に中間部材112
を介して4サイクル内燃機関313 を搭載している。この
内燃機関313 は2気筒からなるものであるが、機関各部
の基本構成は前記内燃機関17と略同様であるため前記内
燃機関17におけると同一機能部分は同一符号を付して説
明を省略する。この内燃機関313 が前記内燃機関17と実
質的に異なる点は以下の通りである。即ち、内燃機関31
3 はドライサンプ式の潤滑装置を構成するため、図14に
示す如く、中間部材112 におけるクランク軸29とカム軸
32に挟まれる位置にオイル受け114Aを配置し、後述する
送油ポンプ123 がポンプ本体116A、シリンダヘッド24、
中間部材112 に設けた吸込路126Aに接続される吸込管12
7Aをこのオイル受け114Aに開口している。また、推進ケ
ーシング111 の後方側上端部にオイルタンク115 を配置
し、更にカム軸32の下端部にポンプ装置116 を配置して
いる。また、オイルタンク115 は推進ケーシング111 の
後方側上端部における、カム軸32に近接する位置に設置
され、中間部材112 に取付けられた逆止弁117A、オイル
流入管117 及びオイル流出管118 を備える。なお、オイ
ルタンク115 はオイルレベルゲージ120 を備えている。
【0037】ポンプ装置116 は、図15に示す如く、カム
軸32の下端部まわりに設置され、送油ポンプ123 と潤滑
ポンプ124 をポンプ本体116A内に2段重ね状態で備え、
両者に共通となるポンプ軸125 をカム軸32の下端部に直
結している。送油ポンプ123 は、ポンプ本体116Aに設け
た吸込み路126 の吸込み口127 をオイル受け114 に開口
するとともに、ポンプ本体116A、カバー116B、弾性シー
ル部材134 に設けた吐出路128 をオイルタンク115 のオ
イル流入管117 に連通し、ポンプ軸125 に固定されたロ
ーター129 の回転によりオイル受け114 の潤滑油を圧送
してオイルタンク115 に供給する。この時、ポンプ本体
116A内の吐出路128 には不図示の逆止弁が設けられ、船
外機310 の横置き時等にオイルタンク115 内の潤滑油が
オイル受け114 側へ逆流するのを防止している。
【0038】潤滑ポンプ124 は、ポンプ本体116A、カバ
ー116B、弾性シール部材134 に設けた吸込み路130 をオ
イルタンク115 のオイル流出管118 に連通するととも
に、ポンプ本体116Aに設けた吐出路131 をシリンダブロ
ック22及びシリンダヘッド24に設けた送油路132 に連通
し、ポンプ軸125 に固定されたローター133 の回転によ
りオイルタンク115 の潤滑油を上記送油路132 から圧送
して機関の潤滑必要部(クランク軸29の軸受、カム軸32
の軸受等)へ供給する。オイルタンク115 の下部には、
ドレンプラグ115Aが設けられている。この時、ポンプ本
体116A内の吐出路131 には不図示の、圧力が作用した時
開く弁が設けられ、送油路132 に送油された潤滑油がロ
ーター133 の側に逆流するのを防止するとともに、ばね
にて設定された該弁の閉弁圧により、機関停止に伴う潤
滑ポンプ124 停止状態での船外機310 の横置き時等にオ
イルタンク115 から送油路132 側への順方向の潤滑油の
流れを防止する。
【0039】図14において、冷却水供給管73の中間部は
熱良導体であるアルミニューム等の金属を含有した接着
剤134 にてオイルタンク115 の側壁に添設されて冷却部
を構成し、オイルタンク115 内の潤滑油を水冷可能とし
ている。また、図14において、135 は排気管(排気通
路)である。水供給管73の中間部は前述の接着剤134 に
てオイル受け114Aの底壁にも添設されて冷却部を構成
し、オイル受け114A内の潤滑油を水冷可能としている。
【0040】この実施の形態4によれば、オイルタンク
115 の側壁及びオイル受け114Aの底壁のそれぞれに水供
給管73の中間部が添設されて冷却部が構成される。従っ
て、オイルタンク115 、或いはオイル受け114A内の潤滑
油が、水ポンプ71の圧送する冷却水により積極的に冷却
され、その劣化が防止される。また、この実施の形態4
にあっては、オイルタンク115 をカム軸32に近接する下
方位置に設け、潤滑ポンプ124 をカム軸32の下端部に設
置した。このため、オイルタンク115 が潤滑ポンプ124
の略直下領域に位置するように配置され、結果として、
潤滑ポンプ124 からオイルタンク115 に延びる吸い上げ
管としてオイル流出管118 が直管となって短くなる。従
って、船外機310 の保管中にオイル流出管118 内に生ず
るオイル切れ長さが短くなり、機関始動時に直ちに潤滑
油を供給できる。これにより、4サイクル船外機310 に
おいて、機関の始動後直ちに潤滑油を供給でき、常に安
定した潤滑作用を営むことができる。
【0041】この実施の形態4においても、前記実施の
形態1におけると同様に、潤滑ポンプ124 に連なる潤滑
用吸込み口118Aを機関運転時にはオイルタンク115 内の
油面より下位に浸すように構成している。また、推進ケ
ーシング111 のチルトアップ時、或いは横置き時に、
(A)送油ポンプ123 に連なる送油用吸込み口127 或い
は及び送油用吐出口117 をオイルタンク115 内の油面よ
り上位にするとともに、(B)潤滑ポンプ124 に連なる
潤滑用吸込み口118A或いは及び機関の潤滑必要部に開口
する潤滑用吐出口をオイルタンク115 内の油面より上位
にするように構成している。
【0042】図16は、本発明の実施の形態5を示す。船
外機410 は、図16に示す如く、前記船外機10と同様に、
推進ケーシング111 の上部に中間部材112 を介して4サ
イクル内燃機関413 を搭載している。この内燃機関413
は2気筒からなるものであるが、機関各部の基本構成は
前記内燃機関17と略同様であるため前記内燃機関17にお
けると同一機能部分は同一符号を付して説明を省略す
る。この内燃機関413 が前記内燃機関17と実質的に異な
る点は以下の通りである。即ち、内燃機関413 はドライ
サンプ式の潤滑装置を構成するため、図16に示す如く、
シリンダヘッド24の下方に位置する中間部材112 にオイ
ル受け114 を配置するとともに、推進ケーシング111 の
後方側上端部にオイルタンク115 を配置し、更にカム軸
32の下端部にポンプ装置116 を配置している。この時、
オイル受け114 は中間部材112 における、カム軸32に近
接する位置に設置されている。
【0043】オイルタンク115 は、推進ケーシング111
の後方側上端部における、カム軸32に近接する位置に設
置され、中間部材112 に取付けられた逆止弁117A、オイ
ル流入管117 及びオイル流出管118 を備えるとともに、
オイル流出管118 の弁付吸込み口118Aより上位のタンク
内中間部に位置するスクリーン119 を備えている。な
お、オイルタンク115 はオイル注入口キャップ兼オイル
レベルゲージ120 を備えている。更に、オイルタンク11
5 はオイル油面の上昇時にタンク内空気をカム室31の上
部空間へ逃がすためのエアブリード管121 を付帯して備
え、カム室31に対するエアブリード管121 の接続部に、
推進ケーシング111 の傾動によるオイルタンク115 の転
倒時等におけるオイル漏出を防止するため、逆止弁122
を備えている。逆止弁122 の開弁圧はばねにて設定され
る。なお、弁付吸込み口118Aの弁は実施の形態1の逆止
弁68と同一機能を持ち、機関停止に伴う潤滑ポンプ124
停止状態での船外機10の横置き時等にオイルタンク115
から送油路132 の側への順方向の潤滑油の流れを防止す
る。逆止弁117Aは実施の形態1の63(逆止弁)と同じく
同一機能を有する。
【0044】上記実施の形態5によれば、オイルタンク
115 をカム軸32に近接する下方位置に設け、潤滑ポンプ
をカム軸32の下端部に設置した。これにより、オイルタ
ンク115 は、該オイルタンク115 の油面が潤滑ポンプの
下方かつ側方領域外、即ち潤滑ポンプの略直下領域に位
置するように配置される。従って、潤滑ポンプからオイ
ルタンク115 に延びる吸い上げ管としてのオイル流出管
118 が略直管となって短くなる。従って、船外機410 の
保管中にオイル流出管118 内に生ずるオイル切れ長さが
短くなり、機関始動時に直ちに潤滑油を供給できる。
【0045】上記実施の形態5によれば、4サイクル船
外機410 において、機関の始動後直ちに潤滑油を供給で
き、常に安定した潤滑作用を営むことができる。また、
上記実施の形態5にあっては、オイル戻り路44、45がオ
イル受け114 に連なるオイル戻り口部にスクリーン46を
設けた。このため、潤滑油中の異物が上記スクリーン46
にて捕捉されることは勿論であるが、潤滑油中に巻込ん
だ気泡もオイル戻り口部を緩やかに自然落下する過程で
上記スクリーン46に捕捉されてより小さな気泡に細分化
され或いは消滅せしめられる。
【0046】オイル受け114 の下流側に位置するオイル
タンク115 の中間部にもオイルスクリーン119 を設け
た。このため、オイル受け114 のスクリーン46で捕捉し
きれなかった気泡がオイルタンク115 に送り込まれたと
しても、この気泡はオイルタンク115 内で浮遊する過程
で上記スクリーン119 に捕捉されてより小さな気泡に細
分化され或いは消滅せしめられる。従って、機関の潤滑
必要部を潤滑した後にオイル受け114 に回収される潤滑
油中の異物及び気泡を確実に濾過消泡し、この濾過消泡
された潤滑油をポンプ装置116 により機関の潤滑必要部
へ再循環することにより、安定した潤滑性能を確保する
ことができる。
【0047】上記実施の形態5によれば、(a) オイルタ
ンク115 に連通してオイル受け114内の潤滑油を該オイ
ルタンク115 に移送するオイル導入経路に、逆止弁が設
けられるとともに、(b) オイルタンク115 に連通して該
オイルタンク115 内の潤滑油を機関の潤滑必要部へ供給
するオイル排出経路に、潤滑ポンプ124 の停止時には閉
じる弁が設けられる。従って、船外機410 の保管状態で
は、オイルタンク115 からオイル導入経路を逆流しよう
とする潤滑油の流れは上記(a) の逆止弁により阻止さ
れ、オイルタンク115 からオイル排出経路を順方向に漏
出しようとする潤滑油の流れは上記(b)の弁により阻止
され、何れの経路からも潤滑油の流出を許すことがな
い。従って、船外機410 が各種の姿勢を採る時でも、オ
イルタンク115 の貯留潤滑油が燃焼室27に侵入すること
を防止できる。このことは、船外機410 の再始動時にお
けるピストン26の破損等を回避できることを意味する。
【0048】上記実施の形態5にあっては、機関の潤滑
必要部を潤滑した後の潤滑油を受けるオイル受け114 と
は別に、該オイル受け114 から移送される潤滑油を貯溜
する潤滑油を貯留するオイルタンク115 を備えるように
した。この時、オイル受け114 の潤滑油をオイルタンク
115 に移送する送油ポンプの回転軸と、オイルタンク11
5 の潤滑油を機関の潤滑必要部へ供給する潤滑ポンプの
回転軸とが、ポンプ軸にて相共通化されることにより同
軸一体回転せしめられるから、ポンプ駆動装置を簡便化
できる。コンパクトな構造により常に安定した潤滑作用
を営むことができる。
【0049】この実施の形態5にあっては、前記実施の
形態4におけると同様に、潤滑ポンプ124 に連なる潤滑
用吸込み口118Aを機関運転時にはオイルタンク115 内の
油面より下位に浸すように構成している。また、推進ケ
ーシング111 のチルトアップ時、或いは横置き時に、
(A)送油ポンプに連なる送油用吸込み口127 或いは及
び送油用吐出口117Aをオイルタンク115 内の油面より上
位にするとともに、(B)潤滑ポンプ124 に連なる潤滑
用吸込み口118A或いは及び機関の潤滑必要部に開口する
潤滑用吐出口をオイルタンク115 内の油面より上位にす
るように構成している。
【0050】
【発明の効果】本発明の請求項1では、4サイクル船外
機の潤滑装置において、縦置きのクランク軸とカム軸と
を前後の関係となるように配置し、排気通路と吸気装置
とを機関本体の左側又は右側にそれぞれ振り分けて配設
し、前記送油路に接続したオイルフィルタを排気通路と
同一側のシリンダブロック固定した。このように、オ
イルフィルタを排気通路と同一側のシリンダブロック
固定したので、内燃機関の排気熱がオイルフィルタを流
れる潤滑油を温め、潤滑油の粘性を下げるので、寒冷時
の冷機始動においても潤滑が円滑に行われる。また、排
気通路と吸気装置とを機関本体の左側又は右側にそれぞ
れ振り分けて配設したので、外形のコンパクト化を図る
ことができる。本発明の請求項2では、排気通路をシリ
ンダブロックと一体に形成し、オイルフィルタの下流の
分配側送油路及びオイルフィルタの上流のポンプ側送油
を排気通路と同一側のシリンダブロックに形成した。
このように、排気通路と分配側送油路・ポンプ側送油路
とがシリンダブロックの同一側に一体となって形成され
ているので、排気熱が排気通路から分配側送油路・ポン
プ側送油路へシリンダブロック内を通って伝達し、分配
側送油路・ポンプ側送油路及びそこを流れる潤滑油を温
める。本発明の請求項3では、オイルフィルタ本体のシ
リンダブロックとの固定面以外の面と、シリンダブロッ
クとの間には所定の間隔があり、オイルフィルタ本体と
排気通路との間には空所が存在するので、オイルフィル
タが過熱されることがなく、オイルフィルタ内のフィル
タが保護される。本発明の請求項4では、吸気装置がシ
リンダヘッドの側部からシリンダブロックとクランクケ
ースの合面の側部に延びたので、機関本体の左側又は右
側の側部全体を有効に利用することができる。 本発明の
請求項5では、前記吸気装置を吸気マニホールド又は気
化器となしたので、各種の燃料供給装置に対応すること
ができる。 本発明の請求項6では、排気通路が縦置きに
配置され縦方向に延びたので、排気を水中から排出する
のに好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1が適用された4サイクル
船外機を模式的に示す側面図である。
【図2】図2(a) は図1の4サイクル内燃機関を示す一
部破断の側面図であり、図2(b) は図2(a) の要部拡大
図である。
【図3】図1の4サイクル内燃機関を示す断面図であ
る。
【図4】図1のポンプ装置における送油ポンプ系を示す
断面図である。
【図5】図1のポンプ装置における潤滑ポンプ系を示す
断面図である。
【図6】図1の4サイクル内燃機関を示す要部断面図で
ある。
【図7】図7(a) は図1の船外機を示す上面図であり、
図7(b) は図7(a) の一部を変更した部分図である。
【図8】図1の船外機のチルトアップ状態を示す側面図
である。
【図9】本発明の実施の形態2が適用された4サイクル
船外機を模式的に示す側面図である。
【図10】図10(a) は図9の4サイクル内燃機関を示す
一部破断の側面図であり、図10(b) は図10(a) の要部拡
大図である。
【図11】図9の4サイクル内燃機関を示す要部断面図
である。
【図12】本発明の実施の形態3が適用された4サイク
ル船外機を模式的に示す側面図である。
【図13】本発明の実施の形態4が適用された4サイク
ル船外機を模式的に示す側面図である。
【図14】図13の4サイクル内燃機関を示す断面図であ
る。
【図15】図13のポンプ装置を示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5の4サイクル内燃機関
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 船外機 17 内燃機関 22 シリンダブロック 22〜25 (機関本体) 29 クランク軸 32 カム軸 43 吸上げポンプ 66 送油路 66B 分配側送油路 69 オイルフィルタ 75 排気通路 76〜78 (吸気装置) 110 船外機 210 船外機 310 船外機 313 内燃機関 410 船外機 413 内燃機関
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 20/00 F01M 1/10 F01M 11/02 F01M 11/03

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸上ポンプの吸込み口をオイル溜室内に
    開口し、吸上げポンプにより送油路を介してオイル溜室
    内の潤滑油を内燃機関の潤滑必要部へ供給し、内燃機関
    の潤滑必要部を潤滑した後の潤滑油をオイル溜室に流入
    させる4サイクル船外機の潤滑装置において、縦置きの
    クランク軸とカム軸とを前後の関係となるように配置
    し、排気通路と吸気装置とを機関本体の左側又は右側に
    それぞれ振り分けて配設し、前記送油路に接続したオイ
    ルフィルタを排気通路と同一側のシリンダブロック
    したことを特徴とする4サイクル船外機の潤滑装置。
  2. 【請求項2】 排気通路をシリンダブロックと一体に形
    成し、オイルフィルタの下流の分配側送油路及びオイル
    フィルタの上流のポンプ側送油路を排気通路と同一側の
    シリンダブロックに形成した請求項1記載の4サイクル
    船外機の潤滑装置。
  3. 【請求項3】 オイルフィルタ本体のシリンダブロック
    との固定面以外の面と、シリンダブロックとの間には所
    定の間隔があり、オイルフィルタ本体と排気通路との間
    には空所が存在する請求項1又は2記載の4サイクル船
    外機の潤滑装置。
  4. 【請求項4】 吸気装置がシリンダヘッドの側部からシ
    リンダブロックとクランクケースの合面の側部に延びた
    請求項1ないし3のいずれか一つに記載の4サイクル船
    外機の潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記吸気装置を吸気マニホールド又は気
    化器となした請求項1ないし4のいずれか一つに記載の
    4サイクル船外機の潤滑装置。
  6. 【請求項6】 排気通路が縦置きに配置され縦方向に延
    びた請求項1ないし5のいずれか一つに記載の4サイク
    ル船外機の潤滑装置。
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